しかしながら、特許文献1に開示された技術では、ラインヘッドを振動させるためのヘッド振動手段を搭載する必要があり装置の大型化や製品コストのアップを招来するという問題点があった。
また、特許文献2に開示された技術についても、1つのノズルに対して個別に駆動可能な複数のヒーターを設ける必要があり製造工程の複雑化や製品コストのアップを招来したり、その複数のヒーターを個別に制御するための制御が複雑化するという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、簡単な制御で着弾滴の位置ずれを目立たなくして高画質な画像を形成することができる印刷制御装置、印刷制御プログラム、印刷手段の制御方法および印刷装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の印刷制御装置は、印刷媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに対応した所定の位置に着弾するように、ノズルからインク滴を印刷媒体に向けて吐出させる指示を、印刷媒体との1方向への相対移動によって画像を形成するために相対移動方向とは直交する第1方向に並んだ複数のノズルを有する印刷手段に出力するものであって、前記相対移動方向に並ぶ着弾滴列を所定列おきに相対移動方向にずれるように前記印刷手段に指示を出力する出力手段を備えている。
請求項2記載の印刷制御装置は、請求項1記載の印刷制御装置において、前記出力手段は、前記相対移動方向に並ぶ各着弾滴のピッチの略半分だけ前記着弾滴を相対移動方向へずらすように前記印刷手段に指示を出力する。
請求項3記載の印刷制御装置は、請求項1又は2に記載の印刷制御装置において、前記印刷データの各画素の配置を、相対移動方向に並ぶ画素列を所定列おきに相対移動方向にずれるように変換する変換手段を備え、前記出力手段は、その変換手段により変換された各画素の配置に従って着弾滴が着弾するように前記印刷手段に指示を出力する。
請求項4記載の印刷制御装置は、請求項1から3のいずれかに記載の印刷制御装置において前記出力手段は、第1方向に線状に印刷する印刷データの場合、相対移動方向にずらす着弾滴を吐出するノズルに対して、ずらす方向とは反対方向に1画素分更にインク滴を吐出させるように前記印刷手段に指示を出力する。
請求項5記載の印刷制御装置は、請求項4に記載の印刷制御装置において、前記出力手段は、第1方向に線状に印刷する印刷データの場合、相対移動方向にずらす着弾滴を吐出するノズルに対して、相対移動方向の両端部に対応する着弾滴の濃度を印刷データに対応した着弾滴の濃度より薄くなるように前記印刷手段に指示を出力する。
請求項6記載の印刷制御装置は、請求項5に記載の印刷制御装置において、第1方向に線状に印刷する印刷データの場合、相対移動方向にずらす画素列に対して、ずらす方向とは反対方向に1画素分更に印刷するようにデータを追加作成するデータ作成手段と、各画素には着弾滴の濃度を規定する画素値が設定されており、第1方向に線状に印刷する印刷データの場合、ずらす画素列に対する両端部の画素値を印刷データに対応した画素値より低くなるように設定する画素値設定手段とを備え、前記出力手段は、その画素値設定により設定された画素値に従って前記着弾滴の濃度に関する指示を前記印刷手段に出力する。
請求項7記載の印刷制御装置は、請求項6に記載の印刷制御装置において、前記画素値設定手段は、第1方向に線状に印刷する印刷データの場合、ずらす画素の画素値の一部を、ずらす方向とは反対方向に追加された1画素の画素値に分配して、その分配した画素値を、追加された画素の画素値とする。
請求項8記載の印刷制御装置は、請求項7に記載の印刷制御装置において、分配される画素値の割合は、各画素の1辺の大きさに対する画素をずらす量の割合に応じて設定される。
請求項9記載の印刷制御装置は、印刷媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに対応した所定の位置に着弾するように、ノズルからインク滴を印刷媒体に向けて吐出させる指示を、印刷媒体との1方向への相対移動によって画像を形成するために相対移動方向とは直交する第1方向に並んだ複数のノズルを有する印刷手段に出力するものであって、前記印刷媒体の印刷領域に亘ってノズルが並ぶ第1方向と直交する前記相対移動方向における隣合う着弾滴のピッチを第1方向における隣合う着弾滴のピッチよりも狭くするように印刷手段に指示を出力する出力手段を備えている。
請求項10記載の印刷制御装置は、請求項9に記載の印刷制御装置において、前記出力手段は、第1方向における隣合う着弾滴のピッチよりも狭くした相対移動方向における着弾滴のピッチに応じて、印刷データに対応した数よりも相対移動方向に多くの着弾滴を着弾させるように印刷手段に指示を出力する。
請求項11記載の印刷制御装置は、請求項9又は10に記載の印刷制御装置において、前記出力手段は、相対移動方向に並ぶ着弾滴列を所定列おきに相対移動方向にずれるように前記印刷手段に指示を出力する。
請求項12記載の印刷制御装置は、印刷媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに対応した所定の位置に着弾するように、ノズルからインク滴を印刷媒体に向けて吐出させる指示を、印刷媒体との1方向への相対移動によって画像を形成するために相対移動方向とは直交する第1方向に並んだ複数のノズルを有する印刷手段に出力するものであって、第1方向に隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きく形成される位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち少なくとも一方の第1ノズルに対して、その第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴を相対移動方向にずれるように印刷手段に指示を出力する出力手段を備えている。
請求項13記載の印刷制御装置は、請求項1から12のいずれかに記載の印刷制御装置において、前記出力手段は、外部装置から受信したデータに対応した画像を印刷媒体に形成する印刷手段に対して、印刷手段のインターフェースを介して印刷手段に指示を出力する。
請求項14記載の印刷制御プログラムは、印刷媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに対応した所定の位置に着弾するように、ノズルからインク滴を印刷媒体に向けて吐出させる指示を、印刷媒体との1方向への相対移動によって画像を形成するために相対移動方向とは直交する第1方向に並んだ複数のノズルを有する印刷手段に出力するものであって、前記相対移動方向である相対移動方向に並ぶ着弾滴列を所定列おきに相対移動方向にずれるように前記印刷手段に指示を出力する出力ステップを備えている。
請求項15記載の印刷制御プログラムは、印刷媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに対応した所定の位置に着弾するように、ノズルからインク滴を印刷媒体に向けて吐出させる指示を、印刷媒体との1方向への相対移動によって画像を形成するために相対移動方向とは直交する第1方向に並んだ複数のノズルを有する印刷手段に出力するものであって、前記印刷媒体の印刷領域に亘ってノズルが並ぶ第1方向と直交する前記相対移動方向における隣合う着弾滴のピッチを第1方向における隣合う着弾滴のピッチよりも狭くするように印刷手段に指示を出力する出力ステップを備えている。
請求項16記載の印刷制御プログラムは、印刷媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに対応した所定の位置に着弾するように、ノズルからインク滴を印刷媒体に向けて吐出させる指示を、印刷媒体との1方向への相対移動によって画像を形成するために相対移動方向とは直交する第1方向に並んだ複数のノズルを有する印刷手段に出力するものであって、第1方向に隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きく形成される位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち少なくとも一方の第1ノズルに対して、その第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴を相対移動方向にずれるように印刷手段に指示を出力する出力ステップを備えている。
請求項17記載の印刷手段の制御方法は、印刷媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに対応した所定の位置に着弾するように、ノズルからインク滴を印刷媒体に向けて吐出させる指示を、印刷媒体との1方向への相対移動によって画像を形成するために相対移動方向とは直交する第1方向に並んだ複数のノズルを有する印刷手段に出力する方法であって、前記相対移動方向に並ぶ着弾滴列を所定列おきに相対移動方向にずれるように前記印刷手段に指示を出力する出力工程を備えている。
請求項18記載の印刷手段の制御方法は、印刷媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに対応した所定の位置に着弾するように、ノズルからインク滴を印刷媒体に向けて吐出させる指示を、印刷媒体との1方向への相対移動によって画像を形成するために相対移動方向とは直交する第1方向に並んだ複数のノズルを有する印刷手段に出力する方法であって、前記印刷媒体の印刷領域に亘ってノズルが並ぶ第1方向と直交する前記相対移動方向における隣合う着弾滴のピッチを第1方向における隣合う着弾滴のピッチよりも狭くするように印刷手段に指示を出力する出力工程を備えている。
請求項19記載の印刷手段の制御方法は、印刷媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに対応した所定の位置に着弾するように、ノズルからインク滴を印刷媒体に向けて吐出させる指示を、印刷媒体との1方向への相対移動によって画像を形成するために相対移動方向とは直交する第1方向に並んだ複数のノズルを有する印刷手段に出力する方法であって、第1方向に隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きく形成される位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち少なくとも一方の第1ノズルに対して、その第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴を相対移動方向にずれるように印刷手段に指示を出力する出力工程を備えている。
請求項20記載の印刷装置は、印刷媒体の印刷領域の第1方向に亘って並べられインク滴を吐出するノズルと、そのノズルが穿設され、第1方向と直交する第2方向に印刷媒体と相対移動して印刷媒体に画像を形成するラインヘッドとを備えたものであって、前記第1方向におけるノズルのピッチは、そのノズルから吐出されるインク滴が印刷媒体に着弾して形成される着弾滴の前記第2方向のピッチよりも狭く構成されている。
請求項21記載の印刷装置は、請求項19記載の印刷装置において、印刷媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに対応した所定の位置に着弾するように、ノズルからインク滴を印刷媒体に向けて吐出させる指示を出力する出力手段を備え、その出力手段は、第2方向における隣合う着弾滴のピッチよりも狭くした第1方向におけるノズルのピッチに応じて、印刷データに対応した数よりも第1方向に多くの着弾滴を着弾させるように指示を出力する。
請求項22記載の印刷装置は、請求項20又は21に記載の印刷装置において、請求項1から13のいずれかに記載の印刷制御装置または請求項14から請求項16のいずれかに記載の印刷制御プログラムを備え、その印刷制御装置または印刷制御プログラムによって制御される。
請求項1記載の印刷制御装置によれば、相対移動方向に並ぶ着弾滴列が所定列おきに相対移動方向にずれて着弾するように印刷手段に指示を出力するので、何らかの原因で着弾滴が相対移動方向と直交する第1方向にずれたとしても、相対移動方向に並ぶ着弾滴が相対移動方向に整列するように印刷手段に指示を出力する場合に比べて、第1方向に隣合う着弾滴の間に生ずる隙間を低減することができる。従って、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項2記載の印刷制御装置によれば、請求項1に記載の印刷制御装置の奏する効果に加え、相対移動方向にずれる着弾滴は、相対移動方向に並ぶ各着弾滴のピッチの略半分だけずれるように印刷手段に指示を出力するので、何らかの原因で着弾滴が相対移動方向と直交する第1方向にずれたとしても、第1方向に隣合う着弾滴の間に生ずる隙間を最も効率良く低減することができるという効果がある。
請求項3記載の印刷制御装置によれば、請求項1又は2に記載の印刷制御装置の奏する効果に加え、相対移動方向に並ぶ画素列を所定列おきに相対移動方向にずれるように変換した各画素の配置に従って着弾滴が着弾するように印刷手段に指示を出力するので、簡単な制御で着弾滴の着弾位置を調節することができるという効果がある。
請求項4記載の印刷制御装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の印刷制御装置の奏する効果に加え、第1方向に線状に印刷する印刷データの場合、相対移動方向にずらす着弾滴を吐出するノズルに対して、ずらす方向とは反対方向に1画素分更にインク滴を吐出させるように印刷手段に指示を出力するので、印刷データに従えば線状に印刷する所を、相対移動方向に並ぶ着弾滴列を所定列おきに相対移動方向にずれるように着弾させることによって生ずる画像の歪みを抑制することができるという効果がある。
請求項5記載の印刷制御装置によれば、請求項3または4に記載の印刷制御装置の奏する効果に加え、第1方向に線状に印刷する印刷データの場合、相対移動方向にずらす着弾滴を吐出するノズルに対して、相対移動方向の両端部に対応する着弾滴の濃度を印刷データに対応した着弾滴の濃度より薄くなるように印刷手段に指示を出力するので、印刷データに従えば線状に印刷する所を、相対移動方向に並ぶ着弾滴列を所定列おきに相対移動方向にずれるように着弾させることによって生ずる画像の歪みを一層抑制することができるという効果がある。
請求項6記載の印刷制御装置によれば、請求項5に記載の印刷制御装置の奏する効果に加え、第1方向に線状に印刷する印刷データの場合、相対移動方向にずらす画素列に対して、ずらす方向とは反対方向に1画素分更に印刷するようにデータを追加作成し、更に、ずらす画素列に対する両端部の画素値を印刷データに対応した画素値より低くなるように設定し、その設定された画素値に従って着弾滴の濃度に関する指示を印刷手段に出力するので、簡単な制御で着弾滴の着弾位置と濃度とを調節することができるという効果がある。
請求項7記載の印刷制御装置によれば、請求項6に記載の印刷制御装置の奏する効果に加え、第1方向に線状に印刷する印刷データの場合、ずらす画素の画素値の一部を、ずらす方向とは反対方向に追加された1画素の画素値に分配して、その分配した画素値を、追加された画素の画素値とするので、簡単な制御でずらす画素列に対する両端部の画素値を印刷データに対応した画素値より低くなるように設定できるという効果がある。
請求項8記載の印刷制御装置によれば、請求項7に記載の印刷制御装置の奏する効果に加え、分配される画素値の割合は、各画素の1辺の大きさに対する画素をずらす量の割合に応じて設定されるので、ずれらす量に応じて着弾滴の濃度を設定することができる。よって、ずらす量に応じて画像の歪みを抑制することができるという効果がある。
請求項9記載の印刷制御装置によれば、相対移動方向における隣合う着弾滴のピッチを第1方向における隣合う着弾滴のピッチよりも狭くするように印刷手段に指示を出力するので、相対移動方向における隣合う着弾滴のピッチと、第1方向における隣合う着弾滴のピッチとが同じピッチである場合に比べて、何らかの原因で相対移動方向に並ぶ着弾滴が第1の方向にずれたとしても、相対移動方向に並ぶ隣合う着弾滴の間に隙間を生じにくくすることができる。従って、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項10記載の印刷制御装置によれば、請求項9に記載の印刷制御装置の奏する効果に加え、第1方向における隣合う着弾滴のピッチよりも狭くした相対移動方向における着弾滴のピッチに応じて、印刷データに対応した数よりも相対移動方向に多くの着弾滴を着弾させるように印刷手段に指示を出力するので、たとえ、相対移動方向における着弾滴のピッチを第1方向における着弾滴のピッチより狭くしたとしても、相対移動方向と第1方向との大きさの比率を、相対移動方向と第1方向との着弾滴のピッチが同じである場合と略同等にすることができる。よって、画像の歪みを抑制して、高画質な画像を形成することができるという効果がある。
請求項11記載の印刷制御装置によれば、請求項9または10に記載の印刷制御装置の奏する効果に加え、相対移動方向に並ぶ着弾滴列を所定列おきに相対移動方向にずれるように前記印刷手段に指示を出力するので、何らかの原因で着弾滴が相対移動方向と直交する第1の方向にずれたとしても、相対移動方向に並ぶ着弾滴を相対移動方向に整列するように印刷手段に指示を出力する場合に比べて、第1の方向に隣合う着弾滴の間に生ずる隙間を低減することができる。従って、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項12記載の印刷制御装置によれば、第1方向に隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きく形成される位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち少なくとも一方の第1ノズルに対して、その第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴を相対移動方向にずれるように印刷手段に指示を出力するので、第1方向に隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きくなり、その隣合う着弾滴の間に生ずる隙間を低減することができる。よって、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項13記載の印刷制御装置によれば、請求項1から12のいずれかに記載の印刷制御装置の奏する効果に加え、出力手段は、外部装置から受信したデータに対応した画像を印刷媒体に形成する印刷手段に対して、印刷手段のインターフェースを介して印刷手段に指示を出力するので、この印刷制御装置を搭載していない印刷手段であっても制御することができる。よって、印刷手段自体の構造や製品コストに影響を与えることなく、印刷手段を利用して高画質な画像を形成することができるという効果がある。
請求項14記載の印刷制御プログラムによれば、相対移動方向に並ぶ着弾滴列が所定列おきに相対移動方向にずれて着弾するように印刷手段に指示を出力するので、何らかの原因で着弾滴が相対移動方向と直交する第1方向にずれたとしても、相対移動方向に並ぶ着弾滴が相対移動方向に整列するように印刷手段に指示を出力する場合に比べて、第1方向に隣合う着弾滴の間に生ずる隙間を低減することができる。従って、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項15記載の印刷制御プログラムによれば、相対移動方向における隣合う着弾滴のピッチを第1方向における隣合う着弾滴のピッチよりも狭くするように印刷手段に指示を出力するので、相対移動方向における隣合う着弾滴のピッチと、第1方向における隣合う着弾滴のピッチとが同じピッチである場合に比べて、何らかの原因で相対移動方向に並ぶ着弾滴が第1の方向にずれたとしても、相対移動方向に並ぶ隣合う着弾滴の間に隙間を生じにくくすることができる。従って、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項16記載の印刷制御プログラムによれば、第1方向に隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きく形成される位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち少なくとも一方の第1ノズルに対して、その第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴を相対移動方向にずれるように印刷手段に指示を出力するので、第1方向に隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きくなり、その隣合う着弾滴の間に生ずる隙間を低減することができる。よって、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項17記載の印刷手段の制御方法によれば、相対移動方向に並ぶ着弾滴列が所定列おきに相対移動方向にずれて着弾するように印刷手段に指示を出力するので、何らかの原因で着弾滴が相対移動方向と直交する第1方向にずれたとしても、相対移動方向に並ぶ着弾滴が相対移動方向に整列するように印刷手段に指示を出力する場合に比べて、第1方向に隣合う着弾滴の間に生ずる隙間を低減することができる。従って、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項18記載の印刷装置の制御方法によれば、相対移動方向における隣合う着弾滴のピッチを第1方向における隣合う着弾滴のピッチよりも狭くするように印刷手段に指示を出力するので、相対移動方向における隣合う着弾滴のピッチと、第1方向における隣合う着弾滴のピッチとが同じピッチである場合に比べて、何らかの原因で相対移動方向に並ぶ着弾滴が第1の方向にずれたとしても、相対移動方向に並ぶ隣合う着弾滴の間に隙間を生じにくくすることができる。従って、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項19記載の印刷手段の制御方法によれば、第1方向に隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きく形成される位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち少なくとも一方の第1ノズルに対して、その第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴を相対移動方向にずれるように印刷手段に指示を出力するので、第1方向に隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きくなり、その隣合う着弾滴の間に生ずる隙間を低減することができる。よって、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項20記載の印刷装置によれば、第1方向におけるノズルのピッチは、そのノズルから吐出されるインク滴が印刷媒体に着弾して形成される着弾滴の第2方向のピッチよりも狭く構成されているので、第1方向に並ぶ着弾滴のピッチを第2方向に並ぶ着弾滴のピッチよりも狭くすることができる。
よって、第1方向に並ぶ着弾滴のピッチと、第2方向に並ぶ着弾滴のピッチとが同じピッチである場合と比べて、何らかの原因で第1方向に並ぶ隣合う着弾滴の一方が第1方向にずれたとしても、その第1方向に沿って並ぶ隣合う着弾滴の間に隙間を生じにくくすることができる。従って、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項21記載の印刷装置によれば、請求項21に記載の印刷装置の奏する効果に加え、第2方向における隣合う着弾滴のピッチよりも狭くした第1方向におけるノズルのピッチに応じて、印刷データに対応した数よりも第1方向に多くの着弾滴を着弾させるように指示を出力するので、たとえ、第1方向に並ぶ着弾滴のピッチを第2方向に並ぶ着弾滴のピッチよりも狭くしたとしても、第1方向と第2方向との大きさの比率を、第1方向と第2方向との着弾滴のピッチが同じである場合と略同等にすることができる。よって、画像の歪みを抑制して、高画質な画像を形成することができるという効果がある。
請求項22記載の印刷装置によれば、請求項20または21に記載の印刷装置の奏する効果に加え、請求項1から13のいずれかに記載の印刷制御装置又は請求項14から請求項16に記載の印刷制御プログラムにより制御されるので、請求項1から16のいずれかに記載の効果と同様な効果を奏することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明の1つである印刷制御装置としてのパーソナルコンピュータ1(以下、「PC1」と称す)と、そのPC1と通信ケーブル40を介して接続されたインクジェットプリンタ1A(以下「プリンタ1A」と称す)とを示す概略図である。
PC1は、印刷媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに対応した所定の大きさになるように、各ノズルからインク滴を印刷媒体に向けて吐出させる指示を通信ケーブル40を介してプリンタ1Aに出力する装置であり、出力画像等を表示するLCD42と、プリンタ1Aに出力する指示等を入力するキーボード43とを備えている。
尚、印刷制御装置としては、このPC1の他にもタブレットやPDA等の演算装置であれば採用することができる。また、PC1からの指示をプリンタ1Aに出力する通信手段としては、通信ケーブル40の他にWIFI等の無線LANモジュール等も採用できる。
プリンタ1Aは、4つのインクジェットヘッド3を有するカラーインクジェットプリンタであり、PC1から出力される指示に従って、各インクジェットヘッド3に穿設されているノズルから印刷媒体に向けてインク滴を吐出し、そのインク滴が印刷媒体に着弾して形成される着弾滴により画像を形成するものである。
プリンタ1Aは、図中左方に給紙部4と図中右方に排紙部5とを備え、プリンタ1Aの内部には、その給紙部4から排紙部5に向かって印刷媒体が搬送される用紙搬送経路が形成されている。
給紙部4のすぐ下流側には、印刷媒体を挟持搬送する一対の送りローラ6a,6bが配置されている。一対の送りローラ6a,6bによって印刷媒体は図中左方から右方へ送られる。
用紙搬送経路の中間部には、二つのベルトローラ7a,7bと、両ローラ7a,7b間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト8とが配置されている。搬送ベルト8の外周面すなわち搬送面にはシリコン処理が施されており、一対の送りローラ6a,6bによって搬送されてくる印刷媒体を、搬送ベルト8の搬送面にその粘着力により保持させながら、一方のベルトローラ7aの図中時計回り(矢印9の方向)への回転駆動によって下流側(右方)に向けて搬送できるようになっている。
ベルトローラ7a,7bに対する挿入及び排出位置には、押さえ部材10a,10bがそれぞれ配置されている。押さえ部材10a,10bは、搬送ベルト8上の印刷媒体が搬送面から浮かないように、搬送ベルト8の搬送面に印刷媒体を押し付けて搬送面上に確実に粘着させるためのものである。
用紙搬送経路に沿って搬送ベルト8のすぐ下流側には、剥離機構11が設けられている。剥離機構11は、搬送ベルト1の搬送面に粘着されている印刷媒体を搬送面から剥離して、右方の排紙部5へ向けて送るように構成されている。
4つのインクジェットヘッド3は、その下端にヘッド本体12を有している。ヘッド本体12は、それぞれが矩形断面を有しており、その長手方向が用紙搬送方向に垂直な方向(図1の紙面垂直方向)となるように互いに近接配置され固定されている。つまり、このプリンタ1Aは、ライン式プリンタである。4つのヘッド本体12の各底面は用紙搬送経路に対向しており、これら底面には微小径を有する多数のノズルが設けられている。4つのヘッド本体12のそれぞれからは、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックのインク滴が吐出される。
インクジェットヘッド3が、主走査方向に所定ピッチで複数のノズルが形成されたラインヘッドである。インクジェットヘッド3はプリンタ1Aのフレームに固定され、プリンタ1Aは、印刷媒体を副走査方向に移動させてインクジェットヘッド3と印刷媒体とを相対移動させ、その印刷媒体の移動に伴ってインクジェットヘッド3からインク滴を噴射させることにより、印刷媒体に画像を形成する。
この実施形態では、印刷媒体の移動方向が請求項の相対移動方向である。なお、印刷媒体を固定してインクジェットヘッド3を移動させてもよく、この場合には、インクジェットヘッド3の移動方向が請求項の相対移動方向となる。
ヘッド本体12は、その下面と搬送ベルト8の搬送面との間に少量の隙間が形成されるように配置されており、この隙間部分に用紙搬送経路が形成されている。この構成で、搬送ベルト8上を搬送される印刷媒体が4つのヘッド本体12のすぐ下方側を順に通過する際、この印刷媒体の上面すなわち印刷面に向けてノズルから各色のインク滴が吐出されることで、印刷媒体上に所望のカラー画像を形成できるようになっている。
プリンタ1Aは、インクジェットヘッド3に対するメンテナンスを自動的に行うためのメンテナンスユニット14を有している。このメンテナンスユニット14には、4つのヘッド本体12の下面を覆うための4つのキャップ15や、図示しないパージ機構などが設けられている。
メンテナンスユニット14は、プリンタ1Aで印刷が行われているときには、給紙部4の直下方の位置(退避位置)に位置している。そして、印刷終了後に所定の条件が満たされたとき(例えば、印刷動作が行われない状態が所定の時間だけ継続したときや、プリンタ1Aの電源オフ操作がされたとき)は、4つのヘッド本体12の直ぐ下方の位置に移動して、この位置(キャップ位置)にて、キャップ15によってヘッド本体12の下面をそれぞれ覆い、ヘッド本体12のノズル部分のインクの乾燥を防止するようになっている。
ベルトローラ7a,7bや搬送ベルト8は、シャーシ16によって支持されている。シャーシ16は、その下方に配置された円筒部材17上に載置されている。円筒部材17は、その中心から外れた位置に取り付けられた軸18を中心として回転可能となっている。そのため、軸18の回転に伴って円筒部材17の上端高さが変化すると、それに合わせてシャーシ16が昇降する。メンテナンスユニット16を退避位置からキャップ位置に移動させる際には、予め円筒部材17を適宜の角度回転させてシャーシ16、搬送ベルト8及びベルトローラ7a,7bを図1に示す位置から適宜の距離だけ下降させ、メンテナンスユニット14の移動のためのスペースを確保しておく必要がある。
搬送ベルト8によって囲まれた領域内には、ヘッド本体12と対向する位置、つまり上側にある搬送ベルト8の下面と接触することによって内周側からこれを支持するほぼ直方体形状(搬送ベルト8と同程度の幅を有している)のガイド19が配置されている。
図2は、PC1とプリンタ1Aとの電気回路構成の概略を示すブロック図である。PC1には、CPU44、ハードディスク47、インターフェース48、LCD42、キーボード43が搭載され、これらは入出力ポート49を介して接続されている。
演算装置であるCPU44には、データバスを介してROM45と、RAM46とが接続されている。CPU44は、ROM45に記憶されている各種プログラムを実行するものである。
ROM45は、書換え不可能な不揮発性のメモリであり、CPU44により実行される画素配置変換プログラム45aと、画素値分配プログラム45bと、その他、各種の制御プログラム、固定値データ等が記憶されている。
画素配置変換プログラム45aは、当初の印刷データとしての画素配置を変換したり、新たに画素を配置したりするプログラムであり、具体的には、図4(a)に示す当初の印刷データとしての画素配置を図4(b)や図4(c)に示す画素配置に変換するプログラムである。
画素値分配プログラム45bは、画素配置変換プログラム45aにより変換した画素配置において各画素の画素値を設定するプログラムであり、具体的には図7に示すフローチャートの処理を実行させるプログラムである。
RAM46は、書換え可能な揮発性のメモリであり、各種のデータ等が一時的に記憶されている。ハードディスク47は、書換え可能な不揮発性のメモリである。インターフェース48は、通信ケーブル40を介して後述するプリンタ1Aのインターフェース33と接続され、印刷データをプリンタ1Aに出力する通信手段である。
一方、プリンタ1Aには、1チップ構成のマイクロコンピュータ(CPU)20と、ROM21と、RAM22と、EEPROM23と、ゲートアレイ(G/A)24と、ヘッド用ドライバ25等が搭載されている。尚、CPU20と、ROM21、RAM22、EEPROM23とゲートアレイ24、ヘッド用ドライバ25の各々は、アドレスバス26やデータバス27を介して接続されている。
演算装置であるCPU20は、ROM21に予め記憶されている制御プログラムに従い、インク滴の吐出やカートリッジ内のインクの残量やインクの有無の検出等の制御を実行するものである。また、吐出タイミング信号およびリセット信号を生成し、各信号を後述のゲートアレイ24へ転送する。
また、このCPU20には、ユーザが印字の指示などを行うための操作パネル28や、印刷媒体を搬送する搬送モータ(LFモータ)29を動作させるためのモータ駆動回路30や、印刷媒体の先端を検出するペーパーセンサ31が接続されており、各デバイスの動作はCPU20により制御されている。
ROM21は、書換え不可能な不揮発性のメモリであり、CPU20により実行されるインク滴の吐出を制御するための各種の制御プログラム、その他、固定値データが記憶されている。RAM22は、書換え可能な揮発性のメモリであり、各種のデータ等が一時的に記憶されている。EEPROM23は、書換え可能な不揮発性のメモリである。
ゲートアレイ24は、CPU20から転送される印字タイミング信号に従い、イメージメモリ32に記憶されている画像データに基づいて、その画像データを印刷媒体に印字するための印字データ(駆動信号)と、その印字データと同期する転送クロックCLKと、ラッチ信号と、基本印字波形信号を生成するためのパラメータ信号と、一定周期で出力される噴射タイミング信号JETとを出力し、それら各信号を、ヘッド用ドライバ25に出力する。
また、ゲートアレイ24は、PC1からインターフェース33を介して転送されてくる印刷データを、イメージメモリ32に記憶させる。
ヘッド用ドライバ25は、ゲートアレイ24から出力される信号に応じて、その信号に合った波形の駆動パルスを各ノズルに対応した駆動素子に印加する駆動回路である。この駆動パルスにより駆動素子が作動して、各ノズルからインク滴が吐出される。
次に、図3を参照して、PC1によってプリンタ1Aを制御する第1実施例について説明する。図3(a)は、上述したインクジェットヘッド3に形成されたノズル35a等とその各ノズル35a等から吐出されたインク滴によって形成される着弾滴との関係を説明するための図であり、図3(b)は図3(a)に示すように着弾滴を着弾させた場合に、ノズル35cから吐出されるインク滴が何らかの原因でノズル35d寄りに着弾した場合の状態を示す図である。
この第1実施例は、本来であれば、図12(a)に示すように4行5列に着弾滴が整列して着弾するようにプリンタ1Aに指示を出力する所を、あえて図3(a)に示すように着弾滴列B,Dが着弾滴列A,C,Eに対して印刷媒体の搬送方向H(以降、「副走査方向H」という)へずれるようにプリンタ1Aに指示を出力するものである。即ち、副走査方向Hに並ぶ着弾滴列を1列おきに副走査方向Hにずれるようにプリンタ1Aに指示を出力するものである。
よって、図12で説明したのと同様に、何らかの原因でノズル35cから吐出されるインク滴がノズル35d寄りに吐出され、図3(a)に示すように着弾するはずの着弾滴が図3(b)に示すように着弾滴列Cが着弾滴列D寄りに着弾し、着弾滴列Bと着弾滴列Cとの間が所定のピッチよりも大きくなったとしても、図12(b)における着弾滴列Bと着弾滴列Cとの間に生ずる隙間に比べて、その隙間を低減することができ、画像品質の低下を抑制することができる。
また、この場合、着弾滴列B,Cが副走査方向Hに並ぶ各着弾滴のピッチDの略半分(1/2*D)だけ副走査方向へずれるようにプリンタ1Aに指示を出力するので、着弾滴列Cが着弾滴列D寄りに着弾すればするほど着弾滴列Bと着弾滴列Cとの隙間は広がるが、着弾滴列Bと着弾滴列Cとの間に生ずる隙間を最も効率良く低減することができる。
次に、図4を参照して、図3で説明したように着弾滴を着弾させるための具体的な制御方法について説明する。図4(a)は、当初印刷データとしての4行5列の画素配置を示している。図4(b)および図4(c)は図4(a)に示す画素配置を変換した状態を示している。図4(d)は図4(c)に示す画素配置において各画素に設定されている画素値の様子を色分けして示している。
従来であれば、PC1は図4(a)に示す当初印刷データとしての画素配置に従って各画素に着弾滴が着弾するような指示をプリンタ1Aに出力し、プリンタ1Aは、そのPC1からの指示に従ってインク滴を吐出する。この場合、着弾滴は図12(a)に示すように着弾する。
一方、この第1実施例では、画素配置変換プログラム45aにより図4(a)に示す画素配置を図4(b)に示す画素配置になるように変換する。即ち、2列目と4列目との画素列が、副走査方向Hの画素ピッチDの半分(1/2*D)だけ副走査方向Hにずれるように変換する。
そして、その変換した図4(b)に示す画素配置に従って各画素に着弾滴が着弾するような指示をPC1からプリンタ1Aに出力すると、プリンタ1Aは、このPC1からの指示に従ってインク滴を吐出する。こうして、着弾滴を上述したような図3(a)に示すように着弾させることができる。
ここで、図4(a)に示す画素配置を副走査方向Hと直交する主走査方向に延びる線状の画像を印刷するための印刷データとして見た場合、(b)に示す画素配置は主走査方向に延びる千鳥状の画像を形成するための印刷データとして見ることができる。
即ち、当初印刷データとしての図4(a)に示す画素配置を画素配置変換プログラム45aにより図4(b)のように変換することで、その変換された画素配置従って形成される画像には画像の歪みが生ずることになる。
そこで、第1実施例では、この画像の歪みを抑制するために、ずらす方向とは反対方向に1画素分更にインク滴を吐出させるようにプリンタ1Aに指示を出力する。そのため、画素配置変換プログラム45aにより図4(a)に示す画素の配置を、図4(b)ではなく図4(c)に示すように変換する。具体的には、副走査方向にずらす画素列としての2列目と4列目において、ずらす方向とは反対方向に着弾滴が着弾するように新たに画素「0−2」と画素「0−4」とを配置する。
更に、PC1は、副走査方向にずらす両端部に対応する着弾滴の濃度が印刷データに対応した着弾滴の濃度より薄くなるようにプリンタ1Aに指示を出力する。そのため、画素値分配プログラム45bにより副走査方向にずらす画素列としての2列目と4列目において、その両端部に位置する画素「0−2」および画素「4−2」と、画素「0−4」および画素「4−4」との画素値を印刷データに対応した画素値より低くなるように設定する。
この画素値は、各画素毎に設定されており、各画素に対応する着弾滴の濃度を規定するものである。例えば、画素値は0から255の値で表現され、プリンタ1Aは0から84までの画素値に設定されている画素には小さいインク滴を、85から169までの画素値に設定されている画素には中程度のインク滴を、169から255までの画素値に設定されている画素には大きいインク滴を吐出する。
その結果、インク滴の大きさが大きいほど濃い着弾滴が形成されることになる。尚、着弾滴の濃度は、インク滴の大きさによって調節する場合に限らず、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック以外の濃度の低いインクが備わっていれば、これを使用するようにしても良い。
そこで、例えば、当初印刷データとしての図4(a)に示す各画素には当初の画素値として250が設定されているとする。この場合、プリンタ1Aは各画素の画素値に従って各画素に大きな着弾滴を形成するように大きなインク滴を吐出することになる。
一方、第1実施例では、PC1は、画素配置変換プログラム45aにより図4(a)に示す画素配置を図4(c)に示す画素配置を変換した後、画素値分配プログラム45bにより、第2列目の画素列において、画素「1−2」の当初の画素値250の一部である画素値125を画素「0−2」に分配して画素「0−2」の画素値を125に設定する。尚、画素配置変換プログラム45aにより新たに追加された画素「0−2」の画素値は、当初0が設定されている。
そして、画素値の一部を画素「0−2」に分配した結果、画素値が125になる画素「1−2」に対して、画素「2−2」の当初の画素値250の一部である画素値125を画素「1−2」に分配して画素「1−2」の画素値を再び当初と同じ250に設定する。
この処理を第2列目を構成する各画素について繰り返すと、結局、第2列目の画素列のうち、画素「0−2」および画素「4−2」の画素値が125に設定され、画素「1−2」から画素「3−2」の画素値が当初と同じ250に設定されることになる。
また、同様な処理を、第4列目を構成する各画素に対して実行し、第4列目の画素列のうち、画素「0−4」および画素「4−4」の画素値を125に設定し、画素「1−4」から画素「3−4」の画素値を250に設定する。尚、第1,第3,第5列目を構成する画素の画素値は当初の画素値250のままとする。
このように、画素値分配プログラム45bにより副走査方向にずらす画素列としての2列目と4列目において、その両端部に位置する画素「0−2」および画素「4−2」と、画素「0−4」および画素「4−4」との画素値を当初印刷データに対応した画素値250の半分である125に設定することで、画素「0−2」および画素「4−2」と、画素「0−4」および画素「4−4」とに対応する着弾滴の濃度が他の画素に対応する着弾滴の濃度よりも薄くするようにプリンタ1Aに指示を出力することができる。
よって、図4(a)に示す画素配置に従って主走査方向に線状の画像を印刷する場合に、着弾滴がずれることによって生ずる隙間を低減すべく、単に画素配置を図4(b)に示すように変換し、その変換した各画素に対応するように着弾滴を着弾させるように指示するよりも、上述したように、図4(a)に示す画素配置に画素「0−2」と画素「0−4」とを新たに追加し、更に、画素「0−2」および画素「4−2」と、画素「0−4」および画素「4−4」とに対応する着弾滴の濃度を当初印刷データにおいて指示されている濃度よりも薄くするように指示する方が、画素「0−2」および画素「4−2」と、画素「0−4」および画素「4−4」に対応する着弾滴が目立なくなり、より線状に近い画像が形成されるので、線状の画像に対する画像の歪みを抑制することができる。
次に、図5を参照して、上述した場合よりも細い線状の画像を印刷する場合について説明する。図5(a)は、当初印刷データとしての画素配置を示している。図5(b)は図5(a)に示す画素配置を変換した状態を示している。図5(c)は図5(b)に示す画素配置における各画素の画素値を色分けして示している。
当初印刷データとして図5(a)に示す画素配置に従って、各画素に対応するようにインク滴を吐出するようにプリンタ1Aに指示をしようとする場合には、上述したのと同様に、図5(a)に示す画素配置を、画素配置変換プログラム45aにより図5(b)に示すように変換する。
具体的には、画素「1−2」と画素「1−4」とを副走査方向にずらし、且つ、ずらす方向とは反対方向に着弾滴が着弾するように新たに画素「0−2」と画素「0−4」とを配置する。
また、図5(b)に示すように配置された各画素の画素値を画素値分配プログラム45bより次のように設定する。尚、図5(a)に示す当初印刷データとしての各画素には当初の画素値として250が設定され、新たなに追加した画素「0−2」と画素「0−4」とには、画素値として0が設定されているものとする。
つまり、副走査方向にずらす画素「1−2」の当初の画素値250の一部の画素値125を画素「0−2」に分配して、新たに設定した画素「0−2」および画素「1−2」の画素値を125に設定する。同様に、副走査方向にずらす画素「1−4」の当初の画素値250の一部の画素値125を画素「0−4」に分配して、新たに設定した画素「0−4」および画素「1−4」の画素値を125に設定する。尚、画素「1−1」、画素「1−3」、画素「1−5」の画素値は当初の画素値250のままとする。
このように、画素値分配プログラム45bにより副走査方向にずらす画素列において、その両端部に位置する画素「0−2」および画素「1−2」と、画素「0−4」および画素「1−4」との画素値を印刷データに対応した画素値250の半分である125に設定することで、画素「0−2」および画素「1−2」と、画素「0−4」および画素「1−4」とに対応する着弾滴の濃度が他の画素に対応する着弾滴の濃度よりも薄くするようにプリンタ1Aに指示を出力することができる。
よって、(a)に示す画素配置に従って主走査方向に図4で説明したよりも細い線状の画像を印刷する場合であっても、上述したのと同様に、画素「0−2」および画素「1−2」と、画素「0−4」および画素「1−4」に対応する着弾滴が目立なくなり、より線状に近い画像が形成されるので、線状の画像に対する画像の歪みを抑制することができる。
次に、図6および図7を参照して上述した画素値の設定方法について説明する。図6(a)は画素配置変換プログラム45aにより配置変換した画素をXY座標系に当てはめた状態を示す図であり、図6(b)は配置変換した画素の部分的な拡大図であって分配率の設定方法を説明するための図である。
図6(a)に示すように、画素配置変換プログラム45aにより副走査方向に1列毎にずらした状態の画素配置には、最左側列最上段の画素を原点として、右方向にX軸、左方向にY軸とする座標系が割り当てられる。
尚、各画素の画素値をL(X,Y)とし、Xは「0」から「Xmax」、Yは「0」から「Ymax」の範囲で設定されるものとする。
また、図6(b)に示すように、画素値の分配率Rは、各画素の1辺の長さTに対する画素をずらす量Sの割合に応じて設定される。本実施例では、各画素の1辺長の半分だけずらしているので、分配率Rは「1/2」となる。
図7は、画素値分配処理のフローチャートである。この処理は、画素値分配プログラム45bに基づいてCPU44により実行される処理である。この処理では、まず、座標(X,Y)を初期化する(S1)。次に、Xが偶数か否かを判断し(S2)、Xが奇数であれば(S2:No)、S9の処理に移行して、Xに「1」を加算する。
一方、Xが偶数であれば(S2:Yes)、分配量Mを算出する(S3)。分配量Mは、着目画素とY軸のプラス方向において隣合う画素の画素値L(X、Y+1)に分配率Rを掛けて算出する。分配量Mを算出すると、着目画素の画素値L(X,Y)を算出する(S4)。着目画素の画素値L(X,Y)は、着目画素の画素値L(X,Y)に分配量Mを加算して算出する。次に、着目画素よりもY軸のプラス方向において隣合う画素の画素値L(X、Y+1)から分配量Mを減算する(S5)。
こうして着目画素についての処理を終了し、次の着目画素について処理すべくYに「1」を加算し(S6)、次の着目画素のY値が下端(Ymax−1)に達したか否かを判断し(S7)、達していれば(S7:Yes)、Yを初期化(=0)する(S8)。尚、達していなけば(S7:No)、S3からの処理をくり返す。
そして、次の列の画素について上述した処理をくり返すべく、Xに「1」を加算し(S9)、その「1」を加算した状態のXが右端(Xmax+1)に達したか否かを判断し(S10)、達していれば(S10:Yes)、本処理を終了する。一方、達していなければ(S10:No)、S2からの処理をくり返す。
次に、図8(a)を参照して、本発明の第2実施例として、ノズル35a〜35eのピッチを図12で説明した従来のノズルのピッチpよりも小さいピッチqに設定した場合について説明する。図8(a)は、ノズル35a等とその各ノズル35a等から吐出されたインク滴によって形成される着弾滴との関係を説明するための図である。
第2実施例は、ノズル35a等のピッチを図12の従来よりも小さくし、且つ、副走査方向Hに対する吐出タイミング間隔は、図12の従来と同一とすることにより、主走査方向に並ぶ着弾滴のピッチを、副走査方向に並ぶ着弾滴のピッチより小さくするものである。これにより、主走査方向に並ぶ隣合う着弾滴の重複部分は、副走査方向に並ぶ隣合う着弾滴の重複部分よりも多くなる。
よって、この第2実施例によれば、図8(a)に示すように、たとえノズル35cから吐出されたインク滴がノズル35d寄りに吐出され、着弾滴列Bが着弾滴列C寄りに形成されたとしても、依然として着弾滴列Bと着弾滴列Cとは重複しており、その着弾滴列Bと着弾滴列Cとの間に生ずる隙間を、図12(b)に示す場合と比べて低減することができる。従って、隙間を目立たなくして高画質な画像を形成することができる。
一方、ノズルのピッチを詰めることで、主走査向の着弾滴の重複部分が副走査方向の重複部分よりも大きくなり、当初印刷データにおける主走査方向と副走査方向との大きさの比率が主走査方向において小さくなり画像に歪みが生ずる。
そこで、この第2実施例では、ノズル35a等のピッチを詰めた間隔に応じて、主走査方向に多くの着弾滴が着弾するようにプリンタ1Aに指示を出力する。これにより、主走査方向と副走査方向との大きさの比率が印刷データに対応した大きさの比率に近づき、画像に歪みが生ずるのを抑制することができる。
具体的には、当初印刷データとして図4(a)に示すような4行5列の画素配置が与えられた場合には、画素配置変換プログラム45aにより、ノズル35a等のピッチを詰めた間隔に応じて、例えば、更に4列分の画素列を追加して4行8列の画素配置に変換し、その配置変換した画素配置の各画素にインク滴を吐出するようにプリンタ1Aに指示を出力する。これにより、主走査方向と副走査方向との大きさの比率が当初印刷データに対応した大きさの比率に近づき、画像に歪みが生ずるのを抑制することができる。
次に、図8(b)を参照して、PC1による第3実施例の制御について説明する。図8(b)は、ノズル35a等とその各ノズル35a等から吐出されたインク滴によって形成される着弾滴との関係を説明するための図である。
この第3実施例では、ノズルピッチを図12の従来と同一とし、且つ、副走査方向に対する吐出タイミング間隔を、図12の従来よりも短くするものである。これにより、副走査方向に並ぶ隣合う着弾滴の重複部分は、主走査方向に並ぶ隣合う着弾滴の重複部分よりも多くなる。
よって、この第3実施例によれば、図8(b)に示すように、たとえノズル35cから吐出されたインク滴がノズル35d寄りに吐出され、着弾滴列Bが着弾滴列C寄りに形成されたとしても、依然として着弾滴列Bと着弾滴列Cとは近い位置にあり、その着弾滴列Bと着弾滴列Cとの間に生ずる隙間を、図12(b)に示す場合と比べて低減することができる。従って、隙間を目立たなくして高画質な画像を形成することができる。
一方、副走査方向に対する吐出タイミング間隔を小さくすることで、副走査向の着弾滴の重複部分が主走査方向の重複部分よりも大きくなり、当初印刷データにおける副走査方向と主走査方向との大きさの比率が副走査方向において小さくなり画像に歪みが生ずる。
そこで、この第2実施例では、小さくする副走査方向に対する吐出タイミング間隔に応じて、副走査方向に多くの着弾滴が着弾するようにプリンタ1Aに指示を出力する。これにより、副走査方向と主走査方向との大きさの比率が印刷データに対応した比率に近づき、画像に歪みが生ずるのを抑制することができる。
具体的には、当初印刷データとして図4(a)に示すような4行5列の画素配置が与えられた場合には、画素配置変換プログラム45aにより、小さくした副走査方向に対する吐出タイミング間隔に応じて、例えば、更に2行分の画素列を追加して6行5列の画素配置に変換し、その配置変換した画素配置の各画素にインク滴を吐出するようにプリンタ1Aに指示を出力する。これにより、主走査方向と副走査方向との大きさの比率が当初印刷データに対応した大きさの比率に近づき、画像に歪みが生ずるのを抑制することができる。
次に、図9を参照して、PC1による第4実施例の制御について説明する。この第4実施例は、図3で説明した第1実施例と図8(a)で説明した第2実施例とを組み合わせた態様でプリンタ1Aを制御するものである。
図9(a)は、ノズル35a等とその各ノズル35a等から吐出されたインク滴によって形成される着弾滴との関係を説明するための図であり、図9(b)は、図9(a)に示すように着弾滴を着弾させた場合に、ノズル35cから吐出されるインク滴が何らかの原因でノズル35d寄りに着弾した場合の状態を示す図である。
具体的には、この第4実施例は、第1実施例で説明したのと同様に、副走査方向Hに並ぶ各着弾列等を一列おきに副走査方向Hに並ぶ着弾滴のピッチDの略半分(1/2*D)だけ副走査方向にずらし、且つ、図8(a)の第2実施例で説明したのと同様に、図12の従来よりも小さいピッチqとし、且つ、副走査方向に対する吐出タイミング間隔は、図12の従来と同一とし、更に、ノズル35a等のピッチを詰めた間隔に応じて、主走査方向に多くの着弾滴が着弾するようにプリンタ1Aに指示を出力する。
尚、具体的な制御方法は、上述した第1実施例と第2実施例とを組み合わせることで達成することができるので、その説明は省略する。
このように制御することで、図9(a)に示すように着弾するはずの着弾滴が、何らかの原因でノズル35cから吐出されるインク滴がノズル35dよりに吐出された結果、図9(b)に示すように着弾滴列Cが着弾滴列D寄りに形成されたとしても、着弾滴Bと着弾滴Cとの間に生じる隙間を図12(b)に示す従来よりも低減することができる。
次に、図10を参照して、PC1による第5実施例の制御について説明する。図10(a)は、この第5実施例は、図3で説明した第1実施例と図8(b)で説明した第3実施例とを組み合わせた態様でプリンタ1Aを制御するものである。
図10(a)は、ノズル35a等とその各ノズル35a等から吐出されたインク滴によって形成される着弾滴との関係を説明するための図であり、図10(b)は、図10(a)に示すように着弾滴を着弾させる場合に、ノズル35cから吐出されるインク滴が何らかの原因でノズル35d寄りに着弾した場合の状態を示す図である。
具体的には、この第5実施例は、第1実施例で説明したのと同様に、副走査方向Hに並ぶ各着弾列等を一列おきに副走査方向Hに並ぶ着弾滴のピッチDの略半分(1/2*D)だけ副走査方向にずらし、且つ、図8(b)の第2実施例で説明したのと同様に、ノズルピッチpを図12の従来と同一とし、且つ、副走査方向に対する吐出タイミング間隔を、図12の従来よりも短くし、更に、小さくする副走査方向に対する吐出タイミング間隔に応じて、副走査方向に多くの着弾滴が着弾するようにプリンタ1Aに指示を出力する。尚、具体的な制御方法は、上述した第1実施例と第3実施例とを組み合わせることで達成することができるので、その説明は省略する。
このように制御することで、図10(a)に示すように着弾するはずの着弾滴が、何らかの原因でノズル35cから吐出されるインク滴がノズル35dよりに吐出された結果、図10(b)に示すように着弾滴列Cが着弾滴列D寄りに形成されたとしても、着弾滴Bと着弾滴Cとの間に生じる隙間を図12(b)に示す従来よりも低減することができる。
次に、図11を参照して、PC1による第6実施例の制御について説明する。図11(a)および(b)は、ノズル35a等とその各ノズル35a等から吐出されたインク滴によって形成される着弾滴との関係を説明するための図である。
上述した第1実施例では、印刷媒体に対して鉛直方向に吐出されずに斜め方向に吐出するノズルが特定されなくても対応できるように、副走査方向に並ぶ着弾滴列等を1列おきに副走査方向にずらすように制御する場合について説明したが、この第6実施例は、予め、印刷媒体に対して鉛直方向に吐出されずに斜め方向に吐出するノズルを特定し、それに応じた制御をするものである。
第6実施例では、各着弾滴列の間に生ずる隙間を、例えばCCDラインスキャナを利用して濃度差から読み取ることで、主走査方向に隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きく形成される位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルを特定する。
具体的には、本実施例では、ノズル35cから吐出されるインク滴がノズル35d寄りに着弾し、着弾列Bと着弾列CとのピッチD2が他の隣合う着弾滴列のピッチよりも大きく形成されるものとしているので、その2つのノズルとしてノズル35bとノズル35cとを特定する。
そして、この2つのノズル35b,35cのうち、いずれか一方のノズルに対して、そのノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴だけが副走査方向Hにずれるように制御する。
図11(a)では、ノズル35bに対応する着弾滴列Bを副走査方向にずらしている状態を示している。これにより、たとえノズル35cから吐出されるインク滴がノズル35dよりに吐出され、着弾滴列Cが着弾滴列Dよりに形成されたとしても、着弾滴列Bと着弾滴列Cとの間に生ずる隙間を図12(b)に示す従来よりも低減することができる。
一方、図11(b)では、ノズル35cに対応する着弾滴列Cを副走査方向Hにずらしている状態を示している。このようにしても、図11(a)の場合と同様に、たとえノズル35cから吐出されるインク滴がノズル35dよりに吐出され、着弾滴列Cが着弾滴列Dよりに形成されたとしても、着弾滴列Bと着弾滴列Cとの間に生ずる隙間を図12(b)に示す従来よりも低減することができる。
このように、予め、印刷媒体に対して鉛直方向に吐出されずに斜め方向に吐出するノズルを特定し、それに応じた制御をすることで、第1実施例で説明したように、1列おきに着弾滴列をずらすように制御する場合に比べて、副走査方向にずらす着弾滴列の数を少なくすることができ、画像の歪みを抑制することができる。
尚、上述した第6実施例では、着弾滴列Cを構成する着弾滴が主走査方向にずれて着弾する場合について説明したが、例えば、この着弾滴が副走査方向にずれて着弾するような場合には、主走査方向に並ぶ着弾滴の行を主走査方向にずらすようにしても良い。
以上実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上述した第4から第6実施例では、1列おきに又は特定の列の着弾滴列を副走査方向にずらす場合について説明したが、その副走査方向にずらす着弾滴列において第1実施例で説明したように、副走査方向ずらす着弾滴を吐出するノズルに対して、ずらす方向とは反対方向に1画素分更にインク滴を吐出させるように指示を出力しても良い。かかる場合には、画素配置を変換することによる画像の歪みを抑制することができる。
上記実施例では、印刷制御手段としてのPC1をインターフェース48を介してプリンタ1Aに接続して使用する場合について説明したが、PC1のROM45に記憶されている各種プログラムをプリンタ1Aに搭載し、PC1で行う制御をプリンタ1Aにおいて実行するように構成しても良い。かかる場合には、このプログラムを搭載しないPCからの印刷データであっても、プリンタ1Aにおいて制御することができる。
また、上記実施例では、何らかの原因で印刷媒体に対して鉛直方向からズレて吐出されるインク滴は、ノズルが並ぶ方向(主走査方向)にズレる場合について説明したが、このインク滴が印刷媒体の搬送方向(副走査方向)にズレる場合には、そのノズルからインク滴を吐出するタイミングを制御することで、搬送方向にズレるインク滴によって形成される隙間を低減することができる。
また、実施例1,3,4では、画素列を1列おきに副走査方向Hにずらしていたが、2列おきや3列おきに副走査方向にずらしたり、複数列を1つのグループとして1グループおきに1グループの画素列を副走査方向にずらすようにしても良い。