JP2006073074A - リール及びリールの設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録テープをフランジに干渉することなくハブに巻き回すことができるリール及びリールの設計方法を得る。
【解決手段】 リール10は、上下のフランジ42、44間で磁気テープTをハブ40に巻き回している。ハブ40は、上端が下端よりも外径が大であるテーパ形状に形成されている。このリール10では、ハブのテーパ角をθ、磁気テープTのハブ40への巻き始め端における上フランジ側端部42Aと上フランジ48とのハブ軸線方向に沿う間隔をG、磁気テープTがハブ40に巻き回されて所定の張力に耐え得る状態となるのに必要な該磁気テープTの巻き回し長さをLとしたときに、θ<sin-1(G/L)である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、磁気テープ等の記録テープを巻き回すリール及び該リールの設計方法に関する。
コンピュータ等の外部記録媒体として、例えば、磁気テープを巻装したリールをケース内に収容した記録テープカートリッジが知られている。リールは、その軸心部を構成し外周に磁気テープが巻き回されるハブと、ハブの軸線方向両端からそれぞれ径方向外側に張り出した一対のフランジとを備えている。このリールに磁気テープを巻き回す際には、先ず、磁気テープの先端を水で濡らしてハブ外周面に貼り付ける(例えば、特許文献1参照)。次いで、低い張力で磁気テープをハブに数週巻き付け、磁気テープが所定の張力に耐え得る状態になると、張力及び巻き速度を増加して磁気テープをハブに強く巻き付ける。
ところで、リールのハブは、樹脂成形によって軸線方向一方側が開口すると共に他方側が閉塞された有底円筒状に形成されることが多い。このようなハブは、磁気テープが巻き回される外周面の円筒度を確保するために、型抜き用の勾配(抜きテーパ)を設定しない金型によって形成されるが、有底円筒状であるために型抜き後の収縮等によって底部に対し開口端側が相対的に径方向外側に広がり、結局、開口端側が閉塞端側よりも大径であるテーパ状に形成される。
特表昭63−501104号公報
ハブがテーパ形状であっても、該ハブに巻き回される磁気テープの張力が大きい場合には、この張力によって磁気テープTの姿勢が矯正され、磁気テープは幅方向にずれることなく層状に巻き回される(巻き重ねられる)。しかしながら、磁気テープを水の貼着力でハブに保持している巻き回し初期の磁気テープの張力を高くすることができないので、ハブがテーパ形状であると、磁気テープはハブ外周面に螺旋状に巻かれてしまい、ハブ大径側のフランジに接触て折れ曲がってしまう問題がある。
本発明は、上記事実を考慮して、記録テープをフランジに干渉することなくハブに巻き回すことができるリール及びリールの設計方法を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係るリールは、磁気テープが巻き回されるハブの軸線方向端部に、該ハブの径方向外側に張り出すフランジが設けられているリールであって、前記ハブは、前記フランジ側端部が反対側端部よりも大径であるテーパ状に形成されており、前記ハブのテーパ角をθ、前記記録テープの前記ハブへの巻き始め端における前記フランジ側端部と、該フランジとのハブ軸線方向に沿う間隔をG、前記記録テープが前記ハブに巻き回されて所定の張力に耐え得る状態となるのに必要な該記録テープの巻き回し長さをLとしたときに、θ<sin-1(G/L)である。
請求項1記載の記録リールでは、ハブの外周面に記録テープが巻き回され、ハブの軸線方向端部から径方向外側に張り出したフランジが記録テープの幅方向(ハブ軸線方向)の位置ずれを規制する。記録テープをハブに巻き回す際には、低張力で少なくとも長さLだけ記録テープをハブに巻き付ける。記録テープは、ハブのテーパ面に倣って該ハブに螺旋状に巻き付けられる。
ここで、ハブのテーパ角θは、幾何学的に螺旋状にハブに巻き付けられる記録テープの長手方向とハブの軸直角方向との成す角(記録テープの螺旋角)に一致するため、θ<sin-1(G/L)とすることで、記録テープを長さLだけ巻き回すことで該記録テープがフランジに干渉することはない。そして、記録テープは、長さLだけハブ巻き回されて所定の張力に耐え得る状態になっているので、この後は該所定の張力によってフランジに干渉しないように姿勢を矯正されつつ、ハブに巻き回される。
このように、請求項1記載のリールは、記録テープをフランジに干渉することなくハブに巻き回すことができる。
請求項2記載の発明に係るリールは、互いに対向する一対のフランジ間で記録テープがハブに巻き回されるリールであって、前記ハブのテーパ角をθ、前記記録テープの前記ハブへの巻き始め端における該ハブの大径側端部と、該ハブ大径側のフランジとのハブ軸線方向に沿う間隔をG、前記記録テープが前記ハブに巻き回されて所定の張力に耐え得る状態となるのに必要な該記録テープの巻き回し長さをLとしたときに、θ<sin-1(G/L)である。
請求項2記載の記録リールでは、一対のフランジ間でハブの外周面に記録テープを巻き回し、一対のフランジによって記録テープの幅方向(ハブ軸線方向)の位置ずれを規制している。記録テープをハブに巻き回す際には、低張力で少なくとも長さLだけ記録テープをハブに巻き付ける。記録テープは、ハブのテーパ面に倣って該ハブに螺旋状に巻き付けられる。
ここで、ハブのテーパ角θは、幾何学的には記録テープの長手方向とハブの軸直角方向との成す角に一致するため、θ<sin-1(G/L)とすることで、記録テープを長さLだけ巻き回すことで該記録テープがハブ大径側のフランジに干渉することはない。そして、記録テープは、長さLだけハブ巻き回されて所定の張力に耐え得る状態になっているので、この後は該所定の張力によって一対のフランジに干渉しないように姿勢を矯正されつつ、ハブに巻き回される。
このように、請求項2記載のリールは、記録テープを一対のフランジに干渉することなくハブに巻き回すことができる。なお、ハブのテーパ角は0°であっても良い。
請求項3記載の発明に係るリールの設計方法は、磁気テープが巻き回されるハブの軸線方向端部に、該ハブの径方向外側に張り出すフランジが設けられているリールの設計方法であって、前記ハブを前記フランジ側端部が反対側端部よりも大径であるテーパ形状である仮定した場合の該ハブのテーパ角をθ、前記記録テープの前記ハブへの巻き始め端における前記フランジ側端部と、該フランジとのハブ軸線方向に沿う間隔をG、前記記録テープが前記ハブに巻き回されて所定の張力に耐え得る状態となるのに必要な該記録テープの巻き回し長さをLとしたときに、θ<sin-1(G/L)とする。
請求項3記載のリールの設計方法では、ハブがテーパ形状であると仮定してテーパ角をθとし、記録テープの巻き始め端における幅方向端部とフランジとの隙間の間隔G、記録テープの巻き回し長さLとから、θ<sin-1(G/L)とする。例えばハブが樹脂成形にて形成される場合、型抜き・収縮後のテーパ角θがθ<sin-1(G/L)となるように、金型のテーパ角を設定する。ハブのテーパ角θは、幾何学的には記録テープの長手方向とハブの軸直角方向との成す角に一致するため、上式を満たせば、記録テープを長さLだけ巻き回すことで該記録テープがハブ大径側のフランジに干渉することはない。
このように、請求項3記載のリールの設計方法は、記録テープをフランジに干渉することなくハブに巻き回すことができる。なお、ハブのテーパ角は0°であっても良い。
請求項4記載の発明に係るリールの設計方法は、互いに対向する一対のフランジ間で記録テープがハブに巻き回されるリールの設計方法であって、前記ハブを前記フランジ側端部が反対側端部よりも大径であるテーパ形状である仮定した場合の該ハブのテーパ角をθ、前記記録テープの前記ハブへの巻き始め端における前記フランジ側端部と、該フランジとのハブ軸線方向に沿う間隔をG、前記記録テープが前記ハブに巻き回されて所定の張力に耐え得る状態となるのに必要な該記録テープの巻き回し長さをLとしたときに、θ<sin-1(G/L)とする。
請求項4記載のリールの設計方法では、ハブがテーパ形状であると仮定してテーパ角をθとし、記録テープの巻き始め端における幅方向端部とハブ大径側フランジとの隙間の間隔G、記録テープの巻き回し長さLとから、θ<sin-1(G/L)とする。例えばハブが樹脂成形にて形成される場合、型抜き・収縮後のテーパ角θがθ<sin-1(G/L)となるように、金型のテーパ角を設定する。ハブのテーパ角θは、幾何学的には記録テープの長手方向とハブの軸直角方向との成す角に一致するため、上式を満たせば、記録テープを長さLだけ巻き回すことで該記録テープがハブ大径側のフランジに干渉することはない。
このように、請求項4記載のリールの設計方法は、記録テープをフランジに干渉することなくハブに巻き回すことができる。ハブのテーパ角は0°であっても良い。
以上説明したように本発明に係るリール及びリールの設計方法は、記録テープをフランジに干渉することなくハブに巻き回すことができるという優れた効果を有する。
本発明の実施の形態に係るリール10について図1乃至図8に基づいて説明する。先ず、リール10が適用された記録テープカートリッジ12の該略全体構成を説明し、次いでリール10の全体構成を説明し、その後、本発明の要部であるハブ40のテーパ角θについて詳細に説明することとする。なお、説明の便宜上、矢印Aで示す記録テープカートリッジ12のドライブ装置への装填方向を前方向(前側)とし、矢印Aと直交する矢印B、矢印C方向をそれぞれ右方向、上方向とする。
(記録テープカートリッジの構成)
図7には記録テープカートリッジ12の全体構成が斜視図にて示されており、図8には記録テープカートリッジ12の概略の分解斜視図が示されている。これらの図に示される如く、記録テープカートリッジ12は、平面視で略矩形状のケース14内に、情報記録再生媒体である記録テープとしての磁気テープTを巻装した単一のリール10を回転可能に収容して構成されている。
ケース14の右側壁の前端部には、磁気テープTをケース14外に引き出すための開口16が設けられている。この開口16は、記録テープカートリッジ12(磁気テープT)の不使用時にはドア18によって閉塞され、記録テープカートリッジ12の使用時にはドライブ装置内で開放されるようになっている。また、磁気テープTの先端には、リーダ部材であるリーダピン20が取り付けられている。リーダピン20は、小円柱状に形成されており、磁気テープTの幅方向端部よりも上下に突出する長手方向両端にそれぞれ設けられたフランジ部20Aが、ドライブ装置の引出部材に引掛けられて磁気テープTをケース14から引き出させるようになっている。
ケース14は、上ケース22と下ケース24とを接合して構成されている。上ケース22は、平面視略矩形状の天板22Aの外縁に沿って略枠状の周壁22Bが立設されて構成されており、下ケース24は、天板22Aに略対応した形状の底板24Aの外縁に沿って周壁24Bが立設されて構成されている。そして、ケース14は、周壁22Bの開口端と周壁24Bの開口端とを突き当てた状態で、超音波溶着やビス止め等によって上ケース22と下ケース24とが接合されて、略箱状に形成されている。
開口16は、側面視で略矩形状に形成され、ケース14における矢印A方向に沿う右側壁14A(周壁22Bと周壁24Bとで構成されるケース14の右向き壁)における前端で右向きに開口している。天板22A及び底板24Aには、それぞれ直立したリーダピン20のフランジ部20Aを収容するピン受け凹部26が設けられている。各ピン受け凹部26は、開口16の前端近傍で右向きにも開口しており、開口16を経由したリーダピン20のケース14に対する出入りを可能としている。また、ケース14の前端近傍には、板ばね28が取り付けられており、板ばね28には上下一対のアーム28Aが設けられている。板ばね28は、各アーム28Aの先端をリーダピン20のフランジ部20Aに係合させてリーダピン20をケース14に対し保持するようになっている。この保持状態は、リーダピン20を所定値以上の力で右方に引張ることで解除される構成である。
この開口16を開閉するドア18は、単独で開口16を閉塞可能な略矩形平板状に形成されている。ドア18の上下の端部は、開口16の開放面及び右側壁14Aに沿って天板22A及び底板24Aに設けられたガイド溝30に摺動可能に入り込んでいる。これにより、ドア18は、ガイド溝30に案内されつつ前後方向にスライドすることで、開口16を閉塞する閉塞位置と、開口16を開放する開放位置とを選択的に取り得る構成とされている。そして、ドア18は、ケース14との間に設けられた付勢部材であるコイルばね32によって前方に付勢されており、通常はこの付勢力によって閉塞位置に位置するようになっている。ドア18の前端には、操作部18Aが右方に張り出して設けられており、この操作部18Aを後方に押圧することで、コイルばね32の付勢力に抗してドア18を開放位置に移動することができるようになっている。
また、ケース14の底板24Aの中央部には、リール10の後述するリールギヤ50を露出するためのギヤ開口34が設けられている。リール10は、リールギヤに噛み合わされたドライブ装置の駆動ギヤが回転することで、ケース14内で非接触で回転駆動される構成である。さらに、ケース14には、ギヤ開口34と同軸的な円周に沿って天板22A及び底板24Aから部分的に立設されると共に上下端を突き合わせて構成された誘導規制壁36を備えている。誘導規制壁36は、リール10のガタつきを抑えると共に、端部を周壁22B、24Bに連続させてリール10の設置領域に塵芥等が進入することを防止する構成とされている。
また、ケース14内におけるの右後角隅部には、各記録テープカートリッジ12毎に、その各種情報を記憶されたメモリボードMが設置されている。メモリボードMは、下面側から通信するドライブ装置、及び背面側から通信するライブラリ装置との各通信を可能とするために、支持面である上縁が所定角度(本実施の形態では45°)前傾した一対の支持リブ38によって、底板24Aに対し略45°傾斜して支持されている。
(リールの全体構成)
図1には、リール10が一部切り欠いた側面図にて示されている。この図に示される如く、リール10は、その軸心部を構成するハブ40を備えている。ハブ40は、その外周面に磁気テープTが巻き回される円筒部42と、該円筒部42の下部を閉塞する底部44とを有し、上方に開口する開口端40Aを有する略有底円筒状に形成されている。本実施の形態では、ハブ40における底部44側端部(軸線方向一端)の近傍からは、下フランジ46が径方向外側に同軸的かつ一体に延設されている。
一方、ハブ40の上端部(開口端40A)には、内径が円筒部42の内径と略同径とされると共に外径が下フランジ46の外径と同径とされた上フランジ48が超音波溶着等によって同軸的に接合されている。具体的には、上フランジ48は、その軸心部に形成された短筒部48Aををハブ40の開口端40Aに内嵌した状態で、円筒部42の上端面に超音波溶着されている。これにより、リール10は、下フランジ46と上フランジ48との対向面間における円筒部42(ハブ40)の外周面に磁気テープTを巻き回す構成とされている。下フランジ46及び上フランジ48は、ハブ40に巻き回された磁気テープTの幅方向(ハブ40の軸線方向)への位置ずれを規制するようになっている。
ハブ40の底部44における外面(下面)の外周近傍には環状に形成されたリールギヤ50が設けられている。リールギヤ50は、ケース14のギヤ開口34から露出され、ドライブ装置の回転シャフトに対し軸線方向に沿って相対移動することで、該回転シャフトの先端に設けられた駆動ギヤに対する噛み合い及び噛み合いの解除が可能とされている。また、底部44の下面におけるリールギヤ50の径方向内側には、磁性材料より成る図示しないリールプレートがインサート成形により一体に設けられている。リールプレートは、回転シャフトの先端に設けられたマグネットによって非接触で吸着保持される構成である。
さらに、ハブ40の内側には、磁気テープTの不使用時にリール10の回転を阻止するための図示しないロック機構が設けられるようになっている。ロック機構は、ケース14に対し廻り止めされたロック部材を有し、このロック部材をリール10の底部44に対する接離可能に支持している。ロック部材は、底部44に対する接離によって、該底部44の係合部(図示省略)に係合してリール10のケース14に対する回転を阻止する回転ロック位置と、該係合状態を解除してリール10の回転を許容する解除位置とを取り得る構成である。このため、底部44にはロック部材が係合する係合部が設けられると共に、ドライブ装置のロック解除部材が外部からロック部材を操作するための操作孔(図示省略)が形成されている。操作孔は、底部44の軸心部に設けても良く、リールギヤ50の形成部位等の軸心から離間した部位に設けけても良い。
以上説明したように、ハブ40の底部44は、リールギヤ50が形成されてドライブ装置から回転力が伝達される機能、不使用時にケース14のギヤ開口34を閉塞する機能、ロック部材を係合させリール10のケース14に対する回転を阻止する機能等をそれぞれ果たすようになっている。一方、リール10の軸心部上端は、上記ロック部材をケース14と底部44との間に配設するために開口している必要があり、本実施の形態では、ハブ40が開口端40Aを有している。
このリール10は、ハブ40の外周面に磁気テープTを巻き回すようになっている。具体的には、図2に示される如く、水やアルコール等の液体の貼着力によって磁気テープTの長手方向端部をハブの外周面に貼り付けた状態から、この磁気テープTを円筒部42(ハブ40)の外周面に巻き回す構成である。上記液体の貼着力で円筒部42の貼り付いている磁気テープTは、該貼着力が抗し得る弱い張力を受けつつ円筒部42の外周面に巻き回されるようになっている。そして、磁気テープTは、所定長さLだけ円筒部42に巻き付けられると、上記液体の蒸発によって貼着力が失われたとしても摩擦保持力及び上層の磁気テープTの巻き圧によって所定の張力に耐え得る状態となる構成である。磁気テープTは、長さLだけ円筒部42に巻き付けられた後は、所定の張力にてより強く巻き回される(巻き重ねられる)ようになっている。
磁気テープTの幅Wtが12.65mm、円筒部42の外半径r(軸線方向中央部における半径)が22.00mmである本実施の形態では、磁気テープTを円筒部42に3巻き(3周)する長さを上記長さLとしている。すなわち、円筒部42への磁気テープTの巻き数をnとすると、巻き数n(=3)が小さいことから磁気テープTの厚みを無視して、L=2πrnで表わすことができる。なお、この長さLは、円筒部42に巻かれた磁気テープTが所定の張力に耐え得る状態となる現実の長さ以上の設計長さであれば良く、安全率等が含まれていても良い。
以上説明したリール10は、上フランジ48を除く部分が樹脂成形にて一体に形成される(金属製のリールプレートは、上記の通りインサート成形される)ようになっている。すなわち、ハブ40の円筒部42と底部44とが一体成形されるようになっている。そして、ハブ40は、下端が底部44にて閉塞される一方上端が開口端40Aとされているため、型抜き後の収縮の小さい開口端40Aが相対的に広がり、円筒部42の上端側が下端側よりも大径であるテーパ形状に形成されている。したがって、円筒部42は、コニカル部ということもできる。
(ハブのテーパ角)
上記の通りテーパ形状とされた円筒部42(ハブ40)の外周面(テーパ面)の軸線方向に対するテーパ角をθとする。このテーパ角θの上限の決め方すなわちリール10の設計方法を説明する。
図3に示される如く、テーパ形状の円筒部42の外周面に磁気テープTを巻き回すと、磁気テープTは円筒部42のテーパ面に倣って、該円筒部42に対し上側(大径側)にずれながら螺旋状に巻き付けられていく。図3は、磁気テープTの上側へのずれ量Hを示している(解り易さのため、磁気テープTの下縁を下フランジ46と円筒部42との境界部42Bに一致させて巻き始めた状態を図示している)。このずれ量Hが大きくなると、磁気テープTは上縁が上フランジ48に接触してしまう。
したがって、磁気テープTの巻き始め端Tsにおける上縁('幅方向の上)端部と、円筒部42における上フランジ48との境界部42Aとの軸線方向に沿う間隔をG(図2、図4参照)とすると、磁気テープTを長さLだけ円筒部42に巻き回下ときのずれ量Hが間隔Gよりも小さければ、磁気テープTが上フランジ48に接触することがない。なお、図示は省略するが、上フランジ48は、その下面が径方向外側で径方向内側よりも下フランジ46との対向面間が広がるようなテーパ面とされており、径方向外縁から磁気テープTに干渉することがない構成とされている。
図4に円筒部42を平面上に展開して模式的に示す如く、螺旋状を成す磁気テープTの長手方向と円筒部42の軸直角方向(境界部42Aを含む平面)との成す角、すなわち磁気テープTの螺旋角は、幾何学的には(設計上)テーパ角θに一致する。そして、ずれ量Hの上限を規定する間隔G、巻き回し長さLが既知であるから、これらを用いてテーパ角θの上限を、式(1)にて決めることができる。
θ<sin-1(G/L) … (1)
また、本実施形態では、図2に示される如く、円筒部42における上フランジ48と境界部42Aから下フランジ46との境界部42Bまでのハブ軸線方向に沿う幅をWrとして、式(2)より得るようにしている。
G=(Wr−Wt)/2 … (2)
さらに、上記の通りL=2πrnであるから、この式と式(2)とを式(1)に代入して、テーパ角θを式(3)にて算出するようにしている。
θsin-1((Wr−Wt)/4πrn) … (3)
そして、本実施の形態では、上記の通り幅Wt=12.65mm、円筒部42の外半径r=22.00mm、n=3である。また本実施の形態では、上下のフランジ46、48の径方向内端におけるハブ軸線方向に沿う対向間隔(幅)がWr=12.96mmとされている。これらの数値を式(3)に代入し、θ<0.021°としてテーパ角θの上限を得た。また、円筒部42の上端と下端との外半径の差Δrは、Δr=Wr×tanθであるから、本実施の形態では約5μm未満となる。
一方、現実の製品としてのリール10は、円筒部42のテーパ角がθ<0.021°、より具体的には、円筒部42における上下の外半径の差がΔr<5μmとされている。この数値から分かるように、各図面ではテーパ角θ、円筒部42における上下の外半径の差Δrを誇張して図示している。
ここで、図5に模式的に示される如く、製品である円筒部42は平面視で正確に真円ではないので、周方向各部において外半径の差Δrには、ばらつきがある。図5に示す内側の円は円筒部42の下フランジと境界部42Bを、外側の歪んだ円は円筒部42の上フランジ48との境界部42Aを、それぞれ示している。また、想像線にて示す円は、半径が境界部42Bの半径よりも5μmだけ大きい仮想線である。例えば、この図5に示す外半径の差Δrの最小値Δr1は、5μmよりも十分に小さいが、差Δrの最大値Δr7は、5μmよりも大であることが判る。
そして、本実施形態では、周方向各部における外半径の差Δrの平均値Δraが5μm未満となるように、ハブ40の円筒部42が形成されている。Δrの平均値Δraは、測定点数をNとしてΔra=ΣΔri/Nとして得ている。このような円筒部42における上下の外半径の差Δrが5μm未満であるハブ40得るために、図6に示す如き金型60を用いている。なお、図6の金型60によって形成される空間を指し示す括弧付きの符号は、リール10における該金型60によって形成される部分に対応している。また、上下の方向を用いて説明するときはリール10の上下方向に対応している。
金型60は、固定型62と可動型64とを含み構成されている。可動型64は、ハブ40の円筒部42の内外周面と下フランジ46の上面とを形成するようになっている。そして、この可動型64では、円筒部42を形成する空間を上端側が下端側よりも小径とである、成形後の円筒部42に対し逆テーパ状に形成している。換言すれば、金型60は負の抜き勾配を形成している。この負の抜き勾配αは、型抜き後、最終的には円筒部42の上端側が下端側よりも大径である(Δraが正の値となる)上記テーパ形状に形成されるように設定されている。すなわち、金型60から抜き出されたハブ40を含む製品は、冷却に伴う熱収縮によって下端側が上端側よりも大きく収縮するので、この収縮差で円筒部上限端の径大きさが逆転するように負の抜き勾配αが決められている。
次に、実施の形態の作用について説明する。
上記構成のリール10は、磁気テープTに情報を記録する際、又は磁気テープTに記録された情報を再生する際に記録テープカートリッジ12がドライブ装置に装填されると、ケース14に対する回転ロックが解除され、そのリールギヤ50に駆動ギヤを噛み合わせた回転シャフトが回転することでケース14内で回転する。このとき、すでに開口16から取出されたリーダピン20がドライブ装置の巻取リールに保持されており、この巻取リールがリール10と同期して回転することによって、磁気テープTがケース14から順次引き出される。そして、所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッドが磁気テープTに情報を書き込み、又は磁気テープTに記録されている情報を読み取る。磁気テープTの使用後には、リール10は、磁気テープTを巻き取り初期状態に復帰する。
リール10に磁気テープTを巻き回す際には、ハブ40の円筒部42の外周全面を水やアルコール等の液体で濡らし、この液体の貼着力にて磁気テープTの端部を円筒部42に貼り付ける。液体が蒸発して接着力が失われる前に、磁気テープTを比較的低い張力で円筒部42の外周面に所定巻き数(本実施形態では3巻き)だけ巻き回す。これにより、磁気テープTが所定の張力による巻き付けに耐え得る状態となる。この後、磁気テープTの張力を所定の張力まで増加すると共に、巻き回し速度(リール10の回転速度)を上昇した状態で、磁気テープTを規定長さだけ巻き回す。
ここで、リール10では、円筒部42のテーパ角θがθ<sin-1(G/L)とされているため、換言すれば、円筒部42の上下端42A、42Bの外半径差の平均値Δraが5μm未満であるため、円筒部42に磁気テープTを所定長さLだけ巻き付ける間の磁気テープTの幅方向へのずれ量Hが、磁気テープTの巻き始め端と上フランジ48(境界部42A)との初期間隔Gに達することがない。したがって、磁気テープTを、姿勢矯正効果の小さい比較的低い張力にて円筒部42に巻き付けても、磁気テープTが上フランジ48に接触してしまうことがない。
そして、磁気テープTは長さL(3巻き)だけ円筒部42に巻き回せば、所定の張力に耐え得る状態になるので、この後磁気テープTは、所定の張力にて姿勢を矯正されながら(長手方向をハブ40の軸線に対する直交方向に一致させながら)、上下のフランジに接触することなく上記規定長さまで円筒部42に巻き回される。
このように、本実施の形態に係るリール10、及びリール10の設計方法では、磁気テープTを上下のフランジ46、48に干渉することなくハブ40の円筒部42に巻き回すことができる。
なお、上記実施の形態では、ハブ40の円筒部42が下端側よりも上端側の外径が大であるテーパ状に形成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、円筒部42は上端側よりも下端側の外径が大であるテーパ状に形成されても良い。
また、上記実施の形態では、ハブ40に下フランジ46が一体的に形成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ハブ40に上フランジ48が一体に形成された構成としても良い。
さらに、上記実施の形態では、円筒部42がテーパ形状を有する構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、円筒部42は、結果としてテーパ角θが0°と評価される(Δra≒0μm)ように形成されても良いことは言うまでもない。
さらにまた、上記実施の形態では、円筒部42の上下方向中央部から磁気テープTを巻き始める(上下の間隔Gが等しい)例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば図3に示すように、磁気テープTの巻き始め端Tsにおける下端を境界部42B(下フランジ46)側にオフセットして磁気テープTを巻き始めるようにしても良い。
また、上記実施の形態では、単一のリールをケース14内に収容して構成される記録テープカートリッジ12にリール10を適用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、2つのリールをケース内に収容した2リールタイプの記録テープカートリッジにリール10を適用しても良い。
本発明の実施の形態に係るリールの全体構成を示す一部切り欠いた側面図である。 本発明の実施の形態に係るリールに磁気テープを巻き回し始めるときの状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係るリールに磁気テープを巻き回し始めた状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係るリールを構成するハブのテーパ角を算出する方法を説明するために該ハブを平面に展開した状態を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係るリールを構成するハブの上下の外半径差を示す模式的な底面図である。 本発明の実施の形態に係るリールを構成するハブを樹脂成形にて形成するための金型の断面図である。 本発明の実施の形態に係るリールが適用された記録テープカートリッジの全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るリールが適用された記録テープカートリッジの分解斜視図である。
符号の説明
10 リール
40 ハブ
46 下フランジ
48 上フランジ(フランジ、ハブ大径側のフランジ)
T 磁気テープ(記録テープ)

Claims (4)

  1. 磁気テープが巻き回されるハブの軸線方向端部に、該ハブの径方向外側に張り出すフランジが設けられているリールであって、
    前記ハブは、前記フランジ側端部が反対側端部よりも大径であるテーパ状に形成されており、
    前記ハブのテーパ角をθ、
    前記記録テープの前記ハブへの巻き始め端における前記フランジ側端部と、該フランジとのハブ軸線方向に沿う間隔をG、
    前記記録テープが前記ハブに巻き回されて所定の張力に耐え得る状態となるのに必要な該記録テープの巻き回し長さをLとしたときに、
    θ<sin-1(G/L)であるリール。
  2. 互いに対向する一対のフランジ間で記録テープがハブに巻き回されるリールであって、
    前記ハブ外周のテーパ角をθ、
    前記記録テープの前記ハブへの巻き始め端における該ハブの大径側端部と、該ハブ大径側のフランジとのハブ軸線方向に沿う間隔をG、
    前記記録テープが前記ハブに巻き回されて所定の張力に耐え得る状態となるのに必要な該記録テープの巻き回し長さをLとしたときに、
    θ<sin-1(G/L)であるリール。
  3. 磁気テープが巻き回されるハブの軸線方向端部に、該ハブの径方向外側に張り出すフランジが設けられているリールの設計方法であって、
    前記ハブを前記フランジ側端部が反対側端部よりも大径であるテーパ形状である仮定した場合の該ハブのテーパ角をθ、
    前記記録テープの前記ハブへの巻き始め端における前記フランジ側端部と、該フランジとのハブ軸線方向に沿う間隔をG、
    前記記録テープが前記ハブに巻き回されて所定の張力に耐え得る状態となるのに必要な該記録テープの巻き回し長さをLとしたときに、
    θ<sin-1(G/L)とするリールの設計方法。
  4. 互いに対向する一対のフランジ間で記録テープがハブに巻き回されるリールの設計方法であって、
    前記ハブがテーパ状に形成されていると仮定した場合の該ハブのテーパ角をθ、
    前記記録テープの前記ハブへの巻き始め端における該ハブの大径側端部と、該ハブ大径側のフランジとのハブ軸線方向に沿う間隔をG、
    前記記録テープが前記ハブに巻き回されて所定の張力に耐え得る状態となるのに必要な該記録テープの巻き回し長さをLとしたときに、
    θ<sin-1(G/L)とするリールの設計方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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