JP2006069606A - 防滑性を有する包装袋用積層シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 高強力で柔軟性を有し、且つ、防滑性を有する重袋、フレキシブルコンテナ等の包装袋用積層シートを提供する。
【解決手段】 ポリオレフィンからなる延伸糸を用いた織編布の少なくとも片面に、ポリオレフィンからなる延伸糸を用いた織編布の少なくとも片面にポリオレフィン100重量部にテルペン系樹脂2〜15重量部を配合した組成物からなるラミネート層を設けたことにより、高強力で柔軟性を有し、且つ防滑性を有する包装袋用積層シートが得られ、重袋用、フレキシブルコンテナ用の包装袋に好適に使用される。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリオレフィンからなる延伸糸を用いた織編布の少なくとも片面に、ポリオレフィンからなる延伸糸を用いた織編布の少なくとも片面にポリオレフィン100重量部にテルペン系樹脂2〜15重量部を配合した組成物からなるラミネート層を設けたことにより、高強力で柔軟性を有し、且つ防滑性を有する包装袋用積層シートが得られ、重袋用、フレキシブルコンテナ用の包装袋に好適に使用される。
【選択図】 なし
Description
本発明は、防滑性を有する包装袋用積層シートに関する。詳しくは、本発明は、粉体製品及び合成樹脂ペレット製品等を輸送するのに適する防滑性を有する包装袋用積層シートに関する。
従来、製粉業、化学品製造業などの粉体製品及び合成樹脂ペレット製品等は、未晒クラフト紙から製造された重袋内に合成樹脂ペレット製品を充填し、これを何層にも積み重ねて貯蔵したり、あるいはパレットの上に積み重ねて積載してフォークリフトで搬送しトラックに積み込んで出荷している。このように粉体製品を充填した重袋を積み重ねた場合に、袋の表面が滑りやすいと積み重ねた袋が滑り落ち搬送作業の大幅な能率低下となる。また、落下の衝撃により破袋が起これば、重袋に充填された粉体製品が飛散し回収できずに大きな損失となる。滑り落下はフォークリフトあるいはトラックがカーブまたは急停止する時に起こりやすく、落下場所に人がいれば人身事故となる場合も考えられる。こうした重袋の滑り問題は、生産性の低下だけでなく大きな事故につながる非常に大きな問題であり、製袋作業性及び製袋後の品質を維持した滑らない重袋原紙が強く要望されている(特許文献1)。
本発明は、上記の問題点に着目してなされたもので、高強力で柔軟性を有し、且つ、防滑性を有する包装袋用積層シートを提供することを目的とする。
本発明の要旨は、ポリオレフィンからなる延伸糸を用いた織編布の少なくとも片面にポリオレフィン100重量部にテルペン系樹脂2〜10重量部を配合した組成物からなるラミネート層を設けたことを特徴とする防滑性を有する包装袋用積層シート、に存する。
本発明の包装袋用積層シートは、ポリオレフィンからなる延伸糸を用いた織編布の少なくとも片面に、ポリオレフィンからなる延伸糸を用いた織編布の少なくとも片面にポリオレフィン100重量部にテルペン系樹脂2〜15重量部を配合した組成物からなるラミネート層を設けたことにより、高強力で柔軟性を有し、且つ防滑性を有する包装袋用積層シートが得られ、重袋用、フレキシブルコンテナ用の包装袋に好適に使用される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる織編布は、ポリオレフィン製の延伸糸を経緯糸に用いて織編成したものである。ポリオレフィンとしては、延伸糸として高強力の得られるものであればよく、ポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂などが使用でき、例えば、ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体などが挙げられ、ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体などが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して用いてもよい。ポリオレフィンとしては、延伸糸として高強力の得られる高密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
本発明に用いられる織編布は、ポリオレフィン製の延伸糸を経緯糸に用いて織編成したものである。ポリオレフィンとしては、延伸糸として高強力の得られるものであればよく、ポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂などが使用でき、例えば、ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体などが挙げられ、ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体などが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して用いてもよい。ポリオレフィンとしては、延伸糸として高強力の得られる高密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
また、延伸糸の形態としては、モノフィラメント、マルチフィラメント、フラットヤーン、スプリットヤーンなどいずれも使用できるが、成形性、柔軟性の点からフラットヤーン、マルチフィラメントが好ましい。延伸糸の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の技術を採用すればよい。
上記延伸糸の繊度としては、500〜5000デシテクス(dt)の範囲であることが基布としても引張強度等の機械的特性や得られたフレキシブルコンテナの柔軟性の点で好ましく、より好ましくは1000〜3000dtの範囲である。
本発明においては、上記延伸糸を経緯糸に用いて織編成し織編布を形成する。織編布としては、上記延伸糸を経緯糸に用いて織編成し織編布を形成する。織布の織組織としては、平織、綾織、絡み織、模紗織など種々の形状が使用され、編布としては、横編み、縦編みいずれでもよく、具体的にはトリコット編、ミラニーズ編、ラッセル編等が挙げられる。
上記織編布の打込密度は、5〜40本/2.54cmの範囲であり、好ましくは10〜20本/2.54cmの範囲である。また、その目付量としては、100〜500g/m2の範囲であり、好ましくは150〜300g/m2の範囲である。
上記織編布の打込密度は、5〜40本/2.54cmの範囲であり、好ましくは10〜20本/2.54cmの範囲である。また、その目付量としては、100〜500g/m2の範囲であり、好ましくは150〜300g/m2の範囲である。
本発明において、上記織編布の少なくとも片面にポリオレフィンからなる延伸糸を用いた織編布の少なくとも片面にポリオレフィン100重量部にテルペン系樹脂2〜10重量部を配合した組成物からなるラミネート層を形成し、得られる包装袋用積層シートに防滑性を付与する。
包装袋用積層シートのラミネート層を形成するポリオレフィンとしては、上記織編布に用いられると同じポリオレフィンが用いられる。
上記ラミネート層に配合されるテルペン系樹脂としては、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂が挙げれれ、特に、テルペンフェノール樹脂が好ましい。
上記ポリオレフィンとテルペン系樹脂との配合割合は、ポリオレフィン100重量部に対して、テルペン系樹脂2〜15重量部、好ましくは、3〜10重量部の範囲である。テルペン系樹脂との配合量が2重量部未満では、防滑性の効果が不十分となり、本発明の目的の達成が困難となり、15重量部を超えると成形加工性が不十分となる。
本発明において、上記織編布の少なくとも片面に上記ポリオレフィンとテルペン系樹脂の組成物を用いて、押出ラミネート法によりラミネート層を形成するのが好ましい。
押出ラミネート法においては、上記ポリオレフィンとテルペン系樹脂の組成物の溶融温度は250〜280℃の範囲が好ましく、冷却ロールの表面温度は10〜50℃の範囲が好ましい。
上記ラミネート層の厚みとしては、20〜150μmの範囲、好ましくは30〜100μmの範囲が接着性や得られた積層シートの柔軟性の点で好ましい。得られる積層シートの目付量としては、150〜800g/m2の範囲であり、好ましくは200〜500g/m2の範囲である。
上記で得られた包装袋用積層シートは、上記ラミネート層を外側にし、下側をシール、例えば、接着剤シールや熱シールして、重袋やフレキシブルコンテナ等の輸送用包装袋に好適に使用される。
本発明において、上記樹脂組成物に対しては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、架橋剤、発泡剤、核剤等の添加剤を本発明の特性を本質的に阻害しない範囲で添加することができる。
実施例1:
ポリプロピレン(MFR:2.0g/10分)を押出機で溶融温度270℃で押出し、Tダイを用いてチルロール冷却方式で冷却してフィルムを形成し、冷却固化したフィルムを8mm幅にスリットした後、第1段延伸を90℃で倍率4倍で延伸し、ついで第2段延伸を190℃で倍率2倍で延伸後、200℃で緩和熱処理を行って繊度1700dtのフラットヤーンを形成した。上記フラットヤーンを用いて打込密度15×15本/2.54cmで基布としての平織りの織編布を形成した。その目付量は220g/m2であった。
一方、上記基布の片面にラミネート層樹脂として、ポリプロピレン(MFR:21g/10分)100重量部及びテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製:商品名「YSポスターS145」)5重量部の組成物を用いて、押出ラミネート法により押出温度280℃、冷却ロール表面温度30℃、厚み40μmでラミネート層を形成し、包装袋用積層シートを得た。該積層シートの目付量は260g/m2であり、その引張強さは縦方向2007N/5cm、横方向1888N/5cmであり、その破断伸度は縦方向25.7%、横方向19.7%であり、引裂強度は縦方向414N、横方向386Nであり、その滑り度は縦方向1.50N、横方向1.56Nであり、優れた防滑性を有しており、重袋用積層シートとして好適であった。
なお、引張強さ、引裂強度及び引裂強度はJIS Lー1096(1999年A法)に準拠して測定したものである。また、また、滑り度は水平面に置いたガラス板上に10cm×10cmの上記積層シートを置き、その中央に4.5cm×4.5cmの板を載せ、この板の上に135gの分銅置き、上記積層シートの端に付けた糸を定速伸長形引張試験機に取り付け、5cm/分の試験速度で引張試験を行い、上記積層シートが動き出した時の荷重を測定した。
ポリプロピレン(MFR:2.0g/10分)を押出機で溶融温度270℃で押出し、Tダイを用いてチルロール冷却方式で冷却してフィルムを形成し、冷却固化したフィルムを8mm幅にスリットした後、第1段延伸を90℃で倍率4倍で延伸し、ついで第2段延伸を190℃で倍率2倍で延伸後、200℃で緩和熱処理を行って繊度1700dtのフラットヤーンを形成した。上記フラットヤーンを用いて打込密度15×15本/2.54cmで基布としての平織りの織編布を形成した。その目付量は220g/m2であった。
一方、上記基布の片面にラミネート層樹脂として、ポリプロピレン(MFR:21g/10分)100重量部及びテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製:商品名「YSポスターS145」)5重量部の組成物を用いて、押出ラミネート法により押出温度280℃、冷却ロール表面温度30℃、厚み40μmでラミネート層を形成し、包装袋用積層シートを得た。該積層シートの目付量は260g/m2であり、その引張強さは縦方向2007N/5cm、横方向1888N/5cmであり、その破断伸度は縦方向25.7%、横方向19.7%であり、引裂強度は縦方向414N、横方向386Nであり、その滑り度は縦方向1.50N、横方向1.56Nであり、優れた防滑性を有しており、重袋用積層シートとして好適であった。
なお、引張強さ、引裂強度及び引裂強度はJIS Lー1096(1999年A法)に準拠して測定したものである。また、また、滑り度は水平面に置いたガラス板上に10cm×10cmの上記積層シートを置き、その中央に4.5cm×4.5cmの板を載せ、この板の上に135gの分銅置き、上記積層シートの端に付けた糸を定速伸長形引張試験機に取り付け、5cm/分の試験速度で引張試験を行い、上記積層シートが動き出した時の荷重を測定した。
比較例1
実施例1において、ラミネート層樹脂として、ポリプロピレン(MFR:21g/10分)100%を用いたこと以外は同様にして行った。
その結果、得られた積層シートの滑り度は縦方向1.06N、横方向1.05Nであり、防滑性は極めて不十分であった。
実施例1において、ラミネート層樹脂として、ポリプロピレン(MFR:21g/10分)100%を用いたこと以外は同様にして行った。
その結果、得られた積層シートの滑り度は縦方向1.06N、横方向1.05Nであり、防滑性は極めて不十分であった。
比較例2
実施例1において、ラミネート層樹脂として、ポリプロピレン(MFR:21g/10分)100重量部に防滑剤(コロイダルシリカ)3重量部配合した組成物を用いたこと以外は同様にして行った。
その結果、得られた積層シートの滑り度は縦方向1.11N、横方向1.12Nであり、防滑性は不十分であった。
実施例1において、ラミネート層樹脂として、ポリプロピレン(MFR:21g/10分)100重量部に防滑剤(コロイダルシリカ)3重量部配合した組成物を用いたこと以外は同様にして行った。
その結果、得られた積層シートの滑り度は縦方向1.11N、横方向1.12Nであり、防滑性は不十分であった。
Claims (1)
- ポリオレフィンからなる延伸糸を用いた織編布の少なくとも片面にポリオレフィン100重量部にテルペン系樹脂2〜15重量部を配合した組成物からなるラミネート層を設けたことを特徴とする防滑性を有する包装袋用積層シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004254206A JP2006069606A (ja) | 2004-09-01 | 2004-09-01 | 防滑性を有する包装袋用積層シート |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004254206A JP2006069606A (ja) | 2004-09-01 | 2004-09-01 | 防滑性を有する包装袋用積層シート |
Publications (1)
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JP2006069606A true JP2006069606A (ja) | 2006-03-16 |
Family
ID=36150626
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JP2004254206A Pending JP2006069606A (ja) | 2004-09-01 | 2004-09-01 | 防滑性を有する包装袋用積層シート |
Country Status (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010076830A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-08 | Sekisui Film Kk | 合成樹脂製袋 |
-
2004
- 2004-09-01 JP JP2004254206A patent/JP2006069606A/ja active Pending
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JP2010076830A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-08 | Sekisui Film Kk | 合成樹脂製袋 |
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