JP2006064657A - 放射性ダストモニタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダスト収集手段4〜6のダストを収集する部分4,6および放射線検出手段3を、互いに分離された双方の放射線遮蔽体7,8が一体に囲繞し、放射線遮蔽体で囲繞された領域内に放射線検出手段3をダスト収集手段4〜6側から気密性を持って分離する分離体31を設け、ダスト収集手段4〜6およびこれの放射線遮蔽体7を支持台9およびスライド機構10により一体に引出し可能に気密容器2内に設け、放射線検出手段3およびこれの放射線遮蔽体8が気密容器2に気密性を維持するように外部から固定されて設けられた放射性ダストモニタ。
【選択図】図3
Description
図1はこの発明の一実施の形態による放射性ダストモニタのダストモニタ本体の構成を示す透視斜視図、図2は図1のスライド機構10の例を示す拡大断面図、図3は図1のダストモニタ本体を含む放射性ダストモニタの全体の構成を示す構成図でダストモニタ本体部分は側面から見た図になっている。ダストモニタ本体1はダストを収集するダスト収集部を収納する気密容器2、ダストから放出される放射線を計測する放射線検出部を構成する放射線検出器3に大別される。気密容器2の内部は、ダストを収集する集塵部材であるろ紙4、ロールに巻かれたろ紙4を別のロールに巻き取るようにして新しいろ紙部分を提供するようにろ紙を駆動するろ紙駆動装置5(集塵部材駆動装置)、ろ紙上に均一にダストを捕らえ集めるために設けられたサクションヘッド6、およびろ紙以外から放出される放射線を遮蔽するための鉛容器等からなる高密度遮蔽体である気密容器内放射線遮蔽体7から成り、放射線検出器3側にも気密容器内放射線遮蔽体7と同じ目的で設置されている同様の検出器側放射線遮蔽体8が設けられている。図3に示すように検出器側放射線遮蔽体8は気密容器2内に一部入り込んでいるが、図が分かり難くなるので図1ではその部分は図示を省略してある。気密容器内放射線遮蔽体7と検出器側放射線遮蔽体8は常に分離されているが、図3に示すように使用時には互いに分離されてはいるが重なり位置になり、双方で一体に内部のものを囲繞し、またメンテナンス時等には内部が開放されるように気密容器内放射線遮蔽体7側が引き離される。すなわちろ紙4、ろ紙駆動装置5、サクションヘッド6および気密容器内放射線遮蔽体7は支持台9上に搭載され、この支持台9はスライド機構10により気密容器2内でスライドさせて引出し可能に設けられている。
上記実施の形態1では、支持台9を可動にすることによりメンテナンス性が向上することについて述べたが、実施の形態2では連続ろ紙送り方式による連続測定にした場合にサクションヘッド6のところで流路が開放されるため、サンプリング空気に含まれる水蒸気が気密容器2の内部に拡散して滞留し、ろ紙駆動装置5及び気密容器2に錆が発生する。すなわち、この発明のダクトモニタではダスト収集側の気密容器内放射線遮蔽体7と放射線検出側の検出器側放射線遮蔽体8が測定時ににおいても間に隙間があり分離されているため、漏れないようにサンプリング空気の流れの調整はするものの、水蒸気を含むサンプリング空気が気密容器2内に漏れ出る可能性がある。そして特にろ紙を送りながら測定を行う場合には、サクションヘッド6の吸引穴に対してろ紙4が動くため、吸引状態が安定せず、漏れる可能性が高い。この問題を解決するために、図3に示すように気密容器2の内部に除湿器20(除湿手段)を設けた。除湿器20は気密容器2の壁に設置され、気密容器2の内部の雰囲気に拡散した水分すなわち水蒸気を除去する。
図4はこの発明の別の実施の形態による除湿器の構成を示す図である。図4の除湿器20において、吸湿剤2011は収納袋2012、例えば麻袋のような通気性の良好なものに入れられ、多数の穴が開けられた収納ケース2013の中に配置される。収納ケース2013は取付板2014に固定され、取付穴2015でネジ(図示せず)で固定される。サクションヘッド6でサンプリング空気の流路が開放されることによりサンプリング空気から気密容器2の内部に飛散する水蒸気は、吸湿剤2011で除去される。吸湿剤2011としては、シリカゲル、モレキュラーシーブ、ゼオライト等が市販で容易に入手できる。サンプリング空気の流量に応じて使用量を決定して定期的に取り替える。以上のように、除湿器20に吸湿剤2011を使用することにより、収納ケース2013を取付けるだけの簡単な構造で実現できるため、装置価格が安価になる。
図5はこの発明の別の実施の形態による除湿器の構成を示す図である。図5の除湿器20において、冷却コイル2021は気密容器2の内部に拡散した水蒸気を凝縮させ、冷却ユニット2022は冷却コイル2021に冷媒を循環させて熱サイクルを形成し、凝縮により発生したドレン(水滴)をドレン受け2023により受け、ドレン管2025を通してドレン排出電磁弁2024から排出する。制御部を含むドレン排出電磁弁2024は、通常は閉になっており定期的に動作させてドレンを気密容器2外に排出する。冷媒としては、冷却された水、代替フロンガス等で対応でき、冷却コイルはヒートパイプであってもよい。以上のように、水蒸気を凝縮させて除去するので、吸湿剤2011は不要となり、吸湿剤2011の交換がないので保守コストが低減できる。
図6はこの発明の別の実施の形態による除湿器の構成を示す図である。図5の除湿器20において、ペルチェ素子2031は冷却フィン2032と取付板2033の間に挟まるように密着して取り付けられる。取付板2033は気密容器2に密着するように取付穴2034でネジ(図示せず)で固定される。ペルチェ素子2031(その詳細な説明は図示せず)は、冷却フィン2032にセラミックス基板を介してn型半導体とp型半導体の共通電極が取り付けられ、取付板2033に同様にセラミックス基板を介して取り付けられ、前記n型半導体と前記p型半導体の個別電極が取り付けられた構造になっている。p型半導体の個別電極をプラス電極として、n型半導体の個別電極にマイナス電極として直流電圧Eを印加すると、n型半導体は共通電極からマイナス電極へ向かって電子が移動し、p型半導体は共通電極からプラス電極へ向かって正孔が移動し、その移動に伴って熱エネルギーの移動が生じ、共通電極側がエネルギー不足の状態になって結果として冷却される。冷却フィン2032で吸収した熱は、取付板2033を経由して気密容器2の表面から外気に放熱される(気密性が保持されれば放熱側が気密容器2外部に露出するような構造にしてもよい)。冷却フィン2032が冷却されることにより、気密容器2の内部の水蒸気は凝縮してドレン(水滴)となり、上記実施の形態と同様にドレン受け2023、ドレン排出電磁弁2024、ドレン管2025からなるドレン排出手段により気密容器2外に排出される。ペルチェ素子2031を使用した電子冷却方式は冷媒方式のように冷凍機がないので装置が小型になる。以上のように、ペルチェ素子を使用し、冷媒サイクルをなくして直接サンプリング空気を冷却することにより、装置を小型化できる。
図7はこの発明の別の実施の形態による除湿器の構成を示す図である。図7において、水分除去膜を構成する固体高分子電界質膜2041、陽極2042、陰極2043(陽極2042と陰極2043は多孔性触媒電極)を含む除湿器20は取付穴2045を有する取付板2044により気密容器2に取り付けられる。固体高分子電界質膜2041はプロトン伝導性を有する厚み200μm程度の機能膜で、陽極2042と陰極2043に挟まれた構造になっており、電極間に直流電圧3V程度を印加すると内部に吸収した水を伴って水素イオンが膜中を移動する。一方、電極の陽極2042と陰極2043は、多孔質の触媒作用を有する材料を使用しており、陽極2042は水蒸気を取り込んでその触媒作用で酸素イオンと水素イオンに分解し、酸素イオンは陽極2042の表面で酸素ガスになり気密容器2中に放出され、水素イオンは固体高分子電界質膜2041の内部を電界により移動し、陰極2043の表面から水素ガスとして随伴した水蒸気とともに放出されて気密容器2の除湿が行われる。従って気密性が保持されるように陰極2043側が気密容器2外部に露出するような構造にする。
D:水素分離膜の除湿能力(g/h)
p:サンプルエアーの絶対湿度(g/cm3)
S:固体電解質膜有効面積(cm2)
前記実施の形態2から6では、気密容器2に除湿器20を搭載して除湿を行うことについて述べたが、この実施の形態では、ろ紙がサンプリング空気の水蒸気を吸湿することにより圧力損失が増大し、サンプリング空気の流量が低下することを改善するために、図9に示すようにサクションヘッド6に(サクションヘッド)ヒータ21を設けた。ヒータ21によりサクションヘッド6に熱を供給し、サクションヘッド6に接触しているろ紙4に熱を伝達する。サクションヘッド6にヒータ21を備えることにより、ろ紙を常に乾いた状態に維持できるので、ろ紙の吸湿によるサンプリング空気の流量変動を抑制し、高精度でダストの放射能を測定できる。
この実施の形態では、ダストモニタを腐食性ガスを含む空気をサンプリングする系統に適用する場合があり、この場合には図3に示すように気密容器2の内部に腐食性ガス除去器22(腐食性ガス除去手段)を設ける。連続ろ紙送り方式のダストモニタにおいて、腐食性ガスを含む空気をサンプリングすると、気密容器2の内部に水蒸気と共に腐食性ガスが拡散することになり、例えば気密容器2の壁面、ろ紙駆動装置5、サクションヘッド6、検出器筒31に腐食性ガスが付着する。この腐食性ガスは例えばHCl、SOx、NOxである。気密容器2内部の機器及び部材の表面に腐食性ガスがその水溶液として付着する現象は、腐食性ガスの濃度と水蒸気量に依存する。腐食性ガスが付着しても構成する部材には問題が起きないが、腐食性ガスの水溶液が付着すると腐食するという問題が生じる。この問題を解決するために、腐食性ガス除去器22を気密容器2内の壁面に設ける。
Claims (9)
- 採取されたサンプリング空気からダストを収集するダスト収集手段と、放射線が照射された領域内で上記収集されたダストから放出される放射線を検出する放射線検出手段と、を備えたダストモニタであって、
上記ダスト収集手段の上記領域内のダストを収集する部分および上記放射線検出手段を、互いに分離された双方の放射線遮蔽体が上記領域を作るように配置されて一体に囲繞し、上記領域内に上記放射線検出手段を上記ダスト収集手段側から気密性を持って分離する分離体を設け、上記ダスト収集手段およびこれの放射線遮蔽体を一体に引出し可能に気密容器内に設け、上記放射線検出手段およびこれの放射線遮蔽体が上記気密容器に気密性を維持するように外部から固定されて設けられたことを特徴とする放射性ダストモニタ。 - 上記ダスト収集手段が、ダストを収集するための集塵部材と、上記放射線遮蔽体間の隙間から上記領域内に上記集塵部材を供給する集塵部材駆動装置と、上記領域内に供給された上記サンプリング空気を上記集塵部材を介してダストがこれに集塵されるように上記領域内で吸引するサクションヘッドと、からなることを特徴とする請求項1に記載の放射性ダストモニタ。
- 上記気密容器内雰囲気中の水分を除去する除湿手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の放射性ダストモニタ。
- 上記除湿手段が、上記気密容器内雰囲気中の水分を吸湿除去する吸湿剤を含むことを特徴とする請求項3に記載の放射性ダストモニタ。
- 上記除湿手段が、上記気密容器内雰囲気中の水分を凝縮除去する冷却コイルと、上記冷却コイルで発生した水滴を上記気密容器外に排出するドレン排出手段を含むことを特徴とする請求項3に記載の放射性ダストモニタ。
- 上記除湿手段が、上記気密容器内雰囲気中の水分を凝縮除去する冷却フィンと、冷却フィンを冷却するペルチェ素子と、上記冷却フィンで発生した水滴を上記気密容器外に排出するドレン排出手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の放射性ダストモニタ。
- 上記除湿手段が、固体電解質膜の両面に多孔性触媒電極を接合した水分除去膜を含み、上記気密容器内雰囲気中の水分を一方の上記多孔性触媒電極側で分解して上記固体電解質膜を介した他方の上記多孔性触媒電極で再び水分を発生して上記気密容器外に放出して除去することを特徴とする請求項3に記載の放射性ダストモニタ。
- 上記ダスト収集手段の集塵部材と接するサクションヘッドを加熱するサクションヘッドヒータを備えたことを特徴とする請求項2ないし7のいずれか1項に記載のダストモニタ。
- 上記気密容器内雰囲気中の腐食性ガスを除去する腐食性ガス除去手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のダストモニタ。
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