JP2006068589A - 微粒子処理方法並びに装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 処理される微粒子が確実に表面改質効果を得ることができる微粒子処理方法並びに装置の提供。
【解決手段】 ガスをプラズマ処理装置に供給する工程と、前記ガスのプラズマ処理装置への供給経路に粒子を供給し、ガスの流れとともにプラズマ処理装置内へ粒子を供給する工程と、前記供給経路のプラズマ処理装置内出口に対向して配された一対の電極間において、該出口を囲むようにプラズマを生じさせる工程からなることを特徴とする微粒子処理方法である
【選択図】 図1
【解決手段】 ガスをプラズマ処理装置に供給する工程と、前記ガスのプラズマ処理装置への供給経路に粒子を供給し、ガスの流れとともにプラズマ処理装置内へ粒子を供給する工程と、前記供給経路のプラズマ処理装置内出口に対向して配された一対の電極間において、該出口を囲むようにプラズマを生じさせる工程からなることを特徴とする微粒子処理方法である
【選択図】 図1
Description
本発明は、微粒子粉体表面に放電プラズマを作用させて、微粒子表面の改質処理或いは微粒子表面への薄膜コーティングを施す微粒子処理方法並びに装置に関する。
微粒子・微粉末の表面改質処理或いは微粉末表面への薄膜コーティング処理は、顔料や樹脂といった微粉末を用いる多くの工業分野で広く行われている。この表面処理工程において重要なのは、処理される全ての微粉末に均一に処理の効果がもたらされることである。不均一な処理では、十分に改質されていない表面を有する微粉末がその後の処理工程に混入することとなり、最終製品の微粉末に関わる部分の品質の問題を引き起こすものとなる。
特許文献1及び2は従来の微粉末表面改質工程を開示している。
特許文献1に開示される微粉末表面改質処理工程は、容器内に微粉末を充填し、該微粉末充填部分の上下に網状放電電極を配し、容器内に気流をもたらすことで、容器内で微粉末を浮遊させ、該浮遊する微粒子に放電処理を施すものである。
浮遊流動された微粒子が放電に曝されると、各微粒子は放電の熱及び電子・イオン衝撃を受け、微粒子表面を覆う酸化物、水分等の不純物膜は分解してガス化し、微粒子表面の改質が行われることとなる。
しかしながら、特許文献1に開示されるような方法では、浮遊する各微粒子が放電に曝される確率が非常に低いものであり、均一な表面改質を得られるものではなかった。
特許文献1に開示される微粉末表面改質処理工程は、容器内に微粉末を充填し、該微粉末充填部分の上下に網状放電電極を配し、容器内に気流をもたらすことで、容器内で微粉末を浮遊させ、該浮遊する微粒子に放電処理を施すものである。
浮遊流動された微粒子が放電に曝されると、各微粒子は放電の熱及び電子・イオン衝撃を受け、微粒子表面を覆う酸化物、水分等の不純物膜は分解してガス化し、微粒子表面の改質が行われることとなる。
しかしながら、特許文献1に開示されるような方法では、浮遊する各微粒子が放電に曝される確率が非常に低いものであり、均一な表面改質を得られるものではなかった。
特許文献2に開示される装置は、上記の均一な表面改質を得ることの困難性を改善しようとするものである。特許文献2に開示される装置は、主に2つの容器からなり、1つは、大容器であり、他のもう1つは該大容器に収容される小容器である。小容器内に微粒子が配設されるとともに、小容器内でプラズマが発生される。プラズマ発生中に小容器を回転させることで小容器内の微粒子は撹拌されるため、表面改質効果の均質性が向上する。
しかしながら、このような装置によっても、小容器内の微粒子が確実にプラズマに曝されることを保障するものではない。即ち、微粒子が小容器内のプラズマ発生領域を横切らなければ、その微粒子は表面改質の効果を受けることはない。
よって、特許文献2に開示されるような装置によっても、十分な表面改質効果の均質性を得られるものではない。
しかしながら、このような装置によっても、小容器内の微粒子が確実にプラズマに曝されることを保障するものではない。即ち、微粒子が小容器内のプラズマ発生領域を横切らなければ、その微粒子は表面改質の効果を受けることはない。
よって、特許文献2に開示されるような装置によっても、十分な表面改質効果の均質性を得られるものではない。
本発明は上記実情を鑑みてなされたものであって、処理される微粒子が確実に表面改質効果を得ることができる微粒子処理方法並びに装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、ガスをプラズマ処理装置に供給する工程と、前記ガスのプラズマ処理装置への供給経路に粒子を供給し、ガスの流れとともにプラズマ処理装置内へ粒子を供給する工程と、前記供給経路のプラズマ処理装置内出口に対向して配された一対の電極間において、該出口を囲むようにプラズマを生じさせる工程からなることを特徴とする微粒子処理方法である。
請求項2記載の発明は、前記ガスの圧力が、10kPa以上1MPa以下であることを特徴とする請求項1記載の微粒子処理方法である。
請求項3記載の発明は、前記電極のうち一方の放電面側に誘電体層が設けられ、該誘電体層が配設される電極に高周波高電圧が印加されることを特徴とする請求項1又は2記載の微粒子処理方法である。
請求項4記載の発明は、前記一対の電極の放電面側に誘電体層が設けられ、該一対の電極のうちいずれか一方に高周波高電圧が印加されることを特徴とする請求項1又は2記載の微粒子処理方法である。
請求項5記載の発明は、前記高周波高電圧が1MHz以上の周波数であることを特徴とする請求項3又は4記載の微粒子処理方法である。
請求項6記載の発明は、前記一対の電極間隔が1mm以下であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の微粒子処理方法である。
請求項2記載の発明は、前記ガスの圧力が、10kPa以上1MPa以下であることを特徴とする請求項1記載の微粒子処理方法である。
請求項3記載の発明は、前記電極のうち一方の放電面側に誘電体層が設けられ、該誘電体層が配設される電極に高周波高電圧が印加されることを特徴とする請求項1又は2記載の微粒子処理方法である。
請求項4記載の発明は、前記一対の電極の放電面側に誘電体層が設けられ、該一対の電極のうちいずれか一方に高周波高電圧が印加されることを特徴とする請求項1又は2記載の微粒子処理方法である。
請求項5記載の発明は、前記高周波高電圧が1MHz以上の周波数であることを特徴とする請求項3又は4記載の微粒子処理方法である。
請求項6記載の発明は、前記一対の電極間隔が1mm以下であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の微粒子処理方法である。
請求項7記載の発明は、前記ガスが、アルゴンガスと酸素の混合ガスであり、前記粒子が炭素粒子であることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法である。
請求項8記載の発明は、前記ガスが、水素、酸素、窒素、フッ素、塩素元素の少なくとも1つを含み、前記プラズマ処理によって微粒子の濡れ性又は付着力を変化させることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法である。
請求項9記載の発明は、前記ガスが、炭素、シリコン元素或いは有機金属蒸気の少なくとも1つを含み、前記プラズマ処理によって微粒子表面に薄膜を形成することを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法である。
請求項10記載の発明は、前記ガスが、酸素、水素、フッ素、塩素元素のいずれかを含み、前記プラズマ処理によって微粒子がエッチングされることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法である。
請求項11記載の発明は、前記ガスが、アルゴンを含み、前記プラズマ処理によって、電極又は誘電体の材料がスパッタされ微粒子表面に付着することを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法である。
請求項8記載の発明は、前記ガスが、水素、酸素、窒素、フッ素、塩素元素の少なくとも1つを含み、前記プラズマ処理によって微粒子の濡れ性又は付着力を変化させることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法である。
請求項9記載の発明は、前記ガスが、炭素、シリコン元素或いは有機金属蒸気の少なくとも1つを含み、前記プラズマ処理によって微粒子表面に薄膜を形成することを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法である。
請求項10記載の発明は、前記ガスが、酸素、水素、フッ素、塩素元素のいずれかを含み、前記プラズマ処理によって微粒子がエッチングされることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法である。
請求項11記載の発明は、前記ガスが、アルゴンを含み、前記プラズマ処理によって、電極又は誘電体の材料がスパッタされ微粒子表面に付着することを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法である。
請求項12記載の発明は、ガスが供給される供給経路と、該供給経路出口側に形成されるとともに、該供給経路出口周囲を囲むように配設される第1電極と、前記第1電極に対向して配設される第2電極を備え、前記ガスとともに前記供給経路から粒子が供給されることを特徴とする微粒子処理装置である。
請求項13記載の発明は、前記第2電極の放電面上に誘電体層が設けられ、該第2電極に高周波高電圧が印加されることを特徴とする請求項12記載の微粒子処理装置である。
請求項14記載の発明は、前記第1電極の放電面上に誘電体層が設けられることを特徴とする請求項13記載の微粒子処理装置である。
請求項15記載の発明は、前記第1電極の放電面において、該第1電極周縁に沿って突起部が設けられることを特徴とする請求項13記載の微粒子処理装置である。
請求項16記載の発明は、前記高周波高電圧が1MHz以上の周波数であることを特徴とする請求項13記載の微粒子処理装置である。
請求項17記載の発明は、前記一対の電極間隔が1mm以下であることを特徴とする請求項12乃至16いずれかに記載の微粒子処理装置である。
請求項13記載の発明は、前記第2電極の放電面上に誘電体層が設けられ、該第2電極に高周波高電圧が印加されることを特徴とする請求項12記載の微粒子処理装置である。
請求項14記載の発明は、前記第1電極の放電面上に誘電体層が設けられることを特徴とする請求項13記載の微粒子処理装置である。
請求項15記載の発明は、前記第1電極の放電面において、該第1電極周縁に沿って突起部が設けられることを特徴とする請求項13記載の微粒子処理装置である。
請求項16記載の発明は、前記高周波高電圧が1MHz以上の周波数であることを特徴とする請求項13記載の微粒子処理装置である。
請求項17記載の発明は、前記一対の電極間隔が1mm以下であることを特徴とする請求項12乃至16いずれかに記載の微粒子処理装置である。
請求項18記載の発明は、前記ガスが、アルゴンガスと酸素の混合ガスであり、前記粒子が炭素粒子であることを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置である。
請求項19記載の発明は、前記ガスが、水素、酸素、窒素、フッ素、塩素元素の少なくとも1つを含み、前記プラズマ処理によって微粒子の濡れ性又は付着力を変化させることを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置である。
請求項20記載の発明は、前記ガスが、炭素、シリコン元素或いは有機金属蒸気の少なくとも1つを含み、前記プラズマ処理によって微粒子表面に薄膜を形成することを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置である。
請求項21記載の発明は、前記ガスが、酸素、水素、フッ素、塩素元素のいずれかを含み、前記プラズマ処理によって微粒子がエッチングされることを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置である。
請求項22記載の発明は、前記ガスが、アルゴンを含み、前記プラズマ処理によって、電極又は誘電体の材料がスパッタされ微粒子表面に付着することを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置である。
請求項19記載の発明は、前記ガスが、水素、酸素、窒素、フッ素、塩素元素の少なくとも1つを含み、前記プラズマ処理によって微粒子の濡れ性又は付着力を変化させることを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置である。
請求項20記載の発明は、前記ガスが、炭素、シリコン元素或いは有機金属蒸気の少なくとも1つを含み、前記プラズマ処理によって微粒子表面に薄膜を形成することを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置である。
請求項21記載の発明は、前記ガスが、酸素、水素、フッ素、塩素元素のいずれかを含み、前記プラズマ処理によって微粒子がエッチングされることを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置である。
請求項22記載の発明は、前記ガスが、アルゴンを含み、前記プラズマ処理によって、電極又は誘電体の材料がスパッタされ微粒子表面に付着することを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置である。
請求項1記載の発明によれば、供給経路出口周囲にプラズマガスが生ずるため、確実に供給される粒子がプラズマガスに曝されることとなる。したがって、均質な表面改質効果を得ることが可能となる。
請求項2記載の発明によれば、供給経路内の粒子の搬送を好適に行うことが可能となる。
請求項3及び4記載の発明によれば、電極の放電面側に配設される誘電体層により、不均一な放電であるアーク放電の発生を防ぎ、均一な放電であるバリア放電を得ることができる。したがって、表面処理の均質性を向上できる。
請求項5記載の発明によれば、より均一で高い電力密度の放電を得ることができる。
請求項6記載の発明によれば、電極の間を均一にプラズマ状態にすることが可能となる。
請求項2記載の発明によれば、供給経路内の粒子の搬送を好適に行うことが可能となる。
請求項3及び4記載の発明によれば、電極の放電面側に配設される誘電体層により、不均一な放電であるアーク放電の発生を防ぎ、均一な放電であるバリア放電を得ることができる。したがって、表面処理の均質性を向上できる。
請求項5記載の発明によれば、より均一で高い電力密度の放電を得ることができる。
請求項6記載の発明によれば、電極の間を均一にプラズマ状態にすることが可能となる。
請求項7記載の発明によれば、互いにくっつき合い塊となった炭素粒子同士を分離し、一様に細かな粒子とすることができる。
請求項8記載の発明によれば、粒子の濡れ性或いは付着力を変化させることができ、粒子の液中への分散・溶解の容易化、溶媒を用いた粒子の塗布の容易化、液中での粒子の混練の容易化を促すことができる。更には、このように処理された粒子の生体親和性を高めることも可能となり、粒子の吸収性を向上させることも可能である。或いは、粒子表面の濡れ性を低減することにより、水や溶媒に対する耐性を向上させることも可能である。
また、この微粒子処理方法により、粒子間、粒子と固体壁面間の付着力を向上或いは低減させることで、粒子凝集状態を制御し、所望の大きさを有する凝集粒子を形成することが可能となる。また、粒子を取扱う機器の管路や内部壁面等への付着を防止することも可能となる。
請求項9記載の発明によれば、粒子表面に薄膜を形成することにより、粒子表面を平坦化することが可能となるとともに、粒子それ自体と異なる表面物性を発現させることも可能となる。
請求項10記載の発明によれば、粒子の大きさを微細化することが可能となるとともに、粒子表面に凹凸形状を施すことも可能となる。
請求項11記載の発明によれば、電極材料或いは誘電体材料がスパッタされて、電極材料或いは誘電体材料を微粒子表面に付着させることが可能となる。
請求項8記載の発明によれば、粒子の濡れ性或いは付着力を変化させることができ、粒子の液中への分散・溶解の容易化、溶媒を用いた粒子の塗布の容易化、液中での粒子の混練の容易化を促すことができる。更には、このように処理された粒子の生体親和性を高めることも可能となり、粒子の吸収性を向上させることも可能である。或いは、粒子表面の濡れ性を低減することにより、水や溶媒に対する耐性を向上させることも可能である。
また、この微粒子処理方法により、粒子間、粒子と固体壁面間の付着力を向上或いは低減させることで、粒子凝集状態を制御し、所望の大きさを有する凝集粒子を形成することが可能となる。また、粒子を取扱う機器の管路や内部壁面等への付着を防止することも可能となる。
請求項9記載の発明によれば、粒子表面に薄膜を形成することにより、粒子表面を平坦化することが可能となるとともに、粒子それ自体と異なる表面物性を発現させることも可能となる。
請求項10記載の発明によれば、粒子の大きさを微細化することが可能となるとともに、粒子表面に凹凸形状を施すことも可能となる。
請求項11記載の発明によれば、電極材料或いは誘電体材料がスパッタされて、電極材料或いは誘電体材料を微粒子表面に付着させることが可能となる。
請求項12記載の発明によれば、供給経路出口周囲にプラズマガスが生じ、供給経路から気流に乗った粒子が供給されるので、粒子が確実にプラズマガスに曝されることとなる。
請求項13及び14記載の発明によれば、電極の放電面側に配設される誘電体層により、不均一な放電であるアーク放電の発生を防ぎ、均一な放電であるバリア放電を得ることができる。したがって、表面処理の均質性を向上できる。
請求項15記載の発明によれば、突起部に放電が集中するため、より高い電力密度の放電を得ることが可能となり、より効率的に表面改質効果を得ることができる。
請求項16記載の発明によれば、より均一で高い電力密度の放電を得ることができる。
請求項17記載の発明によれば、電極の間を均一にプラズマ状態にすることが可能となる。
請求項13及び14記載の発明によれば、電極の放電面側に配設される誘電体層により、不均一な放電であるアーク放電の発生を防ぎ、均一な放電であるバリア放電を得ることができる。したがって、表面処理の均質性を向上できる。
請求項15記載の発明によれば、突起部に放電が集中するため、より高い電力密度の放電を得ることが可能となり、より効率的に表面改質効果を得ることができる。
請求項16記載の発明によれば、より均一で高い電力密度の放電を得ることができる。
請求項17記載の発明によれば、電極の間を均一にプラズマ状態にすることが可能となる。
請求項18記載の発明によれば、互いにくっつき合い塊となった炭素粒子同士を分離し、一様に細かな粒子とすることができる。
請求項19記載の発明によれば、粒子の濡れ性或いは付着力を変化させることができ、粒子の液中への分散・溶解の容易化、溶媒を用いた粒子の塗布の容易化、液中での粒子の混練の容易化を促すことができる。更には、このように処理された粒子の生体親和性を高めることも可能となり、粒子の吸収性を向上させることも可能である。或いは、粒子表面の濡れ性を低減することにより、水や溶媒に対する耐性を向上させることも可能である。
また、この微粒子処理方法により、粒子間、粒子と固体壁面間の付着力を向上或いは低減させることで、粒子凝集状態を制御し、所望の大きさを有する凝集粒子を形成することが可能となる。また、粒子を取扱う機器の管路や内部壁面等への付着を防止することも可能となる。
請求項20記載の発明によれば、粒子表面に薄膜を形成することにより、粒子表面を平坦化することが可能となるとともに、粒子それ自体と異なる表面物性を発現させることも可能となる。
請求項21記載の発明によれば、粒子の大きさを微細化することが可能となるとともに、粒子表面に凹凸形状を施すことも可能となる。
請求項22記載の発明によれば、電極材料或いは誘電体材料がスパッタされて、電極材料或いは誘電体材料を微粒子表面に付着させることが可能となる。
請求項19記載の発明によれば、粒子の濡れ性或いは付着力を変化させることができ、粒子の液中への分散・溶解の容易化、溶媒を用いた粒子の塗布の容易化、液中での粒子の混練の容易化を促すことができる。更には、このように処理された粒子の生体親和性を高めることも可能となり、粒子の吸収性を向上させることも可能である。或いは、粒子表面の濡れ性を低減することにより、水や溶媒に対する耐性を向上させることも可能である。
また、この微粒子処理方法により、粒子間、粒子と固体壁面間の付着力を向上或いは低減させることで、粒子凝集状態を制御し、所望の大きさを有する凝集粒子を形成することが可能となる。また、粒子を取扱う機器の管路や内部壁面等への付着を防止することも可能となる。
請求項20記載の発明によれば、粒子表面に薄膜を形成することにより、粒子表面を平坦化することが可能となるとともに、粒子それ自体と異なる表面物性を発現させることも可能となる。
請求項21記載の発明によれば、粒子の大きさを微細化することが可能となるとともに、粒子表面に凹凸形状を施すことも可能となる。
請求項22記載の発明によれば、電極材料或いは誘電体材料がスパッタされて、電極材料或いは誘電体材料を微粒子表面に付着させることが可能となる。
以下、本発明に係る微粒子処理方法並びに装置について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る微粒子処理方法のブロック線図である。
本発明に係る微粒子処理工程(1)は、ガス及び微粒子供給工程(11)、プラズマ処理工程(12)と微粒子回収工程(13)からなる。
本発明に係る微粒子処理工程(1)は、ガス及び微粒子供給工程(11)、プラズマ処理工程(12)と微粒子回収工程(13)からなる。
ガス及び微粒子供給工程(11)は、まず、プラズマ処理工程(12)に向けて、2種類のガスを供給する。図1に示す実施形態においては、アルゴンガスが第1ガスシリンダ(111)から供給され、ニードルバルブ(112)により精密にその流量を一定に制御され、下流に供給される。本実施例において、アルゴンガスの流量は5000sccmである。
第2ガスシリンダ(113)からは、酸素が送られる。酸素ガスはマスフローコントローラ(114)によって、その流量を一定に保たれて下流に供給される。本実施例において、酸素ガスの流量は100sccmである。
ニードルバルブ(112)を出たアルゴンガス及びマスフローコントローラ(114)を出た酸素ガスはその後同一経路に合流し、プラズマ処理工程(12)及び微粒子回収工程(13)を経て、微粒子処理工程(1)から排出される。尚、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスの流れの圧力は10kPa以上であることが、後述する粒子搬送の面から好ましい。尚、10kPa以下であるほうが、プラズマを得やすくなるが、後述するようなプラズマ処理工程(12)にて、大気圧(100kPa)以上、数気圧程度の圧力(例えば、1MPa)下でもプラズマを得ることが可能となる。したがって、混合ガスの好ましい流れの圧力は10kPa以上1MPa以下である。
第2ガスシリンダ(113)からは、酸素が送られる。酸素ガスはマスフローコントローラ(114)によって、その流量を一定に保たれて下流に供給される。本実施例において、酸素ガスの流量は100sccmである。
ニードルバルブ(112)を出たアルゴンガス及びマスフローコントローラ(114)を出た酸素ガスはその後同一経路に合流し、プラズマ処理工程(12)及び微粒子回収工程(13)を経て、微粒子処理工程(1)から排出される。尚、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスの流れの圧力は10kPa以上であることが、後述する粒子搬送の面から好ましい。尚、10kPa以下であるほうが、プラズマを得やすくなるが、後述するようなプラズマ処理工程(12)にて、大気圧(100kPa)以上、数気圧程度の圧力(例えば、1MPa)下でもプラズマを得ることが可能となる。したがって、混合ガスの好ましい流れの圧力は10kPa以上1MPa以下である。
上述のように、混合ガスが微粒子処理工程(1)内を流れ、プラズマ処理工程(12)にて混合ガスがプラズマ化された状態で、粒子が、プラズマ処理工程(12)上流で供給される。本実施例において、粒子には炭素粒子が用いられ、0.2mg/minの供給量で供給されている。供給される粒子の粒径は1.0mm以下であることが好ましい。1.0mmを超えると、微粒子処理工程(1)内での粒子の搬送が困難となるためである。
混合ガス内に供給された粒子は、混合ガスの流れに乗って、プラズマ処理工程(12)に搬送される。
混合ガス内に供給された粒子は、混合ガスの流れに乗って、プラズマ処理工程(12)に搬送される。
図2は、プラズマ処理工程で用いられるプラズマ処理装置を示す概略図である。
プラズマ処理装置(2)は、その上部に天板(21)、下部に誘電体層(22)及び天板(21)と誘電体層(22)との間に形成される空間を囲む側壁(23)を備え、天板(21)、誘電体層(22)及び側壁(23)とで、微粒子処理空間(24)を形成している。
天板(21)は供給経路(25)を支持し、供給経路(25)は天板(21)から微粒子処理空間(24)内を下方に向かって、誘電体層(22)上面近傍まで延びている。上述の混合ガスは供給経路(25)を通じて、微粒子処理空間(24)内に導入される。
プラズマ処理装置(2)は、その上部に天板(21)、下部に誘電体層(22)及び天板(21)と誘電体層(22)との間に形成される空間を囲む側壁(23)を備え、天板(21)、誘電体層(22)及び側壁(23)とで、微粒子処理空間(24)を形成している。
天板(21)は供給経路(25)を支持し、供給経路(25)は天板(21)から微粒子処理空間(24)内を下方に向かって、誘電体層(22)上面近傍まで延びている。上述の混合ガスは供給経路(25)を通じて、微粒子処理空間(24)内に導入される。
供給経路(25)下端には、円板状の第1電極(26)が形成されている。第1電極(26)の下面には、下方に突出する環状の突起部(261)がその円周に沿って形成されている。本実施例において、突起部(261)と誘電体層(22)との間の間隔は、300μmとされるが、1mm以下の間隔ならば後述するプラズマを得られることが確認されている。
誘電体層(22)下面に接して、円板状の第2電極(27)が配設される。第2電極(27)には高周波高電圧が印加される。
誘電体層(22)下面に接して、円板状の第2電極(27)が配設される。第2電極(27)には高周波高電圧が印加される。
第2電極(27)に高周波高電圧を印加すると、誘電体層(22)(本実施例においては、ガラス板が用いられている)を通して、第1電極(26)の突起部(261)に向かって電界が生じ、突起部(261)と誘電体層(22)との間にあるアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスがプラズマ化され、第1電極(26)と誘電体層(22)との間に環状のプラズマ帯(P)が形成される。プラズマ中を流れた放電電流によって、誘電体層(22)上面に電荷が蓄積される。蓄積された電荷によって、第1電極(26)と誘電体層(22)の間の電界が打ち消されると放電は停止するが、時間が経過し、高周波高電圧の極性が反転することにより再び第1電極(26)と誘電体層(22)の間でプラズマ帯(P)が形成される。高周波の周波数が十分に高い場合には、放電が停止することなく、略連続的にプラズマ帯(P)を形成することができる。
該プラズマ帯(P)は供給経路(25)からの混合ガス出口を囲むため、混合ガスに供給された粒子は全てプラズマ化ガスに曝されることとなり、均質な表面改質効果を得ることが可能となる。
尚、この放電の電力密度は10W/cm2以上であることが好ましい。本実施例において、13MHz以上の周波数を用いて、10W/cm2以上の電力密度を得たが、本発明に必要とされる高い電力密度は、1MHz以上の高周波で放電させることによって得ることができる。上述のような放電形式は一般に、バリア放電と呼ばれるが、一般的なバリア放電の放電周波数は数10kHzで行われるが、上述の如く、本発明においては、それよりも非常に高い周波数で放電が行われる。このような高い周波数を用いることで、高い電力密度を得ることが可能となる。
上述の如く、誘電体層(22)を配するので、放電は不均一なアーク放電とならず、均一な環状のプラズマ帯(P)を連続的に発生し、均質な表面改質効果を得ることが可能となる。
また、第1電極(261)下面に誘電体層を配設しても、本発明の高い電力密度での放電を得ることは可能である。
その他の形態として、ガラス板に代表される透明な誘電体層(22)の下面に透明導電膜を第2電極(27)として用いることも可能である。透明な誘電体層(22)と透明な第2電極(27)を形成することで、プラズマ処理装置(2)内の観察を容易に行えるようになり、プラズマ発生状況を観察しながら、プラズマを発生させるための条件調整を簡便に行うことが可能となる。
該プラズマ帯(P)は供給経路(25)からの混合ガス出口を囲むため、混合ガスに供給された粒子は全てプラズマ化ガスに曝されることとなり、均質な表面改質効果を得ることが可能となる。
尚、この放電の電力密度は10W/cm2以上であることが好ましい。本実施例において、13MHz以上の周波数を用いて、10W/cm2以上の電力密度を得たが、本発明に必要とされる高い電力密度は、1MHz以上の高周波で放電させることによって得ることができる。上述のような放電形式は一般に、バリア放電と呼ばれるが、一般的なバリア放電の放電周波数は数10kHzで行われるが、上述の如く、本発明においては、それよりも非常に高い周波数で放電が行われる。このような高い周波数を用いることで、高い電力密度を得ることが可能となる。
上述の如く、誘電体層(22)を配するので、放電は不均一なアーク放電とならず、均一な環状のプラズマ帯(P)を連続的に発生し、均質な表面改質効果を得ることが可能となる。
また、第1電極(261)下面に誘電体層を配設しても、本発明の高い電力密度での放電を得ることは可能である。
その他の形態として、ガラス板に代表される透明な誘電体層(22)の下面に透明導電膜を第2電極(27)として用いることも可能である。透明な誘電体層(22)と透明な第2電極(27)を形成することで、プラズマ処理装置(2)内の観察を容易に行えるようになり、プラズマ発生状況を観察しながら、プラズマを発生させるための条件調整を簡便に行うことが可能となる。
天板(21)には排出口(28)が設けられ、供給経路(25)から供給された混合ガスはプラズマ帯(P)により、表面処理を施された後、排出口(28)からプラズマ処理装置(2)外へ排出される。
プラズマ処理装置(2)から排出された混合ガスは微粒子回収工程(13)へと促される。
プラズマ処理装置(2)から排出された混合ガスは微粒子回収工程(13)へと促される。
図3は、微粒子回収工程(13)で用いられる回収容器の一形態を示す図である。
回収容器(3)は、上面に供給管(31)及び排出管(32)を備える容器である。供給管(31)はプラズマ処理装置(2)から排出された混合ガスを回収容器(3)に導入する管路であり、排出管(32)は回収容器(3)に導入された混合ガスを第1フィルタ(33)へ送るための管路である。
回収容器(3)内において、供給管(31)下端は排出管(32)下端よりも下方に位置している。これにより、回収容器(3)内の混合ガスの流れに乗って浮遊する小さな微粒子のみが排出管(32)を通じて第1フィルタ(33)へ送られることとなり、大きな粒子は回収容器(3)に留まることとなる。
回収容器(3)は、上面に供給管(31)及び排出管(32)を備える容器である。供給管(31)はプラズマ処理装置(2)から排出された混合ガスを回収容器(3)に導入する管路であり、排出管(32)は回収容器(3)に導入された混合ガスを第1フィルタ(33)へ送るための管路である。
回収容器(3)内において、供給管(31)下端は排出管(32)下端よりも下方に位置している。これにより、回収容器(3)内の混合ガスの流れに乗って浮遊する小さな微粒子のみが排出管(32)を通じて第1フィルタ(33)へ送られることとなり、大きな粒子は回収容器(3)に留まることとなる。
図1に示す如く、回収容器(3)の下流側に第1フィルタ(33)及び第2フィルタ(34)が配設される。第1フィルタ(33)は第2フィルタ(34)よりも大きな目を有するフィルタを備える。
このように異なる目の大きさを備えるフィルタ(33、34)を連接することにより、粒径に応じた粒子回収が可能となるとともに、フィルタ(33、34)の早期の目詰まりを防止することが可能となる。
このように異なる目の大きさを備えるフィルタ(33、34)を連接することにより、粒径に応じた粒子回収が可能となるとともに、フィルタ(33、34)の早期の目詰まりを防止することが可能となる。
上記微粒子処理工程及び装置を用いて、微粒子処理を行った試験例を以下に示す。
本試験において、3つの条件が試験された。第1の試験条件において、プラズマ処理装置(2)でプラズマを発生させない状態で炭素粒子を含む混合ガス(アルゴンガス:5000sccm、酸素ガス:100sccm)を流して、回収容器(3)とフィルタ(33,34)とで回収された微粒子量の比率を測定した。第2の試験条件において、第1の試験条件の混合ガスに代えて、アルゴンガス(5000sccm)に、第1の試験条件で用いられた炭素粒子と同量の炭素粒子を供給して、プラズマ処理を行い、回収容器(3)とフィルタ(33,34)とで回収された微粒子量の比率を測定した。第3の試験条件において、第1の試験条件と同じ混合ガスを流すとともに、プラズマ処理装置(2)でプラズマ処理を行い、回収容器(3)とフィルタ(33,34)とで回収された微粒子量の比率を測定した。表1に回収容器(3)とフィルタ(33,34)で回収された微粒子量の比率をまとめる。
本試験において、3つの条件が試験された。第1の試験条件において、プラズマ処理装置(2)でプラズマを発生させない状態で炭素粒子を含む混合ガス(アルゴンガス:5000sccm、酸素ガス:100sccm)を流して、回収容器(3)とフィルタ(33,34)とで回収された微粒子量の比率を測定した。第2の試験条件において、第1の試験条件の混合ガスに代えて、アルゴンガス(5000sccm)に、第1の試験条件で用いられた炭素粒子と同量の炭素粒子を供給して、プラズマ処理を行い、回収容器(3)とフィルタ(33,34)とで回収された微粒子量の比率を測定した。第3の試験条件において、第1の試験条件と同じ混合ガスを流すとともに、プラズマ処理装置(2)でプラズマ処理を行い、回収容器(3)とフィルタ(33,34)とで回収された微粒子量の比率を測定した。表1に回収容器(3)とフィルタ(33,34)で回収された微粒子量の比率をまとめる。
表1に示す如く、プラズマ処理装置(2)でプラズマを発生させずに、炭素粒子を含む混合ガスを供給したときは、略全ての炭素粒子が回収容器(3)内に留まり、フィルタ(33,34)まで達することはなかった(第1の試験条件)。
アルゴンガスのみを用いた場合、回収容器(3)内に多くの炭素粒子が留まり、僅かにフィルタ(33,34)まで達した炭素粒子が確認された。その比率は、回収容器:フィルタ=5:1の割合であった(第2の試験条件)。
第3の試験条件においては、回収容器(3)内にはほとんど炭素粒子が確認されず、略全ての炭素粒子がフィルタ(33,34)まで達した。したがって、アルゴンガスに酸素ガスを混合することによって、効率よく且つ均質に炭素粒子の微細化処理を行うことが可能であることがわかる。
尚、この微細化処理において、アルゴンガスに対する酸素ガスの好適な濃度は、2%以上5%以下である。酸素ガスの濃度が2%を下回ると、上記第2の試験条件で示す如く、微粒子が十分に小さくならない。また酸素ガス濃度が5%を超えると、酸素ガスと炭素微粒子がプラズマと無関係に反応(焼成)し、反応を制御できず、微粒子がほとんどなくなってしまう。
アルゴンガスのみを用いた場合、回収容器(3)内に多くの炭素粒子が留まり、僅かにフィルタ(33,34)まで達した炭素粒子が確認された。その比率は、回収容器:フィルタ=5:1の割合であった(第2の試験条件)。
第3の試験条件においては、回収容器(3)内にはほとんど炭素粒子が確認されず、略全ての炭素粒子がフィルタ(33,34)まで達した。したがって、アルゴンガスに酸素ガスを混合することによって、効率よく且つ均質に炭素粒子の微細化処理を行うことが可能であることがわかる。
尚、この微細化処理において、アルゴンガスに対する酸素ガスの好適な濃度は、2%以上5%以下である。酸素ガスの濃度が2%を下回ると、上記第2の試験条件で示す如く、微粒子が十分に小さくならない。また酸素ガス濃度が5%を超えると、酸素ガスと炭素微粒子がプラズマと無関係に反応(焼成)し、反応を制御できず、微粒子がほとんどなくなってしまう。
図4は、第3の試験条件における炭素粒子を電子顕微鏡で撮影した図である。図4(a)は、プラズマ処理前における炭素粒子の写真であり、図4(b)はプラズマ処理後の炭素粒子の写真である。
図4に示す如く、プラズマ処理前の炭素粒子は互いにくっつき合い、100〜500μm程度の塊を形成している。プラズマ処理後の炭素粒子は互いに分離し、炭素粒子の塊が10〜50μm程度となり、非常に微細な粒子となっていることが視認される。
このように、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス内に炭素粒子を供給することによって、炭素粒子の塊を微細にすることが可能となる。
図4に示す如く、プラズマ処理前の炭素粒子は互いにくっつき合い、100〜500μm程度の塊を形成している。プラズマ処理後の炭素粒子は互いに分離し、炭素粒子の塊が10〜50μm程度となり、非常に微細な粒子となっていることが視認される。
このように、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス内に炭素粒子を供給することによって、炭素粒子の塊を微細にすることが可能となる。
上述の説明において、アルゴンガスと酸素ガスの混合ガスと炭素粒子を用いた粒子の微細化処理について説明してきたが、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、水素、酸素、窒素、フッ素、塩素の少なくとも1つの元素を含むガスを、上述の混合ガスの代わりに用いることで、粒子表面性質(濡れ性、付着力或いは摩擦力)を制御することが可能となる。
水素、酸素、窒素、フッ素、塩素の少なくとも1つの元素を含むガスを用いて、プラズマ処理を施された粒子の濡れ性が向上されると、液中への分散や溶解が容易となり、液媒を用いた粒子の塗布、液中での混練などの粉体操作性が向上する。
反対に、濡れ性を低減することで、水や溶媒に対する耐性を向上させることができる。
例えば、水素、酸素、窒素、フッ素、塩素の少なくとも1つの元素を含むガスを、上述の混合ガスの代わりに用いることで、粒子表面性質(濡れ性、付着力或いは摩擦力)を制御することが可能となる。
水素、酸素、窒素、フッ素、塩素の少なくとも1つの元素を含むガスを用いて、プラズマ処理を施された粒子の濡れ性が向上されると、液中への分散や溶解が容易となり、液媒を用いた粒子の塗布、液中での混練などの粉体操作性が向上する。
反対に、濡れ性を低減することで、水や溶媒に対する耐性を向上させることができる。
水素、酸素、窒素、フッ素、塩素の少なくとも1つの元素を含むガスを用いて、プラズマ処理を施された粒子の粒子間若しくは固体壁面との間の付着力を向上或いは低減させることで、微粒子の凝集状態を制御し、所望の大きさを有する凝集粒子を形成することが可能となる。
また、付着力を高めると、染料や顔料などが基材に塗布しやすくすることができる。
反対に付着力や摩擦力を低減させることにより、プラズマ処理された粒子を取扱う機器の管路や機器内部壁面への粒子の付着を防止することが可能となる。
このような粒子表面性質の制御は、ガスの種類、ガスの供給量、プラズマ処理される粒子の種類などを適宜定めることによって行われる。
また、付着力を高めると、染料や顔料などが基材に塗布しやすくすることができる。
反対に付着力や摩擦力を低減させることにより、プラズマ処理された粒子を取扱う機器の管路や機器内部壁面への粒子の付着を防止することが可能となる。
このような粒子表面性質の制御は、ガスの種類、ガスの供給量、プラズマ処理される粒子の種類などを適宜定めることによって行われる。
上記粒子表面性質の他に、炭素を含んだガス(例えば、メタンなど)、シリコンを含むガス(シランなど)、有機金属蒸気を、供給ガスとして用いることで、粒子表面に薄膜を形成することが可能である。
例えば、炭素を含むガスを用いることで、炭素薄膜を粒子表面に形成することが可能であり、シリコンを含むガスを用いることで、シリコン系薄膜(例えば、アモルファスシリコン薄膜など)を形成することが可能であり、有機金属蒸気を用いれば、金属薄膜、金属酸化物薄膜或いは金属窒化物薄膜を形成することが可能である。
例えば、炭素を含むガスを用いることで、炭素薄膜を粒子表面に形成することが可能であり、シリコンを含むガスを用いることで、シリコン系薄膜(例えば、アモルファスシリコン薄膜など)を形成することが可能であり、有機金属蒸気を用いれば、金属薄膜、金属酸化物薄膜或いは金属窒化物薄膜を形成することが可能である。
更には、本発明の方法並びに装置を用いることによって、粒子表面をエッチングすることも可能であり、粒子の大きさを微細化し或いは粒子表面に凹凸形状を形成させることもできる。
炭素系粒子にエッチングを施すときには、供給ガスに酸素或いは水素を含むガスを用いればよい。シリコン系粒子にエッチングを施すときには、供給ガスにフッ素或いは塩素を用いればよい。
炭素系粒子にエッチングを施すときには、供給ガスに酸素或いは水素を含むガスを用いればよい。シリコン系粒子にエッチングを施すときには、供給ガスにフッ素或いは塩素を用いればよい。
上記以外にも、電極又は誘電体層の材料をプラズマによってスパッタし、電極材料或いは誘電体層材料を微粒子表面に付着させることも可能である。このような、スパッタリング処理を施す際には、供給ガスとしてアルゴンを用いることが好ましい。
例えば、電極に白金等の触媒作用のある金属を用い、これをスパッタし、金属微粒子を形成し、粒子表面に金属微粒子を付着させることにより、粒子の触媒作用を飛躍的に向上させることが可能である。
上述のように、本発明の微粒子処理方法並びに装置は非常に均質性の高い微粒子表面処理を施すことができ、以上の実施例に示す表面処理を供給される全ての微粒子に施すものとなる。したがって、このように処理された微粒子全てが、所望の性質を備える微粒子特性を備えるものとなる。
例えば、電極に白金等の触媒作用のある金属を用い、これをスパッタし、金属微粒子を形成し、粒子表面に金属微粒子を付着させることにより、粒子の触媒作用を飛躍的に向上させることが可能である。
上述のように、本発明の微粒子処理方法並びに装置は非常に均質性の高い微粒子表面処理を施すことができ、以上の実施例に示す表面処理を供給される全ての微粒子に施すものとなる。したがって、このように処理された微粒子全てが、所望の性質を備える微粒子特性を備えるものとなる。
本発明は、微粒子表面を改質するための微粒子処理方法並びに装置に好適に適用される。
1・・・・・微粒子処理工程
2・・・・・プラズマ処理装置
22・・・・誘電体層
25・・・・供給経路
26・・・・電極
261・・・突起部
27・・・・電極
2・・・・・プラズマ処理装置
22・・・・誘電体層
25・・・・供給経路
26・・・・電極
261・・・突起部
27・・・・電極
Claims (22)
- ガスをプラズマ処理装置に供給する工程と、
前記ガスのプラズマ処理装置への供給経路に粒子を供給し、ガスの流れとともにプラズマ処理装置内へ粒子を供給する工程と、
前記供給経路のプラズマ処理装置内出口に対向して配された一対の電極間において、該出口を囲むようにプラズマを生じさせる工程からなることを特徴とする微粒子処理方法。 - 前記ガスの圧力が、10kPa以上1MPa以下であることを特徴とする請求項1記載の微粒子処理方法。
- 前記電極のうち一方の放電面側に誘電体層が設けられ、該誘電体層が配設される電極に高周波高電圧が印加されることを特徴とする請求項1又は2記載の微粒子処理方法。
- 前記一対の電極の放電面側に誘電体層が設けられ、該一対の電極のうちいずれか一方に高周波高電圧が印加されることを特徴とする請求項1又は2記載の微粒子処理方法。
- 前記高周波高電圧が1MHz以上の周波数であることを特徴とする請求項3又は4記載の微粒子処理方法。
- 前記一対の電極間隔が1mm以下であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の微粒子処理方法。
- 前記ガスが、アルゴンガスと酸素の混合ガスであり、
前記粒子が炭素粒子であることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法。 - 前記ガスが、水素、酸素、窒素、フッ素、塩素元素の少なくとも1つを含み、
前記プラズマ処理によって微粒子の濡れ性又は付着力を変化させることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法。 - 前記ガスが、炭素、シリコン元素或いは有機金属蒸気の少なくとも1つを含み、
前記プラズマ処理によって微粒子表面に薄膜を形成することを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法。 - 前記ガスが、酸素、水素、フッ素、塩素元素のいずれかを含み、
前記プラズマ処理によって微粒子がエッチングされることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法。 - 前記ガスが、アルゴンを含み、前記プラズマ処理によって、電極又は誘電体の材料がスパッタされ微粒子表面に付着することを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の微粒子処理方法。
- ガスが供給される供給経路と、
該供給経路出口側に形成されるとともに、該供給経路出口周囲を囲むように配設される第1電極と、
前記第1電極に対向して配設される第2電極を備え、
前記ガスとともに前記供給経路から粒子が供給されることを特徴とする微粒子処理装置。 - 前記第2電極の放電面上に誘電体層が設けられ、
該第2電極に高周波高電圧が印加されることを特徴とする請求項12記載の微粒子処理装置。 - 前記第1電極の放電面上に誘電体層が設けられることを特徴とする請求項13記載の微粒子処理装置。
- 前記第1電極の放電面において、該第1電極周縁に沿って突起部が設けられることを特徴とする請求項13記載の微粒子処理装置。
- 前記高周波高電圧が1MHz以上の周波数であることを特徴とする請求項13記載の微粒子処理装置。
- 前記一対の電極間隔が1mm以下であることを特徴とする請求項12乃至16いずれかに記載の微粒子処理装置。
- 前記ガスが、アルゴンガスと酸素の混合ガスであり、
前記粒子が炭素粒子であることを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置。 - 前記ガスが、水素、酸素、窒素、フッ素、塩素元素の少なくとも1つを含み、
前記プラズマ処理によって微粒子の濡れ性又は付着力を変化させることを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置。 - 前記ガスが、炭素、シリコン元素或いは有機金属蒸気の少なくとも1つを含み、
前記プラズマ処理によって微粒子表面に薄膜を形成することを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置。 - 前記ガスが、酸素、水素、フッ素、塩素元素のいずれかを含み、
前記プラズマ処理によって微粒子がエッチングされることを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置。 - 前記ガスが、アルゴンを含み、前記プラズマ処理によって、電極又は誘電体の材料がスパッタされ微粒子表面に付着することを特徴とする請求項12乃至17いずれかに記載の微粒子処理装置。
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JP2004252066A JP2006068589A (ja) | 2004-08-31 | 2004-08-31 | 微粒子処理方法並びに装置 |
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WO2016190436A1 (ja) * | 2015-05-28 | 2016-12-01 | 国立大学法人佐賀大学 | プラズマ殺菌装置 |
-
2004
- 2004-08-31 JP JP2004252066A patent/JP2006068589A/ja active Pending
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WO2016190436A1 (ja) * | 2015-05-28 | 2016-12-01 | 国立大学法人佐賀大学 | プラズマ殺菌装置 |
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