JP2005317159A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】更なる高記録密度および薄型化が図られるとともに十分な耐久性が確保されて、更なる大容量化が実現された磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】長尺状の非磁性支持体1の一方の面に磁性層2を有し、非磁性支持体1の他方の面に補強層3を有する磁気記録媒体10であって、磁性層2の厚みが20nm以上、50nm以下であり、非磁性支持体1の幅方向のヤング率Eと長手方向のヤング率Eとの関係がE/E>1であり、補強層3がCu、Al、Zn、Ag、Fe、Ni、Si、Ge、As、Fe-Ni合金、Fe-Cu合金、Al、ZnO、SiOのいずれかからなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高密度磁気記録媒体に関し、特に、磁気記録媒体の機械強度を向上させることを目的として長尺状の非磁性支持体上に補強層を設けた磁気記録媒体に関するものである。
近年、ビデオテープレコーダ等の分野における磁気記録媒体(以下、磁気テープと称する。)としては、さらなる高画質化及び高記録密度化を達成するために、直接非磁性支持体上に磁性金属材料、Co−Ni系合金、Co−Cr系合金、Co−CoO系金属酸化物等の各種磁性材料を真空薄膜形成技術により被着させて磁性層を形成した構成の、いわゆる金属薄膜型の磁気テープが適用されている。
さらに、上記のような磁気テープの電磁変換特性を向上させ、より大きな出力が得られるようにするため、磁気テープの磁性層を形成するに際し、磁性層をテープ長手方向の斜方に蒸着する、いわゆる斜方蒸着が提案され、この方法によって磁性層が形成された磁気記録テープ媒体は、ハイバンド8mmビデオテープレコーダ、デジタルビデオテープレコーダー用の蒸着テープとして実用化されている。
上述したような金属薄膜型の磁気テープは、保磁力や角型比に優れ、また磁性層を薄層に形成できることから、短波長領域での電磁変換特性に優れ、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さい。また、磁性粉を結合剤に分散させた磁性塗料を非磁性支持体に塗布して磁性層を形成するいわゆる塗布型の磁気テープと異なり、磁性層中に非磁性材料である結合剤が混入しないので、強磁性金属材料の充填密度が高められ、高記録密度化を図る際に有利であるという利点を有している。
一方、ビデオテープレコーダに使用されるテープ状の磁気記録媒体では、磁気テープが収納されるビデオカセットの小型化に伴い、より一層のコンパクト化と長時間記録化が望まれている。また、近年の情報量の増大化に伴い、テープストリーマー用の磁気テープにおいても大容量化が望まれている。カセット1巻辺りの記録容量を向上させる手法としては、記録密度を向上させて磁気テープ上に記録できる情報量を増やす手法と、磁気テープの厚みを薄くすることでカセット1巻あたりに巻くテープの量を増やす手法がある。とくに、後者の手法は記録フォーマットを変える必要が無いため、既存の磁気記録テープフォーマットの高容量化に用いることが可能である。
磁気テープの厚みを薄くする手法としては、非磁性支持体である高分子フィルムを薄くする方法が最も有効である。従来の非磁性支持体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の厚みは、例えば、家庭用ビデオテープレコーダの8mmテープ用途では7〜10μm程度であり、コンピュータのデータバックアップ用のテープストリーマー用途では5〜7μm程度であったが、この厚みを3〜6μm程度にすることが望まれていた。
しかしながら、非磁性支持体の剛性は、非磁性支持体のヤング率をE、厚さをtとしたときにE×tで表されることから、非磁性支持体の厚さを薄くすると、非磁性支持体の剛性が著しく低下し、耐久性が劣化する傾向にあった。そして、このように耐久性が劣化した非磁性支持体を用いた磁気記録媒体は、ビデオテープレコーダまたはドライブでの走行時に変形しやすくなったり、シワや折れ等が発生しやすくなったりした。特に、テープ状の非磁性支持体の幅方向における剛性が著しく低下すると、この非磁性支持体を用いて磁気テープを構成した場合に、磁気テープと磁気ヘッドとの当たりが悪くなり、結果的に再生出力の変動が生じてしまい、安定な記録再生特性が得られなかった。
これを補うため、非磁性支持体である高分子フィルム上に真空薄膜形成技術により金属補強層を形成することで、磁気テープの薄層化と適切な機械強度を保つ手法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。金属補強層は、同じ厚さの高分子フィルムよりも飛躍的に機械強度に優れており、わずかな厚みでも効果があり、結果として磁気テープの薄層化が可能であった。
特開2002−358629号公報 特開平11−283234号公報
しかしながら、最近記録密度の向上を目的として再生磁気ヘッドがインダクティブ型ヘッドから磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(GMRヘッド)への変更に伴ってヘッドの飽和防止のために磁性層の膜厚を薄くする必要が生じている。その結果、上記のような補強層を設けた磁気テープであっても耐久性が劣化してしまう場合があった。また、この場合、単に補強層を厚くすると記録再生特性に問題が生じることがあった。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、更なる高記録密度および薄型化が図られるとともに十分な耐久性が確保されて、更なる大容量化が実現された磁気記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明は、長尺状の非磁性支持体の一方の面に磁性層を有し、該非磁性支持体の他方面に補強層を有する磁気記録媒体であって、前記磁性層の厚みが20nm以上、50nm以下であり、前記非磁性支持体の幅方向のヤング率Eと長手方向のヤング率Eとの関係がE/E>1であり、前記補強層がCu、Al、Zn、Ag、Fe、Ni、Si、Ge、As、Fe-Ni合金、Fe-Cu合金、Al、ZnO、SiOのいずれかからなることを特徴とする磁気記録媒体である。
ここで、前記補強層の厚みが50nm以上、200nm以下であることが好ましい。
また、前記磁性層上に、炭素膜、潤滑剤層が順次形成されてなることが好適である。
本発明によれば、磁性層厚、補強層及び非磁性支持体の幅方向と長手方向のヤング率比が最適化されることにより、MRヘッドやGMRヘッドのような磁気抵抗型ヘッドでもヘッドの飽和が起きず、面記録密度の向上が図れるとともに、磁気記録媒体の厚みが非常に薄くても十分な剛性を有し、磁気記録媒体の厚み方向だけでなく特に幅方向に対しても十分な機械的強度が確保されて、磁気記録媒体の走行時の変形を防ぐことができ、耐久性を向上することができる。
すなわち、磁気記録媒体は十分な機械的強度を有し、長時間の走行においても形状が変化せず、磁気ヘッドとの当たりを良好な状態に保つことができ、さらに、GMRヘッド等の高感度のヘッドを使用できるため、優れた電磁変換特性、記録再生特性及び走行性を兼ね備えた磁気記録媒体を実現することができる。
また、本発明では、薄型化が図られても十分な強度が確保されるため、更なる大容量化に対応した磁気記録媒体を実現することができる。
以下に、本発明に係る磁気記録媒体の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る磁気記録媒体の構造を示す断面図である。
磁気記録媒体10は、長尺状の非磁性支持体1のおもて面上に、磁性層2および保護層4が順次形成されてなる構成を有している。また、非磁性支持体1の裏面上に補強層3が形成されてなる構成を有している。
非磁性支持体1は、従来の磁気テープにおいて用いられている公知の材料をいずれも適用できる。例えばポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタリンジカルボキシレート等のポリエステル系が好ましい
また、非磁性支持体1の幅方向のヤング率Eと長手方向のヤング率Eとの関係がE/E>1であることが好ましい。このヤング率比(E/E>1)の調整は、非磁性支持体1がテープとして延伸成膜されるときに延伸倍率を変えることにより行えばよい。
また、非磁性支持体1の厚みは、磁気テープの高容量化の観点から機械的強度の許す範囲で薄くすればよいが、3〜6μmが好ましい。
磁性層2は、真空下で強磁性金属材料を加熱蒸発させて被着させる真空蒸着法によって形成されるものである。磁性層2を形成する強磁性金属材料としては、この種の磁気記録媒体の作製に通常用いられる従来公知の金属材料や磁性合金をいずれも適用可能である。例えば、Co、Ni等の強磁性金属、Co−Ni系合金、Co−Fe系合金、Co−Ni−Fe系合金、Co−Cr系合金、Co−Pt系合金、Co−Pt−B系合金、Co−Cr−Ta系合金、Co−Cr−Pt−Ta系合金等の各種材料、あるいはこれらの材料を酸素雰囲気中で成膜し、膜中に酸素を含有させたもの、またはこれらの材料に一種または2種以上のその他の元素を含有させたものが挙げられる。また、これら強磁性金属を非磁性材料によって分離させた、CoCrPt−SiO2などの、いわゆるグラニュラー構造を持つものも挙げられる。さらには、上記強磁性金属を用いた層を、2層以上重ね合わせた構造となっていても良い。
磁性層2の厚みは、20〜50nmであることが好ましく、より好ましくは30〜40nmである。
補強層3は、非磁性支持体1の磁性層2が設けられる面とは反対面に形成されるものであり、補強層3を形成する材料としてCu,Al,Zn,Ag,Fe,Ni等の金属、Si,Ge,As等の半金属、Fe−Ni,Fe−Cu等の合金、Al、ZnO、SiO等の酸化物が挙げられる。補強層3としては、所望する機械的強度が得られれば良いことから、高価な貴金属等を用いる必要は無く、Al,Cu,Fe,これらの金属と酸素または窒素との化合物のいずれかであることがとりわけ望ましい。
また、補強層3の厚みは、50〜200nmであることが好ましい。
磁気記録媒体10は、非磁性支持体1のヤング率比が幅方向/長手方向>1(E/E>1)の関係にあり、さらに非磁性支持体1の磁性層2が形成される面とは反対側の面上に、補強層3が形成されているため、非磁性支持体1の厚みがより薄型化され、かつ磁性層2が薄層化されても磁気記録媒体10の厚さ方向だけでなく幅方向等の平面方向に対しても十分な剛性等の機械的強度が確保されて、耐久性が向上される。
そして、その結果、磁気記録媒体10は、形状の変形が抑制されて、シワや折れやカールの発生が極力防がれ、磁気ヘッドとの当たりを良好な状態で十分とることができ、より良好な電磁変換特性、記録再生特性及び走行性が実現される。
さらに、磁気記録媒体10は、非磁性支持体1の厚みが3〜6μmと薄く薄型化が図られて、更なる大容量化を実現することが可能となる。
また、磁気記録媒体10は磁性層2の厚みが20〜50nmであるため、GMRヘッド等の高感度のヘッドを用いてもヘッドの飽和が無く、良好な電磁変換特性が得られる。
なお、本発明の磁気記録媒体10においては、上記磁性層2と非磁性支持体1との間に、磁性層2の結晶粒子の微細化と配向性向上を目的として真空薄膜形成技術を用いて中間層(図示せず)を形成してもよい。
中間層を形成する技術としては、真空下で所定の材料を加熱蒸発させて被処理体に被着させる真空蒸着法、所定の材料の蒸発を放電中で行うイオンプレーティング法、およびアルゴンを主成分とする雰囲気中でグロー放電を起こし、生じたアルゴンイオンでターゲットの表面原子をたたき出すスパッタリング法等のいわゆる物理的成膜法(PVD法)等が挙げられる。
また、中間層を構成する材料としては、Co、Cu、Ni、Fe、Zr、Pt、Au、Ta、W、Ag、Al、Mn、Cr、Ti、V、Nb、Mo、Ru等の金属材料の他、これらの任意の2種類以上を組み合わせた合金、またはこれらの金属材料と酸素や窒素との化合物、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ITO(indium tin oxide)、In23、ZrO等の化合物、カーボン、ダイヤモンドライクカーボン等が挙げられる。
保護層4は、磁性層2の耐久性(走行耐久性、耐食性)を向上させるために該磁性層2上に形成される膜であり、ダイヤモンドライクカーボン等からなるが形成されることが望ましい。また保護層4は、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)連続膜形成装置を用いて、CVD法によって形成すればよい。CVD方式としては、メッシュ電極DCプラズマ方式、電子ビーム励起プラズマソース方式、冷陰極イオンソース方式、イオン化蒸着方式、触媒CVD方式等の従来公知の方式をいずれも使用することができる。
また、CVD方式に使用する炭素化合物としては、炭化水素系、ケトン系、アルコール系等の従来公知の材料をいずれも使用することができる。また、プラズマ生成時には、炭素化合物の分化を促進するためのガスとして、Ar、H2等が導入されていてもよい。
なお、上記保護層4上には、走行性を良好ならしめるために、例えばパーフルオロカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロポリエーテル等の潤滑剤を塗布して潤滑剤層5を形成してもよい。
また、磁性層2形成面側とは反対面側(裏面側)には、走行性の向上や帯電防止等を目的としてバックコート層6を形成してもよい。
バックコート層6は、例えば無機顔料等の固体粒子を結合剤樹脂中に分散させ、結合剤の種類に応じた有機溶剤とともに混練してバックコート層用塗料を調整し、これを非磁性支持体1の裏面側に塗布して形成されるものであり、膜厚0.2〜0.7μm程度であることが好適である。さらにバックコート層6の表面にも所定の潤滑剤を塗布することが望ましい。
本発明に係る磁気記録媒体10は、次の手順で製造するとよい。
(s1)磁性層の形成
磁性層2を形成するための連続巻き取り式の真空蒸着装置の概略構成を図2に示す。
上記非磁性支持体1を巻き取ったロールを真空蒸着装置100内に設置して、非磁性支持体1の上に磁性層2を形成する。
この真空蒸着装置100は、斜方蒸着用として用いられ、内部が高真空状態とされた真空室11内に、例えば、−20℃程度に冷却され図2中矢印A方向に回転する冷却キャン12と、この冷却キャン12と対向する位置に配された金属薄膜用の蒸着源13とを備える。この蒸着源13は、坩堝等の容器に強磁性金属材料が収容されたものである。
また、この真空蒸着装置100は、図示しない駆動源により回転駆動される送りロール14及び巻き取りロール15を備え、非磁性支持体1を冷却キャン12を介して連続して走行させる構成となっている。また、送りロール14と冷却キャン12との間、及び冷却キャン12と巻き取りロール15との間にはそれぞれガイドローラー20、21が配置され、走行する非磁性支持体1に所定のテンションがかけられ、非磁性支持体1が円滑に走行できるようになっている。
このような構成の真空蒸着装置100を用いて磁性層2を形成する際には、まず、この蒸着源13内の強磁性金属材料に対して、電子ビーム発生源16から加速出射された電子ビーム17を照射して、この強磁性金属材料を加熱蒸発させる。
ついで、この加熱蒸発された強磁性金属材料が、送りロール14に装着された非磁性支持体ロールから図中矢印方向に繰り出されて冷却キャン12の周面に沿って走行する非磁性支持体1上に蒸着されることにより、磁性層2が形成される。そして最終的に、磁性層2が形成された非磁性支持体1は、巻き取りロール15に巻き取られる。
このとき、蒸着源13と冷却キャン12との間には防着板18を設け、この防着板18にシャッタ19を位置調整可能に設けて、非磁性支持体1に対して所定の角度で入射する蒸着粒子のみを通過させる。このような斜方蒸着法によって所望の磁性層2を形成することができる。
さらに、このようにして磁性層2を形成するに際し、酸素ガス導入口24を介して非磁性支持体1の表面近傍に酸素ガスが導入されていることが好ましい。酸素ガスを導入することで、磁性層2の磁気特性、耐久性及び耐候性を向上させることができる。
また、蒸着源13を加熱するためには、上述のような電子ビームにより加熱手段の他に、例えば、抵抗加熱手段、高周波加熱手段、レーザ加熱手段等の公知の手段を使用しても良い。
なお、磁性層2を形成する方法としては、ここで示した斜方蒸着法の他に垂直蒸着法やスパッタリング法等の公知の薄膜形成法を適用してもよい。
(s2)保護膜の形成
次に、磁性層2の摩耗を防止するため、該磁性層2上に、CVD蒸着法により、保護層4を形成することが望ましい。このとき、保護層4は、スペーシングロスを極力抑え、且つ、磁性層2の摩耗防止の効果を得られるように、その厚さを3〜10nmとすることが好ましく、5〜8nmとすることがより好ましい。
なお、保護層4の形成方法としては、このCVD蒸着法の他に、イオンビームスパッタやイオンビームプレーティング法等の公知の薄膜形成方法を用いることができる。また、この保護膜の表面に潤滑剤を塗布することが好ましい。
(s3)補強層の形成
次に、非磁性支持体1の磁性層2とは反対側に磁性層2と同様の方法で補強層3を形成する。すなわち、補強層3を形成するために坩堝等の容器にはCu,Al,Zn,Ag,Fe,Ni,Si,Ge,As等の材料を挿入しておき、電子ビームにより加熱蒸発させて非磁性支持体1上への蒸着を行う。なお、2元合金組成の補強層3を形成する場合には2種類の材料を別々に蒸発させる2元蒸着を行えばよく、酸化物組成の補強層3を形成する場合には酸素ガスを導入しながら蒸着を行えばよい。
(s4)バックコート層の形成
その後非磁性顔料や結合剤を含有するバックコート層用塗料を調整して、補強層3上に、当該バックコート層用塗料を塗布してバックコート層6を形成する。
(s5)裁断
最後に、このように強磁性金属薄膜、保護膜及びバックコート層が形成された磁気記録媒体10の原反を長さ方向に沿って所定幅に裁断して磁気テープを作製する。
以上のような工程を経ることにより、磁気記録媒体10を得る。
以下、本発明の磁気記録媒体の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
非磁性支持体1として、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、以下に示す手順で磁気記録テープ媒体10を作製した。
なお、非磁性支持体1の原反を幅10mm、長さ100mmの大きさに幅方向及び長手方向にそれぞれ切り抜いて試験片とし、この試験片を引張試験器にて引張速度10mm/分で引っ張り、0.05%〜0.1%の伸びを与える荷重を測定して、これよりヤング率を算出したところ、このフィルムの幅方向のヤング率Eは6.0GPa、長手方向のヤング率Eは5.5GPaであった。
(s11)まず、図2に示した真空蒸着装置100を用いて磁性層2を形成する。原料の金属磁性材料としてCoを蒸着源13に挿入し、電子ビーム発生源16から電子ビーム17を蒸着源13内のCoに照射して加熱、蒸発させて、真空蒸着を行った。この方法により、非磁性支持体1のおもて面上に膜厚40nmのCoからなる磁性層2を形成した。
(s12)次に、非磁性支持体1の磁性層2形成面側とは反対側(裏面側)の主面に、図2に示した真空蒸着装置100を用いて補強層3を形成する。原料の金属磁性材料としてCuを蒸着源13に挿入し、非磁性支持体1の裏面上に膜厚が100μmのCuからなる補強層3を形成した。
(s13)次に、プラズマCVD法によって、上記磁性層2上に膜厚10nmの炭素膜を保護層4として形成した。
(s14)次に、保護層4上にパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を塗布乾燥して潤滑剤層5を形成し、目的とするテープ素材を得た。
以上のようにして作製したテープ素材をスリッタで8mm幅に裁断して磁気テープサンプルを得た。
得られたサンプルについて、電磁変換特性、ヘッドとの当たり特性、走行耐久性を評価した。
(1)電磁変換特性
ソニー株式会社製のAITドライブ(商品名SDX―S500C)を改造したものを用いてサンプルの電磁変換特性を測定した。記録は波長0.48μmで行い、実施例1のサンプルのC/Nをリファレンスとして、相対評価を行い、−0.5dB以上を良好、−0.5dB未満を不良と評価した。
(2)ヘッドとの当たり特性の評価
ヘッドとの当たり評価には、ソニー株式会社製のAITドライブ(商品名SDX―S500C)を改造したものを用いて行った。記録は波長0.48μmで行い、磁気テープサンプルの再生時における出力信号、つまり当たり波形を1トラック分で見た場合の出力信号の最小値/最大値(%)を測定し、10%未満を良好、10%以上を不良と評価した。
(3)走行耐久性
走行耐久性の評価として、磁気テープサンプルの170m長を100パス走行させ、100パス走行後のテープエッジの形状を目視観察してダメージ(劣化)の有無で評価した。
(実施例2,3)
実施例1の磁性層2の厚みをそれぞれ20,50nm、補強層3の厚みをそれぞれ50,200nmとし、それ以外は実施例1と同じ条件でサンプルの磁気テープを作製し、評価した。
(実施例4)
実施例1において、補強層3の材料をAlとし、それ以外は実施例1と同じ条件でサンプルの磁気テープを作製し、評価した。
(試験例1,2)
実施例1の磁性層2の厚みをそれぞれ15,55nmとし、それ以外は実施例1と同じ条件でサンプルの磁気テープを作製し、評価した。
(試験例3,4)
実施例1の補強層3の厚みをそれぞれ30,250nmとし、それ以外は実施例1と同じ条件でサンプルの磁気テープを作製し、評価した。
(試験例5)
実施例1の非磁性支持体1フィルムの幅方向のヤング率Eを5GPa、長手方向のヤング率Eは5.5GPaとし、それ以外は実施例1と同じ条件でサンプルの磁気テープを作製し、評価した。
以上の結果を表1に示す。
実施例1〜4では、良好な電磁変換特性及びヘッドとの当たり特性を有し、テープ走行時のテープエッジの劣化も認められなかった。
これに対して、試験例1〜5ではつぎの点で不良であった。
・試験例1;磁性層が薄すぎるために磁気特性が低く、電磁変換特性が悪くなっていた。
・試験例2;磁性層が厚すぎるために、GMRヘッドの飽和やノイズの増加により電磁変換特性が悪くなっていた。
・試験例3;補強層が薄いために、充分な強度が得られず、ヘッドとの当たり特性が低く、テープ走行時のテープエッジの劣化が認められた。
・試験例4;補強層が厚すぎるために、テープの強度が高すぎ、テープエッジに劣化が認められた。また、当たり特性は良いが、電磁変換特性が低かった。
・試験例5;非磁性支持体のヤング率比(E/E)が1より小さいために、充分な強度が得られず、ヘッドとの当たり特性が低く、走行耐久性も不良であった。
Figure 2005317159
本発明に係る磁気記録媒体の構成を示す断面図である。 本発明に係る磁気記録媒体の磁性層、補強層を形成するための連続巻き取り式の真空蒸着装置の概略構成図である。
符号の説明
1…非磁性支持体、2…磁性層、3…補強層、4…保護層、5…潤滑剤層、6…バックコート層、10…磁気記録媒体、11…真空室、12…冷却キャン、13…蒸着源、14…送りロール、15…巻き取りロール、16…電子ビーム発生源、17…電子ビーム、18…防着板、19…シャッタ、20,21…ガイドローラ、22…排気口、24…ガス導入口

Claims (3)

  1. 長尺状の非磁性支持体の一方の面に磁性層を有し、該非磁性支持体の他方の面に補強層を有する磁気記録媒体であって、
    前記磁性層の厚みが20nm以上、50nm以下であり、
    前記非磁性支持体の幅方向のヤング率Eと長手方向のヤング率Eとの関係がE/E>1であり、
    前記補強層がCu、Al、Zn、Ag、Fe、Ni、Si、Ge、As、Fe-Ni合金、Fe-Cu合金、Al、ZnO、SiOのいずれかからなることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記補強層の厚みが50nm以上、200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記磁性層上に、炭素膜、潤滑剤層が順次形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
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