JP2006081964A - 炭化水素吸着燃焼触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】Agの優れたHC保持能力を活かしながら、さらに耐久性能(酸化活性)に優れたHC吸着燃焼触媒を提供する。
【解決手段】排ガス流路に設けられた、排ガス中の炭化水素を吸着する吸着材層と、該吸着材層上に設けられた炭化水素燃焼触媒層とを触媒担体上に有する炭化水素吸着燃焼触媒において、前記吸着材層がAg−Pd合金またはその前駆体をゼオライトに添着したものを主成分とし、該ゼオライト中のAg担持量が1〜5重量%であり、かつ前記炭化水素吸着燃焼触媒のガス流れ方向の上流側端部および下流側端部における該吸着材層のAgとPdのモル比(Ag/Pd)がそれぞれ2〜6および0.2〜1であり、前記炭化水素燃焼触媒層が、アルミナ、セリアおよび/またはジルコニア担体にPd、PtおよびRhから選ばれた少なくても一種の酸化活性成分を担持したものを主成分とする炭化水素吸着燃焼触媒。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭化水素吸着燃焼触媒に係り、特に自動車用エンジンの排ガス中に含まれる炭化水素類を浄化するのに好適な炭化水素吸着燃焼触媒に関する。
自動車の排ガス中には、炭化水素(HC)類として、メタン、エタン、プロパンなどのパラフィン系炭化水素、エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが含まれている。従来、このような自動車排ガスを浄化する触媒として、一般に活性アルミナにPd、PtおよびRh等の貴金属(PM)成分を担持したものが用いられている。これらの触媒は、HC類だけでなく、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)を同時に除去できることから、三元触媒と呼ばれ、所定温度以上の温度において良好な触媒浄化性能を示す。
通常、自動車エンジンから排出される炭化水素は、エンジン始動直後から1〜2分の間に特に多量に排出されるが、これらの排出時に、三元触媒の温度が充分な浄化を実現するほど高まっていないため、HC類を効率的に浄化できないという欠点があった。そこで、三元触媒の下流に、吸着材および燃焼触媒成分を有する吸着燃焼触媒を設置し、三元触媒低温時に排出されるHCを一時的に吸着しておき、この吸着燃焼触媒が高温となった後にHCを脱離すると同時に、燃焼触媒成分によって燃焼分解して除去する、HC吸着燃焼触媒が提案されている。
このようなHC吸着触媒としては、ハニカム基材にゼオライト系のHC吸着材を担持し、それにPd、Pt、Rhなどの貴金属燃焼触媒成分を含浸担持した触媒(特許文献1等)や、下層(ハニカム担体側)にHC吸着能を有するゼオライトを主成分とする吸着材層を設け、上層(排ガス接触側)にHCを燃焼分解する三元触媒層を設けた積層構造を有する触媒(特許文献2等)などが知られている。
また、HC吸着燃焼触媒が性能を発揮するためには、コールドHC(エンジン始動開始時に排出されるHC)の脱離温度が貴金属触媒成分によるHCの燃焼活性化温度よりも高いことが前提となるため、特許文献3には、ゼオライトにAgを担持させることにより、無担持のものに比してHC吸着性能を向上させ、脱離温度を上昇させて吸着HCの浄化性能を向上させることが提案されている。
このAg担持ゼオライトによるHC吸着能および脱離温度向上の効果は大きいが、Ag担持ゼオライトを含有するHC吸着燃焼触媒を耐熱性が要求されるような条件に適用すると、HC浄化性能が低下するという問題があった。この理由はHC浄化性能は主にPdのような貴金属触媒の酸化作用によるものであるが、AgとPdは周期律表でも隣同士にあり、Pdの近傍にAgが存在すると容易に合金化しやすく、その結果、Pdの酸化触媒としての機能が大幅に低下する。そのために、Agを触媒に適用する場合、Agを担持した吸着材層とHC燃焼触媒であるPd成分とを分離して担持させた二層触媒を用いる方法や、AgとPdが反応しないように他の成分を介在させる方法が提案されている(特許文献4)。
しかし、Agを添加したゼオライトは優れたHC保持能力を有するものの、以下の理由により、広く適用されていないのが現状である。
(1) Agの融点が961℃付近と低く、他の貴金属触媒に比べて蒸気圧が高いことから、800℃を超える高温下で長期間使用すると、蒸散して担持量が少なくなってHC保持能力が徐々に低下する。
(2) AgはPdと容易に合金化しやすく、PdのHC燃焼活性を低下させるために、AgとPdを二層に分離担持して使用する方法などが採用されているが、高温での使用においては蒸散したAgがPdと合金化して徐々に燃焼活性の低下をもたらす。また、このような高温条件下では、蒸散によりゼオライト中のAgの含有量が少なくなり、本来の特長であるHC保持能力が低下し、HC吸着燃焼触媒の性能劣化を加速させる原因となる。
特開平2−135126号公報 特開平2−56247号公報 特開平7−96178号公報 特開2003−47850号公報
本発明者らは、先に第一層の吸着材層としてのゼオライトにAgとPdをモル比でAg/Pd=0.1〜2の範囲の一定比率で共担持させ、その上層にアルミナ、セリアおよび/またはジルコニア担体にPd、PtおよびRhから選ばれた少なくても一種の酸化活性成分を含有させたHC燃焼触媒層を設けた二層構造のHC吸着燃焼触媒を提案した(特願2004−36059号)。このHC吸着燃焼触媒によれば、ゼオライト吸着材にAgとPdが一定比率で担持されているため、Agの優れたHC保持能力を生かしながら、優れた耐熱および耐久性を得ることができる。
すなわち、上記のようにAgとPdは容易に合金化しやすく、その融点はAgとPdの原子比で、ほぼ直線的に変化することから、これらを合金化することによりAg単独よりも融点が上昇し(Agの融点は961℃、Pdは1556℃)、結果としてAgの蒸散やそれによる上層の燃焼触媒層におけるPd等の貴金属成分による燃焼活性への悪影響を防止することができる。また、AgとPdを合金化したものは、Pdの酸化作用は低下するものの、Ag本来の機能を強く受け継ぎ、実験によりAg単独の場合よりもむしろHC保持力が高められる。このように吸着材層でのPdは、酸化触媒としての機能を受け持つのではなく、AgのHC保持力を高め、Agの欠点である耐熱性を補うものして作用し、上層の燃焼触媒成分としてのPdとは機能を異にする。
本発明の課題は、上記先願技術において、Agの優れたHC保持能力を活かしながら、さらに耐久性能(酸化活性)に優れたHC吸着燃焼触媒を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、吸着材のAgとPdのモル比(Ag/Pd)を種々変化(0.1〜10)させた触媒の吸着脱離性能について詳細に検討した結果、触媒上流側(触媒の前1/3の範囲)の吸着材層においてAg/Pd=2〜6、下流側(触媒の後1/3の範囲)ではAg/Pd=0.2〜1のモル比となるように構成することにより、上記課題を達成できることを見いだし、本発明に到達した。
上記課題を達成するために本願で特許請求される発明は以下の通りである。
(1)排ガス流路に設けられた、排ガス中の炭化水素を吸着する吸着材層と、該吸着材層上に設けられた炭化水素燃焼触媒層とを触媒担体上に有する炭化水素吸着燃焼触媒において、前記吸着材層がAg−Pd合金またはその前駆体をゼオライトに添着したものを主成分とし、該ゼオライト中のAg担持量が1〜5重量%であり、かつ前記炭化水素吸着燃焼触媒のガス流れ方向の上流側端部における該吸着材層のAgとPdのモル比(Ag/Pd)が2〜6、該ガス流れ方向の下流側端部における該吸着材層のAgとPdのモル比(Ag/Pd)が0.2〜1であり、さらに前記炭化水素燃焼触媒層が、アルミナ、セリアおよび/またはジルコニア担体にPd、PtおよびRhから選ばれた少なくても一種の酸化活性成分を担持したものを主成分とすることを特徴とする炭化水素吸着燃焼触媒。
(2)前記上流側端部および下流側端部のそれぞれの長さが、前記炭化水素吸着燃焼触媒の全長の1/3であることを特徴とする(1)に記載の炭化水素吸着燃焼触媒。
(3)前記ゼオライトが、SiとAlのモル比(Si/Al)が10以上であるベータ型またはモルデナイト型ゼオライトであることを特徴とする(1)または(2)に記載の炭化水素吸着燃焼触媒。
本発明によれば、Ag・Pdを含むゼオライト吸着層における上流側と下流側のAgとPdのモル比を変えることにより、HC吸着保持能力と燃焼性能を十分に生かすことができる触媒構成とすることができるため、耐久性能に優れ、単一組成の吸着層に比べてHCの浄化性能を大幅に向上させることができる。
本発明における炭化水素吸着燃焼触媒(HC吸着燃焼触媒)は、自動車排ガス中のHC、特にエンジン始動開始時に排出されるコールドHCを、一時的に吸着し、昇温後、吸着したHCを脱離させ、これを酸化活性成分によって燃焼、分解し、無害化するものであり、内燃機関の排ガスを三元触媒で処理した後の排ガスに好ましく適用されるが、本発明の目的を達成する範囲内で他の排ガスの処理に適用することができる。
図1は、本発明のHC吸着燃焼触媒の部分断面説明図であり、図2は、該HC吸着燃焼触媒が適用される自動車エンジンのガス流路の説明図である。
図1において、HC吸着燃焼触媒3は、Ag−Pd合金またはその前駆体をゼオライトに添着したものを主成分とする吸着材層5と、吸着材層5上に設けられた炭化水素燃焼触媒層(HC燃焼触媒層)6とをハニカム基材4上に有し、前記ゼオライト中のAg担持量が1〜5重量%、HC吸着燃焼触媒3のガス流れ方向Cの上流側端部Aにおける吸着材層5のAgとPdのモル比(Ag/Pd)が2〜6、同じくガス流れ方向Cの下流側端部Bにおける吸着材層5のAgとPdのモル比(Ag/Pd)が0.2〜1であり、らにHC燃焼触媒層6は、アルミナ、セリアおよび/またはジルコニア担体にPd、PtおよびRhから選ばれた少なくとも一種の酸化活性成分を担持したものを主成分とする。
HC吸着燃焼触媒3は、図2に示すように、自動車エンジン1の排ガス流路に設けられた、HC、NOxおよびCOを同時に除去することができる、いわゆる三元触媒2の後流に配置される。
本発明では、吸着材層5におけるAg/Pd比を、排ガス流れ方向Cの上流側端部Aと下流側端部Bで変化させた点に特徴がある。すなわち、吸着材層5における上流側でのAg/Pdモル比(Ag/Pd)は、AgとPdの共存によるHC保持力の低下を防ぎつつ、Pd添加効果を得る点から2〜6、好ましくは3〜6の範囲とし、下流側でのAg/Pd比は、Agによる上層の触媒層浄化性能への悪影響を防ぎ、耐久後の性能低下を防止する点から1〜0.2、好ましくは1〜0.5の範囲とする必要がある。
また本発明では、ゼオライトのAg担持量は、HC燃焼触媒層6の燃焼活性への悪影響を防止する点から1〜5重量%とする必要がある。Ag量が1重量%未満ではHC保持効果が得られず、また5重量%を超えるとHC保持効果が飽和状態となり、むしろHC燃焼触媒層6の性能低下をもたらす。また下流側における吸着材層5のAg担持量は、HC燃焼触媒層6の燃焼活性への悪影響を防止する点から3重量%以下とするのが好ましい。
図3は、Ag−Pd共含浸した吸着材のHC吸着性能の指標となるHC濃度と温度の関係を示した図である。図3(a) にはAg/Pd比を2〜6の範囲とした場合のHC濃度と温度の関係を示したが、Ag/Pd比率が大で、特にAg/Pd=2〜6となる添加条件とすることにより、HCガスに対する吸着性能が向上して高温でのHCの保持力が増加する。一方、吸着材の吸着サイト付近でのHC浄化(燃焼)性能が低下することから、HCの保持能力(脱離温度)が向上しても、その温度で急激に放出されるHCを吸着層および上部触媒層で処理できず、一定の割合のHCがそのまま外部に放出される。また、過剰のAgが上部触媒層の燃焼活性に悪影響し、HCを浄化する性能がAg/Pd比の増大にしたがって低下する。図3(b) には、Ag/Pd比を0.2〜1の範囲とした場合のHC濃度と温度の関係を示したが、Pd>Agで、特にAg/Pd比が0.2〜1の条件では、HC保持力はAg/Pd比2〜6の場合よりも劣るが、HCが脱離して触媒層を通過する時点で吸着したHCが全て処理され、また上部層の触媒層の浄化性能も下層のAgの影響を受けにくく、耐久後の性能低下も小さくなる。以上から、Ag/Pd比を変化させた場合、浄化性能(流入HCに対して浄化されたHCの割合)は同じであるが、その吸着・脱離および燃焼特性はAg/Pd比により異なることが明らかとなった。
そこで、図4に示すように触媒上流側にHC保持力の高いAg/Pd比が2〜6吸着材層を配置し、下流側にAg/Pd比が0.2〜1の吸着材層とする触媒構成としてその性能を調べた結果、上流側吸着材層で大部分のHCガスを吸着・高温まで保持させ、その保持HCがたとえ上流部分で全て燃焼処理できなくても、脱離したHCが下流吸着材層で処理されることから、Ag/Pd比を単一構成にした触媒に比べて浄化性能が大きく向上することが確認された。
なお、本発明において、上流側端部または下流側端部とは、HC吸着燃焼触媒のガス流れ方向(長手方向)に対する上流側または下流側の該触媒のそれぞれの端部をいい、通常、該触媒全長のそれぞれ1/3の部分をいう。
本発明に用いられるHC吸着材のゼオライト種としては、自動車排ガス中の各種HC種に対して吸着能が高いベータ型ゼオライトまたはモルデナイト型ゼオライトが好ましい。また、ゼオライト本来の耐熱性からどのタイプにおいてもSi/Al比が10以上のハイシリカゼオライトが好ましい。吸着材の量としてはハニカム基材の容積当たり50〜200g/Lが好ましく、200g/Lを超えてもHC吸着性能に対する効果が向上しない場合がある。
上流側と下流側でAg/Pdの比率を変えた吸着材層を形成する方法としては、以下の方法が挙げられる。
まず、ハニカム基材にゼオライト吸着材をウォシュコート法により、所定量担持する。その後、AgとPdを所定量含有する溶液(例えば、硝酸Pd溶液に硝酸銀を溶解した溶液)の上流側用と下流側用を用意する。含浸液量としては、その吸着材担持ハニカムの吸水量の55〜60%の量をそれぞれ用意し、ゼオライトを担持した基材の上流端から、および下流端からAgとPdを含有した溶液をそれぞれ吸いきり含浸担持させることにより得ることができる。
このようにして得られたAg−Pd含有ゼオライト吸着材層は、上層の燃焼触媒成分を担持する前に、800℃以上で焼成してAg−Pdをゼオライトに添着することが、性能を安定化するために必要である。
本発明のHC吸着燃焼触媒は、上記したAg−Pd含有ゼオライト吸着材層の上層に、さらにHC燃焼触媒層を担持した二層構造の触媒である。
HC燃焼触媒層は、アルミナ、セリアおよび/またはジルコニア担体にPd、PtおよびRhから選ばれた少なくとも一種の酸化活性成分を含有させて構成され、第一層の吸着材層で保持され、温度の上昇により脱離したHCを、燃焼させ、除去する効果を発揮する。担体の耐熱性を向上させるためにLaなどの成分をアルミナと共に添加してもよい。HC燃焼触媒層における元素の組成比率や構成に特に限定されない。
また、ゼオライトを担持した基材全体に、Ag/Pd比が一定の含浸液を含浸、担持させて焼成焼き付け、さらに上層の燃焼触媒層を担持して二層触媒とした後、下流側端部のみをPd含有溶液に含浸させる方法によっても吸着材層の上流側と下流側でAg/Pd比率の異なるHC吸着燃焼触媒を得ることができる。
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。
なお、実施例で調整した触媒は下層の吸着コート層の組成のみを変化させ、上層の燃焼触媒層はすべて同じ組成で同じ方法で調製した。
〔実施例1〕
本発明の触媒の調製には、400cpsi(セル数:300/in2 )のコージェライト製ハニカム担体を使用した。まず、シリカ/アルミナ比が480であるベータ(BEA)型ゼオライト(東ソー社製、HSZ980H0A)の粉末および無機バインダ(日産化学社製、アルミナゾル−200)を固形分重量比100:10の割合で混合する。これに、BEA型ゼオライトが全体の35重量%になるように精製水を加えて混練後、磁性ボールミルで粉砕して整粒した。その後、必要に応じて有機バインダ(ポリビニルアルコール)および精製水を添加して粘度を調節し、ウォッシュコート用スラリを調製した。このスラリを、ウォッシュコート法によってハニカム担体の容積に対し180g/Lとなるように塗布して乾燥し、600℃空気中で1時間の焼成処理を施し、吸着材を塗布したハニカムを得た。
次に、あらかじめ吸着材ハニカムの吸水量を測定し、上流側含浸液用として硝酸Pdと硝酸銀を含む溶液をAg/Pdのモル比が3.0で、吸着材に吸水量分だけ含浸担持させた時にゼオライトに対するAgおよびPdの担持量が各々3.0重量%、1.0重量%になるような濃度の溶液、および下流側含浸液としてAg/Pdのモル比が1.0で、吸着材に吸水量分だけ含浸担持させた時にゼオライトに対するAgおよびPdの担持量が各々1.0重量%、1.0重量%になるような濃度の溶液を、それぞれ吸水量の60%の量に調製した。
次に、ゼオライト担持ハニカム基材の上流端および下流端を、上記の上流側用と下流側用に調製した含浸液にそれぞれ浸し、毛細管作用により液を十分に吸い上げた後、150℃の熱風通気により乾燥させた。
乾燥後に800℃空気中で1時間の焼成処理を施し、Ag−Pdをゼオライトに添着した後、硝酸セリウムを含む溶液を触媒全体に吸い切り含浸し、乾燥後に600℃空気中で1時間の焼成処理を施しHC吸着燃焼触媒の吸着コート層を得た。Ceの担持量は20g/L担持した。
一方、吸着コート層の上に積層する触媒燃焼層の調製は、CeO2 /ZrO2 (80/20)合成粉末とγ−アルミナとを4:1の割合で混合した粉末に対して、触媒燃焼成分であるPt、Pd、Rh含有溶液を含浸担持して600℃×2hで焼成した。本燃焼触媒粉末と無機バインダ(日産化学社製、アルミナゾル−200)を固形分重量比100:10の割合で混合し燃焼触媒粉末が全体の35重量%になるように精製水を加えて混練後、磁性ボールミルで粉砕して整粒した。その後、有機バインダ(ポリビニルアルコール)および精製水を添加して粘度を調節し燃焼触媒スラリを調製した。本スラリを、上記吸着コート層の上に担持した。上層の燃焼触媒層の組成と担持量(ハニカム基材1L当たりの担持量)はγ−アルミナ:CeO2 /ZrO2 :Pd:Pt:Rh=90:23:3.1:0.6:0.3g/Lであった。
このようにして調製した二層触媒を17mm□×21mmLのサイズに切断して評価サンプルとした。
〔実施例2〕
実施例1において、上流側のAgとPdの担持比率を6.0とし、ゼオライトに対する担持量をAg、Pdそれぞれ3.0重量%、0.5重量%とし、下流側のAgとPdの担持比率を1.0、Ag、Pd担持量をそれぞれ1.0重量%、となるようにした以外は実施例1と同じ方法で触媒を調製した。
〔実施例3〕
実施例1において、上流側のAgとPdの担持比率を6.0とし、ゼオライトに対するAg、Pd担持量をそれぞれ3.0重量%、0.5重量%とし、、下流側のAgとPdの担持比率を0.5とし、Ag、Pd担持量をそれぞれ1.0重量%、2.0重量%となるようにした以外は実施例1と同じ方法で触媒を調製した。
〔比較例1〕
吸着層全体にAgとPdを担持させた。すなわちAgとPdの担持比率6.0でゼオライトに対するAg、Pd担持量をそれぞれ3.0重量%、0.5重量%とした以外は、実施例1と同じ方法で二層型触媒を得た。
〔比較例2〕
吸着層全体にAgとPdを担持させた。すなわちAgとPdの担持比率6.0でゼオライトに対するAg、Pd担持量をそれぞれ1.0重量%、2.0重量%とした以外は、実施例1と同じ方法で二層型触媒を得た。
〔試験例〕
i)耐久試験方法
実車のエンジン始動時の性能を模擬した表1に示す耐久処理ガス条件により、触媒の性能を評価した。評価はエンジン耐久後の性能の加速評価方法として、図5に示すように850℃の温度条件で雰囲気ガスを運転中のリーンとリッチ雰囲気を模擬した2種類のガスA、Bを3分交互に切り替えて処理する方法によりエンジン耐久を加速模擬した。
Figure 2006081964
ii)触媒性能評価方法
触媒の評価方法を図6に示す。自動車始動時の排ガスを模擬した表2に示す評価試験用模擬ガスを流速6L/minで室温(約30℃)を保って1分間流通させ、流通したHCを触媒に吸着させた。次いで窒素を6L/minで流通させながら、30℃/minの割合で500℃まで昇温させ、HC吸着触媒に吸着している炭化水素HCの脱離および燃焼量を測定した。
Figure 2006081964
iii)触媒性能評価
実施例1〜3および比較例1〜2で得られた触媒の850℃×6h耐久処理後のHC浄化率(投入したHC量に対する、燃焼HC量の比率)の結果を表3に示した。表3から、本発明による触媒は、初期はもちろん耐久後のHC浄化性能が優れているのみならず、耐久処理後の性能低下比率も小さいことがわかる。
Figure 2006081964
本発明のHC吸着燃焼触媒は、耐熱性および耐久性能の大幅な向上が可能であり、排ガス浄化用触媒として適用範囲を拡大することができる。
本発明のHC吸着燃焼触媒の部分断面説明図。 本発明が適用される自動車エンジンの排ガス流路の説明図。 本発明における吸着材層の吸着性能の説明図。 本発明のHC吸着燃焼触媒によるHC除去説明図。 本発明における触媒評価用ラボ耐久処理条件を示す図。 本発明における吸着脱離評価試験方法を示す図。
符号の説明
1…自動車エンジン、2…三元触媒、3…HC吸着燃焼触媒、4…ハニカム基材、5…吸着材層、6…HC燃焼触媒層、A…上流側、B…下流側、C…ガス流れ方向。

Claims (3)

  1. 排ガス流路に設けられた、排ガス中の炭化水素を吸着する吸着材層と、該吸着材層上に設けられた炭化水素燃焼触媒層とを触媒担体上に有する炭化水素吸着燃焼触媒において、前記吸着材層がAg−Pd合金またはその前駆体をゼオライトに添着したものを主成分とし、該ゼオライト中のAg担持量が1〜5重量%であり、かつ前記炭化水素吸着燃焼触媒のガス流れ方向の上流側端部における該吸着材層のAgとPdのモル比(Ag/Pd)が2〜6、該ガス流れ方向の下流側端部における該吸着材層のAgとPdのモル比(Ag/Pd)が0.2〜1であり、さらに前記炭化水素燃焼触媒層が、アルミナ、セリアおよび/またはジルコニア担体にPd、PtおよびRhから選ばれた少なくても一種の酸化活性成分を担持したものを主成分とすることを特徴とする炭化水素吸着燃焼触媒。
  2. 前記上流側端部および下流側端部のそれぞれの長さが、前記炭化水素吸着燃焼触媒の全長の1/3であることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素吸着燃焼触媒。
  3. 前記ゼオライトが、SiとAlのモル比(Si/Al)が10以上であるベータ型またはモルデナイト型ゼオライトであることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化水素吸着燃焼触媒。
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