JP2006073703A - 積層電極およびエッチング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パーティクル発生の抑制とランニングコストの削減が同時に可能な積層電極、および、この積層電極を利用したエッチング方法を提供する。
【解決手段】積層電極10は、裏面のシャワー領域に、裏面から主面にかけて貫通する第1の複数のガス供給孔16が配置された第1の電極板12と、裏面のシャワー領域に、裏面から主面にかけて貫通する、第1の複数のガス供給孔16と同一の個数の、第2の複数のガス供給孔18が配置された第2の電極板14とが、両者の裏面のシャワー領域を互いに接触させて、第2の複数のガス供給孔18が第1のガス供給孔16から直線的に貫通しないように積層されている。そして、第1の電極板12と第2の電極板14との一方もしくは両方の、裏面のシャワー領域に溝を設けることにより、第2の複数のガス供給孔18を通じて供給されたプロセスガスを第1の複数のガス供給孔16に供給する水平経路22が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマエッチング装置の対向電極として用いられるシリコン(Si)製の積層電極、およびこの積層電極を用いたエッチング装置におけるエッチング方法に関するものである。
半導体装置の製造における酸化膜のプラズマエッチングでは、CF4、CHF3、CH22、C48などのフルオロカーボンガスにO2、COなどのガスを添加することによって、プラズマ中の過剰なフッ素を捕獲して活性種のC/F比を上げ、その結果、基板に対する高選択比(例えば、SiO2/Si選択比)を確保している。
この際、エッチング装置において、エッチング対象の半導体ウエハに対向する対向電極にはSi製のものが用いられる。それはフルオロカーボンや酸素ラジカルがSi製の電極を過剰に消耗しないこと、Si製の電極がプラズマ中の過剰なフッ素を捕獲し活性種のC/F比が上昇するため、基板に対する高選択比の確保に都合が良いこと等の理由による。
多くのプラズマエッチング装置では、プロセスガスが対向電極に開孔された複数の微細孔を通して供給されるが、このガス供給孔の内面にはプラズマ生成物(C−Fを主成分とするポリマー)が付着する。そして、このプラズマ生成物のエッチングレートはSi電極よりも遅いため、Si電極のエッチングが進行すると、付着したプラズマ生成物がガス供給孔から突出し、剥離する。これがパーティクルとなって半導体ウエハ上に付着すると、パターン不良を引き起こす。
このため、従来の平行平板型の反応性イオンエッチング装置では、パーティクル対策として、厚さが5mmのSi電極でも、1mm程度消耗したところで洗浄しなければならない。しかし、薬液を使用した洗浄やブラスト処理では、微細孔(直径0.2〜0.5mm)の内部まで完全に洗浄することができない。むしろ、不完全な洗浄状態のまま再使用すると、MWBC(Mean Wafers Between Cleaning)が不安定でさらに短くなる。このため、結局、新品電極を短時間使用の後に交換するというコスト的に問題のある運用方法が一般的である。
ここで、プラズマエッチング装置での使用によって消耗され、スクラップとなるSiの量を減らすため、薄いSi電極板を複数枚重ねて多層電極板を作製し、消耗時には、半導体ウエハに最も近い電極板のみを交換することが提案されている(特許文献1)。
また、プラズマCVD装置の電極において、反応室とガス供給路との間を仕切り、半導体ウエハに対向する抵抗板を、上板と下板とに分け、それぞれに設けたガスを通過させるためのスリットが直接連通しないように重ね、これらの間に設けた絞り部のガス流速を、半導体ウエハに向かって噴出する流速よりも速くすることが提案されている(特許文献2)。これによって、プラズマ領域で生成されたラジカルやイオンがガス供給ヘッドに侵入することが防止されるとしている。
さらに、分岐溝と、その先端に設けられた透孔とを有する管路板を、複数枚積層し、1つのガス供給孔から供給された処理ガスを、各管路板で階層的に分岐して供給するプラズマ処理方法が提案されている(特許文献3)。
特開2003−289064号公報 特開平11−265884号公報 特許第3501930号公報
ところで、特許文献1の多層電極板では、エッチングガスを供給するための貫通細孔が、多層電極板の厚さ方向の全体を貫通するように形成されている。このような積層電極を使用してプラズマエッチングを行うと、半導体ウエハに最も近い電極板の貫通細孔内のみではなく、他の電極板の貫通細孔内にも、プラズマ生成物が付着する。この付着した生成物が剥離するとパターン不良の原因となるため、プラズマ生成物除去のための洗浄が必要になる。薄いSi電極板を使用することにより、従来に比較すると、洗浄は容易である。しかし、この洗浄によって、半導体ウエハに最も近い電極板の貫通細孔のみではなく、他の電極板の貫通細孔も開口寸法が拡大する。この結果、エッチングガス供給特性が変化する。従って、特許文献1の多層電極板では、実際には、積層した複数のSi電極板の全てを交換することが必要になり、スクラップとなるSi量を減らすことはできない。
また、特許文献2には、プラズマCVD装置の電極として適した構造が示されているのみであり、Si製電極を使用するプラズマエッチング装置の電極として適した構造等についての記載は無い。特に、Si製電極に対してガス供給のためのスリットを形成することは困難である。スリットの代わりに、適当な間隔で管状の穴を設けてもよいとの記載もあるが、穴の寸法、個数、配置等についての具体的な記載は無い。
さらに、特許文献3の方法では、半導体基板に対向する最下層の管路板に、均一なガス供給のために必要な個数(通常は、数100個)の透孔を設けるためには、多数の管路板を積み重ねることが必要である。このため、特にSi製電極においては、これら多数の管路板のそれぞれに分岐溝や透孔を形成する加工のために、コストが増大する。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、パーティクル発生の抑制とランニングコストの削減が同時に可能な積層電極、および、この積層電極を利用したエッチング方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、エッチング装置において、被エッチング基板に対向し、該被エッチング基板との間の空間にプラズマを生成するためのシリコン製の電極であって、
主面と裏面とを有し、該裏面のシャワー領域に、該裏面から主面にかけて厚さ方向に直線的に貫通する第1の複数のガス供給孔が配置された第1の電極板と、
主面と裏面とを有し、該裏面のシャワー領域に、該裏面から主面にかけて厚さ方向に直線的に貫通する、前記第1の複数のガス供給孔と同一の個数の、第2の複数のガス供給孔が配置された第2の電極板とを、両者の裏面のシャワー領域を互いに接触させて、該第2の複数のガス供給孔が前記第1のガス供給孔から直線的に貫通しないように積層するとともに、
前記第1の電極板と第2の電極板との一方もしくは両方の、前記裏面のシャワー領域に溝を設けることにより、前記第2の複数のガス供給孔を通じて供給されたプロセスガスを前記第1の複数のガス供給孔に供給する水平経路を形成し、前記第2の複数のガス供給孔、水平経路、および第1の複数のガス供給孔を介して、前記被エッチング基板との間の空間に前記プロセスガスを供給することを可能にした積層電極を提供するものである。
ここで、前記水平経路が、該水平経路内の前記プロセスガスの流速が前記第1の複数のガス供給孔内の流速以下になる寸法を有することが好ましい。
また、前記第2のガス供給孔が前記第1のガス供給孔と同一の開口寸法を有することが好ましい。
また、前記第2の電極板の少なくとも前記水平経路を形成する部分に耐プラズマ性コーティングがなされ、前記第1の電極板の主面には、前記シャワー領域に対応する領域の全体においてシリコンが露出していることが好ましい。
また、本発明は、被エッチング基板をエッチング処理する方法であって、
主面と裏面とを有し、該裏面のシャワー領域に、該裏面から主面にかけて厚さ方向に直線的に貫通する第1の複数のガス供給孔が配置された第1のシリコン製電極板と、
主面と裏面とを有し、該裏面のシャワー領域に、該裏面から主面にかけて厚さ方向に直線的に貫通する第2の複数のガス供給孔が配置された第2のシリコン製電極板とを、両者の裏面のシャワー領域を互いに接触させて、該第2のガス供給孔が前記第1のガス供給孔から直線的に貫通しないように積層するとともに、
前記第1の電極板と第2の電極板との一方もしくは両方の、前記裏面のシャワー領域に溝を設けることにより、前記第2の複数のガス供給孔を通じて供給されたプロセスガスを前記第1の複数のガス供給孔に供給する第1の水平経路を形成して第1の積層電極とし、
前記第1の積層電極を、前記第1の電極板の主面が前記被エッチング基板に対向するように設置し、前記第2の複数のガス供給孔、第1の水平経路、および第1の複数のガス供給孔を介して前記被エッチング基板と該第1の積層電極との間の空間にプロセスガスを供給して該空間にプラズマを生成し、該被エッチング基板をエッチング処理する工程と、
前記プラズマによって前記第1の電極板が消耗した後には、
前記第2の電極板と、
主面と裏面とを有し、該裏面のシャワー領域に、該裏面から主面にかけて厚さ方向に直線的に貫通する第3の複数のガス供給孔が配置された第3のシリコン製電極板とを、両者の裏面のシャワー領域を互いに接触させて、該第3の複数のガス供給孔が前記第2のガス供給孔から直線的に貫通しないように積層するとともに、
前記第2の電極板と第3の電極板との一方もしくは両方の、前記裏面のシャワー領域に溝を設けることにより、前記第3の複数のガス供給孔を通じて供給されたプロセスガスを前記第2の複数のガス供給孔に供給する第2の水平経路を形成して第2の積層電極とし、
前記第2の積層電極を、前記第2の電極板の主面が前記被エッチング基板に対向するように設置し、前記第3の複数のガス供給孔、第2の水平経路、および第2の複数のガス供給孔を介して前記被エッチング基板と該第2の積層電極との間の空間にプロセスガスを供給して該空間にプラズマを生成し、該被エッチング基板をエッチング処理する工程とを有することを特徴とするエッチング方法を提供する。
ここで、前記第3の電極板が、プラズマによって消耗する以前の前記第1の電極板と同一の形状を有することが好ましい。
また、前記第2の電極板および第3の電極板が、プラズマによって消耗する以前の前記第1の電極板と同一の形状を有することが好ましい。
また、前記第2の電極板の、少なくとも前記第1の水平経路を形成する部分に耐プラズマ性コーティングがなされ、前記主面には、前記シャワー領域に対応する領域の全体においてシリコンが露出していることが好ましい。
本発明の積層電極によれば、水平経路の加工も、その内部の洗浄も容易である。また、洗浄の際には、第1の電極板と第2の電極板とを個別に洗浄することができ、第1のガス供給孔および第2のガス供給孔のアスペクト比が従来よりも緩和されるため、その内部の洗浄も容易である。このように、プラズマ生成物を除去することが容易であり、洗浄性を向上させることができるため、被エッチング基板のエッチング時にパーティクルが発生することを抑制することができる。
また、第1のガス供給孔と第2のガス供給孔とが直線的に貫通していないため、第2のガス供給孔の内部にプラズマ生成物が付着することを防止することができるか、少なくとも、大幅に低減することができる。このため、第2の電極板の洗浄頻度を低減させることができ、主に第1の電極板の洗浄や交換だけを行えばよいため、メンテナンスの負担とSi電極の消耗によるコストの上昇を抑えることができる。
上記のように、パーティクルの発生抑制とメンテナンスの容易さは、歩留まりの向上とMWBCの延長をもたらし、1ウエハ当たりのランニングコストを大幅に削減することができる。
また、第1の電極板および第2の電極板の裏面のシャワー領域を(水平経路を設けるために溝を形成した部分を除いて)互いに接触させて積層することによって、第1の電極板と第2の電極板との間の熱伝導を良好にすることができる。これにより、被エッチング基板のエッチング時に、クーリングプレートによって第1の電極板の温度上昇を制御することが可能となるため、常に安定した環境で被エッチング基板のエッチングを行うことができる。
また、本発明のエッチング方法によれば、プラズマによって消耗する第1の電極板のみの交換を何回か繰り返す間に、第2の電極板についても何回か洗浄を行い、第2の電極板がある程度消耗した時点で、第2の電極板を被エッチング基板に対向する側に配置してエッチング処理を継続することによって、廃棄されるSi量を最小限に削減することができる。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の積層電極およびエッチング方法を詳細に説明する。
図1は、本発明の積層電極の構成を表す一実施形態の横断面図、図2(a)および(b)は、その第1の電極板および第2の電極板のシャワー領域の構成を表す平面図である。図1に示す積層電極10は、プラズマエッチング装置において、半導体ウエハ等の被エッチング基板に対向して配置され、被エッチング基板との間の空間にプラズマを生成するためのシリコン製の電極であって、図1中、下側に配置された円形状の第1の電極板12と、上側に配置された円形状の第2の電極板14とから構成されている。
ここで、第1の電極板12には、図1および図2(a)に示すように、その裏面(図1中上側の面)のシャワー領域に、裏面から主面(同下側の面)にかけて厚さ方向に直線的に貫通する第1の複数のガス供給孔16が配置(開孔)されている。なお、図2(a)には、その1辺の長さが第1のガス供給孔16同士の間の間隔に等しい長さを持つ所定寸法の複数の正方形を描くように仮想的なガイドライン24が示されている。第1のガス供給孔16は、ガイドライン24の各々の交点に配置されている。
同様に、第2の電極板14には、図1および図2(b)に示すように、その裏面(図1中下側の面)のシャワー領域に、裏面から主面(同上側の面)にかけて厚さ方向に直線的に貫通する、第1の複数のガス供給孔16と同一の個数の、第2の複数のガス供給孔18が配置(開孔)されている。同様に、図2(b)にも、その1辺の長さが第2のガス供給孔18同士の間の間隔に等しい長さを持つ所定寸法の複数の正方形を描くように仮想的なガイドライン26が示されている。第2のガス供給孔18は、ガイドライン26の各々の交点に配置されている。
なお、上記ガイドライン24によって描かれている正方形の寸法と、ガイドライン26によって描かれている正方形の寸法は同じである。すなわち、積層電極10において、第1のガス供給孔16の配置間隔と、第2のガス供給孔18の配置間隔は同じである。
図2(b)に示すように、第2の電極板14の裏面のシャワー領域には、その左端が第2のガス供給孔18と接続され、第2のガス供給孔18同士の間の間隔よりも短い長さの、第2の複数のガス供給孔18と同一の個数の、複数の溝20が形成されている。なお、図2(b)において、溝20は、ガイドライン26の各々の交点から、その右側に位置する交点に向かって延びている。後述するように、溝20の右端には、第1のガス供給孔16が接続される。
第1の電極板12と第2の電極板14とは、両者の裏面のシャワー領域を互いに接触させて、第2の複数のガス供給孔18が、第1の複数のガス供給孔16から直線的に貫通しないように積層されている。このように第1の電極板12と第2の電極板14とを積層することによって、溝20と第1の電極板12の裏面の溝20に対向する部分とによって、第2の複数のガス供給孔18を通じて供給されたプロセスガスを第1の複数のガス供給孔16に供給する水平経路22が形成される。
上記水平経路22の内部、すなわち溝20の内部および第1の電極板12の裏面の溝20に対向する部分には耐プラズマ性コーティング28が施されている。耐プラズマ性コーティング28は、例えばSiCx、SiNy、SiCxyなどのように、Siよりも浸食されにくい材質のものが用いられる。Si表面では、Si+CFx→SiFx+Cの反応によりCを含むプラズマ生成物が付着すると考えられるが、耐プラズマ性コーティング28を施すことによって、プラズマ生成物の付着を抑制することができる。
図2(a)および(b)に示すように、ガイドライン26は、ガイドライン24よりも、電極の中心から水平経路22の長さに相当する間隔だけ左側に位置している。上記の通り、第2のガス供給孔18は、水平経路22の左端に接続するように開孔されている。このため、第1のガス供給孔16が、水平経路22の右端に接続されるように位置を合わせて第1の電極板12と第2の電極板14とを積層することによって、第2のガス供給孔18は、水平経路22によって第1のガス供給孔16に接続される。
また、図1に示す例では、第2の電極板14の上部にクーリングプレート30が配置されている。クーリングプレート30は、その内部の所定箇所に配設された複数の循環経路32を循環する冷媒によって常時所定温度に調節され、被エッチング基板のエッチング時にイオン等の衝撃によって加熱される積層電極10を所定温度に冷却するものである。クーリングプレート30には、第2の電極板14に開孔されている第2のガス供給孔18に対応する位置に複数のガス供給孔34が開孔されている。
クーリングプレート30の上部には、3種類のガス拡散板36,38,40が配置されている。ガス拡散板36,38,40は、エッチング時に供給されるプロセスガスを均一に拡散させるためのものである。
被エッチング基板のエッチング時には、プロセスガスが、ガス分散板36の上部から供給され、3種類のガス分散板36,38,40によって均一に分散される。そして、均一に分散されたプロセスガスは、クーリングプレート30の複数のガス供給孔34、積層電極10の第2の複数のガス供給孔18、複数の水平経路22、第1の複数のガス供給孔16の各々を通して、積層電極10(第1の電極板12)と被エッチング基板との間の空間に供給される。
上記の通り、積層電極10は、第1の電極板12と第2の電極板14とから構成される2分割積層構造であり、水平経路22は、第1の電極板12と第2の電極板14との界面に形成される。
このため、水平経路22の加工も、その内部の洗浄も容易である。また、洗浄の際には、第1の電極板12と第2の電極板14とを個別に洗浄することができる。第1のガス供給孔16および第2のガス供給孔18のアスペクト比が従来よりも緩和されるため、その内部の洗浄も容易である。このように、プラズマ生成物を除去することが容易であり、洗浄性を向上させることができるため、被エッチング基板のエッチング時にパーティクルが発生することを抑制することができる。
また、第1のガス供給孔16と第2のガス供給孔18とが直線的に貫通していないため、第2のガス供給孔18の内部にプラズマ生成物が付着することを防止することができるか、少なくとも、大幅に低減することができる。また、耐プラズマ性コーティング28によって、水平経路22の内部にプラズマ生成物が付着することも抑制することができる。このため、第2の電極板14の洗浄頻度を低減することができる。従って、主に第1の電極板12の洗浄や交換だけを行えばよいため、メンテナンスの負担とSi電極の消耗によるコストの上昇を抑えることができる。
上記のように、パーティクルの発生抑制とメンテナンスの容易さは、歩留まりの向上とMWBCの延長をもたらし、1ウエハ当たりのランニングコストを大幅に削減することができる。
なお、耐プラズマ性コーティング28は、第2の電極板14の洗浄頻度を低減する目的のためには、第2の電極板14の、少なくとも水平経路22を形成する部分に施されていればよい。水平経路22の内部全体に耐プラズマ性コーティングを施す場合、マスクを使用して、第1の電極板12の裏面の、溝20に対向する部分のみに耐プラズマ性コーティングを施してもいい。しかし、第1の電極板12の裏面の全面に耐プラズマ性コーティングを施す方がコスト的に有利である。
これに対し、第1の電極板12の主面には、耐プラズマ性コーティングを施さず、シャワー領域に対応する領域の全体においてシリコンが露出していることが好ましい。これにより、耐プラズマ性コーティング28に起因する汚染を防止することができる。
また、第1の電極板12および第2の電極板14の裏面のシャワー領域を(水平経路22を設けるために溝20を形成した部分を除いて)互いに接触させて積層することによって、第1の電極板12と第2の電極板14との間の熱伝導を良好にすることができる。これにより、被エッチング基板のエッチング時に、クーリングプレート30によって第1の電極板12の温度上昇を制御することが可能となるため、常に安定した環境で被エッチング基板のエッチングを行うことができる。
なお、水平経路22は、第2の電極板14および第1の電極板12の一方だけに溝を設けて形成してもよいし、その両方に溝を設けて形成することも可能である。水平経路22は、さまざまな形状とすることが可能である。また、第1のガス供給孔16と第2のガス供給孔18とを1対1に対応させることも必須ではない。ただし、上記第1の電極板12の温度制御のためには、水平経路22が設けられる部分の面積を小さくし、第1の電極板12と第2の電極板14とを大きな面積で接触させることが好ましい。
さらに、第1のガス供給孔16および第2のガス供給孔18の個数を同じにすることも必須では無い。しかし、図3に示すように、第1の電極板12が消耗して新品と交換することが必要になり、第2の電極板14についても洗浄によってある程度消耗した場合に、図4に示すように、新品に交換した第1の電極板12を上側、第2の電極板14を下側に配置して、使用することを可能にするためには、第1のガス供給孔16および第2のガス供給孔18の個数を同じにすることが好ましい。もしくは、少なくとも、実質的に同一のガス供給特性が得られる程度に近似した個数にすることが好ましい。
第1の電極板12と第2の電極板14の上下の配置を入れ替える場合、図1および図4に示す例では、クーリングプレート28のガス供給孔34の位置が異なっているが、クーリングプレート28は、例えばAl製で半永久的に使用できるため、第1の電極板12用および第2の電極板14用の2種類のクーリングプレートを取り替えて使用することによって対応可能である。あるいは、第1の電極板12用および第2の電極板14用それぞれのねじ穴をクーリングプレートに空けておき、必要に応じて適宜ねじ穴を使い分けることでも対応可能である。
なお、第1の電極板12および第2の電極板14の外径、シャワー径および厚さ、第1のガス供給孔16および第2のガス供給孔18のホール径、ホールピッチおよび穴数、水平経路22の断面寸法および長さなどは必要に応じて適宜変更してもよい。例えば、第1のガス供給孔16および第2のガス供給孔18は、同一の開口寸法とすることが好ましい。これにより、第1の電極板12を上側に配置し、第2の電極板14下側に配置した場合にも、同一のガス供給特性を得ることができる。
また、水平経路22は、水平経路22内のプロセスガスの流速が、第1のガス供給孔16内での流速以下になる寸法とすることが好ましい。特許文献2が対象とするプラズマCVDとは異なり、プラズマエッチング装置の電極においては、第1の電極板12と第2の電極板14との間に、プロセスガスの流速を速くする絞り部を設ける必要はない。むしろ、第1の電極板12と第2の電極板14とを積層する際の位置ずれや、プラズマエッチング装置内での使用の際の熱による変形等によって、高い寸法精度を保つことが困難である場合、水平経路22の断面寸法を、第1のガス供給孔16および第2のガス供給孔18の断面寸法よりも大きくし、その部分でのプロセスガスの流速を低くした方が、プロセスガス供給量の均一性および安定性を高めるためには好ましい。
次に、本発明のエッチング方法に従って、被エッチング基板をエッチング処理する場合の工程を説明する。
まず、図1に示す積層電極10を使用して、被エッチング基板をエッチング処理する。すなわち、図1に示すように、第1の電極板12を下側、第2の電極板14を上側に配置して積層し、第2の複数のガス供給孔18、複数の水平経路22、および第1の複数のガス供給孔16の各々を介して、被エッチング基板と積層電極10(第1の電極板12の主面)との間の空間にプロセスガスを供給してプラズマを生成し、被エッチング基板をエッチング処理する。
続いて、被エッチング基板を処理することを繰り返し行う。この結果、図3に示すように、プラズマによって第1の電極板12が消耗する。この場合、第1の電極板12のみを新品と交換し、上記と同様に次の被エッチング基板をエッチング処理する。
積層電極10においても、第1の電極板12を被エッチング基板に対向する側にしてエッチング処理を行う間に、第2のガス供給孔18内にも少量のプラズマ生成物の付着が起きることは避けにくい。従って、付着したプラズマ生成物を除去するための洗浄が必要になる。これによって、第2の電極板14についても、第2のガス供給孔18の開口寸法拡大や、板厚減少が起きる。
従って、第1の電極板12が消耗した場合、第1の電極板12のみの交換を何回か繰り返すとともに、第2の電極板14についても何回か洗浄を行い、第2の電極板14がある程度消耗した時点で、交換した新品の第1の電極板12(本発明のいう第3の電極板)を上側、第2の電極板14を下側に配置してエッチング処理を継続する。これを、第1の電極板12と第2の電極板14の上下の配置を入れ替えながら繰り返し行うことによって、廃棄されるSi量を最小限に削減することができる。
なお、第1の電極板12、第2の電極板14、および交換する電極板(すなわち、第3の電極板)は、プラズマによって消耗する以前の第1の電極板12と同一の形状であることが好ましい。水平経路22を形成するための溝20を、互いに接触する第1の電極板12および第2の電極板14の両方のシャワー領域に形成し、積層される第1の電極板12および第2の電極板14の形状を同一にそろえることにより、製造コストおよび管理コストを低減することができる。
一般的な平行平板型のRIE(リアクティブイオンエッチング)装置において、CF4−C4−CO、Ar系のガスを用いて、6インチの半導体ウエハ上に形成された厚さ1.0μmのCVD酸化膜に対し直径0.25μmのコンタクトホールを開口する処理を、複数のウエハに対して連続的に実施した。この時、平均的な0.18μm径以上のパーティクルの増加量とSi電極の消耗コストを比較した。RIE装置で使用した本発明の積層電極および従来のSi電極の構成と、両者の比較結果を下記表1に示す。
Figure 2006073703
上記表1の通り、本発明の積層電極であれば、従来のSi電極と比べてパーティクルの発生レベルも、Si電極の消耗コストも大幅に削減することができることが分かった。特に、Si電極の消耗コストは従来の半分以下に抑えることができた。ここで、Si電極消耗コストの比較は、10000枚のウエハを処理する間に使用した電極のコストを比較することによって行った。10000枚のウエハを処理する間に、従来技術においては5ないし6枚の電極板を必要とした。この場合、MWBCの不安定化を防ぐため、電極板の洗浄は行わず、パーティクルレベルが許容範囲の上限値に達した時点で新品に交換した。これに対して本発明の場合には、第1の電極板については、定期的に洗浄を行いながら使用した結果、1枚の電極板で約9000枚のウエハを処理することができた。すなわち、約1.1枚の電極板で10000枚のウエハを処理することができた。一方、第2の電極板については、10000枚のウエハを処理する間、交換の必要性は発生しなかった。
本発明は、基本的に以上のようなものである。
以上、本発明の積層電極およびエッチング方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の積層電極の構成を表す一実施形態の横断面図である。 (a)および(b)は、図1に示す積層電極の第1の電極板および第2の電極板のシャワー領域の構成を表す平面図である。 図1に示す積層電極の第1の電極板が消耗した状態を表す横断面図である。 本発明の積層電極の構成を表す別の実施形態の横断面図である。
符号の説明
10 積層電極
12,14 電極板
16,18,34 ガス供給孔
24,26 ガイドライン
28 耐プラズマ性コーティング
30 クーリングプレート
32 循環経路
36,38,40 ガス拡散板

Claims (4)

  1. エッチング装置において、被エッチング基板に対向し、該被エッチング基板との間の空間にプラズマを生成するためのシリコン製の電極であって、
    主面と裏面とを有し、該裏面のシャワー領域に、該裏面から主面にかけて厚さ方向に直線的に貫通する第1の複数のガス供給孔が配置された第1の電極板と、
    主面と裏面とを有し、該裏面のシャワー領域に、該裏面から主面にかけて厚さ方向に直線的に貫通する、前記第1の複数のガス供給孔と同一の個数の、第2の複数のガス供給孔が配置された第2の電極板とを、両者の裏面のシャワー領域を互いに接触させて、該第2の複数のガス供給孔が前記第1のガス供給孔から直線的に貫通しないように積層するとともに、
    前記第1の電極板と第2の電極板との一方もしくは両方の、前記裏面のシャワー領域に溝を設けることにより、前記第2の複数のガス供給孔を通じて供給されたプロセスガスを前記第1の複数のガス供給孔に供給する水平経路を形成し、前記第2の複数のガス供給孔、水平経路、および第1の複数のガス供給孔を介して、前記被エッチング基板との間の空間に前記プロセスガスを供給することを可能にした積層電極。
  2. 前記水平経路が、該水平経路内の前記プロセスガスの流速が前記第1の複数のガス供給孔内の流速以下になる寸法を有することを特徴とする請求項1記載の積層電極。
  3. 前記第2の電極板の少なくとも前記水平経路を形成する部分に耐プラズマ性コーティングがなされ、前記第1の電極板の主面には、前記シャワー領域に対応する領域の全体においてシリコンが露出していることを特徴とする請求項1または2に記載の積層電極。
  4. 被エッチング基板をエッチング処理する方法であって、
    主面と裏面とを有し、該裏面のシャワー領域に、該裏面から主面にかけて厚さ方向に直線的に貫通する第1の複数のガス供給孔が配置された第1のシリコン製電極板と、
    主面と裏面とを有し、該裏面のシャワー領域に、該裏面から主面にかけて厚さ方向に直線的に貫通する第2の複数のガス供給孔が配置された第2のシリコン製電極板とを、両者の裏面のシャワー領域を互いに接触させて、該第2のガス供給孔が前記第1のガス供給孔から直線的に貫通しないように積層するとともに、
    前記第1の電極板と第2の電極板との一方もしくは両方の、前記裏面のシャワー領域に溝を設けることにより、前記第2の複数のガス供給孔を通じて供給されたプロセスガスを前記第1の複数のガス供給孔に供給する第1の水平経路を形成して第1の積層電極とし、
    前記第1の積層電極を、前記第1の電極板の主面が前記被エッチング基板に対向するように設置し、前記第2の複数のガス供給孔、第1の水平経路、および第1の複数のガス供給孔を介して前記被エッチング基板と該第1の積層電極との間の空間にプロセスガスを供給して該空間にプラズマを生成し、該被エッチング基板をエッチング処理する工程と、
    前記プラズマによって前記第1の電極板が消耗した後には、
    前記第2の電極板と、
    主面と裏面とを有し、該裏面のシャワー領域に、該裏面から主面にかけて厚さ方向に直線的に貫通する第3の複数のガス供給孔が配置された第3のシリコン製電極板とを、両者の裏面のシャワー領域を互いに接触させて、該第3の複数のガス供給孔が前記第2のガス供給孔から直線的に貫通しないように積層するとともに、
    前記第2の電極板と第3の電極板との一方もしくは両方の、前記裏面のシャワー領域に溝を設けることにより、前記第3の複数のガス供給孔を通じて供給されたプロセスガスを前記第2の複数のガス供給孔に供給する第2の水平経路を形成して第2の積層電極とし、
    前記第2の積層電極を、前記第2の電極板の主面が前記被エッチング基板に対向するように設置し、前記第3の複数のガス供給孔、第2の水平経路、および第2の複数のガス供給孔を介して前記被エッチング基板と該第2の積層電極との間の空間にプロセスガスを供給して該空間にプラズマを生成し、該被エッチング基板をエッチング処理する工程とを有することを特徴とするエッチング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007005491A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Tokyo Electron Ltd 電極アッセンブリ及びプラズマ処理装置
JP2011129556A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Mitsubishi Materials Corp プラズマ処理装置用電極板
JP2011171763A (ja) * 2011-05-09 2011-09-01 Tokyo Electron Ltd 電極アッセンブリ及びプラズマ処理装置

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