JP2006070193A - 有機el素子封止用の一液型硬化性樹脂組成物 - Google Patents

有機el素子封止用の一液型硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 有機EL素子に悪影響を及ぼすことなく封止を行うことにより、ダークスポットの発生・成長を確実に抑制して、高透過率を保持させることにより長期間にわたって安定な発光特性を維持することができる有機EL素子封止用の硬化性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 (A)分子中にグリシジル基を有する化合物、(B)平均粒径7μm以下、最大20μm以下の2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、(C)テトラブチルアンモニウムブロマイドもしくはテトラブチルホスホニウムブロマイドまたは混合物、及び(D)シランカップリング剤の上記(A)〜(D)を主成分とする有機EL素子封止用の一液型硬化性樹脂組成物とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電界の印加によって高輝度で発光する有機EL素子の接着やシール、あるいは封止に使用する一液型硬化性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは有機EL素子を湿気もしくは水分から保護するために素子上に積層形成される一液型硬化性樹脂組成物に関する。
有機EL素子は多結晶の半導体デバイスであり、低電圧で高輝度の発光を得られるため液晶のバックライトなどに使用され、また、自発光性の薄型平面表示デバイスとして期待されている。しかしながら、有機EL素子は水分に極めて弱く、金属電極と有機物EL層との界面が水分の影響で剥離してしまったり、金属が酸化して高抵抗化してしまったり、有機物自体が水分によって変質してしまったりし、このようなことから発光しなくなったり輝度が低下してしまったりという欠点がある。
このような問題を解消するために、有機EL素子をアクリル樹脂でモールドする方法(特開平3−37991号公報)、有機EL素子を気密ケース内にP封入して外気から遮断する方法(特開平3−261091号公報)、有機EL素子上に金属の酸化物等の保護膜を設けた後にガラス板等を用いて気密にする方法(特開平4−212284号公報)、有機EL素子上にプラズマ重合膜及び光硬化型樹脂層を設ける方法(特開平5−36475号公報)、有機EL素子をフッ素化炭素からなる不活性液体中に保持する方法(特開平4−363890号公報他)、有機EL素子上に設けられた無機酸化物等の保護膜の上にさらにポリビニルアルコールを塗布したガラス板をエポキシ樹脂で接着する方法(特開平5−89959号公報)、有機EL素子を流動パラフィンやシリコーンオイル中に封じ込める方法(特開平5−129080号公報)、等が提案されている。また、近年では封止樹脂中に吸湿剤を添加してこれを有機EL素子上に積層して水分による影響から有機EL層を守る方法が提案されている。
しかしながら、上記従来の有機EL層の封止方法はいずれも満足できるものではなく、例えば、吸湿剤とともに気密構造に素子を封じ込めるだけでは、ダークスポットの発生、成長を制御出来ず、また、フッ素化炭素やシリコーンオイル中に保持する方法は液体を注入する工程を経ることにより封止工程が煩雑になるだけでなく、ダークスポットの増加も完全には防げず、むしろ液体が陰極と有機層の界面に侵入して陰極の剥離を促進する問題もある。吸湿剤が樹脂に添加された場合も、吸湿により樹脂自体が膨張し剥離等を生じてしまうことがあった。この他にも、有機EL素子への水分による悪影響を排除するため、封止層とは別に光硬化性エポキシ樹脂に酸化バリウムや酸化カルシウムなどの金属酸化物からなる吸湿剤を添加して防湿層を別途設けることも提案されている(特開2001−237064号公報)。
さらに、特開平5−182759号公報に記載されるように、紫外線硬化型樹脂を用いてガラス基板上に有機EL層を形成し、この有機EL層全面を覆うように樹脂組成物を積層し非透水性ガラス基板を貼り合わせたものが開発された。しかし、この発明に記載されている樹脂組成物は該樹脂に含まれる有機溶剤や紫外線による素子の劣化の問題、硬化時の応力歪みによる有機層からの陰極の剥離の問題、紫外線が届かない所で未硬化が発生する問題があり、実用性にやや劣る面があった。また、エポキシ樹脂を使用する場合は、アクリル樹脂と比較して素子への化学的影響は少ないものの硬化後の硬化物の透湿度に問題があり、これを改良するため酸化バリウムや酸化カルシウムなどの金属酸化物からなる吸湿剤を配合することも考えられるが、この場合、樹脂中に配合した金属酸化物が水分により膨張するため、場合によっては有機EL素子自体を崩壊させる問題があった。また、アミン系硬化剤で硬化させた場合、硬化時に発生するアミン系ガスによる影響で保護膜のピンホールから有機EL素子を腐食させる問題もあった。さらに、アミン系硬化剤による着色があり、透過率が低下する可能性があった。
一方、特開平11−274377号公報には、熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、カップリング剤、二酸化珪素粉末及び有機溶剤からなるペースト組成物が開示され、ICやLSIのチップを直接封止に使用することが記載されている。しかしながら、この発明は硬化物の応力緩和性(弾力性)に重点が置かれ、また、耐湿性に優れるとの記載はあるものの、ペースト組成物の系中に含まれる水分量については何等考慮されていない。さらにまた、2液型エポキシ樹脂を用いた場合、配合、混合の手間やそれに伴う設備、また、可使時間があり作業性で問題があった。
また、特開平9−176413号公報では無水マレイン酸共重合物ポリマーを硬化剤として透明膜を作製する方法が開示されている。しかしながらスチレンを含有するために貼り合わせを行うことが出来ない。特開平9−235357、10−135255号公報では酸無水物の硬化促進剤としてイミダゾールを使用している。これについても硬化温度が高く有機EL素子へのダメージが大きく使用出来ない。さらに、特開2003−277628号公報では2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物を使用し、硬化時に発生する不活性ガスによる難燃性付与を目的とした配合が開示されている。この配合系では透明な硬化物を得ることが出来ず、有機ELパネルとして使用することが出来ない。特開2004−59718、2004−210901号公報では同様にイミダゾールを硬化剤もしくは硬化促進剤として使用した接着性フィルムもしくは熱硬化性樹脂を開示している。これらは共に硬化時の硬化温度が高く有機EL素子へのダメージが大きい。
特開平5−182759号公報 特開2001−237064号公報 特開平11−274377号公報 特開平3−261091号公報 特開平4−212284号公報 特開平5−36475号公報 特開平4−363890号公報 特開平5−89959号公報 特開平5−129080号公報 特開平9−176413号公報 特開平9−235357号公報 特開平10−135255号公報 特開2003−277628号公報 特開2004−59718号公報 特開2004−210901号公報
上述したように有機EL素子のダークスポットによる劣化が十分に改善されず、発光特性が不安定なことは、ファクシミリ、複写機、液晶ディスプレイのバックライト等の光源としては重大な欠陥となり、また、フラットパネル・ディスプレイなどの表示素子としても望ましくない。本発明は上記従来技術の課題を解決し、有機EL素子に悪影響を及ぼすことなく封止を行うことにより、ダークスポットの発生・成長を確実に抑制して、高透過率を保持させることにより長期間にわたって安定な発光特性を維持することができる有機EL素子封止用の硬化性樹脂組成物を提供すること目的とする。
上記の課題を解決するため本発明では、(A)分子中にグリシジル基を有する化合物、(B)平均粒径7μm以下、最大20μm以下の2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、(C)テトラブチルアンモニウムブロマイドもしくはテトラブチルホスホニウムブロマイドまたは混合物、及び(D)シランカップリング剤の上記(A)〜(D)を主成分とする有機EL素子封止用の一液型硬化性樹脂組成物とした。詳細には、ガラスもしくはフィルム基板上に透明電極、正孔輸送層、有機物EL層及び背面電極からなる有機EL層を形成し、その上に本発明における一液型硬化性樹脂組成物を塗布して非透水性ガラスもしくはフィルムと貼り合わせるようにして有機EL素子を封止するようにした。また、前記(A)〜(D)を主成分とする一液型硬化性樹脂組成物で、かつ、硬化物のアウトガス量(GC−MS)が10ppm以下(120℃×15min)とするとより好ましい結果が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明の有機EL素子は図1に示すようにガラスまたはフィルム基板1上にITO等の透明電極2、正孔輸送層3、有機EL層4及び背面電極5がこの順に積層される。また、ガラスまたはフィルム基板1上には、耐湿性を有した硬化性樹脂層7を介しガラスや金属等の非透水性ガラスまたはフィルム基板6が固着される。
さらに詳述すると、このような構成の有機EL素子は次のようにして製造される。まず、ガラスまたはフィルム基板1上に透明電極2を約0.1μmの厚みで成膜する。透明電極2の成膜に際しては、真空蒸着及びスパッタ等による方法がある。ただし、真空蒸着による成膜は、結晶粒が成長して膜表面の平滑度を低下させることがあり、薄膜ELに適用する場合には絶縁破壊や不均一発光の原因を作ることがあるため、注意を要する。一方、スパッタによる成膜は表面の平滑性がよく、その上に薄膜のデバイスを積層する場合に好ましい結果が得られている。続いて、透明電極2の上部に正孔輸送層3及び有機EL層4を0.05μm厚みで順次成膜する。また有機物EL層4の上部に背面電極5を0.1〜0.3μmの厚みで成膜する。
これらの素子の成膜を終えた後、ガラスまたはフィルム基板1の上部に一液型硬化性樹脂組成物を約0.1mmの厚みで滴下し、この硬化性樹脂組成物の上から非透水性ガラスまたはフィルム基板6を密着させる。ついで、非透水性ガラスまたはフィルム基板6の密着を終えた後、常温で養生し硬化させ、または加熱(100℃以下)促進硬化させて樹脂層7を形成する。なお、加熱促進硬化させる場合は有機EL素子にダメージを与えないよう100℃以下で行うことが望ましい。また、硬化性樹脂可使時間は作業性を考慮し室温で数日間増粘しないことが望ましい。
本発明において樹脂層7に求められている物性は、樹脂層の厚み150μmにおける透湿度が、60℃で湿度95%の雰囲気中で30g/m×24hr以下であり、また、厚み30μmの樹脂層に対して450nmの光の透過率が90%以上であり、さらにガラス同士の剥離接着力試験において1.5MPa以上の接着力を有し、さらにまた比較的低温(100℃以下)で硬化することが望まれる。本発明はこれらの基準値をクリアすることを目標としている。
本発明の一液型硬化性樹脂組成物において(A)分子中にグリシジル基を有する化合物とは、具体的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂が好ましく挙げられるが、これらの中でも塩素イオン含有量の少ないもの、具体的には加水分解性塩素が500ppm以下であるものが好ましく、また、(A)成分の具体例としては含有する塩素イオン濃度が少ないエピクロンEXA−835LV(大日本インキ工業社製)が好ましく使用できる。また、(A)成分の粘度は10〜10000mPa・s範囲であることが好ましい。粘度が10000mPa・sを超えると(B)成分との混合性が悪化したり、貼り合わせ時に問題が生じる。
本発明に用いられる(B)2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物は(A)成分の硬化剤として機能するが、常温で固体状の化合物であるが、本発明に使用する場合には、平均粒径が7μm以下で、かつ最大粒径20μm以下の粉体にしたものが好ましく使用できる。このB成分の添加量は、保存性、硬化性、透過率を考慮して(A)成分100重量部に対して1〜30重量部添加することが好ましく、さらに好ましくは3〜10重量部が好ましい。1重量部未満の添加であると(A)成分を十分に硬化させることができず、また、30重量部を超えると液状組成物としての安定性が悪くなる。
また、(B)2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物は、それ単体でも(A)成分の硬化剤として十分に機能するが、常温で固形または粉体で、かつ100℃以下で(A)成分を硬化可能なイミダゾール及びその誘導体の単独もしくは複数の化合物を併用してもよい。その化合物の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチルー4−メチルイミダゾリルー(1’)〕−エチル−s−トリアジン等が挙げられる。それぞれの添加量は(A)成分100重量部に対して20重量部以下(好ましくは3重量部以下)である。
本発明に用いられる(C)成分は、テトラブチルアンモニウムブロマイドもしくはテトラブチルホスホニウムブロマイドの単独またはその混合物である。この(C)成分は主に硬化促進剤として作用し、その添加量は(A)成分100重量部に対して0.1〜5重量部である。0.1重量部未満の添加では硬化促進剤としても効果が期待できず、また、5重量部を超えると液状組成物としての安定性が悪くなる。なお、この(C)成分は常温では固体であるため配合時の混合し易さから微粉体を使用することが好ましい。
さらに、4級アンモニウム塩系、4級ホスホニウム塩系などの塩素系塩(テトラブチルアンモニウムクロマイド、テトラブチルホスホニウムクロマイドなど)、テトラフェニルホスホニウム塩、DBU脂肪酸塩系、金属塩系、三級アミン等も硬化促進剤として併用可能である。ただし、塩素系塩の場合は塩素イオンによる腐食の心配があり、また、テトラフェニルホスホニウム塩は加熱硬化時及び高温放置後の変色があり、さらに、DBU脂肪酸塩系、金属塩系、三級アミン等は、透明性、腐食性、アウトガス等の点で不具合を生じる可能性があるため、その使用は慎重に検討すべきである。その点、テトラブチルアンモニウムブロマイドもしくはテトラブチルホスホニウムブロマイドまたはこれらの混合物は、前記した他の促進剤に比較して優れた硬化物を得ることが出来る。また、テトラブチルアンモニウムブロマイドとテトラブチルホスホニウムブロマイドは、単独で十分な効果が期待出来るが混合物して使用することも可能である。その際の混合割合には特に制限はない。
本発明に使用できる(D)シランカップリング剤としては、具体的に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。これらシランカップリング剤は2種以上を混合して用いても良い。これらの中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403:信越化学工業社製)は(A)成分との相性が良く、安定性に優れるため好ましい。この(D)成分の添加量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部である。(好ましくは0.3〜2重量部)。0.1未満であると、その効果(接着性の向上)が確認できず、10重量部を超えると反応性、アウトガスの点で悪影響がある。
本発明の一液型硬化性樹脂組成物は、上述した(A)〜(D)各成分を混合し1液の形態で保管することができる。また、(A)〜(D)各成分を混合の際は液状物である(A)成分に粉末状の(B)、(C)を添加してよく撹拌することで容易に調整可能であるが、組成物中に水分などが取り込まれないよう真空攪拌機を用いることが好ましい。
本発明には、さらに本発明の目的を達成可能な限り、その他の成分、例えば保存安定剤、可塑剤、反応性希釈剤、粘度調整剤等を添加することも可能であるが、それらの添加成分中の水分や不純物に注意する必要がある。
上記のとおりベース層と非透水ガラスまたはフィルム基板層の接着に本発明の硬化性エポキシ樹脂を使用し固着封止することにより、有機EL素子の劣化の進行を大幅に制御することができ、長寿命化、有機EL発行側にエポキシ樹脂層があっても高輝度化を図ることができる。また、紫外線硬化型の接着剤組成物で問題となる紫外線の届かない箇所の未硬化や、大きな硬化収縮もないため、得られる有機EL素子は安定した性能を発揮する。
上述した(A)〜(D)を主成分とする一液型硬化性樹脂組成物を有機EL素子封止剤として用いることにより、ダークスポットの発生・成長を確実に抑制して、高透過率を保持させることにより長期間にわたって安定な発光特性を維持することができる有機ELパネルを提供出来る。
以下実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により制約されるものではない。
表1に示す通り各組成物を調整し各種評価試験を行い、その結果を表2に示す。なお、使用した各成分は次のとおりであり、また、その配合割合は特に断りのない限り重量基準である。
エピクロンEXA−835LV:ビスフェノールA型及びF型混合エポキシ樹脂低塩素型(大日本インキ化学工業社製)、
2MA−OK−PW:2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物の粉砕品(四国化成工業社製)、
2MZ−A−PW:2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン微粉砕品(四国化成工業社製)、
2MA−OK:2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物(四国化成工業社製)、
2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製)、
アミキュアーPN−23:アミン−エポキシアダクト固体分散型潜在性硬化剤(味の素社製)、
ノバキュアーHX−3721:アミン−エポキシアダクト固体分散型潜在性硬化剤(旭化成社製)、
フジキュアーFXE−1000:尿素アダクト固体分散型潜在性硬化剤(富士化成工業社製)、
テトラブチルアンモニウムブロマイド、
テトラブチルホスホニウムブロマイド、
テトラフェニルホスホニウムブロマイド、
KBM403:シランカップリング剤(信越化学工業社製)
実施例1〜10として、(1)エポキシ樹脂(835LV)に2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物の微粉砕品(2MA−OK−PW)を添加し、セラミック3本ロールにて2回ロール掛けを行い、両者が均一に混合されたマスターバッチを調整する。(2)テトラブチルアンモニウムブロマイドなどの硬化促進剤とカップリング剤をエポキシ樹脂(835LV)に添加して常温で撹拌し溶解させる。ついで、前記(1)と(2)を所定量で配合し減圧下で撹拌混合することにより各組成物を得た。
また、比較例1〜2、7〜10についても実施例と同様に、(1)エポキシ樹脂(835LV)に2MA−OK−PW(平均粒径1.8μm)、2MZ−A−PW(平均粒径4.3μm)、2MA−OK(平均粒径数10μm以上)をそれぞれ添加し、セラミック3本ロールにて2回ロール掛けを行い両者が均一に混合されたマスターバッチを調整する。また、(2)エポキシ樹脂(835LV)、またはエポキシ樹脂(835LV)にカップリング剤を添加した配合物、もしくはエポキシ樹脂(835LV)にテトラブチルアンモニウムブロマイドやテトラフェニルホスホニウムブロマイド及びカップリング剤を添加した配合物を調整し、ついで前記(1)と(2)を所定量で配合し減圧化で撹拌混合することにより各組成物を得た。
比較例3〜6については、エポキシ樹脂(835LV)に、それぞれエポキシ樹脂硬化剤(2E4MZ、PN−23、HX−3721、FXE−1000等)とカップリング剤(KBM403)を所定量添加し、減圧化で撹拌することにより各組成物を得た。
なお、各種評価試験とは次のとおりである。
評価試験1:透湿度測定
各組成物を厚み150μmのシート状に硬化させて(硬化条件:表1参照)、60℃×95%の条件で透湿度を測定した。(使用機器:L80−5000型水蒸気透過度計/LYSSY社製)
評価試験2:アウトガス測定
フッ素樹脂コートした板の上に各組成物を約20mg計量し所定の硬化条件で硬化させ、ダブルショットパイロライザーおよびガスクロマトグラフ/質量分析計(GC−MS)を用いたダイナミックヘッドスペース法にて、120℃×15分加熱した際に発生するアウトガス量を測定した。
評価試験3:透過率測定
パネル用ガラス基板を25mm×50mmにカットし、ガラス片を十字状になるように重ね、その重なった部分に各組成物を厚さ30μmになるように塗布し、所定の硬化条件で硬化させて2枚のガラス片を十字状に貼り合わせ試料片を作製した。この試料片の透過率をガラス分光光度計にて測定した。
評価4試験:ダークスポット評価
ガラス基板上にスパッタリングにより透明電極を0.1μmの厚みで成膜した。続いて、透明電極の上部に正孔輸送層及び有機EL層を0.05μmの厚みで順次成膜した。また有機EL層の上部に背面電極を0.2μmの厚みで成膜する。これらの素子の成膜を終えた後、ガラス基板1の上部に各組成物を約0.1mmの厚みで滴下し、この組成物の上から非透水性ガラス基板を密着させた。このようにしてパネルを製作し、連続点灯で60℃、90%の環境でダークスポットの成長を観察した。1000時間経過後の直径100μm以上のダークスポット発生がない場合は○、ある場合は×とした。
Figure 2006070193
Figure 2006070193
実施例1〜10では全ての評価で優れた結果を得た。また、比較例1では2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン微粉砕品は100℃×1時間硬化できず、全ての評価で不具合が発生した。比較例2では2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物であるが、微粉砕していないため硬化後の膜によどみがあり、透過率が低下した。また、比較例3では2−エチル−4−メチルイミダゾールを使用したが、硬化後に着色してしまい透過率が低下した。
比較例4〜6は異なる硬化系での比較を行ったが、硬化後の膜によどみが残り、透過率が低下した。また、比較的透湿度も大きな値を示した。比較例7はカップリング剤を添加しない系であるが、ダークスポット評価中に端部から剥離を起こし、実用的でない事がわかった。
比較例8では比較例1の2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン微粉砕品をテトラブチルアンモニウムプロマイドの添加量を増して検討したが、硬化剤せず比較例1同等の結果となった。
比較例9はテトラフェニルホスホニウムブロマイドを使用したが、硬化後に着色してしまい、透過率が低下した。
比較例10は2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物微粉砕品のみの使用であるが、若干硬化が悪く、透過率が低下し、アウトガスも促進剤使用の物と比べて増加した。
本発明は有機EL素子封止材料として好適に使用できるが、有機EL表示バネル以外にも液晶表示パネルや電子部品など水分や湿気を嫌え部材の封止剤やシール材、コーティング剤として有用である。
本発明の硬化性樹脂組成物を使用して製造した有機EL表示装置の簡略断面図である。
符号の説明
1ガラス基板
2透明電極
3正孔輸送層
4有機物EL層
5背面電極
6非透水性ガラス基板
7硬化性樹脂

Claims (4)

  1. (A)分子中にグリシジル基を有する化合物、
    (B)平均粒径7μm以下、最大20μm以下の2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、
    (C)テトラブチルアンモニウムブロマイドもしくはテトラブチルホスホニウムブロマイド、またはこれらの混合物、
    (D)シランカップリング剤
    の上記(A)〜(D)を主成分とする有機EL素子封止用の一液型硬化性樹脂組成物。
  2. 前記一液型硬化性樹脂組成物の配合比が、(A)成分100重量部に対し、(B)成分1〜30重量部、(C)成分0.1〜5重量部、(D)成分0.1〜10重量部である請求項1に記載の有機EL素子封止用の一液型硬化性樹脂組成物。
  3. 前記一液型硬化性樹脂組成物の硬化物のアウトガス量(GC−MS)が、10ppm以下(120℃×15min抽出)である請求項1乃至2に記載の有機EL素子封止用の一液型硬化性樹脂組成物。
  4. 前記一液型硬化性樹脂組成物の硬化物の透過率が、波長450nm、厚さ30μmにおいて90%以上である請求項1乃至3に記載の有機EL素子封止用の一液型硬化性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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