JP2006065169A - 自動現像機及び平版印刷版の製版方法 - Google Patents

自動現像機及び平版印刷版の製版方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 感光性平版印刷版原版と平版印刷用ダミー版原版のための別々の現像処理ラインを用意することなく経済的に処理でき、感光性平版印刷版原版及び平版印刷用ダミー版原版が混在して供給される場合でも、双方に対し安定した製版品質を維持することが可能で、製版処理に要する時間を短縮できる自動現像機及び平版印刷版の製版方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る自動現像機には、平版印刷版を搬送する第1搬送路と、第1搬送路に接続された現像部と、現像部に接続され、現像処理済みの平版印刷版が搬送される第2搬送路と、第2搬送路に接続された水洗部と、水洗部に接続され、水洗処理済みの平版印刷版が搬送される第3搬送路と、第1搬送路に接続され、平版印刷版を前記現像部に搬送することなく、第2の搬送路に搬送するための第4搬送路とが備えられている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、本発明はCTP製版システムにより製版する平版印刷版用現像処理装置に関する。
カラーの新聞印刷(多色印刷)において一部の紙面を2色又は1色で印刷を行う必要がある場合には、使用しない版胴には、全面が非画像部となるダミー版原版を取り付けて印刷を行うことがある。また、このような新聞印刷には、CTP(コンピュータートゥ プレート)製版システムが用いられるが、これまで、このCTP製版システム専用のダミー版原版はなく、コンベンショナルPS版用ダミー版原版(例えば、特許文献1、2、及び3参照。)をコンベンショナルPS版用の自動現像機で現像処理して製版し、ダミー版原版として用いていた。
特開平3−175090号公報 特許2951907号公報 特開平11−240266号公報
しかしながら、このような方法は、不経済であり、しかも、感光性平版印刷版原版とダミー版原版とで現像処理部が異なることから現像処理が2ラインとなり、CTP製版システムにおけるライン設置に広い場所も必要であり、更に、経済的な負担も大きいという問題を有していた。
また、CTP製版システムにおいて1つの自動現像機で感光性平版印刷版原版とダミー版原版とを処理したとしても、両者の層構成や塗布されている材料や塗布量が異なり、感光性平版印刷版原版を現像処理するに必要な工程でも、ダミー版原版には不必要な工程にも関わらず、感光性平版印刷版原版と同様な現像処理を行わなければならないという問題が生じ、製版時間の無駄が生じていた。
本発明は、前記従来の課題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、感光性平版印刷版原版と平版印刷用ダミー版原版とを共通のCTP製版システムで製版する自動現像機及び平版印刷版の製版方法であって、感光性平版印刷版原版と平版印刷用ダミー版原版のための別々の現像処理ラインを用意することなく経済的に処理でき、しかも、感光性平版印刷版原版及び平版印刷用ダミー版原版が混在して供給される場合であっても、双方に対し安定した製版品質を維持することが可能で、また、製版処理に要する時間の短縮を図ることができる自動現像機及び平版印刷版の製版方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成によって達成される。
(1)平版印刷版を搬送する第1搬送路と、
前記第1搬送路に接続された現像部と、
前記現像部に接続され、現像処理済みの前記平版印刷版が搬送される第2搬送路と、
前記第2搬送路に接続された水洗部と、
前記水洗部に接続され、水洗処理済みの前記平版印刷版が搬送される第3搬送路と、
前記第1搬送路に接続され、前記平版印刷版を前記現像部に搬送することなく、前記第2の搬送路に搬送するための第4搬送路とが備えられたことを特徴とする自動現像機。
(2) 前記現像部及び第4搬送路に接続され、前記平版印刷版を前記水洗部に搬送することなく第3の搬送路に搬送するための第5版走路が設けられていることを特徴とする上記(1)に記載の自動現像機。
(3) 前記第1搬送路には、該第1搬送路と前記現像部との間の搬送経路と前記第1搬送路と前記第4搬送路との間の搬送経路とのうち、一方の搬送経路に切り換え可能な経路切換部が設けられていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の自動現像機。
(4) 前記第2搬送路には、前記平版印刷版を前記水洗部へ搬送する経路と前記第5搬送路へ搬送する経路とのうち一方の経路に切り換え可能な経路切換部が設けられていることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の自動現像機。
(5) 前記第1搬送路には、前記平版印刷版を加熱する加熱部と、プレ水洗処理を行うプレ水洗部とが設けられていることを特徴とする上記(1)から(4)のうちいずれか1つに記載の自動現像機。
(6) 前記第1搬送路には、前記加熱部及び/又は前記プレ水洗部での処理をすることなく前記平版印刷版を搬送する第6搬送路が設けられていることを特徴とする上記(5)に記載の自動現像機。
(7) 前記第3搬送路には、前記平版印刷版にガム処理を行うガム部と前記平版印刷版に乾燥処理を行う乾燥部とが接続され、前記ガム部及び/又は前記乾燥部での処理をすることなく前記平版印刷版を搬送する第7搬送路が設けられていることを特徴とする上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の自動現像機。
(8) 前記第3搬送路と前記ガム部との間には前記平版印刷版を該ガム部へ搬送する経路と前記第7搬送路との間で切り換え可能な経路切換部が設けられ、前記ガム部と前記乾燥部との間には、前記平版印刷版を該乾燥部へ搬送する経路と前記第7搬送路との間で切り換え可能な経路切換部が設けられていることを特徴とする上記(7)に記載の自動現像機。
(9) 平版印刷版を上記(1)から(8)のうちいずれか1つに記載の自動現像機で処理することを特徴とする平版印刷版の製版方法。
本発明の現像処理装置によれば、感光性平版印刷版原版と平版印刷用ダミー版原版とを共通のCTP製版システムで製版する製版方法であって、感光性平版印刷版原版と平版印刷用ダミー版原版のための別々の現像処理ラインを用意することなく経済的に処理でき、しかも、感光性平版印刷版原版及び平版印刷用ダミー版原版が混在して供給される場合であっても、現像処理に要する時間の短縮を図ることができる現像処理方法を提供することが出来る。
以下、発明の実施形態について詳細に説明する。
感光性平版印刷版原版及び平版印刷用ダミー版原版を、レーザー光照射による露光処理を行う露光処理部と、現像処理を行う現像処理部と、をこの順に備えたCTP製版システムを用いて製版する製版方法であって、前記露光処理部で識別された、感光性平版印刷版原版と平版印刷用ダミー版原版との現像処理を行う場合、例えば、感光性平版印刷版原版ではプレ水洗工程、現像工程、水洗工程、フィニッシャー工程、乾燥工程と処理するのに対し、平版印刷用ダミー版原版では前記プレ水洗工程が必要でない。このように、平版印刷版原版と平版印刷用ダミー版原版とで現像処理の工程が異なる場合に本発明の別搬送系を使用することで処理時間の短縮が可能となる。
具体的には、感光性平版印刷版原版を基本の搬送系で処理したあと、平版印刷用ダミー版原版を処理する場合、平版印刷用ダミー版原版はプレ水洗工程が不必要である。その為、露光処理部で版の種類を検出した信号を現像処理装置に送ることにより、露光処理部から現像処理部に入った平版印刷用ダミー版原版は、別の搬送系に振り分けプレ水洗工程を省略して搬送する。このとき搬送速度は基本の搬送速度より速く設定してある。現像工程前に基本の搬送系への切り換えを行い、現像工程に挿入する。これにより、従来の基本搬送系の処理時間に比べ、プレ水洗工程を別搬送系で搬送することにより処理時間の短縮が図られる。
また、他版材は水洗工程、フィニッシャー工程、乾燥工程だけが必要な場合、露光処理部から現像処理に入った時、別搬送系に振り分け基本搬送系より早い速度でプレ水洗工程、現像工程を省略し水洗工程前迄搬送する、ここで基本搬送系へ切り換えし水洗工程に挿入する。これにより、従来の基本搬送系の処理時間に比べ、プレ水洗工程、現像工程を別搬送系で搬送することにより処理時間の短縮が図られる。
例えば、検版目的でフィニッシャー工程、乾燥工程が必要でない場合、露光処理部で目的の設定を行い、露光処理部終了後、現像処理部版送系で処理を開始する。水洗工程後フィニッシャー工程前で別搬送系に切り換え、フィニッシャー工程、乾燥工程を省略し搬送することにより処理時間の短縮が図られる。
なお、本明細書においては、版面形成前の版材を平版印刷版原版(印刷版原版)、捨て版原版と称し、版面形成後の版材を平版印刷版(印刷版)、捨て版と称することとする。
(CTP製版システム)
まず、本発明における実施形態の一例のCTP製版システムについて説明する。
本発明におけるCTP製版システムは、少なくとも、感光性平版印刷版原版及び平版印刷用ダミー版原版を、レーザー光照射による露光処理を行う露光処理部と、現像処理を行う現像処理部と、をこの順に備える。
以下、本発明におけるCTP製版システムの例示的一態様について、図面を参照して詳細に説明する。ここで、図1は、本発明に係るCTP製版システムの例示的一態様の概略構成を示す斜視図である。
図1に示されるように、CTP製版システム100は、レーザー光照射による露光処理を行う露光処理部としてのプレートセッター10と、必要であれば、加熱処理部としての加熱オーブン40と、現像処理を行う現像処理部としての自動現像機60と、を備えている。また、これら各部は、制御装置95としてのコンピュータに接続されており、更に上位のシステムとリンクするためのコンピューターシステムが構築されている。
本形態においては、プレートセッター10には、感光性平版印刷版原版やダミー版原版が露光部へと供給される前に、その両版を識別するためのカラーセンサー(図示せず)が設けられており、この識別結果を制御装置95に伝える。制御装置95は、この識別結果を基に、CTP製版システム100を構成している各部の動作を版の種類に応じて変更可能にするために、処理する版が感光性平版印刷版原版及びダミー版原版の何れであるかを示す識別信号を、プレートセッター10、加熱オーブン40、及び自動現像機60にそれぞれ出力する。
プレートセッター10は、例えば、感光性平版印刷版原版をレーザー光照射によって露光する露光部と、この露光部への印刷版原版の供給及び排出を行うプレート給排機構と、カラーセンサー機構と、これらを統括して制御する制御部(制御手段)と、版面形成前の印刷版原版やダミー版原版を格納しておくプレート収納カセットと、印刷版原版やダミー版原版の表面を保護するために密着装備されている合紙を剥がして廃棄するための合紙ゴミ箱と、を備えた構成である。
また、処理する版が印刷版原版かダミー版原版の何れかであるかを、制御装置95から送信された識別信号によって、プレートセッター10内の制御部が検知するようになっている。
前記露光部としては、プレート給排機構から供給される印刷版原版を露光用ドラムの外周に巻き付けて、露光用ドラムを回転させながら、巻き付けた印刷版原版の表面にレーザ光源からレーザ光を照射して、画像の露光を行うアウタードラム方式の他、ドラム内面に印刷版原版を吸着装備して、ドラムの中心に廃した光源を回転させて露光するインナードラム方式のもの、更には、印刷版原版を平面状のベッドに固定しておいて、レーザ光源を縦横に操作することで露光するフラットベッド方式のものも採用可能である。
また、露光に用いるレーザ光源は、ガイドレールによって、ドラムの軸方向に移動走査可能にされていて、制御装置95を構成するコンピュータで処理した画像情報に基づいて、レーザ照射を行う。レーザ光による走査は、例えば、ドラムの回転方向が主走査方向、ドラムの軸方向が副走査方向とされる。
また、本発明におけるレーザ光源としては、レーザー光照射が可能であれば制限なく用いられ、好ましくは、700〜1200nmの赤外領域で発振する高出力の半導体レーザや、1064nmのYAGレーザが知られているが、特に、830nmの半導体レーザが高出力で好適である。
プレート給排機構は、プレート収納カセットに収納されている印刷版原版を露光用ドラムに移す。また、プレート収納カセットに収納されている版がダミー版原版の場合は、露光処理を行う必要がないため、次の工程へと搬出する。なお、ダミー版原版も露光用ドラムに装着され、露光されずに、装着が解除されてから次の工程へと搬出されてもよい。
各原版の表面に装着されている合紙は、露光される前に取り除かれる必要がある。本発明においては、印刷版原版やダミー版原版の表面に合紙が装着されていても、通常、白色である合紙は、前記カラーセンサー機構により両版と識別することができる。そのため、所定の手段を用いることで、合紙を取り除くことができる。
ここで、版面に当接している合紙を取り除く手段としては、吸着手段を利用するタイプ、また、風圧で合紙を吹き飛ばすタイプのものや、合紙への帯電を利用して版面から剥離させるタイプのものなど、公知の各種の機構を利用することが可能である。取り除かれた合紙は、合紙ゴミ箱に廃棄処理される。
露光処理を済ませた印刷版原版は、露光用ドラムからプレート搬出機構により次の工程へと搬出される。また、ここで、印刷版原版の種類によっては、プレートセッター10と自動現像機60との間に加熱オーブン40を導入してもよい。更に、両版を移載する際に、版の種類(印刷版原版とダミー版原版)や合紙の有無を、各所に設けたセンサ等によってチェックしても構わない。
以上のプレートセッター10として、市販装置では、例えば、CreoScitex社TrenndsetterNews200、KPG社NewssetterTH180、富士写真フイルム社LuxelT−9000CTP、Krause社LaserStar170T、大日本スクリーン社HS、松下電送社サーマルセッターGX9900、NEC社サーマルセッターAmzisetter、Creo社サーマルセッター等に、少なくとも、版の種類を識別するためのカラーセンサー機構を設け、該カラーセンサーによる識別結果を基に次なる処理方法を判断し得る制御装置95から識別信号を受信可能に改良することで、使用することが可能である。
以上のプレートセッター10を用いた本発明の製版方法における露光処理について具体的に説明する。
まず、プレート収納カセットに収納された印刷版原版及びダミー版原版の表面に合紙が装着されている場合は、自動合紙取り機構によって合紙が剥離除去される。そして、合紙が除去された版が印刷版原版の場合は、露光部の露光用ドラムに装着されて、レーザ光源によるレーザー光照射によって画像露光される。そして、露光処理を終えた露光用ドラム上の印刷版原版は、露光用ドラムから剥離され、次工程へと搬出される。一方、合紙が除去された版がダミー版原版の場合は、露光処理されずに、次工程へと搬出される。
加熱オーブン40は、場合により必要となる。例えば、レーザー光露光で発生した感光層中の酸を用い加熱により架橋させて画像部を形成したり、レーザー光露光で発生した感光層中のラジカルを用い加熱により重合を促進させ画像部を形成することができる。
具体的には、加熱オーブン40は、図2に示すように、版に所定の加熱を行うための加熱手段42を有する加熱ゾーン43と、加熱処理後の版を冷却するファン44等を有する空冷ゾーン45と、これら加熱ゾーン43と空冷ゾーン45とに版を順次搬送するための金属製の搬送ベルトを有するは搬送手段としての搬送コンベヤ46と、該コンベヤ46の搬送ベルトを懸架する搬送ローラ47を駆動するモータ駆動部48と、少なくともこのモータ駆動部48の動作を制御する制御部51と、を備えた構成である。この構成によれば、モータ駆動部48が搬送ローラ47の少なくともいずれかを駆動することで搬送コンベヤ46の搬送ベルトが移動して、搬送ベルト上に載置された版を、プレートセッター10側から加熱ゾーン43、空冷ゾーン45を通過して、自動現像機60側に搬出するようになる。
なお、搬送コンベヤ46による搬送速度が可変となるように、モータ駆動部48は、回転速度が増減可能なモータ駆動回路を採用していてもよい。
制御部51は、制御装置95から送信された識別信号によって、処理する版が印刷版原版又はダミー版原版の何れであるかを検知して、検知した版の種類に応じて、モータ駆動部48を制御することで、加熱オーブン40内での版の通過速度を切り換える。従って、制御部51が搬送速度の速度切り換え手段として機能する。
つまり、ダミー版原版の場合は、印刷版原版のように露光した感光層が無いので、印刷版原版と同じ加熱は必要がない。そこで、ダミー版原版の場合は、印刷版原版の場合よりも通過速度を高め、高速搬送するように設定する。
この加熱オーブン40としては、市販品では、例えば、Wisconsin社OvenSPCシリーズ、Unigraph社OvenCPOシリーズに、前記識別信号に応じて版の通過速度を変更する手段を追加することで、これを使用することができる。
自動現像機60は、図3に自動現像機の概略的な一構成例を示すように、例えば、印刷版原版やダミー版原版を現像処理するための現像部61、現像後の版に付着した現像液を洗い流す水洗部63、ガム液を塗布するフィニッシャー部65、及びガム液塗布後の版を乾燥する乾燥部67が、この順で配設されている。
そして、現像部61の挿入口70には、版の搬入を検知するセンサ68が装備されていて、該センサ68によって版の搬入が検出されると、搬送手段72によって、現像部61、水洗部63、フィニッシャー部65、乾燥部67に順に送られて、排出口74から排出される。なお、場合により、加熱オーブン40の代わりに現像部61の前段にプレヒート部を設けてもよし、加熱部分がなくてもよい。
搬送手段72は、複数個の搬送ローラ76によって、版を所定の経路で搬送するようにしたものである。搬送手段72を構成している各搬送ローラ76は、モータ駆動部78により駆動される。また、モータ駆動部78の動作は、制御部80によって制御されるようになっている。なお、搬送手段72における搬送速度が可変となるように、モータ駆動部78は、搬送速度が可変となるように、モータ駆動部78は、回転速度が増減可能なモータ駆動回路を採用していてもよい。
制御部80は、制御装置95から送信された識別信号によって、処理する版が印刷版原版かダミー版原版の何れであるかを検知して、検知した版の種類に応じて、モータ駆動部78を制御することで、自動現像機60内での版の通過速度、特に、現像部61での通過速度を切り換える。従って、制御部80が搬送速度の速度切り換え手段として機能する。
つまり、ダミー版原版の場合は、表面を保護するために樹脂層を有しているが、その塗布量は印刷版原版の感光層のように多くないので、印刷版原版と同じ現像時間は必要ない。そこで、ダミー版原版の場合には、印刷版原版の場合よりも現像部61における通過速度を高め、高速搬送するように設定する。
ここで、自動現像機60の各部について、以下に補足説明する。
現像部61では、挿入口70に供給される印刷版原版及びダミー版原版等の版3を現像層81に貯めた所定濃度のアルカリ現像液82中に挿通させ、アルカリ現像液82中に配備されたモルトンローラ又はブラシローラ64で版の表面を掻き擦ることで、印刷版原版の場合は未露光部を除去し、ダミー版原版の場合は、非感光性樹脂層を除去する。
現像層81には、版の処理等に応じたアルカリ現像液82の劣化・消耗を補うために、現像補充原液(濃縮現像液)や薄め液(通常は、蒸留水)を適時補充する。また、図示はしていないが、現像層81内のアルカリ現像液82は、ヒータやクーラーによって温度制御される。
なお、現像補充原液や薄め液を補充する際、印刷版原版とダミー版原版とでは塗布している素材や塗布量が異なるために、アルカリ現像液82の常に一定の補充量ではpHや電導度等を一定に管理することができない。そこで、本発明においては、印刷版原版及びダミー版原版のそれぞれの版の処理量(処理割合)に応じて、現像補充原液や薄め液等の液補充量を変更することにより、現像層81内のアルカリ現像液82のpHや電導度等を適正な状態に維持することができる。
より具体的には、制御部80は、制御装置95から送信された識別信号によって、処理する版が印刷版原版かダミー版原版の何れであるかを検知して、検知した版の種類に応じて、現像補充原液や薄め液等の液補充量を制御することで、現像層81内のアルカリ現像液82のpHや電導度等を適正な状態に維持する。これにより、ダミー版原版の現像処理によってアルカリ現像液82の性状が不安定になることを防止することができる。
つまり、ダミー版原版の場合は、表面を保護するために樹脂層を有しているが、その塗布量は印刷版原版の感光層のように多くないので、印刷版原版と同じ量の液補充量は必要ない。そこで、制御部80が実施する液補充量は、現像処理する版がダミー版原版であるときは液補充量を印刷版原版の場合より少なく設定することで、版の構成成分の相異に起因するアルカリ現像液82の劣化度の違いを補う。
また、自動現像機60の電源のON、OFFに拘わらず、現像層81内のアルカリ現像液82は大気中の炭酸ガスとの接触でpHが自然に低下するので、印刷版原版及びダミー版原版の処理量とは別に、炭酸ガスで低下したpHを一定に回復させる為に、経過時間に応じて前述の現像補充原液及び薄め液の補充を行う。
水洗部63では、現像後の版の表面に残っているアルカリ現像液を除去し、次工程のフィニッシャー部65へのアルカリ液持ち込みを減少させる目的で、版をノズル84から噴射する水で水洗する。よって、特に印刷版原版及びダミー版原版を区別することなく、水洗用の水を貯めた水洗槽83には、貯留する水洗水が劣化しないように給水槽(図示せず)から洗浄水の補充が適宜になされる。
また、自動現像機60の電源をONにしている場合やOFFにしている場合、水が自然に揮発する分を補うように、水洗槽83には揮発する分と同じ量の水洗水を補給してもよい。
フィニッシャー部65では、版の表面に規定濃度のガム85を塗布し、アルカリ性となった印刷版原版の感光層を酸性に戻して現像による画像部のダメージを抑制すると共に、非画像部の汚れや傷を防止する。規定濃度のガム85は、画像部と非画像部に関係なく全面に塗布されるため、塗布するガム85を貯留するガム貯留槽86には、印刷版原版及びダミー版原版を区別することなく、版の処理量に応じてガム補充原液及び希釈液を補充すればよい。
なお、自動現像機60の電源をONにしている場合やOFFにしている場合、自然に水が揮発するために、この場合も、印刷版原版及びダミー版原版の処理量とは別に揮発した水と同じ量の水を補充することが好ましい。
本態様の場合、フィニッシャー部65のガム貯留槽86への希釈液の補充は、水洗部63へ水を供給するポンプ84が兼ねており、この共用によって、構成の簡略化が図られている。また、フィニッシャー部65のガム貯留槽86へのガム補充原液の補充は、ガム補充原液を貯めた図示しないガム原液貯留槽から行われる。以下、本実施形態において、フィニッシャー部をガム部ともいう。
以上の水洗水及びガムの補充は、版の処理量に応じた液補充が実現されるように、前記制御部80、又は同様の制御部によって制御される。
乾燥部67は、ブロワー等の温風供給手段や発熱手段等の乾燥手段91が設けられており、温風を印刷版及びダミー版に吹き付けて、版に塗布されたガム液を乾燥させている。乾燥部67により乾燥された印刷版及びダミー版は排出口74から排出される。
以下に、本発明に係る自動現像機の一構成例について説明する。図4は、本発明に係る自動現像機の一実施形態を示す説明図である。この構成の自動現像機1は、プレ水洗部を有しており、酸素遮断性のオーバーコート層を有する重合性感光性印刷版原版の場合に使用される。図4に示されるように、自動現像機1は、加熱部11、プレ水洗部12、現像部13、水洗部14、ガム部15、及び乾燥部16を順次有してなる。なお、加熱部11は、場合によっては無くてもかまわない。
プレ水洗部12では、重合性感光性印刷版原版の酸素遮断層のオーバーコート層を水洗除去する。現像処理が進むにつれて、プレ水洗部12の水洗槽に溶解した水溶性樹脂濃度が増加し、溶解除去性が劣り、カスが発生するために、水の補充が必要である。一方、ダミー版原版には酸素遮断層が設けられていないため、ダミー版原版が処理される場合には、水の補充は不要である。
本発明においては、重合性感光性印刷版原版及びダミー版原版のそれぞれの版の処理量(処理割合)に応じて水の補充量を変更することで、プレ水洗部12の水洗槽内の水を適正な状態に維持することができる。
なお、自動現像機1の電源をONにしている場合やOFFにしている場合に、プレ水洗部12の水洗槽から水が自然に揮発するために、重合性感光性印刷版原版及びダミー版原版の処理量とは別に揮発する水と同じ量の水を補充することが好ましい。
現像部13では、アルカリ現像液により重合性感光性印刷版原版の未露光部を除去すると共に、ダミー版の保護層(樹脂層)を除去する。重合性感光性印刷版原版とダミー版とでは塗布している素材や塗布量が異なるために、同じ補充量では、アルカリ現像液のpHを一定に管理することができない。そのため、上述の図3に示される自動現像機60における現像部61と同様に、重合性感光性印刷版原版及びダミー版原版のそれぞれの版の処理量(処理割合)に応じて、水、現像補充原液等の補充量を変更することにより、現像部13のアルカリ現像液のpH等を適正な状態に維持することができる。
なお、自動現像機1の電源をONにしている場合やOFFにしている場合、大気中の炭酸ガスでpHが自然に低下するので、重合性感光性印刷版原版及びダミー版原版の処理量とは別に炭酸ガスで低下したpHを一定に回復させる為の補充を行うことが好ましい。
水洗部14では、現像後の版の表面に残っているアルカリ現像液を除去し、次工程のガム部15へのアルカリ液持ち込みを減少させる目的で、版を水洗する。よって、特に重合性感光性印刷版原版及びダミー版原版を区別することなく、水洗水が劣化しないように同じ量を補充すればよい。なお、自動現像機1の電源をONにしている場合やOFFにしている場合、水が自然に揮発する分を補うように、揮発する分と同じ量の水を別に補充することが好ましい。
ガム部15では、ガムを塗布し、アルカリ性となった印刷版原版の感光層を酸性に戻して現像による画像部のダメージを抑制すると共に非画像部の汚れや傷を防止する。ガムは、画像部と非画像部に関係なく全面に塗布されるため、重合性感光性印刷版原版及びダミー版原版を区別することなく、同じ量のガム補充原液等を補充すればよい。なお、自動現像機の電源をONにしている場合やOFFにしている場合、自然に水が揮発するために、重合性感光性印刷版原版及びダミー版原版の処理量とは別に揮発した水と同じ量の水を補充することが好ましい。
乾燥部16は、温風供給手段や発熱手段等の乾燥手段が設けられており、温風を印刷版及びダミー版に吹き付けて、版に塗布されたガム液を乾燥させる。
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態の自動現像機の別搬送系について説明する。図5は、図4に示す自動現像機の処理の流れを概略的に示したブロック図である。自動現像機1は、自動現像機1の版押入口と版出口に搬送方向を切り換え可能な経路切換部21を備えている。また、自動現像機1は、加熱部11とプレ水洗部12の間、プレ水洗部12と現像部13の間、現像部13と水洗部14の間、水洗部14とガム部15の間、ガム部15と乾燥部16との間に平版印刷版の搬送方向を切り換え可能な経路切換部23を備えている。この図の自動現像機1の状態では、平版印刷版が加熱部11によって加熱処理される経路に搬送されずスキップ後、プレ水洗部12から挿入し以後の工程全てを行い排出される。
別搬送系は、版を順次搬送するためのゴム製の搬送ベルトを有する搬送手段としての搬送コンベヤ22と、該コンベヤ22の搬送ベルトを懸架する図示しない搬送ローラーを駆動するモーター駆動部24と、少なくともこのモーターを駆動部25の動作を制御する制御部24と、を備えた構成である。
なお、搬送コンベヤ22による搬送速度が可変となるように、モーター駆動部24は、回転速度が増減可能なモーター駆動回路を採用しても良い。
更に、自動現像機1の版押入口と版出口に設けられた切換部21は、金属板を用い図示しないソレノイドやエアーシリンダー等で角度を変更できる。切換部21が、少なくとも該切換部21の金属板の動作を制御する制御部26に接続されている。
各工程間に設けた経路切換部23は、金属板を用い、切り換えが必要でない場合搬送ベルト22と同搬送位置に設定されている。搬送方向の切り換えが必要な場合は、図示しないソレノイドやエアーシリンダー等で角度を変更できる。変更角度によっては、図示しないフリーローラーを設けスムースな搬送方向の変更ができる。少なくともこの金属板、フリーローラーの動作を制御する制御部26と、を備えた構成である。
例えば、重合性感光性印刷版原版のように各工程全てを使用して処理する場合、図示しない露光処理装置から信号を受け取り、該平版印刷版を経路切換部21により基本搬送系に導き処理する。
このとき、図5に示すように、平版印刷版は、加熱部11とプレ水洗部12とを有する第1搬送路に搬送され、該第1搬送路に接続された現像部13に搬送されて現像処理が行われる。そして、現像処理された平版印刷版が、現像部13に接続された第2搬送路に搬送され、該第2版走路に接続された水洗部14に搬送され水洗処理が行われる。その後、水洗処理された平版印刷版が、水洗部14に接続された第3搬送路に搬送される。第3搬送路には、平版印刷版にガム処理を行うガム部15が接続され、該ガム部15の搬送方向下流側に版印刷版に乾燥処理を行う乾燥部16が接続されている。こうして、ガム処理と乾燥処理が行われた平版印刷版は版出口から搬出される。
本実施形態の自動現像機1は、平版印刷版を現像部13に搬送することなく第2の搬送路に搬送する第4搬送路を備えている。平版印刷版を現像部13に搬送せず、スキップする場合には、プレ水洗部12から搬送されてきた平版印刷版を、プレ水洗部12と現像部13との間に設けられた経路切換部23を制御部26で切り換えることによって、コンベア22側へ搬送して現像部13への搬送を回避する。そして、現像部13と水洗部14との間の経路切換部23を切り換えることで、平版印刷版を水洗部14側へ搬送することができる。ここで、現像部13と水洗部14との間の経路切換部23を切り換えず、水洗部14をスキップして平版印刷版を搬送させることもできる。
このように、自動現像機1は、搬送させる版に応じて、経路切換部21,23を制御することで、版に必要な処理を行う工程のみに搬送させることができ、工程をスキップしてコンベア22で搬送する際には、処理時の搬送速度に比較して速い速度で搬送させることができる。
自動現像機1は、第1搬送路の下流側(プレ水洗部12と現像部13との間)に位置する経路切換部23によって、該第1搬送路と現像部13との間の搬送経路と第1搬送路と第4搬送路との搬送経路とのうち、一方の搬送経路に切り換え可能な構成である。
また、自動現像機1は、現像部13及び第4搬送路の下流側に接続され、現像部13と水洗部14との間の経路切換部を切り換えることで、平版印刷版を水洗部14へ搬送させずにコンベア22で搬送させるための第5搬送路が設けられていてもよい。
第1搬送路には、加熱部11及び/又はプレ水洗部12での処理をすることなく平版印刷版を搬送する第6搬送路が設けられていてもよい。こうすることで、必要に応じて、版押入口の経路切換部21及び/又は加熱部11とプレ水洗部12との間に位置する経路切換部23を制御し、加熱部11及び/又はプレ水洗部12をスキップして第6搬送路を搬送させ、必要ない処理を省略することができ、処理時間を短縮することができる。
第3搬送路には、ガム部15及び/又は乾燥部16での処理をすることなく平版印刷版を搬送する第7搬送路が設けられている。第7搬送路に搬送するには、例えば、水洗部14とガム部15との間の経路切換部を制御することで、平版印刷版をコンベア22側へ搬送させ、ガム部15へ平版印刷版を搬送させずにガム処理を省略することができる。
例えば、ダミー版原版にように現像部13、水洗部14、ガム部15、乾燥部16の工程のみを使用して処理する場合には、図示しない露光処理装置から信号を受け取り、版押入口の直ぐ下流に位置する経路切換部21により平版印刷版を別搬送系に導き、加熱部11、プレ水洗部12をスキップしてコンベア22で搬送する。この搬送速度は基本搬送系より速い速度に設定されていることが好ましい。ダミー版原版が現像部13前に来ると、プレ水洗部12と現像部13との間に設けられた経路切換部23により現像部13の入り口側に搬送経路を切り換え、平版印刷版を現像部13から処理し、水洗部14、ガム部15、乾燥部16を経て処理される。
例えば、重合性感光性印刷版原版を検版のため水洗部13の後に取り出す場合には、図示しない処理設定シーケンスにより信号を受け取り、版押入口側の経路切換部21により基本搬送系に導き、加熱部11、プレ水洗部12、現像部13まで処理を行い、平版印刷版原版がガム部14前に来ると、現像部13とガム部14との間に設けられた経路切換部23により、コンベア22側に搬送経路を切り換え、ガム部15、乾燥部16をスキップ後、版出口の上流側に設けられた経路切換部21により排版され処理される。
(現像液)
前記自動現像機60及び自動現像機1において、平版印刷版とダミー版原版との両方を効率よく現像する観点から、下記に示す各成分を含有する現像液を用いることが好ましい。なお、この現像液は、現像補充液(現像補充原液)として用いることもできる。かかる現像液としては、芳香族アニオン界面活性剤を含有していることが好ましい。
(芳香族アニオン界面活性剤)
本発明における現像液に用いられる芳香族アニオン界面活性剤は、現像促進効果、印刷版原版の感光層成分及びダミー版原版の保護層成分の現像液中での分散安定化効果がある。本発明に用いられる芳香族アニオン界面活性剤としては、下記一般式(A)又は一般式(B)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2006065169
上記一般式(A)又は一般式(B)において、R1、R3はそれぞれ、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられ、中でも、エチレン基、プロピレン基が特に好ましい。
m、nはそれぞれ、1〜100から選択される整数を表し、中でも、1〜30が好ましく、2〜20がより好ましい。また、mが2以上の場合、複数存在するR3は同一でも異なっていてもよい。同じく、nが2以上の場合、複数存在するR5は同一でも異なっていてもよい。
2、R4はそれぞれ、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等が挙げられ、中でも、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基が特に好ましい。
p、qはそれぞれ、0〜2から選択される整数を表す。Y1、Y2は、それぞれ単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、具体的には、単結合、メチレン基、エチレン基が好ましく、特に単結合が好ましい。
(Z1r+、(Z2s+はそれぞれ、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、或いは、無置換又はアルキル基で置換されたアンモニウムイオンを表し、具体例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオン、炭素数1〜20のアルキル基・アリール基、アラルキル基が置換した2級〜4級のアンモニウムイオンなどが挙げられ、特にナトリウムイオンが好ましい。r、sはそれぞれ、1又は2を表す。
以下に、具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006065169
Figure 2006065169
これら芳香族アニオン界面活性剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。芳香族アニオン界面活性剤の添加量は、現像液中における芳香族アニオン界面活性剤の濃度が1.0〜10質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは2〜10質量%の範囲とすることが効果的である。ここで、含有量が1.0質量%以下であると、現像性低下及び感光層成分の溶解性低下を招き、含有量が10質量%以上であると、印刷版の耐刷性を低下させる。
本発明に係る現像液には、前記芳香族アニオン界面活性剤以外に、その他の界面活性剤を併用してもよい。その他の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン界面活性剤である。
これらその他の界面活性剤の現像液中における含有量は有効成分換算で、0.1から10質量%が好ましい。
(2価金属に対するキレート剤)
本発明に係る現像液には、例えば、硬水に含まれるカルシウムイオンなどによる影響を抑制する目的で、2価金属に対するキレート剤を含有させることが好ましい。2価金属に対するキレート剤としては、例えば、Na227、Na533、Na339、Na24P(NaO3P)PO3Na2、カルゴン(ポリメタリン酸ナトリウム)などのポリリン酸塩、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、そのアミン塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのようなアミノポリカルボン酸類の他2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;2−ホスホノブタノントリカルボン酸−2,3,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,2、2、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類を挙げることができ、中でも、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、そのアミン塩;エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、そのアンモニウム塩、そのカリウム塩、;ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、そのアンモニウム塩、そのカリウム塩が好ましい。
このようなキレート剤の最適量は使用される硬水の硬度及びその使用量に応じて変化するが、一般的には、使用時の現像液中に0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲で含有させる。
(アセチレンアルコール及びアセチレングリコール)
本発明に用いられる現像液には、現像液の消泡剤として、アセチレンアルコール及びアセチレングリコールから選択される少なくとも1種の化合物を添加することが好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよいし、双方を併用してもよい。
アセチレンアルコールとは、分子内にアセチレン結合(三重結合)をもつ不飽和アルコールである。また、アセチレングリコールとは、アルキンジオールとも呼ばれ、分子内にアセチレン結合(三重結合)をもつ不飽和グリコールである。
具体的には、以下の一般式(C)、(D)で示されるものが挙げられる。
Figure 2006065169
上記一般式(C)及び(D)において、R5〜R7はそれぞれ、炭素原子数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、a+bは0〜30の数である。炭素原子数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基などが挙げられる。
以下に、具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006065169
Figure 2006065169
これらのアセチレンアルコール、アセチレングリコールは市場で入手することができ、市販品として例えば、AirProducts and ChemicalsInc.の商品名サフィノールが知られている。
市販品の具体例には、上記(3)としてサフィノール61、上記(4)としてオルフィンB、上記(5)としてオルフィンP、上記(7)としてオルフィンY、上記(8)としてサフィノール82、上記(9)としてサフィノール104、オルフィンAK−02、上記(10)としてサフィノール400シリーズ、上記(11)としてサフィノールDF−110などがある。
現像液中の消泡剤の添加量は、消泡効果及び耐刷性の観点から、0.0001質量%以上であることが好ましく、特に好ましくは、0.0005〜0.1質量%である。
また、本発明に係る現像液には、現像調整剤として有機酸のアルカリ金属塩類、無機酸のアルカリ金属塩類を加えてもよい。例えば、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、クエン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウムなどを単独若しくは2種以上を組み合わせて混合して用いてもよい。
(アルカリ剤)
本発明に係る現像液に用いられるアルカリ剤としては、例えば、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、及び同リチウムなどの無機アルカリ剤及び、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ剤等が挙げられる。本発明においては、これらを単独で用いてもよいし、若しくは2種以上を組み合わせて混合して用いてもよい。
また、上記以外のアルカリ剤として、アルカリ珪酸塩を挙げることができる。アルカリ珪酸塩は塩基と組み合わせて使用してもよい。使用するアルカリ珪酸塩としては、水に溶解したときにアルカリ性を示すものであって、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウムなどがある。これらのアルカリ珪酸塩は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる現像液は、印刷版やダミー版の支持体の親水化成分としての珪酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2と、アルカリ成分としてのアルカリ酸化物M2O(Mはアルカリ金属又はアンモニウム基を表す)との混合比率、及び濃度の調整により、最適な範囲に容易に調節することができる。酸化ケイ素SiO2とアルカリ酸化物M2Oとの混合比率(SiO2/M2Oのモル比)は、支持体の陽極酸化皮膜が過度に溶解(エッチング)されることに起因する放置汚れや、溶解アルミと珪酸塩との錯体形成に起因する不溶性ガスの発生を抑制するといった観点から、好ましくは0.75〜4.0の範囲であり、より好ましくは0.75〜3.5の範囲で使用される。
また、現像液中のアルカリ珪酸塩の濃度としては、支持体の陽極酸化皮膜の溶解(エッチング)抑制効果、現像性、沈殿や結晶生成の抑制効果、及び廃液時における中和の際のゲル化防止効果などの観点から、現像液の質量に対して、SiO2量として、0.01〜1mol/Lが好ましく、より好ましくは0.05〜0.8mol/Lの範囲で使用される。
本発明における現像液には、上記の成分の他に、必要に応じて以下のような成分を併用することができる。例えば安息香酸、フタル酸、p−エチル安息香酸、p−n−プロピル安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、p−n−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p−2−ヒドロキシエチル安息香酸、デカン酸、サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の有機カルボン酸;イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の有機溶剤;この他、還元剤、染料、顔料、硬水軟化剤、防腐剤等が挙げられる。
本発明における現像液は、25℃におけるpHが10〜12.5の範囲であることが好ましく、pH11〜12.5の範囲であることがより好ましい。本発明の現像液は、前記界面活性剤を含むため、このような低pHの現像液を用いても、非画像部において優れた現像性を発現する。このように、現像液のpHを比較的低い値とすることにより、現像時における画像部へのダメージを軽減すると共に、現像液の取扱い性にも優れる。
また、該現像液の導電率xは、2<x<30mS/cmであることが好ましく、5〜25mS/cmであることがより好ましい。
ここで、導電率を調整するための導電率調整剤として、有機酸のアルカリ金属塩類、無機酸のアルカリ金属塩類等を添加することが好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明の顕著な効果を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1〜4、比較例)
感光性平版印刷原版LP−NN2(富士写真フィルム(株)社製フォトポリマー版材)、感光性平版印刷原版HN−N(富士写真フィルム(株)社製サーマル版材)、ダミー版原版HN−K(富士写真フィルム(株)社製ダミー版材)を用いて、図4−Bに記述した現像処理装置OE40(Haase社製)を用い、別搬送系を取り付け評価した、現像液DV−2(富士写真フィルム(株)社製フォトポリマー現像液)を1:4に水で希釈し投入した。現像液温度を25度に保ち、現像速度1.8m/分で現像処理を行った。プレ水洗部、水洗部には水を投入した。フィニッシング部には、富士写真フィルム(株)社製フィニッシャーFP−2W(1:1に水で希釈)を投入し、フィニッシング処理した。下記表1に工程処理内容を示す。表1において、処理が「有り」の場合の基本搬送速度を1.8m/分とし、「無し」の場合の別搬送速度を2.4m/分とした。また、下記表2に各工程でかかった処理時間を示す。
Figure 2006065169
Figure 2006065169
以上から、各工程を処理する比較例に比べ、本発明の別搬送系を使用すると、実施例1の各工程を処理しない場合、21,74秒短縮できる。実施例2は、プレ加熱、プレ水洗を省略した場合8.84秒短縮、実施例3は、プレ加熱を省略した場合4.79秒短縮でき、実施例4は、フィニッシャー、乾燥を省略した場合3.07秒短縮できる。このように、本発明の別搬送系を使用すると処理時間が短縮出来る。更に、処理方式の違う版材処理が可能。更に目的の工程だけの処理が可能となる。
以上に説明したように、本発明の別搬送系を使用すると、処理方式の違う版材処理が可能となり、更に処理時間が短縮できる。
本発明に係るCTP製版システムの一実施形態の概略構成を示す斜視図である。 図1に示すCTP製版システムにおける加熱オーブンの概略構成を示す縦断面図である。 CTP製版システムの自動現像機(プレ水洗なし)の概略構成を示す縦断面図である。 本発明に係る自動現像機(加熱部、プレ水洗あり)の概略構成を示す縦断面図である。 図4に示す自動現像機の処理の流れを概略的に示したブロック図である。
符号の説明
1、60 自動現像機
10 プレートセッター
11 加熱部
12 プレ水洗部
13 現像部
14 水洗部
15 ガム部
16 乾燥部
21,23 経路切換部
22 コンベア
40 加熱オーブン
46 搬送手段
48 モータ駆動部
51 制御部
61 現像部
63 水洗部
65 フィニッシャー部
67 乾燥部
68 センサ
72 搬送手段
76 搬送ローラ
78 モータ駆動部
80 制御部
91 乾燥手段
95 制御装置
100 CTP製版システム

Claims (9)

  1. 平版印刷版を搬送する第1搬送路と、
    前記第1搬送路に接続された現像部と、
    前記現像部に接続され、現像処理済みの前記平版印刷版が搬送される第2搬送路と、
    前記第2搬送路に接続された水洗部と、
    前記水洗部に接続され、水洗処理済みの前記平版印刷版が搬送される第3搬送路と、
    前記第1搬送路に接続され、前記平版印刷版を前記現像部に搬送することなく、前記第2の搬送路に搬送するための第4搬送路とが備えられたことを特徴とする自動現像機。
  2. 前記現像部及び第4搬送路に接続され、前記平版印刷版を前記水洗部に搬送することなく第3の搬送路に搬送するための第5版走路が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動現像機。
  3. 前記第1搬送路には、該第1搬送路と前記現像部との間の搬送経路と前記第1搬送路と前記第4搬送路との間の搬送経路とのうち、一方の搬送経路に切り換え可能な経路切換部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動現像機。
  4. 前記第2搬送路には、前記平版印刷版を前記水洗部へ搬送する経路と前記第5搬送路へ搬送する経路とのうち一方の経路に切り換え可能な経路切換部が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の自動現像機。
  5. 前記第1搬送路には、前記平版印刷版を加熱する加熱部と、プレ水洗処理を行うプレ水洗部とが設けられていることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1つに記載の自動現像機。
  6. 前記第1搬送路には、前記加熱部及び/又は前記プレ水洗部での処理をすることなく前記平版印刷版を搬送する第6搬送路が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の自動現像機。
  7. 前記第3搬送路には、前記平版印刷版にガム処理を行うガム部と前記平版印刷版に乾燥処理を行う乾燥部とが接続され、前記ガム部及び/又は前記乾燥部での処理をすることなく前記平版印刷版を搬送する第7搬送路が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の自動現像機。
  8. 前記第3搬送路と前記ガム部との間には前記平版印刷版を該ガム部へ搬送する経路と前記第7搬送路との間で切り換え可能な経路切換部が設けられ、前記ガム部と前記乾燥部との間には、前記平版印刷版を該乾燥部へ搬送する経路と前記第7搬送路との間で切り換え可能な経路切換部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の自動現像機。
  9. 平版印刷版を上記請求項1から請求項8のうちいずれか1つに記載の自動現像機で処理することを特徴とする平版印刷版の製版方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3656576A1 (en) 2015-01-29 2020-05-27 Fujifilm Corporation Lithographic printing plate precursor and method of producing same

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