JP2005039408A - 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物体識別部200は、マルチバンド画像データ100より分光反射率データを取得し、得られた分光反射率データに基づいて画像中の人間の肌などの特定物体の領域を識別して識別結果情報201を生成する。データ処理部300は、マルチバンド画像データ100を画像出力装置400への出力色信号データ301に変換するが、その変換パラメータを識別結果情報201に従って領域毎に制御することにより、例えば、人間の肌の領域について記憶色を考慮した色再現を可能し、あるいは、特定物体の領域の明るさに応じて画像全体の明度補正を行う。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データ処理に係り、より具体的には、入力された画像データからプリンタ等の画像出力装置に出力するのに適した色信号データを生成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラなどの多くの撮像機器では、被写体像は色分解フィルタ(RGBフィルタ又はCMYフィルタ)を通し色分解されてから撮像され、その出力画像データは色信号(RGB信号又はCMY信号)のデータである。なお、本明細書において、「被写体」は主要被写体のみならず背景なども含む、画像に写っているもの全てを意味する。
【0003】
一方、透過波長域の異なる多種類のフィルタを通して被写体を撮影するマルチバンドカメラ等の撮影機器機により、多チャンネルの信号からなるマルチバンド画像データを得ることが可能になってきている。このようなマルチバンド画像データによれば、被写体の分光反射率を精度良く求めることができる(例えば特許文献1,2,3参照)。また、マルチバンド画像データから、3色又は4色以上の色剤を用いる画像出力装置に出力するための色信号データを生成することもできる(例えば特許文献3,4参照)。
【0004】
なお、必ずしもマルチバンド画像データを対象とするものではないが、画像の色補正を目的として、入力画像を複数領域に分割し、各領域毎に複数の入力プロファイルの中から適切な入力プロファイルを選択し、選択された入力プロファイルを用いて領域画像をデバイスインデペンデントカラー画像に変換し、各領域のデバイスインデペンデントカラー画像を合成した後に所定の出力プロファイルを用いてデバイスデペンデントカラー画像に変換する如き色再現装置及び方法が特許文献5に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−22930号公報
【特許文献2】
特開2001−83009号公報
【特許文献3】
特開2000−333186号公報
【特許文献4】
特開2002−254708号公報
【特許文献5】
特開2000−341499号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
プリンタ等の画像出力装置で画像を出力する場合、例えば、人の肌の色、草木の緑、青空の色といった記憶色と言われる色の部分を、より好ましい色で再現するために、人の肌などの部分の明度又は彩度を上げるような処理が行われることがある。しかし、RGB信号やCMY信号で表現された画像では、人の肌の部分を的確に識別することは非常に難しい。人の肌も肌色の机もRGB値やCMY値が同じ値をとることがあるからである。
【0007】
よって、現状では、画像に付加されたタグ等によって例えばポートレート画像であるか否かを判断し、ポートレート画像ならば、肌色に相当するRGB値又はCMY値を持つ部分を一律に記憶色として補正するような方法が採用されることが多い。しかし、このような方法では、例えば画像内に人の肌と同様色の机があった場合に、机の色が不自然な色で再現されるような不都合がある。
【0008】
したがって、本発明の目的は、以上に述べたような画像の補正処理などを適切に行うための新規な画像処理装置及び方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、透過波長域の異なる複数のフィルタを通して被写体を撮影して得られたマルチバンド画像データが入力され、前記マルチバンド画像データより、画像中の特定物体の領域を識別して識別結果情報を生成する物体識別手段と、前記マルチバンド画像データに対し所定のデータ処理を施すデータ処理手段とを有し、前記データ処理手段は前記データ処理を前記識別結果情報に従って制御する手段を含むことを特徴とする画像処理装置である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明の画像処理装置において、前記物体識別手段が、前記マルチバンド画像データより分光反射率データを取得する手段を含み、該手段により得られた分光反射率データに基づいて特定物体の領域の識別を行うことを特徴とするものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2の発明の画像処理装置において、前記分光反射率データを取得する手段が、特定物体の識別に有効な一部の波長域に関する分光反射率データのみを取得することを特徴とするものである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項2の発明の画像処理装置において、前記物体識別手段が、分光分布に基づいて特定物体の領域を識別する手段をさらに含むことを特徴とするものである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1,2,3又は4の発明の画像処理装置において、前記データ処理が前記マルチバンド画像データを色信号データに変換する処理であり、該変換のための変換パラメータが、前記データ処理を制御する手段により前記識別結果情報に従って領域毎に制御されることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1,2,3又は4の発明の画像処理装置において、前記データ処理が前記マルチバンド画像データを色信号データに変換する処理であり、該処理には色信号データの明度補正が含まれ、画像全体に対する該明度補正のための補正パラメータが、前記データ処理を制御する手段により、前記識別結果情報により示される特定物体の領域における明るさに基づいて制御されることを特徴とするものである。
【0015】
請求項7の発明は、被写体を色分解フィルタを通して撮影することにより得られた色信号データ、及び、前記被写体を特定の透過波長域を有する1種類以上のフィルタを介して撮影して得られた1チャンネル以上の分光信号データが入力され、前記色信号データ及び前記分光信号データより、画像中の特定物体の領域を識別して識別結果情報を生成する物体識別手段と、前記色信号データに対し所定のデータ処理を施すデータ処理手段とを有し、前記データ処理手段は前記データ処理を前記識別結果情報に従って制御する手段を含み、前記物体識別手段は、前記色信号データの色判定を行う手段と前記分光信号データのレベル判定を行う手段を含み、前記色判定の結果及び前記レベル判定の結果に基づいて特定物体の領域を識別することを特徴とする画像処理装置である。
【0016】
請求項8の発明は、請求項7の発明の画像処理装置において、前記データ処理が前記色信号データの他の表色系又は同一の表色系の色信号データへ変換する処理であり、該変換のための変換パラメータが領域毎に、前記データ処理を制御する手段により前記識別結果情報に従って制御されることを特徴とするものである。
【0017】
請求項9の発明は、請求項7の発明の画像処理装置において、前記データ処理が前記色信号データの明度補正を含み、画像全体に対する前記明度補正のための補正パラメータが、前記データ処理を制御する手段により、前記識別結果情報により示される特定物体の領域における明るさに基づいて制御されることを特徴とするものである。
【0018】
請求項10の発明は、透過波長域の異なる複数のフィルタを通して被写体を撮影して得られたマルチバンド画像データより分光反射率データを取得し、得られた分光反射率データに基づいて画像中の特定物体の領域を識別して識別結果情報を生成する物体識別ステップと、前記マルチバンド画像データの色信号データへの変換を行うデータ処理ステップとを有し、前記データ処理ステップにおいて、前記変換のための変換パラメータを領域毎に前記識別結果情報に従って制御することを特徴とする画像処理方法である。
【0019】
請求項11の発明は、透過波長域の異なる複数のフィルタを通して被写体を撮影して得られたマルチバンド画像データより分光反射率データを取得し、得られた分光反射率データに基づいて画像中の特定物体の領域を識別して識別結果情報を生成する物体識別ステップと、前記マルチバンド画像データの色信号データへの変換及び明度補正の処理を行うデータ処理ステップとを有し、前記データ処理ステップにおいて、画像全体に対する前記明度補正のための補正パラメータを、前記識別結果情報により示される特定物体の領域における明るさに基づいて制御することを特徴とする画像処理方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
[実施の形態A]
図1は、本発明の1つの実施の形態に係る画像処理装置の全体ブロック図である。
【0021】
この実施の形態に係る画像処理装置に対する入力画像データ100は、いわゆるマルチバンドカメラ等を用い、透過波長域が異なる複数種類のフィルタを通して被写体を撮影して得られたマルチバンド画像データである。これは、例えば、可視光波長域410nm〜710nmの波長域を16帯域に分割して撮影した、16チャンネルの信号からなるマルチバンド画像データである。これは一例であって、波長域は可視光域のみに必ずしも限定する必要はなく、また、よりチャンネル数(バンド数)が多い(例えば32チャンネルの)マルチバンド画像データ、あるいは、よりチャンネル数が少ない(例えば8チャンネルの)マルチバンド画像データを入力画像データ100とすることも可能である。このような入力画像データ100は、マルチバンドカメラ等の撮影手段から直接入力することもメモリ等を介して入力することも可能であるが、ここに示す例ではバッファ記憶のためのメモリ等を含む画像入力部110を介して入力画像データ100が入力されるものとしている。また、必要に応じて、撮影条件を変えて同一対象を撮影した2フレームの画像データが入力画像データ100として入力される場合もあるが、これについては後述する。
【0022】
この実施形態に係る画像処理装置は、前記画像入力部110、物体識別部200及びデータ処理部300から構成され、入力画像データ100は物体識別部200及びデータ処理部300に入力される。
【0023】
物体識別部200は、入力画像データ100より、画像中の1以上の特定の物体の領域を識別する処理を行う手段である。ここで、「物体」とは、個体などの有形なものに限らず、気体、液体などの無形のものも含み、物体識別部200における識別対象となり得るものの総称である。物体識別部200により識別された特定物体の領域の情報は識別結果情報201として出力され、これはデータ処理部300に入力される。
【0024】
例えば、1種類の特定物体の領域を識別する場合で、領域識別単位を1画素としたときには、識別結果情報201は入力画像の各画素に対応した1ビットの情報で表される。すなわち、ある画素のビットは、当該画素が特定物体の領域に含まれるならば”1”、含まれないならば”0”に設定される。2種類以上の特定物体の領域を識別する場合には、各画素に対応した2ビット以上の情報として識別結果情報201を表すことができる。特定物体の領域の識別単位を1画素より大きな単位、例えばn×m画素の領域とすることも可能であり、この場合には、その識別単位に対応した1ビット又は複数ビットの情報として識別結果情報201を表現することができる。ただし、以上は例示にすぎず、識別結果情報201の表現形式は基本的に任意である。
【0025】
データ処理部300は、マルチバンド画像データ100に対し特定の処理を施す手段であるが、その処理内容が識別結果情報201に従って制御される。ここに示す例では、データ処理部300は、入力画像データ100であるマルチバンド画像データから、プリンタ等の画像出力装置400へ出力するのに適した色信号データ301を生成するが、そのための色変換や明度補正が識別結果情報201に従って制御される。
【0026】
このような画像処理装置は、独立した装置として実現可能であるが、マルチバンドカメラ等の他の機器の組み込み装置として実現することも可能である。後述のように、この画像処理装置をパソコン等のコンピュータ上でソフトウェアにより実現することも可能である。
【0027】
以下、この実施の形態の実施例について説明する。
【0028】
[実施例A1]
この実施形態Aの一実施例によれば、物体識別部200は図2に示す構成とされ、また、データ処理部300は図3に示す構成とされる。
【0029】
図2において、本実施例の物体識別部200は分光反射率算出手段210、光源分光分布データ記憶手段211、分光反射率比較手段212、物体分光反射率データ記憶手段213、分光分布比較手段214、物体分光分布データ記憶手段215、識別結果出力手段216、制御手段217及び指示/条件入力手段218から構成される。
【0030】
本実施例においては、指示/条件入力手段218によって、識別対象となる1以上の特定物体を指定することができる。また、指示/条件入力手段218によって、特定物体の識別方法として、分光反射率を利用する方法と、分分光分布を利用する方法を指定することができる。
【0031】
まず、分光反射率を利用した物体識別に関して説明する。分光反射率算出手段210は、入力画像データ100であるマルチバンド画像データから分光反射率を算出する手段である。マルチバンド画像データは、各画素の分光分布データを持っており、そのデータは(被写体の分光反射率)×(光源の分光エネルギー)となっている。したがって、簡単には、マルチバンド画像データの各画素のデータを光源の分光分布データで割ることにより、各画素位置での分光反射率を求めることができる。光源の分光分布データの取得及び分光反射率の算出の方法は、指示/条件入力手段218により指定することができる。本実施例では、その方法として、次のA方法,B方法,C方法のいずれかを利用可能であり、指示/条件入力手段218により指定することができる。
【0032】
A方法:光源分光分布データ記憶手段211に予め記憶されている光源の分光分布データを利用する方法である。光源分光分布データ記憶手段211には、いくつかの典型的な光源の分光分布データ、例えば、自然光源(晴天、曇天)、蛍光灯、白熱灯、1種類以上のストロボ光源などの分光分布データが予め記憶されている。ここに記憶されている光源のいずれかの分光分布データを分光反射率算出に利用したい場合には、指示/条件入力手段218より撮影条件(晴天、雨天、蛍光灯など)を指定する。例えば、晴天が指定された場合には、制御手段217の制御により、光源分光分布データ記憶手段211に記憶されている晴天の分光分布データが分光反射率算出手段210に与えられる。分光反射率算出手段210は、与えられた光源の分光分布データでマルチバンド画像データを割ることにより、被写体の分光反射率を算出する。
【0033】
B方法:分光反射率が既知のマクベスチャート等の物体を被写体とともに撮影したマルチバンド画像データが入力される。このマルチバンド画像データ中のマクベスチャート等の物体の分光分布データを既知の分光反射率で割ることにより、撮影時の光源の分光分布データを取得する方法である。この方法が指示/条件入力手段218により指定された場合には、制御手段217の制御により、物体分光反射率データ記憶手段213に予め記憶されているマクベスチャート等の分光反射率データが分光反射率算出手段210に与えられ、分光反射率算出手段210では、この分光反射率データを用いて光源の分光分布を取得し、それを用いて被写体のデータを割ることにより被写体の分光反射率を算出する。
【0034】
C方法:前記特許文献2に記載された方法である。この方法が指定された場合には、制御部217の制御により、補助光源(例えばストロボ光源)の分光分布データが光源分光分布データ記憶手段211より読み出されて分光反射率算出手段210に与えられる。そして、まず、前記補助光源を用いて撮影した第1のマルチバンド画像データが入力され、次に、補助光源を用いずに同一の被写体を撮影したマルチバンド画像データが入力される。分光反射率算出手段210は、第1のマルチバンド画像データと第2のマルチバンド画像データの差データを求め、それを補助光源の分光分布データで割ることにより、被写体の分光反射率を算出する。
【0035】
なお、指示/条件入力手段218は、人が直接的に操作する手段であっても、マルチバンド画像データに付加されている撮影条件などの情報の解析により自動的に指示/条件を入力する手段であっても、さらには、マルチバンドカメラから出力される撮影条件信号などを単に制御手段217に中継する手段であってもよく、いずれの態様も本発明に包含される。
【0036】
分光反射率比較手段212は、分光反射率算出手段210により求められた分光反射率データと、物体分光反射率データ記憶手段213に予め記憶されている1つ以上の特定物体の分光反射率データとの比較を、領域識別単位(画素又は画素群)毎に行い、ある特定物体の分光反射率データとの一定度合い以上の一致が得られた領域識別単位を、当該特定物体の領域と判定する手段である。識別対象となる特定物体は、指示/条件入力手段218から指定することができる。制御手段217は、指定された物体を特定物体として選択し、指定されないない場合にはデフォルトの1以上の物体を特定物体として選択し、選択した物体の分光反射率データを物体反射率データ記憶手段213より読み出して分光反射率比較手段212に与える。
【0037】
分光反射率は、色のような心理物理量とは異なり、被写体に依存する純粋な物理量である。よって、これを用いることで、被写体が何であるかを高精度に特定することが可能になる。例えば、人の肌と、肌色の机が撮影された場合、RGB値では同じ肌色を示すことがあり得るが、分光反射率によれば両者を精度よく判別できる。分光反射率によれば、植物の緑、青空の青といったものも精度良く識別することができる。
【0038】
例えば、人間の肌を識別するとする。一概に人間の肌といっても、個人差があり、さらには体の部位によって肌の分光反射率は異なる。また、人種、年齢、性別等によっても分光反射率は異なる。しかし、ある程度の傾向は見られ、分光反射率データを16次元空間の点とすると、人間の肌として、ある部分空間を設定することは可能である。よって、分光反射率データがこの部分空間内にある場合にのみ人間の肌と判定することにより、人間の肌の領域を高精度に識別可能となる。そのような部分空間は、多くの人間の肌の分光反射率データを集め、分光反射率空間内でのそれらのデータの分布を見ることにより定義することができる。物体分光反射率データ記憶手段213に記憶されている分光反射率データは、そのようにして定義された人肌などの特定物体の分光反射率空間内の部分空間を表すデータである。分光反射率比較手段212の比較で一定度合い以上の一致が得られるのは、領域識別単位の分光反射率データがそのような部分空間内にあるときである。
【0039】
分光反射率算出手段210で算出される分光反射率は、特定の物体の識別のためのものであるから、必ずしも全ての波長域の分光反射率を算出する必要はない。例えば、特定物体として人肌を識別する場合には、人肌に特徴的ないくつかの波長域の分光反射率だけを算出すれば足りる。このように、特定物体の識別に有効な波長域についてのみ分光反射率を算出するようにすると、分光反射率算出手段210の演算負荷が軽減され処理速度の向上に寄与する。このような態様も当然に本発明に包含される。
【0040】
前述のように、本実施例においては、分光反射率を算出せず、分光分布から特定の物体の領域を識別する方法を選択することができる。指示/条件入力手段218により、この方法が指定された場合、制御部217の制御により、選択された1つ以上の特定物体の分光分布データが物体分光分布データ記憶手段215より読み出されて分光分布比較手段214に送られる。分光分布比較手段214は、マルチバンド画像データの領域識別単位(画素又は画素群)毎に、その分光分布と特定物体の分光分布との比較を行い、一定度合い以上の一致が得られた領域識別単位を当該特定物体の領域と判定する。このような分光分布による物体識別は、分光反射率を利用する方法に比べ識別精度は低いが、光源の分光分布を知る必要がなく、必要な演算量も少なくなるため、処理の高速化に有利である。したがって、識別する物体やその種類数、必要とされる識別精度などに応じて、分光分布を利用する物体識別方法と分光反射率を利用する物体識別方法とを適応的に使い分けできることは有益である。
【0041】
識別結果出力手段216は、制御手段217の制御により、分光反射率比較手段212又は分光比較手段214により得られた識別結果に基づいて、前述したような識別結果情報201を生成し出力する。
【0042】
なお、図示しないが、マルチバンド画像データより画像中のエッジを検出する手段を設け、分光反射率比較手段212又は分光分布比較手段214によって特定物体と識別された領域であって、かつ、エッジで囲まれた領域を特定物体の領域と判定するようにしてもよい。このような判定は、例えば識別結果出力手段216で行えばよい。このような態様も本発明に包含される。
【0043】
図3において、本実施例のデータ処理部300は、第1の変換手段310と第2の変換手段312により、入力画像データ100であるマルチバンド画像データをプリンタ等の画像出力手段400へ出力するのに適した色信号データ301に変換する処理が行われ、第2の変換手段311の段階で識別結果情報201に従った変換の制御が行われる。
【0044】
第1の変換手段310では、マルチバンド画像データを色信号データ311に変換する。本実施例では色信号データ311はRGB信号データとするが、例えば、L*a*b*信号などに変換してもよく、そのような態様も本発明に包含される。
【0045】
より具体的には、第1の変換手段310では、マルチバンド画像データより、分光分布データP(λ)、XYZ表色系の等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)を用いて、以下の式により三刺激値XYZを求め、次に、この三刺激値からRGB信号への変換を当該色信号の定義に従って行う。
X=∫P(λ)x(λ) dλ(λ=380nm〜780nm)
Y=∫P(λ)y(λ) dλ(λ=380nm〜780nm)
Z=∫P(λ)z(λ) dλ(λ=380nm〜780nm)
【0046】
第2の変換手段312は、RGB信号データ311を、プリンタ等の画像出力装置400に出力するための色信号データ301に変換する。本実施例では、色信号データ301はCMYK信号データとする。その変換の方法は基本的には任意であるが、本実施例では色変換テーブルを用いた線形補間演算による方法を用いるもとのとして説明する。この方法では、図4のように入力色空間(ここではRGB空間)を格子状に分割し、各格子点に対して色変換パラメータ、すなわち出力用の色信号の値(ここではCMYKの各値)を設定した色変換テーブルを用いる。格子点間の入力色に関しては、近傍の8つの格子点のパラメータを用いて線形補間により出力色値を求める。このような変換のための色変換テーブル314が複数種類用意されており、その中の1つが識別結果情報201に従って領域毎に変換制御手段313により選択され、その色変換テーブルを用いて第2の変換手段312による変換が行われる。つまり、第2の変換手段312で用いられる変換パラメータが識別結果情報201に従って切り替えられることになる。
【0047】
例えば、物体識別部200で、人間の肌を特定物体として物体識別が行われた場合、特定物体と識別された領域については、特定物体(人間の肌)の色を良好に再現する目的に適した色変換テーブルを用いてRGBからCMYKへの色変換が行われ、それ以外の領域では標準的な色変換テーブルを用いた色変換が行われる。このような構成により、人間の肌の領域に対してのみ記憶色を考慮した色再現が可能となる。なお、人間の肌色、植物の緑色、青空の色などの記憶色と呼ばれる色の物体について物体識別を行えば、それぞれの記憶色を考慮した色再現が可能となる。
【0048】
[実施例A2]
実施形態Aの他の一実施例によれば、物体識別部200は前記実施例A1と同じ構成とされ、データ処理部300は図5に示す構成とされる。
【0049】
図5において、本実施例のデータ処理部300は、入力画像データ100であるマルチバンド画像データを色信号データ321に変換する色変換手段320と、この色信号データ321の明度補正を行ってプリンタやディスプレイなどの画像出力装置400に出力する色信号データ301を生成する明度補正手段322を有する。本実施例においては、色変換手段320は前記実施例A1における第1の変換手段310と同一の手段であり、マルチバンド画像データより三刺激値XYZを求め、これをRGB信号に変換する。すなわち、本実施例では色信号データ321はRGB信号データである。ただし、色信号データ321を前記実施例A1に関連して述べたようにL*a*b*信号などにすることも可能であり、そのような態様も本発明に包含される。
【0050】
明度補正手段322は、色信号デー321に明度補正を施して出力色信号データ301を生成する。本実施例では色信号データ301はRGB信号データであるが、画像出力装置400の種類によってはCMYK信号データとすることもでき、そのような態様も本発明に包含され。明度補正手段322では、後述のようにγ補正により明度補正が行われる。
【0051】
本実施例のデータ処理部300は、明度補正手段322による明度補正の制御のための補正制御手段323を有する。この補正制御手段323は、物体識別部200により識別された特定物体の領域の明るさが適切となるように画像全体に対する明度補正を制御するもので、輝度ヒストグラム算出手段324とテーブル切り替え手段325からなる。
【0052】
輝度ヒストグラム算出手段324は、識別結果情報201により示される特定物体の領域における輝度のヒストグラムを求める手段である。本実施例では、色変換手段320で算出される三刺激値XYZの中の輝度値であるY値が輝度ヒストグラムの算出に用いられるが、例えば、色信号データ321(RGB信号データ)のGデータを輝度データとみなして輝度ヒストグラムを算出することも可能であり、かかる態様も本発明に包含される。また、色信号データ321がL*a*b*データならば、L値を用いて輝度ヒストグラムを算出することも可能であり、かかる態様も本発明に包含される。
【0053】
テーブル切り替え手段325は、求められた特定物体の領域における輝度ヒストグラムに基づいて、複数種類の補正テーブル326(ここではγ補正テーブル)の中から、特定物体の領域を適切な明るさにするために適切なものを選択する。この選択された補正テーブルを用いて、明度補正手段322で画像全体に対する明度補正が行われる。補正テーブルの切り替えとは、明度補正パラメータ(ここではγ係数)を切り替えることに相当する。すなわち、テーブル切り替え手段325は、特定物体の領域における明るさに応じて明度補正パラメータを切り替えるための手段である。より具体的に述べれば、特定物体の領域の輝度ヒストグラムから、特定物体の領域が暗いと判断される場合には、例えば図6に示す上に凸の特性カーブAを持つ補正テーブルが選択される。これと逆に、特定物体の領域が明るすぎると判断される場合には、図6に示す下に凸の特性カーブBを持つ補正テーブルが選択される。図6にはA,B2種類の特性カーブが示されているが、特性カーブA,Bの中間的な特性カーブを持つ補正テーブルも用意され、特定物体領域の明るさに応じて適当と判断される補正カーブの補正テーブルが選択される。このような補正カーブ(補正パラメータ)の制御により、例えば、人間の肌の領域が適切な明るさとなるように画像全体の明るさが補正された色信号データ301を得ることができる。
【0054】
補正テーブル326は色信号データ321の各成分つまりRGB各成分に対応して用意することも可能であるが、補正による色バランスの乱れを減らすために、例えばG成分用の補正テーブルだけを用意し、R,B成分についてはG成分と同じ比率で補正するのが一般的である。
【0055】
なお、本実施例では明度補正手段322を色変換手段320と独立させて設けているが、色変換手段320の変換パラメータを制御することによって、同様の明度補正を行うことも可能である。このように、色変換手段320で明度補正手段を兼ねる態様も本発明に包含される。
【0056】
[実施形態B]
図7は、本発明の他の実施の形態に係る画像処理装置の全体ブロック図である。
【0057】
この実施の形態に係る画像処理装置に対する入力画像データ500は、被写体を色分解フィルタを通して撮影することにより得られた色信号データ501と、それと同じ被写体を、特定物体の識別に有効な透過波長域を有する1種類又は数種類のフィルタを介して撮影して得られた1チャンネル又は数チャンネルの分光信号データ502からなる。ここに示す例では、色信号データ501はRGB信号データであるが、CMY信号データとすることも可能であり、かかる態様も本実施形態に包含される。また、特定物体として例えば人間の肌を識別する場合には、人間の肌の分光反射率において特徴的な1つ又は2,3の波長域の分光信号データ502を入力すればよい。
【0058】
このような入力画像データ500は、撮影手段から直接入力することもメモリ等を介して入力することも可能であるが、ここに示す例ではバッファ記憶のためのメモリ等を含む画像入力部510を介して入力画像データ500が入力されるものとしている。
【0059】
この実施形態に係る画像処理装置は、前記画像入力部510、物体識別部600及びデータ処理部700から構成され、入力画像データ500は物体識別部200に入力され、また、入力画像データ500中の色信号データ(RGB信号データ)501はデータ処理部700に入力される。
【0060】
物体識別部600は、入力画像データ500から、1以上の特定の物体の領域を識別する処理を行う手段である。物体識別部600により識別された特定物体の領域の情報は識別結果情報601として出力され、これはデータ処理部700に入力される。識別結果情報601は前記実施形態Aにおける識別結果情報201と同様な表現形式とすることができる。
【0061】
データ処理部700は、入力画像データ500中の色信号データ(RGB信号データ)501に対し特定の処理を施す手段であるが、その処理内容が識別結果情報601に従って制御される。ここに示す例では、データ処理部700において、色信号データ501から、プリンタ等の画像出力装置800へ出力するのに適した色信号データ701を生成するが、そのための色変換や明度補正が識別結果情報に従って制御される。
【0062】
このような画像処理装置は、独立した装置として実現可能であるが、画像撮影機器の組み込み装置として実現することも可能である。後述のように、この画像処理装置をパソコン等のコンピュータ上でソフトウェアにより実現することも可能である。
【0063】
以下、この実施の形態の実施例について説明する。
【0064】
[実施例B1]
この実施形態Bの一実施例によれば、物体識別部600は図8に示す構成とされ、また、データ処理部700は図9に示す構成とされる。
【0065】
図8において、本実施例の物体識別部600は色判定手段610、レベル判定手段611、領域判定手段612及び識別結果出力手段613からなる。
【0066】
色判定手段610は、色信号データ(RGB信号データ)501により表される色が、識別しようとする特定の物体の色とみなし得るか否かを領域識別単位(画素又は画素群)毎に判定する手段である。より具体的には、入力色空間内の特定の物体(例えば人間の肌)の色が含まれる部分空間を予め定義しておき、入力色がその部分空間に含まれるか否かを判定する。レベル判定手段611は、分光信号データ502の各波長域のレベルが、特定物体について予め定義されたレベル範囲に含まれるか否かを領域識別単位毎に判定する手段である。領域判定手段612は、色判定手段610で特定物体の色と判定され、かつ、レベル判定手段611で特定物体のレベル範囲と判定された領域を特定物体の領域と判定する手段である。このように、色とレベルの両方を利用する特定物体識別方法によれば、色判定又はレベル判定のみによる方法に比べ識別精度が向上する。
【0067】
識別結果出力手段613は、領域判定手段612による判定結果、すなわち特定物体の領域識別結果を表す識別結果情報601を生成し出力する。
【0068】
ここでは便宜上、識別対象の物体は1種類として説明するが、前記実施形態Aと同様に複数種類の物体のうちの1つ又は複数を指定できるようにしてもよい。この場合には、色判定及びレベル判定のための色データ及びレベルデータが物体対応に予め用意されることになる。かかる態様も本実施形態に包含されることは当然である。
【0069】
図示しないが、色信号データ(RGB信号データ)610より画像中のエッジを検出する手段を設け、領域判定手段612で、エッジで囲まれた領域のみを特定物体の領域と判定するようにしてもよい。このような態様も本実施形態に包含される。
【0070】
図9において、本実施例のデータ処理部700は、色信号データ(RGB信号データ)501をプリンタ等の画像出力手段400へ出力するのに適した色信号データ701に変換する色変換手段710を有する。本実施例では、色信号データ701はCMYK信号データであるが、RGB信号データなどでもよく、かかる態様も本実施形態に包含される。
【0071】
色変換手段710における変換の方法は基本的には任意であるが、本実施例では前記実施例A1の第2の変換手段312と同じ変換方法が用いられるものとする。
【0072】
データ処理部700は、色変換手段710による色変換のための色変換テーブル712を有する。色変換テーブル712としては、特定物体の領域の色変換のための色変換テーブルと、それ以外の領域の色変換に適用される色変換テーブルが用意される。データ処理部700は、識別結果情報701に従って領域毎に、色変換手段710で利用される色変換テーブル712を選択することにより色変換パラメータを切り替える変換制御手段713を有する。
【0073】
例えば、物体識別部600で、人間の肌を特定物体として物体識別が行われた場合、特定物体と識別された領域については、特定物体(人間の肌)の色を良好に再現する目的に適した色変換テーブルを用いてRGBからCMYKへの色変換が行われ、それ以外の領域では標準的な色変換テーブルを用いた色変換が行われる。このような構成により、人間の肌に対してのみ記憶色を考慮した色再現が可能となる。植物の緑色、青空の色などの記憶色と呼ばれる色の物体について物体識別を行えば、それぞれの記憶色を考慮した色再現が可能となることは明白である。
【0074】
[実施例B2]
実施形態Bの他の一実施例によれば、物体識別部600は前記実施例B1と同じ構成とされるが、データ処理部700は図10に示す構成とされる。
【0075】
図10において、本実施例のデータ処理部700は、色信号データ(RGB信号データ)501の明度補正を行ってプリンタやディスプレイなどの画像出力装置800に出力する色信号データ701を生成する明度補正手段720を有する。本実施例では色信号データ701はRGB信号データである。明度補正はγ補正により行われる。
【0076】
本実施例のデータ処理部700は、明度補正手段720による明度補正の制御のための補正制御手段721を有する。この補正制御手段721は、物体識別部600により識別された特定物体の領域の明るさが適切となるように画像全体に対する明度補正を制御するもので、輝度ヒストグラム算出手段722とテーブル切り替え手段723からなる。
【0077】
輝度ヒストグラム算出手段722は、識別結果情報601により示される特定物体の領域における輝度ヒストグラムを求める手段である。本実施例では、色信号データ501がRGB信号データであるので、そのG信号データを輝度データをみなして輝度ヒストグラムの算出が行われる。
【0078】
テーブル切り替え手段723は、求められた特定物体の領域の輝度ヒストグラムに基づいて、複数種類の補正テーブル724(ここではγ補正テーブル)の中から、特定物体領域を適切な明るさに補正するための補正テーブルを選択する。この選択された補正テーブルを用いて、明度補正手段720で画像全体に対する明度補正が行われる。補正テーブルの切り替えとは、明度補正パラメータ(ここではγ係数)を切り替えることに相当する。すなわち、テーブル切り替え手段723は、特定物体の領域の輝度ヒストグラムに応じて明度補正パラメータを切り替えるための手段である。より具体的に述べれば、特定物体の領域の輝度ヒストグラムから、特定物体の領域が暗いと判断される場合には、例えば図6に示す上に凸の特性カーブAを持つ補正テーブルが選択される。これと逆に、特定物体の領域が明るすぎると判断される場合には、図6に示す下に凸の特性カーブBを持つ補正テーブルが選択される。図6にはA,B2種類の特性カーブが示されているが、特性カーブA,Bの中間的な特性カーブを持つ補正テーブルも用意され、特定物体領域の明るさに応じて適当と判断される補正カーブが選択される。このような補正カーブ(補正パラメータ)の制御により、例えば、人間の肌の領域が適切な明るさとなるように画像全体が明度補正された色信号データ701を得ることができる。
【0079】
補正テーブル724はRGB各成分に対応して用意することも可能であるが、補正による色バランスの乱れを減らすために、例えばG成分用の補正テーブルだけを用意し、R,B成分についてはG成分と同じ比率で補正するのが一般的である。
【0080】
以上に説明した本発明の画像処理装置における処理の手順は、本発明の画像処理方法の手順でもある。したがって、本発明の画像処理方法についての説明を繰り返さないが、本発明の画像処理方法の手順をパソコンやマイクロコンピュータなどのコンピュータ上でソフトウェア処理により容易に実現し得ることは明白である。そのためのプログラムは、アプリケーションプログラムの形をとることもできるが、プリンタドライバなどの画像出力装置用のドライバの形をとることが実際的であろう。また、本発明の画像処理装置はハードウェアとして実現し得ることは当然であるが、さらに、コンピュータ上でソフトウェア処理により実現し得ることも明白である。本発明の画像処理装置又は方法をコンピュータ上で実現するためのプログラム、及び、同プログラムが記録された磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体記憶素子などの各種記録(記憶)媒体も本発明に包含される。
【0081】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、(1)請求項1乃至11の発明によれば、例えば記憶色と呼ばれる色の物体などが含まれる画像に対し適切な処理が可能となる。特に、(2)請求項2,7,10の発明によれば、人間の肌などの特定の物体を高精度に識別できるため、その識別結果に応じた処理制御の精度も向上する。(3)請求項3の発明によれば、分光反射率データを求めるための演算量が減り物体識別のための処理を高速化できる。(4)請求項4の発明によれば、必要とされる識別精度や識別すべき特定物体の種類数などに応じて、分光反射率による物体識別と分光分布による物体識別の使い分けが可能となる。(5)請求項5,8,10の発明によれば、人間の肌などの記憶色と呼ばれる色の物体が含まれる画像に対し領域毎に記憶色を考慮した色変換などを行うことができる。(6)請求項6,9,11の発明によれば、特定物体が含まれる画像に対し、特定物体の領域が適当な明るさとなるように明度補正を行うことができる、等々の効果をえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の全体ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の第1及び第2の実施例における物体識別部のブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の第1の実施例におけるデータ処理部のブロック図である。
【図4】色変換方法の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の第2の実施例におけるデータ処理部のブロック図である。
【図6】明度補正テーブルの説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置の全体ブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の第1及び第2の実施例における物体識別部のブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の第1の実施例におけるデータ処理部のブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の第2の実施例におけるデータ処理部のブロック図である。
【符号の説明】
110 画像入力部
200 物体識別部
210 分光反射率算出手段
212 分光反射率比較手段
214 分光分布比較手段
216 識別結果出力手段
300 データ処理部
310 第1の変換手段
312 第2の変換手段
313 変換制御手段
314 色変換テーブル
320 色変換手段
322 明度補正手段
323 補正制御手段
324 輝度ヒストグラム算出手段
325 テーブル切り替え手段
326 補正テーブル
510 画像入力部
600 物体識別部
610 色判定手段
611 レベル判定手段
622 領域判定手段
613 識別結果出力手段
700 データ処理部
710 色変換手段
712 色変換テーブル
713 変換制御手段
720 明度補正手段
721 補正制御手段
722 輝度ヒストグラム算出手段
723 テーブル切り替え手段
724 補正テーブル
Claims (13)
- 透過波長域の異なる複数のフィルタを通して被写体を撮影して得られたマルチバンド画像データが入力され、
前記マルチバンド画像データより、画像中の特定物体の領域を識別して識別結果情報を生成する物体識別手段と、
前記マルチバンド画像データに対し所定のデータ処理を施すデータ処理手段とを有し、
前記データ処理手段は前記データ処理を前記識別結果情報に従って制御する手段を含むことを特徴とする画像処理装置。 - 前記物体識別手段は、前記マルチバンド画像データより分光反射率データを取得する手段を含み、該手段により得られた分光反射率データに基づいて特定物体の領域の識別を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記分光反射率データを取得する手段は、特定物体の識別に有効な一部の波長域に関する分光反射率データのみを取得することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記物体識別手段は分光分布に基づいて特定物体の領域を識別する手段をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記データ処理は前記マルチバンド画像データを色信号データに変換する処理であり、該変換のための変換パラメータが、前記データ処理を制御する手段により前記識別結果情報に従って領域毎に制御されることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の画像処理装置。
- 前記データ処理は前記マルチバンド画像データを色信号データに変換する処理であり、該処理には色信号データの明度補正が含まれ、画像全体に対する該明度補正のための補正パラメータが、前記データ処理を制御する手段により前記識別結果情報により示される特定物体の領域における明るさに基づいて制御されることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の画像処理装置。
- 被写体を色分解フィルタを通して撮影することにより得られた色信号データ、及び、前記被写体を特定の透過波長域を有する1種類以上のフィルタを介して撮影して得られた1チャンネル以上の分光信号データが入力され、
前記色信号データ及び前記分光信号データより、画像中の特定物体の領域を識別して識別結果情報を生成する物体識別手段と、
前記色信号データに対し所定のデータ処理を施すデータ処理手段とを有し、
前記データ処理手段は前記データ処理を前記識別結果情報に従って制御する手段を含み、
前記物体識別手段は、前記色信号データの色判定を行う手段と前記分光信号データのレベル判定を行う手段を含み、前記色判定の結果及び前記レベル判定の結果に基づいて特定物体の領域を識別することを特徴とする画像処理装置。 - 前記データ処理は前記色信号データの他の表色系又は同一の表色系の色信号データへ変換する処理であり、該変換のための変換パラメータが領域毎に、前記データ処理を制御する手段により前記識別結果情報に従って制御されることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
- 前記データ処理は前記色信号データの明度補正を含み、画像全体に対する前記明度補正のための補正パラメータが、前記データ処理を制御する手段により、前記識別結果情報により示される特定物体の領域における明るさに基づいて制御されることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
- 透過波長域の異なる複数のフィルタを通して被写体を撮影して得られたマルチバンド画像データより分光反射率データを取得し、得られた分光反射率データに基づいて画像中の特定物体の領域を識別して識別結果情報を生成する物体識別ステップと、
前記マルチバンド画像データの色信号データへの変換を行うデータ処理ステップとを有し、
前記データ処理ステップにおいて、前記変換のための変換パラメータを前記識別結果情報に従って領域毎に制御することを特徴とする画像処理方法。 - 透過波長域の異なる複数のフィルタを通して被写体を撮影して得られたマルチバンド画像データより分光反射率データを取得し、得られた分光反射率データに基づいて画像中の特定物体の領域を識別して識別結果情報を生成する物体識別ステップと、
前記マルチバンド画像データの色信号データへの変換及び明度補正の処理を行うデータ処理ステップとを有し、
前記データ処理ステップにおいて、画像全体に対する前記明度補正のための補正パラメータを、前記識別結果情報により示される特定物体の領域における明るさに基づいて制御することを特徴とする画像処理方法。 - 請求項10又は11に記載の物体識別ステップ及びデータ処理ステップをコンピュータにより実行させるプログラム。
- 請求項12に記載のプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
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