JP2006072681A - 非接触icリーダライタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 アンテナ面と同一面内にリーダライタが複数配置された場合であっても、隣合うリーダライタ間で干渉が起こることのない非接触ICリーダライタを提供する。
【解決手段】 通信対象物としての非接触ICカードとの間でMHz帯の通信周波数で通信を行うためのアンテナをもつアンテナ基板10と、該アンテナ基板10の背後に配置される回路基板20とを有する非接触ICリーダライタにおいて、アンテナ面より電磁波放射方向に突き出るように、前記アンテナの側方位置に良導体としての側壁金属30を配置した構成である。また、側壁金属30の内側の少なくとも一部には側壁軟磁性体40が配されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 通信対象物としての非接触ICカードとの間でMHz帯の通信周波数で通信を行うためのアンテナをもつアンテナ基板10と、該アンテナ基板10の背後に配置される回路基板20とを有する非接触ICリーダライタにおいて、アンテナ面より電磁波放射方向に突き出るように、前記アンテナの側方位置に良導体としての側壁金属30を配置した構成である。また、側壁金属30の内側の少なくとも一部には側壁軟磁性体40が配されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、RFIDタグ、非接触ICカード等のICを含む通信対象物との間で電磁波を用いた無線通信を行なう、非接触ICリーダライタに関する。
近年、RFID技術を用いた無線通信システムが注目されている。この通信システムは一般に、各種データを記憶可能なデータキャリアと、このデータキャリアに対して非接触で情報の読み書き(リード/ライト)を行なうリーダライタとで構成される。データキャリアは、その形状や大きさ等に応じてRFIDタグ(無線ICタグ)、非接触ICカード等と呼ばれる(以下では、総称して非接触ICカードと呼ぶ)。この非接触ICカードに利用される無線周波数帯としては、135kHz以下の帯域、13.56MHz帯、及び2.45GHz帯等がある。この非接触ICカードは、使用者にとって取り扱いが容易であること等から、最近では交通機関の自動改札機等、各種入退出管理に利用されている。またその他にも、電子マネーや物品管理等への応用も検討されている。
これらRFIDシステムに使用されるリーダライタが、例えば非接触ICカード製造現場での実力検査目的で多数近接して並べて配置されたり、下記特許文献1のように自動販売機での商品ごとに搭載されたりした場合、リーダライタから発せられる電磁波が互いに干渉しあい、システムがうまく作動しない、又は非接触ICカードが通信を行なうべく意図したリーダライタ以外と通信を行なってしまうといった問題が生じる恐れがある。
この対策として、下記特許文献2では、リーダライタを複数台並列(但し、アンテナ面に垂直な方向に各リーダライタを配置)に有する非接触通信システムにおいて、各リーダライタ間に高透磁率材料からなる板材を配設することにより、通信の干渉を抑制している。
前記特許文献2に記載の従来技術は、リーダライタの電磁波放射方向において並列に配置された場合についての干渉改善方法であり、アンテナ面つまりアンテナが形成されている面と同一面内に複数のリーダライタが存在している場合については考慮されていない。
本発明は、上記の点に鑑み、アンテナ面と同一面内にリーダライタが複数配置された場合であっても、隣合うリーダライタ間で干渉が起こることのない非接触ICリーダライタを提供することを目的とする。
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
上記目的を達成するために、本発明は、ICを含む通信対象物との間でMHz帯の通信周波数で通信を行うためのアンテナと、該アンテナの背後に配置される回路基板とを有する非接触ICリーダライタにおいて、
アンテナ面より電磁波放射方向に突き出るように、前記アンテナの側方位置に良導体を配置したことを特徴としている。
アンテナ面より電磁波放射方向に突き出るように、前記アンテナの側方位置に良導体を配置したことを特徴としている。
前記非接触ICリーダライタにおいて、前記良導体の内側の少なくとも一部に軟磁性体が配されているとよい。また、前記軟磁性体の高さは前記良導体よりも低くてもよい。
前記非接触ICリーダライタにおいて、前記良導体及び前記軟磁性体は前記回路基板と一体化された構成であるとよい。
本発明に係る非接触ICリーダライタによれば、アンテナ面より放射方向に突き出るように、アンテナの側方位置に良導体を配置したので、アンテナ面と同一面内にリーダライタが複数配置された場合においても、アンテナの特性を大幅に悪化させずに、隣合うリーダライタ間で干渉が起こることを防止できる。この結果、非接触ICカード等のICを含む通信対象物は意図したリーダライタと確実に通信を行なうことが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、非接触ICリーダライタの実施の形態を図面に従って説明する。
図1は本発明に係る非接触ICリーダライタの実施の形態であって、図1(A)は概略正断面図、(B)は概略平面図である。この図において、非接触ICリーダライタ1は、ICを含む通信対象物としての非接触ICカード2との間で通信を行うためのアンテナを形成したアンテナ基板10と、このアンテナ基板10の背後に配置される回路基板20と、アンテナ基板10と回路基板20間に配置される背面軟磁性体15と、良導体としての側壁金属30と、側壁金属30の内側に配置された側壁軟磁性体40とを有している。
前記非接触ICカード2との間の通信は、MHz帯の通信周波数、例えばループ状アンテナを使って13.56MHzで行う。ループ状アンテナ12は通信対象側(非接触ICカード)に電磁波を放射し、また通信対象側からの電磁波を受信する機能を有する。ここでは、ループ状アンテナ12となる良導体パターンを形成した絶縁基板11の表面11aがアンテナ面であり、前記側壁金属30及びその内側の側壁軟磁性体40はアンテナ12の側方に位置してアンテナ12の四方を枠状に取り囲みかつアンテナ面より電磁波放射方向に突出している。側壁軟磁性体40は複素透磁率の実部の値が大きく、虚部の値が小さい材質が好ましい。
回路基板20はアンテナ基板10に設けられたアンテナを制御するものであり、アンテナに高周波送信信号を送出する送信機及びアンテナで受信された高周波受信信号を受ける受信機を有する。この回路基板20は大部分が金属であると考えることができ、アンテナ基板10の背後、つまり電磁波放射方向の反対側(通信対象側の反対側)に配置されている。ループ状アンテナ12及びこれと共振回路を構成するコンデンサ(アンテナ基板10又は回路基板20に設けられる)は、背面に軟磁性体15及び回路基板20が配置され、かつ側壁金属30及び側壁軟磁性体40が配置されている状態において最適な周波数特性となるように(例えば13.56MHzで最適な通信ができるように)、コイルパターン(巻き数、コイル径等)及び容量が設定されていると好ましい。
前記側壁金属30及びその内側の側壁軟磁性体40は回路基板20と一体化されていて、リーダライタの外装ケース50内に収納されている。
なお、図1では側壁軟磁性体40は側壁金属30と同じ高さの場合を図示しているが、側壁金属30よりも低い高さであってもよい。また、側壁金属30の内面に側壁軟磁性体40が密着していてもよいし、両者間に隙間があってもよい。
この実施の形態によれば、次の通りの効果を得ることができる。
(1) ICを含む通信対象物との間でMHz帯(とくに、13.56MHz)の通信周波数で通信を行うためのアンテナ12と、アンテナ12の背後に配置される回路基板20とを有する構成において、アンテナ面より電磁波放射方向に突き出るように、アンテナ12の側方位置に良導体としての側壁金属30を配置したので、アンテナ12から放射される電磁波の磁界の広がりを抑制することが可能である。このため、前記アンテナ面と同一面内にリーダライタが複数配置された場合においても、アンテナ12の特性を大幅に悪化させずに、隣合うリーダライタ間で干渉が起こることを防止できる。この結果、非接触ICカード2は意図したリーダライタ、つまり非接触ICカード2の真正面に対向したアンテナ12をもつリーダライタのみと確実に通信を行なうことが可能となる。
(2) 側壁金属30の内側の少なくとも一部に側壁軟磁性体40を配置することにより、アンテナ12から放射される電磁波の磁界の広がりを抑制するとともに、アンテナ特性を向上させることが可能である。つまり側壁金属30を設けたことに起因するアンテナ放射方向の磁界の弱まりを防止できる。この結果、非接触ICカード2との間で良好な通信が可能となる。
なお、上記実施の形態では、アンテナ基板10の四方を取り囲むように枠状に良導体としての側壁金属30を配置したが、別のリーダライタが隣接している部分にのみ側壁金属30及び側壁軟磁性体40を配置する構成としてもよい。また、背面軟磁性体15と側壁軟磁性体40とが接合している構造であっても差し支えない。
また、上記実施の形態では、前記良導体としての側壁金属30と側壁軟磁性体40はリーダライタの外装ケース内に収納された例を示したが、既存のリーダライタの構造体の外側に良導体としての側壁金属30と側壁軟磁性体40を配置する構成であってもよい。
以下、アンテナを表面に形成したアンテナ基板の側方位置に配置される良導体としての側壁金属及び側壁軟磁性体の効果について、電磁界シミュレータ(FDTD法)を用いたシミュレーションにより検討を行なった。
(1) モデル
シミュレーションモデルを図1に示す。このシミュレーションモデルは13.56MHzで通信を行なう場合のリーダライタを想定しており、アンテナ基板、背面軟磁性体(アンテナ背面)、回路基板、良導体としての側壁金属、側壁軟磁性体より形成されている。ここで、モデルに用いたサイズは一般的なリーダライタの形状を使用している。
シミュレーションモデルを図1に示す。このシミュレーションモデルは13.56MHzで通信を行なう場合のリーダライタを想定しており、アンテナ基板、背面軟磁性体(アンテナ背面)、回路基板、良導体としての側壁金属、側壁軟磁性体より形成されている。ここで、モデルに用いたサイズは一般的なリーダライタの形状を使用している。
以下、リーダライタの特性比較に関しては、アンテナ面(アンテナ基板の上面)から100mm上空の面内磁界強度分布、並びにアンテナ中心軸上の磁界強度で比較を行なっている。
解析空間:280mm×260mm×280mm
入力電力:1W
アンテナ基板:長辺55mm×短辺33mm×厚さ0.5mm
背面軟磁性体:長辺55mm×短辺33mm×厚さ0.5mm
回路基板:長辺80mm×短辺55mm×厚さ1mm
アンテナ基板−回路基板間距離:1mm
側壁金属:高さ5mm〜80m
側壁軟磁性体:複素比透磁率μr=8.6−j0
高さ20mm、40mm、厚さ0.5mm
入力電力:1W
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背面軟磁性体:長辺55mm×短辺33mm×厚さ0.5mm
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アンテナ基板−回路基板間距離:1mm
側壁金属:高さ5mm〜80m
側壁軟磁性体:複素比透磁率μr=8.6−j0
高さ20mm、40mm、厚さ0.5mm
(2) 側壁金属を用いるが、側壁軟磁性体が無い場合
側壁金属の高さを5mm〜80mmまで変化させたときのアンテナ中心軸上の磁界強度を、側壁金属無しの場合と対比して図2に示す。ここで、横軸のアンテナからの距離はアンテナ基板上面中心から上方に向かう距離である。
側壁金属の高さを5mm〜80mmまで変化させたときのアンテナ中心軸上の磁界強度を、側壁金属無しの場合と対比して図2に示す。ここで、横軸のアンテナからの距離はアンテナ基板上面中心から上方に向かう距離である。
また、アンテナ面を基準として100mm上空における磁界強度分布(磁界強度の最大値を1として規格化した結果)を図3に示す。ここで、横軸のxはアンテナ中心軸を基準とした横方向(アンテナ基板長辺方向)の距離、縦軸は磁界強度の最大値を1として規格化した磁界強度比である。
これより、側壁金属を高くするほど、放射される磁界自体が弱まってしまうものの、磁界の広がりを抑えることができることが確認された。
(3) 側壁金属を用いるとともに側壁軟磁性体を用いる場合
側壁金属の高さを40mm固定とし、側壁金属の内側に側壁軟磁性体を高さ20mm、40mmで装着したときの、アンテナ中心軸上の磁界強度を、側壁金属無し、側壁軟磁性体無しの場合と対比して図4に示す。また、アンテナ面を基準として100mm上空における磁界強度分布を図5に示す。図4において、側壁金属の高さ40mmで側壁軟磁性体の高さ40mmの場合と、側壁金属の高さ40mmで側壁軟磁性体の高さ20mmの場合とでは殆ど差が無く、また側壁金属無しと比較して磁界強度低下がわずかであることが示されている。また、図5では側壁金属40mmであれば、側壁軟磁性体の有無にかかわらず磁界の広がりを抑制できることが示されている。
側壁金属の高さを40mm固定とし、側壁金属の内側に側壁軟磁性体を高さ20mm、40mmで装着したときの、アンテナ中心軸上の磁界強度を、側壁金属無し、側壁軟磁性体無しの場合と対比して図4に示す。また、アンテナ面を基準として100mm上空における磁界強度分布を図5に示す。図4において、側壁金属の高さ40mmで側壁軟磁性体の高さ40mmの場合と、側壁金属の高さ40mmで側壁軟磁性体の高さ20mmの場合とでは殆ど差が無く、また側壁金属無しと比較して磁界強度低下がわずかであることが示されている。また、図5では側壁金属40mmであれば、側壁軟磁性体の有無にかかわらず磁界の広がりを抑制できることが示されている。
これらの結果から、側壁軟磁性体を配置することにより、磁界の広がりを抑えたまま、アンテナの特性を向上させ得ることが確認された。また、側壁軟磁性体は、側壁金属の一部に配するだけで効果があることが確認された。例えば、側壁軟磁性体は、側壁金属と同じ高さであってもよいが、側壁金属の約1/2以上の高さがあれば、側壁金属と同じ高さの場合とほぼ同様の効果が得られている。
以上本発明の実施の形態及び実施例について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
1 非接触ICリーダライタ
2 非接触ICカード
10 アンテナ基板
11 絶縁基板
12 ループ状アンテナ
15 背面軟磁性体
20 回路基板
30 側壁金属
40 側壁軟磁性体
50 外装ケース
2 非接触ICカード
10 アンテナ基板
11 絶縁基板
12 ループ状アンテナ
15 背面軟磁性体
20 回路基板
30 側壁金属
40 側壁軟磁性体
50 外装ケース
Claims (4)
- ICを含む通信対象物との間でMHz帯の通信周波数で通信を行うためのアンテナと、該アンテナの背後に配置される回路基板とを有する非接触ICリーダライタにおいて、
アンテナ面より電磁波放射方向に突き出るように、前記アンテナの側方位置に良導体を配置したことを特徴とする非接触ICリーダライタ。 - 前記良導体の内側の少なくとも一部に軟磁性体が配されていることを特徴とする請求項1記載の非接触ICリーダライタ。
- 前記軟磁性体の高さが前記良導体よりも低いことを特徴とする請求項2記載の非接触ICリーダライタ。
- 前記良導体及び前記軟磁性体は前記回路基板と一体化されていることを特徴とする請求項2又は3記載の非接触ICリーダライタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004255085A JP2006072681A (ja) | 2004-09-02 | 2004-09-02 | 非接触icリーダライタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004255085A JP2006072681A (ja) | 2004-09-02 | 2004-09-02 | 非接触icリーダライタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006072681A true JP2006072681A (ja) | 2006-03-16 |
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ID=36153250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004255085A Withdrawn JP2006072681A (ja) | 2004-09-02 | 2004-09-02 | 非接触icリーダライタ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006072681A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008040862A (ja) * | 2006-08-08 | 2008-02-21 | Tamura Seisakusho Co Ltd | Rfidリーダライタ |
JP2009251753A (ja) * | 2008-04-02 | 2009-10-29 | Glory Ltd | Icカード端末装置 |
-
2004
- 2004-09-02 JP JP2004255085A patent/JP2006072681A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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