JP2006075501A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】縫い針8と、縫い針8の上下動方向と交差する方向に縫い針8に対して相対移動される保持枠11との協働により、保持枠11の縫製範囲に保持される布に縫製データに基づく縫い目を形成するミシンMにおいて、操作パネル20により入力された縫製データに基づく縫い目形状が保持枠11の縫製範囲内に収まる場合、縫製データに基づく縫い目形状をトレースするように、保持枠11が縫い針8に対して相対移動される。一方、縫製データに基づく縫い目形状が保持枠11の縫製範囲内に収まらない場合、保持枠11が移動しないように停止される制御が行われる。そして、入力された縫製データに基づく縫い目形状が、保持枠11の縫製範囲内に収まる場合及び収まらない場合のいずれも、それら縫製データはEEPROM104に記憶される構成にした。
【選択図】図5
Description
つまり、そのミシンで縫製を行うことができる範囲に対する縫製データを作成することができるが、それ以外の範囲に及ぶ縫製データを作成することはできなかった。
このように、ミシンにおいて入力手段により入力される縫製データは、布保持部が移動する、移動しないに関わらず縫製データ記憶手段に記憶される。従って、入力手段により入力される縫い目形状に関する縫製データは、全て縫製データ記憶手段に記憶されて、縫製データとして作成される。
よって、このようなミシンは、任意の縫製データを作成することができるミシンであるといえる。
また、布保持部が停止された状態で入力され記憶された縫製データは、布保持部の縫製範囲内に収まらない縫製データであるとわかるので、その縫製データに基づく縫製を行うことができる好適な縫製範囲を有するミシンに、その縫製データを所定の記録媒体を介するなどして入力することにより、その縫製データに基づく縫い目形状を形成する縫製を可能とすることができる。
つまり、例えば、ミシンの針落ち点や、縫い目形状を示す形状点などの、複数の針落ち位置情報を、所望する縫い目形状に沿うように入力することにより、所望する縫い目形状を形成するための縫製データを作成し、設定することができる。
つまり、予め作成されて設定登録されている、複数の針落ち位置情報が組み合わされてなる縫製データを選択することにより、その縫製データを入力することができるので、その縫製データをもとに新たな縫製データを作成し、設定することができる。
よって、このようなミシンは、任意の縫製データを作成することができるミシンであるといえる。
そして、ミシンにおいて、縫製データに基づく縫い目形状をトレースする布保持部の移動を確認することにより、その縫製データに基づく縫い目形状をそのミシンにおいて縫製可能であることを確認することができる。また、布保持部が停止された状態で入力され記憶された縫製データは、布保持部の縫製範囲内に収まらない縫製データであるとわかるので、その縫製データに基づく縫製を行うことができる好適な縫製範囲を有するミシンに、その縫製データを所定の記録媒体を介するなどして入力することにより、その縫製データに基づく縫い目形状を形成する縫製を可能とすることができる。
本実施形態において、ミシンとして電子サイクルミシンを例に説明する。電子サイクルミシンは、縫製を行う被縫製物である布を保持する布保持部としての保持枠を有し、その保持枠が縫い針に対し相対的に移動することにより、保持枠に保持される布に所定の縫製データに基づく縫い目形状の縫い目を形成するミシンである。
ここで、後述する縫い針8が上下動を行う方向をZ軸方向(上下方向)とし、これと直交する一の方向をX軸方向(左右方向)とし、Z軸方向とX軸方向の両方に直交する方向をY軸方向(前後方向)と定義する。
上軸(図示省略)は、ミシンモータ5(図4参照)に接続され、このミシンモータ5により回動力が付与される。また、下軸(図示省略)は、図示しない縦軸を介して上軸と連結しており、上軸が回動すると、上軸の動力が縦軸(図示省略)を介して下軸側へ伝達し、下軸が回動するようになっている。
上軸(図示省略)の前端には、上軸の回動によりZ軸方向に上下動する針棒8aが接続されており、その針棒8aの下端には、図2に示されるように、縫い針8が設けられている。また、ミシンアーム2aには縫い針8の上下動による布の浮き上がりを防止するために、針棒8aの上下動と連動して上下動し、縫い針8の周囲の布を押圧する周知の中押さえ12が設けられている。
また、下軸(図示省略)の前端には、釜(図示省略)が設けられている。上軸とともに下軸が回動すると、縫い針8と釜(図示省略)との協働により縫い目が形成される。
なお、ミシンモータ5、上軸(図示省略)、針棒8a、縫い針8、下軸(図示省略)、釜(図示省略)等の接続構成は従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
保持枠11は、ミシンアーム部2aの前端部に配される取付部材13に取り付けられており、その取付部材13にはミシンベッド2b内に配置されたX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15が駆動機構部として連結されている(図4参照)。
保持枠11は、被縫製物である布を保持し、X軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の駆動に伴い、保持した布を保持枠11ごと前後左右方向に移動するようになっている。保持枠11の移動と、縫い針8や釜(図示省略)の動作が連動することにより、布に所定の縫製データに基づく縫い目が形成される。特に、保持枠11における所定の縫製範囲であるその保持枠11の内側に保持される布に、所望する縫い目形状の縫い目が形成される。
図3に示すように、操作パネル20は、ミシンの各種設定、各種データの入力の操作が可能な複数の操作キー群21と、各種設定状態、縫い目形状等を表示する表示部22と、を備えている。
なお、本実施の形態における操作パネル20には、液晶表示部とタッチパネルとが積層されてなる操作パネルが適用されており、液晶表示部に表示される操作キー群21をタッチ操作することにより、液晶表示部の表示部22部分に各種データや縫い目形状が表示されるようになっている。また、操作パネル20に対し所定の操作入力を行うことにより、操作パネル20の液晶表示部における表示が様々に切り替わり、各種設定操作や各種入力操作に応じた様々な操作キー郡21や表示部22が表示されるようになっている。
また、表示部22には、カーソルCや、各種操作キーを介して入力された針落ち位置情報としての形状点Sや、入力された形状点Sの数Kや、形状点Sを結ぶように形成される縫い目形状や、カーソルCの位置を示す絶対座標Rや、カーソルCの位置を示す基準位置(例えば、保持枠11の中心位置、原点)からの相対座標Uなどが表示されるようになっている。
この形状点Sとは、実際にミシンMが縫製し形成する縫い目形状のラインを示すためのポイントであり、複数の形状点Sが入力されて設定されることにより、所望する縫い目形状のラインが縫製データとして設定される。
なお、カーソルCや形状点S等の位置を示す座標は、保持枠11を基準とし、保持枠11に対するカーソルCや形状点S等の位置を示すとともに、保持枠11に対する縫い針8の位置を示す位置データである。
この制御部100は、CPU101、ROM102、RAM103、EEPROM104及びI/Oインターフェース105を備えている。CPU101には、バスを介して、ROM102、RAM103、EEPROM104及びI/Oインターフェース105が接続されている。
例えば、ROM102には、各種縫い目形状を形成するために、針棒8a(縫い針8)や保持枠11を動作させるための、複数の縫い目パターンに関するデータが記憶されている。この縫い目パターンとしては、普通縫いである1本のラインを形成するパターンや、一旦縫った普通縫いの上を普通縫いを重ねるように繰り返す重ね縫いのパターンや、縫い目がジグザグに形成されるジグザグ縫いのパターンなどがある。また、縫い目パターンのデータには、その縫い目パターンに応じた縫いピッチに関するデータが含まれている。なお、この縫いピッチは、操作パネル20の操作等により変更可能となっている。
特に、EEPROM104は、縫製データ記憶手段として、操作パネル20を介して入力された縫製データとしての形状点Sの座標や、形状点Sや形状点Sに基づき算出された針落ち点の座標や、針落ち位置情報としての複数の形状点Sや複数の針落ち点の座標が結ばれるように組み合わされてなる縫い目形状に関する縫製データが記憶されるようになっている。そして、操作パネル20により入力された縫製データに基づく縫い目形状が、保持枠11の縫製範囲内に収まる場合及び収まらない場合のいずれも、縫製データを記憶する。
なお、EEPROM104における各種データや各種パラメータの記憶処理を、外部記憶装置において行うようにしてもよい。
さらに、ミシンモータドライバ5aには、縫い針8が上昇したことを検知する縫い針上位置センサ5cが接続されている。これにより、縫い針8により縫い目が形成される際の縫い針数が、制御部100によりカウントされるようになっている。
X軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15は、縫製データに基づき、保持枠11をXY方向に移動させる布保持部移動手段である。また、X軸原点センサ14a及びY軸原点センサ15aは、それぞれX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の原点位置を検出するセンサであり、ミシンベッド部2b内に配置されている。
なお、X軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15は、操作パネル20の方向入力キー21aが押下されたことに伴い、保持枠11をXY方向に移動させるようにもなっている。
具体的には、縫い目形状に沿い、各形状点Sの座標の間を縫いピッチの間隔で細かく分割するようにして、針落ち点の座標を算出し、設定する。
具体的には、操作パネル20により入力された縫製データとしての形状点Sや針落ち点の座標が、縫い針8が保持枠11の内側に位置する際の座標であるか否かを判断することにより、縫製データに基づく縫い目形状が、保持枠11の縫製範囲内に収まるか否かを判断する。
具体的には、操作パネル20により入力された縫製データに基づく形状点Sや針落ち点の座標が、縫い針8が保持枠11の内側に位置する際の座標であると、判断手段としての制御部100が判断すると、布保持部移動制御手段としての制御部100はX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15を動作させ、その縫製データに基づく縫い目形状をトレースするように、保持枠11を縫い針8に対して相対移動させる。
一方、操作パネル20により入力された縫製データに基づく形状点Sや針落ち点の座標が、縫い針8が保持枠11の内側に位置する際の座標でないと、判断手段としての制御部100が判断すると、布保持部移動制御手段としての制御部100はX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15の動作を停止させ、保持枠11が移動しないようにする。
そして、制御部100は、EEPROM104または外部記憶装置に記憶されている、縫製データに基づいて、縫い針8(ミシンモータ5)とX軸パルスモータ14及びY軸パルスモータ15を制御して、布に所望する縫い目形状を形成する縫製を行う。
そして、入力モードに切り替えられたミシンMにおいて、操作パネル20の所定のキーが操作されたことに基づき、縫製データに基づく縫製を行う際の縫い目パターンの種類が選択設定される(ステップS102)。
操作パネル20の所定のキーが操作されたことに基づき、既存の縫製データは使用しないとの選択が行われると(ステップS103;No)、ステップS104へ進む。一方、操作パネル20の所定のキーが操作されたことに基づき、既存の縫製データを使用するとの選択が行われると(ステップS103;Yes)、ステップS114へ進む。
制御部100が、方向入力キー21aが押下されないと判断すると(ステップS104;No)、ステップS103へ戻る。一方、制御部100が、方向入力キー21aが押下されたと判断すると(ステップS104;Yes)、その方向入力キー21aの向きに応じて、表示部22に表示されるカーソルCの座標を更新する(ステップS105)。
制御部100が、更新されたカーソルCの座標が、所定の縫製範囲内に収まると判断すると(ステップS106;Yes)、制御部100は、表示部22に表示されるカーソルCと保持枠11を、その更新された座標に応じて移動させ(ステップS107)、ステップS109へ進む。
一方、制御部100が、更新されたカーソルCの座標が、所定の縫製範囲内に収まらないと判断すると(ステップS106;No)、制御部100は、表示部22に表示されるカーソルCのみを、その更新された座標に応じて移動させ(ステップS108)、ステップS109へ進む。
制御部100が、確定キー21bが押下されないと判断すると(ステップS109;No)、ステップS103へ戻る。一方、制御部100が、確定キー21bが押下されたと判断すると(ステップS109;Yes)、その更新された座標を、形状点Sの座標として入力し、設定する(ステップS110)。
制御部100が、実行キー21cが押下されないと判断すると(ステップS111;No)、ステップS103へ戻る。一方、制御部100が、実行キー21cが押下されたと判断すると(ステップS111;Yes)、設定された形状点Sの座標と、縫い目パターンに応じた縫いピッチや設定されている縫いピッチに基づき、形状点Sの間における針落ち点の座標を演算処理し、設定する(ステップS112)。
制御部100が、更新された形状点Sの座標が、所定の縫製範囲内に収まると判断すると(ステップS115;Yes)、制御部100は、表示部22に表示されるカーソルCと保持枠11を、その更新された座標に応じて移動させ(ステップS116)、ステップS118へ進む。
一方、制御部100が、更新された形状点Sの座標が、所定の縫製範囲内に収まらないと判断すると(ステップS115;No)、制御部100は、表示部22に表示されるカーソルCのみを、その更新された座標に応じて移動させ(ステップS117)、ステップS118へ進む。
特に、本発明に係るミシンMは、入力された形状点Sや選択された縫製データに基づく縫い目形状が、所定の縫製範囲である保持枠11の内側に収まるか否かによって、保持枠11の移動を切り替えることができる。
また、入力された形状点Sや選択された縫製データに基づく縫い目形状が、所定の縫製範囲である保持枠11の内側に収まらない場合、表示部22に表示されるカーソルCのみを移動させるようにし、保持枠11が停止した状態で、縫製データの入力、作成、設定を行うことができる。そして、作成し、設定した縫製データを、その縫製データに基づく縫製を行うことができる好適な縫製範囲(好適なサイズの保持枠11)を有するミシンMに、所定の記録媒体を介するなどして入力することにより、その縫製データに基づく縫い目形状を形成する縫製が可能となる。
つまり、ミシンMは、任意の縫製データを作成することができるミシンであるといえる。
また、そのミシンMにおいて縫製できない縫い目形状に関する縫製データが入力される際には、保持枠11が停止した状態で、表示部22のカーソルCのみが移動し、その縫製データに基づく縫い目形状がそのミシンMにおいて縫製不能であることを示すことができる。
例えば、様々なサイズの縫い目形状を形成するために、様々なサイズの保持枠11をそれぞれ有する複数のミシンがある場合に、使用頻度の高い第1ミシンの縫製動作を止めることなく、使用頻度の比較的少ないサイズの保持枠11を有する第2ミシンにおいて、予め第1ミシン用の縫製データを作成することができる。そして、その縫製データを第1ミシンにおいて使用することができるようになるので、ミシンの可動効率を向上させることができる。
2 ミシンフレーム
8 縫い針
8a 針棒
11 保持枠(布保持部)
14 X軸パルスモータ(布保持部移動手段)
15 Y軸パルスモータ(布保持部移動手段)
20 操作パネル(入力手段)
21a 方向入力キー
21b 確定キー
21c 実行キー
22 表示部
100 制御部(判断手段、布保持部移動制御手段)
104 EEPROM(縫製データ記憶手段)
C カーソル
S 形状点
P ペダル
M 電子サイクルミシン(ミシン)
Claims (3)
- 縫い針と、被縫製物を保持して前記縫い針の上下動方向と交差する方向に移動可能な布保持部と、前記布保持部を前記縫い針に対して相対移動させる布保持部移動手段と、を備え、前記布保持部の縫製範囲に保持される被縫製物に縫い目を形成するミシンであって、
所望する縫い目形状に関する縫製データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された縫製データに基づく縫い目形状が、前記布保持部の縫製範囲内に収まるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、前記縫製データに基づく縫い目形状が前記布保持部の縫製範囲内に収まると判断されたことに伴い、前記縫製データに基づく縫い目形状をトレースするように、前記布保持部移動手段が前記布保持部を前記縫い針に対して相対移動させるとともに、前記判断手段により、前記縫製データに基づく縫い目形状が前記布保持部の縫製範囲内に収まらないと判断されたことに伴い、前記布保持部が移動しないように前記布保持部移動手段の動作を停止させる布保持部移動制御手段と、
前記入力手段により入力された前記縫製データに基づく縫い目形状が、前記布保持部の縫製範囲内に収まる場合及び収まらない場合のいずれも、前記縫製データを記憶する縫製データ記憶手段と、
を備えることを特徴とするミシン。 - 前記入力手段は、複数の針落ち位置情報が入力されることにより、それら複数の針落ち位置情報が組み合わされてなる縫製データを入力すること特徴とする請求項1に記載のミシン。
- 前記入力手段は、選択された縫い目形状に対応する、複数の針落ち位置情報が組み合わされてなる縫製データを入力することを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
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