JP2006074252A - 画像読取装置及び暗出力補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 装置の処理能力を低下させることなく、適切な暗出力補正を行うことができる画像読取装置、及び暗出力補正方法を提供すること。
【解決手段】 画像読取装置のコントローラに設けられたデータ演算部は、メモリに既に格納されている暗出力補正データの全画素の平均値Ave1を算出する。次に、新たに1回だけCCDエリアセンサの暗出力信号を測定し、この暗出力信号の全画素の平均値Ave2を算出する。このAve2からAve1を減算し、温度などによる経時変化分である差分Subを算出する。このSubを暗出力補正データの各画素のそれぞれに加算することにより、暗出力補正データの更新を行った。
【選択図】 図3
【解決手段】 画像読取装置のコントローラに設けられたデータ演算部は、メモリに既に格納されている暗出力補正データの全画素の平均値Ave1を算出する。次に、新たに1回だけCCDエリアセンサの暗出力信号を測定し、この暗出力信号の全画素の平均値Ave2を算出する。このAve2からAve1を減算し、温度などによる経時変化分である差分Subを算出する。このSubを暗出力補正データの各画素のそれぞれに加算することにより、暗出力補正データの更新を行った。
【選択図】 図3
Description
本発明は、固体撮像素子で取得した画像データに対して暗補正を行う画像読取装置、及びこの画像読取装置の暗出力補正方法に関する。
CCDやCMOSなどの固体撮像素子を用いて写真フイルム(原稿)に記録された画像を光電的に読み取る画像読取装置を備え、この画像読取装置が取得したデジタルの画像データに基づいて強度変調した記録光を印画紙に露光し、現像・乾燥処理を行ってプリント写真を生成するデジタルラボシステムが普及している。このデジタルラボシステムは、取得した画像データに対して、例えば、カラーバランス補正やシャープネス補正などの画像処理を施す。
固体撮像素子は、光電面に光が入射していないときにも出力信号を生じる特性を持つことが知られており、その出力信号は暗出力信号と呼ばれる。この暗出力信号は、画像読み取り時に出力される画像信号にも含まれるため、画像読取装置では、画像信号から前記暗出力信号を控除する暗出力補正が行われている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、光電面を遮光した状態で画素毎の暗出力信号を測定し、これを暗出力補正データとして記憶する。そして、写真フイルムの撮影コマに記録された画像を読み取って得られた画像データから、画素毎に暗出力補正データが差し引かれる。暗出力信号は微弱な信号であるため、SN比を向上させるために、暗出力補正データの作成に際しては、暗出力信号を複数回測定して、それらの平均値を取る。
また、写真フイルムには複数の撮影コマ毎に画像が記録されており、これらの各画像の濃度レベルにはばらつきがある。画像読取装置では、各画像の濃度レベルに応じて適切な読み取りが行われるように、例えば、電荷蓄積時間などの読み取り条件が異なる複数の読取モードを用意しているのが一般的である。
前述の暗出力は、電荷蓄積時間で変化することが知られており、特許文献1記載の画像読取装置では、複数の読取モードのそれぞれに対応した複数の暗出力補正データを用意している。また、暗出力信号は、電荷蓄積時間のみならず固体撮像素子の環境温度にも影響されるので、より適切な暗出力補正データを得るために、例えば、写真フイルムの1本分の読み取りが行われる毎に暗出力信号を再測定し、暗出力補正データが再作成される。
暗出力補正データを作成するために必要な暗出力信号の測定回数の合計は、例えば、読取モードの数を5、読取モード毎の暗出力信号の測定回数を8回とすると、5×8で40回となり、演算時間なども含めると暗出力補正データの作成時間は、10秒程度かかる。一方、写真フイルムの掛け替えに要する時間は、6秒程度であるため、1回の写真フイルムの掛け替え毎に、全読取モードについて上記条件で暗出力補正データを再作成するとなると、装置の稼動時間を圧迫することになってしまう。プリント業者では、1日に大量の写真フイルムを処理するため、こうした時間のロスは無視できない大きさとなる。そのため、読取モード毎の測定回数を減らしたり、写真フイルムの1回の掛け替え時に暗出力補正データの再作成を行う読取モードの数を減らすことで、写真フイルムの掛け替え時間内に暗出力補正データの作成時間が収まるようにしていた。
しかしながら、読取モード毎の測定回数を減らすことはS/N比を悪化させることになり、暗出力補正データ自体の信頼性を低下させてしまう。また、1本の写真フイルム内の各撮影コマに適用される読取モードは様々であるので、1回の写真フイルムの掛け替え時に暗出力補正データを再作成する読取モードの数を制限することは、最新の暗出力補正データが適用されないコマが発生することになりかねず、好ましくない。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、装置の処理能力を低下させることなく、適切な暗出力補正を行うことができる画像読取装置、及び暗出力補正方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の画像読取装置、及び暗出力補正方法は、マトリクス状に配列された複数の画素を有する固体撮像素子により原稿に記録された画像を光電的に読み取って画像データを得る画像読取部と、前記固体撮像素子の暗出力信号を複数回測定し、測定した複数回の暗出力信号の平均を画素毎に求めて、暗出力補正データを新規に作成するデータ新規作成部と、前記画像データから暗出力補正データを画素毎に減算することにより暗出力補正を行って補正済み画像データを得る暗出力補正部と、最新の暗出力信号を少なくとも1回だけ測定し、この暗出力信号を基にして前記暗出力補正データを更新するデータ更新部とを備えたことを特徴とする。
なお、前記データ更新部は、少なくとも1回だけ測定して得られた暗出力信号の全画素の最新平均値を求め、この最新平均値と、既に算出済みの前記暗出力補正データの全画素の平均値との差分をとり、この差分を前記暗出力補正データに対して加減することにより、前記暗出力補正データの更新を行うことが好ましい。
また、前記データ新規作成部によって前記暗出力補正データが作成された後、前記データ更新部は、所定の更新タイミングで処理を実行することが好ましい。
さらに、前記原稿が写真フイルムである場合には、前記更新タイミングに、前記写真フイルムの交換時が含まれることが好ましい。
なお、マトリクス状に配列された複数の画素を有する固体撮像素子により原稿に記録された画像を光電的に読み取って画像データを得る画像読取部と、予め測定された前記固体撮像素子の温度と各画素の暗出力信号との関係を、それぞれ温度に対応する暗出力補正データとして記憶するメモリと、前記固体撮像素子の温度を温度センサで測定し、その温度に対応する暗出力補正データを前記メモリから読み出すデータ選択部と、前記画像データから前記データ選択部で読み出された暗出力補正データを画素毎に減算することにより暗出力補正を行って補正済み画像データを得る暗出力補正部とを備える構成としてもよい。
また、マトリクス状に配列された複数の画素を有する固体撮像素子により原稿に記録された画像を光電的に読み取って画像データを得る画像読取部と、前記固体撮像素子の温度を変化させながら予め測定された、画像が記録される有効画素部と画像が記録されない無効画素部とからなる前記複数の画素のそれぞれの暗出力信号を、前記有効画素部と前記無効画素部とで関係付けて記憶するメモリと、前記画像データから前記無効画素部の出力信号を測定し、その出力信号に対応する前記有効画素部の暗出力信号を、暗出力補正データとして前記メモリから読み出すデータ選択部と、前記画像データから前記データ選択部で読み出された暗出力補正データを画素毎に減算することにより暗出力補正を行って補正済み画像データを得る暗出力補正部とを備える構成としてもよい。
本発明の画像読取装置、及び暗出力補正方法によれば、暗出力補正データを更新する際に再測定する暗出力は最低1回だけでよく、測定にかかる時間が短縮されるので、複数の読取モードがある場合にも、全ての読取モードに対応する暗出力補正データを写真フイルムの掛け替え時間内に更新することができる。従って、装置の処理能力が低下することもない。
また、少なくとも1回だけ測定して得られた暗出力信号の全画素の最新平均値を求め、この最新平均値と、既に算出済みの暗出力補正データの全画素の平均値との差分をとり、この差分を暗出力補正データに対して加減することにより、最初に作成した暗出力補正データの画素毎のバラツキを保存したまま、全画素の変化分の平均値を加減算するので、SN比を低減させることなく、信頼性の高い暗出力補正データを得ることができる。
図1は、本発明を実施したデジタルラボシステム10の構成を概略的に示す説明図である。デジタルラボシステム10は、オペレータからの指示を受けるための操作部11と、写真フイルム(原稿)に記録された画像を光電的に読み取る画像読取装置12と、この画像読取装置12が読み取った画像データに対して画像処理を行う画像処理装置13、及び画像処理が行われた画像データを基にしてプリント写真を生成する画像出力装置14とから構成されている。
操作部11は、オペレータがデジタルラボシステム10に対して指示を与えるために設けられている。この操作部11は、キーボードなどの一般的な入力装置でもよいし、複数のスイッチやボタンなどを配した専用の操作パネルであってもよい。
画像読取装置12は、光源20、拡散ボックス21、フイルムキャリア22、画像読取部23、及び画像読取装置12全体を制御するコントローラ24とから構成されている。また、コントローラ24を除く各部20〜23は、画像読取部23の光軸OA上に配置されている。
光源20は、赤、緑、青、赤外の光をそれぞれ発する多数の発光ダイオード(以下、LEDと称す)20aと、これらの各LED20aがマトリクス状に配された基板20bとから構成されている。光源20は、LEDドライバ25を介してコントローラ24に接続されており、コントローラ24によって各LED20aの発光を制御される。
光源20の上面側には、各LED20aの破損などを防止する保護カバー40が設けられている。この保護カバー40は、各LED20aが発する光を透過させるため、例えば、アクリル樹脂などの透光性を有する材料で成型されている。また、光源20の近傍には、ファン26が設けられており、各LED20aの温度による発光強度の変動を抑えるため、各LED20aが所定の温度範囲に収まるように、これらを冷却している。
拡散ボックス21の下面及び上面には、光を拡散させる拡散板41、42がそれぞれ設けられている。下面に配置された拡散板41は、各LED20aから発せられた光を拡散させながら拡散ボックス21内に入射させる。一方、上面に配置された拡散板42は、拡散ボックス21の内面で反射しながら上方に導かれた光をさらに拡散させ、フイルムキャリア22にセットされた写真フイルムPFに向けて照射する。これにより、点光源であるLED20aの光が拡散されて、写真フイルムPFには、その面内にわたってほぼ均一な光量の光が照射される。
フイルムキャリア22は、写真フイルムPFを搬送する搬送路43を有し、図示を省略した搬送機構によって写真フイルムPFを図中左右方向に搬送する。また、光軸OAと重なる部分には、露光開口44が形成されており、フイルムキャリア22は、写真フイルムPFの各撮影コマを、この露光開口44にセットする。
写真フイルムPFの各撮影コマに記録された画像を読み取る画像読取部23は、レンズユニット45、CCDエリアセンサ(固体撮像素子)46、レンズ鏡胴47、支持板48、ガイドロッド49などを備えている。レンズユニット45は、色収差の小さな複数の低分散レンズから構成され、レンズ鏡胴47の内部に保持されている。CCDエリアセンサ46は、レンズ鏡胴47の内部でレンズユニット45と対面する位置に設けられている。また、支持板48は、CCDエリアセンサ46とレンズ鏡胴47とを保持している。
ガイドロッド49は雄ねじで構成されており、支持板48と螺合している。また、ガイドロッド49には、オートフォーカスドライバ27を介してコントローラ24に接続される焦点調整モータ50が取り付けられている。この焦点調整モータ50によってガイドロッド49が回転駆動されると、螺合した支持板48が光軸OAの方向(図中上下方向)に移動する。この支持板48の移動によって、いわゆる共役長と呼ばれる写真フイルムPFとCCDエリアセンサ46との距離が変化し、焦点調整が行われる。この焦点調整によって、写真フイルムPFの撮影コマを透過した光学像がCCDエリアセンサ46の光電面に結像される。
マトリクス状に配列された複数の画素を有するCCDエリアセンサ46は、CCDドライバ28を介してコントローラ24に接続されている。このコントローラ24によって制御されるCCDエリアセンサ46は、光電面に結像した光学像を電気的な画像データに変換して出力する。
A/Dコンバータ29は、CCDエリアセンサ46から出力された画像データを、アナログ信号からデジタル信号に変換し、コントローラ24に入力する。
コントローラ24は、A/Dコンバータ29から入力された画像データを基に種々の演算を行うデータ演算部51と、このデータ演算部51の演算結果を基に画像データに補正を施すデータ補正部52と、ROMやRAMなどから構成されたメモリ53とを備えている。また、データ補正部52で画像データに補正を施したコントローラ24は、補正済み画像データを画像処理装置13に向けて出力する。
画像処理装置13は、画像読取装置12から入力された画像データに対して、例えば、画像の低周波輝度成分の階調を圧縮するハイパートーン処理や、粒状を抑制しながらシャープネスを強調するハイパーシャープネス処理などの画像処理を施す。また、デジタルラボシステム10には、画像処理が完了した画像データをオペレータが確認できるように、仕上がり画像をシミュレート表示するモニタ30が設けられている。
画像出力装置14は、レーザプリント部31とプロセサ部32とから構成されている。レーザプリント部31は、赤、緑、青のレーザ光源と、画像処理装置13から送られてきた画像データに基づいてレーザ光源の各色のレーザ光を変調する変調部とを備えている。レーザプリント部31は、この変調したレーザ光を走査露光することにより、印画紙に画像を潜像記録する。プロセサ部32は、潜像記録済みの印画紙に対して発色現像、漂白定着、洗浄、乾燥の各処理を行い、プリント写真を生成する。
写真フイルムPFの各撮影コマに記録されている画像は、当然ながら個々の画像毎に濃度のばらつきがある。そのため、画像読取部23が各撮影コマに記録された画像を読み取る際には、低解像度で粗いプレスキャンと、高解像度で精密なファインスキャンとを行なう。
また、コントローラ24のメモリ53には、CCDエリアセンサ46の電荷蓄積時間などの読取条件を変えた複数の読取モードが、表1に示すように予め用意されている。なお、基本周期は、電荷の蓄積と転送とを切り替える周期である。但し、電荷蓄積時間と転送時間との最大値を規定するものであり、電荷蓄積時間及び転送時間そのものを示すものではない。
T1〜T3モードは、CCDエリアセンサ46の全画素を用いたモードであり、T1、T2、T3の順に電荷蓄積時間が長くされている。また、T4、T5モードは、T1モードの電荷蓄積時間で、使用する画素を水平方向又は垂直方向にそれぞれ4分の1、8分の1に間引いて、転送時間の短縮を図ったものである。なお、画素の間引き方法については、公知の方法を適用すればよい。
プレスキャンを行って粗い画像データ(以下、プレスキャンデータと称す)を取得したコントローラ24は、データ演算部51でその画像の濃度を解析した後、最も適切な読取モードを選択し、その読取モードに対応すべく各種の設定値をオートフォーカスドライバ27、及びCCDドライバ28に設定してファインスキャンを行う。これにより、写真フイルムPFの各撮影コマの濃度に対応した適切な読み取りを行うことができる。なお、プレスキャンとファインスキャンとの実行方法は、例えば、写真フイルムPFを一方向に搬送して各撮影コマに記録された画像を全てプレスキャンした後、他方向に搬送してファインスキャンを行う方法や、各撮影コマ毎にプレスキャンとファインスキャンとを順次行う方法など、公知の方法を適用すればよい。さらに、画像読取部23を、プレスキャン用とファインスキャン用とに分けて2式設けるようにしてもよい。
一方、ファインスキャンを行って精密な画像データ(以下、本画像データと称す)を取得したコントローラ24は、この本画像データに対して、入射光が無いときの出力である暗出力信号を補正する、いわゆる暗出力補正をデータ補正部52で施す。
データ補正部52での暗出力補正は、取得した本画像データから、予めメモリ53に用意された画素毎に対応する暗出力補正データを減算することで行われる。従って、データ補正部52は、請求項記載の暗出力補正部として機能する。なお、データ補正部52では、暗出力補正の他に、例えば、光源による濃度ムラが発生した画像からムラを除くためのシェーディング補正など、その他の補正を行うようにしてもよい。
図2に、暗出力補正データを作成する際の概念図を示す。暗出力補正データは、例えば、デジタルラボシステム10の電源が投入されたときや、操作部11を介してオペレータから指示されたときに作成される。作成が指示されたコントローラ24は、光源20を消した状態、もしくは図示せぬシャッタ部材などによってCCDエリアセンサ46に入射する光を遮断した状態で、CCDエリアセンサ46を駆動し、暗出力信号を測定する。SN比を向上させるため、この測定を複数回(本実施形態では8回)実施し、この複数の暗出力信号から画素毎の平均値をデータ演算部51で算出することにより、各画素に対応した暗出力補正データが作成される。従って、データ演算部51は、請求項記載のデータ新規作成部として機能する。
作成した暗出力補正データはメモリ53に格納され、本画像データに暗出力補正を施す際に適宜読み出される。これにより、本画像データから暗出力信号分の出力値が減算され、写真フイルムPFの各撮影コマに記録された画像と同等の階調を有する補正済み画像データを得ることができる。
また、暗出力は、CCDエリアセンサ46の電荷蓄積時間に依存しているため、暗出力補正データは、前述の各読取モードのそれぞれに対応して設けられている。すなわち、本実施形態では、T1〜T5モードのそれぞれに対応した5つの暗出力補正データが作成され、暗出力補正の際には、本画像データを取得する際に適用された読取モードに対応する暗出力補正データが適用される。
さらに暗出力信号は、電荷蓄積時間のみならず周囲温度にも依存している。デジタルラボシステム10を経時使用すれば、装置の自己発熱によりCCDエリアセンサ46の周囲温度も上昇する。この温度変化による暗出力信号の変動に対応するため、コントローラ24は、例えば、オペレータが写真フイルムPFの掛け替えを行っている間に、暗出力補正データの更新を行う。
図3は、暗出力補正データの更新手順を示すフローチャートである。また、図4は、暗出力補正データの更新方法を示す概念図である。暗出力補正データの更新を行う際、先ずコントローラ24のデータ演算部51が、メモリ53に既に格納されている暗出力補正データの全画素の平均値Ave1を算出する。次に、新たに1回だけCCDエリアセンサ46の暗出力信号を測定し、この暗出力信号の全画素の平均値Ave2(請求項記載の最新平均値に相当)を算出する。このAve2からAve1を減算し、温度などによる経時変化分である差分Subを算出する。このSubを暗出力補正データの各画素のそれぞれに加算することにより、暗出力補正データの更新が行われる。従って、データ演算部51は、請求項記載のデータ更新部としても機能する。また、この更新は、各読取モードのそれぞれに対応して設けられた暗出力補正データの全てについて実施される。
次に、上記構成によるデジタルラボシステム10の作用について説明する。コントローラ24のメモリ53には、予め表1に示すように設定された画像の読取モードが格納されている。デジタルラボシステム10に電源が投入されると、コントローラ24は、CCDエリアセンサ46の暗出力信号を8回測定する。データ演算部51は、この8回分の暗出力信号から画素毎の平均値を算出し、各画素に対応した暗出力補正データを作成して、メモリ53に格納する。暗出力補正データを作成した画像読取装置12は、画像読み取りが可能な状態となる。このとき、読み取り可能な状態であるか否かを、例えば、モニタ30などに表示するようにしてもよい。
フイルムキャリア22に写真フイルムPFがセットされ、操作部11を介してオペレータから画像読み取りが指示されたコントローラ24は、フイルムキャリア22を駆動して写真フイルムPFを一方向に搬送しながら、各撮影コマに記録された画像のプレスキャンを行う。プレスキャンにより得られたプレスキャンデータは、データ演算部51に送られて濃度の解析が行われる。各撮影コマのプレスキャンデータを解析したデータ演算部51は、各撮影コマのそれぞれに最も適切な読取モードを選択する。
読取モードの選択が終了すると、コントローラ24は、写真フイルムPFを他方向に搬送して、ファインスキャンを行う。このときオートフォーカスドライバ27、及びCCDドライバ28には、データ演算部51が選択した読取モードに対応する各種の設定値が設定されている。このファインスキャンで得られた各撮影コマの本画像データは、データ補正部52に送られる。
本画像データを送られたデータ補正部52は、ファインスキャン時に適用された読取モードに対応する暗出力補正データをメモリ53から読み出し、これらの本画像データに対して暗出力補正を実施する。これにより本画像データは、各撮影コマに記録された画像と同等の階調を有する補正済み画像データに変換される。
この補正済み画像データは、画像処理装置13に送られて、ハイパートーン処理やハイパーシャープネス処理などの画像処理が施された後、モニタ30に仕上がり画像としてシミュレート表示される。表示された画像を確認したオペレータは、操作部11を介してデジタルラボシステム10にプリントを指示する。これにより、確認がなされた完成した画像データが画像出力装置14に送られ、プリント写真が生成される。
なお、完成した画像データを、例えば、JPEGやTIFFなどの一般的な画像ファイル形式に変換し、デジタイズデータとしてメモリ53に記録するようにしてもよい。また、このデジタイズデータは、有線や無線で他のパーソナルコンピュータなどに送るようにしてもよいし、コンパクトフラッシュ(登録商標)やCD−ROMなどのメディアに記録するようにしてもよい。
このようにして写真フイルムPFの各撮影コマに記録された全ての画像が読み取られると、次の画像を読み取るべく、オペレータによって写真フイルムPFの掛け替えが行われる。これと同時に、画像読取装置12のコントローラ24は、温度などによる暗出力信号の経時変化に対応するため、暗出力補正データの更新を行う。
暗出力補正データの作成、及び更新にかかる時間は、CCDエリアセンサ46の電荷蓄積時間と電荷転送時間とからなるデータ取込時間に、コントローラ24での演算処理時間を加えたもので表すことができる。暗出力信号をn回取得するとき、2回目以降の電荷蓄積は、前回の転送を行っている間に行うことができるので(図5参照)、データ取込時間は、基本周期×(n+1)で算出される。また、演算処理時間を一律500msecであるとすれば、暗出力補正データの作成(更新)時間は、下式(1)で求めることができる。
暗出力補正データの作成時間=基本周期×(n+1)+500msec・・・(1)
暗出力補正データの作成時間=基本周期×(n+1)+500msec・・・(1)
但し、(1)式は、1つの暗出力補正データの作成時間であって、本実施形態のように複数の読取モードが用意されており、それぞれに対応する暗出力補正データが作成されている場合には、各読取モードのそれぞれについて(1)式の計算を行い、その総和を暗出力補正データの作成時間としなければならない。
従来の画像読取装置12では、暗出力補正データの更新を行う際にも、作成時と同様の手順(図2参照)で行っていた。この手順で、表1に示される読取モードの全てを更新すると、その更新にかかる時間は、表2のようになる。
オペレータが写真フイルムPFの掛け替えに要する時間は、通常6秒程度である。これに対し、暗出力補正データの更新にかかる時間は、9.79秒であり、掛け替え時間を超えてしまっている。
一方、本実施形態の画像読取装置12では、新たに1回だけ暗出力信号を測定し、その平均値の差分Subを加算することにより暗出力補正データの更新を行う(図3、図4参照)ので、その更新にかかる時間は、表3のようになる。
本実施形態の画像読取装置12によれば、各読取モードのそれぞれに対応する全ての暗出力補正データの更新にかかる時間は、4.12秒であり、6秒程度要する写真フイルムPFの掛け替え時間内に収めることができる。これにより、常に暗出力信号の経時変化に対応した暗出力補正データが適用されるので、装置の処理能力を低下させることなく、適切な暗出力補正を行うことができる。
また、本実施形態では、新たに1回だけ暗出力信号を測定し、その暗出力信号から算出した全画素の平均値Ave2から、暗出力補正データから算出した全画素の平均値Ave1を減算し、その差分Subを各画素に対応する暗出力補正データのそれぞれに加算することにより暗出力補正データの更新を行っている。最初に作成した暗出力補正データの画素毎のばらつきは、温度などの経時変化ではほとんど変化しないので、このばらつきを保存したまま、全画素の変化分の平均値を加減算することにより、SN比を低減させることなく、信頼性の高い暗出力補正データを得ることができる。
なお、予め測定されたCCDエリアセンサ46の周囲温度と暗出力信号との関係を、それぞれの温度に対応する暗出力補正データとしてメモリ53に記憶させておき、CCDエリアセンサ46の温度を温度センサ60で測定して、その温度に対応する暗出力補正データをデータ演算部51でメモリ53から読み出し、この暗出力補正データを用いて暗出力補正を行うようにしてもよい。
また、CCDエリアセンサ46の外周付近の画素には、写真フイルムPFの撮影コマを透過した光が入射しないので、画像が記録されない無効画素部となることが一般的である。CCDエリアセンサ46の温度を変化させた際の、この無効画素部の出力信号と、画像が記録される有効画素部の暗出力信号との関係を予め取得してメモリ53に記憶させておき、ファインスキャン時の本画像データからこの無効画素部の出力信号をデータ演算部51で測定して、その出力信号に対応する有効画素部の暗出力信号を暗出力補正データとしてメモリ53から読み出すことにより、暗出力補正を行うようにしてもよい。
これらの方法によれば、改めて暗出力信号の測定を行う必要がないので、装置の処理能力を低下させることなく、適切な暗出力補正を行うことができる。また、リアルタイムで補正を行うことができるので、暗出力補正データの更新(作成)と画像読み込みとの間に発生する経時変化をも除去することができる。
上記実施形態では、固体撮像素子にCCDエリアセンサを用いているが、これに限らず、例えば、CCDラインセンサやCMOSイメージセンサなど、他の個体撮像素子を備えた画像読取装置に、本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、画像読取装置の適用例として、デジタルラボシステムを示しているが、これに限らず、例えば、ファクシミリやスキャナなどに、本発明を適用してもよい。
10 デジタルラボシステム
12 画像読取装置
23 画像読取部
46 CCDエリアセンサ(固体撮像素子)
51 データ演算部(データ新規作成部、データ更新部、データ選択部)
52 データ補正部(暗出力補正部)
60 温度センサ
12 画像読取装置
23 画像読取部
46 CCDエリアセンサ(固体撮像素子)
51 データ演算部(データ新規作成部、データ更新部、データ選択部)
52 データ補正部(暗出力補正部)
60 温度センサ
Claims (9)
- マトリクス状に配列された複数の画素を有する固体撮像素子により原稿に記録された画像を光電的に読み取って画像データを得る画像読取部と、
前記固体撮像素子の暗出力信号を複数回測定し、測定した複数回の暗出力信号の平均を画素毎に求めて、暗出力補正データを新規に作成するデータ新規作成部と、
前記画像データから暗出力補正データを画素毎に減算することにより暗出力補正を行って補正済み画像データを得る暗出力補正部と、
最新の暗出力信号を少なくとも1回だけ測定し、この暗出力信号を基にして前記暗出力補正データを更新するデータ更新部とを備えたことを特徴とする画像読取装置。 - 前記データ更新部は、少なくとも1回だけ測定して得られた暗出力信号の全画素の最新平均値を求め、この最新平均値と、既に算出済みの前記暗出力補正データの全画素の平均値との差分をとり、この差分を前記暗出力補正データに対して加減することにより、前記暗出力補正データの更新を行うことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
- 前記データ新規作成部によって前記暗出力補正データが作成された後、前記データ更新部は、所定の更新タイミングで処理を実行することを特徴とする請求項1又は2記載の画像読取装置。
- 前記原稿が写真フイルムである場合には、前記更新タイミングに、前記写真フイルムの交換時が含まれることを特徴とする請求項3記載の画像読取装置。
- マトリクス状に配列された複数の画素を有する固体撮像素子により原稿に記録された画像を光電的に読み取って画像データを得る画像読取部と、
予め測定された前記固体撮像素子の温度と各画素の暗出力信号との関係を、それぞれ温度に対応する暗出力補正データとして記憶するメモリと、
前記固体撮像素子の温度を温度センサで測定し、その温度に対応する暗出力補正データを前記メモリから読み出すデータ選択部と、
前記画像データから前記データ選択部で読み出された暗出力補正データを画素毎に減算することにより暗出力補正を行って補正済み画像データを得る暗出力補正部とを備えたことを特徴とする画像読取装置。 - マトリクス状に配列された複数の画素を有する固体撮像素子により原稿に記録された画像を光電的に読み取って画像データを得る画像読取部と、
前記固体撮像素子の温度を変化させながら予め測定された、画像が記録される有効画素部と画像が記録されない無効画素部とからなる前記複数の画素のそれぞれの暗出力信号を、前記有効画素部と前記無効画素部とで関係付けて記憶するメモリと、
前記画像データから前記無効画素部の出力信号を測定し、その出力信号に対応する前記有効画素部の暗出力信号を、暗出力補正データとして前記メモリから読み出すデータ選択部と、
前記画像データから前記データ選択部で読み出された暗出力補正データを画素毎に減算することにより暗出力補正を行って補正済み画像データを得る暗出力補正部とを備えたことを特徴とする画像読取装置。 - マトリクス状に配列された複数の画素を有する固体撮像素子により原稿に記録された画像を光電的に読み取って画像データを得る画像読取部と、前記固体撮像素子の暗出力信号を複数回測定し、測定した複数回の暗出力信号の平均を画素毎に求めて、暗出力補正データを新規に作成するデータ新規作成部と、前記画像データから暗出力補正データを画素毎に減算することにより暗出力補正を行って補正済み画像データを得る暗出力補正部とを備えた画像読取装置の暗出力補正方法において、
最新の暗出力信号を少なくとも1回だけ測定し、得られた暗出力信号の全画素の最新平均値を求め、この最新平均値と、既に算出済みの前記暗出力補正データの全画素の平均値との差分をとり、この差分を前記暗出力補正データに対して加減することにより、前記暗出力補正データの更新を行うことを特徴とする暗出力補正方法。 - 前記データ新規作成部によって前記暗出力補正データが作成された後、所定の更新タイミングで前記暗出力補正データの更新処理を実行することを特徴とする請求項7記載の暗出力補正方法。
- 前記原稿が写真フイルムである場合には、前記更新タイミングに、前記写真フイルムの交換時が含まれることを特徴とする請求項8記載の暗出力補正方法。
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