以下、本発明を画像形成装置(カラープリンタ)に具体化した実施の形態を図面に従って説明する。図1はカラープリンタ10を構成する主要構成要素を模式的に示した概略図である。なお、図1では矢印にて上下方向を示している。
本実施の形態に係るプリンタ10は、潜像を担持する潜像担持体である感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、現像ロータリーユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、クリーニングブレード76を有し、さらに、二次転写ユニット80、定着ユニット90、ユーザへの報知手段を構成するための液晶パネル等からなる表示ユニット95、及び、これらの各ユニット等を制御しプリンタ10の動作を制御する制御ユニット100を有している。なお、制御ユニット100については後述する。
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図1中の矢印で示すように時計回りに回転するものとする。
帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、制御ユニット100から入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20上に照射する。
現像ロータリーユニット50は、回転体としてのロータリー55と、このロータリー55に装着された4つのカートリッジを有している。ロータリー55は、回転軸50aを中心として回転可能であり、4つのカートリッジ51、52、53、54は、それぞれ、後述するカートリッジ交換口を介して着脱可能である。
また、図1には図示していないが、各カートリッジ51、52、53、54の所定の箇所には、それぞれ、トナー残量等の寿命に関する情報を含む識別情報を記憶するカートリッジメモリが設けられている。そして、制御ユニット100は、プリンタ10の所定の箇所に設けられたアンテナ124を介して、これらの各カートリッジメモリと無線にて通信可能となっている。なお、カートリッジメモリとしては、電源オフ状態や、プリンタ10から取り外された状態でもそのデータを保存できる不揮発性メモリであることが望ましく、このような不揮発性メモリとしては、例えばフラッシュメモリなどのEEPROMや強誘電体メモリ(Ferroelectric RAM)などを採用することができる。
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色トナー像を中間転写体70に転写するための装置であり、4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体70にフルカラートナー像が形成される。
中間転写体70は、エンドレスのベルトであり、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。中間転写体70の近傍には同期用読み取りセンサRSが設けられている。この同期用読み取りセンサRSは、中間転写体70の基準位置を検知するためのセンサであり、主走査方向と直交する副走査方向における同期信号Vsyncを得る。同期用読み取りセンサRSは、光を発するための発光部と、光を受光するための受光部とを有している。前記発光部から発せられた光が、中間転写体70の所定の位置に形成された穴を通過し、前記受光部によって受光された際に、同期用読み取りセンサRSは、パルス信号を発する。このパルス信号は、中間転写体70が一回転する毎に一つ発せられる。
二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の記録媒体に転写するための装置である。
定着ユニット90は、記録媒体上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を紙等の記録媒体に融着させて永久像とするための装置である。
クリーニングブレード76は、ゴム製であり、感光体20の表面に当接している。このクリーニングブレード76は、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーを掻き落として除去する。
感光体ユニット75は、一次転写ユニット60と露光ユニット40との間に設けられ、感光体20、帯電ユニット30、クリーニングブレード76、及び、クリーニングブレード76により掻き落とされたトナーを収容する廃トナー収容部を有している。
次に、このように構成されたプリンタ10の動作について概略説明する。まず、プリントが指示されると、制御ユニット100の制御により感光体20、及び中間転写体70が回転する。その後、同期用読み取りセンサRSにより中間転写体70の基準位置が検出され、パルス信号が出力される。このパルス信号は、制御ユニット100に送られる。そして、制御ユニット100は、受信したパルス信号を基準として、以下の動作を制御する。
感光体20は、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30により順次帯電される。感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至る。そして、このときにはロータリー55は制御ユニットの制御により回転されて、イエローのカートリッジが感光体20と対向する位置に移動されており、イエローのカートリッジによってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。この際、一次転写ユニット60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。なお、この間、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
上記の処理が、第2色目、第3色目及び第4色目について繰り返して実行されることにより、各画像信号に対応した各色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写される。これにより、中間転写体70上にはフルカラートナー像が形成される。
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって記録媒体に転写される。なお、記録媒体は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、転写動作を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体70に押圧されるとともに二次転写電圧が印加される。
記録媒体に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット90によって加熱加圧されて記録媒体に融着される。一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、廃トナー収容部に回収される。
次に、現像ロータリーユニット50の停止位置について説明する。図2は現像ロータリーユニット50の停止位置を示す模式図であり、図中、58はカートリッジ交換口を示し、51a、52a、53a、54aは、それぞれ、カートリッジ51、52、53、54の現像ローラを示し、51b、52b、53b、54bは、それぞれ、カートリッジ51、52、53、54のカートリッジメモリを示している。なお、以下では、カートリッジ51、52、53、54は、それぞれ、C、M、K、Yのトナーを収容しているものとする。
現像ロータリーユニット50は制御ユニット100の制御によって感光体20と反対方向、この場合には反時計回りに回転駆動される。そして、待機位置、現像位置(通信位置)、着脱位置の3種類の位置が定められている。待機位置は、このプリンタが画像形成動作を行わない待機状態にあるときに位置決めされる位置であり、図2(a)に示すように、何れのカートリッジの現像ローラも感光体20から離間した状態にあり、かつ、カートリッジ交換口58を通していずれのカートリッジをも取り出すことのできない位置である。
また、現像位置は、感光体20上の静電潜像を選択トナー色で顕像化する際に位置決めされる位置であり、図2(b)に示すように、一のカートリッジの現像ローラ(同図の例ではカートリッジ51に設けられた現像ローラ51a)が感光体20と対向配置され、所定の現像バイアスを印加されることによって、静電潜像がトナーにより顕像化される。この現像位置においても、カートリッジ交換口58を通していずれのカートリッジをも取り出すことはできない。
この現像位置は、また、他のカートリッジに対する通信位置でもある。カートリッジ51、52、53、54の表面の端部には、それぞれカートリッジメモリ51b、52b、53b、54bが設けられている。そして、上述したように、カートリッジメモリ51b、52b、53b、54bにはトナー残量等のカートリッジの寿命に関する情報を含む識別情報を記憶する。
そして、図2(b)に示すように、現像ロータリーユニット50が現像位置に位置決めされたときに、現像位置にあるカートリッジ以外の一つのカートリッジのカートリッジメモリ(図2(b)の例ではカートリッジ54のカートリッジメモリ54b)がプリンタ10本体に設けられたアンテナ124と対向する位置に位置決めされ、アンテナ124を介して制御ユニット100とカートリッジメモリとの通信が可能となる。なお、図2(b)では、現像位置にあるカートリッジの、反時計回りに一つ目のカートリッジ、換言すれば現在現像している色の直前に現像した色のカートリッジ、が通信位置に位置するようになされている。これが、現像位置は他のカートリッジに対する通信位置でもあるという意味である。
つまり、各カートリッジのカートリッジメモリ、感光体20、アンテナ124の位置関係は、現像位置が通信位置となるように定められるのである。
従って、図2(b)に示す状態では、カートリッジ51の現像ローラ51aにより感光体20に対してシアンCの色の現像を行う一方、制御ユニット100は、カートリッジ54のカートリッジメモリ54bに対して最新の識別情報を書き込むことが可能となる。このように、この構成では、現在現像を行っている色の直前に現像を行った色のカートリッジのカートリッジメモリに対して、最新の識別情報を書き込むことができるのである。
次に着脱位置についてであるが、着脱位置はカートリッジの着脱操作を行うときのみ取りうる位置である。現像ロータリーユニット50がこの着脱位置に位置決めされると、図2(c)に示すように、一のカートリッジがカートリッジ交換口58に現れ、該カートリッジ交換口58を通して取り出すことができるようになる。図2(c)は、イエロー用のカートリッジ54がカートリッジ交換口58に現れた状態を示している。また、カートリッジ交換口58を通して新たにカートリッジを装着することができるようになる。この着脱位置においては、いずれのカートリッジに設けられた現像ローラも感光体20から離間した位置におかれる。このように、現像ロータリーユニット50が着脱位置に位置決めされたときにカートリッジ交換口58に現れた一のカートリッジのみを取り出し可能としている。そのため、ユーザが不用意にカートリッジの着脱を行って装置を損傷することがない。
また、図1、図2には図示していないが、プリンタ10の内部には、現像ロータリーユニット50のホームポジションを検出するホームポジションセンサ106(以下、ホームポジションをHPと記す)が設けられている。
次に、図3を参照して、プリンタ10の電気的構成について説明する。なお、図3には本発明に関するブロック構成を示し、感光体ユニット75を制御するためのブロック、露光ユニット40を制御するためのブロック等は本発明においては本質的な事項ではないので図示を省略している。
制御ユニット100には、ユニットコントローラ101と画像処理コントローラ102の2つのコントローラが備えられている。これら2つのコントローラ101、102は何れもCPUを備えている。
画像処理コントローラ102は、パソコン等の外部のコンピュータシステム(図示せず)のアプリケーションソフトウェア等により作成された画像データ等の各種データを受け、画像データとしてのレッド、グリーン、ブルーのRGBデータをイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックのYMCKデータへと変換してプリント用画像データを作成する機能を有している。また、画像処理コントローラ102は、作成したYMCKのプリント用画像データに基づいて、YMCKの各色毎にドットカウント値を計数する機能を有している。そして、画像処理コントローラ102は、YMCKの各色のプリント用画像データと、YMCKの各色画像毎のドットカウント値をユニットコントローラ101に送る。なお、ドットカウント値は、周知の通り、プリントを行う際に記録紙に形成するドットの個数である。
ユニットコントローラ101は、画像処理コントローラ102から入力されるプリント用画像データ等の各種信号に基づいて、帯電ユニット30、露光ユニット40、一次転写ユニット60、感光体ユニット75、二次転写ユニット80、定着ユニット90、表示ユニット95等の各ユニットの制御、及び現像ロータリーユニット50の制御を行う。図3では、現像ロータリーユニット50を駆動するための構成要素として、ロータリー駆動部107が示されている。なお、現像ロータリーユニット50の駆動は、ステッピングモータにより行われる。
ユニットコントローラ101は、ROM103、RAM104、本体メモリ105の3つのメモリを管理している。ROM103はプリンタ10を制御するための各種プログラムを記憶しており、RAM104はプリンタ10に関する各種情報を一時的に記憶するためのものであり、ワークメモリとして用いられる。本体メモリ105については後述する。
また、ユニットコントローラ101には、前述したHPセンサ106からの検知信号が入力される。更に、ユニットコントローラ101は電源スイッチ(図1、図2には図示せず)108及び本体カバー開閉検知スイッチ(図1、図2には図示せず)109の状態を監視しており、電源がオンされると、それを検知し、また、本体カバー(図1、図2には図示せず)が開閉されると、それを検知する。
また、ユニットコントローラ101は、送受信部123、及び、本体側アンテナ124を介して、現像ロータリーユニット50に装着されているカートリッジ51、52、53、54が有するカートリッジメモリ51b、52b、53b、54bと無線により通信可能である。送受信部123は、ユニットコントローラ101から送信するデータの変調、カートリッジメモリから受信したデータの復調等の機能を有している。なお、上述した通り、ユニットコントローラ101と通信可能となるカートリッジメモリは、通信位置に位置しているカートリッジメモリである。
ここで、図4を参照して、カートリッジメモリの構成について、データの送受信構成を含めて説明する。図4(a)はカートリッジメモリ54bの構成を示す平面透視図であり、図4(b)はカートリッジメモリ及び送受信部の内部構成を説明するためのブロック図である。ここではイエローのカートリッジ54に設けられているカートリッジメモリ54bについて説明するが、その他のカートリッジメモリ51b、52b、53bについても同様である。
カートリッジメモリ54bと本体側アンテナ124とが所定の位置関係、例えば、相互距離が10mm以内にあれば、互いに非接触状態にて、情報を送受信可能となっている。このカートリッジメモリ54bは、全体としてごく小型かつ薄型で、片面に粘着性を持たせてシールとして対象物に貼着させることもできる。メモリタグなどと呼ばれ、多種市販されているものである。
カートリッジメモリ54bは、非接触ICチップ54c、金属皮膜をエッチングして形成された共振用コンデンサ54d、及び、アンテナ54eとしての平面状コイルとを有し、これらがプラスチックフィルム上に実装され、透明なカバーシートにより被覆されている。
非接触ICチップ54cは、整流器54f、信号解析部RF(Radio Frequency)54g、制御部54h、メモリセル54iを有している。メモリセル54iは、NAND型フラッシュROMなど電気的に読み書き可能な不揮発性のメモリであり、書き込まれた情報を記憶しておくこと、及び、記憶した情報を外部から読み取ることが可能なものである。
カートリッジメモリ54bのアンテナ54eと、本体側アンテナ124とは、互いに無線にて通信し合い、メモリセル54iに保存された情報の読み取りやメモリセル54iへの情報の書き込みを行う。また、制御ユニット100の送受信部123で発生された高周波信号は、本体側アンテナ124を介して高周波磁界として誘起される。この高周波磁界は、カートリッジメモリ54bのアンテナ54eを介して吸収され、整流器54fで整流されてICチップ54c内の各回路を駆動する直流電力源となる。
カートリッジメモリ54bのメモリセル54iには、トナー残量等の当該カートリッジの寿命に関する情報を含む識別情報が記憶されており、この識別情報は、予め所定のイベントが発生する度毎にユニットコントローラ101によって更新される。
さて、本体メモリ105は、現像ロータリーユニット50に装着されているカートリッジ51、52、53、54についての識別情報を格納するためのものである。この本体メモリ105としても、プリンタ10の電源オフ時にもデータを保存できる不揮発性メモリであることが望ましいものである。
そして、従来と同様に、ユニットコントローラ101は、各カートリッジのカートリッジメモリから識別情報を読み込んで本体メモリ105に書き込んだ後は、各カートリッジのトナー残量、駆動時間、印刷枚数等のカートリッジの寿命に関する情報については現像が行われる度毎に更新していき、予め定められた所定のイベントが発生した場合に、カートリッジメモリと通信を行って、カートリッジメモリに最新の識別情報を書き込む動作を行う。
ところで、本体メモリ105には、上述したように、現像ロータリーユニット50に装着されているカートリッジ51、52、53、54についての識別情報を格納され、トナー残量等の寿命に関する情報については現像が行われる度毎にユニットコントローラ101によって更新されるのであるが、特に各カートリッジのトナー残量情報を格納する領域については、図5に示すように、最新トナー残量情報格納領域(以下、単に最新トナー領域と称す)と、前回書き込み時トナー残量情報格納領域(以下、単に前回書き込み領域と称す)の2つの格納領域が割り当てられている。そして、これら2つの格納領域には、それぞれ、4つのカートリッジ51、52、53、54のための領域が設けられている。
前回書き込み領域の各色のカートリッジ用の領域には、識別情報を更新すべき直近のイベントが発生した時にそれぞれのカートリッジメモリ、より具体的にはカートリッジメモリのメモリセル、に書き込んだトナー残量情報を格納する領域である。そして、その後プリントが行われると、そのプリント時に使用された色のトナーは減少することになるが、その際に、ユニットコントローラ101は画像処理コントローラ102から送られたドットカウント値に基づいて当該プリント時の各色の使用トナー量を演算し、更に、今回のプリント後のトナー残量を演算する。このようにして求められるのが最新トナー残量であり、この最新トナー残量を格納するための領域が最新トナー領域である。
なお、最新トナー残量を求める演算としては、例えば、前回書き込み領域に格納されているトナー残量から今回使用されたトナー量を減算すればよい。また、ドットカウント値に基づいて使用トナー量を計算する方法は種々知られており、それら公知の方法の何れかを用いればよい。
このように、本体メモリ105の各カートリッジのトナー残量情報を格納する領域について、最新トナー領域と、前回書き込み領域の2つの格納領域を設けることの有用性は、後述するところから明らかなように、カートリッジが実際に交換されたか否かを判定することができることにある。
次に、本発明に係る処理の動作の説明を行う前に、まず、図6を参照して、通常のプリント時の動作について、カートリッジメモリへの識別情報の書き込みの動作を中心として概略説明する。図6は、プリント時のユニットコントローラ101の処理を示すフローチャートであり、ここでは、カートリッジメモリの識別情報を更新すべきイベントは現像であるとする。即ち、現像を行う度毎にカートリッジメモリの識別情報を更新するものとする。
ユニットコントローラ101は、画像処理コントローラ102からプリント用画像データと共にプリント開始の信号を受けると、ロータリー駆動部107により、1色目のカートリッジを現像位置に位置させ、1色目の現像を行う(ステップS10)。1色目の現像が終了すると、ユニットコントローラ101は、ロータリー駆動部107により現像ロータリーユニット50を回転(ステップS11)させ、次色、この場合2色目のカートリッジを現像位置に位置させるが、このときには、図2(b)に示すように、前色、この場合には1色目のカートリッジは通信位置に位置している。従って、この状態において、ユニットコントローラ101は2色目の現像を行うと共に、前色のカートリッジのカートリッジメモリと通信を行って、本体メモリ105から当該カートリッジの最新の識別情報を読み出して、その識別情報を当該カートリッジメモリに書き込む(ステップS12)。これによって当該カートリッジメモリの識別情報は最新のものに更新される。これがステップS12に記載してある前色現像の識別情報更新の処理である。この識別情報には、トナー残量や駆動時間等の寿命に関する情報も含まれることは当然である。
以下、同様にして、3色目の現像及び2色目のカートリッジのカートリッジメモリの識別情報の更新、そして、4色目の現像及び3色目のカートリッジのカートリッジメモリの識別情報の更新が終了すると、ステップS13の判断はyesとなり、ユニットコントローラ101は、ロータリー駆動部107により現像ロータリーユニット50を回転(ステップS14)させて、前色現像の識別情報更新(ステップS15)の処理を行う。即ち、この場合には4色目に現像したカートリッジを通信位置に位置させて、当該カートリッジのカートリッジメモリに最新の識別情報を書き込むのである。そして、ユニットコントローラ101は、現像ロータリーユニット50を待機位置に位置させ(ステップS16)て処理を終了する。
なお、以上の説明はプリント枚数が1枚の場合であるが、複数枚プリントする場合には、ステップS10で1頁目の1色目の現像を行った後、ステップS11からステップS13の処理をプリント枚数だけ繰り返せばよい。
ところで、上述したように、各カートリッジのトナー残量に関しては、本体メモリ105には最新トナー領域と、前回書き込み領域の2つの格納領域があるが、ここで、図6のステップS12、S15の前色のカートリッジのカートリッジメモリの識別情報の更新において、これらの2つの格納領域のトナー残量の情報がどのように用いられるかについて説明しておく。なお、ここではトナー残量に関してのみ説明する。
いま、例えば、ある色(ここではY色とする)の現像を行ったとすると、ユニットコントローラ101は画像処理コントローラ102から送られたY色のドットカウント値に基づいて、今回の現像後のY色のカートリッジのトナー残量を演算する。これが最新トナー残量であり、ユニットコントローラ101は、まず、この最新トナー残量の情報を本体メモリ105の最新トナー領域のY色カートリッジ用の領域に書き込む。このときには、前回書き込み領域のY色カートリッジ用の領域の情報は変更しない。
次に、次色の現像が行われることになるが、このときにはY色カートリッジは通信位置に位置するから、ユニットコントローラ101はY色カートリッジのカートリッジメモリと通信を行い、本体メモリ105の最新トナー領域のY色カートリッジ用の領域からトナー残量情報を読み出して、Y色カートリッジのカートリッジメモリに書き込み、次に、同じ情報を前回書き込み領域のY色カートリッジ用の領域に書き込んで、前回書き込み領域のY色カートリッジ用の領域のトナー残量情報を更新する。
図6のステップS12、S15の前色のカートリッジのカートリッジメモリの識別情報の更新のうち、トナー残量の更新については以上の動作が繰り返される。
以上のことから、ある色のカートリッジについて、本体メモリ105の、最新トナー領域の当該色のカートリッジ用の領域に書き込まれているトナー残量情報と、前回書き込み領域の当該色のカートリッジ用の領域に書き込まれているトナー残量情報とが一致している場合には、当該カートリッジメモリには最新の識別情報が書き込まれていることになる。
しかしながら、以上のように現像を行う度毎にカートリッジメモリの識別情報を更新するようにした場合においても、本体メモリ105の、最新トナー領域のある色のカートリッジ用の領域に書き込まれているトナー残量情報と、前回書き込み領域の当該色のカートリッジ用の領域に書き込まれているトナー残量情報とが一致しない場合がある。以下説明する。
図6のステップS12またはS15で直前に現像した色のカートリッジのカートリッジメモリに最新のトナー残量、即ち、直前の現像後のトナー残量を書き込むためには、上述したところから明らかなように、その書き込みタイミングになるまでに、画像処理コントローラ102から送られたドットカウント値に基づく最新のトナー残量の演算、及びその最新トナー残量の本体メモリ105の最新トナー領域の当該色のカートリッジ用の領域への書き込みが終了していなければならない。
ところが、画像処理コントローラ102からユニットコントローラ101にドットカウント値が送られるタイミングは一定ではなく、そのときの画像処理コントローラ102の処理量が多い等、何等かの原因によってドットカウント値がユニットコントローラ101に送られるタイミングが遅れ、カートリッジメモリへの書き込みタイミングになるまでに最新トナー残量を本体メモリ105の最新トナー領域の当該色のカートリッジ用の領域へ書き込んでおくことができない場合があるのである。
そして、この場合には、ユニットコントローラ101は、当該色のカートリッジメモリの識別情報の更新の際には、そのときに本体メモリ105の最新トナー領域に書き込まれているトナー残量情報を当該カートリッジメモリへ書き込むことになる。従って、このときにカートリッジメモリへ書き込まれるトナー残量情報は、前回に書き込んだと同じトナー残量情報である。
そして、カートリッジメモリの識別情報の更新後、ユニットコントローラ101は、画像処理コントローラ102から送られた当該色のドットカウント値に基づいて最新トナー残量情報を求め、当該最新トナー残量情報を、本体メモリ105の最新トナー領域の当該色のカートリッジ用の領域へ書き込む。このときには前回書き込み領域の当該色のカートリッジ用の領域に対しては何もしない。従って、この時点では、当該色については、最新トナー領域の情報と、前回書き込み領域の情報とは一致しないことになる。
例えば、いまY色のカートリッジを考え、Y色の現像前においては、本体メモリ105の、最新トナー領域のY色のカートリッジ用の領域のトナー残量情報と、前回書き込み領域のY色のカートリッジ用の領域のトナー残量情報は何れもAであったとする。従って、現像前ではY色カートリッジのカートリッジメモリには最新のトナー残量情報が書き込まれていることになる。
しかし、Y色の現像後、画像処理コントローラ102からY色のドットカウント値が送られるのが遅くなり、Y色カートリッジのカートリッジメモリへの書き込みタイミングになるまでに、Y色現像後の最新トナー残量を本体メモリ105の最新トナー領域のY色のカートリッジ用の領域へ書き込んでおくことができなかったとすると、このときY色カートリッジのカートリッジメモリに書き込まれるトナー残量情報は、このとき本体メモリ105の最新トナー領域のY色のカートリッジ用の領域に書き込まれているAである。
そして、当該カートリッジメモリへの書き込みが終了すると、ユニットコントローラ101は、このAを本体メモリ105の前回書き込み領域のY色のカートリッジ用の領域へ書き込む。そして、Y色のカートリッジメモリの識別情報の更新後、ユニットコントローラ101は、画像処理コントローラ102から送られたY色のドットカウント値に基づいて、直前の現像後のY色カートリッジの最新トナー残量情報を求める。ここではA′(<A)であったとすると、ユニットコントローラ101は、この最新トナー残量情報A′を、本体メモリ105の最新トナー領域のY色のカートリッジ用の領域へ書き込む。このときには前回書き込み領域のY色のカートリッジ用の領域に対しては何も行われないから、前回書き込み領域のY色のカートリッジ用の領域のトナー残量情報はAのままである。
つまり、この時点では、Y色カートリッジのカートリッジメモリに書き込まれているトナー残量情報はAであり、本体メモリ105の最新トナー領域のY色のカートリッジ用の領域に書き込まれているトナー残量情報はA′であり、前回書き込み領域のY色のカートリッジ用の領域に書き込まれているトナー残量情報はAとなる。
以上のことから、ある色のカートリッジについて、本体メモリ105の、最新トナー領域の当該色のカートリッジ用の領域に書き込まれているトナー残量情報と、前回書き込み領域の当該色のカートリッジ用の領域に書き込まれているトナー残量情報とが一致していない場合には、当該カートリッジメモリには最新の識別情報が書き込まれていないことが判る。
ところで、カートリッジの識別情報のうち、寿命に関する情報はトナー残量だけではなく、その他にも駆動時間、印刷枚数等の情報があるが、トナー残量以外の寿命に関する情報については、図6のステップS12、S15の識別情報の更新の際に常に最新の情報に更新される。これは、駆動時間や印刷枚数等のトナー残量以外の寿命に関する情報はユニットコントローラ101が直接計数することができるので、現像後、カートリッジメモリへの書き込みタイミングになるまでに、本体メモリ105の当該色のカートリッジ用の所定の領域に書き込んでおくことができるからである。
このように、カートリッジの寿命に関する情報のうち、トナー残量情報は、画像処理コントローラ102からのドットカウント値に基づかないと求めることができないのに対して、その他の寿命に関する情報はユニットコントローラ101が直接計数することができるという点で、トナー残量情報はその他の寿命に関する情報とは事情が異なっているのである。
さて、以上の構成を踏まえて、本発明に特有な動作について、4つの処理の態様を説明する。以下に説明する4つの態様の処理は、何れも、ユニットコントローラ101が、電源が投入されたことを検知した時、または、プリンタ本体10の本体カバーが閉じられたことを検知した時に行われる処理である。
即ち、上述した通り、本発明は、現像ロータリーユニットが回転している時に本体のカバーが開いたり、電源がオフになったとき等、本体の制御手段がカートリッジが交換されたことを認識できないときにカートリッジが交換された場合においても、カートリッジについて正確な寿命管理を行うことができるようにすることにある。従って、本体カバーが閉じられた時、または電源が投入されたときに、本体メモリ105の識別情報をカートリッジメモリの識別情報と一致させるようにすればよい。そこで、ユニットコントローラ101は、電源が投入されたことを検知した時、または、プリンタ本体10の本体カバーが閉じられたことを検知した時に、以下に説明する処理を実行するようにするのである。
<第1の処理の態様>
図7は、本発明に係る処理の第1の態様の処理のフローチャートである。ユニットコントローラ101は、電源スイッチ108がオンとなされて電源が投入されたことを検知すると、または本体カバー開閉検知スイッチ109の状態により本体カバーが閉じられたことを検知すると(ステップS20の判断でyesの場合)、ロータリー駆動部107を制御して、現像ロータリーユニット50を回転させる(ステップS21)。そして、HPセンサ106から検知信号を受けると、HPを検出する(ステップS22)。HPを検出すると、ユニットコントローラ101は、ロータリー駆動部107を制御して第1のカートリッジを通信位置に移動させる(ステップS23)。なお、4つのカートリッジ51、52、53、54の何れを第1のカートリッジとするかは予めユニットコントローラ101に定められている。
これでユニットコントローラ101と、第1のカートリッジのカートリッジメモリとの通信が可能となるので、ユニットコントローラ101は、当該カートリッジメモリと通信を行い、当該カートリッジメモリに書き込まれている識別情報を全部読み込む(ステップS24)。当該カートリッジメモリから識別情報を読み込むと、ユニットコントローラ101は、その読み込んだ全部の識別情報を、本体メモリ105の当該第1のカートリッジの識別情報の書き込み領域に書き込む(ステップS25)。ここで、カートリッジメモリから読み込んだトナー残量情報については、第1のカートリッジの色用の最新トナー領域と前回書き込み領域の両方の領域に書き込む。
これにより、本体メモリ105の当該第1のカートリッジに関する識別情報は全て更新され、当該第1のカートリッジのカートリッジメモリの内容と同じになる。
このようにして、本体メモリ105の第1のカートリッジについての識別情報を更新すると、次にユニットコントローラ101は、ロータリー駆動部107を制御して、現像ロータリーユニット50を回転させて(ステップS26)、次のカートリッジ、即ち2色目のカートリッジを通信位置に移動させる(ステップS27)。
これでユニットコントローラ101と、次の2色目のカートリッジのカートリッジメモリとの通信が可能となるので、ユニットコントローラ101は、当該カートリッジメモリと通信を行い、当該カートリッジメモリに書き込まれている識別情報を読み込む(ステップS28)。当該カートリッジメモリから識別情報を読み込むと、ユニットコントローラ101は、その読み込んだ識別情報を、本体メモリ105の当該次の2色目のカートリッジの識別情報の書き込み領域に書き込む(ステップS29)。ここでも、カートリッジメモリから読み込んだトナー残量情報については、当該カートリッジの色用の最新トナー領域と前回書き込み領域の両方の領域に書き込む。
以上の処理を3色目のカートリッジ、4色目のカートリッジについて行うと、ステップS30の判断はyesとなるので、ユニットコントローラ101は処理を終了する。
以上のように、この第1の処理の態様は、実際にカートリッジの正常ではない交換が行われたか否かは問わず、正常でないカートリッジの交換が行われたとの考え方に基づくものである。そして、以上の処理により、電源が投入された場合、または本体カバーが閉じられた場合には、本体メモリ105の各色のカートリッジについての識別情報は、強制的にカートリッジメモリから読み込んだ識別情報で更新されるので、現像ロータリーユニット50が回転している時に本体カバーが開いたり、電源がオフになったとき等、ユニットコントローラ101がカートリッジが交換されたことを認識できないときにカートリッジが交換された場合においてもカートリッジについて正確な寿命管理を行うことができる。
<第2の処理の態様>
上述した第1の態様の処理では、本体メモリ105の各色のカートリッジについての識別情報を、強制的に各色のカートリッジのカートリッジメモリから読み込んだ識別情報で更新され、トナー残量情報についても、本体メモリ105の各カートリッジのトナー残量情報を格納する領域の最新トナー領域と前回書き込み領域の両方の領域の内容も、カートリッジメモリから読み込んだトナー残量情報に更新される。
しかし、上述した通り、カートリッジメモリに書き込まれているトナー残量情報は、必ずしも、本体メモリ105の最新トナー領域に書き込まれている最新のトナー残量情報ではない。従って、上述した第1の処理の態様によれば、次のように、本体メモリ105の最新トナー領域の内容が、古いトナー残量情報に更新されてしまう事態が生じることがある。
いま、理解を容易にするために、正常でないカートリッジの交換は行われず、通常の状態で終了して電源がオフされた場合を考える。このとき、あるカートリッジについては電源オフ前の直近の現像後の識別情報更新時に、画像処理コントローラ102から当該色についてのドットカウント値が送られるのが遅れ、当該カートリッジメモリへの書き込みタイミングになるまでに最新トナー残量を本体メモリ105の最新トナー領域の当該色のカートリッジ用の領域へ書き込んでおくことができない場合があり得る。そして、この場合には、カートリッジメモリに書き込まれているトナー残量情報は、前回書き込み領域に書き込まれている情報となる。
第1の処理の態様によれば、このような状態にあるときに電源が投入されると、本体メモリ105の当該色についての最新トナー領域と、前回書き込み領域の内容は、何れも当該カートリッジメモリから読み込んだトナー残量情報に書き換えられて更新されるから、このときに最新トナー領域に書き込まれたトナー残量情報は古いトナー残量情報であり、正しいものではない。
つまり、このような場合には、本体メモリ105で管理されるトナー残量と、当該カートリッジの実際のトナー残量とには、僅かではあるが誤差が生じてくる可能性があるのである。そして、このような事態が何回も繰り返されると、本体メモリ105で管理されるトナー残量と、実際のトナー残量との誤差は大きなものとなってしまう。
第2の処理の態様は、このような事態を回避するものであり、以下、図8に示すフローチャートを参照して説明する。ユニットコントローラ101は、電源スイッチ108がオンとなされて電源が投入されたことを検知すると、または本体カバー開閉検知スイッチ109の状態により本体カバーが閉じられたことを検知すると(ステップS40の判断でyesの場合)、ロータリー駆動部107を制御して、現像ロータリーユニット50を回転させる(ステップS41)。そして、HPセンサ106から検知信号を受けると、HPを検出する(ステップS42)。HPを検出すると、ユニットコントローラ101は、ロータリー駆動部107を制御して、まず、一つのカートリッジを通信位置に移動させる(ステップS43)。なお、このときにどの色のカートリッジを通信位置に移動させるかは予めユニットコントローラ101に定められている。
これでユニットコントローラ101と、一つ目のカートリッジのカートリッジメモリとの通信が可能となるので、ユニットコントローラ101は、当該カートリッジメモリと通信を行い、当該カートリッジメモリに書き込まれている識別情報を全部読み込む(ステップS44)。識別情報を全部読み込むのは、このカートリッジは交換されている可能性があり、交換されている場合には本体メモリ105の当該カートリッジに関する識別情報を全部更新しなければならないからである。
当該カートリッジメモリから識別情報を読み込むと、ユニットコントローラ101は、当該カートリッジが実際に交換されたものであるか否かを判断する(ステップS45)。
このステップS45の当該カートリッジが交換されたか否かの判断は、ステップS44でカートリッジメモリから読み込んだ識別情報と、本体メモリ105の当該色のカートリッジに対応して書き込まれている識別情報とを比較することによって行う。この比較を行うために用いる情報としては、同色の他のカートリッジと明確に識別できる情報を用いる必要があり、そのためには、識別情報の中で各カートリッジに特徴的な情報である寿命に関する情報を用いるのがよい。
ところで、寿命に関する情報としては、トナー残量、駆動時間、印刷枚数等の情報があるが、ステップS45のカートリッジが交換されたか否かの判断を行うためには、トナー残量情報を用いるのがよい。なぜなら、1回の現像におけるトナー消費量は極わずかであるが、トナー残量情報としては、その1回の現像におけるトナー消費量の差をも表現できるようになされているのであり、そのために駆動時間や印刷枚数を表現するためのビット数よりも多くのビット数が割り当てられているからである。このようにトナー残量情報を用いることによって、ステップS45のカートリッジが交換されたか否かの判断を高精度に行うことができるのである。
さて、本体メモリ105の当該一つ目の色のカートリッジに対応して書き込まれているトナー残量情報には、最新トナー領域に書き込まれたトナー残量と、前回書き込み領域に書き込まれたトナー残量の2つのトナー残量情報があるが、ステップS44で一つ目のカートリッジメモリから読み込んだ識別情報の中のトナー残量情報が、最新トナー領域に書き込まれたトナー残量情報または前回書き込み領域に書き込まれたトナー残量情報の何れか一方のトナー残量情報と一致する場合には、当該一つ目のカートリッジは交換されていないと判断し、最新トナー領域に書き込まれたトナー残量情報及び前回書き込み領域に書き込まれたトナー残量情報の何れとも一致しない場合には、当該一つ目のカートリッジは交換されたと判断する。
一つ目のカートリッジメモリから読み込んだ識別情報の中のトナー残量情報が、最新トナー領域に書き込まれたトナー残量情報と一致する場合は交換されていないと判断できることは明らかである。
また、一つ目のカートリッジメモリから読み込んだ識別情報の中のトナー残量情報が、最新トナー領域に書き込まれたトナー残量情報とは一致しないが、前回書き込み領域に書き込まれたトナー残量情報と一致する場合は、上述したように、当該一つ目のカートリッジについては電源投入または本体カバーが閉じられる前の直近の現像後の識別情報更新時に、画像処理コントローラ102から当該色についてのドットカウント値が送られるのが遅れ、当該カートリッジメモリへの書き込みタイミングになるまでに最新トナー残量を本体メモリ105の最新トナー領域の当該色のカートリッジ用の領域へ書き込んでおくことができなかったと判断でき、また、最新のトナー残量情報はこの後の現像後の識別情報更新時にカートリッジメモリに書き込まれることになるので、交換されていないと判断しても問題はないものである。
そして、ユニットコントローラ101は、ステップS45の判断で当該一つ目のカートリッジが交換されたと判断した場合には、ステップS44で一つ目のカートリッジメモリから読み込んだ識別情報を、本体メモリ105の当該一つ目の色のカートリッジの識別情報の書き込み領域に上書きする(ステップS46)。このとき、カートリッジメモリから読み込んだトナー残量情報については、一つ目のカートリッジの色用の最新トナー領域と前回書き込み領域の両方の領域に書き込む。これにより、本体メモリ105の当該色のカートリッジに関する識別情報は更新される。
これに対して、ステップS45の判断で当該一つ目のカートリッジは交換されていないと判断した場合にはステップS47の処理に移行し、4つの全てのカートリッジについて処理が終了したか否かを判断する。
従って、一つ目のカートリッジについて上記の処理が終了すると、ユニットコントローラ101は、その後、二つ目、三つ目、四つ目のカートリッジについて、上述したステップ43からステップS47までの処理を繰り返し行い、4つの全てのカートリッジについて処理を行うと、当該処理を終了する。
以上のように、この第2の処理の態様では、カートリッジが交換されたか否かを判断し、交換されたと判断したカートリッジについてのみ、本体メモリ105の当該カートリッジに関する識別情報を更新するので、本体メモリ105で管理されるトナー残量と、当該カートリッジの実際のトナー残量とに誤差が生じることを回避することができる。また、カートリッジが交換されたか否かを判断するための情報としてトナー残量情報を用いるので、交換されたか否かの判断を高精度で行うことができる。
そして、これらの結果、現像ロータリーユニット50が回転している時に本体カバーが開いたり、電源がオフになったとき等、ユニットコントローラ101がカートリッジが交換されたことを認識できないときにカートリッジが交換された場合においてもカートリッジについて正確な寿命管理を行うことができる。
<第3の処理の態様>
この第3の処理の態様は、交換された可能性があるカートリッジがあった場合、本体メモリ105の当該カートリッジについての識別情報を、強制的に当該カートリッジのカートリッジメモリから読み込んだ識別情報で更新するというものであり、以下、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
ユニットコントローラ101は、電源スイッチ108がオンとなされて電源が投入されたことを検知すると、または本体カバー開閉検知スイッチ109の状態により本体カバーが閉じられたことを検知すると(ステップS50の判断でyesの場合)、ロータリー駆動部107を制御して、現像ロータリーユニット50を回転させる(ステップS51)。このとき、ロータリー駆動部107はステッピングモータに駆動パルスを供給して現像ロータリーユニット50を回転させるのであるが、このときにはユニットコントローラ101は、ロータリー駆動部107から出力される駆動パルスを取り込み、ロータリー駆動部107に対して回転の開始を指示した時点からの駆動パルス数を計数する。
この後、HPセンサ106から検知信号が出力されるが、ユニットコントローラ101は、ロータリー駆動部107に対して回転を指示した時点から、HPセンサ106から検知信号を受けた時点(ステップS52)までに計数した駆動パルス数に基づいて、着脱位置に位置していたカートリッジがあったか否か、もしあれば、そのカートリッジは何色のカートリッジであるかを判断する(ステップS53)。
即ち、HPは現像ロータリーユニット50の1回転に一つだけであり、現像ロータリーユニット50内における各色のカートリッジの位置は決まっており、ユニットコントローラ101にはそれが登録されている。また、ユニットコントローラ101には、1個の駆動パルスで現像ロータリーユニット50が何度回転するかも登録されている。従って、ユニットコントローラ101は、ロータリー駆動部107に対して回転の開始を指示した時点から、HPを検知するまでに計数した駆動パルス数から、現像ロータリーユニット50が何度回転したかが判り、着脱位置に位置していたカートリッジがあったか否か、あるとすれば何色のカートリッジであるかを判断することができる。
そして、ユニットコントローラ101は、ステップS53の判断で着脱位置に位置していたカートリッジは無いと判断した場合は、この処理を終了するが、ある色のカートリッジが着脱位置にあったと判断した場合は、当該色のカートリッジを通信位置に移動させ(ステップS54)、当該カートリッジのカートリッジメモリから全ての識別情報を読み込み(ステップS55)、その読み込んだ識別情報を、本体メモリ105の当該色のカートリッジの識別情報の書き込み領域に書き込む(ステップS56)。これでこの処理は終了となる。
なお、ステップS55、S56の処理は、図7のステップS28、S29の処理と同様である。また、ステップS56の処理において、カートリッジメモリから読み込んだ識別情報を本体メモリ105に書き込むに際しては、カートリッジメモリから読み込んだトナー残量情報については、当該カートリッジの色用の最新トナー領域と前回書き込み領域の両方の領域に書き込む。
以上のように、この第3の処理の態様においては、電源投入時、または本体カバーが閉じられた時に着脱位置に位置していたカートリッジがあれば、そのカートリッジは交換されたものとして、本体メモリ105の当該カートリッジについての識別情報を、強制的に当該カートリッジのカートリッジメモリから読み込んだ識別情報で更新してしまうのである。
以上のようであるので、この第3の処理の態様によれば、現像ロータリーユニット50が回転している時に本体カバーが開いたり、電源がオフになったとき等、ユニットコントローラ101がカートリッジが交換されたことを認識できないときにカートリッジが交換された場合においてもカートリッジについて正確な寿命管理を行うことができる。
<第4の処理の態様>
以上説明した第3の処理の態様では、電源投入時または本体カバーが閉じられた時に着脱位置に位置していたカートリッジは交換されたものとして扱い、本体メモリ105の当該カートリッジについての識別情報を、強制的に当該カートリッジのカートリッジメモリから読み込んだ識別情報で更新したが、その場合には、第2の処理の形態の冒頭で述べたと同じ理由により、当該着脱位置に位置していたカートリッジに関して、本体メモリ105で管理されるトナー残量と、当該カートリッジの実際のトナー残量とに誤差が生じてくる可能性がある。
第4の処理の態様は、このような事態を回避するものであり、その処理のフローチャートを図10に示すが、図10のステップS60、S61、S62、S63、S64、S65の処理は、それぞれ、図9のステップS50、S51、S62、S63、S64、S65の処理と同じであり、図10のステップS66、S67の処理は、それぞれ、図8のステップS45、S46の処理と同じである。
従って、重複することになるが、簡単に図10の処理について説明することにする。ユニットコントローラ101は、電源スイッチ108がオンとなされて電源が投入されたことを検知すると、または本体カバー開閉検知スイッチ109の状態により本体カバーが閉じられたことを検知すると(ステップS60の判断でyesの場合)、現像ロータリーユニット50を回転させる(ステップS61)。このとき、ユニットコントローラ101は、ロータリー駆動部107から出力される駆動パルスを取り込み、ロータリー駆動部107に対して回転の開始を指示した時点からの駆動パルス数を計数する。
この後、HPセンサ106から検知信号を受ける(ステップS62)と、ユニットコントローラ101は、ロータリー駆動部107に対して回転を指示した時点から、HPセンサ106から検知信号を受けた時点までに計数した駆動パルス数に基づいて、着脱位置に位置していたカートリッジがあったか否か、もしあれば、そのカートリッジは何色のカートリッジであるかを判断する(ステップS63)。
そして、ユニットコントローラ101は、ステップS53の判断で着脱位置に位置していたカートリッジは無いと判断した場合は、この処理を終了するが、ある色のカートリッジが着脱位置にあったと判断した場合は、当該色のカートリッジを通信位置に移動させ(ステップS64)、当該カートリッジのカートリッジメモリから全ての識別情報を読み込む(ステップS65)。
ユニットコントローラ101は、カートリッジメモリから識別情報を読み込むと、当該カートリッジが実際に交換されたものであるか否かを判断する(ステップS66)。
このステップS66の当該カートリッジが実際に交換されたか否かの判断は、ステップS65でカートリッジメモリから読み込んだ識別情報と、本体メモリ105の当該カートリッジに対応して書き込まれている識別情報とを比較することによって行うが、上述したように、比較するための情報としてはトナー残量情報を用いる。
そこで、ユニットコントローラ101は、ステップS65でカートリッジメモリから読み込んだ識別情報の中のトナー残量情報が、最新トナー領域に書き込まれたトナー残量情報または前回書き込み領域に書き込まれたトナー残量情報の何れか一方のトナー残量情報と一致する場合には、当該着脱位置に位置していたカートリッジは交換されていないと判断し、最新トナー領域に書き込まれたトナー残量情報及び前回書き込み領域に書き込まれたトナー残量情報の何れとも一致しない場合には、当該カートリッジは交換されたと判断する。
そして、ユニットコントローラ101は、ステップS66の判断で当該カートリッジが実際に交換されたと判断した場合には、ステップS65で当該カートリッジメモリから読み込んだ識別情報を、本体メモリ105の当該色のカートリッジの識別情報の書き込み領域に上書きする(ステップS67)。このとき、カートリッジメモリから読み込んだトナー残量情報については、当該カートリッジの色用の最新トナー領域と前回書き込み領域の両方の領域に書き込む。これにより、本体メモリ105の当該色のカートリッジに関する識別情報は更新される。
これに対して、ステップS66の判断で当該カートリッジは交換されていないと判断した場合にはユニットコントローラ101はこの処理を終了する。
このように、第4の処理の態様では、電源投入時または本体カバーが閉じられた時に着脱位置に位置していたカートリッジがあった場合、そのカートリッジが本当に交換されたものであるか否かを判断している。そして、本当に交換されたものである場合に限って本体メモリ105の識別情報を更新している。これは、電源投入時または本体カバーが閉じられた時に着脱位置に位置していたカートリッジがあったとしても、そのカートリッジは交換されたとは限らないという考え方に基づくものである。
以上のように、この第4の処理の態様では、電源投入時または本体カバーが閉じられた時に着脱位置に位置していたカートリッジがあれば、そのカートリッジは交換された可能性があるとし、更に当該カートリッジが本当に交換されたものであるか否かを判断し、交換されたと判断した場合、本体メモリ105の当該カートリッジに関する識別情報を更新するので、本体メモリ105で管理されるトナー残量と、当該カートリッジの実際のトナー残量とに誤差が生じることを回避することができる。また、カートリッジが交換されたか否かを判断するための情報としてトナー残量情報を用いるので、交換されたか否かの判断を高精度で行うことができる。
そして、これらの結果、現像ロータリーユニット50が回転している時に本体カバーが開いたり、電源がオフになったとき等、ユニットコントローラ101がカートリッジが交換されたことを認識できないときにカートリッジが交換された場合においてもカートリッジについて正確な寿命管理を行うことができる。
なお、以上の説明では、カートリッジメモリに書き込まれた識別情報の更新を行うイベントが現像である場合について説明したが、これはあくまでも一例に過ぎないものであり、これに限定されるものではない。