JP2006068695A - 中空糸膜モジュール及び浄水器 - Google Patents
中空糸膜モジュール及び浄水器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006068695A JP2006068695A JP2004258095A JP2004258095A JP2006068695A JP 2006068695 A JP2006068695 A JP 2006068695A JP 2004258095 A JP2004258095 A JP 2004258095A JP 2004258095 A JP2004258095 A JP 2004258095A JP 2006068695 A JP2006068695 A JP 2006068695A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- membrane
- hollow fiber
- polyvinylidene fluoride
- fiber membrane
- polysulfone
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Water Treatment By Sorption (AREA)
Abstract
【課題】本発明は、水道蛇口に接続して水道水の浄化を行う中空糸膜モジュール及び該モジュールを装着した浄水器に関するもので、より詳しくは使用開始時、又は使用中に中空糸膜モジュール内及び浄水器内に混入した空気が容易に排出出来る中空糸膜モジュール及び該モジュールを装着した浄水器を提供する。
【解決手段】ポリスルホン膜にポリビニリデンフルオライド膜を混在させてなる中空糸膜モジュールであって、前記ポリスルホン膜および前記ポリビニリデンフルオライド膜のいずれもが多孔質構造であることを特徴とする中空糸膜モジュール。
【解決手段】ポリスルホン膜にポリビニリデンフルオライド膜を混在させてなる中空糸膜モジュールであって、前記ポリスルホン膜および前記ポリビニリデンフルオライド膜のいずれもが多孔質構造であることを特徴とする中空糸膜モジュール。
Description
本発明は、水の浄化を行う中空糸膜モジュール及び浄水器に関するもので、より詳しくは使用開始時、又は使用中に浄水器内に混入した空気が容易に排出出来る中空糸膜モジュール及び該モジュールを装着した浄水器に関するものである。
従来、水道蛇口に接続して水道水を浄化する浄水器のカ−トリッジとしては、活性炭や親水性の中空糸膜を充填したものが多く知られている。これらのろ過材料を通過させることにより水道水が浄化されるのであるが、水道水入口側から空気が混入すると、例えば0.05〜0.15MPa程度の圧力では親水性の中空糸膜を通過しないため中空糸膜モジュール内に混入した空気が膜表面に付着して水の透過が阻止され中空糸膜全体としてろ過効率が低下するという問題があった。
この対策として、通常中空糸膜モジュールの上部の側壁に空気抜きバルブを取り付け、バルブを開放してモジュール内に溜まった空気を系外へ排出することや、特許文献1のように中空糸膜面の少なくとも一部に疎水性部分を有する中空糸膜を使用することが提案されている。しかし、前者の場合、頻繁にバルブを操作してモジュール内に溜まった空気を除去しなければならず、バルブを開いた時に誤って水道水を流出させないようにバルブ開放中は液面の変化に注意を払わなければならないと言う不便もあった。後者の場合、膜面の一部に疎水性部分を有する多孔質中空糸膜を配置する場所に制約があり、アルコール類や界面活性剤等により処理する場合、換気対策や廃液処理対策が必要であった。
また、特許文献2のように空気抜きとして多数の中空糸膜よりも太径で棒状の疎水性微多孔体を備える方法が提案されている。しかしこの方法では、一端が中空糸膜モジュールの内部に突出しているが、先端の封止に関しては何ら言及されていない。
さらに、特許文献3では、疎水性多孔質体として本発明と同じ素材であるポリ弗化ビニリデンを用いているが、微細孔の外表面に開口する孔径を絞って細菌等に対する衛生対策を施した構造とし、該疎水性多孔質体を棒状で挿入する場合、その端末は封止せずそのまま開放状態に保持されているので空気抜き効果が不十分である。
実開昭63−21294号公報 (実用新案登録請求の範囲等)
実用新案登録第2533718号公報 (実用新案登録請求の範囲等)
特許第2720364号公報 (請求項1)
さらに、特許文献3では、疎水性多孔質体として本発明と同じ素材であるポリ弗化ビニリデンを用いているが、微細孔の外表面に開口する孔径を絞って細菌等に対する衛生対策を施した構造とし、該疎水性多孔質体を棒状で挿入する場合、その端末は封止せずそのまま開放状態に保持されているので空気抜き効果が不十分である。
本発明は、疎水性部分を有する多孔質中空糸膜を配置する場所に制約が無く、また薬剤による処理工程が不要である疎水性中空糸膜を用いて使用開始時、又は使用中に浄水器内に混入した空気が容易に排出出来る中空糸膜モジュール及び該モジュールを装着した浄水器を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明は次の(1)〜(10)を特徴とするものである。
(1)ポリスルホン膜にポリビニリデンフルオライド膜を混在させてなる中空糸膜モジュールであって、前記ポリスルホン膜および前記ポリビニリデンフルオライド膜のいずれもが多孔質構造であることを特徴とする中空糸膜モジュール。
(2)ポリビニリデンフルオライド膜、およびポリスルホン膜のいずれもがU字型の状態で、かつポッティング剤で集束固定されていることを特徴とする(1)に記載の中空糸膜モジュール。
(3)ポリビニリデンフルオライド膜、およびポリスルホン膜のいずれもがポッティング剤で集束固定され、前記ポリビニリデンフルオライド膜は、一端が封止された状態でU字型のポリスルホン膜に混在していることを特徴とする(1)に記載の中空糸膜モジュール。
(4)封止方法が熱による融着、または樹脂充填からなることを特徴とする(3)に記載の中空糸膜モジュール。
(5)ポリビニリデンフルオライド膜の本数がポリスルホン膜の本数の0.1%以上5%以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
(6)ポリビニリデンフルオライド膜の膜面積がポリスルホン膜の膜面積の0.1%以上5%以下であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
(6)ポリビニリデンフルオライド膜の膜面積がポリスルホン膜の膜面積の0.1%以上5%以下であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
(7)ポリビニリデンフルオライド膜の引張強度が2.5MN/m2以上、且つ伸度が40%以上であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の中空糸膜モジュールと吸着剤を装着してなることを特徴とする浄水器。
(9)吸着剤が活性炭、ゼオライト、チタン化合物、無機イオン交換体、イオン交換樹脂、光触媒用樹脂の少なくとも1種を含むことを特徴とする(8)に記載の浄水器。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の中空糸膜モジュールと吸着剤を装着してなることを特徴とする浄水器。
(9)吸着剤が活性炭、ゼオライト、チタン化合物、無機イオン交換体、イオン交換樹脂、光触媒用樹脂の少なくとも1種を含むことを特徴とする(8)に記載の浄水器。
(10)蛇口直結型、据置型、またはアンダーシンク型である(8)または(9)に記載の浄水器。
本発明によれば、中空糸膜モジュール内へ空気が混入しても疎水性中空糸膜を通過して容易に系外へ排出されるためろ過効率の低下がなく、しかも使用時に空気の混入を心配する必要がない中空糸膜モジュール及び該モジュールを装着した浄水器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の中空糸膜モジュールとは、例えば複数本の中空糸膜を束ねてU字型に折り曲げた中空糸膜の集合体をケースに固定したものをいう。疎水性のポリビニリデンフルオライド膜及び親水化したポリスルホン膜の中空糸膜束は、複数本の中空糸膜を一方向に引き揃え、U字型に折り曲げられて、端部がポッティング剤によって筒状ケースに封止固定されている。
本発明の好ましい一態様である中空糸膜モジュールに関し、ポリビニリデンフルオライド膜のU字構造の好ましい形態とは、平行な部分が密着せずに少なくとも外径の5倍以上、好ましくは7倍以上離れた曲率でU字構造になって筒状ケースに挿入されていれば良い。
また、本発明の好ましい他の一態様である中空糸膜モジュールに関し、U字型のポリスルホン膜に他端を封止したストレート状のポリビニリデンフルオライド膜を配置する場合もある。
本発明で多孔質構造とは無数の細孔がある構造を言い、細孔の大きさは膜厚方向に対して一様ではないが、膜厚方向の外側から内側に向かうにつれて細孔が密あるいは疎になっている構造や、密と疎が混在している構造であることが好ましい。なお、外表面の細孔径は大部分が2μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以下である。
ポリスルホン膜の孔径は、10μm以下であると好ましく、さらに好ましくは2μm以下である。さらに微小な固体を除去する場合には、孔径0.1μm以下のものを用いると好ましい。その素材としては、前記ポリスルホン以外に、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンスルフィドスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、さらに好ましくはポリスルホンが良く、しかも親水性であることが水の透過量が増大する上でより好ましい。さらに親水性ポリマーのポリビニルピロリドンを適切な量だけ混合することにより、中空糸膜の機械的強度が向上し浄水器に見合った高いろ過水量を得るための微細孔を容易に設計できるので好適である。ポリスルホン中空糸膜は、生物学的特性、耐熱性、耐薬品性等に優れているため浄水器用の膜として好適である。
本発明における疎水性中空糸膜を構成するポリビニリデンフルオライドとは、広義で言うフッ素樹脂であって、ビニリデンフルオライドホモポリマー、ビニリデンフルオライド共重合体あるいは、両者の混合物などが挙げられるが、好ましくはビニリデンフルオライドホモポリマーを85重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上含むものである。ビニリデンフルオライド共重合体としては、ポリマー構造にビニリデンフルオライドモノマー残基構造を有するようなポリマーがあり、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド−6フッ化プロピレン共重合体等のビニリデンフルオライドを原料モノマーとして製造し得るポリマーの他、エチレン−4フッ化エチレン共重合体のように、ビニリデンフルオライド以外の原料モノマーから製造し得るものも挙げられる。また、ポリビニリデンフルオライド系素材の重量平均分子量は、中空糸膜の機械的特性や透水性を考慮すると5万〜70万が好ましく、溶媒の溶解性や紡糸性を考慮した場合、10万〜50万が好ましい。より好ましくは15万〜45万である。さらに、ポリビニリデンフルオライド系素材は耐薬品性、耐熱性、機械的特性など優れた諸特性を持つために分離膜として優れている。
本発明は、ポリスルホン膜に少量の疎水性中空糸膜であるポリビニリデンフルオライド膜を混ぜて中空糸膜モジュールとすることにより、混入した空気を排出する方法であり、濡れ性の指標である臨界表面張力がポリビニリデンフルオライドはポリスルホン系素材やポリエチレンに比べて低く疎水性としての要求、即ち空気抜きの素材として適している。
ここで中空糸膜の性能を次のように評価した。
(1)純水透過量[m3/(m2・h・100kPa)]は、本発明中空糸膜4本からなる長さ20cmのミニチュアモジュールを作製し、温度25℃、ろ過差圧16kPaの条件下に、実質的に微粒子などの固形分を含まない純水の外圧全ろ過を30分間行い、その透過量(m3)を単位時間(h)、および有効膜面積(m2)あたりの値に圧力(100kPa)換算した値とした。
(2)引張り強度[MN/m2]および伸度[%]は、引張り試験機(TENSILON/RTM−100)(東洋ボールドウィン社製)を用いて、長さ50mmの試料を引張り速度50mm/分で試料を代えて30回測定し、その平均を測定値とした。
(2)引張り強度[MN/m2]および伸度[%]は、引張り試験機(TENSILON/RTM−100)(東洋ボールドウィン社製)を用いて、長さ50mmの試料を引張り速度50mm/分で試料を代えて30回測定し、その平均を測定値とした。
本発明のポリビニリデンフルオライド膜は、100kPa、25℃における純水透過量が5m3/m2・h以下、引張強度が2.5MN/m2以上、且つ伸度が40%以上であることが好ましく、より好ましくは、純水透過量が3m3/m2・h以下、引張強度は2.8MN/m2以上10MN/m2以下、伸度は50%以上である。以上の条件を満たすことで高強度で高い伸度を有するポリビニリデンフルオライド膜を得ることが出来る。純水透過量が5m3/m2・hを超える場合は多孔質膜の孔径が大きすぎて、不純物の阻止性能が低くなり好ましくない。引張強度が2.5MN/m2未満、または伸度が40%未満の場合には、多孔質膜を扱う際のハンドリング性が悪くなり、且つろ過時における膜の破断や圧壊が起こりやすくなって好ましくない。
本発明で言う封止方法とは、熱による融着の場合、ポリビニリデンフルオライド膜の融点以上分解温度以下、具体的には180℃以上220℃以下が好ましく、200℃以上210℃以下がより好ましい。180℃以下では融着が不十分で密閉出来ず、また220℃以上では溶融が始まり好ましくない。また樹脂充填の場合、ポッティング処理と同様に流動性を有する主剤と硬化剤とを混合して反応、硬化させる二液混合型のエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂などで封止すればよい。これらの中では、熱による融着が完全なシールを行う上で特に好ましい。
本発明で言うポッティング剤とは、筒状ケースと中空糸膜束との間並びに中空糸膜間を封止することが出来ればよく、流動性を有する主剤と硬化剤とを混合して反応、硬化させる二液混合型のエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂などが中空糸膜モジュールを製造する上で取り扱いやすく、好ましい。
本発明の中空糸膜モジュールを用いて浄水器とする際に装着される吸着剤とは、活性炭やゼオライト、無機イオン交換体、イオン交換樹脂、キレート樹脂、光触媒用樹脂等を言い、これらの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。中でも活性炭は粒状や粉末状、繊維状等形状には特に限定されず、トリハロメタンや鉛などの有害物を除去するものや細菌の増殖抑制のために銀や銅などを添着したもの、水道水中の塩素を除去する機能を有するものなども好ましく用いられる。
本発明の中空糸膜モジュールを用いて浄水器とする際に装着される吸着剤とは、活性炭やゼオライト、無機イオン交換体、イオン交換樹脂、キレート樹脂、光触媒用樹脂等を言い、これらの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。中でも活性炭は粒状や粉末状、繊維状等形状には特に限定されず、トリハロメタンや鉛などの有害物を除去するものや細菌の増殖抑制のために銀や銅などを添着したもの、水道水中の塩素を除去する機能を有するものなども好ましく用いられる。
また、水道水蛇口と浄水器及び/または浄水器と給水栓をつなぐホース内面には細菌汚染防止のために抗菌剤が錬り込まれたものや極微量の銀が溶出するものも好ましく用いられる。
本発明は、中空糸膜モジュール内に混入した空気をポリビニリデンフルオライド膜を用いて除去する方法を提案しているが、ポリスルホン膜に混ぜるポリビニリデンフルオライド膜の本数は0.1%以上5%以下であることが好ましい。より好ましくは0.2%以上2%以下である。5%以上であっても空気抜き効果はそれほど向上せず、むしろ液体をろ過するポリスルホン膜部分がその分少なくなるため好ましくない。また、ポリスルホン膜に混ぜるポリビニリデンフルオライド膜の膜面積は0.1%以上5%以下であることが好ましい。より好ましくは0.2%以上2%以下である。
ここで言う本数や膜面積とは、ポリスルホン膜と同じようにU字化出来る長さのポリビニリデンフルオライド膜の本数や膜面積を言い、ポリスルホン膜全体の本数またはポリスルホン膜全体の膜面積に対するポリビニリデンフルオライド膜の本数または膜面積を言う。ポリスルホン膜と同じようにU字化できたポリビニリデンフルオライド膜のみを1本とカウントすると共に1本とカウント出来たポリビニリデンフルオライド膜の膜面積を算出する。また、ポリビニリデンフルオライド膜がストレート状の場合、U字化するポリスルホン膜のほぼ1/2の長さの本数や膜面積を言う。さらに、ストレート状とは、直線状あるいは緩やかにカーブしている場合も含む。
本発明の構成は、蛇口直結型浄水器のみではなく、流し台上に設置して用いる据置型浄水器、もしくは流し台下の収納スペース内に設置しているアンダーシンク型浄水器にも適用することが出来る。
以下に実施例を記載して本発明をより具体的に説明する。
以下に本発明の中空糸膜モジュール及びこれを装着した浄水器の一実施例を添付図面にて説明する。
第1図は、本発明の好ましい一態様である、ポリスルホン膜束の外周部にポリビニリデンフルオライド膜(いずれもU字型)を配置した浄水器の平面図である。
第2図は、本発明の好ましい他の一態様である、U字型のポリスルホン膜の外周部分に(ストレート状の)ポリビニリデンフルオライド膜を配置した例を示す。第3図において、4はポリスルホン膜、5はポリビニリデンフルオライド膜を示し、特定を容易ならしめるためにポリビニリデンフルオライド膜を黒く塗りつぶして区別したものである。
第2図は、本発明の好ましい他の一態様である、U字型のポリスルホン膜の外周部分に(ストレート状の)ポリビニリデンフルオライド膜を配置した例を示す。第3図において、4はポリスルホン膜、5はポリビニリデンフルオライド膜を示し、特定を容易ならしめるためにポリビニリデンフルオライド膜を黒く塗りつぶして区別したものである。
中空糸膜モジュールは、図1に示すように主に中空糸膜束1と硬化性樹脂2と筒状ケース3等から構成される。筒状ケース3の内部には、複数本のポリスルホン膜4及び少量のポリビニリデンフルオライド膜5を束ねてU字状に折り曲げた中空糸膜束1が収納されており、中空糸膜束1の両端部は、筒状ケース3の下部にて各中空糸膜間及び中空糸膜と筒状ケース3との間に充填された硬化性樹脂2(封止剤)により封止固定(ポッティング)されているので、末端が浄水供給口7に向かって開口している。第1図において活性炭の漏出を防止するメッシュは取り付けているが省略した。浄水器の筒状ケース3は、Oリング8等のシール部材を介してフタ9に嵌入立設されている。第1図、第2図においてポリビニリデンフルオライド膜部分は黒く塗りつぶして表示した。
次に、以上のようにして構成された浄水器について使用例を説明する。水道水が原水受入口10から浄水器の内部に流入する。水道水は筒状ケース3の軸方向に流れ活性炭を経由して中空糸膜モジュールに入り、中空糸膜で鉄サビや細菌等が除去され、浄水として浄水供給口7から給水栓(省略)に供給される。浄水は給水栓の吐出口から吐出される。
[実施例1]
重量平均分子量42万のフッ化ビニリデンホモポリマー50重量%とγ−ブチロラクトン50重量%を170℃で溶解させてポリマー溶液を得た。乾式長15cmでチューブインオリフィス(オリフィス外径3.0mm、チューブ外径0.8mm、チューブ内径0.5mm)のオリフィスから前記ポリマー溶液を、チューブから100重量%γ−ブチロラクトン液を共に押し出して、液温35℃の90重量%γ−ブチロラクトン水系液中で凝固させ、中空糸膜を得た。得られた中空糸膜を85℃の熱水浴で脱溶媒させた。
重量平均分子量42万のフッ化ビニリデンホモポリマー50重量%とγ−ブチロラクトン50重量%を170℃で溶解させてポリマー溶液を得た。乾式長15cmでチューブインオリフィス(オリフィス外径3.0mm、チューブ外径0.8mm、チューブ内径0.5mm)のオリフィスから前記ポリマー溶液を、チューブから100重量%γ−ブチロラクトン液を共に押し出して、液温35℃の90重量%γ−ブチロラクトン水系液中で凝固させ、中空糸膜を得た。得られた中空糸膜を85℃の熱水浴で脱溶媒させた。
引き続き120℃のグリセリン浴に8m/分で供給し、グリセリン欲中で2.8倍(引取速度22.4m/分)に延伸した後、さらに緊張下に20.6m/分に減速して弛緩率8%で弛緩させてポリビニリデンフルオライド膜を得た。該膜は、内径0.88mm、外径1.02mm、純水透過量は2.95m3/(m2・h・100kPa、25℃)、強度8.7MN/m2以上、伸度88%であった。また、該中空糸膜は延伸せずに使用することも可能である。
ポリスルホン膜2300本にポリビニリデンフルオライド膜2本を混ぜてU字化し、封止固定(ポッティング)を行って中空糸膜モジュールを作製した。各中空糸膜は、ポッティング部が一部切断除去されているので末端が浄水供給口に向かって開口している。該中空糸膜モジュールを装着した浄水器に圧力0.05MPaで水道水を通水開始後浄水供給口から吐出するまでの時間を測定したところ、11秒であった。次ぎに浄水器内のフタを開けて水を排出後にフタを閉じ、再度通水を行って時間を測定したところ、12秒であった。同様にして繰り返し、5回目の時間は12秒であった。
[実施例2]
ポリスルホン中空糸膜2300本にポリビニリデンフルオライド膜10本を混ぜてU字化した以外は実施例1と同様にして中空糸膜モジュールの作製及び通水テストを行った。その結果、1〜5回目は11秒で変わらなかった。
ポリスルホン中空糸膜2300本にポリビニリデンフルオライド膜10本を混ぜてU字化した以外は実施例1と同様にして中空糸膜モジュールの作製及び通水テストを行った。その結果、1〜5回目は11秒で変わらなかった。
[実施例3]
ポリスルホン中空糸膜2300本をU字化し、他端を封止したストレート状ポリビニリデンフルオライド膜5本を混ぜてポッティング剤で集束固定した以外は実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製及び通水テストを行った。その結果、1〜5回目は11秒で変わらなかった。
ポリスルホン中空糸膜2300本をU字化し、他端を封止したストレート状ポリビニリデンフルオライド膜5本を混ぜてポッティング剤で集束固定した以外は実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製及び通水テストを行った。その結果、1〜5回目は11秒で変わらなかった。
[実施例4]
実施例2で用いた浄水器の水を抜き、23〜26℃の室温に1ヶ月放置後、同様にして通水テストを行った。1〜5回目は12秒であり、1ヶ月放置後でも通水時間は変わらなかった。
実施例2で用いた浄水器の水を抜き、23〜26℃の室温に1ヶ月放置後、同様にして通水テストを行った。1〜5回目は12秒であり、1ヶ月放置後でも通水時間は変わらなかった。
[比較例1]
ポリスルホン中空糸膜2300本のみをU字化した以外は実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製及び通水テストを行った。その結果、1回目は11秒であったが、2回目は38秒、3回目は43秒、5回目は43秒であった。
ポリスルホン中空糸膜2300本のみをU字化した以外は実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製及び通水テストを行った。その結果、1回目は11秒であったが、2回目は38秒、3回目は43秒、5回目は43秒であった。
[比較例2]
比較例1で用いた浄水器の水を抜き、23〜26℃の室温に1週間放置後、同様にして通水テストを行ったところ、浄水供給口から水が吐出しない状態になった。
比較例1で用いた浄水器の水を抜き、23〜26℃の室温に1週間放置後、同様にして通水テストを行ったところ、浄水供給口から水が吐出しない状態になった。
1 中空糸膜束
2 硬化性樹脂
3 中空糸ケース
4 ポリスルホン膜
5 ポリビニリデンフルオライド膜
6 活性炭
7 浄水供給口
8 Oリング
9 フタ
10 原水受入口
11 封止箇所
2 硬化性樹脂
3 中空糸ケース
4 ポリスルホン膜
5 ポリビニリデンフルオライド膜
6 活性炭
7 浄水供給口
8 Oリング
9 フタ
10 原水受入口
11 封止箇所
Claims (10)
- ポリスルホン膜にポリビニリデンフルオライド膜を混在させてなる中空糸膜モジュールであって、前記ポリスルホン膜および前記ポリビニリデンフルオライド膜のいずれもが多孔質構造であることを特徴とする中空糸膜モジュール。
- ポリビニリデンフルオライド膜、およびポリスルホン膜のいずれもがU字型の状態で、かつポッティング剤で集束固定されていることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
- ポリビニリデンフルオライド膜、およびポリスルホン膜のいずれもがポッティング剤で集束固定され、前記ポリビニリデンフルオライド膜は、一端が封止された状態でU字型のポリスルホン膜に混在していることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
- 封止方法が熱による融着、または樹脂充填からなることを特徴とする請求項3に記載の中空糸膜モジュール。
- ポリビニリデンフルオライド膜の本数がポリスルホン膜の本数の0.1%以上5%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
- ポリビニリデンフルオライド膜の膜面積がポリスルホン膜の膜面積の0.1%以上5%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
- ポリビニリデンフルオライド膜の引張強度が2.5MN/m2以上、且つ伸度が40%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の中空糸膜モジュールと吸着剤を装着してなることを特徴とする浄水器。
- 吸着剤が活性炭、ゼオライト、チタン化合物、無機イオン交換体、イオン交換樹脂、キレート樹脂、光触媒用樹脂の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項8に記載の浄水器。
- 蛇口直結型、据置型、またはアンダーシンク型である請求項8または9に記載の浄水器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004258095A JP2006068695A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | 中空糸膜モジュール及び浄水器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004258095A JP2006068695A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | 中空糸膜モジュール及び浄水器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006068695A true JP2006068695A (ja) | 2006-03-16 |
Family
ID=36149846
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004258095A Pending JP2006068695A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | 中空糸膜モジュール及び浄水器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006068695A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011072900A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Toray Ind Inc | 中空糸膜モジュール、中空糸膜モジュールの製造方法、浄水器用カートリッジおよび浄水器 |
CN101596420B (zh) * | 2009-06-19 | 2011-05-04 | 河海大学 | 活性炭中空纤维聚砜膜及其制备方法 |
-
2004
- 2004-09-06 JP JP2004258095A patent/JP2006068695A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101596420B (zh) * | 2009-06-19 | 2011-05-04 | 河海大学 | 活性炭中空纤维聚砜膜及其制备方法 |
JP2011072900A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Toray Ind Inc | 中空糸膜モジュール、中空糸膜モジュールの製造方法、浄水器用カートリッジおよび浄水器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102285048B1 (ko) | 막 증류용 다공질 막 및 막 증류용 모듈의 운전 방법 | |
US6495041B2 (en) | Method for purifying aqueous suspension | |
KR100980571B1 (ko) | 다공질막 및 그의 제조 방법 | |
JP4951860B2 (ja) | 選択透過性膜モジュールの製造方法および選択透過性膜モジュール | |
WO2001053213A1 (fr) | Procede de purification d'eau de suspension par filtration membranaire | |
JP2006348966A (ja) | チューブ構造体、およびそれを用いた浄水器、浄水システム、浄水方法 | |
JP6374291B2 (ja) | 中空糸膜モジュール | |
JP6098269B2 (ja) | 中空糸膜モジュール、中空糸膜モジュールの製造方法、浄水器用カートリッジおよび浄水器 | |
JP2006068695A (ja) | 中空糸膜モジュール及び浄水器 | |
JP5115532B2 (ja) | 中空糸膜モジュール、中空糸膜モジュールの製造方法、浄水器用カートリッジおよび浄水器 | |
JP3979751B2 (ja) | 酸化剤含有水のろ過方法 | |
EP3875169B1 (en) | Hollow fiber membrane module | |
US20240009628A1 (en) | Method for washing hollow fiber membrane module | |
JP2008221108A (ja) | 液体分離膜モジュール | |
JP5076569B2 (ja) | 液体分離膜モジュール | |
JP3918586B2 (ja) | 中空糸膜および中空糸膜モジュール | |
JP5149515B2 (ja) | インク含有排水の処理方法 | |
JP2001079364A (ja) | 膜の洗浄方法 | |
KR200242687Y1 (ko) | 정수기 필터 카트리지 | |
KR200242688Y1 (ko) | 정수기 필터 카트리지 | |
KR20180121526A (ko) | 중공사막 모듈, 정수기용 카트리지 및 정수기 | |
JPH09164326A (ja) | 純水の製造方法 |