JP2006067959A - スプレー式固形油脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】 常温で固形の油脂類を種々の食品素材や調理器具の表面に、そのままの状態で均一に薄く塗付することのできるスプレー式固形油脂製品を提供すること。
【解決手段】 本発明は、融点が20℃以上50℃以下の固形油脂又はワックスを、沸点が−50℃から10℃の炭化水素に溶解し、スプレー缶に充填してなるスプレー式固形油脂製品である。
融点が20℃以上50度以下の固形油脂又はワックスとしては、バター、マーガリン、ラード、チョコレート油脂、カカオバター又は融点が20℃以上の種々のワックスが好ましく、沸点が−50℃から10℃の炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、またはLPGが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、スプレー缶に充填して使用するスプレー式固形油脂に関する。
従来から食品分野などにおいて、食品類への味覚の付与や外観をより美しく見せるため、或いは調理加工時の食品素材の付着などの防止のために、油脂類を薄く塗付して使用することが従来から広く行なわれている。例えば、調理の際の食品素材がくっつくのを防止するために、液体油である菜種油、ゴマ油、サラダ油、オリーブ油等をオーブンやフライパンの表面に塗付して使用している。また、例えば、バターやラードなどの常温で固体である油脂の場合には、食品の風味の改善のために、これを焼いたパンや加熱した食品素材にそのまま塗りつけて、食品素材の熱によって固形油脂を融かし、その表面に均一に塗付するという方法が行われている。或いは、ケーキ類やチョコレート菓子などの場合に、そのデコレーションなどの目的で表面にチョコレートやカカオバターを塗付する場合には、チョコレートやカカオバターをその融点以上に加熱して液状とし、これを菓子の表面に流して塗付するか、刷毛を用いて塗付するという方法が行われている。
塗付する油脂類が液体油の場合は、刷毛等で塗付しても、スプレー方式で塗付しても、いずれの場合にもほとんど塗付むらという問題はなく、容易に均一に塗付することができる。しかしながら、塗付する油脂類が固形油脂の場合は、これらをそのまま調理器具や食品類の表面に均一に、かつ薄く塗付することは必ずしも容易ではなく、対象となる調理器具や食品類を加熱し、その熱によって固形油脂を融かして、均一に塗付する必要があった。
従って、室温で固形の油脂類を食品表面や調理器具等の表面に、一旦融解させることなくそのままの状態で薄く、かつ均一に塗付することはかなり困難であり、たとえ塗付したとしても塗りむらが発生したり、ある程度以上の厚さで塗る必要があった。液体油の場合のように、スプレー式で塗付できればこのような問題点は解決でき、薄く、かつ均一に塗付することが可能となるが、固形油脂の場合にはこのようなスプレーによる塗付方式はまだ実用化されていない。
本発明は、以上のような従来の問題点を解決し、室温で固形の油脂類を種々の食品素材や調理器具の表面に、そのままの状態で均一に薄く塗付することのできるスプレー式固形油脂製品とその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の炭化水素と固形油脂又はワックスを混合して、固形油脂又はワックスを炭化水素に溶解させ、これをスプレー缶に充填して噴霧することによって、これらの課題を解決した、極めて優れた固形油脂又はワックスの薄い塗付膜を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の内容をその要旨とするものである。
(1)固形油脂又はワックスを沸点が−50℃から10℃の炭化水素に溶解し、スプレー缶に充填してなるスプレー式固形油脂製品。
(2)沸点が−50℃から10℃の炭化水素が、沸点が−50℃から10℃のパラフィン系炭化水素またはエチレン系炭化水素であることを特徴とする、前記(1)記載のスプレー式固形油脂製品。
(3)沸点が−50℃から10℃の炭化水素が、プロパン、n−ブタン、イソブタン、またはこれらの混合物のいずれかであることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載のスプレー式固形油脂製品。
(4)固形油脂又はワックスが、融点が20℃から50℃の範囲にある油脂又はワックスであることを特徴とする、前記(1)ないし(3)のいずれかに記載のスプレー式固形油脂製品。
(5)固形油脂が、バター、マーガリン、ラード、チョコレート油脂、カカオバター、硬化菜種油、硬化パーム油、硬化大豆油、又は水添やし油から選ばれる油脂のいずれかであることを特徴とする、前記(1)ないし(4)のいずれかに記載のスプレー式固形油脂製品。
(6)ワックスが、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう、蜜ろう、ラノリンワックス、又は鯨ろうから選ばれるワックスのいずれかであることを特徴とする、前記(1)ないし(4)のいずれかに記載のスプレー式固形油脂製品。
(7)固形油脂又はワックスが、炭化水素1質量部に対して0.1〜20質量部の割合であることを特徴とする、前記(1)ないし(6)のいずれかに記載のスプレー式固形油脂製品。
(8)融点が20℃から50℃の範囲にある固形油脂又はワックスを、室温で耐圧容器内に充填して密閉し、次いでこの耐圧容器に沸点が−50℃から10℃の炭化水素を注入して固形油脂又はワックスを混合・溶解させることを特徴とする、スプレー式固形油脂製品の製造方法。
(1)固形油脂又はワックスを沸点が−50℃から10℃の炭化水素に溶解し、スプレー缶に充填してなるスプレー式固形油脂製品。
(2)沸点が−50℃から10℃の炭化水素が、沸点が−50℃から10℃のパラフィン系炭化水素またはエチレン系炭化水素であることを特徴とする、前記(1)記載のスプレー式固形油脂製品。
(3)沸点が−50℃から10℃の炭化水素が、プロパン、n−ブタン、イソブタン、またはこれらの混合物のいずれかであることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載のスプレー式固形油脂製品。
(4)固形油脂又はワックスが、融点が20℃から50℃の範囲にある油脂又はワックスであることを特徴とする、前記(1)ないし(3)のいずれかに記載のスプレー式固形油脂製品。
(5)固形油脂が、バター、マーガリン、ラード、チョコレート油脂、カカオバター、硬化菜種油、硬化パーム油、硬化大豆油、又は水添やし油から選ばれる油脂のいずれかであることを特徴とする、前記(1)ないし(4)のいずれかに記載のスプレー式固形油脂製品。
(6)ワックスが、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう、蜜ろう、ラノリンワックス、又は鯨ろうから選ばれるワックスのいずれかであることを特徴とする、前記(1)ないし(4)のいずれかに記載のスプレー式固形油脂製品。
(7)固形油脂又はワックスが、炭化水素1質量部に対して0.1〜20質量部の割合であることを特徴とする、前記(1)ないし(6)のいずれかに記載のスプレー式固形油脂製品。
(8)融点が20℃から50℃の範囲にある固形油脂又はワックスを、室温で耐圧容器内に充填して密閉し、次いでこの耐圧容器に沸点が−50℃から10℃の炭化水素を注入して固形油脂又はワックスを混合・溶解させることを特徴とする、スプレー式固形油脂製品の製造方法。
本発明のスプレー式固形油脂製品は、耐圧性のスプレー缶の中で固形油脂やワックス類が炭化水素に溶解した溶液状態となっているが、これがスプレー缶から噴霧されると、塗付する食品や調理器具などの対象物の表面に細かい霧状になって付着する。そして、炭化水素は直ちに蒸発して消失するため、塗付対象物の表面には固形油脂又はワックスが細かい粒子として付着し、固形油脂又はワックスの非常に均一で、かつ薄い皮膜が形成される。従って、パン類やケーキ類などの食品の表面に、バターやチョコレート等の固形油脂を非常に薄く均一に塗付することができ、これらの食品類への油脂類の塗付や味覚の改善、デコレーションのために有用である。また、フライパンや鍋などの調理器具類にスプレーすることによって、これらの調理器具類の表面に均一に油脂類を塗付することができ、調理時の付着や焦げ付きを効率的に防止することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に使用することができる固形油脂又はワックスのうち、固形油脂としては、その融点が20℃以上50℃以下の固形油脂である。更に好ましくは、融点が30℃以上で40℃以下の範囲にある固形油脂である。このような固形油脂としては、例えば、豚脂、ラード、バター、硬化牛脂等の融点が20℃以上50℃以下の動物油脂;ヤシ油、水添ヤシ油、パーム核油、カカオ脂、硬化菜種油、硬化パーム油、硬化大豆油等の融点が20℃以上50℃以下の植物油脂が挙げられる。また、これらの油脂類を調合して得たマーガリン、チョコレート油脂等の油脂製品も使用することができる。
本発明に使用することができる固形油脂又はワックスのうち、固形油脂としては、その融点が20℃以上50℃以下の固形油脂である。更に好ましくは、融点が30℃以上で40℃以下の範囲にある固形油脂である。このような固形油脂としては、例えば、豚脂、ラード、バター、硬化牛脂等の融点が20℃以上50℃以下の動物油脂;ヤシ油、水添ヤシ油、パーム核油、カカオ脂、硬化菜種油、硬化パーム油、硬化大豆油等の融点が20℃以上50℃以下の植物油脂が挙げられる。また、これらの油脂類を調合して得たマーガリン、チョコレート油脂等の油脂製品も使用することができる。
本発明に使用することができる固形油脂又はワックスのうち、ワックスとしては、その融点が20℃以上50℃以下のワックスである。更に好ましくは、融点が30℃以上で40℃以下の範囲にあるワックスである。このような固形油脂としては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう等の融点が20℃以上50℃以下の植物系ワックス;蜜ろう、ラノリンワックス、鯨ろう等の融点が20℃以上50℃以下の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレゾン等の融点が20℃以上50℃以下の鉱物系ワックスが挙げられる。
次に、本発明に使用することができる溶剤としての炭化水素は、室温では気体であり、ゆるい加圧条件下で容易に液状となる炭化水素であり、具体的には、沸点が−50℃から10℃の範囲にある炭化水素を使用する。好ましくは沸点が−50℃から10℃のパラフィン系炭化水素またはエチレン系炭化水素であり、更に好ましくは、−40℃から0℃のパラフィン系炭化水素またはエチレン系炭化水素である。このような炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどが挙げられる。また、これらの炭化水素の混合物としての種々の炭化水素、或いは液化石油ガス(LPG)として製造・販売されているものも使用することができる。これらのうちでは、n−ブタン、イソブタン、液化石油ガスが固形油脂の溶解性もよく、液化条件も温和であるため好ましい。
本発明のスプレー式固形油脂製品は、上述したような融点が20℃以上50℃以下の固形油脂又はワックスを耐圧性の容器に充填し、室温では気体でありゆるい加圧条件下で液状となる上記のような炭化水素を容器に注入して、炭化水素が液状となる加圧条件下で固形油脂又はワックスをこの炭化水素と混合・攪拌して、固形油脂又はワックスを炭化水素に溶解させることによって得ることができる。この耐圧性容器に充填された状態では、固形油脂又はワックスは溶媒の炭化水素に溶解し、均一な溶液の状態となっている。本発明者らは、意外にもこの固形油脂又はワックスを溶解した溶液がスプレーノズルを通して、ノズルの目詰まりを起こすことなく極めてなめらかに噴霧することができることを見出した。そして、これをスプレーノズルから大気圧に放出すると、細かい霧状となって固形油脂又はワックスが噴霧され、食品類や調理器具の表面に付着する。それと同時に、炭化水素は大気圧に放出されたためすぐに蒸発して消失し、食品類や調理器具の表面には固形の状態の油脂類やワックスの薄い皮膜が形成される。
本発明のスプレー式固形油脂製品は、炭化水素1.0質量部に対して固形油脂又はワックスが0.1〜20質量部の割合で使用する。好ましくは、炭化水素1.0質量部に対して固形油脂又はワックスが0.5〜10質量部の割合であり、更に好ましくは炭化水素1.0質量部に対して固形油脂又はワックスが1.0〜5質量部の割合である。炭化水素に対して固形油脂又はワックスをより多く配合した方が油脂分の濃度の高い噴霧ができるため好ましいが、固形油脂又はワックスの濃度が炭化水素1.0質量部に対して20質量部を超えるような割合、即ち、固形油脂又はワックスの濃度が95質量%を超える割合になると、固形油脂又はワックスが十分に炭化水素に溶解することができず、スプレーノズルの目詰まりが起こり、良好な噴霧を行なうことができなくなる。また、炭化水素に対して固形油脂又はワックスの量が少ない場合は特に差し支えないが、炭化水素1.0質量部に対して固形油脂又はワックスが0.1質量部未満のような少ない量ではコスト高となり実用的でない。
本発明のスプレー式固形油脂製品は、固形油脂又はワックスとともに、少量であればゴマ油や菜種油などの液体油を加えても、同様に炭化水素にこれらの油成分が溶解し、スプレーノズルから噴霧することによって食品類や調理器具の表面に塗付することができる。この場合、油成分は噴霧後に固形となる量であることが必要で、液体油は固形油脂に対して50質量%以下が好ましい。
バターなどの油脂類は、食品類の食感や風味を改善したり、栄養分を付与するために使用されるが、このような目的のためには油脂分とともに塩分が必須である。従来、液体油をスプレー式で塗付することは行なわれていたが、液体油の場合にはこの塩分を含んだものとしてスプレーすることが不可能で、塩分を加えることができなかった。しかし、本発明のスプレー式固形油脂製品では、固形油脂又はワックスとともに食塩を添加し、これに上述の炭化水素を加えて、耐圧容器中で混合することにより、固形油脂又はワックスとともに塩分も溶解し、これをスプレーすれば塩分を含んだ固形油脂又はワックスを均一に塗付することが可能となった。
また、食品類のデコレーションのために油脂又はワックスを塗付する場合には、その中に色素を加えて種々の色に着色したもので塗付できれば好都合であるが、本発明のスプレー式固形油脂製品では、固形油脂又はワックスとともに種々の色素を添加し、これに上述の炭化水素を加えて、耐圧容器中で混合・溶解することにより、これをスプレーすれば種々の色素で着色された固形油脂又はワックスを食品の表面に均一に、薄く塗付することができ、例えば菓子類やケーキなどのデコレーションに好適である。
本発明のスプレー式固形油脂製品では、固形油脂又はワックスを炭化水素に溶解した状態では固形油脂又はワックスが炭化水素に完全に溶解した透明な溶液となっている。しかし、周囲の温度や使用する固形油脂又はワックスの種類によっては、例えば、冬季や冷蔵庫内に保存した場合に、固形油脂又はワックスが一部析出して白濁した状態となることがあるが、このような状態のものでも全く問題なく、円滑にスプレーして塗付することができる。或いは、冷蔵庫に保存したものは、これを室温まで暖めてから使用してもよい。
次に、本発明を実施例によって更に詳しく説明する。以下の実施例において、特に注記しない限り「%」および「部」は質量基準である。
固形油脂として、一般に市販されている家庭用のバターを用い、本発明のスプレー式固形油脂を作製した。
即ち、家庭用バター(融点:約30℃)70gを、透明なガラス製の噴霧ノズルつきのスプレー用耐圧容器の中に入れ、次いで溶剤の炭化水素として液化石油ガス(沸点:約−15℃)30gを充填して密閉し、軽く振って約10分間の間混合した。これを外部から観察したところ、バターが完全に溶解した透明の状態の溶液であった。これをトーストしていない食パンの表面に向けて噴霧したところ、食パン表面になめらかで均一な、バターの薄い皮膜を塗付することができた。
一方、同じバターをそのままバターナイフによって食パンの表面に塗付したところ、バターが硬くて滑らかに拡がらず、食パンの表面が削り取られるような状態になり、うまく均一に塗付することは非常に困難であった。
即ち、家庭用バター(融点:約30℃)70gを、透明なガラス製の噴霧ノズルつきのスプレー用耐圧容器の中に入れ、次いで溶剤の炭化水素として液化石油ガス(沸点:約−15℃)30gを充填して密閉し、軽く振って約10分間の間混合した。これを外部から観察したところ、バターが完全に溶解した透明の状態の溶液であった。これをトーストしていない食パンの表面に向けて噴霧したところ、食パン表面になめらかで均一な、バターの薄い皮膜を塗付することができた。
一方、同じバターをそのままバターナイフによって食パンの表面に塗付したところ、バターが硬くて滑らかに拡がらず、食パンの表面が削り取られるような状態になり、うまく均一に塗付することは非常に困難であった。
固形油脂として、チョコレート油脂を用い、本発明のスプレー式固形油脂を作製した。
即ち、市販のチョコレート油脂(融点:約37℃)50gを、透明なガラス製の噴霧ノズルつきのスプレー用耐圧容器の中に入れ、次いで溶剤の炭化水素として液化石油ガス(沸点:約−15℃)50gを充填して密閉し、軽く振って約10分間の間混合した。これを外部から観察したところ、バターが完全に溶解した透明の状態の溶液であった。これを用いてデコレーションケーキ用の土台ケーキの表面に噴霧して、土台ケーキの表面にチョコレートをまんべんなく塗付した。チョコレート油脂を充填・溶解した本発明の固形油脂製品によって、土台ケーキの表面に、全体に均一にチョコレートの薄い皮膜を形成させることができた。本発明の固形油脂製品を使用することによって、土台ケーキの表面に塗りむらや塗り残しがなく、均一に美しくチョコレートを塗付することができ、その外観も非常に良好であった。
即ち、市販のチョコレート油脂(融点:約37℃)50gを、透明なガラス製の噴霧ノズルつきのスプレー用耐圧容器の中に入れ、次いで溶剤の炭化水素として液化石油ガス(沸点:約−15℃)50gを充填して密閉し、軽く振って約10分間の間混合した。これを外部から観察したところ、バターが完全に溶解した透明の状態の溶液であった。これを用いてデコレーションケーキ用の土台ケーキの表面に噴霧して、土台ケーキの表面にチョコレートをまんべんなく塗付した。チョコレート油脂を充填・溶解した本発明の固形油脂製品によって、土台ケーキの表面に、全体に均一にチョコレートの薄い皮膜を形成させることができた。本発明の固形油脂製品を使用することによって、土台ケーキの表面に塗りむらや塗り残しがなく、均一に美しくチョコレートを塗付することができ、その外観も非常に良好であった。
本発明のスプレー式固形油脂製品は、バター、マーガリン、チョコレート油脂などのような常温で固形の油脂類又はワックスを、スプレー缶を用いて噴霧することができ、パン、ケーキ、その他のさまざまな食品類の表面に薄く、均一に塗付することができる。また、食品素材のくっつき防止のために調理器具角表面に塗付することができるため、これらの食品類の製造用に有用である。
Claims (8)
- 固形油脂又はワックスを沸点が−50℃から10℃の炭化水素に溶解し、スプレー缶に充填してなるスプレー式固形油脂製品。
- 沸点が−50℃から10℃の炭化水素が、沸点が−50℃から10℃のパラフィン系炭化水素またはエチレン系炭化水素であることを特徴とする、請求項1記載のスプレー式固形油脂製品。
- 沸点が−50℃から10℃の炭化水素が、プロパン、n−ブタン、イソブタン、またはこれらの混合物のいずれかであることを特徴とする、請求項1または2に記載のスプレー式固形油脂製品。
- 固形油脂又はワックスが、融点が20℃から50℃の範囲にある油脂又はワックスであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のスプレー式固形油脂製品。
- 固形油脂が、バター、マーガリン、ラード、チョコレート油脂、カカオバター、硬化菜種油、硬化パーム油、硬化大豆油又は水添やし油から選ばれる油脂のいずれかであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のスプレー式固形油脂製品。
- ワックスが、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう、蜜ろう、ラノリンワックス、又は鯨ろうから選ばれるワックスのいずれかであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のスプレー式固形油脂製品。
- 固形油脂又はワックスが、炭化水素1質量部に対して0.1〜20質量部の割合であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載のスプレー式固形油脂製品。
- 融点が20℃から50℃の範囲にある固形油脂又はワックスを、室温で耐圧容器内に充填して密閉し、次いでこの耐圧容器に沸点が−50℃から10℃の炭化水素を注入して固形油脂又はワックスを混合・溶解させることを特徴とする、スプレー式固形油脂製品の製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2606743A1 (en) | 2011-12-22 | 2013-06-26 | Grupo Leche Pascual, S.A.U. | Whipped spreadable fat product |
CN108753170A (zh) * | 2018-07-03 | 2018-11-06 | 邱平亮 | 一种环保静电喷涂型木蜡油及其制备方法和应用 |
-
2004
- 2004-09-06 JP JP2004257938A patent/JP2006067959A/ja active Pending
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EP2606743A1 (en) | 2011-12-22 | 2013-06-26 | Grupo Leche Pascual, S.A.U. | Whipped spreadable fat product |
CN108753170A (zh) * | 2018-07-03 | 2018-11-06 | 邱平亮 | 一种环保静电喷涂型木蜡油及其制备方法和应用 |
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