JP2006073060A - 光ディスク装置、光ピックアップおよびレーザパワー制御方法 - Google Patents
光ディスク装置、光ピックアップおよびレーザパワー制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】シンプルかつ低コストの回路構成で、しかも電流/電圧変換器による帯域制限の影響を受けることなく、レーザビームのパワーを制御する。
【解決手段】フォトダイオード141は、半導体レーザ131から発生されるレーザビームをモニタする。フォトダイオード141の出力電流IPDを充電回路を構成するコンデンサ143で充電する。接続スイッチ144は、放電回路を構成している。APC回路116は、所定期間(例えば記録マークを形成する変調期間、あるいは記録マークを形成しないDC期間)の充電電圧に基づいて、レーザドライバ132を構成する電流源136〜138を制御し、レーザパワー(変調期間のピークパワー、ボトムパワー、及びDC期間のイレースパワー)の安定化を図る。出力電流IPDを電圧信号に変換する電流/電圧変換器を用いないため、シンプルかつ低コストの回路構成となり、またそれによる帯域制限の影響を受けない。
【選択図】 図4
【解決手段】フォトダイオード141は、半導体レーザ131から発生されるレーザビームをモニタする。フォトダイオード141の出力電流IPDを充電回路を構成するコンデンサ143で充電する。接続スイッチ144は、放電回路を構成している。APC回路116は、所定期間(例えば記録マークを形成する変調期間、あるいは記録マークを形成しないDC期間)の充電電圧に基づいて、レーザドライバ132を構成する電流源136〜138を制御し、レーザパワー(変調期間のピークパワー、ボトムパワー、及びDC期間のイレースパワー)の安定化を図る。出力電流IPDを電圧信号に変換する電流/電圧変換器を用いないため、シンプルかつ低コストの回路構成となり、またそれによる帯域制限の影響を受けない。
【選択図】 図4
Description
この発明は、例えばDVD装置、ブルーレイディスク装置等に適用して好適なディスク装置、光ピックアップおよびレーザパワー制御方法に関する。
詳しくは、この発明は、半導体レーザで発生され、光ディスクに照射されるレーザビームをフォトダイオードでモニタし、このフォトダイオードの出力電流を所定期間充電して得られる充電電圧に基づいてレーザビームのパワーを制御する構成とすることによって、電流/電圧変換器を使用しないシンプルかつ低コストの回路構成で、しかも電流/電圧変換器による帯域制限の影響を受けることなく、レーザビームのパワーを良好に制御できるようにした光ディスク装置等に係るものである。
例えば、DVD−RW等の書き換え型光ディスクでは、有機色素系記録膜を塗布形成した光ディスクにレーザ光を照射して記録マークを形成することで情報を記録するようにしている。
図8Aは、記録データRDの一例を示しており、図8Bはその記録データRDに対応して光ピックアップの半導体レーザから発生されるレーザビームのパワー(レーザパワー)を示している。レーザパワーは、記録マークを形成する期間(以下、適宜「変調期間」という)では、交互に、第1のパワーとしてのピークパワーPpおよびこのピークパワーPpより低い、第2のパワーとしてのボトムパワーPbとされる。また、レーザパワーは、記録マークを形成しない期間(以下、適宜「DC期間」という)では、上述したピークパワーPpより低く、かつ上述したボトムパワーPbより高い、第3のパワーとしてのイレースパワーPeとされる。
変調期間においては、レーザビームが照射された記録膜は高温状態から急速に冷却するのでアモルファス状態となり、反射率が低下した記録マークが形成される。これに対して、DC期間においては、レーザビームが照射された記録膜は中高温状態から徐々に冷却されて結晶状態となり、記録マークは形成されない。なお、このDC期間では、既に形成されていた記録マークは消去される。
従来、上述したように記録データRDに対応させてレーザパワーをピークパワーPp、ボトムパワーPbおよびイレースパワーPeとして記録を行うものにあっては、温度変化による半導体レーザのI-P特性の変化があった場合でも安定した記録が行われるように、これらパワーPp,Pb,Peがそれぞれ所定値となるように制御することが行われている。
図9は、記録時のレーザパワー制御に係る回路部の一例を示している。
光ピックアップ310は、レーザビームを発生する半導体レーザ(レーザダイオード)311と、この半導体レーザ311に電流を流すためのレーザドライバ312とを有している。そして、レーザドライバ312は、変調用のNPN形トランジスタ313,314,315と、電流源316,317,318とからなっている。
光ピックアップ310は、レーザビームを発生する半導体レーザ(レーザダイオード)311と、この半導体レーザ311に電流を流すためのレーザドライバ312とを有している。そして、レーザドライバ312は、変調用のNPN形トランジスタ313,314,315と、電流源316,317,318とからなっている。
図10は、半導体レーザ311を流れる電流(レーザ電流)と、この半導体レーザ311で発生されるレーザビームのパワー(レーザパワー)との対応関係であるI-P特性を示している。温度変化があると、このI-P特性が変化する。例えば、温度上昇があると、I-P特性は、実線で示す状態から破線で示す状態に変化する。
電流源316はボトムパワーPbに対応した電流Ibを得るためのものであり、電流源317はイレースパワーPeに対応した電流IeとボトムパワーPbに対応した電流Ibとの差の電流I1=(Ie−Ib)を得るためのものであり、電流源318はピークパワーPpに対応した電流IpとイレースパワーPeに対応した電流Ieとの差の電流I2=(Ip−Ie)を得るためのものである。
半導体レーザ311のアノードは電圧+B、例えば+5Vが供給される電源端子に接続され、そのカソードはトランジスタ313〜315のコレクタにそれぞれ接続されている。これらトランジスタ313〜315のエミッタは、それぞれ、電流源316〜318を介して接地されている。トランジスタ313のベースにはボトム値変調信号SMbが供給され、トランジスタ314のベースにはイレース値変調信号SMeが供給され、トランジスタ315のベースにはピーク値変調信号SMpが供給される。
ここで、記録データRDが図11Aに示すようであるとき、変調信号SMb,SMe,SMpはそれぞれ図11B,C,Dに示すように発生される。この場合、ボトム値変調信号SMbが“1”であるとき、トランジスタ313がオンとなって電流源316により半導体レーザ311に電流Ibが流される。また、イレース値変調信号SMeが“1”であるとき、トランジスタ314はオンとなる。このとき、電流源317により半導体レーザ311に流される電流がI1=(Ie−Ib)だけ増加し、従って半導体レーザ311には電流Ieが流される。さらに、ピーク値変調信号SMpが“1”であるとき、トランジスタ315はオンとなる。このとき、電流源318により半導体レーザ311に流される電流がI2=(Ip−Ie)だけ増加し、従って半導体レーザ311には電流Ipが流される。これにより、図11Aに示す記録データRDに対応して、半導体レーザ311からは、図11Eに示すようなパワーでレーザビームが発生される。
また、光ピックアップ310は、半導体レーザ311で発生されるレーザビームをモニタするフォトダイオード321と、このフォトダイオード321の出力電流を電圧信号に変換するヘッドアンプとしての電流/電圧変換器(I/V変換器)322とを有している。ここで、電流/電圧変換器322はオペアンプ(演算増幅器)323および抵抗器324を用いて構成されている。
フォトダイオード321のカソードは電圧+B、例えば+5Vが供給される電源端子に接続され、そのアノードはオペアンプ323の反転入力端子に接続されている。また、このオペアンプ323の出力端子は抵抗器324を介してその反転入力端子に接続され、その非反転入力端子は電圧Vref、例えば+2.5Vが供給される電源端子に接続されている。
ここで、半導体レーザ311から発生されるレーザビームのパワーが図8Bに示すようであるとき、フォトダイオード321の出力電流IPDは図8Cに示すように得られ、電流/電圧変換器322の出力端子には図8Dに示すように出力信号VPDが得られる。ここで、抵抗器324の抵抗値をRとするとき、VPD=Vref−IPD×Rである。この電流/電圧変換器322の出力信号VPDはAPC(Auto Power Control)回路330に供給される。
APC回路330は、サンプルホールド回路(S/H回路)331b,331e,331pと、比較器332b,332e,332pと、ローパスフィルタ333b,333e,333pと、誤差増幅器334b,334e,334pとを有している。
サンプルホールド回路331bは、電流/電圧変換器322の出力信号VPDから、ボトムパワーPbに対応した信号をサンプリングしてホールドするためのものである。そのため、このサンプルホールド回路331bには、図8に示すように、半導体レーザ311から発生されるレーザビームがボトムパワーPbにあるタイミングTbでサンプリングパルスSPbが供給される。
このサンプルホールド回路331bの出力信号Vbは比較器332bの反転入力端子に供給され、その非反転入力端子には目標値Vb0が供給される。この比較器332bからは出力信号Vbの目標値Vb0に対する誤差を示す誤差信号Vbeが得られ、この誤差信号Vbeがローパスフィルタ333bを介して誤差増幅器334bに供給されて増幅される。そして、この誤差増幅器334bの出力信号が上述したレーザドライバ312の電流源316に電流制御信号として供給される。これにより、半導体レーザ311から発生されるレーザビームのボトムパワーPbが所定値となるように、電流源316の電流Ibが制御される。
サンプルホールド回路331eは、電流/電圧変換器322の出力信号VPDから、イレースパワーPeに対応した信号をサンプリングしてホールドするためのものである。そのため、このサンプルホールド回路331eには、図8に示すように、半導体レーザ311から発生されるレーザビームがイレースパワーPeにあるタイミングTeでサンプリングパルスSPeが供給される。
このサンプルホールド回路331eの出力信号Veは比較器332eの反転入力端子に供給され、その非反転入力端子には目標値Ve0が供給される。この比較器332eからは出力信号Veの目標値Ve0に対する誤差を示す誤差信号Veeが得られ、この誤差信号Veeがローパスフィルタ333eを介して誤差増幅器334eに供給されて増幅される。そして、この誤差増幅器334eの出力信号が上述したレーザドライバ312の電流源317に電流制御信号として供給される。これにより、半導体レーザ311から発生されるレーザビームのイレースパワーPeが所定値となるように、電流源317の電流I1が制御される。
サンプルホールド回路331pは、電流/電圧変換器322の出力信号VPDから、ピークパワーPpに対応した信号をサンプリングしてホールドするためのものである。そのため、このサンプルホールド回路331pには、図8に示すように、半導体レーザ311から発生されるレーザビームがピークパワーPpにあるタイミングTpでサンプリングパルスSPpが供給される。
このサンプルホールド回路331pの出力信号Vpは比較器332pの反転入力端子に供給され、その非反転入力端子には目標値Vp0が供給される。この比較器332pからは出力信号Vpの目標値Vp0に対する誤差を示す誤差信号Vpeが得られ、この誤差信号Vpeがローパスフィルタ333pを介して誤差増幅器334pに供給されて増幅される。そして、この誤差増幅器334pの出力信号が上述したレーザドライバ312の電流源318に電流制御信号として供給される。これにより、半導体レーザ311から発生されるレーザビームのピークパワーPpが所定値となるように、電流源318の電流I2が制御される。
上述したレーザパワーの制御動作によれば、例えば温度上昇によって、半導体レーザ311のI-P特性が、図10に実線で示す状態から破線で示す状態に変化した場合、電流源316,317,318の電流は、それぞれ、Ib,I1,I2からIb′,I1′,I2′に変化するように制御される。そのため、ボトムパワーPb、イレースパワーPe、ピークパワーPpに対応して半導体レーザ311を流れる電流は、Ib,Ie,IpからIb′,Ie′,Ip′に変化し、当該パワーPb,Pe,Ppとして所定値が維持される。
半導体レーザから発生されるレーザビームをフォトダイオードでモニタし、このフォトダイオードの出力電流を電流/電圧変換器で電圧信号に変換し、この電圧信号に基づいてレーザパワーを制御することは、例えば特許文献1にも記載されている。
上述したように電流/電圧変換器322の出力信号VPDから、サンプルホールド回路331bでボトムパワーPbに対応した信号Vbをサンプリングホールドし、またサンプルホールド回路331pでピークパワーPpに対応した信号Vpをサンプリングホールドするものによれば、記録速度の高速化が進むにつれ、電流/電圧変換器322による帯域制限のため、信号Vb,Vpを正しく得ることが困難となる。すなわち、記録速度が高速になると、電流/電圧変換器322による帯域制限のため、この電流/電圧変換器322の出力信号VPDは、図8Dに破線で示すように鈍った状態となり、従って信号Vb,Vpを正しく得ることが難しくなる。このように信号Vb,Vpを正しく得ることができなくなると、ボトムパワーPb、ピークパワーPpを良好に制御できなくなる。
この発明の目的は、シンプルかつ低コストの回路構成で、しかも電流/電圧変換器による帯域制限の影響を受けることなくレーザビームのパワーを良好に制御することにある。
この発明に係る光ディスク装置は、レーザビームを発生する半導体レーザと、この半導体レーザから発生されるレーザビームを光ディスクに照射するレーザビーム照射部と、半導体レーザから発生されるレーザビームをモニタするフォトダイオードと、このフォトダイオードの出力電流を充電する充電回路と、この充電回路に充電された電流を放電する放電回路と、充電回路にフォトダイオードの出力電流が所定期間充電されて得られる充電電圧をホールドするホールド回路と、このホールド回路でホールドされた充電電圧に基づいて、半導体レーザから発生されるレーザビームのパワーを制御するレーザパワー制御部とを備えるものである。
また、この発明に係る光ピックアップは、レーザビームを発生する半導体レーザと、この半導体レーザから発生されるレーザビームを光ディスクに照射するレーザビーム照射部と、半導体レーザから発生されるレーザビームをモニタするフォトダイオードと、このフォトダイオードの出力電流を充電する充電回路と、この充電回路に充電された電流を放電する放電回路とを備えるものである。
また、この発明に係るレーザパワー制御方法は、半導体レーザで発生され、光ディスクに照射されるレーザビームをフォトダイオードでモニタし、このフォトダイオードの出力電流を所定期間充電し、この充電で得られた充電電圧に基づいて半導体レーザから発生されるレーザビームのパワーを制御するものである。
この発明においては、半導体レーザから発生され、光ディスクに照射されるレーザビームがフォトダイオードでモニタされる。そして、フォトダイオードの出力電流が充電回路で所定期間充電される。そして、この充電で得られた充電電圧に基づいて半導体レーザから発生されるレーザビームのパワーが制御される。例えば、充電電圧が目標値に近づくように半導体レーザを流れる電流が制御される。このように、フォトダイオードの出力電流を電圧信号に変換する電流/電圧変換器を用いるものではなく、従ってシンプルかつ低コストの回路構成で、しかも電流/電圧変換器による帯域制限の影響を受けることなくレーザビームのパワーを良好に制御できる。
例えば、光ディスクに記録マークを形成する第1の期間に半導体レーザから発生されるレーザビームのパワーを、交互に、第1のパワーおよびこの第1のパワーよりも低い第2のパワーとする光ディスク装置にあっては、第1の期間内の所定期間に充電回路にフォトダイオードの出力電流が充電されて得られる第1の充電電圧がホールド回路でホールドされる。そして、レーザパワー制御部では、このホールド回路でホールドされた第1の充電電圧が第1の目標値に近づくように第1のパワーに対応して半導体レーザを流れる電流が制御される。これにより、記録速度の高速化で第1のパワーおよび第2のパワーの変化周期(パルス周期)が短くなったとしても、パルス電流の数パルス分が充電回路で充電されることで、第1のパワーに対応した第1の充電電圧を良好に得ることができ、従って第1のパワーを良好に制御できる。
また例えば、光ディスクに記録マークを形成する第1の期間の前後に位置する第2の期間に半導体レーザから発生されるレーザビームのパワーを、第1のパワーよりも低く、かつ第2のパワーよりも高い第3のパワーとする光ディスク装置にあっては、第2の期間内の所定期間に充電回路にフォトダイオードの出力電流が充電されて得られる第2の充電電圧がホールド回路でホールドされる。そして、レーザパワー制御部では、ホールド回路でホールドされた第2の充電電圧が第2の目標値に近づくように第3のパワーに対応して半導体レーザを流れる電流が制御される。これにより、第3のパワーを、上述した第1のパワーと同じ回路構成で、良好に制御できる。
また例えば、レーザパワー制御部では、第2のパワーに対応して上記半導体レーザを流れる電流が、第3のパワーに対応して半導体レーザを流れる電流をIeとし、第1のパワーに対応して半導体レーザを流れる電流をIe+I3とするとき、Ie−k×I3(kは定数)となるように制御される。これにより、第2のパワーの安定化も可能となる。
なお、フォトダイオードの出力電流を増幅する電流増幅部をさらに備え、充電回路では、フォトダイオードの出力電流が電流増幅部で増幅された後の電流を充電するようにしてもよい。これにより、所定期間における充電量を大きくでき、従って当該所定期間を短くでき、例えば記録マークを形成する第1の期間が短い部分でも、第1のパワーに対応した第1の充電電圧を良好に得ることができ、当該第1のパワーを良好に制御できる。
この発明によれば、半導体レーザで発生され、光ディスクに照射されるレーザビームをフォトダイオードでモニタし、このフォトダイオードの出力電流を所定期間充電して得られる充電電圧に基づいてレーザビームのパワーを制御する構成であり、電流/電圧変換器を使用しないシンプルかつ低コストの回路構成で、しかも電流/電圧変換器による帯域制限の影響を受けることなく、レーザビームのパワーを良好に制御できる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態としての光ディスク装置100の構成を示している。この光ディスク装置100は、DVD−RWとしての光ディスク101を取り扱う。この光ディスク101は、有機色素系記録膜が塗布形成された構成となっており、レーザ光を照射して記録マークを形成することで情報を記録し得るものである。
図1は、実施の形態としての光ディスク装置100の構成を示している。この光ディスク装置100は、DVD−RWとしての光ディスク101を取り扱う。この光ディスク101は、有機色素系記録膜が塗布形成された構成となっており、レーザ光を照射して記録マークを形成することで情報を記録し得るものである。
図2は、光ディスク101のプリフォーマット構造を示している。この光ディスク101では、ウォブル・ランドプリピット方式が採用されており、ディスク上にウォブルグルーブGが形成されていると共に、グルーブGとグルーブGの間のランドLの部分にランドプリピットLPPが形成されている。この場合、ウォブリンググルーブGによって得られる反射光情報は、光ディスク101の回転制御や記録用マスタークロックの生成等に用いられる。また、ランドプリピットLPPは、ビット単位の正確な記録位置の決定やプリアドレス等の光ディスク101の各種情報の取得に用いられる。
図1に戻って、光ディスク装置100は、装置全体の動作を制御する、図示しないマイクロコンピュータを備えてなるシステムコントローラ102を有している。このシステムコントローラ102には、例えば液晶表示素子で構成され、装置の状態などを表示する表示部103と、ユーザ操作のために複数の入力キーなどが配された操作キー部104とが接続されている。
また、光ディスク装置100は、スピンドルモータ(SPM)106と、スピンドルモータドライバ(SPMドライバ)107と、スピンドルサーボ回路108とを有している。スピンドルモータ106は、ターンテーブル105に載置された光ディスク101を、記録時および再生時に、線速度一定(CLV:Constant Linear Velocity)で回転駆動する。
スピンドルサーボ回路108は、スピンドルモータ106を線速度一定で回転させる制御を行う。そのために、このスピンドルサーボ回路108は、記録時および再生時に、スピンドルモータドライバ107に、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を供給する。ここで、スピンドルサーボ回路108は、記録時には、後述するウォブルPLL(Phase-Locked Loop)部で生成されるウォブルクロックWCKを現在のスピンドルモータ106の回転速度情報とし、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成する。また、スピンドルサーボ回路108は、再生時には、後述するエンコード/デコード部内のPLLによって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)を現在のスピンドルモータ106の回転速度情報とし、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成する。
スピンドルモータドライバ107は、スピンドルドライブ信号に応じて、例えば3相駆動信号をスピンドルモータ106に供給し、このスピンドルモータ106のCLV回転を実行させる。
なお、スピンドルサーボ回路108は、システムコントローラ102からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータドライバ107によるスピンドルモータ106の起動、停止、加速、減速等の動作も実行させる。
また、光ディスク装置100は、光ピックアップ(OP)110を有している。この光ピックアップ110は、レーザビームを発生する半導体レーザ、この半導体レーザにドライブ信号としての電流を流すためのレーザドライバ、光ディスク101からの反射光を検出する検出用フォトディテクタ、半導体レーザから発生されるレーザビームを対物レンズ111を介して光ディスク101に照射し、またその反射光を上述のフォトディテクタに導く光学系、半導体レーザから発生されるレーザビームをモニタするモニタ用フォトディテクタ、このモニタ用フォトディテクタの出力電流を充電する充電回路等を備えている。
また、光ディスク装置100は、二軸ドライバ112と、スレッド機構113と、スレッドドライバ114と、サーボ回路115とを有している。光ピックアップ110の対物レンズ111は、図示しない二軸機構によってトラッキング方向およびフォーカス方向に移動可能に保持されている。また、光ピックアップ110全体は、スレッド機構113により、ディスク半径方向に移動可能とされている。
サーボ回路115は、後述するマトリックス回路からのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEから、フォーカス、トラッキング、スレッドの各種サーボドライブ信号を生成し、サーボ動作を実行させる。
すなわち、サーボ回路115は、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じて、フォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、二軸ドライバ112に供給する。二軸ドライバ112は、このフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号に応じて、光ピックアップ110における二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動する。
また、サーボ回路115は、システムコントローラ102からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、二軸ドライバ112に対してジャンプドライブ信号を出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
また、サーボ回路115は、トラッキングエラー信号TEの低域成分として得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ102からのアクセス実行制御等に基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッドドライバ114に供給する。スレッドドライバ114は、スレッドドライブ信号に応じてスレッド機構113を駆動する。スレッド機構113は、図示せずも、光ピックアップ110を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等からなっている。スレッドドライバ114がスレッドドライブ信号に応じてスレッドモータを駆動することで、光ピックアップ110の所要のスライド移動が行われる。
また、光ディスク装置100は、APC(Auto Power Control)回路116を有している。このAPC回路116は、光ピックアップ110の充電回路にモニタ用フォトディテクタの出力電流が所定期間充電されて得られる充電電圧に応じて、光ピックアップ110の半導体レーザに流す電流を制御し、記録時および再生時に、半導体レーザから発生されるレーザビームのパワーがそれぞれ所定値となるように制御する。ここで、充電電圧の目標値はシステムコントローラ102から与えられ、APC回路116は、充電電圧がその目標値になるように光ピックアップ110のレーザドライバを制御する。
また、光ディスク装置100は、マトリックス回路117を有している。このマトリックス回路117は、光ピックアップ110の上述した検出用フォトディテクタとしての複数の受光素子の出力電流に対応して電流/電圧変換回路、マトリックス演算/増幅回路等を備え、マトリックス演算処理により必要な信号を生成する。例えば、このマトリックス回路117は、再生データに相当するRF信号、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE等を生成する。さらに、このマトリックス回路117は、ランドプリピットLPPおよびグルーブGのウォブリングに係る信号としてプッシュプル信号P/Pを生成する。マトリックス回路117で生成されるフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEは、上述したようにサーボ回路115に供給される。
また、光ディスク装置100は、ランドプリピット(LPP)抽出部120と、アドレスデコーダ121と、ウォブルPLL部122と、エンコードクロック発生部123とを有している。LPP抽出部120は、マトリックス回路117で生成されたプッシュプル信号P/Pを2値化してランドプリピット情報を得る。アドレスデコーダ121は、LPP抽出部120で得られたランドプリピット情報に基づいてプリフォーマットされているアドレス情報をデコードする。このアドレスデコーダ121で得られたアドレス情報はシステムコントローラ102に供給される。
ウォブルPLL部122は、マトリックス回路117で生成されたプッシュプル信号P/PからPLL動作によりウォブルクロックWCKを生成する。このウォブルPLL部122で生成されたウォブルクロックWCKは、アドレスデコーダ121およびエンコードクロック発生部123に供給され、さらに上述したようにスピンドルサーボ回路108にも供給される。エンコードクロック発生部123は、このウォブルクロックWCKおよび上述したLPP抽出部120で得られたランドプリピット情報からエンコードクロックを発生する。このエンコードクロックは、記録時においてエンコード処理を行うための基準クロックとなるものであり、後述するエンコード/デコード部に供給される。
また、光ディスク装置100は、2値化部124と、エンコード/デコード部125と、バッファメモリ126と、インタフェース127とを有している。2値化部124は、マトリックス回路117で生成されたRF信号を2値化して2値化データを得る。エンコード/デコード部125は、再生時のデコーダとしての機能部位と、記録時のエンコーダとしての機能部位を備える。エンコード/デコード部125は、再生時には、2値化部124で得られた2値化データに対して、ランレングスリミテッドコードの復調処理、デインターリーブ処理、エラー訂正処理などのデコード処理を行って、再生データを得る。
また、エンコード/デコード部125は、再生時には、2値化部124で得られた2値化データからPLL動作により再生クロックを生成し、その再生クロックに基づいて上述のデコード処理を実行する。
また、エンコード/デコード部125は、再生時には、デコード処理で得られた再生データをバッファメモリ126に蓄積していく。インタフェース127は、外部のホストコンピュータと接続され、ホストコンピュータとの間で、データ、各種コマンド等の通信を行う。再生時においては、上述したようにバッファメモリ126にバファリングされている再生データが読み出され、インタフェース127を介してホストコンピュータに転送される。なお、ホストコンピュータからのリードコマンド、ライトコマンド等はインタフェース127を介してシステムコントローラ102に供給される。
記録時には、ホストコンピュータから記録データが転送されてくるが、その記録データはインタフェース127を介してバッファメモリ126に送られて蓄積される。エンコード/デコード部125は、記録時には、バッファメモリ126にバファリングされている記録データに対して、エラー訂正コードの付加処理、インターリーブ処理、ランレングスリミテッドコードの変調処理などのエンコード処理を行って、記録データRDを得る。
また、光ディスク装置100は、変調信号発生部128を有している。ここで、光ピックアップ110の半導体レーザから発生されるレーザビームのパワー(レーザパワー)は、第1の期間としての記録マークを形成する期間(変調期間)、例えば記録データRDが「1」である期間では、交互に、第1のパワーとしてのピークパワーPpおよびこのピークパワーPpより低い、第2のパワーとしてのボトムパワーPbとされ、また第2の期間としての記録マークを形成しない期間(DC期間)、例えば記録データRDが「0」である期間では、ピークパワーPpより低く、かつ上述したボトムパワーPbより高い、第3のパワーとしてのイレースパワーPeとされる。
変調信号発生部128は、変調期間、DC期間で、レーザパワーが上述したパワーとなるように半導体レーザに所定の電流を流すようにレーザドライバを制御する、ボトム値変調信号SMb、イレース値変調信号SMeおよびピーク値変調信号SMpを発生する。
図3Aは、記録データRDの一例を示しており、図3Bはその記録データRDに対応して光ピックアップ110の半導体レーザから発生されるレーザビームのパワー(レーザパワー)を示している。そして、図3C,D,Eは、それぞれ、その記録データRDに対応して、変調信号発生部128で発生される変調信号SMe,SMp,SMbを示している。
次に、図1に示す光ディスク装置100の動作を説明する。
<再生動作>
ホストコンピュータよりインタフェース127を介してシステムコントローラ102にデータリードコマンドが供給される場合には、再生動作が行われる。
<再生動作>
ホストコンピュータよりインタフェース127を介してシステムコントローラ102にデータリードコマンドが供給される場合には、再生動作が行われる。
この場合、光ピックアップ110の検出用フォトディテクタとしての複数の受光素子の出力電流がマトリックス回路117に供給される。そして、マトリックス回路117で生成される、再生データに相当するRF信号は2値化部124で2値化データとされてエンコード/デコード部125に供給される。
このエンコード/デコード部125では、2値化データに対してランレングスリミテッドコードの復調処理、デインターリーブ処理、エラー訂正処理などのデコード処理が行われて再生データが得られる。この再生データはバッファメモリ126でバファリングされた後に、インタフェース127を介してホストコンピュータに転送される。
なおこの場合、光ピックアップ110の半導体レーザから発生され、光ディスク101に照射されるレーザビームのパワー(レーザパワー)は、システムコントローラ102の制御のもと、APC回路116により、一定のパワー(リードパワー)とされる。
また、マトリックス回路117で生成されるフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEがサーボ回路115に供給される。そして、このサーボ回路115から二軸ドライバ112に、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じて、フォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号が供給されて二軸機構113が駆動され、フォーカスサーボ、トラッキングサーボが行われる。
また、マトリックス回路117で生成されるRF信号にアドレス情報が含まれており、エンコード/デコード部125でアドレス情報がデコードされる。このアドレス情報がシステムコントローラ102に供給され、システムコントローラ102ではこのアドレス情報に基づいてアクセス実行制御が行われる。
また、エンコード/デコード部125内のPLLによって生成される再生クロックが回転速度情報としてスピンドルサーボ回路108に供給される。スピンドルサーボ回路108ではこの回転速度情報と所定のCLV基準速度情報とが比較されてスピンドルエラー信号が生成され、このスピンドルエラー信号に応じて、スピンドルモータ106の線速度一定の回転制御が行われる。
<記録動作>
ホストコンピュータよりインタフェース127を介してシステムコントローラ102にデータライトコマンドが供給される場合には、記録動作が行われる。
ホストコンピュータよりインタフェース127を介してシステムコントローラ102にデータライトコマンドが供給される場合には、記録動作が行われる。
ホストコンピュータから転送されてきた記録データに対して、エンコード/デコード部125でエラー訂正コードの付加処理、インターリーブ処理、ランレングスリミテッドコードの変調処理などが行われて、記録データRDが生成される。この記録データRDは変調信号発生部128に供給される。この変調信号発生部128では、記録データRDに対応して、変調信号SMe,SMp,SMbが発生され、この変調信号SMe,SMp,SMbは光ピックアップ110のレーザドライバに供給される。
これにより、光ピックアップ110の半導体レーザより出力され、光ディスク101に照射されるレーザビームのパワー(レーザパワー)は、記録マークを形成する期間(変調期間)では、交互に、ピークパワーPpおよびボトムパワーPbとされ、また記録マークを形成しない期間(DC期間)では、イレースパワーPeとされ(図3参照)、光ディスク101に記録データRDが記録される。
なおこの場合、光ピックアップ110の半導体レーザから発生され、光ディスク101に照射されるレーザビームの各パワー(ピークパワーPp、ボトムパワーPb、イレースパワーPe)は、システムコントローラ102の制御のもと、APC回路116により、所定値となるように制御される。この制御の詳細については、後述する。
また、光ピックアップ110の検出用フォトディテクタとしての複数の受光素子の出力電流がマトリックス回路117に供給される。フォーカスサーボ、トラッキングサーボは、このマトリックス回路117で生成されるフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに基づき、上述した再生時と同様に行われる。
また、マトリックス回路117で生成されるプッシュプル信号P/PがLPP抽出部120で2値化されてランドプリピット情報が得られる。そして、このランドプリピット情報からアドレスデコーダ121でアドレス情報がデコードされる。このアドレス情報がシステムコントローラ102に供給され、システムコントローラ102ではこのアドレス情報に基づいてアクセス実行制御が行われる。
また、ウォブルPLL部122でマトリックス回路117で生成されるプッシュプル信号P/Pから生成されるウォブルクロックWCKが回転速度情報としてスピンドルサーボ回路108に供給される。スピンドルサーボ回路108ではこの回転速度情報と所定のCLV基準速度情報とが比較されてスピンドルエラー信号が生成され、このスピンドルエラー信号に応じて、スピンドルモータ106の線速度一定の回転制御が行われる。
次に、記録時におけるレーザパワー制御について詳細に説明する。図4は、記録時のレーザパワー制御に係る回路部の構成を示している。
光ピックアップ110は、レーザビームを発生する半導体レーザ(レーザダイオード)131と、この半導体レーザ131に電流を流すためのレーザドライバ132とを有している。そして、レーザドライバ132は、変調用のNPN形トランジスタ133,134,135と、電流源136,137,138とからなっている。
図5は、半導体レーザ131を流れる電流(レーザ電流)と、この半導体レーザ131で発生されるレーザビームのパワー(レーザパワー)との対応関係であるI-P特性を示している。温度変化があると、このI-P特性が変化する。例えば、温度上昇があると、I-P特性は、実線で示す状態から破線で示す状態に変化する。
電流源136はイレースパワーPeに対応した電流Ieを得るためのものであり、電流源137はピークパワーPpに対応した電流IpとイレースパワーPeに対応した電流Ieとの差の電流I3=(Ip−Ie)を得るためのものであり、電流源138はイレースパワーPeに対応した電流IeとボトムパワーPbに対応した電流Ibとの差の電流k×I3=(Ie−Ib)を得るためのものである。ここで、kは定数であり、電流Ieと電流Ibとの差が電流Ipと電流Ieとの差のk倍であると仮定したものである。
半導体レーザ131のアノードは電圧+B、例えば+5Vが供給される電源端子に接続され、そのカソードはトランジスタ133,134のコレクタにそれぞれ接続されている。これらトランジスタ133,134のエミッタは、それぞれ、電流源136,137を介して接地されている。また、半導体レーザ131と並列にトランジスタ135および電流源138の直列回路が接続されている。トランジスタ135のコレクタは電圧+Bが供給される電源端子に接続され、そのエミッタは電流源138を介して、トランジスタ133,134のコレクタに接続されている。
また、トランジスタ133のベースにはイレース値変調信号SMeが供給され、トランジスタ134のベースにはピーク値変調信号SMpが供給され、トランジスタ135のベースにはボトム値変調信号SMbが供給される。上述したように、記録データRDが図3Aに示すようであるとき、変調信号SMe,SMp,SMbはそれぞれ図3C,D,Eに示すように発生される。
この場合、イレース値変調信号SMeが“1”であるとき、トランジスタ133はオンとなる。そのため、トランジスタ134,135の双方がオフであるときは、電流源136により半導体レーザ131に電流Ieが流される。また、また、ピーク値変調信号SMpが“1”であるとき、トランジスタ134がオンとなる。このとき、半導体レーザ131に流される電流は電流源137によりI3=(Ip−Ie)だけ増加し、従って半導体レーザ131には電流Ipが流される。また、ボトム値変調信号SMbが“1”であるとき、トランジスタ135がオンとなる。このとき、半導体レーザ131に流される電流は電流源138によりk×I3だけ減少し、従って半導体レーザ131には電流Ibが流される。これにより、図3Aに示す記録データRDに対応して、半導体レーザ131からは、図3Bに示すようなパワーでレーザビームが発生される。
また、光ピックアップ110は、半導体レーザ131で発生されるレーザビームをモニタするフォトダイオード141と、このフォトダイオード141の出力電流を充電する充電回路と、この充電回路に充電された電流を放電する放電回路とを有している。ここで、充電回路は、接続スイッチ142およびコンデンサ143の直列回路で構成されている。放電回路は、接続スイッチ144で構成されている。
フォトダイオード141のカソードは電圧+Bが供給される電源端子に接続され、そのアノードは接続スイッチ142およびコンデンサ143の直列回路を介して接地されている。また、接続スイッチ142およびコンデンサ143の接続点Qは、接続スイッチ144を介して接地されている。
ここで、コンデンサ143には、記録マークを形成する期間(変調期間)が一定期間以上である部分において、この変調期間内の所定期間(Tm1)だけフォトダイオード141の出力電流が充電され、それによる充電電圧Vmdがその後の所定期間(Tm2)だけ接続点Qに保持されるようになされる。また、このコンデンサ143には、記録マークを形成しない期間(DC期間)が一定期間以上ある部分において、このDC期間内の所定期間(Td1)だけフォトダイオード141の出力電流が充電され、それによる充電電圧Vdcがその後の所定期間(Td2)だけ接続点Qに保持されるようになされる。
そのため、接続スイッチ142には、この接続スイッチ142を、所定期間Tm2,Td2でオフとし、その他の期間でオンとするスイッチ制御信号SW1が供給される。また、接続スイッチ144には、この接続スイッチ144を、所定期間Tm1,Tm2,Td1,Td2でオフとし、その他の期間でオンとするスイッチ制御信号SW2が供給される。これらスイッチ制御信号SW1,SW2は、上述した変調信号発生部128(図1参照)で生成されて供給される。
上述したように変調期間では、半導体レーザ131から発生されるレーザビームのパワー(レーザパワー)は、交互に、ピークパワーPpおよびボトムパワーPbとされる。そのため、上述した充電電圧Vmdの値は、ピークパワーPpの値に対応したものとなる。また、DC期間では、半導体レーザ131から発生されるレーザビームのパワー(レーザパワー)はイレースパワーPeとされる。そのため、上述した充電電圧Vdcの値は、イレースパワーPeの値に対応したものとなる。
例えば、記録データRDが図6Aに示すようであり、また半導体レーザ131から発生されるレーザビームのパワー(レーザパワー)が図6Bに示すようであるとき、スイッチ制御信号SW1,SW2は、それぞれ、図6D,Eに示すようになる。接続スイッチ142は、スイッチ制御信号SW1が“1”であるときオンとされ、スイッチ制御信号SW1が“0”であるときオフとされる。また、接続スイッチ144は、スイッチ制御信号SW2が“1”であるときオンとされ、スイッチ制御信号SW2が“0”であるときオフとされる。
の場合、フォトダイオード141の出力電流IPDは図6Cに示すようになり、接続点Qに得られる充電電圧は、図6Fに示すようになる。すなわち、変調期間内の所定期間(Tm1)にフォトダイオード141の出力電流IPDがコンデンサ143に充電され、この充電で得られた充電電圧Vmdがその後の所定期間(Tm2)だけ保持される。また、DC期間内の所定期間(Td1)にフォトダイオード141の出力電流IPDがコンデンサ143に充電され、この充電で得られた充電電圧Vdcがその後の所定期間(Td2)だけ保持される。
APC回路116は、サンプルホールド回路(S/H回路)151d,151mと、比較器152d,152mと、ローパスフィルタ153d,153mと、誤差増幅器154d,154mと、係数器155とを有している。
サンプルホールド回路151dは、光ピックアップ110の上述した接続点Qに得られる充電電圧から、イレースパワーPeに対応した充電電圧Vdcをサンプリングしてホールドするためのものである。そのため、このサンプルホールド回路151dには、図6Gに示すように、接続点Qに充電電圧Vdcが保持されている期間Td2に対応したタイミングのサンプリングパルスSPdが供給される。このサンプリングパルスSPdは、上述した変調信号発生部128(図1参照)で生成されて供給される。
このサンプルホールド回路151dの出力信号Vdcは比較器152dの反転入力端子に供給され、その非反転入力端子には、システムコントローラ102(図1参照)から目標値Vd0が供給される。この比較器152dからは出力信号Vdcの目標値Vd0に対する誤差を示す誤差信号Vdeが得られ、この誤差信号Vdeがローパスフィルタ153dを介して誤差増幅器154dに供給されて増幅される。そして、この誤差増幅器154dの出力信号が上述したレーザドライバ132の電流源136に電流制御信号として供給される。これにより、半導体レーザ131から発生されるレーザビームのイレースパワーPeが所定値となるように、電流源136の電流Ieが制御される。
サンプルホールド回路151mは、光ピックアップ110の上述した接続点Qに得られる充電電圧から、ピークパワーPpに対応した充電電圧Vmdをサンプリングしてホールドするためのものである。そのため、このサンプルホールド回路151mには、図6Hに示すように、接続点Qに充電電圧Vmdが保持されている期間Tm2に対応したタイミングのサンプリングパルスSPmが供給される。このサンプリングパルスSPmは、上述した変調信号発生部128(図1参照)で生成されて供給される。
このサンプルホールド回路151mの出力信号Vmdは比較器152mの反転入力端子に供給され、その非反転入力端子には、システムコントローラ102(図1参照)から目標値Vm0が供給される。この比較器152mからは出力信号Vmdの目標値Vm0に対する誤差を示す誤差信号Vmeが得られ、この誤差信号Vmeがローパスフィルタ153mを介して誤差増幅器154mに供給されて増幅される。そして、この誤差増幅器154mの出力信号が上述したレーザドライバ132の電流源137に電流制御信号として供給される。これにより、半導体レーザ131から発生されるレーザビームのピークパワーPpが所定値となるように、電流源137の電流I3が制御される。
また、誤差増幅器154mの出力信号が、係数器155でk倍とされた後に、上述したレーザドライバ132の電流源138に電流制御信号として供給される。これにより、半導体レーザ131から発生されるレーザビームのボトムパワーPbが所定値となるように、電流源138の電流k×I3が制御される。
上述したレーザパワーの制御動作によれば、例えば温度上昇によって、半導体レーザ131のI-P特性が、図5に実線で示す状態から破線で示す状態に変化した場合、電流源136,137,138の電流は、それぞれ、Ie,I3,k×I3からIe′,I3′,k×I3′に変化するように制御される。そのため、ボトムパワーPb、イレースパワーPe、ピークパワーPpに対応して半導体レーザ131を流れる電流は、Ib,Ie,IpからIb′,Ie′,Ip′に変化し、当該パワーPb,Pe,Ppとして所定値が維持される。
上述した実施の形態においては、モニタ用のフォトダイオードの出力電流IPDを充電回路を構成するコンデンサ143で充電することで得られた充電電圧Vdc,Vmdに基づいて、半導体レーザ131から発生されるレーザビームのパワーを制御するものである。したがって、フォトダイオードの出力電流を電圧信号に変換する電流/電圧変換器を用いるものではなく、シンプルかつ低コストの回路構成とでき、しかも電流/電圧変換器による帯域制限の影響を受けることなくレーザビームのパワーを良好に制御できる。
また、上述した実施の形態においては、光ディスク101に記録マークを形成する期間(変調期間)では、この変調期間内の所定期間(Tm1)にコンデンサ143にフォトダイオード141の出力電流IPDが充電されて得られる充電電圧Vmdが目標値Vm0に近づくように、ピークパワーPpに対応して半導体レーザ131を流れる電流Ipが制御されるものである。そのため、記録速度の高速化でピークパワーPpおよびボトムパワーPbの変化周期(パルス周期)が短くなったとしても、パルス電流の数パルス分がコンデンサ143で充電されることで、ピークパワーPpに対応した充電電圧Vmdを良好に得ることができ、従ってピークパワーPpを良好に制御できる。
また、上述した実施の形態においては、光ディスク101に記録マークを形成する変調期間の前後に位置するDC期間では、このDC期間内の所定期間(Td1)にコンデンサ143にフォトダイオード141の出力電流IPDが充電されて得られる充電電圧Vdcが目標値Vd0に近づくように、イレースパワーPeに対応して半導体レーザ131を流れる電流Ieが制御されるものであり、イレースパワーPeを、上述したピークパワーPpと同じ回路構成で、良好に制御できる。
また、上述した実施の形態においては、電流Ieと電流Ibとの差が電流Ipと電流Ieとの差のk倍であると仮定し、ピークパワーPpに対応して半導体レーザ131を流れる電流Ipを制御するための誤差増幅器154mの出力信号を係数器155でk倍としたもので電流源138を制御している。これにより、ピークパワーPpに対応して半導体レーザ131を流れる電流がIe+I3であるとき、ボトムパワーPbに対応して半導体レーザ131を流れる電流はIe−k×I3(kは定数)となるように制御され(図5参照)、ボトムパワーPbも安定化できる。
なお、上述実施の形態においては、モニタ用のフォトダイオード141の出力電流IPDを直接コンデンサ143で充電するものを示したが、この出力電流IPDを増幅してから充電するようにしてもよい。図7は、その場合における、記録時のレーザパワー制御に係る回路部の構成例を示している。この例では、カレントミラー回路を用いてフォトダイオード141の出力電流IPDを3倍に増幅するようにしている。この図7において、図4と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
フォトダイオード141のカソードは電圧+B、例えば+5Vが供給される電源端子に接続され、そのアノードは接続スイッチ142を介してNPN形トランジスタ146のコレクタに接続され、このトランジスタ146のエミッタは接地される。そして、このトランジスタ146のコレクタがそのベースに接続され、このトランジスタ146はダイオード接続とされる。
また、充電回路を構成するコンデンサ143の一端は電圧Vref、例えば+2.5Vが供給される電源端子に接続され、このコンデンサ143の他端はNPN形トランジスタ147〜149のコレクタに接続され、これらトランジスタ147〜149のエミッタは接地される。そして、これらトランジスタ147〜149のベースは上述したトランジスタ146のベースに接続される。これにより、トランジスタ146とトランジスタ147〜149とでカレントミラー回路が構成される。また、コンデンサ143と並列に放電回路を構成する接続スイッチ144が接続される。
この場合、接続スイッチ142がオン状態、かつ接続スイッチ144がオフ状態にあるコンデンサ143の充電時においては、フォトダイオード141の出力電流がIPDであるとき、充電電流はその3倍の3IPDとなる。またこの場合、コンデンサ143およびトランジスタ147〜149のコレクタの接続点Q′に充電電圧が得られるが、この充電電圧は、図6Iに示すように、上述の図4の例で接続点Qに得られる充電電圧とは異なり、充電するほど電圧値が低下していくものとなる。
図7に示す回路部のその他は図4に示す回路部と同様に構成され、そのレーザパワーの制御動作も同様である。
このように、フォトダイオード141の出力電流IPDを増幅してからコンデンサ143に充電することで、所定期間Tm1,Td1における充電量を大きくでき、この所定期間Tm1,Td1を短くできる。したがって例えば、記録マークを形成する変調期間が短い部分でも、ピークパワーPpに対応した充電電圧Vmdを良好に得ることができ、これにより充電電圧Vmdの取得頻度を高めることができ、当該ピークパワーPpをより精度よく制御できるようになる。
なお、上述実施の形態においては、この発明を書き換え型光ディスクとしてのDVD−RWを取り扱う光ディスク装置100に適用したものであるが、この発明はDVD+RW、CD−RW、ブルーレイディスク等のその他の書き換え型光ディスクを取り扱う光ディスク装置、さらにはDVD−R、CD−R等の追記型光ディスクを取り扱う光ディスク装置にも同様に適用できる。
この発明は、電流/電圧変換器を使用しないシンプルかつ低コストの回路構成で、しかも電流/電圧変換器による帯域制限の影響を受けることなく、レーザビームのパワーを良好に制御できるものであり、DVD装置、ブルーレイディスク装置等に適用できる。
100・・・光ディスク装置、101・・・光ディスク、102・・・システムコントローラ、103・・・表示部、104・・・操作キー部、105・・・ターンテーブル、106・・・スピンドルモータ、107・・・スピンドルモータドライバ、108・・・スピンドルサーボ回路、110・・・光ピックアップ、111・・・対物レンズ、112・・・二軸ドライバ、113・・・スレッド機構、114・・・スレッドドライバ、115・・・サーボ回路、116・・・APC回路、120・・・ランドプリピット抽出部、121・・・アドレスデコーダ、122・・・ウォブルPLL部、123・・・エンコードクロック発生部、124・・・2値化部、125・・・エンコード/デコード部、126・・・バッファメモリ、127・・・インタフェース、128・・・変調信号発生部、131・・・半導体レーザ、132・・・レーザドライバ、133〜135・・・変調用のNPN形トランジスタ、136〜138・・・電流源、141・・・フォトダイオード、142,144・・・接続スイッチ、143・・・コンデンサ、146〜149・・・増幅器を構成するNPN形トランジスタ、151d,151m・・・サンプルホールド回路、152d,152m・・・比較器、153d,153m・・・ローパスフィルタ、154d,154m・・・誤差増幅器、155・・・係数器
Claims (9)
- レーザビームを発生する半導体レーザと、
上記半導体レーザから発生されるレーザビームを光ディスクに照射するレーザビーム照射部と、
上記半導体レーザから発生されるレーザビームをモニタするフォトダイオードと、
上記フォトダイオードの出力電流を充電する充電回路と、
上記充電回路に充電された電流を放電する放電回路と、
上記充電回路に上記フォトダイオードの出力電流が所定期間充電されて得られる充電電圧をホールドするホールド回路と、
上記ホールド回路でホールドされた充電電圧に基づいて、上記半導体レーザから発生されるレーザビームのパワーを制御するレーザパワー制御部と
を備えることを特徴とする光ディスク装置。 - 上記レーザパワー制御部は、
上記ホールド回路でホールドされた充電電圧が目標値に近づくように上記半導体レーザを流れる電流を制御することで、上記半導体レーザから発生されるレーザビームのパワーを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。 - 上記光ディスクに記録マークを形成する第1の期間に半導体レーザから発生されるレーザビームのパワーを、交互に、第1のパワーおよび該第1のパワーよりも低い第2のパワーとする光ディスク装置であって、
上記ホールド回路は、上記第1の期間内の上記所定期間に上記充電回路に上記フォトダイオードの出力電流が充電されて得られる第1の充電電圧をホールドし、
上記レーザパワー制御部は、上記ホールド回路でホールドされた第1の充電電圧が第1の目標値に近づくように上記第1のパワーに対応して上記半導体レーザを流れる電流を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。 - 上記光ディスクに上記記録マークを形成する上記第1の期間の前後に位置する第2の期間に半導体レーザから発生されるレーザビームのパワーを、上記第1のパワーよりも低く、かつ上記第2のパワーよりも高い第3のパワーとする光ディスク装置であって、
上記ホールド回路は、さらに、上記第2の期間内の上記所定期間に上記充電回路に上記フォトダイオードの出力電流が充電されて得られる第2の充電電圧をホールドし、
上記レーザパワー制御部は、さらに、上記ホールド回路でホールドされた第2の充電電圧が第2の目標値に近づくように上記第3のパワーに対応して上記半導体レーザを流れる電流を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。 - 上記レーザパワー制御部は、
上記第2のパワーに対応して上記半導体レーザを流れる電流を、上記第3のパワーに対応して上記半導体レーザを流れる電流をIeとし、上記第1のパワーに対応して上記半導体レーザを流れる電流をIe+I3とするとき、Ie−k×I3(kは定数)となるように制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。 - 上記フォトダイオードの出力電流を増幅する電流増幅部をさらに備え、
上記充電回路は、上記フォトダイオードの出力電流が上記電流増幅部で増幅された後の電流を充電する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。 - レーザビームを発生する半導体レーザと、
上記半導体レーザから発生されるレーザビームを光ディスクに照射するレーザビーム照射部と、
上記半導体レーザから発生されるレーザビームをモニタするフォトダイオードと、
上記フォトダイオードの出力電流を充電する充電回路と、
上記充電回路に充電された電流を放電する放電回路と
を備えることを特徴とする光ピックアップ。 - 上記フォトダイオードの出力電流を増幅する電流増幅部をさらに備え、
上記充電回路は、上記フォトダイオードの出力電流が上記電流増幅部で増幅された後の電流を充電する
ことを特徴とする請求項7に記載の光ピックアップ。 - 半導体レーザで発生され、光ディスクに照射されるレーザビームをフォトダイオードでモニタし、
該フォトダイオードの出力電流を所定期間充電し、
該充電で得られた充電電圧に基づいて上記半導体レーザから発生されるレーザビームのパワーを制御する
ことを特徴とするレーザパワー制御方法。
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