JP2006068925A - 樹脂製光学部品用の成形型の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸化シリコン層の欠陥を取り除くことにより、凹凸型面の欠落がない成形型を得ることが可能な樹脂製光学部品用の成形型の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板1上に酸化シリコン層3と金属マスク層とレジスト層とを積層し、電子ビーム描画法によりレジスト層を露光して複数の突起状のレジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクにしてレジストパターンおよび金属マスク層を非選択的かつ異方的にエッチングし、エッチング後の金属マスク層をマスクにして酸化シリコン層を選択的かつ等方的にエッチングする際において、基板1上に第1酸化シリコン層3aおよび第2酸化シリコン層3bを順次積層してから、この積層体を第2酸化シリコン層3bの層厚以上の研磨量で研磨して酸化シリコン層3とすることを特徴とする樹脂製光学部品用の成形型の製造方法を採用する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、樹脂製光学部品用の成形型の製造方法に関するものである。
従来、反射防止膜を備えた導光板や、このような導光板をフロントライトに利用した液晶表示装置が知られている。この反射防止膜を備えることで、外光や液晶表示ユニットの表面に設けられた照明装置の照明光が液晶表示ユニットに到達する前に反射されてしまうことを防止し、もって外光や照明光を液晶表示ユニットに向けて効率よく入射させ、液晶表示装置の視認性を高めるのに大いに役立つ。この種の反射防止構造の一例として、例えば、AR(Anti-Reflective)格子と称される多数の微細な凹凸形状を有する微細凹凸面が設けられた反射防止膜が知られており、このAR格子によって外光や照明光が液晶表示ユニットに入射する前に反射されてしまうことを防ぐことができるようになっている。
AR格子を備えた反射防止構造の製造方法としては、AR格子の微細凹凸面に対応する凹凸型面を備えた原型を作成し、次にこの原型の凹凸型面を転写した射出成形用金型を作成し、この射出成形金型を用いて樹脂を射出成形することにより、原型の凹凸面型に対応したAR格子を備えた反射防止物品を製造する方法が開示されている(特許文献1参照)。
ところでAR格子は、ナノメートルオーダーの寸法精度が要求されることから、特許文献1に記載の製造方法においては、原型および射出成形金型の寸法精度が高くなければならない。しかし特許文献1に記載された製造方法において、射出成形金型を作成する際の凹凸型面の転写精度が低い場合は、たとえ寸法精度が高い原型が得られたとしても、転写精度が低いために結果的に射出成形金型の寸法精度が低下し、実際に得られる反射防止膜の光学特性が劣化してしまうおそれがあった。また、転写精度が優れていたとしても、原型と射出成形金型の離型性が悪い場合には、やはり射出成形金型の寸法精度が低下し、反射防止膜の光学特性が低下するおそれがあった。
特開2003−154555号公報
そこで最近では、AR格子の微細凹凸面とは逆形状の凹凸型面を有する成形型を微細加工手段により製造し、この成形型を用いて反射防止膜を製造する試みがなされている。このような成形型の製造方法の一例を挙げると、まずアルチック基板上にアルミナ層と酸化シリコン層を順次積層し、次に、酸化シリコン層上に金属マスク層とレジスト層を順次積層し、次に電子ビーム描画法を用いてレジスト層を露光してから現像することによりレジスト層を複数の柱状突起パターンとし、次にイオンミリング法および反応性イオンエッチンング法によってレジスト層、金属マスク層および酸化シリコン層に対して順次エッチングを行ない、最終的に酸化シリコン層にAR格子の微細凹凸面に対応する凹凸型面を形成する方法が例示される。
上記の成形型の製造方法において、アルチック基板上にアルミナ層と酸化シリコン層を順次積層する際に、酸化シリコン層の表面に欠陥が生じる場合がある。このような欠陥は、例えば、異物等がアルミナ層の表面に混入してアルミナ層表面に微小凹部が形成され、この微小凹部が酸化シリコン層の成膜の際に酸化シリコン層に転写されて、酸化シリコン層の表面に欠陥が現れてしまうことにより生じる。また、異物等が酸化シリコン層の表面に混入した場合でも酸化シリコン層表面に欠陥が現れる。このように酸化シリコン層に欠陥が発生すると、欠陥の部分には凹凸型面が形成されなくなってしまう。このような凹凸型面の一部が欠落した成形型によって製造された反射防止膜は、良好な反射防止特性が得られないという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、酸化シリコン層の欠陥を取り除くことにより、凹凸型面の欠落がない成形型を得ることが可能な樹脂製光学部品用の成形型の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の樹脂製光学部品用の成形型の製造方法は、樹脂製光学部品の微細凹凸面に対応する凹凸型面が設けられてなる成形型の製造方法であり、基板上に酸化シリコン層と金属マスク層とレジスト層とを順次積層する工程と、電子ビーム描画法により前記レジスト層を露光するとともに該レジスト層を現像することにより、複数の突起状のレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをマスクにして前記レジストパターンおよび前記金属マスク層を非選択的かつ異方的にエッチングする工程と、エッチング後の前記金属マスク層をマスクにして前記酸化シリコン層を選択的かつ等方的にエッチングする工程とから構成され、前記酸化シリコン層を積層する工程において、前記基板上に第1酸化シリコン層および第2酸化シリコン層を順次積層して酸化シリコン積層体としてから、前記第2酸化シリコン層の層厚以上の研磨量で前記酸化シリコン積層体の表面をCMP法で研磨して酸化シリコン層とすることを特徴とする。
上記の構成によれば、酸化シリコン層の積層工程において、工程中に異物が混入して酸化シリコン積層体の表面に欠陥が発生したとしても、酸化シリコン積層体の表面をCMP法で研磨するので、発生した欠陥を除くことができる。また、研磨量を第2酸化シリコン層の層厚以上とするので、第1、第2酸化シリコン層の界面が残存することがなく、これにより酸化シリコン層の凹凸型面に欠陥が発生することがなく、高品質の成形型を製造することができる。
また本発明の樹脂製光学部品用の成形型の製造方法は、先に記載の樹脂製光学部品用の成形型の製造方法であり、前記第1、第2酸化シリコン層を積層した後にそれぞれ、各酸化シリコン層表面を洗浄処理することを特徴とする。
上記の構成によれば、第1、第2酸化シリコン層をそれぞれ積層した後に洗浄処理を行なうので、第1、第2酸化シリコン層上に異物が残存するおそれがなく、酸化シリコン層の欠陥の発生を防止することができる。
また本発明の樹脂製光学部品用の成形型の製造方法は、先に記載の樹脂製光学部品用の成形型の製造方法であり、研磨後の酸化シリコン層の層厚を、1.2μm以上2.0μm以下の範囲に設定することを特徴とする。
上記の構成によれば、研磨後の酸化シリコン層の厚みを上記の範囲に設定することで、後の工程において酸化シリコン層に凹凸型面を精度良く形成させることができる。
本発明によれば、酸化シリコン層の欠陥を取り除くことにより、凹凸型面の欠落がない成形型を得ることができる。
(樹脂製光学部品用の成形型の製造方法)
以下、本発明の実施形態である樹脂製光学部品用の成形型の製造方法について図面を参照して説明する。
本実施形態の樹脂製光学部品用の成形型の製造方法は、基板上に酸化シリコン層と金属マスク層とレジスト層とを順次積層する積層工程と、電子ビーム描画法により前記レジスト層を露光するとともに該レジスト層を現像することにより、複数の突起状のレジストパターンを形成する露光現像工程と、前記レジストパターンをマスクにして前記レジストパターンおよび前記金属マスク層を非選択的かつ異方的にエッチングする第1エッチング工程と、エッチング後の前記金属マスク層をマスクにして前記酸化シリコン層を選択的かつ等方的にエッチングする第2エッチング工程と、前記基板を回転させつつ、前記基板の斜め上方向から前記酸化シリコン層にイオンビームを照射する第3エッチング工程とから構成されている。
以下、各工程について、図面を参照しながら説明する。
「積層工程」
図1ないし図4を参照して積層工程について説明する。積層工程では、基板上に下地層を積層し、更に酸化シリコン層と金属マスク層とレジスト層とを順次積層する。
まず、図1Aに示すように、基板1の上面1aに下地層2を積層する。下地層2を設けることによって、基板1と酸化シリコン層との密着性を向上できる。
下地層2の積層が完了したならば、下地層2の表面を洗浄処理することが望ましい。この洗浄処理によって、下地層2の積層時に下地層表面に付着した異物を取り除くことができる。洗浄処理の手段としては、例えば、イソプロピルアルコールを下地層2上に滴下してスクラバで掻き取る方法を例示できる。なお、図1における符号Mは、異物の混入によって下地層2の表面に発生した欠陥である。
基板1としては非磁性セラミック基板が好ましく、かつ、6×10−3Pa以上の機械的強度を有するものが好ましい。基板1が非磁性であれば、レジスト層を露光する方法として電子ビーム描画法を用いても、樹脂製光学部品の微細凹凸面と逆の凹凸型面を寸法精度良く形成することができる。また基板1がセラミック基板であれば、ガラス基板やシリコン基板に比べて射出成形時の樹脂圧に対する耐性が向上する。特に、機械的強度が6×10−3Pa以上であれば、射出成形時の劣化や破壊を防止できる。
また、基板1の上面1aは少なくとも表面粗さRa(中心線平均粗さ)が5nm以下であることが基板表面の平坦性を優れたものとすることができ、基板1上に形成される酸化シリコン層を平坦にすることができ、寸法精度が優れた凹凸型面を成形できる点で好ましい。基板1の表面粗さRaが5nmより大きいと、この基板1の上面1aの凹凸の影響で酸化シリコン層に凹凸が生じ、寸法精度が優れた凹凸型面を形成できず、その結果としてAR格子の形状にバラツキが生じ、反射防止効果が低減し、光の散乱が生じてしまう。
基板1の具体例としては、Al・TiC基板(アルチック基板)又はAl基板(アルミナ基板)を例示できる。
下地層2は、AlまたはTiOからなることが好ましい。また下地層2の層厚は、0.2μmを超えて5μm未満であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上3μm以下がよい。下地層2の層厚が0.2μm以下であると、基板1と酸化シリコン層との密着力が低下し、樹脂製光学部品の連続成形によって酸化シリコン層の剥離が生じてしまう。また下地層2の層厚が5μm以上であると、下地層2の成膜時の内部歪みが増加し、これにより樹脂製光学部品の連続成形の際に酸化シリコン層の剥離が生じてしまう。
次に、下地層2の上に酸化シリコン層3を積層する。酸化シリコン層3を積層するには、第1酸化シリコン層および第2酸化シリコン層を順次積層して酸化シリコン積層体とし、次に酸化シリコン積層体の表面をCMP法で研磨して酸化シリコン層とする。
具体的には、図2に示すように、第1酸化シリコン層3aおよび第2酸化シリコン層3bを順次積層して酸化シリコン積層体3cを形成する。なお、各酸化シリコン層3a、3bの積層後にそれぞれ、上記と同様に洗浄処理を行なうことが好ましい。これにより、各酸化シリコン層3a,3bの積層時に酸化シリコン層3a,3b表面に付着した異物を取り除くことができる。なお、図における符号Mは、異物の混入によって第2酸化シリコン層3bの表面に発生した欠陥である。また、第2酸化シリコン層3bの表面には、下地層2の欠陥M1が転写されてなる欠陥M11も発生する。
第1酸化シリコン層3aの層厚は、1.0μm以上5μm以下の範囲が好ましく、1.2μm以上3μm以下の範囲がより好ましい。第1酸化シリコン層3aの層厚が1.0μm未満だと、最終的に得られる酸化シリコン層の層厚が薄くなり、凹凸型面の形成が困難になるので好ましくない。また、第1酸化シリコン層3aの層厚が5μmを越えると、最終的に得られる酸化シリコン層の層厚が大きくなり、樹脂製光学部品の連続成形によって酸化シリコン層が内部から割れてしまうおそれがあるので好ましくない。
また、第2酸化シリコン層3bの層厚は、1.0μm以上5μm以下の範囲が好ましく、1.3μm以上3μm以下の範囲がより好ましい。第2酸化シリコン層3bの層厚が1.3μm未満だと、後の工程で欠陥を取り除くことができなくなるので好ましくない。また、第2酸化シリコン層3bの層厚が5μmを越えると、次のCMP研磨工程での研磨量が多くなり、生産性が低下するので好ましくない。
次に、図3に示すように、酸化シリコン積層体3cの表面をCMP法(化学的機械研磨法)によって研磨することにより、第2酸化シリコン層の欠陥M、M11を取り除く。このようにして、欠陥が一切ない酸化シリコン層3が形成される。
このときの研磨量は、第2酸化シリコン層3bの層厚よりも大きくすることが好ましい。研磨量を第2酸化シリコン層3bの層厚より大きくすることで、第2酸化シリコン層3bが完全に除去されるとともに、第1酸化シリコン層3aの一部研磨される。すなわち、第1,第2酸化シリコン層3a,3bの界面部分が完全に取り除かれる。
第2シリコン層3bが取り除かれることで、異物の混入により発生した欠陥M、M11を取り除くことができる。また、第1、第2酸化シリコン層3a,3bの界面部分を取り除くことで、界面部分に残存する汚染成分などの、欠陥としては現れないが凹凸型面の形成に障害となる部分を除くことができる。
具体的な研磨量は、CMP法の研磨精度と、酸化シリコン積層体3cの層厚の分布を考慮して決めることが望ましい。例えば、第2酸化シリコン層3bの層厚が1.3μm程度である場合は研磨量を1.6μm程度にすることが望ましい。
また、研磨後の酸化シリコン層3の層厚を、1.2μm以上2.0μm以下の範囲に設定することが望ましく、1.5μm以上2.0μm以下の範囲に設定することがより望ましい。酸化シリコン層の層厚が1.2μm未満だと、凹凸型面の形成が困難になるので好ましくない。また、酸化シリコン層3の層厚が2.0μmを越えると、樹脂製光学部品の連続成形によって酸化シリコン層3が内部から割れてしまうおそれがあるので好ましくない。
次に、図4に示すように、酸化シリコン層3上に金属マスク層4とレジスト層5を順次積層する。
金属マスク層4の材質はCrが好ましく、また金属マスク層4の層厚は0.05μm以上0.5μm以下の範囲が好ましく、0.1μm以上0.4μm以下の範囲がより好ましい。
レジスト層5としては電子線レジストが好ましく、またレジスト層5の層厚は0.1μm以上0.4μm以下の範囲が好ましく、0.2μm以上0.3μm以下の範囲がより好ましい。
「露光現像工程」
次に、露光現像工程では、電子ビーム描画法によりレジスト層5を露光するとともにレジスト層5を現像することにより、複数の突起状のレジストパターン15を形成する。
本実施形態で好適に用いられる電子ビーム描画法は、所謂可変成形方式と呼ばれるものであり、図5には、この可変成形方式を実現するための電子ビーム描画装置の光学系の模式図を示す。図5に示す電子ビーム描画装置は、電子銃31と、基板1を載置するXYステージ32と、電子銃31とXYステージ32との間に配置された第1アパーチャ33および第2アパーチャ34とから概略構成されている。第1アパーチャ33には正方形の開口部33aが1つ設けられている。また図6に示すように第2アパーチャ34には、複数の開口部34aが千鳥格子状に配列されて設けられている。
また図5に示すように、電子銃1と第1アパーチャ33の間にはブランキング電極35と照射レンズ36が配置されている。更に、第1アパーチャ33と第2アパーチャ34の間には成形偏向器37とビーム成形レンンズ38とが配置されている。更にまた、第2アパーチャ34とXYステージ32との間には縮小レンズ39と投影レンズ40と位置偏向器41が配置されている。
この電子ビーム描画装置においては、電子銃31から放出された電子ビームが、照射レンズ36によって第1アパーチャ33の正方形の開口部33aに一様に照射される。この開口部33aの像はビーム成形レンズ38で第2アパーチャ34に結像される。この結像された像は、第2アパーチャ34の複数の開口部34aを通過することにより、開口部34aに対応した複数の電子ビームに分割される。分割された電子ビームは、縮小レンズ39により縮小され、投影レンズ40および位置偏向器41を経て基板1のレジスト層5上に結像される。このようにしてレジスト層5上に結像された電子ビーム像によりレジスト層5の露光が行なわれる。
一度の電子ビーム照射で露光される面積はレジスト層の全面積の一部である。従って、一回の露光が終了したならば、XYステージにより基板1を移動させるか、あるいは位置偏向器41を作動させて電子ビームの照射位置を相対移動させ、再び電子ビームの照射を行なう。このようにして、レジスト層5の全部に対して露光を行なう。
図6に示すように、第2アパーチャ34には、複数の方形状の開口部34aが千鳥格子状に配列されている。また、開口部34aの開口率が5%以下に設定されている。開口率とは、第2アパーチャ34に照射される電子ビームの照射面積(第1アパーチャ33の開口部33aを通過して第2アパーチャ34上に結像された電子ビームの照射面積)に対する複数の開口部34a…の開口面積の割合であり、開口部34a…の大きさおよび数により容易に変更できるものである。この開口率が5%を越えると、第2アパーチャ34により分割された電子ビームが後方散乱を起こし、電子ビーム同士が相互に干渉してレジスト層35の露光を精度良く行なうことができなくなるので好ましくない。
また、レジスト層5上に結像される電子ビーム像は、第2アパーチャ34に設けられた開口部34aを通過したものであるから、図6に示す開口部34a…のパターンを縮小したものとなる。このとき、レジスト層5上に縮小投影された各開口部34a…に対応する電子ビームの照射領域の一辺長が、80nm以上100nm以下の範囲に設定されるように、電子ビーム描画装置の光学系を調整することが望ましい。
一辺長を小さくするには第2アパーチャの開口部34a…の大きさを小さくすればよいが、電子ビームの照射領域の一辺長を80nm未満とするのは、第2アパーチャ34の構成上不可能である。また一辺長が100nmを越えると、レジスト層5上における電子ビーム像同士が干渉してしまうので、レジスト層5を精度良くパターニンングするのが困難になる。よって、レジスト層5上に縮小投影する各開口部34a…に対応する電子ビームの照射領域の一辺長は上記の範囲に設定することが望ましい。
また、各開口部34a…に対応する電子ビームの照射領域同士の間隔は、レジスト層上において、100nm以上300nm以下のピッチとすることが好ましく、160nm以上250nm以下のピッチとすることがより好ましい。ピッチが小さすぎると、分割ビーム同士が干渉してしまうので好ましくない。また、ピッチが大きすぎると、凹凸型面における凹凸のピッチが広がってしまい、樹脂製光学部品の光学特性が低下してしまう。
上記の露光工程では、第2アパーチャ34に複数の開口部34a…が設けられているので、電子ビームの1回の照射により、AR格子の微細突起に対応するパターンを一度に複数箇所に形成させることができ、レジスト層5の露光工程を大幅に短縮化することができる。
次に、露光後のレジスト層をエッチングして現像する。このようにして複数の突起状のレジストパターンを形成する。図7にレジストパターンの断面模式図を示し、図8にはレジストパターンの平面模式図を示す。図7および図8に示すように、金属マスク層4上に、複数の円柱突起15aからなるレジストパターン15が形成される。円柱突起15a…同士の間には下地の金属マスク層4が露出される。なお、方形の電子ビーム像が照射されたにも関わらず、レジストパターンが円柱突起15aとなるのは、レジスト層5の解像度が電子ビーム像の解像度よりも低いためである。円柱突起15aの直径は例えば60nm以上150nm以下の範囲とすることが好ましく、90nm以上140nm以下の範囲とすることがより好ましい。また、円柱突起15a同士のピッチは例えば100nm以上300nm以下の範囲とすることが好ましく、160nm以上250nm以下の範囲とすることがより好ましい。
「第1エッチング工程」
次に、第1エッチング工程では、レジストパターン15をマスクにしてレジストパターン15および金属マスク層4を非選択的かつ異方的にエッチングする。
エッチングの手段としては、イオンミリング法が好ましい。イオンミリング法は、非選択的にエッチング可能であり、また異方的にエッチング可能である点で金属マスク層4のエッチングに好適である。レジストパターン15をマスクにして金属マスク層4をイオンミリングによりエッチンングすると、図9に示すように、レジストパターン15の円柱突起15aと、円柱突起15aの間に露出している金属マスク層4が同時にエッチングされる。一方、円柱突起15aに覆われている金属マスク層4はエッチングされることがない。
エッチング量は、金属マスク層4の層厚以下とすることが望ましい。このエッチンングにより、金属マスク層4上には、レジストパターン15に対応した複数の円柱突起14aが形成される。円柱突起14aの高さはエッチング量で調整することができ、140オングストローム以上(14nm以上)とすることが好ましく、70オングストロームないし80オングストローム程度(7nmないし8nm程度)とすることがより好ましい。エッチング量がこれよりも大きいと、イオンミリングでスパッタされた金属マスク層4の成分が円柱突起14aに再付着してしまうので好ましくない。
最後に、残存するレジストパターン15を除去する。
「第2エッチング工程」
次に、第2エッチング工程では、エッチング後の金属マスク層4をマスクにして酸化シリコン層3を選択的かつ等方的にエッチングする。
エッチングの手段としては、反応性イオンエッチング法が好ましい。反応性イオンエッチング法は、エッチングレートを任意に変更可能な選択的エッチングを行なうことができ、かつ等方的にエッチングすることができるので、酸化シリコン層3のエッチングに用いて好適である。エッチングレートは、SiO(酸化シリコン層):Cr(金属マスク層)=35:1ないし50:1の範囲で行なうことが望ましい。このエッチングレートで金属マスク層4をマスクにして酸化シリコン層3を反応性イオンエッチング法でエッチングすると、図10に示すように、酸化シリコン層3に断面視波状の凹凸面3aが形成される。凹凸面3aの凸部3bは、金属マスク層4の円柱突起14aに対応して形成されたものである。このような凸部3bが形成されるのは、酸化シリコン層3に対して金属マスク層4のエッチングレートが低いためである。また、凹凸面3aの断面が連続した波状の曲線になるのは、酸化シリコン層3が等方的にエッチングされるためである。
「第3エッチング工程」
次に、第3エッチング工程では、基板1を回転させつつ、基板1の斜め上方向から酸化シリコン層3にイオンビームを照射して凹凸面3a上の凸部3bの先端部分のみをエッチングする。
第2エッチング工程における反応性イオンエッチング法は等方的なエッチング手段であるため、酸化シリコン層3に凹凸面3aが形成される際に、凸部3bの先端部分と凹部3cの底部部分が同時にエッチングされる。このため、凹凸面3a全体に渡って凸部3bの高さ(凹部3cの深さ)が均一にならない場合がある。そこで、第3エッチング工程を行なって凸部3bの先端部分のみをエッチングすることにより、凹凸面3a全体に渡って凸部3bの高さを一定にする。
具体的には、図11および図12に示すように、基板を回転させながら、基板1の斜め上方向15°ないし60°の角度から酸化シリコン層3にイオンビームを照射する。基板1を回転させることで、凸部3bの全周に渡ってイオンビームを照射させることができ、凸部3bの形状の対称性が保たれる。また、基板1の斜め上方からイオンビームを照射することで、凸部3bの先端部分にはイオンビームが照射されるが、凹部3cの底部にはイオンビームが照射されない。このようにして凸部3aの先端部分のみをエッチングすることができ、凸部3aの高さを制御することができ、凹凸面3aの深さ寸法のバラツキを小さくすることができる。このようにして、凹凸の深さおよび凸部3bのピッチが一定である凹凸型面13が形成される。
なお、イオンビームの照射角度が60°以上であると、凸部3bの先端部分に十分なイオンビームが照射されず、凸部3bのエッチングが不十分になるので好ましくない。また、照射角度が15°未満であると、イオンビームが凹部3cの底部まで照射されてしまい、凹凸面3aの深さを均一にできなくなるので好ましくない。なお、照射角度は、基板の上面の法線方向に対する角度である。即ち、法線方向が0°であり、基板と平行方向が90°である。
最後に、凹凸型面13上に保護レジスト層6をスピンコート法により塗布する。このようにして、凹凸型面13を有する樹脂製光学部品用の成形型11が得られる。
(樹脂製光学部品の製造方法)
次に、本発明に係る樹脂製光学部品(反射防止層)の製造方法について、以下に説明する。
本発明に係る樹脂製光学部品は、図14に示す射出成形用型を用いる射出成形により製造することができる。図14は、射出成形用型40の概略構成を示す断面図である。
この射出成形用型40は、樹脂製光学部品(反射防止層)を成形するためのキャビティ空間45を画定する第1の母型40a及び第2の母型40bとが備えられ、第1の母型40aの内面41aには、先の樹脂製光学部品用の成形型11が配置され、第2の母型40bの内面41bは樹脂製光学部品の微細凹凸面と反対側の面を成形する面とされている。また、第1の母型40aと第2の母型40bの側端には型内に樹脂製光学部品の構成材料のシリコン系樹脂を注入する射出口42が形成されている。第1の母型40aと第2の母型40bの材質としては、シリコンウエハ等のセラミックスが用いられる。
このような射出成形用型40を用いて樹脂製光学部品を作製するには、射出成形用型40を射出成型機にセットして、射出口42から溶融した樹脂製光学部品の材料のシリコン系樹脂等の光透過性樹脂を射出成形圧力400kg/cmないし500kg/cmで射出して樹脂射出成形物を成型すると、成形型11に備えられた酸化シリコン層3に形成された凹凸型面13の凹凸形状が転写された樹脂射出成形物を成形でき、この後、離型すると目的とする樹脂製光学部品が得られる。
上記の樹脂製光学部品の製造方法によれば、上記のような構成の射出成形用型40を用いて射出成形するので、成形型11に備えられた酸化シリコン層3の凹凸型面13の凹凸形状が樹脂射出成形物に直接転写でき、しかも転写のときに形状が崩れることもないので、サブミクロンオーダーの微細な凸部が複数形成された微細凹凸面を有する樹脂製光学部品を寸法精度良く製造できる。
(樹脂製光学部品)
図15および図16に、本実施形態に係る樹脂製光学部品の一例である反射防止層を示す。図15は、反射防止層の表面形状を模式的に示す部分斜視図である。図16は図15の反射防止層の部分断面図である。この反射防止層50は、表面にサブミクロンオーダーの微細な凹部又は凸部が格子状に配列形成されて構成されている。
反射防止層50の一方の面には、直径0.15〜0.4μm程度(あるいはピッチが0.15〜0.4μm程度)の多数の微細な凸部51が格子状に配列されて形成されており、幅広い波長域の光を高い透過率で透過させることができるようになっている。上記のような微細な凹凸形状を設けることにより光の反射を防止できるのは、それぞれの凸部が可視領域の波長以下の高さ及び繰り返しピッチで配列形成されているために、入射した光の反射が生じないことによる。反射防止層50の面のうち上記のような微細な凸部51が多数設けられた面を微細凹凸面51aと呼ぶ。この微細凹凸面51aは、先の成形型11の凹凸型面13が転写されて形成されてなるものである。
凸部51の直径あるいはピッチは0.2μm以下が好ましく、また凸部51の高さHは0.1μm程度以上が好ましい。これは、ピッチPが0.2μmを越えると、導光板に光を入射させた際に色づきが発生するからである。また、凸部51の高さHが0.1μm未満であると、防反射効果が不十分であり、反射率が高くなるからである。
上記凸部51のピッチは、小さくするほど反射防止層50の透過率を高めることができるが、極微細な凸部51を均一な寸法で配列形成するのは困難であり、製造コストの増加の原因となるため、実用的には凸部51ピッチの下限値は、0.15μm程度である。
また、凸部51のアスペクト比(高さHと凸部51のピッチPの比)は、0.7以上の範囲とされ、好ましくは1以上2以下の範囲である。これは凸部51のアスペクト比が0.7未満であると、充分な防反射効果が得られないからである。
反射防止層59の材質としては、シリコン系樹脂、アクリル樹脂、ノルボルネン樹脂などの光透過性樹脂が用いられている。
(液晶表示装置)
図1には、上記の反射防止層50(樹脂製光学部品)が備えられた液晶表示装置の一例を断面図で示す。
この液晶表示装置61は、反射型の液晶パネル80と、その前面側に配設されたフロントライト(照明装置)70とを備えて構成されている。
フロントライト70は、略平板状の透明の導光板72と、この導光板72の側端面(入光面)72aに配設された光源73とを備えて構成されている。導光板72は、アクリル系樹脂などの光透過性樹脂から構成され、この導光板72の図示下側(液晶表示ユニット80側)の面は、フロントライト70の照明光が出射される出射面72bとされており、図示上側(液晶表示ユニット70と反対側)の面には、断面視三角波状のプリズム形状が形成されている。より詳細には、出射面72bに対して傾斜して形成された緩斜面部74aと、この緩斜面部74aよりも急な傾斜角度で形成された急斜面部74bとからなる断面視三角形状の複数の凸部74が互いに平行に形成されている。そして、導光板72の出射面72bの下側に、先の反射防止層(樹脂製光学部品)50が備えられている。
導光板72の側端面72aに配設された光源73は、導光板72の側端面72aに沿って設けられた棒状の光源であり、例えば、棒状の導光体73bの両端部にそれぞれ白色LEDなどが配設されたものを例示できる。この光源73は、白色LEDなどから出射された光を導光体73bを介して導光板72に導入するようになっている。そしてフロントライト70は、光源73から出射された光を、導光板72の側端面72aから導光板72内部へ導入し、内部を伝搬するこの光を、反射面72cに設けられた凸部74の急斜面部74bで反射させることで光の伝搬方向を変化させ、出射面72bから照明光として出射させるようになっている。
導光板72の出射面72b側には反射防止層50が備えられている。反射防止層50は上記微細凹凸面51aが導光板72の出射面72b側となるように配置されている。
反射防止層50が設けられていることで、導光板72内部を伝搬する光が出射面72bに入射した際に反射光がほとんど生じず、効率よく液晶パネル80を照明できるようになる。また、出射面72bの内面側での反射がほとんど生じないことで、出射面72bで反射された光が使用者に到達することにより生じる白化現象を抑え、コントラストを向上させて表示品質を向上させることができる。
また、反射型の液晶パネル80により反射された光が、導光板72の出射面72bに入射する際にも、この反射防止層50が有効に作用し、高い透過率で液晶パネル80の反射光を透過させ、結果として高輝度の表示が得られるようになっている。これは、液晶パネル80の反射光が、導光板72の出射面72bで反射されると表示光の一部が損失されて輝度が低下することとなり、また出射面72bでの反射により導光板72の白化がおこるために表示のコントラストが低下することとなるが、上記導光板72に、反射防止層50が設けられていることで、上記の現象を防止することができるためである。
尚、反射防止層50は、導光板72の出射面72bのみに設けられるものではなく、光源73が配置される側端面72aに設けても良い。このような構成とすることで、光源73(導光体73b)から導光板72に光が導入される際の導光板72の側端面72aでの反射も抑えることができるので、光源の利用効率を更に高めて、フロントライト70の輝度を向上させることができる。
液晶パネル80は、対向して配置された上基板81と下基板82との間に液晶層83が挟持され、この液晶層83が基板81,82の内面側周縁部に沿って額縁状に設けられたシール材84により封止された構成とされている。
上基板81の内面側(下基板82側)には、液晶制御層86が形成されており、下基板82の内面側(上基板81側)には、フロントライト70の照明光や外光を反射させるための金属薄膜を有する反射層87が形成され、この反射層87上に液晶制御層88が形成されている。
液晶制御層86,88は、液晶層83を駆動制御するための電極や、配向膜等を含んで構成されており、上記電極をスイッチングするための半導体素子等も含むものである。また、場合によってはカラー表示のためのカラーフィルタを備えていてもよい。そして、図1に示すように、下基板82側の液晶制御層88が、シール材84を越えて外側まで延長されて形成され、その先端部88aにおいて、フレキシブル基板89aと接続されている。尚、上基板81側の液晶制御層86は、フレキシブル基板(図示略)と接続されている。
反射層87は、液晶表示パネル80に入射した外光やフロントライト10の照明光を反射させるためのアルミニウムや銀などの高反射率の金属薄膜からなる反射膜を備えるものであり、特定の方向で反射光が強くなり液晶表示装置の視認性が低下するのを防止するための光散乱手段を備えることが好ましい。この光散乱手段としては、金属反射膜に微細凹凸形状を付与したものや、樹脂膜中に樹脂膜を構成する材料と異なる屈折率の樹脂ビーズを分散させた散乱膜等を用いることができる。
以上の構成の本実施形態の液晶表示装置61は、外光が十分に得られる環境では、外光を利用した反射表示を行うことができ、外光が得られない環境においては、フロントライト70を点灯させ、導光板72の出射面72bから出射される光を照明光として表示を行うことができるようになっている。
そして、フロントライト70の導光板72に反射防止層50が設けられていることで、光源73から導光板72内部に導入された光を効率よく出射面72bから取り出すことができるので、液晶パネル80に入射する照明光量を高めて高輝度の表示を行うことができる。
さらには、上記液晶パネル80に入射した光は、下基板82の反射層87により反射されて再び導光板72に入射し、この導光板72を透過して使用者に到達するようになっているが、本実施形態の液晶表示装置61では、上記導光板72に反射防止層50が設けられていることで、液晶パネル80からの反射光が導光板の出射面72bでほとんど反射されずに使用者に到達する。従って、導光板72の出射面72bで反射されて表示光の輝度が低下するのを防止し、又、出射面72bで反射が生じることによる導光板72の白化も防止できるので、高輝度で高コントラストの表示を得ることができる。
(実施例1)
1.2mm厚のアルチック基板に厚さ1.2μmのAlからなる下地層を積層した。次に、厚さ2.3μmの第1酸化シリコン層、厚さ1.3μmの第2酸化シリコン層を順次積層して酸化シリコン積層体を形成した。次に、酸化シリコン積層体の表面をCMP法により研磨して酸化シリコン層とした。研磨量は1.6μmとした。酸化シリコン層の厚みは2μmとなった。
次に、厚さ200オングストローム(20nm)のCrからなる金属マスク層と、厚さ2000オングストローム(200nm)の電子線レジストからなるレジスト層を順次積層した。
次に、電子ビーム描画法によってレジスト層を露光してから現像することにより、レジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクにして金属マスク層をイオンミリング法でエッチングした。金属マスク層に対するミリング量は75オングストローム(7.5nm)とした。次に、反応性イオンエッチング法により、エッチングレートがSiO:Cr=40:1の条件で金属マスク層をマスクにして酸化シリコン層をエッチングし、酸化シリコン層に凹凸面を形成した。更に、アルチック基板を回転させつつ、基板に対して斜め30°の角度からイオンビームを照射することにより、凹凸面上の凸部の先端部分のみをエッチングして凹凸面の深さを均一化させた。このようにして実施例1の樹脂製光学部品用の成形型を製造した。
実施例1の成形型について、凹凸型面を電子顕微鏡で観察したところ、凹凸型面上に特に欠陥は見られなかった。
(実施例2)
厚さ2.0μmの第1酸化シリコン層および厚さ1.3μmの第2酸化シリコン層を順次積層して酸化シリコン積層体を形成し、この酸化シリコン積層体の表面をCMP法により研磨量1.5μmで研磨して酸化シリコン層としたこと以外は上記実施例1と同様にして実施例2の樹脂製光学部品用の成形型を製造した。
この実施例2の成形型について、凹凸型面を電子顕微鏡で観察したところ、凹凸型面上に特に欠陥は見られなかった。
(比較例1)
下地層の上に、厚さ8000オングストローム(0.8μm)の第1酸化シリコン層、厚さ8000オングストロームの第2酸化シリコン層、厚さ8000オングストロームの第3酸化シリコン層を順次積層して酸化シリコン積層体とし、この酸化シリコン積層体の表面をCMP法により研磨量8000オングストロームで研磨して酸化シリコン層としたこと以外は上記実施例1と同様にして、比較例1の樹脂製光学部品用の成形型を製造した。
この比較例1の成形型について、凹凸型面を電子顕微鏡で観察したところ、凹凸型面の複数箇所に欠陥が見られた。このような欠陥が見られたのは、厚さ8000オングストロームの酸化シリコン層を3回に分けて積層してから、CMP法によって8000オングストロームの厚さだけ研磨したため、第1酸化シリコン層と第2酸化シリコン層の界面部分が研磨されることなくそのまま残され、これら第1、第2酸化シリコン層の界面に洗浄成分等の汚染成分が残されたためと考えられる。
本発明の実施形態である樹脂製光学部品用の成形型の製造方法を説明するための断面工程図。 本発明の実施形態である樹脂製光学部品用の成形型の製造方法を説明するための断面工程図。 本発明の実施形態である樹脂製光学部品。用の成形型の製造方法を説明するための断面工程図。 本発明の実施形態である樹脂製光学部品用の成形型の製造方法を説明するための断面工程図。 本発明の実施形態である樹脂製光学部品用の成形型の製造方法に使用される電子ビーム描画装置の光学系を説明する斜視模式図。 電子ビーム描画装置に備えられる第2アパーチャを示す平面模式図。 本発明の実施形態である樹脂製光学部品用の成形型の製造方法を説明するための断面工程図。 図7の平面模式図 本発明の実施形態である樹脂製光学部品用の成形型の製造方法を説明するための断面工程図。 本発明の実施形態である樹脂製光学部品用の成形型の製造方法を説明するための断面工程図。 本発明の実施形態である樹脂製光学部品用の成形型の製造方法を説明するための断面工程図。 第3エッチング工程の詳細を説明する断面模式図。 本発明の実施形態である樹脂製光学部品用の成形型の製造方法を説明するための断面工程図。 樹脂製光学部品用の成形型を製造する際に用いる射出成形用型を示す断面模式図。 樹脂製光学部品の一例である反射防止層の一部を示す斜視図。 樹脂製光学部品の一例である反射防止層の一部を示す断面模式図。 樹脂製光学部品を備えた液晶表示装置の構成を示す断面模式図。
符号の説明
1…基板、3…酸化シリコン層、3a…第1酸化シリコン層、3b…第2酸化シリコン層、3c…酸化シリコン積層体、4…金属マスク層、5…レジスト層、11…樹脂製光学部品用の成形型、13…凹凸型面、15…レジストパターン、33…第1アパーチャ、34…第2アパーチャ、34a…開口部、50…樹脂製光学部品(反射防止層)、51a…微細凹凸面

Claims (3)

  1. 樹脂製光学部品の微細凹凸面に対応する凹凸型面が設けられてなる成形型の製造方法であり、
    基板上に酸化シリコン層と金属マスク層とレジスト層とを順次積層する工程と、電子ビーム描画法により前記レジスト層を露光するとともに該レジスト層を現像することにより、複数の突起状のレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをマスクにして前記レジストパターンおよび前記金属マスク層を非選択的かつ異方的にエッチングする工程と、エッチング後の前記金属マスク層をマスクにして前記酸化シリコン層を選択的かつ等方的にエッチングする工程とから構成され、
    前記酸化シリコン層を積層する工程において、前記基板上に第1酸化シリコン層および第2酸化シリコン層を順次積層して酸化シリコン積層体としてから、前記第2酸化シリコン層の層厚以上の研磨量で前記酸化シリコン積層体の表面をCMP法で研磨して酸化シリコン層とすることを特徴とする樹脂製光学部品用の成形型の製造方法。
  2. 前記第1、第2酸化シリコン層を積層した後にそれぞれ、各酸化シリコン層表面を洗浄処理することを特徴とする請求項1に記載の樹脂製光学部品用の成形型の製造方法。
  3. 研磨後の酸化シリコン層の層厚を、1.2μm以上2.0μm以下の範囲に設定することを特徴とする請求項1に記載の樹脂製光学部品用の成形型の製造方法。

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