JP2006077572A - Pc鋼材の固定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着部の形状を複雑にすることなく高い疲労特性を保持し、ウェッジを正確に配置することができるPC鋼材の固定方法を提供する。
【解決手段】複数の分割片21からなるウェッジ20をPC鋼材(PC鋼より線10)の端部に装着し、このウェッジ20をウェッジ受けにはめ込んで定着するPC鋼材の固定方法である。PC鋼材の一端側の所定位置に固定具(スリーブ30)を固着し、この固定具に予めウェッジ20を近接して配置する。そして、このPC鋼材の他端側を引張ることにより、固定具をウェッジ20の端面に当接させて各分割片21をPC鋼材の軸方向に移動させ、ウェッジ20をPC鋼材の適正位置に位置決めした状態でウェッジ受けにはめ込む。その後にPC鋼材を緊張する。
【選択図】図1

Description

本発明は、PC鋼材の固定方法に関するものである。特に、プレストレストコンクリート部材に用いるケーブルとか、斜張橋用吊材、アウターケーブル等に使用されるPC鋼より線の固定定着部の施工性を向上させ、また複雑な形状の定着具にすることなく、疲労性能を向上させることのできる固定方法に関するものである。
従来、PC鋼より線の定着具には、大別してウェッジを用いた定着具と、圧着グリップを用いた定着具がある。
ウェッジを用いた定着具(例えば特許文献1〜3)は、図5に示すように、ウェッジ20(くさび)と、テーパー孔51を持つアンカーディスク50ないしはメスコーン55との組み合わせから構成される。ウェッジ20は、通常2〜3つの分割片を組み合わせることで一端の径が太く、他端の径が細い円錐台状に形成される。分割片を組み合わせた状態において、ウェッジ20の中心部には軸方向に伸びる円孔が形成される。この円孔内にてPC鋼より線10がウェッジ20に把持される。端部をウェッジ20で把持したPC鋼より線10は、ジャッキで所定の緊張力を付与され、ウェッジ20をアンカーディスク50またはメスコーン55のテーパー孔51にはめ込むことで定着される。アンカーディスク50は、コンクリート構造物の表面に位置するアンカープレート60上に配置される。
一方、圧着グリップを用いた定着具(例えば特許文献4、5)は、図6に示すように、筒状の圧着グリップ70と、アンカープレート60との組み合わせから構成される。圧着グリップ70は、通常、裸のPC鋼より線10の外径より少し大きい内径を持つ鋼製のスリーブで、図7に示すように、PC鋼より線10とスリーブ70の間に金属40を介在させつつ、スリーブ70の外径より少し小さい径を持つダイス80の中に押し出しにより通過させ、PC鋼より線10に強く圧着される。一方、アンカープレート60はPC鋼より線10は通過するが圧着グリップ70は通過しない貫通孔をする金属板である。この貫通孔にPC鋼より線10を通し、PC鋼より線を緊張したときに圧着グリップ70がアンカープレート60に押し付けられることで、PC鋼より線10の端部は定着される。
最近、プレストレストコンクリート構造物の大型化に伴い、使用されるPCケーブルは大容量化並びに長尺化が進んでいる。これに伴い、従来は構造物のシースの中にPC鋼より線を一本一本挿入していたが、施工性を上げるため複数本のPC鋼より線を工場で一括して束状にしたケーブルをつくり、それを一度にシースの中に引き込む方法が多くなっている。その際にも、上記のウェッジまたは圧着グリップを用いてPC鋼より線の定着が行われる。
特開平5-295857号公報 実開昭63-98911号公報 特開平6-272384号公報 特公平7-21163号公報(図3) 特開2001-107507号公報
しかし、いずれの場合にも次に述べるように問題があった。
<ウェッジの場合>
PC鋼より線を緊張時固定するためのウェッジは、アンカーディスクのテーパー孔に配置されるが、ウェッジは2〜3つの分割片からできているので、テーパー孔の中に一つずつ分割片の頭(径の太い側)が揃うようにウェッジを配置し、落ちないように中空の筒でテーパー孔内にたたき込むことを行う。
(1)しかし、このウェッジの配置は、図8に示すように、円盤状のアンカーディスク50に設けられた多数のテーパー孔51の配置に拘束される。そのため、ケーブルの外側部分のPC鋼より線には比較的簡単にウェッジを配置できるが、ケーブルの内側部分のPC鋼より線には外側PC鋼より線が障害になって非常に作業が困難であり、正確な配置ができないことがある。
(2)ウェッジを配置後、緊張するために緊張側PC鋼より線にジャッキを装着する際、PC鋼より線はジャッキの緊張用の孔を通過するときに押し付けられることがある。その場合、反対側の固定側定着具では、配置したウェッジがPC鋼より線と共に少し飛び出すことがあり、このまま緊張するとウェッジ分割片の頭が軸方向にずれて段違いを起こし、定着性能に影響を与えることがある。
(3)アンカーディスクにおけるテーパー孔の内面が錆びていると、ウェッジの外側との摩擦が大きくなり滑り込みが悪く、ウェッジでPC鋼より線を把持する力が少なくなってPC鋼より線が緊張時に滑ることもある。
(4)斜張橋のような高疲労特性を要求されるケーブルでは、定着具のみならずケーブルを構成するPC鋼より線の固定側定着具と緊張側定着具間の長さを極力揃えるためPC鋼より線を架設するときに長さ管理が行われることがある。すなわち、ケーブルが多く、長くなると、PC鋼より線個々の間の長さにばらつきが生じ、一度に緊張すると個々のPC鋼より線間の張力のばらつきができて、疲労特性が低下することがある。この場合、PC鋼より線の両端部にマーキングを行い、固定側定着具をマークしたところに合わせたあと、緊張側ではまずPC鋼より線1本ずつを所定のマークしたところまでジャッキで緊張して長さを揃えてから1度に大型ジャッキで緊張する。ところが、ウェッジであれば、PC鋼より線を動かした場合に軸方向にずれが生じ易く、固定側でのマークしたところに正確に合わせることが難しい場合がある。
<圧着グリップの場合>
これに対して、圧着グリップの場合、PC鋼より線の端部にスリーブを工場で圧着加工し、これをケーブルとした後、そのまま構造物のシース内に挿入する。そのため、少なくとも固定側は、現地で一本づつウェッジを配置するといった作業を行う必要がない。また、緊張側でジャッキを装着する際にPC鋼より線を押し付け、固定側でウェッジがテーパー孔から飛び出た後に緊張されても、ウェッジの頭が不揃いになるようなことはなく、確実な定着ができる。さらに、圧着グリップであれば、所定のマークのところに合わせて圧着することができ、その後、PC鋼より線を動かしても、PC鋼より線のマークしたところから圧着グリップがずれることもない。特に、斜張橋とかエクストラドースト橋のケーブルのように斜めに配置される場合は、下側の定着部を圧着グリップとすればPC鋼より線に固着されているので作業中に脱落することがない。
(1)しかし、圧着グリップの場合、PC鋼より線に対する圧着力で緊張力を保持する機構であるため、緊張後、繰り返し応力が付加されるとスリーブの出口側からPC鋼より線が抜け出そうとする。その結果、圧着グリップ内面とPC鋼より線との間で相対移動が起こり易く、いわゆるフレッチング現象が起こりやすい。そのため、圧着グリップは、通常のポストテンション構造物等の場合には十分な疲労特性を有する定着具として利用できるが、斜張橋とかエクストラドースト橋等のような疲労特性を必要とするケーブルの定着具としては適さない。
(2)圧着グリップによる定着具の疲労特性を向上させるため、特公平7-21163号公報や特開2001-107507号公報では、圧着グリップに荷重が伝わり初めの先端部に色々工夫をして疲労特性を向上させる技術が考案されている。特公平7-21163号公報は、円筒スリーブの先端部を、割り溝を設けた先細円錐台形とし、円筒スリーブ先端部のPC鋼より線の相対移動をできるだけ少なくして疲労特性を向上させる技術を開示している。また、特開2001-107507号公報では、圧着グリップの内面にエポキシ樹脂等の緩衝材を充填し、荷重がまず樹脂に伝達され、その後、圧着グリップに伝わるようにした技術を開示している。これにより、PC鋼より線の相対移動を緩衝材中で起こさせ、フレッチング現象を軽減させて、疲労特性を向上させている。ところが、いずれの技術も定着具が大きくなり、形状が複雑化したりしてコストが高くなるという問題がある。
(3)圧着グリップは、スリーブの圧着加工がかなりの強加工であると共に、高荷重まで耐えるように設計されているため、スリーブが緊張時に破損することがある。
従って、本発明の主目的は、定着部の形状を複雑にすることなく高い疲労特性を保持し、ウェッジを正確に配置することができるPC鋼材の固定方法を提供することにある。
本発明は、ウェッジを用いると共に、ウェッジの位置ずれを抑制する固定具を設けることで上記の目的を達成する。
すなわち、本発明PC鋼材の固定方法は、複数の分割片からなるウェッジをPC鋼材の端部に装着し、このウェッジをウェッジ受けにはめ込んで定着するPC鋼材の固定方法である。前記PC鋼材の一端側の所定位置に固定具を固着し、この固定具に予めウェッジを近接して配置する。そして、このPC鋼材の他端側を引張ることにより、前記固定具を前記ウェッジの端面に当接させて各分割片をPC鋼材の軸方向に移動させ、ウェッジをPC鋼材の適正位置に位置決めした状態でウェッジ受けにはめ込み、その後にPC鋼材を緊張することを特徴とする。
定着具にウェッジを用いることで、(1)圧着加工のまずさに伴う緊張時の耐荷力不足による圧着グリップとPC鋼材とのすべり、(2)疲労特性を上げるための圧着グリップ形状の複雑さ、といった圧着グリップの欠点を解消することができる。また、PC鋼材に固定される固定具を用いることで、PC鋼材をシース内に引き込むと、固定側に設けた固定具によりウェッジは押されるような形でテーパー孔の中に配置されるので、ずれがなく正確にテーパー孔内に配置される。そのため、(1)多数のPC鋼より線から構成される大容量ケーブルでの中心付近でウェッジを配置する際の煩雑さ、(2)ジャッキ配置時に固定側でウェッジがテーパー孔から飛び出し後、再配置する際の頭の不揃い、(3)PC鋼より線のマークに対するウェッジ位置のばらつき、(4)テーパー孔内の錆による把持力低下に伴うPC鋼より線のすべり、といったウェッジの欠点を解消できる。
ここで用いられるウェッジは、従来から用いられているものと同様のものでかまわない。従って、特別な形状にウェッジを加工する必要もない。例えば、2〜3つの分割片を組み合わせることで軸方向にPC鋼材の把持孔が形成される円錐台状ものが挙げられる。通常、各分割片の外周には溝が形成され、その溝にOリングなどをはめ込むことで分割片同士がばらばらになることを防止している。
ウェッジ受けは、ウェッジがはめ込まれるテーパー孔を有し、PC鋼材の緊張力を保持するものであればどんなものでも良い。例えば、テーパー孔を有する筒状のメスコーンや、複数のテーパー孔が形成された板状のアンカーディスクが挙げられる。
固定具は、リング状あるいは筒状のものが好ましい。この固定具をPC鋼材に固定する手段は特に限定されない。例えば、固定具を鋼製のスリーブとし、固定側PC鋼材の外周に圧着加工することが挙げられる。また、固定具が鋼製のリングで、このリングを径方向に貫通するねじで締め付けることによりPC鋼材に固定しても良い。
固定具の固着程度は、圧着グリップのように、PC鋼材の緊張力を保持するほど強固に行う必要はない。つまり、PC鋼材をシースに引き込んで固定側定着具のウェッジがテーパー孔に入ったとき、固定具がウェッジを背後から押し、各分割片の軸方向への移動を規制することができる程度の把持力でよい。従って、固定具は従来の圧着グリップより遥かに長さが短いものでよく、かつ小さい加工度で固着を行うことができる。この固着は工事現場ででも簡単に加工することができる。
固定具の材質は、上述の固着程度に耐えられる強度を有する材料であればよい。例えば、鋼などの金属や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどのプラスチックが挙げられる。
固定具の装着位置は、ウェッジの背後側、つまりウェッジの径が大きい側とする。特に、PC鋼材のマーク位置にウェッジを装着した際、丁度、このウェッジの太径側端面に固定具が接するように固定具を装着することが好ましい。
固定具とウェッジは一体に取り付けられていても良い。これにより、各分割片の軸方向へのずれやウェッジのPC鋼材に対する装着位置のずれをより確実に抑制することができる。
固定具とウェッジとの取り付け手段は、ねじの締め付けが好適である。例えば、環状の固定具を用い、この固定具を軸方向に貫通するねじにより各分割片を一体化することが挙げられる。
以上説明したように、本発明PC鋼材の固定方法によれば、予めPC鋼材の固定側にウェッジを挿入・配置しておくと共に、このウェッジの太径側においてウェッジの移動を防止する固定具をPC鋼材に取り付けることで、次の効果を奏することができる。
固定具によりウェッジは押されるような形でテーパー孔の中に配置されるので、ずれがなく正確にテーパー孔内に配置することができる。特に、ウェッジをPC鋼材上の所定位置にずれなく装着することができる。
多数本のPC鋼材のうち、中心付近に配置されたPC鋼材に対しても、確実にウェッジをテーパー孔にずれなくはめ込むことができる。
固定具はPC鋼材の緊張力を保持する必要がないため、強加工の圧着を行う必要がなく、現場でも圧着作業が可能である。
ウェッジを用いて定着を行うため、圧着不良による圧着グリップとPC鋼材とのすべりや、疲労特性を上げるための複雑な圧着グリップの形状といった圧着グリップの欠点を解消することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(実施例1)
ここでは、JIS G 3156で規定されている15.2mm径のPC鋼より線を27本束ねたケーブルについて述べる。図1は固定具を装着した本発明方法に用いるPCケーブルの構成図である。
このPC鋼より線10の端部に、従来用いられている15.2mm用のウェッジを取り付ける。PC鋼より線10は、1本の中心線の回りに6本の側線を撚り合わせて構成されている。ウェッジ20は3つの分割片21を組み合わせることで、PC鋼より線10の把持孔が形成される円錐台状のものである。ウェッジの把持孔の内面には、PC鋼より線を確実に把持できるように所定のピッチで雌ねじ22が形成されている。
次に、PC鋼より線10の端部の所定位置に、鋼製で外径がφ31mm、内径がφ15.5mmのスリーブ30(固定具)を通した後、ダイス径がφ30mmの圧着機で圧着加工してスリーブをPC鋼より線に固着する。この圧着は、図7に示すように、スリーブ30とPC鋼より線10との間に金属40を介在させて行う。スリーブ30の長さは25mm、加工度は約6%である。また、スリーブ30はウェッジ20の太径側に固着する。
その後、あらかじめ配置したウェッジ20をスリーブ30に近接するところまで移動させる。このケーブルを工事現場まで輸送してケーブルを挿入するべき構造物の近くにおく。ここでは、図5(A)に示す定着具と同様に、アンカーディスク50のテーパー孔51にウェッジ20をはめ込むことで各PC鋼より線10を定着する。アンカーディスク50は、図8に示すように、ウェッジ20がはめ込まれるテーパー孔51を27個具える金属製の円盤である。
ケーブル端を引っ張り具に固定できるようにPC鋼より線10の端部に加工をした後、固定側アンカーディスクのテーパー孔の中にPC鋼より線10を挿通し、ケーブルの先端をウィンチで保持して構造物内に引き込む。ケーブルの先端が構造物の緊張側から出てきた後、ウェッジ20が固定側アンカーディスクのテーパー孔51に収まる時点で引き込みは終了する。
この引き込み時、PC鋼より線10に圧着されたスリーブ30がウェッジ20の太径側端面に当接して各分割片21を軸方向に押圧し、各分割片21の軸方向への位置ずれが生じることを防止する。同時に、アンカーディスク50の各テーパー孔51にウェッジ20を確実に押し込むことができる。
これにより、PC鋼より線の一本ずつの適性位置にウェッジを取り付ける手間が省ける。特に、アンカーディスク50の中央側に位置するPC鋼より線に対しても各分割21片の軸方向の位置ずれを確実に抑制することができる。また、緊張側でPC鋼より線10にジャッキを装着する際、固定側のウェッジ20が一旦テーパー孔51から抜け出しても、緊張時にスリーブ30が各分割片21を押圧することで再配置され、ウェッジ20の頭の段違いを解消することができる。
(実施例2)
実施例1ではスリーブ30を圧着してPC鋼より線に固定したが、圧着ではなくねじ止めによりPC鋼より線への固着を行っても良い。図2にねじ止め式の固定具を装着した本発明方法に用いるPCケーブルの構成図を、図3にねじ止め式固定具の平面図を示す。
この固定具は、ウェッジ20の太径側とほぼ同等の外径を有する金属製のリング35である。径方向に貫通するねじ孔36が等間隔に3箇所形成されている。さらに、本例では、リング35とウェッジ20を一体化するため、軸方向に貫通するねじ孔37も等間隔に3箇所形成した。径方向に貫通するねじ孔36と軸方向に貫通する軸孔37は交互に配置されている。
この固定具のPC鋼より線10への装着は、径方向に貫通するねじ孔36にボルトをねじ込んで締め付けることで行われる。また、軸方向に貫通するねじ孔37にもボルトをねじ込み、ウェッジ20を構成する各分割片21と一体化する。分割片の太径側端面には、このねじがねじ込まれるねじ孔を形成しておけば良い。
この固定具でも、実施例1と同様に各分割片の軸方向位置を揃えて、PC鋼より線の適正位置にウェッジを装着することができる。
(試験例)
上記の実施例1に示す定着構造の疲労試験を実施した。ここでは、高い耐疲労特性が要求される構造物に使用するウェッジとして、従来のウェッジより内面の歯(雌ねじ)のピッチを小さくして、歯に付加される荷重を小さくしたウェッジを用いた。この雌ねじのピッチは0.5mmである。また、アンカーディスクのテーパー角度とウェッジのテーパー角度を同じとした。このテーパー角度はウェッジの外周と軸方向水平線とのなす角αのtanα=1/10、ウェッジ長さは45mmである。そして、各PC鋼より線の径は15.2mmである。比較のため、従来使用されている圧着グリップによる疲労試験ならびに固定具を用いずウェッジだけの定着構造による疲労試験も併せて行った。
疲労試験は、上限荷重119.7kN、同波数4Hzで繰り返し振幅応力をPC鋼より線に付与し、破断するまでの繰り返し数を求めた。これらの結果を図4のグラフに示す。図4から明らかなように、実施例に示す定着構造では、固定具を用いず単独で同じウェッジを用いたときの疲労特性と同じレベルの結果を得ることができた。
本発明方法は、PC鋼材の固定方法、特に、プレストレストコンクリート部材に用いるケーブルとか、斜張橋用吊材、アウターケーブル等に使用されるPC鋼より線の固定に好適に利用できる。
固定具を圧着した本発明固定方法に用いるケーブルの構成図である。 固定具をねじ止めした本発明固定方法に用いるケーブルの構成図である。 図2の固定具の平面図である。 疲労試験結果を示すグラフである。 (A)はアンカーディスクとウェッジを用いた固定構造の説明図、(B)はメスコーンとウェッジを用いた固定構造の説明図である。 (A)は1本のPC鋼より線を圧着グリップで定着する構造の説明図、(B)は複数本のPC鋼より線を圧着グリップで定着する構造の説明図である。 ダイスで圧着グリップをPC鋼より線に圧着する際の説明図である。 (A)はアンカーディスクの平面図、(B)はその縦断面図である。
符号の説明
10 PC鋼より線
20 ウェッジ
21 分割片
22 雌ねじ
30 スリーブ
35 リング
36 ねじ孔
37 ねじ孔
40 金属
50 アンカーディスク
51 テーパー孔
55 メスコーン
60 アンカープレート
70 スリーブ(圧着グリップ)
80 ダイス

Claims (1)

  1. 複数の分割片からなるウェッジをPC鋼材の端部に装着し、このウェッジをウェッジ受けにはめ込んで定着するPC鋼材の固定方法であって、
    前記PC鋼材の一端側の所定位置に固定具を固着し、
    この固定具に予めウェッジを近接して配置し、
    このPC鋼材の他端側を引張ることにより、前記固定具を前記ウェッジの端面に当接させて各分割片をPC鋼材の軸方向に移動させ、ウェッジをPC鋼材の適正位置に位置決めした状態でウェッジ受けにはめ込み、その後にPC鋼材を緊張することを特徴とするPC鋼材の固定方法。
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