JP2006073646A - パルスレーザ発振方法およびパルスレーザ発振器 - Google Patents

パルスレーザ発振方法およびパルスレーザ発振器 Download PDF

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Michinobu Mizumura
通伸 水村
Koichi Kajiyama
康一 梶山
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Abstract

【課題】 簡単な構成により、2種類の特性の異なるパルスレーザを容易、確実に発生させる。
【解決手段】 パルスレーザ発振器1は、対向配置された全反射ミラー2と出力ミラー3との間にレーザ媒質4を設置してなるレーザ共振器5と、前記レーザ媒質4を励起させる半導体レーザ(LD)6と、全反射ミラー2と出力ミラー3との間に設置されたEO−Qスイッチ8およびAO−Qスイッチ9と、EO−Qスイッチ8およびAO−Qスイッチ9をそれぞれ駆動するEO−Qスイッチドライバ16およびAO−Qスイッチドライバ17と、EO−Qスイッチドライバ16とAO−Qスイッチドライバ17とを切換スイッチ18aによって切り換えて動作させると共に、前記半導体レーザ6を動作させるコントローラ18とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示装置等の電子回路基板に生じた欠陥部等を修正する際に好適に使用可能なレーザ加工装置におけるパルスレーザ発振方法およびパルスレーザ発振器に関するものである。
従来、励起光源によって励起されるレーザ媒質の両側に全反射ミラーと出力ミラーとを配置してなるレーザ共振器内に、電気光学的素子を用いたQスイッチ、音響光学的素子を用いたQスイッチや機械的なQスイッチのいずれか一種類のQスイッチを設置し、前記レーザ媒質によってレーザ共振器内に発生する連続発振レーザ光を変調してパルス化して前記出力ミラーから出力させるようにしたパルスレーザ発振器が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開平11−354876号公報 特開2002ー189201号公報
例えば、半導体基板に形成された配線の断線部を補修する場合や、液晶表示装置のカラーフィルタの欠陥部を修正する場合等のように、それらの修正工程の途上で加工箇所の材質、状態の違いに応じて、2種類の特性の異なるパルス波(例えば、高出力で短いパルス波ものと比較的低出力で長いパルス波など)を有するパルス発振レーザ光を、それらの半導体基板やカラーフィルタにレーザ加工装置から照射して効率よく所要の処理を行うことが要求される。しかし、前記従来のパルスレーザ発振器においては、レーザ共振器から出力されるパルス発振レーザ光の特性が、レーザ共振器内に設置された一種類のQスイッチによって限定されたものとなるため、前記レーザ加工装置による処理の要求に対応するには、2種類の特性の異なるパルス発振レーザ光を個々に発生させるパルスレーザ発振器を備えた2台のレーザ加工装置を用意したり、1台のレーザ加工装置に、2種類の特性の異なるパルス発振レーザ光を個々に発生させる2台のパルスレーザ発振器を備えたりする必要があり、レーザ加工装置の構成が複雑となったり、設備経費が増大する問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、簡単な構成により、2種類の特性の異なるパルス発振レーザ光を容易、確実に発生させることができるパルスレーザ発振方法およびパルスレーザ発振器を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために、以下の点を特徴としている。
すなわち、請求項1に係るパルスレーザ発振方法は、レーザ発振器の1つのレーザ共振器内に立上り時間の短い第1のQスイッチと立上り時間の長い第2のQスイッチを設け、これらのQスイッチを切り換えて動作させることにより、ピーク出力、パルス幅およびパルス発生周期が異なる2種類のパルス発振レーザ光を前記レーザ共振器から発生させることを特徴としている。
このパルスレーザ発振方法においては、前記第2のQスイッチが開放された状態で、前記第1のQスイッチが開閉されるときには、この第1のQスイッチの作用によってピーク出力が大きく、パルス幅が狭く、パルス発生周期が長いパルス発振レーザ光がレーザ共振器から出力され、また、前記第1のQスイッチが開放された状態で、前記第2のQスイッチが開閉されるときには、この第2のQスイッチの作用によってピーク出力が小さく、パルス幅が広く、パルス発生周期が短いパルス発振レーザ光が前記レーザ共振器から出力されるので、これらの特性の異なるパルス発振レーザ光が目的とする被加工部に照射されて、該被加工部が適切に加工される。
請求項2に係るパルスレーザ発振器は、対向配置された全反射ミラーと出力ミラーとの間にレーザ媒質を設置してなるレーザ共振器と、前記レーザ媒質を励起させる励起光源と、前記全反射ミラーと出力ミラーとの間に設置された立上り時間の短い第1のQスイッチおよび立上り時間の長い第2のQスイッチと、該第1のQスイッチおよび第2のQスイッチをそれぞれ駆動する第1のQスイッチドライバおよび第2のQスイッチドライバと、該第1のQスイッチドライバと第2のQスイッチドライバとを切り換えて動作させると共に前記励起光源を動作させるコントローラとを備えていることを特徴としている。
このパルスレーザ発振器においては、前記コントローラによって前記第2のQスイッチドライバを介して前記第2のQスイッチが開放された状態で、前記第1のQスイッチドライバを介して前記第1のQスイッチが開閉されるときには、この第1のQスイッチの作用によってピーク出力が大きく、パルス幅が狭く、パルス発生周期が長いパルス発振レーザ光がレーザ共振器から出力され、また、前記第1のQスイッチドライバを介して前記第1のQスイッチが開放された状態で、前記第2のQスイッチドライバを介して前記第2のQスイッチが開閉されるときには、この第2のQスイッチの作用によってピーク出力が小さく、パルス幅が広く、パルス発生周期が短いパルス発振レーザ光が前記レーザ共振器から出力されるので、請求項1に係るパルスレーザ発振方法が確実に実施される。
請求項3に係るパルスレーザ発振器は、請求項1または2に記載のパルスレーザ発振器において、前記励起光源は、前記レーザ共振器の光軸と同一の軸上にあって、レーザ共振器の外部における前記全反射ミラー側に配置され、集光器を通して前記レーザ媒質の端面にレーザ光を照射するようになっていることを特徴としている。
本発明によれば、以下の優れた効果を奏する。
請求項1に係るパルスレーザ発振方法および請求項2に係るパルスレーザ発振器によれば、前記第1のQスイッチと前記第2のQスイッチとを切り換えて動作させるだけの簡単な構成により、2種類の特性の異なるパルス発振レーザ光を容易、確実に発生させることができる。したがって、このパルス発振方法およびパルスレーザ発振器を使用した1つのレーザ加工装置によって2種類の特性の異なるパルス発振レーザ光のいずれかを、加工目的に応じて選択して被加工部に照射し、該被加工部を効率よく、適切に加工することができる。
請求項3に係るパルスレーザ発振器によれば、レーザ共振器と励起光源の光学系の光軸が一致されてレーザ発振器を構成する機器が一直線上に配置されるので、レーザ発振器の構造が簡単となって、それらの構成機器の組立精度を高めることができて、パルス発信レーザ光の出射精度を向上させることができる。
以下、本発明の一実施の形態に係るパルスレーザ発振器について図1を参照して説明する。
図1において、1は本発明の一実施の形態に係るパルスレーザ発振器である。該パルスレーザ発振器1は、対向配置された全反射ミラー2と出力ミラー3との間にレーザ媒質4を配置してなるレーザ共振器5を備えている。前記レーザ媒質4は、固体レーザ媒質であるNd:YAGロッドからなり、その中心軸が前記全反射ミラー2と出力ミラー3の光学系の光軸Sに一致されて全反射ミラー2に近接して設けられている。前記レーザ共振器5の外部であって前記全反射ミラー2の前側(図1で左側)には、前記光軸Sと同一の軸上に励起光源である半導体レーザ(LD)6が配置され、該半導体レーザ6と前記全反射ミラー2との間には、コリメートレンズ7aと円柱レンズ7bとフォーカスレンズ7cとからなる集光器7が設けられ、該集光器7と全反射ミラー2を通して、前記半導体レーザ6からのレーザ光(励起光)が前記レーザ媒質4の一端面(図1の左端面)に照射されるようになっている。
前記全反射ミラー2は、例えば、前記半導体レーザ6からの波長808nmのレーザ光を透過させて前記レーザ媒質4の一端面に入射させ、レーザ共振器5内で出力された波長1064nmのレーザ光を100%反射させるようになっており、また、前記出力ミラー3は、例えば、前記波長1064nmのレーザ光を約96%反射させ、約4%透過させるようになっている。
また、前記レーザ媒質4と前記出力ミラー3との間には、第1のQスイッチである電気光学素子を用いたQスイッチ(以下「EO−Qスイッチ」という)8がレーザ媒質4側に位置して、第2のQスイッチである音響光学素子を用いたQスイッチ(以下「AO−Qスイッチ」という)9が出力ミラー3側に位置して、それぞれ、それらの光軸を前記光軸Sに一致させて設けられている。そして、前記レーザ媒質4と前記EO−Qスイッチ8との間にはポラライザ10がその中心軸を前記光軸Sに一致させて配置されている。さらに、前記レーザ共振器5の外側である出力ミラー3の後側(図1で右側、レーザ出力の下流側)には、LBO結晶からなる第2高調波生成素子(SHG素子)11とLBO結晶からなる第3高調波生成素子(THG素子)12とが、それらの中心軸を前記光軸Sに一致させて、SHG素子11を出力ミラー3側に位置させて設けられている。
前記全反射ミラー2、出力ミラー3、レーザ媒質4、半導体レーザ6、集光器7、EO−Qスイッチ8、AO−Qスイッチ9、ポラライザ10、SHG素子11、THG素子12は、それぞれ、個別に設けられたマウント(装着部材)13を介して共通のレール(支持部材)14上に固定設置されている。なお、前記半導体レーザ6はペルチェ素子等からなる冷却手段15を介して前記マウント13に固定されている。
また、前記EO−Qスイッチ8と前記AO−Qスイッチ9には、第1のQスイッチドライバであるEO−Qスイッチドライバ(以下、単に「EO−Qスイッチドライバ」という)16と第2のQスイッチドライバであるAO−Qスイッチドライバ(以下、単に「AO−Qスイッチドライバ」という)17がそれぞれ電気的に接続され、これらのEO−Qスイッチドライバ16およびAO−Qスイッチドライバ17と前記半導体レーザ6および前記冷却手段15には、それらの動作を制御するコントローラ18が電気的に接続されている。また、前記SHG素子11とTHG素子12には、それらに付設したペルチェ素子等からなる冷却手段を動作させて、それらの発熱温度を制御するSHG素子用温調器19とTHG素子用温調器20がそれぞれ電気的に接続されている。
前記コントローラ18によって前記AO−Qスイッチドライバ17を介して、AO−Qスイッチ9が開放状態に維持された状態では、前記EO−Qスイッチ8が、前記コントローラ18が発生する第1のトリガパルス信号によって開閉駆動されて、例えば、前記EO−Qスイッチドライバ16によってEO−Qスイッチ8に印加されている数kVの高電圧を、前記第1のトリガパルス信号によって50Hz周期で瞬時にゼロまで低下させることにより、パルス幅10ns、パルス発生周期50Hzのピーク出力が高いパルス発振レーザ光がレーザ共振器5から出力されるようになっている。
同様に前記コントローラ18によって前記EO−Qスイッチドライバ16を介して、EO−Qスイッチ8が開放状態に維持された状態では、前記AO−Qスイッチ9が、前記コントローラ18が発生する第2のトリガパルス信号によって開閉駆動されて、例えば、AO−Qスイッチドライバ17によってAO−Qスイッチ9に印加されている超音波(例えば50MHz)が、前記第2のトリガパルス信号によって10kHzの周期で50μsの時間で止められることにより、パルス幅50μs、パルス発生周期10kHzのピーク出力の低いパルス発振レーザ光がレーザ共振器5から出力されるようになっている。
前記コントローラ18は、前記EO−Qスイッチドライバ16とAO−Qスイッチドライバ17のどちらを動作(ON−OFF)させるかを選択する切換スイッチ18aを備えており、該切換スイッチ18aが前記EO−Qスイッチ側へ切り換えられたときには、該EO−Qスイッチドライバ16が動作してEO−Qスイッチ8が開閉されるが、前記AO−Qスイッチドライバ17の動作が停止され、前記AO−Qスイッチ9は開放されるようになっており、また、前記切換スイッチ18aがAO−Qスイッチ9側へ切り換えられたときには、該AO−Qスイッチドライバ17が動作してAO−Qスイッチ9が開閉されるが、前記EO−Qスイッチドライバ16の動作が停止されて、前記EO−Qスイッチ16は開放されるようになっている。
さらに、前記コントローラ18は、半導体レーザ6を動作させ、それから発生されて前記レーザ媒質4に照射される、例えば、波長808nmのレーザ光の出力を制御すると共に、前記冷却手段15による前記半導体レーザ6の被加熱温度を制御するようになっている。
なお、前記レーザ媒質4から放射される光は前記ポラライザ10を通過することによって平面偏光を与えられるようになっている。これはレーザ媒質4から放射される光が出力ミラー3で反射されてレーザ媒質4に戻るまでにEO−Qスイッチ8を往復することにより光の偏光面に90°の回転が与えられるためである。
次に、前記構成に係るパルスレーザ発振器1の作用と共に、本発明の一実施の形態に係るパルスレーザ発振方法について、前記パルスレーザ発振器1を装備したレーザ加工装置によって電子回路基板に形成された配線の欠陥部を修正する場合を例にして、図2、図3をも参照して説明する。なお、図3(a)〜図3(f)において、上の図は電子回路基板の平面図、下の図は同断面図である。
図3に示すように、電子回路基板W上に形成された配線21の断線部(欠陥部)21aが検査装置22で検出される(図3(a)参照)と、該断線部21a上にインクジェット装置等の溶液塗布装置によってマスキング剤23が滴下して塗布される(図3(b)参照)。そして、前記パルスレーザ発振器1を装備したレーザ加工装置を前記マスキング剤23を塗布された配線21の欠陥部21aの上方に位置決めした後、前記コントローラ18を動作させてレーザ発振器1を作動させると共に、コントローラ18の切換スイッチ18aを前記EO−Qスイッチドライバ16が作動する側へ切り換えると、前記AO−Qスイッチ9が開放され、前記半導体レーザ6から波長808nmの連続発振のレーザ光a(図2参照)が出力され、該レーザ光aは集光器7を通り全反射ミラー2を通過して前記レーザ媒質4の一端面に照射されて該レーザ媒質4が励起させる。
しかし、その場合、前記コントローラ18からの第1のトリガパルス信号によって前記EO−Qスイッチ8が開閉(ON−OFF)されるので、該EO−Qスイッチ8が閉じて(ONとなって)、それに前記EO−Qスイッチドライバ16による数kVの高電圧の印加が継続されている間は、全反射ミラー2と出力ミラー3との間で光の反射の繰り返しが阻止され、レーザ共振器5内の損失が高く、レーザ作用を開始することなく、いわゆる反転分布(図2のb参照)が増加した状態にあり、また、該EO−Qスイッチ8が開いて(OFFとなって)、それに前記数kVの高電圧が印加されなくなった瞬間に速やかにQスイッチングが起こり、高出力のレーザ発振パルスd1(図2参照)が出力ミラー3を透過してレーザ共振器5から出力される。その際、前記EO−Qスイッチ8は立上り時間の短いQスイッチとして機能している。
例えば、前記第1のトリガパルス信号によって前記EO−Qスイッチ8に印加されている電圧を50Hz周期で瞬時に低下(図2のc1参照)させることにより、そのEO−Qスイッチ8が開になり、パルス幅10ns、パルス発生周期50Hzのピーク出力の高いパルス発振レーザ光d1がレーザ共振器5から出力される。
前記レーザ共振器5から出力されたパルス発振レーザ光d1は、前記出力ミラー3の下流側の離れた位置に配置された第3高調波生成素子20によって波長が1/3に短縮変換されて355nm波長のパルス発振レーザ光Laとして、前記レーザ加工装置のレーザ光学系を通して前記電子回路基板Wの欠陥部21aに向けて前記マスキング剤23の上方から照射される。このパルス発振レーザ光Laによって、マスキング剤23と共に前記配線21の欠陥部21aの周囲の配線補修部分24が正確に、かつ速やかに溶融、除去されて、マスキング剤23には開口部23aが形成される(図3(c)参照)。このレーザ加工装置による前記マスキング剤23と配線補修部分24の除去加工が終了すると、インクジェット装置等の溶液塗布装置が前記配線補修部分24の上方に位置決めされ、該溶液塗布装置によって貴金属、銅等の導電性物質を含有する溶液(金属コロイド)25を前記開口部23a内に滴下して塗布する(図3(d)参照)。
次に、前記レーザ加工装置を前記配線補修部分24の上方に位置決めした後、前記コントローラ18を動作させてレーザ発振器1を作動させると共に、コントローラ18の切換スイッチ18aを前記AO−Qスイッチドライバ17が作動する側へ切り換えると、前記EO−Qスイッチ8が開放され、前記と同様にして、半導体レーザ6からの波長808nmのレーザ光aの出力によって前記レーザ媒質4が励起される。その場合、前記コントローラ18が第2のトリガーパルス信号を発生して前記AO−Qスイッチ9を開閉(ON−OFF)させるので、前記AO−Qスイッチ9が閉じた(ONとなった)状態では、全反射ミラー2と出力ミラー3との間で光の反射の繰り返しが阻止され、レーザ共振器内の損失が高く、レーザ作用を開始することなく、いわゆる前記反転分布が増加した状態にあり、また、前記AO−Qスイッチ9が開いた(OFFとなった)状態では、その開いた瞬間から緩やかにQスイッチングが起こり、低出力のレーザ発振パルスd2(図2参照)が出力ミラー3を透過してレーザ共振器5から出力される。その際、前記AO−Qスイッチ9は立上り時間の長いQスイッチとして機能している。
例えば、前記第2のトリガパルス信号によって前記AO−Qスイッチ9に印加されている超音波を10kHz周期で瞬時OFF(図2のc2参照)とさせることにより、パルス幅50μs、パルス発生周期10kHzのピーク出力の低いパルスレーザ光d2が前記レーザ共振器5から出力される。
前記レーザ共振器5から出力されたパルス発振レーザ光d2は、前記出力ミラー3の下流側の近くに配置された第2高調波生成素子19によって波長が1/2に短縮変換されて523nm波長のパルス発振レーザ光Lbとして、前記レーザ加工装置のレーザ光学系を通して前記電子回路基板Wの配線補修部分24に向けて前記金属コロイド25の上方から照射される。このパルス発振レーザ光Lbの照射によって、金属コロイド25が加熱されることにより、金属コロイド中の溶媒が蒸発して導電性物質が析出し、この析出した導電性物質の薄膜25aによって、断線部21aの両側の配線部分が導通、接続されて、このレーザ加工装置による配線21の断線部21aの接続補修が終了する(図3(e)参照)。なお、電子回路基板W上に残留したマスキング剤23と金属コロイド25は、洗浄工程において水、その他の適宜洗浄剤によって洗い流す(図3(f)参照)。
このように、実施形態に係るパルスレーザ発振器1およびパルスレーザ発振方法を用いたレーザ加工装置によれば、1つのパルスレーザ発振器1において前記レーザ共振器5内のEO−Qスイッチ8とAO−Qスイッチ9を、コントローラ18の切換スイッチ18aで切り換えて動作させることにより、2種類の特性の異なるパルス発振レーザ光La,Lbを電子回路基板(ワーク)Wの加工部分の特質(材質)に応じていずれかを選択して、該加工部分を効率よく、適切に加工することができる。
したがって、電子回路基板Wに特性の異なるパルス発振レーザ光によって加工すべき加工部分がある場合に、2種類の特性の異なるパルス発振レーザ光La,Lbを個々に発生さるパルスレーザ発振器を備えた2台のレーザ加工装置を用意したり、1台のレーザ加工装置に、2種類の特性の異なるパルス発振レーザ光La,Lbを個々に発生させる2台のパルスレーザ発振器を備えたりする必要がないので、設備経費を大幅に節減することができる。
なお、上記においては、パルスレーザ発振器1を装備したレーザ加工装置を、前記電子回路基板Wの断線部21aを接続補修する場合に使用する例を示したが、これに限らず、前記パルスレーザ発振器1を装備したレーザ加工装置は、前記電子回路基板の配線の短絡部(欠陥部)を切断修正する場合、液晶表示装置におけるカラーフィルタの着色層の白黒欠陥部の修正、その他の電子回路基板のトリミング加工等に広く使用することができる。
前記のように、実施の形態に係るパルスレーザ発振方法は、前記レーザ発振器1の1つのレーザ共振器5内にEO−Qスイッチ8とAO−Qスイッチ9とを設け、これらのQスイッチ8,9を前記コントローラ18によって切り換えて動作させることにより、ピーク出力、パルス幅およびパルス発生周期が異なる2種類のパルス発振レーザ光La,Lbを発生させる構成とされている。
また、実施の形態に係るパルスレーザ発振器1は、対向配置された全反射ミラー2と出力ミラー3との間にレーザ媒質4を設置してなるレーザ共振器5と、前記レーザ媒質4を励起させる半導体レーザ(励起光源)6と、前記全反射ミラー2と出力ミラー3との間に設置されたEO−Qスイッチ8およびAO−Qスイッチ9と、該EO−Qスイッチ8およびAO−Qスイッチ9をそれぞれ駆動するEO−Qスイッチドライバ16およびAO−Qスイッチドライバ17と、該EO−Qスイッチドライバ16とAO−Qスイッチドライバ17とを切換スイッチ18aにより切り換えて動作させると共に前記半導体レーザ6を動作させるコントローラ18とを備えた構成されている。
したがって、前記実施の形態に係るパルスレーザ発振方法およびパルスレーザ発振器1によれば、前記EO−Qスイッチ8とAO−Qスイッチ9とを切り換えて動作させるだけの簡単な構成により、2種類の特性の異なるパルス発振レーザ光La,Lbを容易、確実に発生させることができる。したがって、このパルスレーザ発振方法およびパルスレーザ発振器1を使用した1つのレーザ加工装置によって、2種類の特性の異なるパルス発振レーザ光La,Lbのいずれかを、加工目的に応じて選択して異なる被加工部に照射し、該被加工部を効率よく、適切に加工することができる。
さらに、励起光源としての前記半導体レーザ6が、前記レーザ共振器5の光軸Sと同一の軸上にあって、レーザ共振器5の外部における前記全反射ミラー2側に配置され、コリメートレンズ7aとフォーカスレンズ7cを含む集光器7を通して前記レーザ媒質4の端面にレーザ光を照射する構成とされているので、レーザ共振器5と半導体レーザ6の光学系の光軸が一致されてレーザ発振器1を構成する各構成機器が一直線上に配置されるため、レーザ発振器1の構造が簡単となって、それらの構成機器の組立精度を高めることができて、パルス発振レーザ光La,Lbの出射精度を向上させることができる。
なお、前記実施の形態に係るパルスレーザ発振器1においては、前記レーザ媒質4を励起させるための半導体レーザ6をレーザ共振器5の光軸Sの延長上に配置したが、本発明はこれに限らず、前記半導体レーザ6をレーザ媒質4の側方(図1で上、下側または紙面に垂直方向側)に配置してそれらを同一室内に収納し、励起用のレーザ光aをレーザ媒質4に側方から入射させて励起させるようにして、パルスレーザ発振器1の長さを短くすることができる。また、前記EO−Qスイッチ8とAO−Qスイッチ9は、前記レーザ媒質4と出力ミラー3との間に配置したが、これに限らず、全反射ミラー2とレーザ媒質4との間に配置してもよく、それらのレーザ共振器5内におけるレーザ媒質4に対する遠近位置(図1におけるレーザ共振器5の光軸方向における左右)の位置関係は特に制限はない。
また、前記実施の形態では、立上り時間の長、短が異なる2つのQスイッチとして、電気光学素子を用いたQスイッチと音響光学素子を用いたQスイッチを用いているが、これに限定されず、立上り時間の長、短が異なる2つのQスイッチであれば、いずれの形式のものを用いてもよい。
本発明の一実施の形態に係るパルスレーザ発振器を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係るパルスレーザ発振器における主要機器の出力状態を示す線図である。 本発明の一実施の形態に係るパルスレーザ発振器を備えたレーザ加工装置による加工例を示す説明図である。
符号の説明
1 パルスレーザ発振器
2 全反射ミラー
3 出力ミラー
4 レーザ媒質
5 レーザ共振器
6 半導体レーザ(LD)
7 集光器
8 電気光学素子を用いたQスイッチ(EO−Qスイッチ)
9 音響光学素子を用いたQスイッチ(AO−Qスイッチ)
10 ポラライザ
11 第2高調波生成素子(SHG素子)
12 第3高調波生成素子(THG素子)
15 冷却手段
16 EO−Qスイッチドライバ
17 AO−Qスイッチドライバ
18 コントローラ
19 SHG素子用温調器
20 THG素子用温調器
La 第1のパルス発振レーザ光
Lb 第2のパルス発振レーザ光

Claims (3)

  1. レーザ発振器の1つのレーザ共振器内に立上り時間の短い第1のQスイッチと立上り時間の長い第2のQスイッチを設け、これらのQスイッチを切り換えて動作させることにより、ピーク出力、パルス幅およびパルス発生周期が異なる2種類のパルス発振レーザ光を前記共振器から発生させることを特徴とするパルスレーザ発振方法。
  2. 対向配置された全反射ミラーと出力ミラーとの間にレーザ媒質を設置してなるレーザ共振器と、前記レーザ媒質を励起させる励起光源と、前記全反射ミラーと出力ミラーとの間に設置された立上り時間の短い第1のQスイッチおよび立上り時間の長い第2のQスイッチと、該第1のQスイッチおよび第2のQスイッチをそれぞれ駆動する第1のQスイッチドライバおよび第2のQスイッチドライバと、該第1のQスイッチドライバと第2のQスイッチドライバを切り換えて動作させると共に前記励起光源を動作させるコントローラとを備えていることを特徴とするパルスレーザ発振器。
  3. 前記励起光源は、前記レーザ共振器の光軸と同一の軸上にあって、レーザ共振器の外部における前記全反射ミラー側に配置され、集光器を通して前記レーザ媒質の端面に励起光を照射するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載のパルスレーザ発振器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108963746A (zh) * 2017-05-24 2018-12-07 中国科学院理化技术研究所 激光器的使用方法、脉宽可调的激光器及其使用方法

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