JP2006081654A - 画像生成方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 色の再現性が高く、かつ被写体の凹凸状況を把握しやすくした画像を生成すること。
【解決手段】 撮影光軸Lの周りに配置された複数のフラッシュ発光部51,52,53,54を順次に発光させて陰影のある複数の画像を取得し、さらに複数のフラッシュ発光部51,52,53,54の全てを同時に発光させて陰影のない画像を取得する。そして陰影のある複数の画像と陰影のない画像のそれぞれから分光画像データを算出する。これら分光画像データからカラー画像を再現すれば、色の再現性が高く、かつ被写体の凹凸状況を把握しやすくした複数の画像を取得できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像を撮影して画像処理を行う画像生成方法およびその装置に関する。
例えば医療分野においては、患者の患部に係る画像データを時間を変えて取得しておき、取得された複数の画像データを事後的に閲覧および比較することで、診断の一種として、患部に対する治療の経過観察が行われている。また、遠隔地における患者の状態を病院側に知らせるために、患者に係る画像データを取得して該画像データを病院に送信し、病院において受信した画像データを基に患者の診断を行うということが行われている。
このような画像を利用した診断を行う場合、従来は複数の画像データの色の状態が所定の基準色に基づいて同一の状態に再現され、複数の画像を同一の色状態で比較できるようになっている。例えば、特許文献1の場合、色票(カラーチャート)の表面に基準色が塗布され、その基準色に基づいて画像全体の色補正が行われることが記載されている。
ところが、画像を視認することによって診断を行う場合、色の再現性が高い場合であっても、画像が平面的なものであることから、患部の凹凸状態が判りにくく、患部の凹凸が診断の際に重要な要素となる場合には良好な診断を行うことができないという問題があった。
特開平9−5164号公報
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、色の再現性が高く、かつ被写体の凹凸状況を把握しやすくした画像生成技術を提供することを、その目的とするものである。
本発明にかかる画像生成方法は、撮影光軸の周りに配置された複数のフラッシュ発光部を順次に発光させて陰影のある複数の画像を取得する工程と、前記複数のフラッシュ発光部を同時に発光させて陰影のない画像を取得する工程と、前記陰影のある複数の画像と前記陰影のない画像のそれぞれから分光画像データを算出する工程と、を有している。
また、本発明にかかる画像生成装置は、撮影光軸に沿って入射する被写体像を光電変換することによって画像取得を行う撮像素子と、前記撮影光軸の周りに配置された複数のフラッシュ発光部と、前記複数のフラッシュ発光部を順次に発光させて前記撮像素子において陰影のある複数の画像を取得させるとともに、前記複数のフラッシュ発光部を同時に発光させて前記撮像素子において陰影のない画像を取得させる制御手段と、前記撮像素子で取得される、前記陰影のある複数の画像と前記陰影のない画像とのそれぞれから分光画像データを求める演算手段と、を備えて構成される。
また、上記の画像生成装置においては、前記陰影のある複数の画像と前記陰影のない画像とのそれぞれが動画像を構成するフレーム画像として形成されることが好ましい。
また、上記の画像生成装置においては、前記被写体像が前記撮像素子に入射する光路中に偏光フィルタが設けられることが好ましい。
この場合において、前記偏光フィルタは前記撮影光軸を中心に回動可能であることがさらに望ましい。
さらにその場合において、前記偏光フィルタが第1の位置にあるときに取得される、被写体からの直接反射光成分を多く取り込んだ画像と、前記偏光フィルタが第2の位置にあるときに取得される、前記直接反射光成分を除去した画像との差分画像から前記直接反射光成分を求め、前記直接反射光成分が所定値以上である画像部分について前記分光画像データを求める際には、前記演算手段が演算内容を変更することがより好ましい。
本発明によれば、撮影光軸の周りに配置された複数のフラッシュ発光部を順次に発光させて陰影のある複数の画像を取得するとともに、複数のフラッシュ発光部の全てを同時に発光させて陰影のない画像を取得し、そして陰影のある複数の画像と陰影のない画像のそれぞれから分光画像データを算出するように構成されるので、これら分光画像データからカラー画像を再現すれば、色の再現性が高く、かつ被写体の凹凸状況を把握しやすくした複数の画像が取得できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像生成装置が適用される画像処理システム10の一例を示す概略図である。図に示すように画像処理システム10は、画像生成装置として機能するデジタルカメラ1と、画像再生装置として機能するコンピュータ3とを備えている。
デジタルカメラ1は、被写体を撮影して画像データを取得し、この画像データから後述する物体色成分データを生成して記録媒体であるメモリカード91に保存する。物体色成分データは、メモリカード91を介してデジタルカメラ1からコンピュータ3に受け渡される。コンピュータ3には、デジタルカメラ1から受け渡された複数の物体色成分データがデータベースとして蓄積される。コンピュータ3は、データベース中の複数の物体色成分データを用いて複数の画像データを再生する。ユーザは、このようにして再生される複数の画像データを閲覧し、それぞれにおいて再現される被写体を比較することとなる。
なお、図1においては、デジタルカメラ1が1台のみ描かれているが、多数のものが画像処理システム10に含まれていてもよい。また、物体色成分データは、インターネットなどの電気通信回線、専用の伝送ケーブル等を介した電気的な伝送によってデジタルカメラ1からコンピュータ3に受け渡されてもよい。
図2は、デジタルカメラ1の外観構成を示す斜視図である。デジタルカメラ1は、撮影光軸Lに沿ってレンズユニット11に入射する被写体像を光電変換することによって画像データを取得するように構成されている。レンズユニット11の外周面には複数のアーム41,42,43,44が放射状に延設され、各アーム41,42,43,44の先端部には、フラッシュ光を発生させるフラッシュ発光部51,52,53,54が取り付けられている。そのため、各フラッシュ発光部51,52,53,54は、撮影光軸Lの周りの異なる位置に配置されることになり、撮影光軸L上に位置する被写体に対してそれぞれ異なる方向からフラッシュ光を照射する。なお、各アーム41,42,43,44のアーム長さやフラッシュ発光部51,52,53,54の取り付け角度は、それぞれ個別に調整可能なように構成されることが好ましい。
図3は、デジタルカメラ1の主要な構成をブロック等にて示す図である。デジタルカメラ1は、撮影光軸Lに沿って入射する光をCCD121に結像させるレンズユニット11と、画像データを処理する本体部12とを有し、レンズユニット11には上述したように複数のフラッシュ発光部51〜54が取り付けられている(ただし、図3では便宜上、2つのフラッシュ発光部51,53のみを図示している。)。
レンズユニット11は、その内部に、複数のレンズからなるレンズ系111および絞り112を備えている。レンズ系111により結像された被写体の光像は、本体部12に設けられたCCD121にて光電変換されて画像信号とされる。CCD121は受光面に複数の画素を備え、各画素にて受光する光を光電変換することにより、各画素の値としてR,G,Bの各色に関する値を取得する3バンドの撮像素子となっている。CCD121から出力される1フレームごとの画像信号は後述する処理が行われた後、本体部12に着脱可能に装着される外部メモリであるメモリカード91に記憶される。
本体部12には、ユーザインターフェースとして機能するシャッタボタン123、ディスプレイ125および操作ボタン126が設けられる。ユーザがファインダ等を介して被写体を捉え、シャッタボタン123を操作することにより、デジタルカメラ1ではフラッシュ発光部51〜54を発光させてCCD121による撮影動作が行われ、被写体を撮影した画像データが取得される。
また、ディスプレイ125に表示されるメニューに従ってユーザが操作ボタン126を操作することにより、撮影条件の設定、メモリカード91の保守等ができるようにされている。
図3に示す構成のうち、レンズ系111、CCD121、A/D変換部122、シャッタボタン123、フラッシュ発光部51,52,53,54、フラッシュ制御部29ならびに、マイクロコンピュータとしてのCPU21、ROM22およびRAM23は画像データを取得する機能を実現する。特に、本実施形態では、シャッタボタンの押下操作に応答した一連の撮影動作で、陰影のある画像と陰影のない画像とを取得することができるように各部が機能する。
レンズ系111により被写体の像がCCD121上に結像され、シャッタボタン123が押されると、CPU21はCCD121に対して撮影タイミングに関する指令を送出するとともに、フラッシュ制御部29に対してフラッシュ発光指令を送出する。より具体的に説明すると、CPU21は、CCD121に対して、1フレーム分の画像を取得するための撮影動作(光電変換動作)を繰り返し行うように、撮影タイミングに関する指令を繰り返し送出する。またCPU21は、フラッシュ発光量を演算によって求め、各フレームの撮影動作に連動してフラッシュ発光させるべく、フラッシュ制御部29に対してフラッシュ発光指令を送出する。
フラッシュ制御部29は、撮影光軸Lの周りの異なる位置に配置された複数のフラッシュ発光部51,52,53,54に対し、CPU21からの指令に基づいて順次に発光指令を送出する。例えば、撮影光軸Lの周りに配置された複数のフラッシュ発光部51,52,53,54を反時計回りに順次に発光させていく。これにより、被写体に対してそれぞれ異なる方向からフラッシュ光が照射された状態の画像を撮影できるようになり、陰影のある被写体の画像であって、それぞれに異なる陰影のある画像を取得できる。
また、フラッシュ制御部29は、複数のフラッシュ発光部51,52,53,54の順次発光が終了すると、最後に全てのフラッシュ発光部51〜54を同時発光させる。これにより、被写体に対して異なる方向からのフラッシュ光が同時に照射された状態で画像を撮影できるようになり、全く陰影のない被写体の画像を取得できる。
このようにデジタルカメラ1は、ユーザによってシャッタボタン123が押下されると、撮影光軸Lの周りのフラッシュ発光部を順次に発光させて複数フレーム分の陰影のある画像を取得するとともに、最後に全てのフラッシュ発光部を同時に発光させて陰影のない画像を取得するように構成されている。
ただし、全てのフラッシュ発光部の同時発光は、順次発光の後ではなく、最初に行うようにしてもよい。
そしてCCD121で順次に生成される画像信号は、A/D変換器122に出力され、そこでデジタル信号に変換される。A/D変換部122にて変換された1フレームごとのデジタル画像信号は、RAM23に画像データとして記憶される。
なお、上記のような処理は、CPU21がROM22内に記憶されているプログラム221に従って動作することにより統括的に制御される。
また、本実施形態では、本体部12に設けられるCPU21、ROM22およびRAM23が、陰影のある画像および陰影のない画像として取得された各画像データを処理する機能を実現する。具体的には、ROM22に記憶されているプログラム221に従って、RAM23を作業領域として利用しながらCPU21が動作することにより、各画像データに対する画像処理が施され、各画像データから物体色成分データが生成される。
また、カードI/F(インターフェイス)124はRAM23と接続され、操作ボタン126からの入力操作に基づいてRAM23とメモリカード91との間の各種データの受け渡しを行う。また、ディスプレイ125はCPU21からの信号に基づいてユーザに対して各種情報の表示を行う。
次に、デジタルカメラ1が、物体色成分データを取得する処理について説明する。
図4は、デジタルカメラ1のCPU21、ROM22およびRAM23により実現される機能を他の構成とともにブロックにて示す図である。図4に示す構成のうち、物体色成分データ生成部201および撮影制御部202は、CPU21、ROM22、RAM23等により実現される機能である。図5は、デジタルカメラ1における撮影および画像処理の流れを示す流れ図である。以下、図4および図5を参照しながらデジタルカメラ1の撮影動作から物体色成分データの取得動作までの流れについて説明する。
まず、被写体の撮影を行うときには、図6に示す如く、患者の患部などを主被写体81とし、その主被写体81とともに、基準被写体となる基準パッチ82を同時に撮影することができるように、デジタルカメラ1の撮影範囲内に主被写体81および基準パッチ82を配置する。基準パッチ82としては、白色またはグレーの無彩色、かつ、正方形の紙などが使用される。そして撮影の際には、画像データ231中において基準パッチ82を示す領域が略正方形の領域として得られるように、デジタルカメラ1(の撮像面)と基準パッチ82とが略平行に配置される。
また撮影の際には、基準パッチ82はデジタルカメラ1の撮影範囲のほぼ中央に位置するように配置されることが好ましい。デジタルカメラ1は一般にレンズユニット11のシェーディングにより、画像周辺部分の輝度が低下することが知られており、また画像周辺部分はレンズの歪曲収差が大きいので基準パッチ82が歪んで写る可能性が高いことから、それらによる画質劣化を防止するためである。
そして図6のように主被写体81と基準パッチ82とが配置されると、ユーザによるフレーミング操作が行われた後、シャッタボタン123が押下され、デジタルカメラ1に撮影指示が与えられる。デジタルカメラ1は、シャッタボタン123が押下されたことを検知すると(ステップST1でYes)、撮影制御部202が各フラッシュ発光部を発光させる際のフラッシュ発光量を決定する(ステップST2)。このフラッシュ発光量の決定は、例えばシャッタボタン123が押下される前の撮影待機状態においてCCD121で取得されるライブビュー画像を用いて行われる。
そして撮影制御部202はCCD121に対して撮影開始を指示し、フラッシュ制御部29に対して一のフラッシュ発光部を発光させるよう指示する。これにより、撮影光軸L周りの複数のフラッシュ発光部51,52,53,54のうち、一のフラッシュ発光部が選択されて発光し(ステップST3)、主被写体81および基準パッチ82をフラッシュ撮影した画像データが取得される(ステップST4)。ここで取得される画像は、一のフラッシュ発光部が発光して撮影された画像であるため、主被写体表面の凹凸に応じた陰影が顕著に現れた画像(陰影のある画像)となる。
そして撮影制御部202は複数のフラッシュ発光部51,52,53,54の全てを単独発光させたか否かを判断し、未だ発光させていないフラッシュ発光部が存在する場合には、ステップST3に戻って、他のフラッシュ発光部を発光させて陰影のある画像の取得動作を繰り返す。つまり、ステップST3,ST4,ST5のループ処理により、撮影光軸Lの周りに配置された複数のフラッシュ発光部51,52,53,54が順次に発光し、複数フレームの陰影のある画像が取得されることになる。
そして全てのフラッシュ発光部51,52,53,54について単独発光が終了した場合、撮影制御部202はフラッシュ制御部29に対して全てのフラッシュ発光部を発光させるよう指示する。これにより、撮影光軸L周りの複数のフラッシュ発光部51,52,53,54の全てが同時に発光し(ステップST6)、主被写体81および基準パッチ82を、全てのフラッシュ発光部51,52,53,54で照明して撮影した画像データが取得される(ステップST7)。よって、ここで取得される画像は、全てのフラッシュ発光部が発光して撮影された画像であるため、主被写体表面に凹凸がある場合でも陰影の生じない画像(陰影のない画像)となる。
上記のようにして得られる各画像データは、CCD121およびA/D変換器122からRAM23へと導かれ、そこに画像データ231として記憶される。
陰影のある画像および陰影のない画像の画像データがそれぞれRAM23に記憶されると、次に、それら各画像データから物体色成分データを求める際に用いる照明成分データ232が設定される(ステップST8)。照明成分データ232は、照明光の分光分布を示すデータであり、より一般的には、照明光の画像データに与える影響を示すデータである。照明成分データ232が示す分光分布の強度は最大の分光強度を1として正規化されており、照明成分データ232は照明光の相対的な分光分布を示す。
デジタルカメラ1のROM22には、様々な照明光(光源)にそれぞれ対応する複数の照明成分データ232が予め記憶されており、ユーザが撮影時の光源に応じて操作ボタン126によりこれらから一の照明成分データ232を選択して、その照明成分データ232がRAM23に格納される。なお、デジタルカメラ1にマルチバンドセンサを設けておき、このマルチバンドセンサからの出力に基づいて実際の照明光の分光分布が求められて、物体色成分データを求める際に用いる照明成分データ232としてRAM23に記憶されてもよい。マルチバンドセンサとしては、複数の光強度検出器のそれぞれに各波長帯の光のみを透過するフィルタを設けたものを利用することができる。
照明成分データ232が設定されると、次に、物体色成分データ生成部201により、画像データ231および照明成分データ232を用いて、画像データ231から照明環境の影響を取り除いた成分として物体色成分データ233が求められる(ステップST9)。この処理は、複数の陰影のある画像の全てについて行われるとともに、陰影のない画像についても行われる。したがって、RAM23に格納された複数の画像データ231のそれぞれから物体色成分データ233が求められる。ここで、物体色成分データ233は、被写体の分光反射率に実質的に相当するデータである。以下、物体色成分データ233、すなわち被写体の分光反射率を求める一手法について説明する。
まず、可視領域の波長をλとして被写体を照明する照明光の分光分布をE(λ)とし、ある画素(以下、「対象画素」という。)に対応する被写体上の位置の分光反射率をS(λ)とする。分光反射率S(λ)は3つの基底関数S1(λ),S2(λ),S3(λ)および加重係数σ1,σ2,σ3の加重和として、
Figure 2006081654
と表される。したがって、対象画素に対応する被写体上の位置からの反射光(すなわち、対象画素への入射光)の分光分布I(λ)は、
Figure 2006081654
と表現される。また、対象画素のR,G,Bのいずれかの色(以下、「対象色」という。)に関する値(画素値)をρcとし、デジタルカメラ1の対象色の総合分光感度(レンズ系111の分光透過率およびCCD121の分光感度を考慮した感度)をRc(λ)とすると、ρcは、
Figure 2006081654
と表される。数3において、基底関数Sj(λ)は予め定められた関数であり、総合分光感度Rc(λ)は予め計測により求めることができる関数である。これらの情報は予めROM22やRAM23に記憶される。また、照明光の分光分布E(λ)は、物体色成分データ233としてRAM23に記憶されている。
したがって、数3に示す方程式において未知数は3つの加重係数σ1,σ2,σ3のみである。また、数3に示す方程式は対象画素におけるR,G,Bの3つの色のそれぞれに関して求めることができ、これら3つの方程式を解くことにより3つの加重係数σ1,σ2,σ3を求めることができる。
このようにして求められる3つの加重係数σ1,σ2,σ3と、基底関数Sj(λ)とを数1に代入すれば、対象画素に対応する被写体上の位置の分光反射率S(λ)を表現することができる。したがって、対象画素の加重係数σ1,σ2,σ3を求めることは、対象画素に対応する被写体上の位置の分光反射率S(λ)を求めることに相当する。
以上の手法に基づき、デジタルカメラ1の物体色成分データ生成部201は画像データ231の画素値および照明成分データ232を参照しながら、各画素に対応する被写体上の位置の分光反射率(すなわち、各画素の加重係数σ1,σ2,σ3)を求める。そして、求められた全画素に関しての加重係数σ1,σ2,σ3が、物体色成分データ233としてRAM23に記憶される(ステップST9)。物体色成分データ233が求められると、物体色成分データ233は、メモリカード91へと転送されて保存される(ステップST10)。ここで、デジタルカメラ1において一連の撮影動作で取得された複数フレーム分の画像データ(陰影のある画像と陰影のない画像データとの双方を含む)から求められた複数の物体色成分データ233は、同一の被写体を撮影して得られたデータであるので、これらは一つの纏まったデータとして管理されることが好ましい。そこで、例えばメモリカード91に、同一の被写体を撮影して得られた複数の物体色成分データ233を記録する場合、各物体色成分データ233を撮影順に連結して動画像を構成するひとつのフレームデータとして物体色成分データ233を格納するようにすればよい。
上記のようにして求められる物体色成分データ233は、各画素に相当するデータが被写体の分光反射率を示すものであり、「分光画像」とも呼ばれる。より一般的には、物体色成分データ233は、照明光の影響が取り除かれた画像データに相当するデータである。ただし、上記の手法によって加重係数σ1,σ2,σ3を求めると、照明成分データ232には実際の照明光の強度は反映されていないため、求められる加重係数σ1,σ2,σ3は、実際の照明光の強度に応じた値となる。すなわち、実際の照明光の強度が比較的高い場合は加重係数σ1,σ2,σ3は比較的高く求められ、逆に、照明光の強度が比較的低い場合は加重係数σ1,σ2,σ3は比較的低く求められる。したがって、物体色成分データ233は、絶対的な分光反射率ではなく、波長ごとの反射率の相対関係(以下、「相対分光反射率」という。)を示すこととなる。
デジタルカメラ1は、以上のような一連の処理を画像データ毎(1フレームの画像毎)に実行し、複数の画像のそれぞれについて物体色成分データ233を取得する。取得された複数の物体色成分データ233は、メモリカード91を介してコンピュータ3に受け渡されコンピュータ3においてデータベースとして蓄積される。
図7はコンピュータ3の概略構成を示す図である。図7に示すように、コンピュータ3は、CPU301、ROM302およびRAM303をバスラインに接続した一般的なコンピュータシステムの構成となっている。バスラインにはさらに、データやプログラム等を保存するハードディスク304、各種情報を表示するディスプレイ305、操作部306としてユーザからの入力を受け付けるキーボード306aおよびマウス306b、記録ディスク92(光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等)との間で情報の受け渡しを行う読取装置307、並びに、メモリカード91との間で情報の受け渡しを行うカードスロット308が、適宜、インターフェイス(I/F)を介する等して接続される。
RAM303、ハードディスク304、読取装置307およびカードスロット308は互いにデータの受け渡しが可能とされている。また、CPU301の制御の下で、ディスプレイ305には、RAM303、ハードディスク304およびメモリカード91等に記憶されている画像データや各種情報の表示が可能とされる。
図7に示すプログラム341は、記録ディスク92から読取装置307を介してハードディスク304に記憶されたものであり、適宜、ハードディスク304からRAM303へと読み出されて、CPU301により実行される。CPU301がプログラム341に従って動作することにより画像データを処理する機能が実現され、これにより、コンピュータ3が撮影時の照明光(光源)の影響を取り除いた画像を生成して、良好な診断用画像を生成する機能を備える。なお、コンピュータ3がインターネットなどの電気通信回線を介した通信機能を備えている場合は、プログラム341は、電気通信回線を通じて取得されてハードディスク304に記憶されてもよい。
上記のようなコンピュータ3が、物体色成分データ233を用いて画像データを再生する処理について説明する。
図8は、コンピュータ3のCPU301がプログラム341に従って動作することにより実現される機能を他の構成とともにブロックにて示す図である。図8に示す構成のうち、データ選択受付部311、合成画像生成部312、基準受付部313、画像調整部314、合成画像記録部315および表示データ生成部316が、CPU21がプログラム341に従って動作することにより実現される。
図に示すように、ハードディスク304には、デジタルカメラ1により得られた複数の物体色成分データ233から構成される物体色成分データベース351が構築されている。さらにハードディスク304には、複数の照明成分データ232から構成される照明成分データベース352が構築されている。この照明成分データ232は、上記で説明したものと同じく照明光の分光分布を示すデータであり、より一般的には、照明光の画像データに与える影響を示すデータである。
コンピュータ3では、物体色成分データ233が示す被写体をユーザに閲覧させる。ただし、物体色成分データ233はそのままではディスプレイ305の表示に供することができないため、コンピュータ3は、物体色成分データ233に照明成分データ232を合成し、これにより生成される画像データ(以下、「合成画像データ」という。)をディスプレイ305に表示する。この処理により、ユーザは物体色成分データ233が示す被写体の閲覧および比較が可能となる。照明成分データベース352には、この合成画像データの生成に用いるための候補となる複数の照明成分データ232が含まれている。照明成分データ232としては、例えば、CIE規格のD65、CIE規格のD50、白熱灯、蛍光灯、太陽光などの様々な照明光(光源)に対応したものが存在している。
図9は、CPU301がプログラム341に従って実現する処理の流れ図であり、具体的には物体色成分データ233を用いて合成画像データを再生する処理の流れを示している。以下、図8および図9を参照しながらコンピュータ3の処理について説明する。
まず、ユーザが操作部306を介して指示を行うことにより、物体色成分データベース351から複数の物体色成分データ233が選択される。デジタルカメラ1において陰影のある画像と陰影のない画像とから求められた物体色成分データが動画像ファイルに含まれる場合には、その動画像ファイルが選択されることになる。このようなユーザによる選択の指示は、データ選択受付部311に受け付けられ、選択された複数の物体色成分データ233はハードディスク304からRAM303に読み出される。これにより、ユーザがカラー画像への再現を希望する複数の物体色成分データ233が決定される(ステップST11)。
次に、ユーザの操作部306を介しての指示により、照明成分データベース352から、合成画像データの生成に用いるための一の照明成分データ232が選択される。例えば、ディスプレイ305に、照明成分データベース352に含まれる照明成分データ232の名称の一覧が表示されており、ユーザが、マウスポインタにより所望の照明成分データ232の名称を選択してから、「OK」と表記されたコマンドボタンをクリックすることによって選択操作が行われる。この結果、一の照明成分データ232の選択の指示がデータ選択受付部311により受け付けられ、選択された照明成分データ232がRAM303に読み出される(ステップST12)。
次に、ユーザの操作部306を介しての指示により、合成画像データの明るさを調整する際の基準となる基準値が指定される。例えば、ディスプレイ305に、基準値を指定するためのスライダーコントロールなどが表示されており、ユーザがマウス操作によってそのスライダーコントロールを所望の位置に移動させる、あるいは、数値入力欄に直接的に数値を入力することによって、基準値を0から1の範囲の数値で指定することができるようになっている。そして「OK」と表記されたコマンドボタンをクリックすることによって、指定された基準値が基準受付部313に受け付けられる(ステップST13)。
さらに、ユーザの操作部306を介しての指示により、合成画像データ中の被写体のサイズを調整する際の基準となる基準サイズが画素数で指定される。例えば、ディスプレイ305に、基準サイズを指定するためのスライダーコントロールなどが表示されており、ユーザがマウス操作によってそのスライダーコントロールを所望の位置に移動させることにより、あるいは、数値入力欄に直接的に数値を入力することによって、基準サイズを10から100の範囲の数値で指定することができるようになっている。そして「OK」と表記されたコマンドボタンをクリックすることによって、指定された基準サイズが基準受付部313に受け付けられる(ステップST14)。
次に、RAM303に読み出された複数の物体色成分データ233のうち一の物体色成分データ233が処理の対象(以下、「注目物体色成分データ」という。)として決定される(ステップST15)。
注目物体色成分データが決定されると、次に、注目物体色成分データおよび照明成分データ232が合成画像生成部312に入力される。合成画像生成部312は、注目物体色成分データの各画素に相当するデータを、数1の加重係数σjとして用いることにより被写体上の各位置の分光反射率S(λ)を求める。なお、基底関数Sj(λ)は予めハードディスク304に記憶される。そして、求めた被写体上の各位置の分光反射率S(λ)と、照明成分データ232が示す照明光の分光分布E(λ)とを数2に用いて、これらを乗算した分光分布(以下、「合成分光分布」という。)I(λ)を求める。これにより、各画素が合成分光分布I(λ)で表現される合成画像データ331が生成される。合成分光分布I(λ)は、注目物体色成分データが示す被写体を照明成分データ232が示す照明光で照明したと仮定した場合の、被写体からの反射光の分光分布に相当する。
合成画像データ331の各画素は、合成分光分布I(λ)を数4に代入することにより、三刺激値(XYZ値)で表現することも可能である。数4においてRX(λ),RY(λ),RZ(λ)はXYZ表色系の等色関数である。
Figure 2006081654
また、合成画像データ331の各画素は、周知のマトリクス演算により三刺激値(XYZ値)をRGB値に変換することで、RGB値で表現することも可能である。したがって、合成画像データ331は、ディスプレイ305の表示に容易に供することが可能なデータである(ステップST16)。
このようにして生成された合成画像データ331を表示してもよいが、本実施の形態ではさらに、明るさの調整、および、被写体のサイズの調整が合成画像データ331に対してなされる。これらの調整を行う際には、合成画像データ331の各画素は合成分光分布I(λ)で表現された状態とされる。
合成画像データ331の調整にあたっては、まず、合成画像データ331中において基準パッチ82を示す領域が、基準領域として画像調整部314により特定される。基準パッチ82は正方形かつ無彩色であるため、基準領域は略正方形であり、基準領域に含まれる画素の合成分光分布I(λ)は波長ごとの強度差が少なく平坦な分布を示す。したがって、このような条件に合致する領域を合成画像データ331から探し出すことで基準領域を特定することができる。なお、ディスプレイ305に合成画像データ331を表示し、表示された合成画像データ331に基づいて、操作部306を介してユーザから基準領域が指定されるようになってもよい(ステップST17)。
次に、画像調整部314は、特定された基準領域の明るさが基準受付部313に受け付けられた基準値に一致するように、合成画像データ331の明るさを調整する。具体的には、基準値を基準領域の明るさで除算して調整係数を導出し、導出した調整係数を合成画像データ331の各画素の合成分光分布I(λ)に乗算する。基準領域の明るさとしては、基準領域に含まれる各画素の合成分光分布I(λ)から得られる特定波長(例えば、560nm)における分光強度の平均値が利用される。これにより、合成画像データ331中の全被写体の明るさが調整される。調整後の合成画像データ331中の基準領域の明るさは、基準値に一致する(ステップST18)。
続いて、画像調整部314は、基準領域のサイズが基準受付部313に受け付けられた基準サイズに一致するように、合成画像データ331中の被写体のサイズを調整する。具体的には、基準サイズと基準領域のサイズとを比較して、基準領域のサイズが基準サイズに一致するための拡大倍率または縮小倍率を導出する。基準領域のサイズとしては、基準領域の一辺の画素数が利用される。そして、導出した拡大倍率または縮小倍率に基づいて、合成画像データ331を拡大または縮小する。これにより、合成画像データ331中の全被写体のサイズが調整される。調整後の合成画像データ331中の基準領域のサイズは、基準サイズに一致する(ステップST19)。
このような明るさの調整および被写体のサイズの調整がなされると、表示データ生成部316によって、合成画像データ331の各画素の合成分光分布I(λ)は、数4による演算によりXYZ値とされ、さらにRGB値に変換される。そして、調整済の合成画像データ331がディスプレイ305に表示される。これにより、ユーザは生成された合成画像データ331を閲覧することができる。なお、XYZ値からRGB値への変換には、ディスプレイ305に固有の特性を示すICCプロファイルを用いてもよい。変換にICCプロファイルを用いることで、ディスプレイ305に表示する画像から、ディスプレイ305に固有の特性を排除することができる(ステップST20)。
このようにして、一の注目物体色成分データから生成される合成画像データ331が表示されると、次の注目物体色成分データが決定される(ステップST21,ST15)。例えば、異なる方向から照明された陰影のある画像や陰影のない画像から求められた物体色成分データが次の注目物体色成分データとして決定されうるし、またこれらと比較すべき他の物体色成分データも次の注目物体色成分データとして決定されうる。そして、上記と同じ処理(ステップST16ないしST20)が、その注目物体色成分データに関して行われる。このような処理の繰り返しにより、最終的に、比較対象とする全ての物体色成分データ233からそれぞれ合成画像データ331が生成される。
そして、生成された複数の合成画像データ331は、それぞれディスプレイ305に表示される。このとき、シャッタボタン123の押下操作に応答して行われる一連の撮影動作によって取得された、複数の陰影のある画像および陰影のない画像は、動画的態様でディスプレイ305に表示される。すなわち、複数の陰影のある画像および陰影のない画像は、それぞれ動画像を構成するフレーム画像として表示される。このような表示態様により、被写体に対して異なる方向から照明された画像を連続的に視認できるようになり、患部の凹凸の状態などが非常に判りやすく表示されることになる。
上記処理において、合成画像データ331の生成に用いられる照明成分データ232は、比較対象とする複数の物体色成分データ233間で同一である。したがって、複数の物体色成分データ233の取得時における照明光の分光分布が相違していた場合であっても、生成された複数の合成画像データ331は、同一分光分布の照明光に照明された被写体を示すこととなる。つまり、同一分光分布の照明光下における被写体を再現することができ、同一の被写体は同一色で再現される。これにより、ユーザは同一分光分布の照明光下の被写体を比較することができ、被写体の比較を的確に行うことができる。また、合成画像データ331の生成に用いる一の照明成分データ232の選択の指示をユーザから受け付けるため、ユーザにとって所望の分光分布の照明光下における被写体を再現できる。
また、物体色成分データ233は相対分光反射率を示すことから、単に物体色成分データ233に照明成分データ232を合成した場合は、生成される合成画像データ331の明るさは物体色成分データ233の取得時における照明光の強度に影響される。したがってこの場合は、複数の合成画像データ331の再生時に、同一の被写体が同一の明るさで再現されない可能性がある。本実施の形態では、基準領域の明るさが基準値に一致するように合成画像データ331の明るさが調整され、複数の合成画像データ331間で基準領域の明るさが一致される。したがって、複数の合成画像データ331は、同一の強度の照明光に照明された被写体を示すこととなる。つまり、同一強度の照明光下における被写体を再現することができ、同一の被写体は同一の明るさで再現される。これにより、ユーザは、同一強度の照明光下における被写体を比較することができ、被写体の比較をさらに的確に行うことができる。また、基準領域の明るさを一致させるための基準となる基準値の指定をユーザから受け付けるため、ユーザにとって所望の強度の照明光下における被写体を再現できる。
また、単に物体色成分データ233に照明成分データ232を合成した場合は、生成される合成画像データ331中の被写体のサイズは、物体色成分データ233の取得時における撮影距離に影響される。したがってこの場合は、複数の合成画像データ331の再生時に、同一の被写体が同一のサイズで再現されない可能性がある。本実施の形態では、基準領域のサイズが基準サイズに一致するように合成画像データ331中の被写体のサイズが調整(拡大または縮小)され、複数の合成画像データ331間で基準領域のサイズが一致される。したがって、複数の合成画像データ331は、実際の被写体に対するスケールが同一となる被写体を示すこととなる。つまり、被写体を同一スケールで再現することができ、同一の被写体は同一のサイズで再現される。これにより、ユーザは、同一スケールの被写体を比較することができ、被写体の比較をさらに的確に行うことができる。また、基準領域のサイズを一致させるための基準となる基準サイズの指定をユーザから受け付けるため、ユーザにとって所望のスケールで被写体を再現できる。
生成された複数の合成画像データ331は、合成画像記録部315によりハードディスク304に記録され、合成画像データベース353として蓄積される(ステップST22)。このときも、一連の撮影動作で取得された複数の陰影のある画像および陰影のない画像から生成された複数の合成画像データは、例えば撮影順序に従って動画像を構成する各フレーム画像とされ、それらは動画像ファイルとしてハードディスク304に記録される。この場合、動画像ファイルのファイルフォーマットは任意であるが、例えばモーションjpegのようなファイルフォーマットで記録することができる。
このように生成された複数の合成画像データ331をデータベースとして蓄積することで、物体色成分データ233が示す被写体を再び再生する際に合成画像データ331を生成する必要がなくなり、ユーザは短時間で目的とする被写体を閲覧することができる。なお、生成された複数の合成画像データ331を記録するか否かを、ユーザが指定できるようになっていてもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、被写体を撮影する際の撮影光軸Lの周りに複数のフラッシュ発光部51,52,53,54が配置されており、被写体の撮影時に、複数のフラッシュ発光部51,52,53,54を順次に発光させてCCD121で陰影のある複数の画像を取得するとともに、複数のフラッシュ発光部51,52,53,54を同時に発光させてCCD121で陰影のない画像を取得するように構成されている。そして、CCD121で取得される、陰影のある複数の画像と、陰影のない画像とのそれぞれから分光画像データを求めるように構成されている。そのため、本実施の形態では、色の再現性の高い画像を取得することができるとともに、その画像において被写体の凹凸状況が非常に把握しやすい状態で再現されるようになっている。それ故、再現された画像を視認することによって診断を行う場合において良好な診断を行うことができるようになる。
また、本実施の形態では、陰影のある複数の画像と、陰影のない画像とのそれぞれが動画像を構成するフレーム画像として形成されるので、そのような動画像を再生すれば、被写体に対して異なる方向から照明された画像を連続的に視認できるようになり、患部の凹凸の状態などが非常に判りやすく表示されることになる。
なお、上述の例では、撮影光軸Lの周りに配置された複数のフラッシュ発光部51,52,53,54が、シャッタボタン123の押下操作に応答してそれぞれ1回ずつ単独発光する場合を示したが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザがシャッタボタン123の押下操作を継続している間、フラッシュ発光部51,52,53,54を順次に単独発光させる発光制御を、複数サイクル繰り返すようにしてもよい。この場合、順次発光のサイクルごとに、デジタルカメラ1に対する被写体の角度を変化させれば、様々な角度から被写体を撮影できるようになり、被写体に関するより多くの情報が取得できる。したがって、そのような撮影手法によって撮影された画像を再現した場合には、画像診断に際して、より多くの情報を提供できるようになり、より良好な診断ができるので有益なものとなる。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態においてはデジタルカメラ1のレンズユニット11に偏光フィルタ113が設けられる場合を例示する。
図10は、本実施の形態におけるデジタルカメラ1aの外観構成を示す図である。なお、図10では、第1の実施の形態で説明したものと同様の構成部材については同一符号を付しており、ここではそれらのついての詳細な説明を省略する。
デジタルカメラ1aは、第1の実施の形態と同様に、撮影光軸Lに沿ってレンズユニット11に入射する光を光電変換することによって画像データを取得するように構成されている。そして本実施の形態においては、レンズユニット11の前面側(被写体側)に、撮影光軸Lを中心に回動可能なように偏光フィルタ113が取り付けられる。ただし、これに限定されるものではなく、被写体からの光がCCD121に入射する光路中であれば、偏光フィルタ113はどの位置に配置されても構わない。
この偏光フィルタ113は、主被写体から入射する偏光成分を検出又は除去するために設けられるものである。一般に、ガラスなどの艶のある表面から反射する反射光は偏光(若しくは、偏光に近い光)になっているという性質がある。このため、例えば被写体となる患者の皮膚などに艶がある場合には同様の現象が生じることになる。
そして偏光フィルタ113は、撮影光軸L周りのR方向に回動可能であることから、偏光フィルタ113をある角度に設定したときには、デジタルカメラ1aにおいて被写体からの直接反射光成分をよく検出した画像を取得でき、その角度より90度回転させた状態に設定したときには、デジタルカメラ1aにおいて被写体からの直接反射光成分を除去した画像を取得できる。
そしてユーザによってシャッタボタン123が押下されたときに、デジタルカメラ1aは、複数のフラッシュ発光部51,52,53,54を順次発光させた後に、複数のフラッシュ発光部の全てを発光させ、それぞれの発光タイミングで、偏光フィルタ113を通過した光による画像データを生成する。そしてユーザは偏光フィルタ113の角度を変化させつつ、複数回シャッタボタン123を押下する操作を行うことにより、デジタルカメラ1aにおいて、直接反射光成分を多く含む画像群と、直接反射光成分を含まない画像群とが生成されることになる。
これらの画像群は、第1の実施の形態と同様に、物体色成分データに変換され、同一条件下でのカラー画像に再現される。これにより、直接反射光成分を多く含む画像は被写体表面の光沢を表現したカラー画像として再現され、直接反射光成分を含まない画像は被写体表面の光沢成分を取り除いたカラー画像として再現される。したがって、本実施形態においては、被写体の光沢に関する画像が追加的に再現されることになるので、画像診断を行う際に、第1の実施の形態よりも、多くの画像情報を提供できるようになり、より良好な診断が可能になる。
また本実施の形態のように、偏光フィルタ113を回動させて撮影を行い、直接反射光成分を多く含む画像と、直接反射光成分を含まない画像とを取得することで、直接反射光成分を検出することが可能になる。すなわち、直接反射光成分を多く含む画像と、直接反射光成分を含まない画像との差分画像を求めれることにより、直接反射光成分のみからなる画像を検出できる。そして直接反射光成分が所定値以上となる画像部分について、上記の物体色成分データを求める際には、それ専用に用意された基底関数Sj(λ)を用いて分光反射率S(λ)を求めることが好ましい。直接反射光成分が多く含まれる画像部分に対して専用の基底関数を用いることにより、直接反射光成分の多い部分の色再現性を向上させることができ、画像診断の際に、より適切な情報を提供できる。
以上説明したように、本実施の形態では、被写体像がCCD121に入射する光路中に偏光フィルタ113が設けられているので、艶のある被写体を撮影する場合に、カラー画像に対する艶の影響を調整できるように構成されている。特に、偏光フィルタ113は撮影光軸Lを中心に回動可能なように配置されているので、被写体からの直接反射光成分を多く取り込んだ画像と、直接反射光成分を除去した画像との双方を取得できるようになっている。
また、偏光フィルタ113がある特定の回転位置(第1の位置)にあるときに取得される、被写体からの直接反射光成分を多く取り込んだ画像と、偏光フィルタ113が前記特定の回転位置から90度回転した位置(第2の位置)にあるときに取得される、直接反射光成分を除去した画像との差分画像から、被写体からの直接反射光成分を求め、その直接反射光成分が所定値以上である画像部分について、演算により物体色成分データ(分光画像データ)を求める際には、その演算内容を変更するように構成されることにより、直接反射光成分の多い部分の色再現性を向上させることが可能になる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、デジタルカメラ1,1aの撮影光軸Lの周りに4個のフラッシュ発光部51,52,53,54が配置される場合を例示したが、撮影光軸Lの周りに配置されるフラッシュ発光部の数はそれに限定されるものではなく、2個以上であればよい。
また、上記実施の形態では、一連の撮影動作によって撮影される陰影のある複数の画像と陰影のない画像とが、それぞれフレーム画像として動画像を構成する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、それぞれが静止画像として管理されるものであっても構わない。
また、上記実施の形態では、デジタルカメラ1,1aにおいて物体色成分データ233が生成される場合を例示したが、これに限定されるものではなく、物体色成分データの生成処理をコンピュータ3において行うようにしてもよい。この場合、コンピュータ3には、撮影によって得られるカラー画像に関する画像データが入力することになり、コンピュータ3において上述した演算処理が行われることにより、物体色成分データの生成が行われる。
また、上記とは逆に、上記実施の形態においてコンピュータ3で行っていた処理をデジタルカメラ1,1aの内部で行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、物体色成分データ(分光画像データ)を求める手法として、基底関数Sj(λ)を用いて分光反射率S(λ)を求める方法を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、重回帰分析による推定法などの他の公知の手法を用いても求めることができるものである。
さらに、上記実施の形態では、画像処理システム10が医療用の画像診断システムとして利用される場合を例示したが、これに限定されるものではなく、複数の画像を同一条件下で比較することが必要なシステムであればどのようなものであっても適用可能なものである。
画像処理システムの一例を示す図である。 第1の実施の形態におけるデジタルカメラの外観構成を示す斜視図である。 デジタルカメラの主要な構成を示すブロック図である。 デジタルカメラの機能構成を示すブロック図である。 デジタルカメラにおける撮影および画像処理の流れを示す流れ図である。 撮影時における各要素の配置関係の一例を示す図である。 コンピュータの概略構成を示す図である。 コンピュータの機能構成を示すブロック図である。 コンピュータにおける動作の流れを示す流れ図である。 第2の実施の形態におけるデジタルカメラの外観構成を示す図である。
符号の説明
1,1a デジタルカメラ
3 コンピュータ
10 画像処理システム
21 CPU(演算手段,制御手段)
29 フラッシュ制御部
51,52,53,54 フラッシュ発光部
113 偏光フィルタ
121 CCD(撮像素子)
201 物体色成分データ生成部
202 撮影制御部
232 照明成分データ
233 物体色成分データ
331 合成画像データ

Claims (6)

  1. 撮影光軸の周りに配置された複数のフラッシュ発光部を順次に発光させて陰影のある複数の画像を取得する工程と、
    前記複数のフラッシュ発光部を同時に発光させて陰影のない画像を取得する工程と、
    前記陰影のある複数の画像と前記陰影のない画像のそれぞれから分光画像データを算出する工程と、
    を有する画像生成方法。
  2. 撮影光軸に沿って入射する被写体像を光電変換することによって画像取得を行う撮像素子と、
    前記撮影光軸の周りに配置された複数のフラッシュ発光部と、
    前記複数のフラッシュ発光部を順次に発光させて前記撮像素子において陰影のある複数の画像を取得させるとともに、前記複数のフラッシュ発光部を同時に発光させて前記撮像素子において陰影のない画像を取得させる制御手段と、
    前記撮像素子で取得される、前記陰影のある複数の画像と前記陰影のない画像とのそれぞれから分光画像データを求める演算手段と、
    を備える画像生成装置。
  3. 請求項2に記載の画像生成装置において、
    前記陰影のある複数の画像と前記陰影のない画像とのそれぞれが動画像を構成するフレーム画像として形成されることを特徴とする画像生成装置。
  4. 請求項2又は3に記載の画像生成装置において、
    前記被写体像が前記撮像素子に入射する光路中に偏光フィルタが設けられることを特徴とする画像生成装置。
  5. 請求項4に記載の画像生成装置において、
    前記偏光フィルタは前記撮影光軸を中心に回動可能であることを特徴とする画像生成装置。
  6. 請求項5に記載の画像生成装置において、
    前記偏光フィルタが第1の位置にあるときに取得される、被写体からの直接反射光成分を多く取り込んだ画像と、前記偏光フィルタが第2の位置にあるときに取得される、前記直接反射光成分を除去した画像との差分画像から前記直接反射光成分を求め、前記直接反射光成分が所定値以上である画像部分について前記分光画像データを求める際には、前記演算手段が演算内容を変更することを特徴とする画像生成装置。
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