JP2006070112A - 光硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)重量平均分子量が20,000以上の(メタ)アクリル系重合体の側鎖及び/又は末端に重合性不飽和結合が形成された重合体と、(B)1分子中に少なくとも3個の重合性不飽和結合を有するウレタン化合物と、(C)1分子中に少なくとも4個の重合性不飽和結合を有し(B)成分と異なる多官能(メタ)アクリレートと、(D)光重合開始剤と、を含有する光硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
(A)成分は重合性不飽和結合を有し重量平均分子量が20,000以上の(メタ)アクリル系重合体である。(A)成分は側鎖に官能基Xを有する重量平均分子量が20,000以上の(メタ)アクリル系重合体を先ず合成し、この(メタ)アクリル系重合体と、官能基Xと反応する官能基Yと重合性不飽和結合とを有する化合物とを反応させて得ることが好ましい。官能基Xと官能基Yの組合わせとしては、エポキシ基と水酸基、エポキシ基とカルボキシル基、活性水素を有する基(水酸基、メルカプト基、カルボキシル基等)とイソシアネート基、水酸基と酸ハライド基(又はカルボキシル基)、アルコキシシリル基と縮合基(水酸基)等が挙げられる。なお、それぞれの組合わせにおいて一方が官能基Xであり他方が官能基Yであればよい。
(B)成分は、下記一般式(1)で表される化合物と、活性水素と重合性不飽和結合とを有する化合物と、を反応させてなる重合性不飽和結合を有するウレタン化合物であることが好ましい。なお式中のR1は2価の有機基であり、R1としては2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の脂環式炭化水素基が挙げられる。
(C)成分は、1分子中に少なくとも4個の重合性不飽和結合を有し(B)成分と異なる多官能(メタ)アクリレート化合物である。(C)成分としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(D)成分である光重合開始剤は、光(紫外線、電子線等の活性光線をいう。)の照射によりラジカル活性種を生じ(A)成分、(B)成分及び(C)成分と、或いはこれらの3成分と後述する(E)成分とをラジカル重合反応させるための成分である。(D)成分としては、カルボニル系の光重合開始剤;ベンゾフェノン、ジアセチル、ベンジル、ベンゾイン、ω−ブロモアセトフェノン、クロロアセトン、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、メチルベンゾイルホルメート、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−N,N’−ジメチルアセトフェノン類等のスルフィド系の光重合開始剤;ジフェニルジスルフィド、ジベンジルスルフィド等のキノン系の光重合開始剤;ベンゾキノン、アントラキノン等のアゾ系の光重合開始剤;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロパン、ヒドラジン等のスルホクロリド系の光重合開始剤;チオキサントン等の過酸化物系の光重合開始剤;過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルペルオキシド等の光重合開始剤;o−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等の光重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
(E)成分は、重合性不飽和結合を有し(B)成分及び(C)成分と異なる光重合性単量体である。(E)成分としては、単官能性又は多官能性の(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、イソデシルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシエチルアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、アリルアクリレート、1,3−ブタンジオールアクリレート、1,4−ブタンジオールアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、1,3−ビス(ヒドロキシエチル)−5、5−ジメチルヒダントイン、3−メチルペンタンジオールアクリレート、α,ω−ジアクリルビスジエチレングリコールフタレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットアクリレート、ペンタエリトリットヘキサアクリレート、ジペンタエリトリットモノヒドロキシペンタアクリレート、α,ω−テトラアリルビストリメチロールプロパンテトラヒドロフタレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジアクリロキシエチルフォスフェート、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフィン、N−ビニルカプロラクタムが挙げられる。なお、これらの(E)成分は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、(E)成分は多官能性の光重合性単量体であることが好ましい。
第1の光硬化性樹脂組成物においては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量100質量部に占める、(A)成分の量が20〜60質量部(更には30〜50質量部)、(B)成分の量が10〜60質量部、(C)成分の量が10〜40質量部(更には15〜30質量部)であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量100質量部に対する(D)成分の量が、0.1〜10質量部(更には1〜10質量部)であることが好ましい。
本発明の塗料組成物は、塗膜を形成する樹脂組成物を含む塗料組成物であって、樹脂組成物として、第1又は第2の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とするものである。本発明の塗料組成物は、硬化性、機械強度、耐汚染性、耐薬品性に優れており、ゴミや粉塵による塗膜表面の外観不良が少ない塗膜を形成する。
(2)不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステルウレタン樹脂、固形フェノール樹脂、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、エポキシ末端ポリオキサゾリドン、アクリル樹脂類、アルキド樹脂類、尿素樹脂類、メラミン樹脂類、ポリジエン系エラストマー、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、アマニ油、桐油、大豆油、ヒマシ油、エポキシ化油等の油脂類等の天然及び合成高分子物質(以下「(2)成分」という。)。
(3)炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、シリカパウダー、コロイダルシリカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、亜鉛華、ベンガラ、アゾ顔料等の各種充填剤や顔料(以下「(3)成分」という。)。
(4)ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤(以下「(4)成分」という。)。
本発明の積層体は、フィルム状基材の一側又は両側に、第1若しくは第2の光硬化性樹脂組成物又は上記塗料組成物からなる層を備えるものである。この積層体は、フィルム状基材に、第1若しくは第2の光硬化性樹脂組成物又は上記塗料組成物(有機溶剤溶液が好ましい)を塗布して作製できる。なお、第1若しくは第2の光硬化性樹脂組成物又は上記塗料組成物が有機溶剤等の揮発成分を含有するときは、この揮発成分を除去させることが好ましい。
使用機器:日立L6000型高速液体クロマトグラフィー
カラム:ゲルパックR400、R450及びR400M(日立化成工業(株)製)
溶離液:テトラハイドロフラン
反応容器中に酢酸ブチル1,000質量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら100℃まで加熱した。そして、重合性単量体成分1,000質量部(メタクリル酸グリシジルエステル370質量部、スチレン460質量部及びメタクリル酸メチル170質量部からなる。)と、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製、商品名:パーブチルO)20質量部とを2時間にわたって滴下した。滴下終了後、更に4時間100℃で反応を行い、その後、110℃まで加熱しパーブチルOの3質量部を1時間にわたって滴下した。滴下終了後、更に2時間110℃で反応を行った後、145℃に加熱させ、更に2時間反応を続け、共重合体を合成した。得られた共重合体は重量平均分子量が70,000であり、ガラス転移温度が76℃であった。
反応容器中に酢酸ブチル1,000質量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら125℃まで加熱した。そして、重合性単量体成分1,000質量部(メタクリル酸グリシジルエステル370質量部、メタクリル酸イソブチルエステル230質量部、メタクリル酸メチル300質量部及びスチレン100質量部からなる。)と、アゾビスイソブチロニトリル15質量部を2時間にわたって滴下した。滴下終了後、更に4時間125℃で反応を行い、共重合体を合成した。得られた共重合体は重量平均分子量が20,000であり、ガラス転移温度が70℃であった。
反応容器中に酢酸ブチル1,000質量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら125℃まで加熱した。そして、重合性単量体成分1,000質量部(メタクリル酸グリシジルエステル370質量部、スチレン460質量部及びメタクリル酸メチル170質量部からなる。)と、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製、商品名:パーブチルO)20質量部を2時間にわたって滴下した。滴下終了後、更に2時間115℃で反応を行い、その後、145℃に加熱させ、更に2時間反応を続け共重合体を合成した。得られた共重合体は重量平均分子量が15,000であり、ガラス転移温度が76℃であった。
反応溶液中に酢酸ブチル300質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(OH価=113mgKOH/g、商品名:アロニックスM305)341質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.3質量部、ジブチルチンジラウレート0.5質量部を仕込み、空気を吹き込みながら、75℃まで加熱した。75℃で下記(1a)で表されるVESTANATE T1890Eを246質量部と酢酸ブチル110質量部との混合溶液を2時間にわたって滴下した。滴下終了後に8時間75℃で反応を行い、IR測定でイソシアネート吸収帯(2270cm−1)のピークが消失したところで合成を完了させて固形分50%、重量平均分子量2,500の、1分子中に重合性不飽和結合を9個有するウレタン化合物((B)成分)を得た。
反応溶液中に酢酸ブチル300質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(OH価=113mgKOH/g、商品名:アロニックスM305)245質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート65質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.3質量部、ジブチルチンジラウレート0.5質量部を仕込み、空気を吹き込みながら、75℃まで加熱した。75℃でVESTANATE T1890Eを278質量部と酢酸ブチル110質量部との混合溶液を2時間にわたって滴下した。滴下終了後に8時間75℃で反応を行い、IR測定でイソシアネート吸収帯(2270cm−1)のピークが消失したところで合成を完了させて固形分50%、重量平均分子量2,500の、1分子中に重合性不飽和結合を7個有するウレタン化合物((B)成分)を得た。
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた光硬化性樹脂組成物を、乾燥膜厚が20μmになるように、バーコータを用いて基材であるガラス板に塗布し、70℃に加温した熱風乾燥機内で5分間乾燥した後、得られた乾燥皮膜について表面の非粘着性、鉛筆硬さの評価を行った。その後、80w/cmの高圧水銀灯2灯を備えた10m/分の速度で移動するコンベアに載せ、紫外線を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させた。得られた硬化塗膜について、鉛筆硬さ、耐擦り傷性、耐薬品性の評価を行った。評価方法を以下に示し、評価結果を表2に示す。
温風乾燥機で含有有機溶剤を揮発した後、塗膜表面を指で触り、塗膜表面の乾燥度合いを評価した。
(2)鉛筆硬さ
JISK5600−5−4(2003年版)の鉛筆法に準拠して塗膜表面にキズ跡が残らない最大の鉛筆硬さと、塗膜が破壊しない最大の鉛筆硬さを測定した。
(3)耐擦り傷性
UV硬化塗膜表面をスチールウール(ボンスター#0000)を用いて荷重約200gで10回擦り、塗膜の擦り傷痕跡を目視により判定した。
(4)耐薬品性
キシレンを染み込ませた脱脂綿を用いて塗膜表面を100回擦り、塗膜表面の状態を観察した。
Claims (14)
- (A)重量平均分子量が20,000以上の(メタ)アクリル系重合体の側鎖及び/又は末端に重合性不飽和結合が形成された重合体と、
(B)1分子中に少なくとも3個の重合性不飽和結合を有するウレタン化合物と、
(C)1分子中に少なくとも4個の重合性不飽和結合を有し(B)成分と異なる多官能(メタ)アクリレートと、
(D)光重合開始剤と、を含有する光硬化性樹脂組成物。 - (A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量100質量部に占める、(A)成分の量が20〜60質量部、(B)成分の量が10〜60質量部、(C)成分の量が10〜40質量部であり、
(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量100質量部に対する(D)成分の量が、0.1〜10質量部である、請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。 - (A)重量平均分子量が20,000以上の(メタ)アクリル系重合体の側鎖及び/又は末端に重合性不飽和結合が形成された重合体と、
(B)1分子中に少なくとも3個の重合性不飽和結合を有するウレタン化合物と、
(C)1分子中に少なくとも4個の重合性不飽和結合を有し(B)成分と異なる多官能(メタ)アクリレートと、
(D)光重合開始剤と、
(E)重合性不飽和結合を有し(B)成分及び(C)成分と異なる光重合性単量体と、
を含有する、光硬化性樹脂組成物。 - (A)成分、(B)成分、(C)成分及び(E)成分の合計量100質量部に占める、(A)成分の量が20〜60質量部、(B)成分の量が10〜60質量部、(C)成分の量が10〜40質量部、(E)成分の量が30質量部以下であり、
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(E)成分の合計量100質量部に対する(D)成分の量が0.1〜10質量部である、請求項3記載の光硬化性樹脂組成物。 - (A)成分は、(I)(メタ)アクリル酸グリシジルエステルと(II)1の重合性不飽和結合を有し(I)成分と異なる単量体とを重合して得られる重量平均分子量が20,000以上の(メタ)アクリル系重合体に、(III)重合性不飽和結合を有するカルボン酸を反応させてなる重合体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
- (A)成分は、(i)水酸基を含有する(メタ)アクリレートと(ii)1の重合性不飽和結合を有し(i)成分と異なる単量体とを重合して得られる重量平均分子量が20,000以上の(メタ)アクリル系重合体に、(iii)イソシアネート基と重合性不飽和結合とを有する化合物を反応させてなる重合体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
- (メタ)アクリル系重合体は、重合平均分子量が20,000〜70,000である、請求項5又は6に記載の光硬化性樹脂組成物。
- (メタ)アクリル系重合体は、ガラス転移温度が50℃以上である、請求項5又は6に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
- 塗膜を形成する樹脂組成物を含む塗料組成物であって、
前記樹脂組成物として、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物を含む、塗料組成物。 - 請求項11記載の塗料組成物を硬化してなる塗料硬化物。
- フィルム状基材の一側又は両側に、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物からなる層を備える、積層体。
- フィルム状基材の一側又は両側に、請求項11記載の塗料組成物からなる層を備える、積層体。
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