JP2006071546A - 周波数特性評価装置、sパラメータ測定器、tdr波形測定器、および周波数特性評価装置用のプログラム - Google Patents

周波数特性評価装置、sパラメータ測定器、tdr波形測定器、および周波数特性評価装置用のプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】特別な試料あるいは特別な信号発生器を必要とせずに、信号配線の周波数特性を算出することのできる周波数特性評価装置および周波数特性評価装置用のプログラムを得る。
【解決手段】信号配線の周波数特性評価装置であって、長さの異なる配線に対応する配線長およびSパラメータ測定値を含む入力データを設定する入力手段(1)と、入力手段(1)で設定された入力データを記憶する記憶部(2)と、記憶部(2)に記憶された入力データに基づいて、配線間の通過位相差を算出する通過位相差算出手段(3)と、通過位相差算出手段(3)により算出された通過位相差を、記憶部(2)に記憶された配線長の差分で割ることにより位相定数を求め、位相定数に基づいて信号配線を囲む誘電体の実効比誘電率の周波数特性を算出する周波数特性算出手段(4)とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、信号配線の周波数特性評価装置および周波数特性評価装置用のプログラムに関するものであり、プリント配線基板特性の周波数依存性、特に配線から見た基板材料の実効比誘電率、および配線の特性インピーダンスの周波数依存性を評価するための周波数特性評価装置および周波数特性評価装置用のプログラムに関するものである。
まず始めに、基本となる比誘電率測定方法およびTDR測定の原理について説明する。図16は、測定対象である信号配線の一例であるプリント配線基板のストリップライン構造のイメージ図である。このプリント配線基板は、グランド導体11、ガラス繊維12a、樹脂12b、配線導体13を含んでいる。ガラス繊維12aと樹脂12bとの複合材が基板誘電体材料12に相当する。
図17は、従来の比誘電率測定方法の1つである空洞共振器摂動法の概略図である。空洞共振器21の容器には、内部が空洞になっている試料挿入穴22が設けられている。誘電率を測定したい試料片23を、試料挿入穴22に挿入することにより、誘電率の測定を行う。
次に、この装置による誘電率測定方法の概要を説明する。まず、試料片23が入っていない状態の完全な空洞状態で、共振周波数を測定する。次に、試料片23を試料挿入穴22に入れた状態で、共振周波数を測定する。試料を入れた状態では、試料片23の部分だけ周囲の空洞と誘電率が異なるため、共振周波数がわずかにずれる。試料片23の寸法が分かっているので、共振周波数のずれから、試料片23の誘電率を算出することができる。
また、図18は、配線の特性インピーダンスを測定するのに一般的に用いられているTDR(Time Domain Reflection)測定のイメージ図である。測定装置であるTDR波形測定器31は、電圧波形を発生する内部信号源32、波形観測位置33、波形観測位置の波形を表示する波形表示画面34を備えている。また、内部信号源32からの信号は、波形観測位置33、ケーブル35、プローブ36を介して測定対象の伝送線路37に送られる。
図19は、TDR波形測定器31で伝送線路37を測定した場合に波形観測位置33で観測される波形のイメージ図である。この波形は、時間経過とともに3つの領域(a)〜(c)に大別される。(a)の領域は、TDR波形測定器31が出力した電圧ステップの後にケーブル35からの反射により生じる電圧波形を示している。(b)の領域は、プローブ36の位置でケーブル35の特性インピーダンスと測定対象の伝送線路37のインピーダンスとの不整合により生じた段差の後に測定対象の伝送線路37からの反射により生じる電圧波形を示している。
さらに、(c)の領域は、測定対象の伝送線路37のプローブしていない側の開放端で生じた、測定対象の伝送線路37のインピーダンスと開放端インピーダンス(絶縁)との不整合により生じた段差の後に伝送線路開放端からの全反射により生じる電圧波形を示している。
次に、これら図18および図19の動作について説明する。TDR波形測定器31は、内部信号源32で、例えば電圧が0Vから2Vに急峻に変化する階段波形を生成する。この階段波形は、出力インピーダンス50Ωを介して、その先の50Ωのケーブル35に出力されるため、波形測定位置33での階段波形の電圧は、1:1に分圧されて、1Vとなる。ケーブル35を往復する時間(図19における(a)の領域で示された時間に相当)が経過した後、測定対象の伝送線路37からの反射が、伝送線路37の往復分の時間だけ続く(図19における(b)の領域で示された時間に相当)。
このとき、ケーブルの特性インピーダンスと測定対象のインピーダンスとが異なっていると、電圧値に段差が生じる(図19における(a)と(b)との領域の間の段差に相当)。さらに、測定対象往復分の時間(図19における(b)の領域で示された時間に相当)が経過すると、測定対象のプローブしていない側の開放端からの全反射がその後に現れる(図19における(c)の領域で示された時間に相当)。この時の電圧値の段差(図19における(b)と(c)との領域の間の段差に相当)は、測定対象が50Ωの場合、おおよそケーブルや測定対象からの反射の電圧の2倍になり、TDRの内部信号源の2Vに近くなる。
なお、図18ではプローブ36を介してケーブル35と測定対象の伝送線路37とが接続されているが、コネクタを介して接続される場合もある。この場合に、プローブ36やコネクタの内部でのインピーダンスがケーブル35の特性インピーダンスと異なっていると、図19における(a)と(b)との領域の間の段差の部分において、さらに細かい電圧値の振動が生じるが、図19では省略した。
次に、このような電圧波形の測定結果に基づいて、実効比誘電率を求める原理を説明する。測定対象の内部を信号が往復する時間を2×Tdとすると、電磁波の速度Cと配線長Lとの関係は、下式(1)で表される。
Figure 2006071546
ここで、実効比誘電率εreffの中を進む電磁波の速度Cと、真空中の光の速度Coとの間には、次式(2)の関係がある。
Figure 2006071546
式(2)による速度Cを式(1)に代入することにより、下式(3)を得る。
Figure 2006071546
よって、上式(3)を実効比誘電率εreffについて解くことにより、実効比誘電率εreffは、下式(4)となる。
Figure 2006071546
次に、この波形により、インピーダンスを求める原理を説明する。ケーブルのインピーダンスをZCable、測定対象のインピーダンスをZDUTとすると、ケーブルから測定対象に向かう波の接続位置での反射係数Γは、下式(5)となる。
Figure 2006071546
ケーブルでの電圧VCable、に対して、VCable×Γの反射波が発生する。このため、観測される電圧VDUTは、下式(6)となる。
Figure 2006071546
上式(6)を逆算すると、測定対象のインピーダンスZDUTは、下式(7)となり、測定結果に基づいて測定対象の伝送線路37のインピーダンスZDUTを求めることができる。
Figure 2006071546
上述のようにしてTDR波形測定器による通過時間と配線長との関係から実効比誘電率を求めることができるが、この方法には次のような問題点がある。第1の問題点として、TDR波形の電圧変化部分は傾きを持つため、測定対象での往復時間が正確に決定できない点が挙げられる。また、第2の問題点として、周波数による変化が得られない点が挙げられ、そもそも、計算した値がどの周波数での値なのか不明であるといった問題がある。
さらに、TDR波形測定器による配線の特性インピーダンス測定には、下記の問題点がある。第3の問題点として、階段波形の変化が途中から緩やかな変化になり、どの部分が反射の終了時点なのかが不明で、計算に用いる時刻により電圧値が異なり、計算結果も異なる点が挙げられる。また、第4の問題点として、時間軸上の反射波形振幅を計算に用いるため、特性インピーダンスの周波数依存性が得られない点が挙げられる。
特に、第4の問題点に関しては、信号源にパルス波や正弦波を使い、特性インピーダンスの周波数依存性を求める手法がある(例えば、非特許文献1および2参照)。これにより、配線の周波数依存性特性インピーダンスを求めることが可能となる。
丹治史裕,作左部剛視,高橋丈博,澁谷昇,"正弦波を用いたTDR法による特性インピーダンス測定法の開発," 第17回エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集,pp.89−90,東京,2003年3月 J−H.Kim and D−H.Han, "Hybrid Method for Frequency−Dependent Lossy Coupled Transmission Line Characterization and Modeling," IEEE 12th Topical Meeting on Electrical Performance of Electronic Packaging, pp.239−242, Princeton, New Jersey, October 27−29, 2003
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。従来の比誘電率測定方法をプリント配線基板に対して適用するには、次のような問題点がある。まず第1の問題点として、一般的な基板誘電体材料は、ガラス繊維と樹脂の複合材であり、その複合割合や基板製造過程の温度、圧力は、基板を製造するメーカーごとに異なり、同じ材料を使用しても出来上がった基板の特性に差が出る点が挙げられる。このため、基板特性の把握には、材料の評価ではなく、基板製造プロセスを通した後の、実際に使用されるものと同じ状態の基板としての試料評価が必要となる。これにより、比誘電率測定方法をプリント配線基板に対して適用するには、この試料評価が大きな制約となってしまう。
第2の問題点として、ガラス繊維は編み込み構造のために、ガラス繊維の厚みが不均一であることが挙げられる。このため、ガラス繊維と配線の位置関係により、配線にとっての実効比誘電率が変化する(H.Deck, S.Hall, B.Horine, K.Mallory, and T.Wig, “Impact of FR4 Dielectric Non−Uniformity on the Performance of Multi−Gb/s Differential Signals,” IEEE 12th Topical Meeting on Electrical Performance of Electronic Packaging, pp.243−246, Princeton, New Jersey, October 27−29, 2003.参照)。しかしながら、従来の測定方法では、このような局所的な偏りは見えないという問題がある。
第3の問題点として、他の容量法,ブリッジ法,トリプレート共振法などの測定方法により結果が異なる点が挙げられる(ビルドアップ配線版研究会WG4,“『高周波領域の材料測定技術の研究』について,”エレクトロニクス実装学会ビルドアップ配線版研究会公開研究会「車載用配線版技術の課題と展望」,pp.3−5,2004年1月参照)。
さらに、信号源にパルス波や正弦波を使い配線の周波数依存性特性インピーダンスを求める従来の方法は、適用できる周波数が低い、あるいは測定に特別な信号発生器が必要であるといった問題がある。
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、特別な試料を必要とせずに最終製品と同じプロセスで製造された配線材料を用いて、また、特別な信号発生器を必要とせずに、信号配線の周波数特性を広い周波数範囲にわたって算出することのできる周波数特性評価装置および周波数特性評価装置用のプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る周波数特性評価装置は、信号配線の周波数特性評価装置であって、長さの異なる配線に対応する配線長およびSパラメータ測定値を含む入力データを設定する入力手段と、入力手段で設定された入力データを記憶する記憶部と、記憶部に記憶された入力データに基づいて、配線間の通過位相差を算出する通過位相差算出手段と、通過位相差算出手段により算出された通過位相差を、記憶部に記憶された配線長の差分で割ることにより位相定数を求め、位相定数に基づいて信号配線を囲む誘電体の実効比誘電率の周波数特性を算出する周波数特性算出手段とを備えたものである。
また、本発明に係る周波数特性評価装置は、信号配線の周波数特性評価装置であって、測定対象である信号配線に対する階段波形の入射波および入射波に対する反射波に関する時間領域の波形データを設定する入力手段と、入力手段で設定された波形データを記憶する記憶部と、記憶部に記憶された波形データに基づいて、入射波および反射波の波形データを時間微分してインパルス応答を抽出するインパルス応答抽出手段と、インパルス応答をフーリエ変換して入射波および反射波の波形の周波数ごとの振幅分布を求めるフーリエ変換手段と、入射波および反射波の波形に対する振幅分布から周波数ごとの振幅比を算出して反射係数を求める反射係数算出手段と、反射係数に基づいて、信号配線の特性インピーダンスの周波数特性を算出する周波数特性算出手段とを備えたものである。
本発明によれば、複数の入力データの比較結果に基づいて、信号配線の周波数特性を算出することにより、特別な試料を必要とせずに最終製品と同じプロセスで製造された配線材料を用いて、また、特別な信号発生器を必要とせずに、測定対象の周波数特性を容易に、かつ、広い周波数範囲にわたって算出することのできる周波数特性評価装置および周波数特性評価装置用のプログラムを提供することができる。
以下、本発明の周波数特性評価装置および周波数特性評価装置用のプログラムの好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。なお、本願の実施の形態では、測定対象である信号配線の一例として、図16で示したようなプリント配線基板を用いて説明するが、プリント配線基板に限定されるものではなく、他の信号配線についても同様に適用可能である。
本発明の周波数特性評価装置および周波数特性評価装置用のプログラムは、測定対象である信号配線の異なる長さの配線に対する各配線長、および各配線のSパラメータ測定値を含む入力データに基づいて通過位相を算出することにより、測定対象の信号配線を囲む誘電体の周波数依存性実効比誘電率を算出することができ、また、測定対象である信号配線の入射階段波および反射階段波の入力波形データに基づいて反射係数を算出することにより、測定対象の周波数依存性特性インピーダンスを算出することができる周波数特性評価装置および周波数特性評価装置用のプログラムを得ることを特徴とするものである。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における周波数特性評価装置の構成図である。図1の周波数特性評価装置は、入力手段1、記憶部2、通過位相差算出手段3、周波数特性算出手段4、結果出力表示手段5で構成される。
入力手段1は、測定対象であるプリント配線基板の周波数特性を算出するために必要な入力データを設定する手段である。記憶部2は、入力データを記憶する記憶部であり、入力手段1は、設定された入力データをこの記憶部2に記憶させる。通過位相差算出手段3は、記憶部2に記憶された入力データに基づいて、測定対象であるプリント配線基板内の長さの異なる配線間の通過位相差を算出する手段である。
周波数特性算出手段4は、通過位相差算出手段3により算出された通過位相差を、記憶部2に記憶されたそれぞれの配線長の差分で割ることにより位相定数を求め、求まった位相定数に基づいてプリント配線基板の実効比誘電率の周波数特性を算出する手段である。さらに、結果出力表示手段5は、周波数特性算出手段4で算出された周波数特性を外部に出力表示する手段である。
なお、図1で示した入力手段1、通過位相差算出手段3、周波数特性算出手段4、および結果出力表示手段5による周波数特性の算出処理は、記憶部2を備えたコンピュータによるプログラム処理で実現可能である。
次に、このように構成された周波数特性評価装置により、測定対象であるプリント配線基板の実効比誘電率の周波数特性を算出する詳細について、フローチャートを用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態1における信号伝送線路のSパラメータ測定値のデータから実効比誘電率を算出する一連の処理を示したフローチャートである。
まず始めに、入力手段1は、入力すべき5種類のデータのどれを入力するかの選択を受け付ける(ステップS201)。この図2の例では、利用者は、番号iを入力する形式となっていて、i=1〜5は、それぞれ、配線Aの配線長Lの入力、配線Bの配線長Lの入力、TRL(Through-Reflection-Line)校正用データの入力、配線AのSパラメータ測定値の入力、および配線BのSパラメータ測定値の入力に対応する。入力手段1は、この番号に従って、各データの種類に対応したデータ入力を受け付け(ステップS202、S203)、設定された入力データを記憶部2に記憶させる。
選択した種類に対応したデータ入力が終了すると、次に、入力手段1は、5種類のデータが全て入力されたかどうかを確認する(ステップS204)。入力していないデータがある場合には、入力手段1は、ステップS201の処理に戻り、未入力のデータについて一連のデータ入力処理を繰り返す。一方、全てのデータが入力済みである場合には、入力手段1は、すでに入力済みのデータを変更するかどうかを確認する(ステップS205)。
データを変更する場合には、入力手段1は、ステップS201の処理に戻り、変更を望む番号に対する一連のデータ入力処理を繰り返すことにより、変更が必要なデータの修正を受け付け、修正された入力データを記憶部2に記憶させることとなる。一方、全てのデータがそろい、かつ、これらのデータを変更する必要がない場合には、5種類の入力データが確定し、次の計算のフェーズに進む。
5種類のデータが確定すると、次に、通過位相差算出手段3は、記憶部2から配線Aと配線BのSパラメータ測定値を取り出し、この配線Aと配線BのSパラメータ測定値に対してTRL校正を施し、通過位相θおよびθを求める(ステップS206)。図3は、本発明の実施の形態1におけるTRL校正後に得られる通過位相を示す図であり、図3(a)に配線Aの通過位相θ、図3(b)に配線Bの通過位相θをそれぞれ示している。
図3(a)、(b)における通過位相θ、θは、ともに−180度から+180度の範囲で表記されるノコギリ状のグラフとなっている。そこで、通過位相差算出手段3は、これらの通過位相θ、θを、0度から連続した値の連続表記通過位相θCA、θCBに変換する(ステップS207)。図4は、本発明の実施の形態1における連続表記通過位相を示す図である。
さらに、通過位相差算出手段3は、これら2つの連続表記通過位相θCA、θCBの差θdiffを計算するとともに、記憶部2から配線Aの配線長Lと配線Bの配線長Lとを取り出して配線長差Ldiffを計算する(ステップS208)。
次に、周波数特性算出手段4は、通過位相差θdiffをこの配線長差Ldiffで割ることにより、単位長あたりの位相である位相定数βを計算する(ステップS209)。さらに、周波数特性算出手段4は、位相定数βを用いて、電磁波の速度Cにおける周波数fごとの実効比誘電率εreffを計算する(ステップS210)。そして、結果出力表示手段5は、周波数特性算出手段4により求まったプリント配線基板の周波数ごとの実効比誘電率εreffを表示/出力する(ステップS211)。
ここで、ステップS210において実効比誘電率εreffを求めるための数式について説明する。実効比誘電率εreff内を通過する電磁波の速度Cは、次式(8)となる。
Figure 2006071546
このときの波長λ[m]は、周波数f[Hz]に対して、次式(9)となる。
Figure 2006071546
また、配線長Lは、波長λの(L/λ)周期分なので、通過位相θは、次式(10)となる。
Figure 2006071546
式(10)のλに式(9)を代入することにより、通過位相θは、下式(11)となる。
Figure 2006071546
これを整理すると、実効比誘電率εreffは、下式(12)となる。
Figure 2006071546
以上のように、本実施の形態1では、信号伝送線路のSパラメータ測定値のデータを活用して、上式(12)を用いることにより、伝送線路に対する周波数対実効比誘電率の算出が可能となる。図5は、本発明の実施の形態1における周波数対実効比誘電率実部のグラフであり、周波数の変化に対応して算出された実効比誘電率の一例を図示したものである。
式(12)において、通過位相θを通過位相差θdiff、Lを配線長差Ldiffとすることにより、先に説明したステップS210で実効比誘電率εreffを求めることができる。なお、図2においては、ステップS209で位相定数βの計算を行っているが、位相定数βの計算を行わずに実効比誘電率εreffの計算を下式(13)により直接行っても構わない。
Figure 2006071546
また、本実施の形態1では、位相の単位として[度]を用いているが、ラジアン単位でも構わない。ラジアン単位の場合、式中の360は2πになる。
実施の形態1によれば、測定対象であるプリント配線基板の異なる長さの配線に対する各配線長、TRL校正データ、および各配線のSパラメータ測定値の入力データに基づいて、基板誘電体の周波数依存性実効比誘電率を算出することができる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、信号伝送線路のSパラメータ測定値のデータから、実効比誘電率を算出する別の処理手順を説明する。図6は、本発明の実施の形態2における信号伝送線路のSパラメータ測定値のデータから実効比誘電率を算出する一連の処理を示したフローチャートである。
実施の形態1のフローチャートである図2と比較すると、図6のフローチャートでは、入力データの種類が5種類から4種類となっている点(ステップS601に相当)、およびTRL校正処理の代わりにGating処理を行っている点(ステップS602、S603に相当)が異なる。その他の処理は、実施の形態1と2とで共通であり、図6におけるステップS201、S202、S204、S205、S207〜S211が、この共通の処理に相当する。なお、本実施の形態2における周波数特性評価装置の構成は、実施の形態1の構成である図1と同様である。
次に、図6のフローチャートにしたがって、図2のフローチャートと異なる点を中心に一連の処理の流れを説明する。本実施の形態2においては、TRL校正処理を行わないため、データ入力フェーズにおいて、TRL校正データの入力が不要となる。したがって、入力手段1は、番号i=1〜4に対応して、それぞれ、配線Aの配線長L、配線Bの配線長L、配線AのSパラメータ測定値、および配線BのSパラメータ測定値の4種類のデータ入力を受け付け(ステップS601)、設定された入力データを記憶部2に記憶させる。
設定された配線Aおよび配線BのSパラメータ測定値には、多重反射が含まれている。そこで、通過位相差算出手段3は、周波数ドメインのデータであるSパラメータ測定値を一度時間軸に変換し、第1通過波とそれ以外の反射との区別が付く形にし、その中の第1通過波のみをGatingで抽出し、抽出した第1通過波を再度周波数ドメインに変換する(ステップS602およびステップS603)。これにより、多重反射を除去したそれぞれの配線における通過位相を得ることができる。それぞれの通過位相が求まった後は、実施の形態1と同様にステップS207〜S211の処理を施すこととなり、説明は省略する。
なお、実施の形態1と同様に、位相定数βの計算を行わずに実効比誘電率εreffの計算を先の式(13)により直接行っても構わない。また、本実施の形態2では、位相の単位として[度]を用いているが、ラジアン単位でも構わない。ラジアン単位の場合、式中の360は2πになる。
実施の形態2によれば、測定対象であるプリント配線基板の異なる長さの配線に対する各配線長、および各配線のSパラメータ測定値の入力データに基づいて、第1通過波を抽出して多重反射を除去した通過位相を算出することにより、TRL校正データを必要とせずに、基板誘電体の周波数依存性実効比誘電率を算出することができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、信号伝送線路のSパラメータ測定値のデータから、実効比誘電率を算出するさらに別の処理手順を説明する。図7は、本発明の実施の形態3における信号伝送線路のSパラメータ測定値のデータから実効比誘電率を算出する一連の処理を示したフローチャートである。本実施の形態3では、位相データに一定のずれが含まれている場合にも、精度よく実効比誘電率を算出することができる方法について説明する。
実施の形態1のフローチャートである図2と比較すると、図7のフローチャートでは、実効比誘電率の計算(ステップS701に相当)が異なる。その他の処理は、実施の形態1と3とで共通であり、図7におけるステップS201〜S209、S211が、この共通の処理に相当する。なお、本実施の形態3における周波数特性評価装置の構成は、実施の形態1の構成である図1と同様である。
次に、図7のステップS701において、実効比誘電率εreffを求めるための数式について説明する。一般に、先に示した式(12)において、位相データに一定のずれ(定数項Δθ)が含まれている場合は、このずれがそのまま計算結果に反映されてしまう。この場合、先に示した式(11)から、下式(14)の関係が成り立つ。
Figure 2006071546
この両辺を周波数fで微分すると、下式(15)となり、位相データの一定のずれ(定数項Δθ)は消えることとなる。
Figure 2006071546
上式(15)の右辺において、第1項は、df/df=1なのに対し、第2項は、d√(εreff)/df≪1であり、上式(15)は、下式(16)で近似できる。
Figure 2006071546
これにより、実効比誘電率εreffは、下式(17)で求められる。
Figure 2006071546
この式(17)の右辺を、位相定数βを用いてあらわすと、下式(18)となる。
Figure 2006071546
したがって、周波数特性算出手段4は、位相定数微分値(dβ/df)を含む上式(18)を用いることにより、位相データに一定のずれが含まれている場合にも、そのずれの影響を受けずに、伝送線路に対する周波数対実効比誘電率の算出が可能となる。なお、図7においては、ステップS209で位相定数βの計算を行っているが、位相定数βの計算を行わずに実効比誘電率εreffの計算を先に示した式(17)により直接行っても構わない。また、本実施の形態3では、位相の単として[度]を用いているが、ラジアン単位でも構わない。ラジアン単位の場合、式中の360は2πになる。
実施の形態3によれば、測定対象であるプリント配線基板の異なる長さの配線に対する各配線長、TRL校正データ、および各配線のSパラメータ測定値の入力データに基づいて、位相データに一定のずれが含まれている場合にも、そのずれの影響を受けずに、基板誘電体の周波数依存性実効比誘電率を算出することができる。
実施の形態4.
本実施の形態4では、信号伝送線路のSパラメータ測定値のデータから、実効比誘電率を算出するさらに別の処理手順を説明する。図8は、本発明の実施の形態4における信号伝送線路のSパラメータ測定値のデータから実効比誘電率を算出する一連の処理を示したフローチャートである。本実施の形態4では、位相データに一定のずれが含まれている場合に、TRL校正データを必要とせずに、精度よく実効比誘電率を算出する方法について説明する。
実施の形態2のフローチャートである図6と比較すると、図8のフローチャートでは、実効比誘電率の計算(ステップS701に相当)が異なる。その他の処理は、実施の形態2と4とで共通であり、図8におけるステップS701以外のステップが、この共通の処理に相当する。また、このステップS701における実効比誘電率の算出方法は、実施の形態3で説明したものと同一である。
なお、本実施の形態4における周波数特性評価装置の構成は、実施の形態1の構成である図1と同様であり、周波数特性算出手段4は、実施の形態3で説明した式(18)を用いることにより、位相データに一定のずれが含まれている場合にも、伝送線路に対する周波数対実効比誘電率の算出が可能となる。
また、図7においては、ステップS209で位相定数βの計算を行っているが、位相定数βの計算を行わずに実効比誘電率εreffの計算を先に示した式(17)により直接行っても構わない。また、本実施の形態では、位相の単として[度]を用いているが、ラジアン単位でも構わない。ラジアン単位の場合、式中の360は2πになる。
実施の形態4によれば、測定対象であるプリント配線基板の異なる長さの配線に対する各配線長、および各配線のSパラメータ測定値の入力データに基づいて、第1通過波を抽出して多重反射を除去した通過位相を算出することにより、TRL校正データを必要とせずに、さらに、位相データに一定のずれが含まれている場合にも、基板誘電体の周波数依存性実効比誘電率を算出することができる。
実施の形態5.
実施の形態1〜4では、測定対象であるプリント配線基板の周波数特性の1つとして、周波数依存性実効比誘電率を求める場合について説明した。本実施の形態5では、測定対象であるプリント配線基板の周波数特性の1つとして、周波数依存性特性インピーダンスを算出する場合について説明する。
図9は、本発明の実施の形態5における周波数特性評価装置の構成図である。図9の周波数特性評価装置は、入力手段1、記憶部2、インパルス応答抽出手段6、フーリエ変換手段7、反射係数算出手段8、周波数特性算出手段4、結果出力表示手段5で構成される。実効比誘電率を求めるための周波数特性評価装置の構成を示した図1と比較すると、図9の周波数特性評価装置は、入力手段1と周波数特性算出手段4との間の中間処理を行う手段として、通過位相差算出手段3の代わりに、インパルス応答抽出手段6、フーリエ変換手段7、反射係数算出手段8を新たに用いている点が異なる。
入力手段1は、測定対象であるプリント配線基板の周波数特性を算出するために必要な入射波と反射波の波形データを設定する手段である。記憶部2は、波形データを記憶する記憶部であり、入力手段1は、設定された波形データをこの記憶部2に記憶させる。
インパルス応答抽出手段6は、記憶部2に記憶された波形データに基づいて、それぞれの波形データを時間微分してインパルス応答を抽出する手段である。フーリエ変換手段7は、抽出されたインパルス応答をフーリエ変換してそれぞれの波形の周波数ごとの振幅分布を求める手段である。さらに、反射係数算出手段8は、それぞれの波形に対して求まった振幅分布から周波数ごとの振幅比を算出して反射係数を求める手段である。
周波数特性算出手段4は、反射係数算出手段8により算出された反射係数に基づいてプリント配線基板の特性インピーダンスの周波数特性を算出する手段である。さらに、結果出力表示手段5は、周波数特性算出手段4で算出された周波数特性を外部に出力表示する手段である。
なお、図9で示した入力手段1、インパルス応答抽出手段6、フーリエ変換手段7、反射係数算出手段8、周波数特性算出手段4、および結果出力表示手段5による周波数特性の算出処理は、記憶部2を備えたコンピュータによるプログラム処理で実現可能である。
次に、このように構成された周波数特性評価装置により、測定対象であるプリント配線基板の特性インピーダンスの周波数特性を算出する詳細について、フローチャートを用いて説明する。図10は、本発明の実施の形態5における周波数依存性特性インピーダンスを算出する処理のフローチャートである。
まず始めに、入力手段1は、入力すべき2種類のデータのどれを入力するかの選択を受け付ける(ステップS1001)。この図10の例では、利用者は、番号iを入力する形式となっていて、i=1、2は、それぞれ、入射階段波の波形データの入力、および反射階段波の波形データの入力に対応する。入力手段1は、この番号に従って、各データの種類に対応した波形データ入力を受け付け(ステップS1002、S1003)、設定された波形データを記憶部2に記憶させる。
図11は、本発明の実施の形態5における波形データである入射階段波および反射階段波のイメージ図である。図11(a)は入射階段波の電圧値、図11(b)は反射階段波の電圧値であり、それぞれ時間領域の関数として示されている。
選択した種類に対応した波形データの入力が終了すると、次に、入力手段1は、2種類のデータが全て入力されたかどうかを確認する(ステップS1004)。入力していないデータがある場合には、入力手段1は、ステップS1001の処理に戻り、未入力の波形データについて一連のデータ入力処理を繰り返す。一方、全ての波形データが入力済みである場合には、入力手段1は、すでに入力済みの波形データを変更するかどうかを確認する(ステップS1005)。
波形データを変更する場合には、入力手段1は、ステップS1001の処理に戻り、変更を望む番号に対する一連の波形データ入力処理を繰り返すことにより、変更が必要な波形データの修正を受け付け、修正された波形データを記憶部2に記憶させることとなる。一方、全ての波形データがそろい、かつ、これらの波形データを変更する必要がない場合には、2種類の入力データが確定し、次の計算のフェーズに進む。
2種類のデータが確定すると、次に、インパルス応答抽出手段6は、記憶部2から2種類の波形データを取り出し、この2種類の波形データを時間微分してインパルス応答を計算する(ステップS1006)。図12は、本発明の実施の形態5における入射階段波のインパルス応答および反射階段波のインパルス応答のイメージ図である。図12(a)は入射階段波の電圧変化率、図12(b)は反射階段波の電圧変化率が、それぞれ時間領域の関数として示されており、図11(a)(b)のそれぞれの波形を時間微分したものに相当する。
さらに、インパルス応答抽出手段6は、これらのインパルス応答に対して時間軸上のGatingを行い、インパルスを含む狭い時間軸範囲のデータのみを抽出する(ステップS1007)。この抽出は、図12(a)および図12(b)の時間=0の付近を抽出することにより行える。これにより、多重反射の影響が取り除かれる。次に、フーリエ変換手段7は、抽出した時間軸上のインパルス応答を、フーリエ変換により周波数分布に変換する(ステップS1008)。
次に、反射係数算出手段8は、フーリエ変換手段7で変換された2つの周波数分布の比を計算する(ステップS1009)。この比は、周波数ごとの反射係数Γに等しい。次に、周波数特性算出手段4は、求まった反射係数Γを用いて周波数ごとのインピーダンスを計算する(ステップS1010)。そして、結果出力表示手段5は、周波数特性算出手段4により求まったプリント配線基板の周波数ごとの特性インピーダンスを表示/出力する(ステップS1011)。
なお、ステップS1009で求められる反射係数Γは、本来は複素数であるが、波形に寄生成分の影響が無い場合は、実数部のみとなり、ステップS1010におけるインピーダンスの計算において、Γreal=Γとなる。
ここで、ステップS1010で周波数ごとの特性インピーダンスZLOAD(f)を求めるための数式について説明する。測定対象がプリント配線基板である場合に、ケーブルのインピーダンスZCableをZ、測定対象のインピーダンスZDUTを配線の特性インピーダンスZLOADとすると、先に示した式(5)を、特性インピーダンスZLOADについて解くことにより、下式(19)を得る。
Figure 2006071546
ここで、反射係数Γは、複素数であり、下式(20)で表すことができる。
Figure 2006071546
この式(20)を式(19)に代入することにより、特性インピーダンスZLOADは、下式(21)となる。
Figure 2006071546
ここで、Γが小さいと、2乗項が無視できるので、上式(21)は、近似的に下式(22)で表すことができる。
Figure 2006071546
さらに、上式(22)において、波形に寄生成分の影響が無い場合は、実数部のみとなりΓreal=Γとなり、最終的に、周波数ごとの特性インピーダンスZLOAD(f)は、下式(23)で算出できることとなる。
Figure 2006071546
実施の形態5によれば、測定対象であるプリント配線基板の波形データとして、入射階段波のデータおよび反射階段波のデータを設定し、これらの波形データに基づいて反射係数を算出することにより、周波数対配線インピーダンスを算出することができる。
実施の形態6.
実施の形態5では、入射階段波および反射階段波の波形データの入力に基づいて、周波数依存性特性インピーダンスを求める場合について説明した。本実施の形態6では、TDR波形測定器で測定した波形に基づいて、周波数依存性特性インピーダンスを求める場合について説明する。なお、本実施の形態6における周波数特性評価装置の構成は、実施の形態5の構成である図9と同様である。
図13は、本発明の実施の形態6における周波数依存性特性インピーダンスを算出する処理のフローチャートである。まず始めに、入力手段1は、入力すべき2種類のデータのどれを入力するかの選択を受け付ける(ステップS1001)。この図13の例では、利用者は、番号iを入力する形式となっていて、i=1、2は、それぞれ、測定対象に接続しない場合のTDR波形データの入力、および測定対象に接続した場合のTDR波形データの入力に対応する。入力手段1は、この番号に従って、各データの種類に対応した波形データ入力を受け付け(ステップS1002、S1301)、設定された波形データを記憶部2に記憶させる。
図14は、本発明の実施の形態6における波形データであり、TDR測定を行うためのプローブ先端を測定対象に接続しない場合のTDR波形および測定対象に接続した場合のTDR波形のイメージ図である。図14(a)はTDR測定を行うためのプローブ先端を測定対象に接続しない場合における電圧値、図14(b)はTDR測定を行うためのプローブ先端を測定対象に接続した場合における電圧値であり、それぞれ時間領域の関数として示されている。
選択した種類に対応した波形データの入力が終了すると、次に、入力手段1は、2種類のデータが全て入力されたかどうかを確認する(ステップS1004)。入力していないデータがある場合には、入力手段1は、ステップS1001の処理に戻り、未入力の波形データについて一連のデータ入力処理を繰り返す。一方、全ての波形データが入力済みである場合には、入力手段1は、すでに入力済みの波形データを変更するかどうかを確認する(ステップS1005)。
波形データを変更する場合には、入力手段1は、ステップS1001の処理に戻り、変更を望む番号に対する一連の波形データ入力処理を繰り返すことにより、変更が必要な波形データの修正を受け付け、修正された波形データを記憶部2に記憶させることとなる。一方、全ての波形データがそろい、かつ、これらの波形データを変更する必要がない場合には、2種類の入力データが確定し、次の計算のフェーズに進む。
2種類のデータが確定すると、次に、インパルス応答抽出手段6は、記憶部2から2種類の波形データを取り出し、この2種類の波形データを時間微分してインパルス応答を計算する(ステップS1302)。図15は、本発明の実施の形態6におけるインパルス応答であり、TDR測定を行うためのプローブ先端を測定対象に接続しない場合のTDR波形のインパルス応答および測定対象に接続した場合のTDR波形のインパルス応答のイメージ図である。図15(a)はTDR測定を行うためのプローブ先端を測定対象に接続しない場合における電圧変化率、図15(b)はTDR測定を行うためのプローブ先端を測定対象に接続した場合における電圧変化率が、それぞれ時間領域の関数として示されており、図14(a)(b)のそれぞれの波形を時間微分したものに相当する。
さらに、インパルス応答抽出手段6は、これらのインパルス応答に対して時間軸上のGatingを行い、インパルスを含む狭い時間軸範囲のデータのみを抽出する(ステップS1303)。この抽出は、図15(a)および図15(b)の時間=0の付近を抽出することにより行える。これにより、多重反射の影響が取り除かれる。次に、フーリエ変換手段7は、抽出した時間軸上のインパルス応答を、フーリエ変換により周波数分布に変換する(ステップS1304)。
次に、反射係数算出手段8は、フーリエ変換手段7で変換された2つの周波数分布の比を計算する(ステップS1305)。この比は、周波数ごとの反射係数Γに等しい。次に、周波数特性算出手段4は、求まった反射係数Γを用いて周波数ごとのインピーダンスを計算する(ステップS1010)。そして、結果出力表示手段5は、周波数特性算出手段4により求まったプリント配線基板の周波数ごとの特性インピーダンスを表示/出力する(ステップS1011)。
なお、ステップS1305で求められる反射係数Γは、本来は複素数であるが、測定対象との接続位置での寄生成分が十分小さい場合は、虚数部はゼロに近くなり、ステップS1010におけるインピーダンスの計算において、Γreal≒Γとなり、先に示した式(23)を用いることにより、周波数ごとの特性インピーダンスを算出できる。
実施の形態6によれば、測定対象であるプリント配線基板の波形データとして、TDR測定を行うためのプローブ先端を測定対象に接続していない場合のTDR波形のデータおよび測定対象に接続した場合のTDR波形のデータを設定し、これらの波形データに基づいて反射係数を算出することにより、周波数対配線インピーダンスを算出することができる。
なお、上述の実施の形態1〜4における周波数特性評価装置は、入力手段により測定対象であるプリント配線基板のSパラメータ測定値を設定する場合について説明したが、本発明の実施の形態はこれに限定されるものではない。Sパラメータ測定器自身に実施の形態1〜4における周波数特性評価装置の機能を持たせ、Sパラメータ測定器自身によるSパラメータの測定結果を入力データとして用いることにより、実効比誘電率の周波数特性を算出することが可能なSパラメータ測定器を得ることができる。
また、上述の実施の形態6における周波数特性評価装置は、入力手段により測定対象であるプリント配線基板のTDR波形データを設定する場合について説明したが、本発明の実施の形態はこれに限定されるものではない。TDR波形測定器自身に実施の形態6における周波数特性評価装置の機能を持たせ、TDR波形測定器自身による波形データの測定結果を入力データとして用いることにより、特性インピーダンスの周波数特性を算出することが可能なTDR波形測定器を得ることができる。
本発明の実施の形態1における周波数特性評価装置の構成図である。 本発明の実施の形態1における信号伝送線路のSパラメータ測定値のデータから実効比誘電率を算出する一連の処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態1におけるTRL校正後に得られる通過位相を示す図である。 本発明の実施の形態1における連続表記通過位相を示す図である。 本発明の実施の形態1における周波数対実効比誘電率実部のグラフである。 本発明の実施の形態2における信号伝送線路のSパラメータ測定値のデータから実効比誘電率を算出する一連の処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態3における信号伝送線路のSパラメータ測定値のデータから実効比誘電率を算出する一連の処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態4における信号伝送線路のSパラメータ測定値のデータから実効比誘電率を算出する一連の処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態5における周波数特性評価装置の構成図である。 本発明の実施の形態5における周波数依存性特性インピーダンスを算出する処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態5における波形データである入射階段波および反射階段波のイメージ図である。 本発明の実施の形態5における入射階段波のインパルス応答および反射階段波のインパルス応答のイメージ図である。 本発明の実施の形態6における周波数依存性インピーダンスを算出する処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態6における波形データであり、TDR測定を行うためのプローブ先端を測定対象に接続しない場合のTDR波形および測定対象に接続した場合のTDR波形のイメージ図である。 本発明の実施の形態6におけるインパルス応答であり、TDR測定を行うためのプローブ先端を測定対象に接続しない場合のTDR波形のインパルス応答および測定対象に接続した場合のTDR波形のインパルス応答のイメージ図である。 測定対象である信号配線の一例であるプリント配線基板のストリップライン構造のイメージ図である。 従来の比誘電率測定方法の1つである空洞共振器摂動法の概略図である。 配線の特性インピーダンスを測定するのに一般的に用いられているTDR(Time Domain Reflection)測定のイメージ図である。 TDR波形測定器で伝送線路を測定した場合に波形観測位置で観測される波形のイメージ図である。
符号の説明
1 入力手段、2 記憶部、3 通過位相差算出手段、4 周波数特性算出手段、5 結果出力表示手段、6 インパルス応答抽出手段、7 フーリエ変換手段、8 反射係数算出手段。

Claims (10)

  1. 信号配線の周波数特性評価装置であって、
    長さの異なる配線に対応する配線長およびSパラメータ測定値を含む入力データを設定する入力手段と、
    前記入力手段で設定された前記入力データを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記入力データに基づいて、前記配線間の通過位相差を算出する通過位相差算出手段と、
    前記通過位相差算出手段により算出された前記通過位相差を、前記記憶部に記憶された前記配線長の差分で割ることにより位相定数を求め、前記位相定数に基づいて前記信号配線を囲む誘電体の実効比誘電率の周波数特性を算出する周波数特性算出手段と
    を備えたことを特徴とする周波数特性評価装置。
  2. 請求項1に記載の周波数特性評価装置において、
    前記入力手段は、前記配線長および前記Sパラメータ測定値とともにTRL校正データを入力データとしてさらに設定し、
    前記通過位相差算出手段は、前記記憶部に記憶された前記Sパラメータ測定値および前記TRL校正データに基づいて前記配線におけるTRL校正後の通過位相を算出し、算出した前記通過位相の差分により通過位相差を算出する
    ことを特徴とする周波数特性評価装置。
  3. 請求項1に記載の周波数特性評価装置において、
    前記通過位相差算出手段は、前記記憶部に記憶された前記配線の前記Sパラメータ測定値を周波数領域データから時間領域データに変換し、前記時間領域データから第1通過波を抽出し、前記第1通過波を再び周波数領域データに変換して多重反射を除去した前記配線における通過位相を算出し、算出した前記通過位相の差分により通過位相差を算出する
    ことを特徴とする周波数特性評価装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の周波数特性評価装置において、
    前記周波数特性算出手段は、算出した前記位相定数をさらに周波数微分することにより求めた位相定数微分値に基づいて、前記信号配線を囲む誘電体の実効比誘電率の周波数特性を算出することを特徴とする周波数特性評価装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の周波数特性評価装置を備え、
    長さの異なる配線のSパラメータを測定し、測定結果をSパラメータ測定値の入力データとして前記入力手段に設定し、前記周波数特性算出手段により前記信号配線を囲む誘電体の実効比誘電率の周波数特性を算出することを特徴とするSパラメータ測定器。
  6. 信号配線の周波数特性評価装置であって、
    測定対象である前記信号配線に対する階段波形の入射波および前記入射波に対する反射波に関する時間領域の波形データを設定する入力手段と、
    前記入力手段で設定された前記波形データを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記波形データに基づいて、前記入射波および前記反射波の波形データを時間微分してインパルス応答を抽出するインパルス応答抽出手段と、
    前記インパルス応答をフーリエ変換して前記入射波および前記反射波の波形の周波数ごとの振幅分布を求めるフーリエ変換手段と、
    前記入射波および前記反射波の波形に対する前記振幅分布から周波数ごとの振幅比を算出して反射係数を求める反射係数算出手段と、
    前記反射係数に基づいて、前記信号配線の特性インピーダンスの周波数特性を算出する周波数特性算出手段と
    を備えたことを特徴とする周波数特性評価装置。
  7. 請求項6に記載の周波数特性評価装置において、
    前記入力手段は、TDR測定を行うためのプローブ先端を測定対象である前記信号配線に接続しない状態で測定したTDR波形を前記入射波として設定し、前記プローブ先端を測定対象である前記信号配線に接続した状態で測定したTDR波形を前記反射波として設定することを特徴とする周波数特性評価装置。
  8. 請求項7に記載の周波数特性評価装置を備え、
    TDR測定を行うためのプローブ先端を測定対象である前記信号配線に接続しない状態でのTDR波形、および前記プローブ先端を測定対象である前記信号配線に接続した状態でのTDR波形を測定し、前記接続しない状態でのTDR波形の測定結果を前記入射波として前記入力手段に設定し、前記接続した状態でのTDR波形の測定結果を前記反射波として前記入力手段に設定し、前記周波数特性算出手段により前記信号配線の特性インピーダンスの周波数特性を算出することを特徴とするTDR波形測定器。
  9. 信号配線の周波数特性評価装置用のプログラムであって、
    コンピュータを、
    長さの異なる配線に対応する配線長およびSパラメータ測定値を含む入力データを設定する入力手段と、
    前記入力手段で設定された前記入力データを記憶する記憶部から前記入力データを取り出し、前記配線間の通過位相差を算出する通過位相差算出手段と、
    前記通過位相差算出手段により算出された前記通過位相差を、前記記憶部に記憶された前記配線長の差分で割ることにより位相定数を求め、前記位相定数に基づいて前記信号配線を囲む誘電体の実効比誘電率の周波数特性を算出する周波数特性算出手段と
    して機能させるための周波数特性評価装置用のプログラム。
  10. 信号配線の周波数特性評価装置用のプログラムであって、
    コンピュータを、
    測定対象である前記信号配線に対する階段波形の入射波および前記入射波に対する反射波に関する時間領域の波形データを設定する入力手段と、
    前記入力手段で設定された前記波形データを記憶する記憶部から前記波形データを取り出し、前記入射波および前記反射波の波形データを時間微分してインパルス応答を抽出するインパルス応答抽出手段と、
    前記インパルス応答をフーリエ変換して前記入射波および前記反射波の波形の周波数ごとの振幅分布を求めるフーリエ変換手段と、
    前記入射波および前記反射波の波形に対する前記振幅分布から周波数ごとの振幅比を算出して反射係数を求める反射係数算出手段と、
    前記反射係数に基づいて、前記信号配線の特性インピーダンスの周波数特性を算出する周波数特性算出手段と
    して機能させるための周波数特性評価装置用のプログラム。
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