JP2006080641A - 電界通信システム、電界通信用トランシーバ - Google Patents

電界通信システム、電界通信用トランシーバ Download PDF

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Abstract

【課題】電界通信システムにおける消費電力の低減を図る。
【解決手段】送信側のトランシーバでは、データ信号を送信する前にデータ信号の周波数帯域とは異なる周波数帯域で接続信号を送信し、受信用のトランシーバ3bでは、第一信号処理回路26により接続信号の周波数帯域と同じ周波数帯域の電気信号を通過させ、制御回路27により、通過した電気信号に基づいて接続信号を受信したか否かを判定し、接続信号を受信したと判定するまでの間はデータ信号を受信するための回路の動作を抑制する。この構成により、待ち受けモードにおける受信用トランシーバ3bでの消費電力の低減を図る。接続信号の周波数帯域としては、データ通信用の周波数帯域よりも狭くすること、あるいは電気光学結晶19の共振周波数帯域とすることが望ましい。あるいは接続信号の周波数を共振周波数帯域内でのレベルがピークとなる周波数に設定することが望ましい。
【選択図】図6

Description

本発明は、送信すべき信号に基づいて電界伝達媒体に電界を誘起させ、この電界を用いて情報の送受信を行う電界通信システム、およびこれに用いる電界通信用トランシーバに関する。
携帯端末の小型化および高性能化により身体に装着可能なサイズにしたコンピュータ(ウェアラブルコンピュータ)が注目されている。そして、ウェアラブルコンピュータを電界通信用のトランシーバに接続し、ウェアラブルコンピュータ間の通信を電界で行う技術の開発が進められている(例えば特許文献1参照)。
電界通信用のトランシーバは、その基本的な機能として、信号送信時には送信すべき情報に基づいて電界伝達媒体である生体に電界を誘起させ、信号受信時には受信した電界に基づいてレーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法により信号を検出する。
図15に示すように、従来のトランシーバ3は、入出力(I/O)回路101を介してウェアラブルコンピュータ等の携帯端末1に接続される。信号送信時には、この入出力回路101を介して携帯端末1から伝送されてきた送信信号についてレベル調整回路102によりレベル調整し、送信回路103により送信用の信号に整形して送信電極105に供給し、送信電極105により絶縁膜106を介して生体100に送信信号に基づく電界を誘起させる。一方、信号受信時には、生体100の他の部位で誘起され伝達されてきた電界を生体100に接触した絶縁膜108を介して受信電極107により受信し、電気光学結晶131に受信電界を結合させる。電気光学結晶131にはレーザ光源133からレーザ光が照射されており、受信電界が結合することで、このレーザ光の偏光状態が変化する。偏光状態が変化したレーザ光は、偏光検出光学系135で検出されて電気信号に変換され、信号処理回路109により雑音除去、波形整形などの処理が施され、入出力回路101により携帯端末1に伝送される。
特開2003−98205号公報
このような構成のトランシーバ3は、内蔵されたバッテリにより駆動するものであるため、消費電力は極力小さいことが望まれる。しかしながら、トランシーバ3は、実際にはデータ信号を受信していない待ち受け状態においても、信号処理回路109、偏光検出光学系135、レーザ光源133を駆動させているため、電力を無駄に消費しているという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、消費電力を低減した電界通信システム、およびこれに用いる電界通信用トランシーバを提供することにある。
第1の本発明に係る電界通信システムは、送信すべき信号に基づいて電界を誘起する送信用のトランシーバと前記電界を受信する受信用のトランシーバを備えた電界通信システムにおいて、前記送信用のトランシーバは、データ信号を送信する前にデータ信号の周波数帯域とは別の周波数帯域で接続信号を送信する送信回路と、データ信号または接続信号に基づいて電界を誘起する送信電極とを有し、前記受信用のトランシーバは、誘起された電界を受信する受信電極と、受信した電界を光源からの光と電気光学結晶を用いて検出し電気信号に変換する電界検出回路と、前記電気信号について前記接続信号の周波数帯域のものを通過させるフィルタと、フィルタを通過した電気信号に基づいて接続信号を受信したか否かを判定し、接続信号を受信するまでの間はデータ信号を受信するための回路の動作を抑制する制御回路と、とを有することを特徴とする。
本発明にあっては、送信用のトランシーバによりデータ信号を送信する前にデータ信号の周波数帯域とは異なる周波数帯域で接続信号を送信し、受信用のトランシーバにより接続信号の周波数帯域のフィルタを通過した電気信号に基づいて接続信号を受信したか否かを判定し、接続信号を受信するまでの間はデータ信号を受信するための回路の動作を抑制することで、データ信号を受信していない待ち受け状態における消費電力の低減を図るようにしている。
また、本発明は、上記電界通信システムにおいて、前記接続信号の周波数帯域が電気光学結晶の共振周波数帯域を含むように設定したことを特徴とする。
本発明にあっては、接続信号の周波数帯域が電気光学結晶の共振周波数帯域を含むように設定したことで、接続信号のS/Nをデータ信号のものよりも更に向上させ、その分だけ光源の出力を抑制できるようにして、待ち受け状態における更なる消費電力の低減を図っている。
また、本発明は、上記電界通信システムにおいて、前記接続信号の周波数帯域をデータ信号の周波数帯域よりも狭く設定したことを特徴とする。
本発明にあっては、接続信号の周波数帯域をデータ信号の周波数帯域よりも狭く設定したことで、接続信号のS/Nをデータ信号のものよりも向上させ、その分だけ光源の出力を抑制できるようにして待ち受け状態における消費電力の低減を図っている。
また、本発明は、上記電界通信システムにおいて、前記接続信号の周波数を電気光学結晶の共振周波数帯域におけるレベルがピークの周波数に設定したことを特徴とする。
本発明にあっては、接続信号の周波数を電気光学結晶の共振周波数帯域におけるレベルがピークの周波数に設定したことで、接続信号のS/Nが最大にし、その分だけ光源の出力を抑制できるようにして、待ち受け状態における更なる消費電力の低減を図っている。
また、本発明は、上記電界通信システムにおいて、送信用のトランシーバと受信用のトランシーバがそれぞれ複数ある場合に、関連する送信用・受信用トランシーバで共通の接続信号の周波数帯域を設定し、関連しない送信用・受信用トランシーバ間では接続信号に異なる周波数帯域を設定したことを特徴とする。
本発明にあっては、関連する送信用・受信用トランシーバで共通の接続信号の周波数帯域を設定し、関連しない送信用・受信用トランシーバ間では接続信号に異なる周波数帯域を設定することで、受信用トランシーバにおいて、関連する送信用トランシーバからの接続信号を受信するまでの間はデータ信号を受信するための回路の動作を抑制できるようにしている。また、このような構成とすることで、例えば、受信用トランシーバに接続された機器において、受信した接続信号の周波数に基づいて提供するサービスを区別できるようにしている。
第2の本発明に係る電界通信用トランシーバは、データ信号を送信する前にデータ信号の周波数帯域とは別の周波数帯域で接続信号を送信する送信回路と、データ信号または接続信号に基づいて電界を誘起する送信電極と、を有することを特徴とする。
ここで、接続信号の周波数帯域をデータ信号の周波数帯域よりも狭く設定することが望ましい。また、接続信号の周波数帯域を前記受信用トランシーバにおける電気光学結晶の共振周波数帯域に設定することがさらに望ましい。また、接続信号の周波数を前記電気光学結晶の共振周波数帯域におけるレベルがピークの周波数に設定することがさらに望ましい。
第3の本発明に係る電界通信用トランシーバは、データ信号を送信する前にデータ信号の周波数帯域とは別の周波数帯域で接続信号を送信する送信用トランシーバの送信電極により誘起された電界を受信する受信電極と、受信した電界を光源からの光と電気光学結晶を用いて検出し電気信号に変換する電界検出回路と、前記電気信号について前記接続信号の周波数帯域のものを通過させるフィルタと、フィルタを通過した信号に基づいて接続信号を受信したか否かを判定し、接続信号を受信するまでの間はデータ信号を受信するための回路の動作を抑制する制御回路と、を有することを特徴とする。
ここで、接続信号の周波数帯域をデータ信号の周波数帯域よりも狭く設定することが望ましい。また、接続信号の周波数帯域を前記電気光学結晶の共振周波数帯域に設定することがさらに望ましい。また、接続信号の周波数を電気光学結晶の共振周波数帯域におけるレベルがピークの周波数に設定することがさらに望ましい。
本発明の電界通信システムおよび電界通信用トランシーバによれば、消費電力の低減を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本実施の形態では、一例として図1に示すような電界通信システムを想定する。同図の電界通信システムは、パソコン5などの設置端末にケーブルを介して接続され、AC電源から電源が供給される複数の電界通信用のトランシーバ3aと、ウェアラブルコンピュータ等の携帯端末1に接続され内蔵バッテリにより電源が供給される複数の電界通信用のトランシーバ3bを備える。
同図に示すように、各携帯端末1は、それぞれトランシーバ3bを介して人間の腕、肩、胴などに装着され、相互に通信が可能となっている。手足の先端に取り付けられたトランシーバ3aは、各トランシーバ3bと通信するとともに、パソコン5等の設置端末とケーブルを介して通信するようになっている。
設置端末側のトランシーバ3aは、図2に示すように、パソコン5に入出力(I/O)回路2を介して接続される。そして、送信側の構成として、待ち受け用送信回路11、通信用送信回路12、切替スイッチ13、送信電極14を備え、受信側の構成として、受信電極16、電流源17、レーザ光源18、電気光学結晶19、偏光検出光学系20、通信用受信回路21、第二信号処理回路22を備え、さらにこれら各回路の動作を制御する制御回路23を備える。送信電極14は絶縁膜15aを介して生体100に接続され、受信電極16は絶縁膜15bを介して生体100に接続される。なお、制御回路23から出力されている経路は、全て制御信号を伝送するための制御線である。
第1の態様における設置端末側のトランシーバ3aは、データ信号を送信する前にデータ信号の周波数帯域とは異なる周波数帯域で接続信号を送信する。具体的には、トランシーバ3aは、データ信号を送信するための通信用送信回路12の他に、接続信号を送信するための待ち受け用送信回路11を備え、データ信号を送信しない状態では、制御回路23により待ち受け用送信回路11を動作させるとともに、通信用送信回路12を停止させ、切替スイッチ13により待ち受け用送信回路11の出力端子を送信電極14に接続させる。そして、データ信号を送信する直前に待ち受け用送信回路11から接続信号を送信電極14へ伝送する。送信電極14は、伝送されてきた接続信号に基づいて絶縁膜15aを介して生体100に対して電界を誘起する。
待ち受け用送信回路11は、図3に示すように、発振器31とドライバ32を備える。発振器31は、データ信号の周波数帯域とは異なる周波数帯域で接続信号を生成し、ドライバ32を介して接続信号を外部へ出力する。
トランシーバ3aは、データ信号を送信するときには、制御回路23により待ち受け用送信回路11の動作を停止させるとともに通信用送信回路12を動作させ、図4に示すように、通信用送信回路12の出力端子を切替スイッチ13により送信電極14に接続させる。そして、通信用送信回路12からのデータ信号を送信電極14へ伝送する。送信電極14は、伝送されてきたデータ信号に基づいて絶縁膜15aを介して生体100に対して電界を誘起する。
通信用送信回路12は、図5に示すように、レベル調整回路33と送信回路34を備える。レベル調整回路33は、パソコン5から伝送されてきたデータ信号の振幅レベルを調整し、送信回路34はデータ信号を送信用に整形する。
一方、携帯端末側のトランシーバ3bは、図6に示すように、携帯端末1に対して入出力回路2を介して接続される。そして送信側の構成として、通信用送信回路12、送信電極14を備え、受信側の構成として、受信電極16、電流源17、レーザ光源18、電気光学結晶19、偏光検出光学系20、通信用受信回路21、第二信号処理回路22、切替スイッチ24、待ち受け用受信回路25、第一信号処理回路26を備え、さらにこれら各回路の動作を制御する制御回路27を備える。
第1の態様における携帯端末側のトランシーバ3bは、トランシーバ3aによって誘起された電界を受信電極16で受信し、受信した電界を光源からの光と電気光学結晶を用いて検出し電気信号に変換する電界検出回路を備える。すなわち、受信した電界を電気光学結晶19に結合し、これにより電気光学結晶19に照射されているレーザ光源18からの光を偏光し、この偏光した光を偏光検出光学系20で電気信号に変換する。この電気光学結晶29と偏光検出光学系20が電界検出回路に相当する。
そして、この電気信号について、第一信号処理回路26に内蔵のフィルタにより接続信号の周波数帯域のものを通過させ、制御回路27によりフィルタを通過した電気信号に基づき、例えばフィルタを通過した電気信号のレベル又は有無に基づいて、接続信号を受信したか否かを判定し、接続信号を受信するまでの間はデータ信号を受信するための回路の動作を抑制する。
具体的には、制御回路27は、データ信号を受信する前の待ち受けモードでは、データ信号を受信するための通信用受信回路21、第二信号処理回路22の動作を停止させ、あるいは待ち受けモード用の低電力で動作させる。そして、偏光検出光学系20の出力端子を切替スイッチ24により待ち受け用受信回路25に接続させ、偏光検出光学系20から出力される電気信号を待ち受け用受信回路25を介して第一信号処理回路26へ出力させる。
第一信号処理回路26は、図7に示すように、アンプ41、第一バンドパスフィルタ42、信号強度モニタ部43を備える。アンプ41は、電気信号の振幅を調整する。第一バンドパスフィルタ42は、設置端末側のトランシーバ3aの待ち受け用送信回路11で接続信号用に設定された周波数帯域と同じ周波数帯域の信号を通過させる。信号強度モニタ部43は、第一バンドパスフィルタ42を通過した電気信号のレベル強度をモニタし、その値を出力する。
制御回路27は、このレベル強度が一定値以上の場合に、接続信号を受信したものと判断して、データ信号を受信するための通信モードの準備を開始する。すなわち、制御回路27は、通信用受信回路21、第二信号処理回路22に動作を開始させるとともに、待ち受け用受信回路25、第一信号処理回路26の動作を停止させ、あるいは低電力で動作させる。そして、図8に示すように、偏光検出光学系20の出力端子を切替スイッチ24により待ち受け用受信回路25から通信用受信回路21に切り替え接続させ、偏光検出光学系20から出力される電気信号を通信用受信回路21を介して第二信号処理回路22へ出力させる。
第二信号処理回路22は、図9に示すように、アンプ51、第二バンドパスフィルタ52、波形整形回路53を備える。アンプ51は、電気信号の振幅を調整する。第二バンドパスフィルタ52は、設置端末側のトランシーバ3aの通信用送信回路12でデータ信号用に設定された周波数帯域と同じ周波数帯域の信号を通過させる。波形整形回路53は、第二バンドパスフィルタ52を通過した電気信号の雑音除去、波形整形の処理を行う。
なお、上記の説明では、設置端末側のトランシーバ3aが送信し、携帯端末側のトランシーバ3bが受信する場合について説明したが、携帯端末側のトランシーバ3bが送信し、設置端末側のトランシーバ3aが受信する場合には、設置端末側のトランシーバ3aでは、図10に示すように、切替スイッチ13により待ち受け用送信回路11と通信用送信回路12のいずれの出力端子も送信電極14に接続させず、送信電界が生じないようにして、受信電界が送信電界による干渉を受けないようにする。
したがって、第1の態様における電界通信システムによれば、設置端末側のトランシーバ3aにおける待ち受け用送信回路11によりデータ信号を送信する前にデータ信号の周波数帯域とは異なる周波数帯域で接続信号を送信し、携帯端末側のトランシーバ3bにおける制御回路27により第一バンドパスフィルタ42を通過した電気信号に基づいて接続信号を受信したか否かを判定し、接続信号を受信するまでの間はデータ信号を受信するための回路の動作を抑制することで、データ信号を受信する前の待ち受けモードにおける消費電力の低減を図ることができる。
次に、第2の態様における電界通信システムについて説明する。第2の態様では、設置端末側のトランシーバ3aは、データ信号を送信する前にデータ信号の周波数帯域よりも狭い周波数帯域で接続信号を送信する。具体的には、待ち受け用送信回路11における発振器31により、データ信号の周波数帯域よりも狭い周波数帯域で接続信号を生成する。このように、接続信号の周波数帯域をデータ信号の周波数帯域よりも狭く設定したことで、接続信号はノイズの影響を受け難くなり、接続信号のS/Nはデータ信号のものよりも向上することになる。
そして、携帯端末側のトランシーバ3bは、第一信号処理回路26に内蔵の第一バンドパスフィルタ42により前記の接続信号の周波数帯域と同じ周波数帯域の電気信号を通過させ、制御回路27により第一バンドパスフィルタ42を通過した電気信号に基づいて接続信号を受信したか否かを判定し、接続信号を受信するまでの間はデータ信号を受信するための回路の動作を抑制する。
データ信号を受信するための回路の動作抑制としては、具体的には、接続信号のS/Nが向上した分だけレーザ光源18の出力を抑制することが可能となるので、電流源17、レーザ光源18における消費電力を低減する。なお、トランシーバ3a,3bの各部におけるその他の動作については前述したものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
したがって、第2の態様における電界通信システムによれば、接続信号の周波数帯域をデータ信号の周波数帯域よりも狭く設定したことで、接続信号のS/Nがデータ信号のものよりも向上するので、この分だけレーザ光源18の出力を抑制することが可能となり、待ち受けモードにおける電流源17、レーザ光源18の消費電力を低減することができる。
次に、第3の態様における電界通信システムについて説明する。第3の態様では、設置端末側のトランシーバ3aは、データ信号を送信する前に、携帯端末側のトランシーバ3bにおける電気光学結晶19の共振周波数帯域に周波数帯域を設定した接続信号を送信する。具体的には、待ち受け用送信回路11に内蔵の発振器31により、図11の周波数特性に示すように、データ通信用の周波数帯域fa−fbとは別の電気光学結晶の共振周波数帯域で接続信号を生成する。同図に示すように、電気光学結晶19は、共振周波数帯域にある電気信号については検出強度が強くなるので、接続信号のS/Nはさらに向上することになる。
そして、携帯端末側のトランシーバ3bは、第一信号処理回路26に内蔵の第一バンドパスフィルタ42により電気光学結晶19の共振周波数帯域の範囲内にある電気信号を通過させ、制御回路27により第一バンドパスフィルタ42を通過した電気信号に基づいて接続信号を受信したか否かを判定し、接続信号を受信するまでの間はデータ信号を受信するための回路の動作を抑制する。
データ信号を受信するための回路の動作抑制としては、具体的には、接続信号のS/Nが向上した分だけレーザ光源18の出力を抑制することが可能となるので、電流源17、レーザ光源18における消費電力を低減する。なお、トランシーバ3a,3bの各部におけるその他の動作については前述したものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。
図12のタイムチャートに示すように、設置端末側のトランシーバ3aは、接続信号を送信するまでの待ち受けモードでは、待ち受け用送信回路11と、電流源17、レーザ光源18、電気光学結晶19、偏光検出光学系20、通信用受信回路21、第二信号処理回路22といった受信部とを常に動作させるとともに、通信用送信回路12を停止させ、あるいは待ち受けモード用の低電力で動作させる。
また、トランシーバ3aは、データ信号を送受信する通信モードでは、通信用送信回路12と、電流源17、レーザ光源18、電気光学結晶19、偏光検出光学系20、通信用受信回路21、第二信号処理回路22といった受信部を常に動作させるとともに、待ち受け用送信回路11を停止させ、あるいは低電力で動作させる。なお、同図においては、受信状態については「受」、送信状態については「送」で示してある。
一方、図13のタイムチャートに示すように、携帯端末側トランシーバ3bは、待ち受けモードでは、制御回路27により、接続信号のS/Nが向上した分だけ電流源17がレーザ光源18に出力する電流を低減させることで消費電力の低減を図るとともに、簡欠的にレーザ光源18を動作させることで常にレーザ光源18を動作させる場合に比して消費電力の低減を図る。
また、トランシーバ3bは、通信モードでは、制御回路27により、データ受信状態と判断した場合に、電流源17にレーザ光源18へ電流を出力させてレーザ光源18を動作させ、データ送信状態と判断した場合に、電流源17に電流の出力を停止させてレーザ光源18を停止させる。
待ち受けモードでの信号の波形をまとめると図14に示すようになる。同図(a)は、設置端末側のトランシーバ3aが送信した接続信号の波形、同図(b)は携帯端末側のトランシーバ3bにおけるレーザ光源18によるレーザ光パワー、同図(c)は携帯端末側のトランシーバ3bにおける偏光検出光学系20によって検出された受信信号である。
したがって、第3の態様における電界通信システムによれば、接続信号の周波数帯域を電気光学結晶19の共振周波数帯域に設定したことで、接続信号のS/Nがさらに向上するので、この分だけレーザ光源18の出力を抑制することが可能となり、待ち受けモードにおける電流源17、レーザ光源18の消費電力をさらに低減することができる。
なお、図12乃至14を用いて説明した動作については、第1の態様、第2の態様の電界通信システムに対しても、レーザ光パワーの強度が異なるだけで基本的には適用可能である。
次に、第4の態様における電界通信システムについて説明する。第4の態様では、設置端末側のトランシーバ3aは、データ信号を送信する前に、携帯端末側のトランシーバ3bにおける電気光学結晶19の共振周波数帯域内でレベルがピークの周波数に送信周波数を設定した接続信号を送信する。具体的には、待ち受け用送信回路11に内蔵の発振器31により、図11に示した電気光学結晶の共振周波数帯域におけるレベルがピークとなる周波数fcで接続信号を生成する。同図に示すように、電気光学結晶19は、共振周波数帯域におけるレベルがピークの周波数の電気信号については検出強度が最も強くなるので、接続信号のS/Nは最大に向上することになる。
そして、携帯端末側のトランシーバ3bは、第一信号処理回路26に内蔵の第一バンドパスフィルタ42により電気光学結晶19の共振周波数帯域内でレベルがピークとなる周波数を含む周波数帯域の信号を通過させ、制御回路27により第一バンドパスフィルタ42を通過した電気信号に基づいて接続信号を受信したか否かを判定し、接続信号を受信するまでの間はデータ信号を受信するための回路の動作を抑制する。
データ信号を受信するための回路の動作抑制としては、具体的には、接続信号のS/Nが向上した分だけレーザ光源18の出力を抑制することが可能となるので、電流源17、レーザ光源18における消費電力を低減する。
なお、トランシーバ3a,3bの各部におけるその他の動作については前述したものと同様であるので、ここでは重複した説明は省略する。また、トランシーバ3a,トランシーバ3bの全体的な動作についても、図12乃至14を用いて説明したものと同様であるので、ここでは重複した説明を省略する。
したがって、第4の態様における電界通信システムによれば、接続信号の周波数を電気光学結晶19の共振周波数帯域におけるレベルがピークの周波数に設定したことで、接続信号のS/Nが最も向上するので、この分だけレーザ光源18の出力を最大に抑制することが可能となり、待ち受けモードにおける電流源17、レーザ光源18の消費電力を低減することができる。
なお、本実施の形態では、設置端末側のトランシーバ3aと携帯端末側のトランシーバ3bを別の構成としたがこれに限られるものではない。例えば、設置端末側トランシーバ3aにおける待ち受け用送信回路11、通信用送信回路12、切替スイッチ13と、携帯端末側トランシーバ3bにおける電流源17、レーザ光源18、電気光学結晶19、偏光検出光学系20、切替スイッチ24、待ち受け用受信回路25、第一信号処理回路26、通信用受信回路21、第二信号処理回路22とを1台の電界通信用のトランシーバに備えることとしてもよい。
また、本発明の電界通信システムは、これまで説明してきた態様の他にも、様々な態様への適用が可能である。例えば、ユーザの身体に携帯端末1および接続信号を送信するトランシーバ3aを装着し、自動販売機、自動ドア、エスカレータといった機器に接続信号を受信するトランシーバ3bを搭載することとして、ユーザが上記各機器に近づいて各機器で接続信号を受信したときに、これらの機器が動作を開始するようにし、待ち受けモードでは動作を抑制して消費電力の低減を図るようにしてもよい。
また、第5の態様として、送信用のトランシーバ3aが複数あり、受信用のトランシーバ3bも複数ある場合に、関連する送信用・受信用トランシーバで共通の接続信号の周波数帯域を設定し、関連しない送信用・受信用トランシーバでは接続信号に異なる周波数帯域を設定するようにしてもよい。この構成により、受信用トランシーバにおいて、関連する送信用トランシーバからの接続信号を受信するまでの間はデータ信号を受信するための回路の動作を抑制することができる。
その用途としては、例えば、トランシーバ3bを搭載する機器を何らかのサービスを提供する機器とし、この機器が接続信号を受信したときにサービスの提供を開始したり、あるいは提供するサービスを周波数で区別することが考えられる。
一実施の形態における電界通信システムの全体的な構成を示す図である。 上記電界通信システムにおける設置端末側トランシーバの待ち受けモード時の構成を示すブロック図である。 設置端末側トランシーバにおける待ち受け用送信回路の構成を示すブロック図である。 設置端末側トランシーバの通信モードでの送信時の構成を示すブロック図である。 設置端末側のトランシーバにおける通信用送信回路の構成を示すブロック図である。 上記電界通信システムにおける携帯端末側トランシーバの待ち受けモード時の構成を示すブロック図である。 携帯端末側トランシーバにおける第一信号処理回路の構成を示すブロック図である。 携帯端末側トランシーバの通信モード時の構成を示すブロック図である。 携帯端末側トランシーバにおける第二信号処理回路の構成を示すブロック図である。 設置端末側トランシーバの通信モードでの受信時の構成を示すブロック図である。 携帯端末側トランシーバでの検出信号強度の周波数特性を示す図である。 設置端末側トランシーバでの動作を示すタイムチャートである。 携帯端末側トランシーバでのレーザ光パワーを示すタイムチャートである。 待ち受けモードでの信号の波形を示す図であり、同図(a)は、設置端末側トランシーバが送信した接続信号の波形、同図(b)は携帯端末側トランシーバでのレーザ光パワーの波形、同図(c)は携帯端末側トランシーバで偏光検出光学系20により検出された受信信号の波形である。 従来の電界通信システムに用いられるトランシーバの構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…携帯端末,2…入出力回路
3a…設置端末側のトランシーバ
3b…携帯端末側のトランシーバ
5…パソコン
11…待ち受け用送信回路
12…通信用送信回路
13…切替スイッチ
14…送信電極,16…受信電極
15a,15b…絶縁膜
17…電流源,18…レーザ光源
19…電気光学結晶
20…偏光検出光学系
21…通信用受信回路
22…第二信号処理回路
23…制御回路,24…切替スイッチ
25…待ち受け用受信回路
26…第一信号処理回路
27…制御回路,31…発振器
32…ドライバ,33…レベル調整回路
34,103…送信回路
41,51…アンプ
42…第一バンドパスフィルタ
43…信号強度モニタ部
52…第二バンドパスフィルタ
53…波形整形回路,100…生体
101…入出力回路
102…レベル調整回路
105…送信電極,107…受信電極
106,108…絶縁膜
109…信号処理回路
131…電気光学結晶
133…レーザ光源
135…偏光検出光学系

Claims (13)

  1. 送信すべき信号に基づいて電界を誘起する送信用のトランシーバと前記電界を受信する受信用のトランシーバを備えた電界通信システムにおいて、
    前記送信用のトランシーバは、
    データ信号を送信する前にデータ信号の周波数帯域とは別の周波数帯域で接続信号を送信する送信回路と、
    データ信号または接続信号に基づいて電界を誘起する送信電極とを有し、
    前記受信用のトランシーバは、
    誘起された電界を受信する受信電極と、
    受信した電界を光源からの光と電気光学結晶を用いて検出し電気信号に変換する電界検出回路と、
    前記電気信号について前記接続信号の周波数帯域のものを通過させるフィルタと、
    フィルタを通過した電気信号に基づいて接続信号を受信したか否かを判定し、接続信号を受信するまでの間はデータ信号を受信するための回路の動作を抑制する制御回路と、
    とを有することを特徴とする電界通信システム。
  2. 前記接続信号の周波数帯域が前記電気光学結晶の共振周波数帯域を含むように設定したことを特徴とする請求項1記載の電界通信システム。
  3. 前記接続信号の周波数帯域をデータ信号の周波数帯域よりも狭く設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の電界通信システム。
  4. 前記接続信号の周波数を前記電気光学結晶の共振周波数帯域におけるレベルがピークの周波数に設定したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電界通信システム。
  5. 前記送信用のトランシーバと前記受信用のトランシーバがそれぞれ複数ある場合に、関連する送信用・受信用トランシーバで共通の接続信号の周波数帯域を設定し、関連しない送信用・受信用トランシーバ間では接続信号に異なる周波数帯域を設定したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電界通信システム。
  6. データ信号を送信する前にデータ信号の周波数帯域とは別の周波数帯域で接続信号を送信する送信回路と、
    データ信号または接続信号に基づいて電界を誘起する送信電極と、
    を有することを特徴とする電界通信用トランシーバ。
  7. 前記接続信号の周波数帯域をデータ信号の周波数帯域よりも狭く設定したことを特徴とする請求項6記載の電界通信用トランシーバ。
  8. 前記送信電極により誘起された電界を受信する受信用トランシーバは、受信した電界を光源からの光と電気光学結晶を用いて検出するものであって、
    前記接続信号の周波数帯域を前記受信用トランシーバにおける電気光学結晶の共振周波数帯域に設定したことを特徴とする請求項6又は7記載の電界通信用トランシーバ。
  9. 前記接続信号の周波数を前記電気光学結晶の共振周波数帯域におけるレベルがピークの周波数に設定したことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の電界通信用トランシーバ。
  10. データ信号を送信する前にデータ信号の周波数帯域とは別の周波数帯域で接続信号を送信する送信用トランシーバの送信電極により誘起された電界を受信する受信電極と、
    受信した電界を光源からの光と電気光学結晶を用いて検出し電気信号に変換する電界検出回路と、
    前記電気信号について前記接続信号の周波数帯域のものを通過させるフィルタと、
    フィルタを通過した電気信号に基づいて接続信号を受信したか否かを判定し、接続信号を受信するまでの間はデータ信号を受信するための回路の動作を抑制する制御回路と、
    を有することを特徴とする電界通信用トランシーバ。
  11. 前記接続信号の周波数帯域をデータ信号の周波数帯域よりも狭く設定したことを特徴とする請求項10記載の電界通信用トランシーバ。
  12. 前記接続信号の周波数帯域を前記電気光学結晶の共振周波数帯域に設定したことを特徴とする請求項10又は11記載の電界通信用トランシーバ。
  13. 前記接続信号の周波数を前記電気光学結晶の共振周波数帯域におけるレベルがピークの周波数に設定したことを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の電界通信用トランシーバ。
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