JP2006073944A - 低温容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温領域への熱侵入を低減し、冷却に必要な動力を低減できる低温容器を提供する。
【解決手段】超電導体を冷却した状態に保持する容器部と、前記容器部に取り付けられた真空断熱部と、前記真空断熱部の内部空間に開極可能に配置された低温側電流リードおよび室温側電流リードと、前記真空断熱部の内部に配置された1つまたは複数の輻射シールドとを有する低温容器。
【選択図】 図2

Description

本発明は、超電導体を用いた電力用機器を構成する際の低温容器に関する。
これまで、電力供給の大部分は、大規模な発電所から超高圧送電線などを介して消費地へ運ばれてきた。しかしながら、今後多くの分散電源が電力消費地の近傍に設置され、これらの電源が電力系統に連系されることが予想されている。このように考えられる理由としては、分散電源の導入が需要者側のエネルギーコスト削減や瞬時電圧低下防止に有効なため、工場などの大口電力需要家が大きな関心を寄せていることが挙げられる。また、天然ガスを使用するタイプのコジェネレーションシステムなどは、CO2やNOxの削減といった環境問題にも有効なため、国レベルでの積極的な導入が求められていることも理由の一つである。一方、このような分散電源の導入にも問題がないわけではない。その一つに事故電流の増大がある。一般にこのような分散電源の導入は、電力系統で発生した地絡や短絡事故の際に流れる事故電流の増加を引き起こし、このままでは電力系統に設置してある遮断器による電力事故の除去が困難となる。そのため、早急に何らかの対応策を講じなければならなくなっている。
このような事故電流の増大を防止するための対応策のひとつに限流器の実用化がある。限流器とは、通常通電時にほとんど損失を発生させずに電流を通過させ、大きな電流が流れると瞬時にインピーダンスを発生して電流を抑制する機器のことである。現在の電力システムでは、まだこのような機器を本格的に利用した例はほとんどないが、その導入が強く望まれている。限流器に関しては、アーク放電を用いるもの、半導体を利用するもの、超電導体を用いるものなど、多くの研究が行われている。なかでも、超電導体をコイル形状に巻くことによりインダクタンス成分を発生させ、半導体ブリッジと組みあわせて機器を構成するタイプの限流器や超電導体が大電流により常伝導転移する現象を利用した方式の限流器などは、事故発生から限流動作を開始するまでの速度が速く、コンパクトな設計が可能という優れた特徴をもつため、その実用化が期待されている。
しかしながら、超電導体を用いた限流器の場合、これを超電導状態とするために超電導体を冷却する必要がある。一例をあげれば、超電導体としてYBCO薄膜を用いた場合、超電導薄膜は液体窒素(1気圧の沸点:77K)中で浸漬冷却することにより使用するのが一般的である。そのため、超電導体を用いた限流器では、超電導体自体の発生する損失はほとんどないものの、これを冷却するための損失が発生する。この冷却に費やされるエネルギーの大きさは、冷却方法や低温部の温度などに大きく依存するが、液体窒素温度での冷却の場合には、一般に取り去る熱量に対して20〜30倍程度のエネルギーが必要であることが知られている。したがって、低温領域への熱侵入が大きすぎると大きな冷却装置を用いなければならなくなるため、電力機器としての効率を低下させ、超電導体を用いた限流器が本来持っている、高速性やコンパクト性などの長所を生かすことができなくなる。
そのため、超電導体の冷却などに現在使用されている低温容器は、低温領域への熱侵入を下げる工夫がされており、冷却容器全体での侵入熱は低減されてきている。しかしながら、電流リードからの熱侵入の低減は難しく、電流容量の大きな電流リードを設けた低温容器では、このリードからの侵入熱が全侵入熱の大きな部分を占めている。その原因は、電流リードは電流を通電するために通常電気の良導体から作製されるが、一方で電気の良導体は一般に熱の良導体となっていることにある。このため、電流リードからの熱侵入の低減は容易ではない。例えば、低温容器外部からの熱侵入を低減するには、電流リードの断面積を小さくし、全体長を長くすればよい(すなわち、電流リード内の温度勾配を小さくすることで熱侵入を低減できる)。しかしながら、このことは、同時に電流リードの電気抵抗を増大させることから、通電時には電流リード中で発生するジュール発熱を増大させる。そして、この熱量が外部から侵入する熱量に重畳されるため、電流リードの抵抗が大きすぎると、結果的に低温部への侵入熱は増大することになる。そこで、通常用いられている電流リードは、通電容量を決め、その通電下において熱侵入を最も下げるように設計されている(いわゆる最適設計がなされている)。このような最適設計を行った電流リードでも、例えば室温と液体窒素温度との間に、無通電時で約20W/kA(1kA級の電流リードで20W)の熱侵入、通電時で約50W/kAの熱侵入がある。したがって、例えば配電系統のフィーダー線の典型的な電流容量である600A級の機器を考えた場合、電流リードからの侵入熱は無通電時で約12W/本となり、3相交流器のように6本の電流リードが必要な場合には電流リードからの侵入熱は合計で約72Wとなることになる。これは、無通電状態でもこの熱量を取り去るために、2kW程度のエネルギーが必要となることを意味する。
一方、限流器の設置場所として想定されている場所は、変電所間の母線連系点や、コジェネレーションを利用したオンサイト給電システムと配電線系統との連系点などである。これらの連系点の特徴は、通過する電流値の大きさが一定ではなく、時間あるいは日によって大きく変化するという点である。たとえば、前者の場合、通常の運転形態では限流器を通過する電流量はほとんどなく、各変電所間で電力需給バランスなどに変動が生じた場合だけ比較的大きな電流が通過する。また、後者の場合、昼と夜とで連系点を通過する電流量は大きく異なる。
このような特徴を持つ個所への超電導限流器の適用を考えた場合、その電流リードを小さい電流値で設計すると、通過電流値の小さいときには支障なく電流を流せ、かつ熱侵入も少なくてすむ。しかしながら、大電流を流す必要が生じた際には、大きなジュール熱を発生してしまう。このため、小電流通電時の侵入熱が増加するにもかかわらず、大きな電流値を通過できるように設計することになる(すなわち無通電時の侵入熱が大きい電流リードを用いることになる)。このことからわかるように、電流通過量にあわせて電流リードを変えることができれば、今よりも侵入熱を小さくできるものの、通常の電流リードでは断面積を変化させることができない。
そこで、例えば電流リード中に開極部を設け、さらに開極部領域を真空断熱した構造により無通電時に電流リードからの侵入熱を低減する提案がなされている。(特許文献1および2参照)
特開平9−223621号公報 特開2001−148520号公報
特許文献1および2に提案されている電流リードでは、電流を通電しない場合に電流リードの一部を開極することにより電流リード中の伝導によって侵入する熱を遮断することができ、また、開極部を真空断熱することにより気体の対流などに起因する熱侵入も低減することができる。しかしながら、単純に真空領域に開極可能な接点部分を設けただけでは輻射による侵入熱を低減することができない。この真空中に開極した部分での侵入熱は以下のように見積もることができる(以下、実験物理学講座15「低温」、共立出版株式会社を参照のこと)。
まず、真空断熱空間中にある2つの物体間を通した侵入熱の大きさは、Stefan-Boltzmannの輻射の法則を用いることにより
熱侵入=5.67×10-12×εA(T2 4−T1 4) ・・・(1)
で与えられる。ここで、Aは真空断熱層内で向かい合った固体表面の面積(cm2)を表している。また、εは電極の材質から決まる係数であるが、真空断熱領域内面が例えばガラスなどの材料でできている場合、この係数は1程度である。従って、T2として300K、T1として液体窒素温度の77Kを代入すると、式(1)の値は
熱侵入〜0.046×A ・・・(2)
となることがわかる。ここで、真空断熱層中の開極部分の断面積を、遮断器の真空領域を参考にして200cm2程度とすると、電流リード1本あたりの熱侵入は、約9Wと見積もることができる。この値は先に述べた最適設計された600A級電流リード非通電時の熱侵入12Wと比べて著しく改善されているとはいえない。このように、真空断熱領域に開極部を設けるだけでは、電流を通電しない場合の侵入熱や大幅に低減することはできない。
本発明の目的は、低温領域への熱侵入を低減し、冷却に必要な動力を低減できる低温容器を提供することにある。
本発明の一態様に係る低温容器は、超電導体を冷却した状態に保持する容器部と、前記容器部に取り付けられた真空断熱部と、前記真空断熱部の内部空間に開極可能に配置された低温側電流リードおよび室温側電流リードと、前記真空断熱部の内部に配置された1つまたは複数の輻射シールドとを具備したことを特徴とする。
本発明の低温容器によれば、無通電時に、真空断熱部の内部空間で低温側電流リードと室温側電流リードを開極することによって伝導またはガス対流による侵入熱を低減するとともに、輻射シールドによって輻射による熱侵入も低減することができる。
(実施例1)
図1に低温容器の概略的な断面図を示す。容器部は容器本体1と蓋体2を含む。この蓋体2に2つの真空断熱部10、10が取り付けられる。容器本体1の内部には低温液体3(たとえば液体窒素)が収容され、この低温液体3に超電導体4が浸漬される。超電導体4は真空断熱部10、10に挿入されている低温側電流リードと接続される。本実施例では1対の真空断熱部10、10を設けて2本の電流リードを用いており、電力機器としてはいわゆる単相器となっている。
図2および図3に本実施例1における真空断熱部10の内部を示す。図2は接合時を示し、図3は開極時を示す。真空断熱部10は円筒状の断熱材からなっており、その内部空間には低温側電流リード11と室温側電流リード12が挿入されている。真空断熱部10の上部には、室温側電流リード12を上下に駆動させる駆動装置13が設けられている。なお、低温側電流リード11を駆動するようにしてもよい。駆動装置13によって、図2に示すように低温側電流リード11と室温側電流リード12を接合したり、図3に示すように低温側電流リード11と室温側電流リード12を開極したりすることができる。これらの部分は市販の真空遮断器を応用して作製している。
真空断熱部10の内部空間においては、低温側電流リード11および室温側電流リード12の周面と真空断熱部10の内壁との間に輻射シールド14が固定されている。図4の平面図に示すように、この輻射シールド14は中央に穴のあいたリング状の形状を有する。低温側電流リード11または室温側電流リード12は輻射シールド14の穴を貫通する。このように、輻射シールド14は室温側から低温側への輻射による熱侵入を抑制するように、室温側と低温側とをできるだけ隔離するように配置される。輻射シールド14の数は特に限定されず適宜の数が設けられ、配置位置も限定されない。
本実施例においては、低温側電流リード11と室温側電流リード12の接点以外の部分は600Aの通電容量で最適設計されている。
本実施例1の低温容器と、通常の600Aで最適設計した電流リードが設けられている低温容器(従来例)とを用い、侵入熱の大きさを調べる実験を行った。この実験では、低温容器内を液体窒素で満たし、始めの1時間の間600A、50Hzの連続通電を行なった。続いて電流を遮断し、5時間にわたり電流遮断状態を維持した。このとき、実施例1の低温容器では、低温側電流リード11と室温側電流リード12を開極した。この間の液体窒素の蒸発量(リットル)を測定した。図5に、液体窒素蒸発量の時間変化を示す。
図5からわかるように、どちらの低温容器でも、始めの1時間で約1.7リットルの液体窒素が蒸発している。この値と、液体窒素の蒸発潜熱(約160J/cm3)に基づいて電流リードからの熱侵入を見積もると、600A通電時にはどちらの低温容器でも約75Wの熱侵入があることがわかる。この値と、電流リードを設けないクライオスタットへの侵入熱(約10W)に基づいて電流リードからの熱侵入を見積もると、どちらの低温容器でも電流リードの最適設計値である約50W/1kAの値をほぼ達成していることがわかる。
しかし、電流を遮断した後には、従来例の低温容器と実施例1の低温容器とで、液体窒素蒸発量に大きな差がでる。従来例の低温容器では5時間で約4.3リットルの液体窒素が蒸発しており、熱侵入は約28Wであった。これに対して、実施例1の低温容器では5時間で約2.6リットルの液体窒素が蒸発しており、侵入熱は約13Wであった。これらの結果から、無通電時があるような個所へ適用する低温容器の場合、本実施例1の低温容器を用いることにより、電流リード部からの熱侵入を半分以下と大幅に低減できることが判明した。
次に、本実施例1の低温容器と、真空断熱部の輻射シールドを除去した以外は実施例1と同じ構造を有する低温容器(比較例)とを用い、上記と同様に侵入熱の大きさを調べる実験を行った。すなわち、始めの1時間の間600A、50Hzの連続通電を行なった後、いずれの低温容器でも低温側電流リード11と室温側電流リード12を開極し、5時間にわたり電流遮断状態を維持した。図6に、液体窒素蒸発量の時間変化を示す。
図6から、比較例の低温容器では、5時間の無通電時に蒸発した液体窒素は約3.95リットルであり、侵入熱は約25Wであることがわかった。この比較例のように輻射シールドを設けずに、単に真空断熱部の内部空間で低温側電流リード11と室温側電流リード12を開極できるようにしただけでは侵入熱を遮断する効果が少ない。これに対して、実施例1の低温容器は、比較例の低温容器と比べても、侵入熱を約半分にできることが確認された。
(実施例2)
図7および図8に本実施例2における真空断熱部10の内部を示す。図7は接合時を示し、図8は開極時を示す。図7および図8では、真空断熱部10の内壁に板バネ15が取り付けられ、板バネ15の先端に板状部材16が固定され、この板状部材16は低温側電流リード11と室温側電流リード12との間に配置されている。板バネ15に支持された板状部材16は接合時と開極時とで位置(高さ)が変化するようになっている。この板状部材16は厚さ5mmで、中央の接合部が導電体(この例では無酸素銅)で形成され、その周辺が熱伝導率の低い絶縁性材料(この例では繊維強化プラスチックFRP)で囲まれている。図7に示されるように、接合時には低温側電流リード11と板状部材16の中央接合部と室温側電流リード12とが接合している。図8に示されるように、開極時に室温側電流リード12を上方へ駆動すると、板状部材16の中央接合部は低温側電流リード11および室温側電流リード12の両方から電気的に切り離される。すなわち、低温側電流リード11と板状部材16の中央接合部との間および室温側電流リード12と板状部材16の中央接合部との間に合計2個所の開極部ができる。
本実施例2の低温容器と、上記実施例1の低温容器とを用い、上記と同じ条件で侵入熱の大きさを調べる実験を行った。すなわち、始めの1時間の間600A、50Hzの連続通電を行なった後、いずれの低温容器でも低温側電流リード11と室温側電流リード12を開極し、5時間にわたり電流遮断状態を維持した。図9に、液体窒素蒸発量の時間変化を示す。
図9から、実施例2の低温容器では、5時間の無通電時に蒸発した液体窒素は約2.2リットルであり、侵入熱は約9.5Wであることがわかった。このように、実施例2の低温容器は、実施例1の低温容器よりも無通電時の熱侵入がさらに小さくなった。
この理由は、実施例1では低温側電流リード11と室温側電流リード12の対向面間の輻射を低減できないのに対し、実施例2ではこの輻射を低減できるためである。実際に、実施例2の低温容器において各電極部分に熱電対を貼り付けて温度を測定したところ、板状部材16の表面温度は、低温側電流リード11と室温側電流リード12の中間の温度を示していた。このように、輻射熱による熱侵入を低減するためには、本実施例2のように低温部と室温部との中間に設けた板状部材16の温度がほとんど輻射によって決まることが重要である。このような構造では、輻射熱は低温部と室温部との中間に設けた板状部材16の枚数分の1に低減することができる。(実験物理学講座15「低温」、共立出版株式会社P81参照)。
(実施例3)
図10および図11に本実施例3における真空断熱部10の内部を示す。図10は接合時を示し、図11は開極時を示す。本実施例3においては、真空断熱部10の内部に、固定の遮蔽シールド14に加えて、移動機構(図示せず)によって移動可能な遮蔽シールド17が設けられている。図11に示すように、開極時には、移動可能な遮蔽シールド17は低温側電流リード11と室温側電流リード12との間に挿入される。
本実施例3の低温容器について上記と同じ条件で侵入熱の大きさを調べる実験を行った結果、侵入熱を約3Wまで下げられることがわかった。この侵入熱の値は、単に真空断熱部の内部空間で低温側電流リード11と室温側電流リード12を開極できるようにした比較例(実施例1の記載を参照のこと)の低温容器の約1/8に低減できていることを意味している。
(実施例4)
図12および図13に本実施例4における真空断熱部10の内部を示す。図12は接合時を示し、図13は開極時を示す。本実施例4においては、低温側電流リード11だけでなく室温側電流リード12も固定され、両者の間は離間している。また、真空断熱部10の内部に、固定の遮蔽シールド14に加えて、移動機構18によって水平方向に移動可能な遮蔽シールド19が設けられている。この遮蔽シールド19に接合部材20が取り付けられている。図12に示すように、接合時には遮蔽シールド19が低温側電流リード11と室温側電流リード12との間に挿入された状態で、低温側電流リード11および室温側電流リード12の側面に接合部材20が接合する。図13に示すように、開極時には低温側電流リード11および室温側電流リード12の側面から接合部材20が離れるが、遮蔽シールド19は低温側電流リード11と室温側電流リード12との間に挿入された状態を維持する。
本実施例4の低温容器について上記と同じ条件で侵入熱の大きさを調べる実験を行った結果、侵入熱は約5Wと見積もられた。この値は実施例3よりは若干大きいが、比較例の低温容器に比べると十分に小さい。しかも、本実施例4の低温容器は機構も簡単であるため、高い信頼性が期待される。
(実施例5)
図14および図15に本実施例5における真空断熱部10の内部を示す。図14は接合時を示し、図15は開極時を示す。これまでの実施例の低温容器は、電力供給形態が通常通電時と無通電という2つの場合を取る個所に対して適用するものである。しかし、このような低温容器は通電電流を減らしても零にすることはない個所に対して適用することはできない。これに対して、本実施例5の低温容器はこのような個所への適用を可能としたものである。本実施例5の低温容器は、実施例2の低温容器に加えて、低温側電流リード11と室温側電流リード12とを常時接続して小電流を通電させるバイパス電流リード21を有する。より具体的には、低温側電流リード11および室温側電流リード12は550Aで最適化されているのに対し、並列接続されたバイパス電流リード21は通常電流値50Aで設計されている。
本実施例5の低温容器について、低温側電流リード11と室温側電流リード12を開極し、バイパス電流リード21を通して50Aの通電を行った場合、電流リード1本あたりの侵入熱を約8Wにできることがわかった。一方、従来例の低温容器のように600Aで最適設計された電流リードを用いた場合、50A通電時でも電流リード1本あたり約30Wの侵入熱がある。このように、本実施例5のようにバイパス電流リード21をもつ低温容器は、従来例の低温容器と比較して、小電流通電時の電流リードからの侵入熱を大幅に低減できることがわかる。
本発明の実施形態に係る低温容器の概略的な断面図。 実施例1の低温容器における真空断熱部の接合時の状態を示す断面図。 実施例1の低温容器における真空断熱部の開極時の状態を示す断面図。 実施例1において用いられる輻射シールドの平面図。 実施例1の低温容器と従来例の低温容器について、液体窒素蒸発量の時間変化を示す図。 実施例1の低温容器と比較例の低温容器について、液体窒素蒸発量の時間変化を示す図。 実施例2の低温容器における真空断熱部の接合時の状態を示す断面図。 実施例2の低温容器における真空断熱部の開極時の状態を示す断面図。 実施例2の低温容器と実施例1の低温容器について、液体窒素蒸発量の時間変化を示す図。 実施例3の低温容器における真空断熱部の接合時の状態を示す断面図。 実施例3の低温容器における真空断熱部の開極時の状態を示す断面図。 実施例4の低温容器における真空断熱部の接合時の状態を示す断面図。 実施例4の低温容器における真空断熱部の開極時の状態を示す断面図。 実施例5の低温容器における真空断熱部の接合時の状態を示す断面図。 実施例5の低温容器における真空断熱部の開極時の状態を示す断面図。
符号の説明
1…容器本体、2…蓋体、3…低温液体、4…超電導体、10…真空断熱部、11…低温側電流リード、12…室温側電流リード、13…駆動装置、14…輻射シールド、15…板バネ、16…板状部材、17…輻射シールド、18…移動機構、19…輻射シールド、20…接合部材、21…バイパス電流リード。

Claims (5)

  1. 超電導体を冷却した状態に保持する容器部と、
    前記容器部に取り付けられた真空断熱部と、
    前記真空断熱部の内部空間に開極可能に配置された低温側電流リードおよび室温側電流リードと、
    前記真空断熱部の内部に配置された1つまたは複数の輻射シールドと
    を具備したことを特徴とする低温容器。
  2. 前記低温側電流リードまたは前記室温側電流リードを駆動させて開極する駆動装置を有することを特徴とする請求項1に記載の低温容器。
  3. 前記低温側電流リードと前記室温側電流リードとの間に配置され、開極時に前記低温側電流リードおよび前記室温側電流リードの両方から電気的に切り離される導電体を有することを特徴とする請求項1に記載の低温容器。
  4. 前記輻射シールドのうち少なくとも1つは、開極時に前記低温側電流リードと前記室温側電流リードとの間に挿入されるように、移動可能に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の低温容器。
  5. 前記低温側電流リードと前記室温側電流リードとを常時接続して小電流を通電させるバイパス電流リードを有することを特徴とする請求項1に記載の低温容器。
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