JP2006064458A - 色票 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像データの再現性を向上させ、より正確な状態で複数の画像データを比較できるようにした色票を提供すること。
【解決手段】 カラー画像の色のキャリブレートを行うために使用されるシート状の色票1であって、シート状部材の表面側に、少なくとも1色の色材が塗布された基準領域1aが形成され、かつ、その基準領域1aに対応するシート状部材の裏面側に黒色の色材が塗布される。
【選択図】図3

Description

本発明は、カラー画像の色のキャリブレートを行うためのシート状の色票に関する。
例えば医療分野においては、患者の患部に係る画像データを時間を変えて取得しておき、取得された複数の画像データを事後的に閲覧および比較することで、患部に対する治療の経過観察が行われている。このように比較を目的として複数の画像データを取得する場合には、被写体への照明環境などの撮影条件を同一にすることが好ましい。
ところが、比較対象となる複数の画像データの撮影時間や撮影場所は一般に異なるため、撮影条件を一致させることは事実上不可能である。このため、複数の画像データを再生した場合においては、異なる条件下における被写体が再現される。例えば、複数の画像データの撮影時における被写体への照明光が互いに異なれば、再生時において同一の被写体が、複数の画像データの間で異なる色で再現される。このことから、複数の画像データを再生する際に、再現される被写体を的確に比較できないという問題が生じていた。
そこで従来は、画像取得時に、既知の色成分からなる色票(カラーチャート)を被写体とともに撮影しておき、カラー画像に含まれる色票画像に基づいて、複数の画像データを同一条件で比較することが行われている(例えば、特許文献1)。
しかしこの場合においても、色票の裏面に対して照明光などが入射していると、その入射光の透過成分が影響して、いわゆる裏写り現象が生じ、色票表面の基準色が変化する事態が生じていた。そのため、照明環境によっては色票に含まれる色成分が異なる色状態になって撮影される可能性があった。それ故、従来は、カラー画像の色のキャリブレートを正確には行うことができず、複数の画像データを正確な同一条件下で比較することができない可能性があった。
また、従来の色票は、複数の画像データが同一条件で再現されているか否かを評価することが困難なものとなっていた。そのため、複数の画像データを同一条件下に揃えるための演算処理が正確なものであるか否かを検証することが困難な状況にあった。
特開平9−5164号公報
本発明は、従来の問題点を解決するためになされたものであり、画像データの再現性を向上させ、より正確な状態で複数の画像データを比較できるようにした色票を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明は、カラー画像の色のキャリブレートを行うために使用されるシート状の色票であって、シート状部材の表面側に、少なくとも1色の色材が塗布された基準領域が形成され、かつ、前記基準領域に対応する前記シート状部材の裏面側に黒色の色材が塗布されて構成されるものである。
そして上記の色票において、前記基準領域には、少なくとも3色の無彩色からなる無彩色領域が形成されることが好ましい。
また、前記基準領域には、画像の鮮鋭度を評価するための解像度チャートが形成されることがより好ましい。
さらに、本発明は、カラー画像の色のキャリブレートを行うために使用されるシート状の色票であって、シート状部材の表面側に、メタメリック評価色を含む複数色の色材が塗布された基準領域が形成されて構成されるものもである。
本発明によれば、裏写り現象などが生じることを解消し、画像データの再現性を向上させ、より正確な状態で複数の画像データを比較できるようにした色票を提供することができる。
また、本発明によれば、複数の画像データが同一条件で再現されているか否かを評価することが可能になり、より正確な状態で複数の画像データを比較できるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施の形態では、異なる撮影条件下で撮影された複数の画像データを同一条件下で比較可能なものとするために、図1ないし図3に示すような、色票1が用いられ、該色票1が被写体と同時に撮影される。
図1は、色票1を斜め前方側からみた斜視図であり、色票の表面側を表している。また図2は、色票1を斜め後方側からみた斜視図であり、色票の裏面側を表している。さらに図3は、色票1の表面側の構成を示す平面図である。これらの図に示されるように、本実施の形態における色票1は、紙やその他のシート状部材で形成され、表面側には色の状態が既知の基準色が塗布されるとともに、裏面側には粘着剤層を介して台紙1bが貼られている。そして使用するときには、図2に示すように、台紙1bが剥ぎ取られ、色票1の裏面に塗布された粘着剤で、色票1を被写体に貼り付けることができるようになっている。
また図2に示すように、色票1の裏面には、ほぼ全面に黒色の色材(塗料)が塗布されており、色票1を撮影する際に、色票1の裏面に入射する光の影響が抑制されるように構成されている。すなわち、色票1の裏面側に黒色の色材を塗布しておくことによって、いわゆる裏写り現象を防止して、色票表面の基準色が他の色に変化することを防止している。裏写りを防止するのに適した黒色は、L*ab表色系で数値化した色値の場合、L*<30、a<2、b<2を満たすものであればよい。
また図3に示すように、色票2の表面には、撮影対象となる基準領域1aが規定され、その基準領域1a内には、さらに複数の領域10,20,30,40が設けられている。
ここで、領域10には、画像の色状態を補正するために、色値が既知である色材が塗布された基準色パッチ11が設けられている。本実施の形態では、基準色パッチ11として、例えば白色の色材が塗布された四角形パッチが用いられる。なお、本実施の形態では、基準色パッチが1つ設けられる場合を例示しているが、これに限定されるものではなく、異なる色の複数の基準色パッチ11を設けるようにしてもよい。
また領域20には、色状態を補正するために適用した演算処理が正確であるか否かを検証するために、少なくとも2色のメタメリック評価色パッチ21,22が設けられている。メタメリックとは、特定波長の光が照射されると互いに同一色となり、前記特定波長以外の光が照射されると互いに異なった色となる現象をいい、領域20には、互いにメタメリック現象を生じる少なくとも2色のメタメリック評価色パッチ21,22が設けられる。
また領域30には、画像の線形性を補正するための、少なくとも3つの無彩色パッチ31,32,33が設けられている。各無彩色パッチ31,32,33は既知の濃度値となっており、かつその濃度値は互いに異なる値になっている。例えば無彩色パッチ31は低濃度を示し、無彩色パッチ32は中間濃度を示し、無彩色パッチ33は高濃度を示すように形成されている。
さらに領域40には、画像の鮮鋭度を評価するための解像度チャート41が設けられている。本実施の形態の解像度チャート41は、複数のラインが円弧状に配置された構成を有している。ただし、これに限定されるものではなく、他の解像度チャートを用いてもよい。
なお、色票1の裏面に塗布される黒色の色材は、色票裏面のほぼ全面ではなく、一部にに塗布されるものであっても構わない。この場合、少なくとも領域10,20,30に対応する裏面側に黒色の色材が塗布されるものであればよい。
本実施の形態の色票1は上記のように構成されており、上記色票1を被写体に貼り付けてデジタルカメラなどの画像入力装置で被写体とともに撮影することにより、撮影画像に色票1の画像を含める。そして、画像処理システムでの画像再生時に、後述する演算処理を行うことによって、被写体が任意の照明条件下にある画像を再現できるようになっている。以下においては、このような画像処理システムの詳細について説明する。
図4は、画像処理システム100の一例を示す概略図である。図4に示すように画像処理システム100は、画像入力装置として機能するデジタルカメラ200と、画像再生装置として機能するコンピュータ300とを備えている。
デジタルカメラ200は、色票1および被写体を撮影して画像データを取得し、この画像データから後述する物体色成分データを生成して記録媒体であるメモリカード91に保存する。物体色成分データは、メモリカード91を介してデジタルカメラ200からコンピュータ300に受け渡される。コンピュータ300には、デジタルカメラ200から受け渡された複数の物体色成分データがデータベースとして蓄積される。コンピュータ300は、データベース中の複数の物体色成分データを用いて複数の画像データを再生する。ユーザは、このようにして再生される複数の画像データを閲覧し、それぞれにおいて再現される被写体を比較することとなる。
なお、図1においては、デジタルカメラ200が1台のみ描かれているが、多数のものが画像処理システム100に含まれていてもよい。また、物体色成分データは、インターネットなどの電気通信回線、専用の伝送ケーブル等を介した電気的な伝送によってデジタルカメラ200からコンピュータ300に受け渡されてもよい。
図5はコンピュータ300の概略構成を示す図である。図5に示すように、コンピュータ300は、CPU301、ROM302およびRAM303をバスラインに接続した一般的なコンピュータシステムの構成となっている。バスラインにはさらに、データやプログラム等を保存するハードディスク304、各種情報を表示するディスプレイ305、操作部306としてユーザからの入力を受け付けるキーボード306aおよびマウス306b、記録ディスク92(光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等)との間で情報の受け渡しを行う読取装置307、並びに、メモリカード91との間で情報の受け渡しを行うカードスロット308が、適宜、インターフェイス(I/F)を介する等して接続される。
RAM303、ハードディスク304、読取装置307およびカードスロット308は互いにデータの受け渡しが可能とされており、CPU301の制御の下、ディスプレイ305には、RAM303、ハードディスク304およびメモリカード91等に記憶されている画像データや各種情報の表示が可能とされる。
図5に示すプログラム341は、記録ディスク92から読取装置307を介してハードディスク304に記憶されたものであり、適宜、ハードディスク304からRAM303へと読み出されて、CPU301により実行される。CPU301がプログラム341に従って動作することにより画像データを処理する機能が実現され、これにより、コンピュータ300が本実施の形態に係る画像処理装置として機能する。CPU301がプログラム341に従って動作することにより実現される機能の詳細については後述する。なお、コンピュータ300がインターネットなどの電気通信回線を介した通信機能を備えている場合は、プログラム341は、電気通信回線を通じて取得されてハードディスク304に記憶されてもよい。
図6は、デジタルカメラ200の主要な構成をブロック等にて示す図である。デジタルカメラ200は、入射光を結像するレンズユニット110と、画像データを処理する本体部120とを有する。レンズユニット110は、複数のレンズを有するレンズ系111、および、絞り112を備えている。レンズ系111により結像された被写体の光像は、本体部120のCCD121にて光電変換されて画像信号とされる。CCD121は各画素の値としてR,G,Bの各色に関する値を取得する3バンドの撮像デバイスとなっている。CCD121から出力される画像信号は後述する処理が行われた後、本体部120に着脱可能に装着される外部メモリであるメモリカード91に記憶される。
本体部120には、ユーザインターフェースとして機能するシャッタボタン123、ディスプレイ125および操作ボタン126が設けられる。ユーザがファインダ等を介して被写体を捉え、シャッタボタン123を操作することにより、その被写体を示す画像データが取得される。また、ディスプレイ125に表示されるメニューに従ってユーザが操作ボタン126を操作することにより、撮影条件の設定、メモリカード91の保守等ができるようにされている。
図6に示す構成のうち、レンズ系111、CCD121、A/D変換部122、シャッタボタン123、ならびに、マイクロコンピュータとしてのCPU210、ROM220およびRAM230は画像データを取得する機能を実現する。すなわち、レンズ系111により被写体の像がCCD121上に結像され、シャッタボタン123が押されると、CCD121からの画像信号がA/D変換部122によりデジタル変換される。A/D変換部122にて変換されたデジタルの画像信号は、RAM230に画像データとして記憶される。なお、これらの処理の制御は、CPU210がROM220内に記憶されているプログラム221に従って動作することにより行われる。
また、本体部120に設けられるCPU210、ROM220およびRAM230が画像データを処理する機能を実現する。具体的には、ROM220に記憶されているプログラム221に従って、RAM230を作業領域として利用しながらCPU210が動作することにより、画像データに画像処理が施される。
カードI/F(インターフェイス)124はRAM230と接続され、操作ボタン126からの入力操作に基づいてRAM230とメモリカード91との間の各種データの受け渡しを行う。また、ディスプレイ125もCPU210からの信号に基づいてユーザに対して各種情報の表示を行う。
次に、デジタルカメラ200が、物体色成分データを取得する処理について説明する。
図7は、デジタルカメラ200のCPU210、ROM220およびRAM230により実現される機能を他の構成とともにブロックにて示す図である。図7に示す構成のうち、物体色成分データ生成部201は、CPU210、ROM220、RAM230等により実現される機能である。図8は、デジタルカメラ200の撮影および画像処理の流れを示す流れ図である。以下、図7および図8を参照しながらデジタルカメラ200の物体色成分データの取得動作について説明する。
まず、被写体の撮影がなされ、レンズユニット110を介してCCD121にて画像信号が取得される。CCD121から出力された画像信号は、A/D変換部122からRAM230へと送られ、画像データ231として記憶される(ステップST1)。この撮影にあたっては、図9に示す如く、主被写体81とともに、基準被写体となる色票1が同時に撮影される。撮影の際には、画像データ231中において色票1を示す領域が略正方形の領域として得られるように、デジタルカメラ200(の撮像面)と色票1とが略平行に配置されることが好ましい。
また、色票1は、デジタルカメラ200の撮影範囲のほぼ中央に位置するように配置されることが好ましい。デジタルカメラ200では一般にレンズユニット110のシェーディングにより、画像周辺部分の輝度が低下することが知られており、また画像周辺部分はレンズの歪曲収差が大きいので色票1の各パッチが歪んで写る可能性が高いことから、それらによる画質劣化を防止するためである。
RAM230に画像データ231が記憶されると、次に、その画像に含まれる色票画像の位置が特定される(ステップST2)。ここでの特定は、ユーザが操作ボタン126を操作することによって手動操作で行われるようにしてもよいし、各パッチの特徴量などを手がかりにして自動的に色票の位置を特定するようにしてもよい。自動的に特定する場合、色票1の各パッチは予めその色と形状が判っているので、公知のパターンマッチングの技術によって各パッチの位置を自動的に認識することができる。よって自動認識を行うようにすれば、手動操作の場合に比べて効率的な処理が可能になる。
画像全体のなかでの色票画像の位置が特定されると、物体色成分データ生成部201が機能して、基準色パッチ11の画像に基づく色補正が行われる(ステップST3)。本実施の形態では、基準色パッチ11の画像が所定の白色を示すように色補正が行われる。具体的には、基準色パッチ11の白色に基づいて、画像の露出を所定の露出状態とするような補正が行われる。ここで、本実施の形態では、色票1において基準色パッチ11の裏面側に黒色の色材が塗布されているため、裏写りなどの現象が抑制されてパッチそのものの色が変化していない状態の画像が良好に取得されている。したがって、ここでの色補正でも、裏写りなどの影響のない状態で色補正を行うことができ、被写体の色の状態を忠実に再現できるようになっている。
そして色補正が終了すると、次に画像の線形性の補正が行われる(ステップST4)。ここでは色票画像のうちから、無彩色パッチ31,32,33の画像が抽出され、それら各パッチ画像の濃度値が、所定の濃度値となるように補正される。すなわち、無彩色パッチ31,32,33は互いに異なる濃度値であるため、これらの濃度値と、色票画像における各パッチ画像の濃度値(測色値)とが非線形な関係となっていれば、それが線形な関係となるように補正する。具体的には、非線形な関係となっているγ値を求め、それに対する逆γ補正を行う方法、若しくはルックアップテーブル(LUT)を作成して完全に線形な状態に補正する方法などによって、画像の濃度変化が線形な状態で変化するように補正される。なお、各パッチ画像の濃度値が線形な状態で得られている場合には、特にこの補正を行う必要はない。
そして線形補正が終了すると、次に画像の鮮鋭性の補正が行われる(ステップST5)。ここでは色票画像のうちから、解像度チャート41の画像が抽出され、そのチャート画像に基づいて、撮影された画像の解像度が求められ、さらにその解像度から画像の鮮鋭性が評価される。図3に示すような、解像度チャート41を撮影する場合であって、デジタルカメラ200の撮影解像度が低い場合には、複数のラインが集まっている細かな部分を解像することができず、円弧形状の中心付近において比較的広い範囲でグレーの画像となる。これに対し、デジタルカメラ200の撮影解像度が高い場合には、複数のラインが集まる細かな部分を良好に解像でき、円弧形状の中心付近においてグレーになる画像領域は小さくなる。すなわち、チャート画像においてグレー画像と判定される範囲の広さによって画像の解像度が求められることになる。
そして上記のようにして画像の解像度を求めると、その解像度に応じて、画像に対するコンボリューションフィルタ(先鋭化フィルタ)を適用して、画像の鮮鋭度を調整する。具体的には、解像度が低い場合、画像の鮮鋭度を向上させるようなフィルタが適用され、解像度が高い場合、フィルタ演算が全く行われなかったり、若しくは画像の鮮鋭度を低下させるようなフィルタが適用される。このようにして画像の鮮鋭度を調整することにより、画像の鮮鋭度が一定の状態になる。この結果、後に複数の画像データを比較する場合に、それら複数の画像データの鮮鋭度を予め一定の状態としておくことができ、等しい条件の下で複数の画像を比較できるようになる。なお、鮮鋭度を一定にすると、画像の質感が一定の状態として再現されることになる。
以上のような補正が終了すると、次に、物体色成分データを求める際に用いる照明成分データ232が設定される(ステップST6)。照明成分データ232は、照明光の分光分布を示すデータであり、より一般的には、照明光の画像データに与える影響を示すデータである。照明成分データ232が示す分光分布の強度は最大の分光強度を1として正規化されており、照明成分データ232は照明光の相対的な分光分布を示す。
デジタルカメラ200のROM230には、様々な照明光(光源)にそれぞれ対応する複数の照明成分データ232が予め記憶されており、ユーザが撮影時の光源に応じて操作ボタン126によりこれらから一の照明成分データ232を選択する。なお、デジタルカメラ200にマルチバンドセンサを設けておき、このマルチバンドセンサからの出力に基づいて実際の照明光の分光分布が求められて、物体色成分データを求める際に用いる照明成分データ232としてRAM230に記憶されてもよい。マルチバンドセンサとしては、複数の光強度検出器のそれぞれに各波長帯の光のみを透過するフィルタを設けたものを利用することができる。
照明成分データ232が設定されると、次に、物体色成分データ生成部201により、上記各種補正が施された画像データ231、および選択された照明成分データ232を用いて、画像データ231から照明環境の影響を取り除いた成分として物体色成分データ233が求められる(ステップST7)。物体色成分データ233は、被写体の分光反射率に実質的に相当するデータである。被写体の分光反射率を求める手法は種々存在するが、そのうちの一つの手法について以下に説明する。ただし、これ以外の手法を用いてもよいことは勿論である。
まず、可視領域の波長をλとして被写体を照明する照明光の分光分布をE(λ)とし、ある画素(以下、「対象画素」という。)に対応する被写体上の位置の分光反射率をS(λ)とする。分光反射率S(λ)は3つの基底関数S1(λ),S2(λ),S3(λ)および加重係数σ1,σ2,σ3の加重和として、
Figure 2006064458
と表される。したがって、対象画素に対応する被写体上の位置からの反射光(すなわち、対象画素への入射光)の分光分布I(λ)は、
Figure 2006064458
と表現される。また、対象画素のR,G,Bのいずれかの色(以下、「対象色」という。)に関する値(画素値)をρcとし、デジタルカメラ200の対象色の総合分光感度(レンズ系111の分光透過率およびCCD121の分光感度を考慮した感度)をRc(λ)とすると、ρcは、
Figure 2006064458
と表される。数3において、基底関数Sj(λ)は予め定められた関数であり、総合分光感度Rc(λ)は予め計測により求めることができる関数である。これらの情報は予めROM220やRAM230に記憶される。また、照明光の分光分布E(λ)は、照明成分データ232としてRAM230に記憶されている。
したがって、数3に示す方程式において未知数は3つの加重係数σ1,σ2,σ3のみである。また、数3に示す方程式は対象画素におけるR,G,Bの3つの色のそれぞれに関して求めることができ、これら3つの方程式を解くことにより3つの加重係数σ1,σ2,σ3を求めることができる。
このようにして求められる3つの加重係数σ1,σ2,σ3と、基底関数Sj(λ)とを数1に代入すれば、対象画素に対応する被写体上の位置の分光反射率S(λ)を表現することができる。したがって、対象画素の加重係数σ1,σ2,σ3を求めることは、対象画素に対応する被写体上の位置の分光反射率S(λ)を求めることに相当する。
以上の手法に基づき、デジタルカメラ200の物体色成分データ生成部201は画像データ231の画素値および照明成分データ232を参照しながら、各画素に対応する被写体上の位置の分光反射率(すなわち、各画素の加重係数σ1,σ2,σ3)を求める。そして、求められた全画素に関しての加重係数σ1,σ2,σ3が、物体色成分データ233としてRAM230に記憶される(ステップST7)。物体色成分データ233が求められると、物体色成分データ233は、メモリカード91へと転送されて保存される(ステップST8)。
物体色成分データ233は、各画素に相当するデータが被写体の分光反射率を示すものであり、「分光画像」とも呼ばれる。より一般的には、物体色成分データ233は、撮影時の照明光の影響が取り除かれた画像データに相当するデータとなる。
デジタルカメラ200は、以上のような一連の処理を撮影対象(被写体)毎に実行し、複数の撮影対象の物体色成分データ233を取得する。取得された複数の物体色成分データ233は、メモリカード91を介してコンピュータ300に受け渡されコンピュータ300においてデータベースとして蓄積される。
次に、コンピュータ300が、物体色成分データ233を用いて画像データを再生する処理について説明する。
図10は、コンピュータ300のCPU301がプログラム341に従って動作することにより実現される機能を他の構成とともにブロックにて示す図である。図10に示す構成のうち、データ選択受付部311、合成画像生成部312、基準受付部313、画像調整部314、合成画像記録部315および表示データ生成部316が、CPU301がプログラム341に従って動作することにより実現される。
図に示すように、ハードディスク304には、デジタルカメラ200により得られた複数の物体色成分データ233から構成される物体色成分データベース351が構築されている。さらにハードディスク304には、複数の照明成分データ232から構成される照明成分データベース352が構築されている。この照明成分データ232は、上記で説明したものと同じく照明光の分光分布を示すデータであり、より一般的には、照明光の画像データに与える影響を示すデータである。
コンピュータ300では、物体色成分データ233が示す被写体をユーザに閲覧させる。ただし、物体色成分データ233はそのままではディスプレイ305の表示に供することができないため、コンピュータ300は、物体色成分データ233に照明成分データ232を合成し、これにより生成される画像データ(以下、「合成画像データ」という。)をディスプレイ305に表示する。この処理により、ユーザは物体色成分データ233が示す被写体の閲覧および比較が可能となる。照明成分データベース352には、この合成画像データの生成に用いるための候補となる複数の照明成分データ232が含まれている。照明成分データ232としては、例えば、CIE規格のD65、CIE規格のD50、白熱灯、蛍光灯、太陽光などの様々な照明光(光源)に対応したものが存在している。
図11は、CPU301がプログラム341に従って実現する処理の流れ図であり、具体的には物体色成分データ233を用いて合成画像データを再生する処理の流れを示している。以下、図10および図11を参照しながらコンピュータ300の処理について説明する。
まず、ユーザが操作部306を介して指示を行うことにより、物体色成分データベース351から複数の物体色成分データ233が選択される。ユーザによる選択の指示はデータ選択受付部311に受け付けられ、選択された複数の物体色成分データ233はハードディスク304からRAM303に読み出される。これにより、ユーザが比較を所望する複数の物体色成分データ233が決定される(ステップST11)。
次に、ユーザの操作部306を介しての指示により、照明成分データベース352から、合成画像データの生成に用いるための一の照明成分データ232が選択される。例えば、ディスプレイ305に、照明成分データベース352に含まれる照明成分データ232の名称の一覧が表示されており、ユーザが、マウスポインタにより所望の照明成分データ232の名称を選択してから、「OK」と表記されたコマンドボタンをクリックすることによって選択操作が行われる。この結果、一の照明成分データ232の選択の指示がデータ選択受付部311により受け付けられ、選択された照明成分データ232がRAM303に読み出される(ステップST12)。
次に、ユーザの操作部306を介しての指示により、合成画像データの明るさを調整する際の基準となる基準値が指定される。例えば、ディスプレイ305に、基準値を指定するためのスライダーコントロールなどが表示されており、ユーザがマウス操作によってそのスライダーコントロールを所望の位置に移動させる、あるいは、数値入力欄に直接的に数値を入力することによって、基準値を0から1の範囲の数値で指定することができるようになっている。そして「OK」と表記されたコマンドボタンをクリックすることによって、指定された基準値が基準受付部313に受け付けられる(ステップST13)。
さらに、ユーザの操作部306を介しての指示により、合成画像データ中の被写体のサイズを調整する際の基準となる基準サイズが画素数で指定される。例えば、ディスプレイ305に、基準サイズを指定するためのスライダーコントロールなどが表示されており、ユーザがマウス操作によってそのスライダーコントロールを所望の位置に移動させることにより、あるいは、数値入力欄に直接的に数値を入力することによって、基準サイズを10から100の範囲の数値で指定することができるようになっている。そして「OK」と表記されたコマンドボタンをクリックすることによって、指定された基準サイズが基準受付部313に受け付けられる(ステップST14)。
次に、RAM303に読み出された複数の物体色成分データ233のうち一の物体色成分データ233が処理の対象(以下、「注目物体色成分データ」という。)として決定される(ステップST15)。
注目物体色成分データが決定されると、次に、注目物体色成分データおよび照明成分データ232が合成画像生成部312に入力される。合成画像生成部312は、注目物体色成分データの各画素に相当するデータを、数1の加重係数σjとして用いることにより被写体上の各位置の分光反射率S(λ)を求める。なお、基底関数Sj(λ)は予めハードディスク304に記憶される。そして、求めた被写体上の各位置の分光反射率S(λ)と、照明成分データ232が示す照明光の分光分布E(λ)とを数2に用いて、これらを乗算した分光分布(以下、「合成分光分布」という。)I(λ)を求める。これにより、各画素が合成分光分布I(λ)で表現される合成画像データ331が生成される。合成分光分布I(λ)は、注目物体色成分データが示す被写体を照明成分データ232が示す照明光で照明したと仮定した場合の、被写体からの反射光の分光分布に相当する。
合成画像データ331の各画素は、合成分光分布I(λ)を数4に代入することにより、三刺激値(XYZ値)で表現することも可能である。数4においてRX(λ),RY(λ),RZ(λ)はXYZ表色系の等色関数である。
Figure 2006064458
また、合成画像データ331の各画素は、周知のマトリクス演算により三刺激値(XYZ値)をRGB値に変換することで、RGB値で表現することも可能である。したがって、合成画像データ331は、ディスプレイ305の表示に容易に供することが可能なデータである(ステップST16)。
このようにして生成された合成画像データ331を表示してもよいが、本実施の形態ではさらに、明るさの調整、および、被写体のサイズの調整が合成画像データ331に対してなされる。これらの調整を行う際には、合成画像データ331の各画素は合成分光分布I(λ)で表現された状態とされる。
合成画像データ331の調整にあたっては、まず、合成画像データ331中において色票1に関する画像が、画像調整部314により特定される。より具体的には、色票1の基準領域1aに含まれる基準色パッチ11に関する画像が特定される。ここでの特定は、手動操作による特定であってもよいし、パターンマッチングなどを適用した自動認識による特定であってもよい(ステップST17)。
次に、画像調整部314は、特定された基準色パッチの明るさが基準受付部313に受け付けられた基準値に一致するように、合成画像データ331の明るさを調整する。具体的には、基準値を基準色パッチの明るさで除算して調整係数を導出し、導出した調整係数を合成画像データ331の各画素の合成分光分布I(λ)に乗算する。基準領域の明るさとしては、基準領域に含まれる各画素の合成分光分布I(λ)から得られる特定波長(例えば、560nm)における分光強度の平均値が利用される。これにより、合成画像データ331中の全被写体の明るさが調整される。調整後の合成画像データ331中の基準領域の明るさは、基準値に一致する(ステップST18)。また、基準色パッチに裏写りがない状態で撮影がなされているため、この明るさ調整後の画像は、色の再現性が極めて高いものとなる。
続いて、画像調整部314は、色票1の基準領域1aのサイズが基準受付部313に受け付けられた基準サイズに一致するように、合成画像データ331中の被写体のサイズを調整する。具体的には、基準サイズと基準領域1aのサイズとを比較して、基準領域1aのサイズが基準サイズに一致するための拡大倍率または縮小倍率を導出する。基準領域1aのサイズとしては、基準領域1aの一辺の画素数が利用される。そして、導出した拡大倍率または縮小倍率に基づいて、合成画像データ331を拡大または縮小する。これにより、合成画像データ331中の全被写体のサイズが調整される。調整後の合成画像データ331中の基準領域1aのサイズは、基準サイズに一致する(ステップST19)。なお、基準領域1aの画像サイズを調整するのではなく、基準色パッチ11の画像サイズを調整するようにしてもよい。
このような明るさの調整および被写体のサイズの調整がなされると、表示データ生成部316によって、合成画像データ331の各画素の合成分光分布I(λ)は、数4による演算によりXYZ値とされ、さらにRGB値に変換される。そして、調整済の合成画像データ331がディスプレイ305に表示される。これにより、ユーザは生成された合成画像データ331を閲覧することができる。なお、XYZ値からRGB値への変換には、ディスプレイ305に固有の特性を示すICCプロファイルを用いてもよい。変換にICCプロファイルを用いることで、ディスプレイ305に表示する画像から、ディスプレイ305に固有の特性を排除することができる(ステップST20)。
このようにして、一の注目物体色成分データから生成される合成画像データ331が表示されると、次の注目物体色成分データが決定される(ステップST21,ST15)。そして、上記と同じ処理(ステップST16〜ST20)が、その注目物体色成分データに関して行われる。このような処理の繰り返しにより、最終的に、比較対象とする全ての物体色成分データ233からそれぞれ合成画像データ331が生成される。そして、生成された複数の合成画像データ331は、それぞれディスプレイ305に表示される。
上記処理において、合成画像データ331の生成に用いられる照明成分データ232は、比較対象とする複数の物体色成分データ233間で同一である。したがって、複数の物体色成分データ233の取得時における照明光の分光分布が相違していた場合であっても、生成された複数の合成画像データ331は、同一分光分布の照明光に照明された被写体を示すこととなる。つまり、同一分光分布の照明光下における被写体を再現することができ、同一の被写体は同一色で再現される。これにより、ユーザは同一分光分布の照明光下の被写体を比較することができ、被写体の比較を的確に行うことができる。また、合成画像データ331の生成に用いる一の照明成分データ232の選択の指示をユーザから受け付けるため、ユーザにとって所望の分光分布の照明光下における被写体を再現できる。
また、物体色成分データ233は相対分光反射率を示すことから、単に物体色成分データ233に照明成分データ232を合成した場合は、生成される合成画像データ331の明るさは物体色成分データ233の取得時における照明光の強度に影響される。したがってこの場合は、複数の合成画像データ331の再生時に、同一の被写体が同一の明るさで再現されない可能性がある。本実施の形態では、基準領域の明るさが基準値に一致するように合成画像データ331の明るさが調整され、複数の合成画像データ331間で基準領域の明るさが一致される。したがって、複数の合成画像データ331は、同一の強度の照明光に照明された被写体を示すこととなる。つまり、同一強度の照明光下における被写体を再現することができ、同一の被写体は同一の明るさで再現される。これにより、ユーザは、同一強度の照明光下における被写体を比較することができ、被写体の比較をさらに的確に行うことができる。また、基準領域の明るさを一致させるための基準となる基準値の指定をユーザから受け付けるため、ユーザにとって所望の強度の照明光下における被写体を再現できる。
この場合、被写体とともに撮影される色票1の裏面側に黒色の色材が塗布されているので、色票1の画像を用いて被写体の再現性を高めようとする際、色票1の表面に形成された各パッチを極めて忠実に再現できるようになっている。
また、単に物体色成分データ233に照明成分データ232を合成した場合は、生成される合成画像データ331中の被写体のサイズは、物体色成分データ233の取得時における撮影距離に影響される。したがってこの場合は、複数の合成画像データ331の再生時に、同一の被写体が同一のサイズで再現されない可能性がある。本実施の形態では、基準領域のサイズが基準サイズに一致するように合成画像データ331中の被写体のサイズが調整(拡大または縮小)され、複数の合成画像データ331間で基準領域のサイズが一致される。したがって、複数の合成画像データ331は、実際の被写体に対するスケールが同一となる被写体を示すこととなる。つまり、被写体を同一スケールで再現することができ、同一の被写体は同一のサイズで再現される。これにより、ユーザは、同一スケールの被写体を比較することができ、被写体の比較をさらに的確に行うことができる。また、基準領域のサイズを一致させるための基準となる基準サイズの指定をユーザから受け付けるため、ユーザにとって所望のスケールで被写体を再現できる。
上記のようにして生成された複数の合成画像データ331は、合成画像記録部315によりハードディスク304に記録され、合成画像データベース353として蓄積される(ステップST22)。このように生成された複数の合成画像データ331をデータベースとして蓄積することで、物体色成分データ233が示す被写体を再び再生する際に合成画像データ331を生成する必要がなくなり、ユーザは短時間で目的とする被写体を閲覧することができる。なお、生成された複数の合成画像データ331を記録するか否かを、ユーザが指定できるようになっていてもよい。
次に、コンピュータ300が、色票画像に含まれるメタメリック評価色パッチ21,22の画像に基づいて、上述した演算処理(特に、物体色成分データ233を求めるための演算処理)が正確であるか否かを評価する処理について説明する。
図12は、コンピュータ300において上記評価処理を行うための流れ図である。
まず、ユーザが操作部306を介して指示を行うことにより、物体色成分データベース351から評価対象となる一の物体色成分データ233が選択される。ユーザによる選択の指示はデータ選択受付部311に受け付けられ、選択された一の物体色成分データ233はハードディスク304からRAM303に読み出される。これにより、ユーザが信頼性評価を希望する一の物体色成分データ233が決定される(ステップST30)。
次に、ユーザの操作部306を介しての指示により、照明成分データベース352から、特定の照明成分データ232が選択される。ここで選択される特定の照明成分データ232は、2つのメタメリック評価色パッチ21,22が同一色となる特定波長の照明成分データである。例えば、色票1に含まれるメタメリック評価色パッチ21,22は、どのような波長の光を照射すれば互いの色が同一色になるかということは予め判っている。したがって、ユーザは2つのメタメリック評価色パッチ21,22が同一色になる照明成分データを選択することになる。そして、特定の照明成分データ232の選択の指示がデータ選択受付部311により受け付けられ、選択された特定の照明成分データ232がRAM303に読み出される(ステップST31)。
次に、評価対象として選択された物体色成分データ233および特定の照明成分データ232が合成画像生成部312に入力される。合成画像生成部312は、上述したステップST16と同様の演算処理を行って、被写体を特定の照明成分データ232が示す照明光で照明したと仮定した場合の第1の合成画像データを生成する(ステップST32)。
そして第1の合成画像データにおける複数のメタメリック評価色パッチ21,22の画像を特定し、各パッチの色値(三刺激値(数4の色に基づくXYZ値))を算出する(ステップS33)。
次に、ユーザの操作部306を介しての指示により、照明成分データベース352から、上記特定の照明成分データ以外の照明成分データ232が選択される。ここで選択される照明成分データ232は、2つのメタメリック評価色パッチ21,22が互いに異なる色となる波長の照明成分データである。例えば、色票1に含まれるメタメリック評価色パッチ21,22は、どのような波長の光を照射すれば互いの色が同一色になるかということは予め判っているので、そのような波長以外の照明成分データが選択されることになる。そして、特定の照明成分データ以外の照明成分データ232の選択の指示がデータ選択受付部311により受け付けられ、選択された照明成分データ232がRAM303に読み出される(ステップST34)。
次に、評価対象として選択された物体色成分データ233および照明成分データ232が合成画像生成部312に入力される。そして合成画像生成部312は、上述したステップST16と同様の演算処理を行って、特定波長以外の波長の照明光で被写体を照明したと仮定した場合の第2の合成画像データを生成する(ステップST35)。
そして第2の合成画像データにおける複数のメタメリック評価色パッチ21,22の画像を特定し、各パッチの色値(三刺激値(数4の色に基づくXYZ値))を算出する(ステップS36)。
そして第1および第2の合成画像データに基づく画像がディスプレイ305に表示されるとともに、ステップST33およびST35で求められた各メタメリック評価色パッチ21,22の色値を数値として表示する(ステップS37)。
これにより、物体色成分データ233を求めるための上述した演算処理に不備がある場合には、第1の合成画像データにおける2つのメタメリック評価色パッチ21,22の色値は異なる色を示すことになり、若しくは、第2の合成画像データにおける2つのメタメリック評価色パッチ21,22の色値が同一色を示すことになって、その不備の存在が明らかになる。
逆に、物体色成分データ233を求めるための上述した演算処理が正確である場合には、第1の合成画像データにおける2つのメタメリック評価色パッチ21,22の色値はほぼ同等の値となって同一色を示すことになり、かつ、第2の合成画像データにおける2つのメタメリック評価色パッチ21,22の色値が全く異なる値となって異なる色を示すことになって、メタメリック現象に適合した結果が得られ、物体色成分データ233を正確に求められたことが明らかになる。
したがって、本実施の形態のように、色票1に対して少なくとも2つのメタメリック評価色パッチ21,22を含ませておくことにより、物体色成分データ233を算出した後、その物体色成分データ233が正確に求められたデータであるか否かを検証できるので有益である。
以上のように、画像処理システム100は、複数の物体色成分データ233から複数の合成画像データ331を生成し、明るさの調整および被写体のサイズの調整を行った後、ユーザに対して閲覧可能に表示する。よって、複数の合成画像データ331間で同一の分光分布および同一の強度の照明光下における、同一スケールの被写体を再現できる。このため、複数の合成画像データ331が示す被写体を同一条件下で的確に比較することができるようになっている。
そして本実施の形態では、画像処理システム100においてカラー画像の色のキャリブレートを行うために、シート状の色票1が使用されており、その色票1は、シート状部材の表面側に少なくとも1色の色材が塗布された基準領域1aを有し、かつ、その基準領域1aに対応するシート状部材の裏面側に黒色の色材が塗布された構造となっている。そのため、被写体を撮影する際の照明環境が異なる場合であっても、色票1の裏側にある物体影響を受けることなく、表面側の色材を常に正確な状態で撮影することができるので、色票画像に基づいて画像を再現する場合に、画像データの再現性を向上させることができる。また複数の画像データを比較する場合にも、より正確な状態で比較可能な画像データを取得できるようになる。
また、色票1の表面には、少なくとも3色の無彩色からなる無彩色領域30が形成されるため、色票1は、画像データに対し、画像の非線形性を補正することが可能な情報を与えている。よって、本実施の形態の色票1を使用すれば、画像の非線形性を補正して線形な濃度変化を示す画像を得ることができる。特に本実施の形態では、物体色成分データ233を求める演算処理などにおいて画像データが線形性を示すことを前提にしているので、色票画像を用いて事前に画像の非線形性を補正しておくことは重要な処理のひとつとなっている。
また、色票1の表面には、解像度チャート41が形成されるため、色票1は、画像データに対し、画像の鮮鋭性を補正することが可能な情報を与えている。よって、本実施の形態の色票1を使用すれば、画像の鮮鋭性を補正して、被写体の質感を一定の状態で再現できるようになる。そのため、複数の画像データの鮮鋭性を均等な状態に補正することで、複数の画像データを均等な質感で比較できるようになる。
また、本実施の形態においては、色票1の表面に、少なくとも2色のメタメリック評価色からなる色材が塗布されているので、物体色成分データ233を求めた後、その物体色成分データ233が正確に求められているか否かを評価することができるようになっている。それ故、コンピュータ300で再生される画像データの再現性を向上させ、より正確な状態で複数の画像データを比較できるようになる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、デジタルカメラ200において物体色成分データ233が求められる場合を例示したが、物体色成分データ233を求める演算はコンピュータ300で行われてもよい。また、上記においてコンピュータ300で行っていた演算処理をデジタルカメラ200の内部で行うようにしてもよい。
また、上述した演算によって生成される複数の合成画像データ331は、例えば、医療行為における患部の経過観察を行うための画像として適切に使用することができるものである。すなわち、患者の患部を被写体として時間を変えて物体色成分データ233を取得しておき、これらの複数の物体色成分データ233から生成される複数の合成画像データ331を医者であるユーザが閲覧するようにすれば、患部の経過観察を的確に行うことができる。また、合成画像データ331の生成に用いる照明成分データ232は選択可能であるため、医者であるユーザは日常使用している照明光に対応するものを選択することで、使い慣れた照明光下の被写体(患者の患部など)を閲覧することができ、診察や診断の精度を向上することができる。
色票を斜め前方側からみた斜視図である。 色票を斜め後方側からみた斜視図である。 色票の表面側の具体的構成例を示す平面図である。 画像処理システムの一例を示す図である。 コンピュータの概略構成を示す図である。 デジタルカメラの主要な構成を示す図である。 デジタルカメラの機能をブロックにて示す図である。 デジタルカメラの動作の流れを示す流れ図である。 撮影時における被写体、色票およびデジタルカメラの配置例を示す図である。 コンピュータの機能をブロックにて示す図である。 画像再生時のコンピュータの動作の流れを示す流れ図である。 コンピュータにおいて評価処理を行う際の流れ図である。
符号の説明
1 色票
1a 基準領域
10,20,30,40 領域
11 基準色パッチ
21,22 メタメリック評価色パッチ
31,32,33 無彩色パッチ
41 解像度チャート
100 画像処理システム
200 デジタルカメラ
300 コンピュータ
232 照明成分データ
233 物体色成分データ
331 合成画像データ

Claims (4)

  1. カラー画像の色のキャリブレートを行うために使用されるシート状の色票であって、シート状部材の表面側に、少なくとも1色の色材が塗布された基準領域が形成され、かつ、前記基準領域に対応する前記シート状部材の裏面側に黒色の色材が塗布された色票。
  2. 請求項1に記載の色票において、
    前記基準領域には、少なくとも3色の無彩色からなる無彩色領域が形成されることを特徴とする色票。
  3. 請求項1又は2に記載の色票において、
    前記基準領域には、画像の鮮鋭度を評価するための解像度チャートが形成されることを特徴とする色票。
  4. カラー画像の色のキャリブレートを行うために使用されるシート状の色票であって、シート状部材の表面側に、メタメリック評価色を含む複数色の色材が塗布された基準領域が形成された色票。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008068511A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 National Printing Bureau 真偽判別可能な印刷物
JP2010276608A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Ivoclar Vivadent Ag 歯科用カラー分析装置
US8588522B2 (en) 2011-04-13 2013-11-19 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Method and system for dynamic color correction

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