JP2006066036A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気抵抗効果ヘッド対応の高記録密度の磁気記録媒体に適用して好適な磁気記録媒体であって、従来は可撓性の非磁性支持体を介して腐食が進行し、また膜厚を薄くする程保持力が低下する問題があった、膜厚100nm以下の磁性層の耐腐食性を向上させ、保磁力を損なうことのない磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】非磁性支持体上1に、少なくともナノ粒子層8及びこれの上に真空薄膜形成技術により形成された磁性層3を有して成る構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、非磁性支持体上に、磁性層を有して成る磁気記録媒体に関し、特に磁性層を蒸着により形成する蒸着テープ型構成の磁気記録媒体に関する。
磁気記録媒体の記録密度の向上に伴い、磁気テープは塗布型から蒸着型に移行している。塗布型の磁気テープは、磁性粉末を結合樹脂に分散させた磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布して形成された磁性層を有する。一方、蒸着型の磁気テープ(いわゆる蒸着テープ、金属薄膜型磁気テープ)は、真空薄膜形成技術によって形成された磁性層を有する。真空薄膜形成技術としては、蒸着、スパッタ等の物理的形成方法(PVD:Physical vapor deposition)の他、化学的気相成長(CVD:Chemical vapor deposition)やエピタキシャル成長も含む。
蒸着テープの磁性層は、塗布型の磁気テープと比較して極めて薄く形成される。このため、短波長領域での電磁変換特性に優れる。更に、蒸着テープは、記録減磁が極めて少ないという特長も有する。このように、蒸着テープは塗布型テープに対し利点が多く、高密度磁気記録用の磁気記録媒体として、近年益々その開発が進められている。
蒸着テープの磁性層は、可撓性を有する非磁性支持体を走行させながら、非磁性支持体上に磁性材料を堆積させて形成される。非磁性支持体としては、通常、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの高分子フィルムが用いられる。
蒸着テープの磁性層の構造は、磁性金属の結晶粒がカラム状に連なり、このようなカラムが磁性層全面に整列したいわゆる斜方柱状構造を呈する。このカラムは、非磁性支持体表面の法線から例えば30°程度斜めに傾いた方向に成長する。
またこの磁性層は、Co等の強磁性体を主成分とし、CoO等の非磁性材料を一部含む材料より構成される。非磁性材料の濃度を変化させることにより、保磁力をある程度調整することができる。
磁気記録密度を更に向上させるためには、磁気記録媒体と磁気ヘッド双方の特性を向上させることが重要である。蒸着テープは、磁性層を極めて薄くできるため、記録波長が短い領域での電磁変換特性に優れ、高記録密度化が可能である。また、磁性層を薄くすることにより、記録密度を高くできるだけでなく、磁性材料のコストの低減や、磁性層の堆積に要する時間の短縮も可能となる。
一方、磁気抵抗(MR:Magneto-Resistive)ヘッド(巨大磁気抵抗効果、異方性磁気抵抗効果、トンネル磁気抵抗効果を利用するヘッドを含む)は、磁性層からの微小な漏洩磁束を高感度に検出できるという利点を有する。したがって、MRヘッドは、蒸着テープにおける極めて薄い磁性層からの信号の検出に用いることができ、磁気記録における超高密度化を達成するヘッドとして有力である。
特開平5−20662号公報 特開平4−335206号公報(特許第3093818号)
ところで、蒸着テープの磁性層を100nmより薄くした場合、可撓性の非磁性支持体を介して磁性層の腐食が進行する問題が明らかとなった。この問題は、特に磁気テープをしばらく使用した後で顕著となる。したがって、腐食に対する耐性を有する磁気テープを提供することが重要となる。
蒸着テープにおいて磁性層の腐食を防止する方法としては、非磁性支持体と磁性層との間に金属下地膜を形成する方法が知られている(例えば特許文献1及び2参照。)。このように下地層を設ける場合、図9にその一例の概略断面構成を示すように、非磁性支持体1の一方の表面上に、下地層2を介して磁性層3、この磁性層3を保護する非磁性材料より成る保護層4、更に有機潤滑材料等より成る潤滑剤層5がこの順に被着され、他方の面には、バックコート層6及び潤滑剤層7がこの順に被着されて構成される。
上記特許文献1記載の方法では、磁性層の厚さを好適には120〜300nm、金属下地膜の厚さは50〜150nm、更に好適には80〜120nmとしている。
また、上記特許文献2記載の方法では、表面に金属酸化物を有する金属膜を下地膜として用いて、磁性層の厚さを120〜300nm程度とし、下地膜の厚さを50〜200nm程度としている。
磁気記録媒体をMRヘッド、或いは更に高感度のGMR(巨大磁気抵抗)ヘッドに対応させるには、磁性層を例えば厚さ100nm以下に薄くする必要があり、厚さを100nm以下の例えば50nm以下に薄くした場合、上記特許文献1及び2記載のように、比較的厚膜の金属下地膜を形成すると、金属下地膜及び磁性層の表面粗さが大きくなり、所望の電磁変換特性を得られなくなる。
磁性層を薄くする場合におけるもう1つの問題は、磁気特性の低下、特に膜厚を薄くする程保磁力が低下することである。そこで、薄膜が積層されたヘテロ構造を採ることが不可欠となる。ヘテロ構造を調整することによって、保磁力を高めることが可能となる。
また、磁気記録媒体の製造の際のスループットに関しては、上述したように、磁性層の膜厚を薄くすることによって、堆積時間の低減を図り、また材料コストも抑えられるという利点を有する。
この磁性層上に形成する保護層としては、CVD法等によりダイアモンドライクカーボン(DLC:Diamond-like carbon)膜などが形成される。保護層が厚すぎる場合、磁気記録媒体の電磁変換特性が悪化するため、磁性層を保護する範囲で保護層を薄くすることが望ましい。磁性層を保護する機能を損なわずに、保護層を薄くするには、上述のヘテロ構造を最適化することが望ましい。保護層の膜厚を薄くすることができれば、保護層の成膜所要時間が短縮され、磁気記録媒体の製造のスループットを更に向上させることができる。
本発明は、上述の課題に鑑みて、高記録密度の磁気記録媒体に適用して好適な磁気記録媒体であって、磁性層の耐腐食性、保磁力を損なうことなく、磁性層の膜厚を100nm以下に薄くすることが可能な磁気記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、少なくともナノ粒子層及びこれの上に真空薄膜形成技術により形成された磁性層を有して成ることを特徴とする。
また、本発明は、上述の磁気記録媒体において、上記非磁性支持体上に形成されるナノ粒子層が、ナノ粒子が単層に配置されたナノ粒子層より成ることを特徴とする。
更に、本発明は、上述の磁気記録媒体において、上記非磁性支持体上に、酸化物層及びこの上に形成された有機シランより成るカップリング層を介して上記ナノ粒子層が形成されて成ることを特徴とする。
また、本発明は、上述の各磁気記録媒体において、上記ナノ粒子層のナノ粒子の粒径が、2nm以上8nm以下とされて成ることを特徴とする。
上述したように、本発明においては、磁性層が真空薄膜形成技術により形成される磁気記録媒体において、非磁性支持体上に、少なくともナノ粒子層及び磁性層をこの順に形成した構成とすることによって、ナノ粒子層の上に、蒸着等の真空薄膜形成技術により粒子の粒径に対応するカラムを成長させて、磁性層を形成することができる。これにより、保磁力を低下させることなく膜厚の比較的薄い磁性層を形成することができる。
以上説明したように、本発明による磁気記録媒体によれば、非磁性支持体上に、少なくともナノ粒子層を介して磁性層を設ける構成とすることによって、耐食性、保磁力を損なうことなく磁性層の膜厚を比較的薄くすることができる。
また、本発明において、ナノ粒子層をナノ粒子が単層に配置された構成とすることによって、より粒径サイズの小さい磁性層を形成し、高い保磁力を有する磁気記録媒体を提供することができる。
更に、本発明において、酸化層及びこの上に形成された有機シランより成るカップリング層を介してナノ粒子層を形成することによって、単層のナノ粒子層を容易かつ確実に形成することができる。
また、本発明において、ナノ粒子層のナノ粒子の粒径を、2nm以上8nm以下として構成することによって、確実に保磁力を向上させることができる。
以下本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
図1は、本発明による磁気記録媒体の一例の要部の概略断面構成図である。図1に示すように、本発明磁気記録媒体は、非磁性支持体1の上に、ナノ粒子層8を介して磁性層3が形成される構成とする。この例においては、磁性層3の上に、磁性層3を保護するDLC等より成る保護層4、潤滑剤層5が順次被着形成される。非磁性支持体1の他方の面には、バックコート層6及び潤滑剤層7がこの順に形成される。
非磁性支持体1としては、従来の磁気記録媒体に用いられる公知の非磁性支持体材料を用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレーザフィン類、セルローストリアセテート等のセルロース誘導体、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のプラスティック類が挙げられる。
ナノ粒子層8の上に形成する磁性層3は、周知の真空蒸着法により形成することができる。図2は、磁性層を蒸着する際に用いて好適な真空蒸着装置の一例の概略構成図を示す。図2に示す蒸着装置の真空管30内は、排気口21、22を介して1×10−3Pa程度に排気される。真空管30内の送りロール13と巻き取りロール14はそれぞれ定速で回転する。非磁性支持体1は、破線矢印A1で示す方向に送り出され、冷却キャン15の周面に沿って走行した後、破線矢印A2で示すように巻き取りロール14に巻き取られる。
冷却キャン15は、矢印Bで示す方向に定速で回転する。冷却キャン15の内部に設けられた冷却装置により、冷却キャン15は例えば−20℃程度に冷却される。これにより、非磁性支持体1の熱変形等が防止される。非磁性支持体1の走行経路に設けられたガイドロール16、17によって非磁性支持体1の張力が調整される。
真空管30内には冷却キャン15と対向するように蒸着源であるルツボ18が配置されている。ルツボ18内には、磁性層を形成するための金属磁性材料19が充填されている。真空管30の側壁には、蒸着源のルツボ18を加熱し、蒸発させるための電子銃20が取り付けられている。電子銃20から放出された破線Eで示す電子線が、ルツボ18に照射されると、ルツボ18から蒸発した金属磁性材料19が、冷却キャン15上の非磁性支持体1に堆積することにより、磁性層3が形成される。
冷却キャン15とルツボ18との間の冷却キャン15近傍には、シャッター23が設けられている。これにより、金属磁性材料の非磁性支持体1に対する入射角が所定の範囲に制限される。金属磁性材料19がCoの場合、蒸着中に酸素ガス導入管24から酸素を導入することにより、CoとCoOから成る磁性層が形成される。なお、シャッター23や酸素ガス導入口24の位置及び個数は図2の例に限定されない。蒸着源の加熱には、上記のような電子線による加熱手段の他、例えば抵抗加熱手段、高周波加熱手段、レーザ加熱手段等の公知の手段を用いることができる。
磁性層3の強磁性材料としては、公知の各種の金属材料と磁性材料の合金など、通常の蒸着テープ型磁気記録媒体の磁性層として用いられる磁性層材料を用いることが可能である。例えばCoやNiなどの強磁性材料、Co−Ni合金、Co−Fe合金、Co−Ni−Fe合金、Co−Cr合金、Co−Pt合金、Co−Pt−B合金、Co−Cr−Ta合金、Co−Cr−Pt−Ta合金、または酸素雰囲気中での成膜により得られる酸化物含有合金、またこれらの材料を少なくとも一つ以上含む各種の材料を適用可能である。
磁性層3の上に形成する保護層4の材料としては、良好な走行性を得ることと、耐腐食性を良好に保持するために、例えばDLC(Diamond-like carbon)が望ましい。このDLC保護層の成膜方法としては、例えばプラズマCVDによる連続薄膜形成技術を適用し得る。
また、その他金属メッシュ電極によるDCプラズマ法、電子ビーム励起プラズマソース法、冷陰極イオンソース法、イオン付着法や触媒CVD法なども適用可能である。炭素化合物のCVD成膜法においては、ハイドロカーボンベース、ケトンベース、アルコールベースなど周知の各種材料を用いることができる。更に、プラズマ成膜中にArやHなどのガスを炭素化合物の分解を促進するために加えても良い。
テープ状の磁気記録媒体において走行性を良好に保持するために、潤滑剤層5を保護層4の上に形成することが望ましい。この潤滑剤層5としては、任意の例えばフッ素系潤滑剤、好適にはパーフルオロポリエーテル系潤滑剤等を溶剤に溶解させ、保護層上に塗布することにより形成できる。潤滑剤の形成により、走行性の他耐久性も良好となる。
非磁性支持体1の磁性層3を形成する側とは反対側の面には、テープ状の磁気記録媒体の走行性を促進する目的と、静電気の蓄積を防止する目的のため、非磁性バックコート層6を設けることが望ましい。このバックコート層の厚さとしては、上記目的には0.2μm以上0.7μm以下程度とすることが適している。成膜方法としては、無機色素などの粉末成分と結合剤を有機溶媒に混合分散させたバックコート用塗料を、非磁性支持体の磁性層を形成する側とは反対側に塗布して形成する方法が一般的である。粉末成分としては、導電性を付与するためのカーボンブラックや、表面粗さの調整と耐久性向上のためのフィラー粒子(例えばα−酸化鉄、α−アルミナ、酸化クロム等が挙げられる。バックコート用の塗料に潤滑剤等の添加剤を添加してもよく、また図1に示す例のように、バックコート層6の上に潤滑剤層7を形成してもよい。この潤滑剤層7としては、磁性層3上の保護層4の上に形成する潤滑剤層5と同様の材料とを用い得る。
次に、本発明において磁気記録媒体の磁性層3と非磁性支持体1との間に設けるナノ粒子層8について詳細に説明する。本発明においては、磁性層と非磁性支持体との間に、従来のように連続薄膜型の下地層を設けるのではなく、ナノ粒子層8を設ける構成とする。
また、このナノ粒子層8は、その形成方法として、初期の工程で液相の工程を含むことが従来とは異なる。従来は、スパッタリング等の気相(ドライ)方法により下地層を成膜していたのに対し、本発明におけるナノ粒子層は、液相(ウエット)方法により形成されるものである。
この第1の実施の形態の例においては、非磁性支持体1としてPETより成る可撓性フィルムを用いた。ナノ粒子の材料としては、結晶構造を有するFePt、CoPt、TiO、Cuなどが好ましく、粒子の大きさは2nmから30nm程度の例えば8nmとすることができる。
このナノ粒子が分散された溶媒を非磁性支持体1上に塗布してナノ粒子層8を形成する。ナノ粒子分散液は空気中、又は真空中で、磁性層成膜前に乾燥すればよい。
ナノ粒子層8の厚さは、10nmから100nm程度とすることが望ましい。この厚さは、溶媒中のナノ粒子の濃度や乾燥速度を変化させることによって制御可能である。一般的には、分散液中のナノ粒子の濃度が高いほど、また乾燥速度が速いほどナノ粒子が多層に積層されたナノ粒子層の厚さを大きくすることができる。
このような粒子が多層に積層された構成とする場合、ナノ粒子層の表面粗さは、1nm以上100nm以下のオーダーで変化する。この上に形成する磁性層の厚さを考慮して、表面粗さを最適な範囲に選定することによって、良好に磁性層を成膜し、耐食性を確保しつつ磁気特性の低下を回避することができる。
図3に、このようにしてTiOナノ粒子を多層に積層して形成したナノ粒子層のTEM(透過型電子顕微鏡)による平面観察図を示す。TiOナノ粒子が非磁性支持体上に略隙間なく覆っていることがわかる。このTiOナノ粒子は、略10nmから30nmの大きさのものである。また、このナノ粒子がきわめて明確な結晶構造を有して成ることも観察できる。
図4は、代表的なTiOナノ粒子結晶のTEMによる高解像平面観察図である。強固な結晶構造を有しており、この構造が、このナノ粒子層の上に成長させる磁性層の構造に影響を及ぼすことが容易に想像できる。すなわち、磁性層の結晶粒の大きさは、ナノ粒子層の粒子の大きさに対応することが予想できる。
つまり、ナノ粒子層の材料及び粒子の大きさ(粒径)を変化させることによって、この上の磁性層の構造及び磁性層の結晶粒径(カラムの大きさ)を調整することができることがわかる。これにより、磁気記録媒体の磁気特性を制御することができることとなる。
なお、磁性層としては、例えばCo及びCoOより成る磁性層とすることができ、例えばCo及びCo酸化物を共に金属蒸着する方法により、Co及びCo酸化物の結晶粒が存在する磁性層を成膜することができる。
このナノ粒子層8の上に、例えば図2において説明した蒸着装置により磁性層3を形成した後、この磁性層3の上には、DLC等より成る保護層5を形成し、磁性層3を保護する。保護層5の上には潤滑剤層5が設けられる。また、非磁性支持体1の磁性層3が形成される側とは反対側の裏面には、バックコート層6、有機潤滑剤等より成る潤滑剤層7がこの順に形成され、本発明構成の磁気記録媒体を得ることができる。
以上説明した図1に示す構成の磁気記録媒体、すなわちナノ粒子層8を、粒子が多層に積層された積層型の粒子層として構成する場合は、ナノ粒子層を非磁性支持体上に直接的に形成することができ、製造方法は比較的簡単なものとなる。しかしながらこの場合、ナノ粒子層の膜厚をナノオーダーで精度良く調整することは難しい。
これに対し、ナノ粒子層の厚さを、より精度良く制御する必要がある場合、またはナノ粒子層の膜厚をなるべく薄くするほうが良い場合は、図5に示すように、ナノ粒子が単層に一様に並べられた第2のヘテロ構造の磁気記録媒体を構成することが望ましい。
第2の実施の形態の例として、粒径が略3nmのFePtより成るナノ粒子を用いてナノ粒子層を形成した例を以下に示す。この場合、図5に示すように、非磁性支持体1の上に、酸化物層10を形成する。酸化物層10としては、例えばSiO、TiO、Alなどを用いることができる。厚さを数nm程度とし、スパッタリング等により形成することができる。この後、有機シラン材料等より成るカップリング層11を被着する。有機シラン材料としては、[3−(2−アミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン(APTS)等を用いることができる。このカップリング層11をSiO等より成る酸化物層10上に、ディップ法等により被着する。SiO等の酸化物層10を介在させることによって、非磁性支持体1の上に有機シラン等より成るカップリング層11を良好に被着させることができる。また、この酸化物層10は、非磁性支持体1を通して磁性層が酸化することを防ぐ耐食層としての機能も有する。
その後、FePt等より成るナノ粒子にオレイン酸やオレイルアミン等の有機界面活性剤を付着して、カップリング層11の上に塗布する。このようにすることによって、図5に模式的に示すように、ナノ粒子が単層に配置されたナノ粒子層12を形成することができる。この場合、ナノ粒子層の表面粗さはナノ粒子の粒径程度以下に抑えることができて、この上に形成する磁性層を良好に成膜することができる。
一例として、粒径が約3nmのFePtナノ粒子を用いてナノ粒子層を形成した場合のTEMによる平面観察図を図6に示す。また、FePtナノ粒子のTEMによる高解像平面観察図を図7に示す。結晶構造を示すことがよくわかる。このような結晶構造は、この上に形成する磁性層3の成膜時において、結晶粒(カラム)の核生成位置として機能する。
更に、この場合、磁性層3の厚さを略40nmを超えない厚さとする場合、磁性層3の結晶粒の大きさを数nmとすることができた。
このように、有機シラン材料によるカップリング層を用いてFePtナノ粒子を安定に単層に配置してナノ粒子層12を形成した例のTEMによる断面観察図を図8に示す。図8から、SiOより成る酸化物層10上にAPTS有機シラン材料より成るカップリング層11を介してFePtより成るナノ粒子層12が単層にかつ略一様な密度をもって配置されている状態が明らかである。
そしてこの場合においても、例えば図2において説明した装置により磁性層3をナノ粒子層12の上に成膜した後、図1に示す例と同様の材料により、磁性層3の上にDLC等より成る保護層4及び潤滑剤層5を形成する。非磁性支持体1の反対側の面には、同様に、バックコート層6及び潤滑剤層7を同様に形成して、本発明構成による磁気記録媒体が形成される。
このようにして得られる本発明構成の磁気記録媒体において、ナノ粒子層の各ナノ粒子の粒径を変化させて磁気記録媒体を形成し、それぞれ保磁力を測定した。この結果を以下の表1に示す。各例ともに、磁性層の厚さは約40nmとして形成した。
Figure 2006066036
上記表1の結果から明らかなように、ナノ粒子層を設けない場合と比べて粒径が小さくてもナノ粒子層を下地層として設けるほうが保磁力は向上し、更に粒径を8nmまで大きくするにつれて、保磁力は向上することがわかる。また、粒径が8nmを超えて、20nm以上と成ると、粒径を大きくするにつれて保磁力が低下していく傾向があることがわかる。つまり、磁性層の膜厚を40nmとする場合は、ナノ粒子層として粒径8nmのナノ粒子を用いて構成することが望ましいことがわかる。
またこの結果から、磁性層の厚さを一定としても、下地層として設けるナノ粒子層のナノ粒子の粒径を変化させることによって、磁性層の保磁力を変化させることができ、最適な保磁力を得るためには、ナノ粒子層の粒子の粒径を適切に選定することが望ましいことがわかる。
上記の例においては、磁性層の膜厚を40nmとした場合において、粒径8nmのナノ粒子を用いてナノ粒子層を下地層として設けることにより、下地層を設けない場合と比較して、90%も保磁力を向上させる180kA/mという高い保磁力を実現できた。
上述の各例においては、磁性層の厚さを40nm程度に薄くすることができることから、成膜時間を短縮することが可能となり、生産性の向上を図ることができる。
以上説明したように、本発明による磁気記録媒体においては、下地層としてナノ粒子層を設けるものであり、このナノ粒子層の粒子の粒径を適切に選定することによって、磁気記録媒体の保磁力を確実に向上させることができて、高密度記録に最適なヘテロ構造による蒸着テープ型の磁気記録媒体を提供することができる。
なお、本発明は、上述した各実施の形態の例に限定されるものではなく、その他の材料構成とすることが可能であり、本発明構成を逸脱しない範囲において、各種の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
本発明による磁気記録媒体の一例の概略構成図である。 磁気記録媒体の製造装置の一例の概略構成図である。 本発明による磁気記録媒体の一例におけるナノ粒子層のTEMによる平面観察図である。 本発明による磁気記録媒体の一例におけるナノ粒子層のナノ粒子結晶のTEMによる平面観察図である。 本発明による磁気記録媒体の一例の概略構成図である。 本発明による磁気記録媒体の一例におけるナノ粒子層の一例のTEMによる平面観察図である。 本発明による磁気記録媒体の一例におけるナノ粒子層のナノ粒子結晶のTEMによる平面観察図である。 本発明による磁気記録媒体の一例の要部のTEMによる断面観察図である。 従来の磁気記録媒体の概略構成図である。
符号の説明
1.非磁性支持体、2.下地層、3.磁性層、4.保護層、5.潤滑剤層、6.バックコート層、7.潤滑剤層、8.ナノ粒子層、10.酸化物層、11.カップリング層、12.ナノ粒子層、13.送りロール、14.巻き取りロール、15.冷却キャン、16.ガイドロール、17.ガイドロール、18.ルツボ、19.金属磁性材料、20.電子銃、21.排気口、22.排気口、23.シャッター、24.酸素ガス導入管、30.真空管

Claims (8)

  1. 非磁性支持体上に、少なくともナノ粒子層及びこれの上に真空薄膜形成技術により形成された磁性層を有して成る
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 上記非磁性支持体上に形成されるナノ粒子層が、ナノ粒子が単層に配置されたナノ粒子層より成る
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 上記非磁性支持体上に、酸化物層及びこの上に形成された有機シランより成るカップリング層を介して上記ナノ粒子層が形成されて成る
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 上記非磁性支持体上に、酸化物層及びこの上に形成された有機シランより成るカップリング層を介して上記ナノ粒子層が形成されて成る
    ことを特徴とする請求項2記載の磁気記録媒体。
  5. 上記ナノ粒子層のナノ粒子の粒径が、2nm以上8nm以下とされて成る
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  6. 上記ナノ粒子層のナノ粒子の粒径が、2nm以上8nm以下とされて成る
    ことを特徴とする請求項2記載の磁気記録媒体。
  7. 上記ナノ粒子層のナノ粒子の粒径が、2nm以上8nm以下とされて成る
    ことを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体。
  8. 上記ナノ粒子層のナノ粒子の粒径が、2nm以上8nm以下とされて成る
    ことを特徴とする請求項4記載の磁気記録媒体。
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