JP2006064199A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却負荷が大きく変動したとしても安定して動作する、より簡素な構成の冷凍装置を提供する。
【解決手段】冷凍装置(1)は、二元蒸気圧縮冷凍サイクルを行うものであって、低温側回路(101)には冷凍ショーケース43が接続されている。冷凍装置(1)では、低温側回路(101)の圧縮機(158)を駆動するモータへの供給電流が急低下し、圧縮機(158)の吐出冷媒温度が急上昇したことが検知されると、モータに電力を供給するインバータ回路の出力周波数が変化され、これによって当該圧縮機(158)が容量制御される。
【選択図】図2
【解決手段】冷凍装置(1)は、二元蒸気圧縮冷凍サイクルを行うものであって、低温側回路(101)には冷凍ショーケース43が接続されている。冷凍装置(1)では、低温側回路(101)の圧縮機(158)を駆動するモータへの供給電流が急低下し、圧縮機(158)の吐出冷媒温度が急上昇したことが検知されると、モータに電力を供給するインバータ回路の出力周波数が変化され、これによって当該圧縮機(158)が容量制御される。
【選択図】図2
Description
本発明は、冷凍装置に関し、特に、多元又は多段の蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置の動作の信頼性を向上させる技術に関するものである。
従来より、コンビニエンスストアでは、ショーケース内の商品を冷蔵、冷凍するための蒸発器、及び、客や店員に対する冷暖房のための熱交換器が1つの冷媒回路に接続されて構成される冷凍装置が用いられており、このような冷凍装置によって効率的な熱回収が図られている。
図13は従来用いられている冷凍装置(5)の冷媒回路を構成する主な要素及び冷房時の動作を説明するための図であり、図14は冷房運転時の冷凍装置(5)各部での冷媒の状態の概略を示すP−h線図である。
冷凍装置(5)は、図13のように二元蒸気圧縮冷凍サイクルを行うものである。室内熱交換器(512)は冷暖房を行うためのものであり、冷房運転時には、この室内熱交換器(512)と、可変容量圧縮機(551)、固定容量圧縮機(552)、室外熱交換器(555)及び室内膨張弁(511)が冷媒の流路を形成し、また、圧縮機(551,552)及び室外熱交換器(555)に対し、膨張弁(511)及び室内熱交換器(512)と並列に、膨張弁(556)及びカスケード熱交換器(557)が冷媒の流路を形成し、これらにより高温側回路(502)が構成される。冷凍蒸発器(522)は冷凍ショーケース中の商品を冷凍するためのものであり、この冷凍蒸発器(522)と、固定容量圧縮機(541)、熱交換器(557)及び冷凍膨張弁(521)が低温側回路(501)を構成する。
四路切替弁(553,554)は暖房運転時には図13の冷房運転時の実線に示す状態から破線に示す状態に切り替えられ、これによって室内熱交換器(512)を流れる冷媒の向きが切り替えられるが、冷房運転時及び暖房運転時のいずれでも、室外熱交換器(555)、受液器(558)、膨張弁(556)、カスケード熱交換器(557)をこの順で冷媒が流れるように、受液器(558)周辺の管路、逆止弁等が配置されている。
実際、冷房運転時に、高温側回路(502)では、圧縮機(551,552)に吸入されて圧縮された冷媒(図14の状態V→状態VI)は、室外熱交換器(555)で外気に放熱しつつ凝縮して(状態VI→状態VII)、受液器(558)に流入する。受液器(558)から流出する冷媒は分岐され、その一部が、膨張弁(556)で減圧されて(状態VII→状態VIII)、カスケード熱交換器(557)で低温側回路(501)の冷媒から吸熱しつつ蒸発し(状態VIII→状態V)、また、その残りが、室内膨張弁(511)で減圧されて(状態VII→状態IX)、室内熱交換器(512)で吸熱しつつ蒸発する(状態IX→状態V)。カスケード熱交換器(557)又は室内熱交換器(512)を通る冷媒は、その後合流して圧縮機(551,552)に吸入され、1サイクルを終える。
これとともに、低温側回路(501)では、固定容量圧縮機(541)に吸入されて圧縮された冷媒(状態I→状態II)は、カスケード熱交換器(557)で高温側回路(502)の冷媒に放熱しつつ凝縮し(状態II→状態III)、冷凍膨張弁(521)で減圧され(状態III→状態IV)、その後冷凍蒸発器(522)で庫内空気から吸熱しつつ蒸発し(状態IV→状態I)、1サイクルを終えることとなる。
冷凍装置(5)は、これらのように冷房を行いながら商品を冷凍することができるものであり、また、四路切替弁(553,554)を切り替えて室内熱交換器(512)を凝縮器として働かせて、同様に、暖房を行いながら商品を冷凍することができるものである。(冷凍装置(5)は説明を簡潔にするため構成を簡略化したものであるが、たとえば特許文献1には、類似する冷凍装置についての詳細な記載がある。)
特開2001−272087号公報
しかしながら、上述の冷凍装置(5)では、冷凍を続けるに従いその冷却負荷が小さくなり冷凍蒸発器(522)での冷媒の蒸発量が減少したとき、冷凍蒸発器(522)通過後の冷媒の過熱度を一定に保つためその流量を減らすように、感温膨張弁である冷凍膨張弁(521)が自動的に閉じられていく。固定容量圧縮機(541)は一定の流量で冷媒を循環させるため、冷凍膨張弁(521)が閉じられていくことによる冷媒流量の減少に伴なって、冷媒の圧縮機(541)での吸入圧力(低温側回路(501)の低圧)が低下することになる。冷媒は、圧縮機(541)で、ほぼ等エントロピ変化しながら、一定に保たれる圧縮機(551,552)の吸入圧力(高温側回路(502)の低圧)まで上昇されるから、冷凍蒸発器(522)での冷却負荷の減少は、図14に示すように、圧縮機(541)から吐出される冷媒の温度Tdの上昇をもたらすこととなる。
このような吐出冷媒温度Tdの上昇は、圧縮機(541)(スクロール圧縮機などが用いられる)の内部を潤滑する冷凍機油の性能を劣化させ、摩擦部分の焼き付きを生じさせることとなって、圧縮機(541)が破損する可能性がある。
さらに、低温側回路(501)では、カスケード熱交換器(557)に対し、膨張弁(521)、蒸発器(522)及び固定容量圧縮機(541)に並列に、冷凍ショーケースの台数に応じ、膨張弁、蒸発器及び固定容量圧縮機が複数組接続されて1つの冷凍装置が構成されることがあるが、このような冷凍ショーケースがマルチ接続された、冷却負荷の変動量の大きい冷凍装置では、上述のような圧縮機の破損のおそれがより大きくなる。
通常、これらを防止するために、固定容量圧縮機(541)に代えて可変容量圧縮機を用い、さらにこの可変容量圧縮機の吸入冷媒圧力を検知してその圧力に応じた容量制御をすることが考えられるが、この低温側回路(501)の低圧を検知する圧力センサのために装置全体の製造費が増大することになる。
本発明はこれらを考慮してなされたものであり、その目的は、冷却負荷が大きく変動したとしても安定して動作する、より簡素な構成の冷凍装置を提供することである。
第1の発明に係る冷凍装置(1)は、冷凍、冷蔵などのための利用熱交換器(132)が接続された低温側回路(101)を備えた二元蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置であって、低温側回路(101)の圧縮機(158)を駆動するモータへの供給電流及び当該圧縮機(158)から吐出された冷媒の温度に基づいて、当該圧縮機(158)の容量を制御することを特徴としている。
二元蒸気圧縮サイクルを行う本冷凍装置(1)では、低温側回路(101)の圧縮機(158)が、当該圧縮機(158)を駆動するモータへの供給電流及び当該圧縮機(158)の吐出冷媒温度に基づいて容量制御される。
第2の発明に係る冷凍装置(3)は、利用熱交換器(332)が接続された低温側回路(301)を備えた二段蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置であって、低温側回路(301)の圧縮機(341)を駆動するモータへの供給電流及び当該圧縮機(341)から吐出された冷媒の温度に基づいて、当該圧縮機(341)の容量を制御することを特徴としている。
二段蒸気圧縮サイクルを行う本冷凍装置(3)では、低温側回路(301)の圧縮機(341)が、当該圧縮機(341)を駆動するモータへの供給電流及び当該圧縮機(341)の吐出冷媒温度に基づいて容量制御される。
第3の発明に係る冷凍装置は、上記第1又は第2の発明に係る冷凍装置において、空調などのための利用熱交換器(112,312)が接続された高温側回路(102,302)を備えるものである。
第4の発明に係る冷凍装置は、上記第1から第3までのいずれか1つの発明に係る冷凍装置において、高温側回路(102,302)の圧縮機(151,361)に吸入される冷媒の圧力を一定に保つよう高温側回路(102,302)の圧縮機(151,361)の容量又は膨張弁(156,311)を制御するものである。
本冷凍装置では、高温側回路(102,302)の圧縮機(151,361)の容量又は膨張弁(156,311)が制御されて、当該圧縮機(151,361)の吸入冷媒圧力が一定に保たれる。
第5の発明に係る冷凍装置は、上記第1から第4までのいずれか1つの発明に係る冷凍装置において、上記低温側回路(101,301)の圧縮機(158,341)の容量制御を、上記モータに接続されるインバータ回路からの出力周波数を変化させることによって行うものである。
本冷凍装置では、モータに電力を供給するインバータ回路の出力周波数を変化させることによって、低温側回路(101,301)の圧縮機(158,341)が容量制御される。
第6の発明に係る冷凍装置は、上記第5の発明に係る冷凍装置において、上記低温側回路(101,301)の圧縮機(158,341)の容量制御を、上記供給電流及び上記吐出冷媒温度が所定の第1条件を満たすときに、上記出力周波数を減少させることによって行うものである。
第7の発明に係る冷凍装置は、上記第6の発明に係る冷凍装置において、上記低温側回路(101,301)の圧縮機(158,341)の容量制御を、上記第1条件が満たされて所定の時間が経過した後上記冷媒温度が所定の第2条件を満たすときに、上記減少された出力周波数を減少前の値に回復させることによって行うものである。
第8の発明に係る冷凍装置は、上記第1から第7までのいずれか1つの発明に係る冷凍装置において、低温側回路(201,401)の圧縮機(258,441)に吸入される冷媒の温度及び圧力の所定の設定値、並びに、高温側回路(202,402)の圧縮機(251,461)に吸入される冷媒の圧力の計測値から、低温側回路(201,401)の圧縮機(258,441)から吐出される冷媒の温度を予測し、上記低温側回路の圧縮機の容量制御では、上記低温側回路(201,401)の圧縮機(258,441)から吐出された冷媒の温度として、当該予測値を用いるものである。
本冷凍装置では、低温側回路(201,401)の圧縮機(258,441)の吸入冷媒温度と吸入冷媒圧力との所定の設定値、及び、高温側回路(202,402)の圧縮機(258,441)の吸入冷媒圧力の計測値から、低温側回路(201,401)の圧縮機(258,441)の吐出冷媒温度が予測され、この予測値と上記モータへの供給電流に基づいて上記低温側回路(201,401)の圧縮機(258,441)が容量制御される。
上記第1又は第2の発明に係る冷凍装置(1,3)によると、低温側回路(101,301)の圧縮機(158,341)の容量制御が、圧縮機(158,341)のモータへの供給電流及び当該圧縮機(158,341)から吐出された冷媒の温度に基づいて行われるため、それら一方によるよりもより確実に、圧縮機(158,341)の吸入冷媒圧力の低下を検知して、その低下を抑えるように圧縮機(158,341)が容量制御される。これによって、たとえば低温側回路(101,301)に冷凍ショーケースが複数台接続された状況で、冷却負荷が大きく変動したとしても、安定した動作が保証されることとなる。これらの低温側回路(101,301)の圧縮機(158,341)の容量制御には低圧の値を検知する圧力センサが用いられないため、また、この容量制御を、各冷凍ショーケースの稼動状況を示す信号を個別に入力しないまま行えるため、より簡素な構成で製造費を増大させることなく、その効果を達することができる。
上記第3の発明に係る冷凍装置によると、高温側回路(102,302)に利用熱交換器(112,312)が接続される状況でも低温側回路(101,301)での動作が安定しているため、ひいては高温側回路(102,302)の利用熱交換器の吸熱及び放熱が安定して行われることとなる。
上記第4の発明に係る冷凍装置によると、高温側回路(102,302)に利用熱交換器(112,312)が接続されて高温側回路(102,302)の圧縮機(151,152,361)の吸入冷媒圧力が一定に保たれる必要があっても、これに対応しつつ、低温側回路(101,301)の圧縮機(158,341)を安定して動作させることができることとなる。
上記第5、第6又は第7の発明に係る冷凍装置によると、インバータ回路の出力周波数を変化させることによって低温側回路(101,301)の圧縮機(158,341)の容量制御が行われるため、簡便な構成で上述してきた効果が得られることとなる。
上記第8の発明に係る冷凍装置によると、低温側回路(201,401)の圧縮機(258,441)の吐出冷媒温度は、計測されることなく予測されるものであるため、圧力センサに加え温度センサをも用いることなく簡便、簡素な構成で、上述したそれぞれの効果を実現することができることとなる。
以下、本発明に係る冷凍装置について図面を用いつつ詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態である冷凍装置(1)の主な構成を示す冷媒回路図である。
コンビニエンスストアなどに設置される冷凍装置(1)は、二元蒸気圧縮冷凍サイクルを行うものであって、店内で冷暖房を行う空調ユニット(11)、陳列される商品を冷蔵する冷蔵ショーケース(12)、商品を冷凍する冷凍ショーケース(13)、冷凍のため冷媒圧力を低く保つためのブースタユニット(14)、及び、店外に設置され冷媒から外気への放熱が行われる室外ユニット(15)を備えている。
空調ユニット(11)は、冷房時に冷媒を減圧する電子膨張弁である空調膨張弁(111)と、冷房時に蒸発器として働き暖房時に凝縮器として働く空調熱交換器(112)を備えている。冷蔵ショーケース(12)は、感温膨張弁である冷蔵膨張弁(121)と、ショーケース中の庫内空気から冷媒への吸熱が行われる冷蔵蒸発器(122)を備えており、冷凍ショーケース(13)は、感温膨張弁である冷凍膨張弁(131)と、庫内空気から冷媒への吸熱が行われる冷凍蒸発器(132)を備えている。ブースタユニット(14)は、冷凍蒸発器(132)を通る冷媒の圧力を、冷蔵蒸発器(122)を通る冷媒の圧力よりも低く保つブースタ圧縮機(141)を備えている。
また、室外ユニット(15)は、冷媒を圧縮する可変容量圧縮機(151)及び固定容量圧縮機(152)と、冷媒の循環経路を切り替え、冷房時には図2に示す経路で冷媒を循環させ、暖房時には図4に示す経路で冷媒を循環させる四路切替弁(153,154)と、冷媒から外気への放熱が行われる室外凝縮器(155)と、凝縮器(155)で凝縮した液冷媒を一時的に蓄える受液器(159)と、受液器(159)からの液冷媒を減圧する電子膨張弁である室外膨張弁(156)と、低温側回路(101)(圧縮機(158)、膨張弁(121,131)、蒸発器(122,132)、及び、ブースタ圧縮機(141)などを含む冷蔵、冷凍のための冷媒回路)で生じた熱を高温側回路(102)(圧縮機(151,152)、凝縮器(155)、膨張弁(111,156)、熱交換器(112)などを含む空気調和のための冷媒回路)に回収するためのカスケード熱交換器(157)と、このカスケード熱交換器(157)に向かって冷媒を吐出する可変容量圧縮機(158)と、カスケード熱交換器(157)で凝縮した冷媒を一時的に蓄える受液器(160)と、マイクロプロセッサ、RAM、ROM等からなるコントローラ(180)を備えている。
このコントローラ(180)は、圧縮機(151,152)を運転、停止させ、また、膨張弁(111,156)その他回路中に設けられた電磁弁、電子膨張弁を開閉度を調整すること等によって、冷媒の流量、圧力等を制御するものであるが、特に可変容量圧縮機(151)の吸入口近傍(図1で圧縮機の下部)の圧力センサ(不図示)によって検知された冷媒圧力に基づいてこの圧縮機(151)を容量制御して、高温側回路(102)の冷媒の低圧を一定に維持するものである。圧縮機(151,152)等の吐出口近傍には、高圧圧力スイッチ(不図示)が設けられており、吐出圧力が異常に上昇した際に、各圧縮機のモータは一時的に停止される。
特に本発明に関わる構成として、低温側回路(101)の可変容量圧縮機(158)の吐出管には温度センサ(181)が設けられており、また、この圧縮機(158)では内部のモータへの供給電流を検知することができる。また、可変容量圧縮機(158)内のモータはインバータ回路に接続されており、インバータ回路で発生される交流周波数を変化させることによって、モータの回転数が変化され、圧縮機(158)の容量制御が行われる。コントローラ(180)は、上述の圧縮機(151,152)の運転、停止等の制御に加えて、(より詳細には後に図5を用いて説明するようにして)吐出管中を流れる冷媒の温度の計測値と圧縮機モータへの供給電流の計測値に基づき、インバータ回路の出力周波数を制御することによって、圧縮機(158)の容量制御を行うものである。
図2〜図4を用いて冷凍装置(1)の冷暖房時の動作を略述した後、図5を用いて本発明の特徴とする圧縮機(158)の容量制御について説明する。
図2は冷凍装置(1)での冷房運転時の冷媒の流れを示す冷媒回路図であり、図3は冷房運転時の冷凍装置(1)各部での冷媒の状態の概略を示すP−h線図である。
冷房運転時には、高温側回路(102)で、四路切替弁(153,154)はそれぞれ図2の実線に示す状態に設定され、圧縮機(151,152)で圧縮された冷媒(図3の状態VII→状態VIII)は、室外凝縮器(155)で外気に放熱しつつ凝縮し(状態VIII→状態IX)、受液器(159)に流入する。受液器(159)から流出する液冷媒は分岐され、その一部が、室外膨張弁(156)で減圧されて(状態IX→状態X)、カスケード熱交換器(157)で吸熱しつつ蒸発し(状態X→状態VII)、また、受液器(159)から流出する液冷媒の残りが、空調膨張弁(111)で減圧されて(状態IX→状態XI)空調熱交換器(112)で室内空気から吸熱しつつ蒸発する(状態XI→状態VII)。その後、カスケード熱交換器(157)又は空調熱交換器(112)を通る冷媒は、合流して圧縮機(151,152)に吸入され、1サイクルを終える。
これとともに、低温側回路(101)では、可変容量圧縮機(158)に吸入されて圧縮された冷媒(状態I→状態II)は、カスケード熱交換器(157)で高温側回路(102)の冷媒に放熱しつつ凝縮し(状態II→状態III)、受液器(160)に流入する。受液器(160)から流出する液冷媒は、その一部が、冷蔵膨張弁(121)で減圧されて(状態III→状態IV)、冷蔵蒸発器(122)で吸熱しつつ蒸発し(状態IV→状態I)、また、受液器(160)から流出する液冷媒の残りが、冷凍膨張弁(131)で減圧されて(状態III→状態V)、冷凍蒸発器(132)で庫内空気から吸熱しつつ蒸発し(状態V→状態VI)、圧縮機(141)に吸入されて圧縮される。この圧縮機(141)からの冷媒と冷蔵蒸発器(122)からの冷媒とは、その後合流して(状態I)、圧縮機(158)に吸入され、1サイクルを終えることとなる。
これらのように、冷凍装置(1)は、高温側回路(102)で冷房を行いながら、低温側回路(101)で商品の冷蔵、冷凍を行うことができるものである。
図4は冷凍装置(1)での暖房運転時の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
暖房運転時には、高温側回路(102)では、四路切替弁(153,154)はそれぞれ冷房運転時の実線に示す状態から破線に示す状態に切り替えられる。圧縮機(151,152)で圧縮された過熱蒸気冷媒は分岐され、その一部が室外凝縮器(155)に送られ、その残りが空調熱交換器(112)に送られる。室外凝縮器(155)又は空調熱交換器(112)で外気又は室内空気に放熱しつつ凝縮した冷媒は、合流して、受液器(159)に流入する。この液冷媒は、室外膨張弁(156)で減圧され、カスケード熱交換器(157)で低温側回路(101)の冷媒から吸熱しつつ蒸発し、圧縮機(151,152)に吸入されて、1サイクルを終えることとなる。
また、暖房運転時、低温側回路(101)では、上述の冷房運転時と同様にして冷媒が循環する。
これらのように、冷凍装置(1)は、高温側回路(102)で暖房を行いながら、低温側回路(101)で商品の冷蔵、冷凍を行うことができるものである。
以上のように、冷凍装置(1)は、冷暖房を行いながら、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケースにそれぞれ陳列された商品の冷蔵、冷凍を行うことができるものであり、特に暖房と冷凍とに要する熱を効率よく交換して圧縮機を駆動するエネルギをより小さく抑えつつ、室外ユニット、配管等に要するスペースをより小さくすることができるものである。
通常時にこれらのように動作する冷凍装置(1)は、冷凍蒸発器(132)での蒸発量の減少等による、低温側回路(101)での冷却負荷の低下に伴なう低圧(可変容量圧縮機(158)の吸入冷媒圧力、図3の状態IV→状態I)の低下を、次に示すようなコントローラ(180)による制御によって抑えることができるものである。
図5は本発明に関わるコントローラ(180)による圧縮機(158)の容量制御処理の手順を示すフローチャートである。
冷凍装置(1)では、圧縮機(158)の吐出管温度Tdが温度センサ(181)により検知されており、また、可変容量圧縮機(158)(図2等)内のモータへの供給電流が計測されており、これらの値がコントローラ(180)に入力される。
圧縮機(158)の吸入冷媒圧力の低下は、図14に示したように吐出冷媒温度の上昇をもたらし、また、モータへの供給電流A1[A]と、吐出圧力HP[MPa]、吸入圧力LP[MPa]、圧縮機回転数HZ[Hz]との間には、HP≧5[MPa]のとき、HP=−0.353×LP−0.0307×HZ+1.62×A1−4.54のような関係があり、圧縮機(158)の吸入冷媒圧力の低下はモータへの供給電流の低下をもたらすものであり、コントローラ(180)は、これらの値が変化したことを検知したときに吸入冷媒圧力を低下させないよう圧縮機(158)を容量制御する。
詳細には、本容量制御では、まず、圧縮機(158)の吐出管の温度Td(圧縮機(158)の吐出冷媒温度)が1秒間に10℃と急上昇しかつモータへの供給電流が1秒間に10%と急低下したか否か、又は、吐出管温度Tdが120℃より高い状態が3分間連続しているか否かが判断される(ステップ1、以下ステップをSTとする)。いずれかの条件が満たされると(ST1にてYES)、さらに、吐出管温度Tdが125℃より高い状態が1分間連続しているか否か、又は、吐出管温度Tdが130℃より高い状態が5秒間連続しているか否かが判断される(ST2)。
吐出管温度Tdが上記条件のいずれかを満たすならば(ST2にてYES)、定格周波数から2ステップ分を減少させる(ここでは周波数1ステップ分を減少させることによって冷媒流量が5%程度減少されるものとする)ように、コントローラ(180)から圧縮機(158)に信号が送られ(ST3)、20秒の経過が待たれる(ST4)。
ST1での条件又はST2での条件がいずれも満たされなければ(ST1にてNO、又は、ST2にてNO)、ST3及びST4での処理はスキップされて、続くST5に処理が直接移される。
20秒経過後(ST4にてYES)、吐出管温度Tdが135℃より高ければ(ST5)、圧縮機(158)を一旦強制停止させて、5分後、6分後、7分後、・・・に順次その再起動を試みるリトライ動作をするように設定されることとなる(ST6)。続いて、吐出管温度Tdが115℃より低いか否かが判断され(ST7)、吐出管温度Tdが115℃より低いときのみに(ST7にてYES)、圧縮機(158)に対し、2ステップ減少された周波数を定格ステップに回復させるようにコントローラ(180)から圧縮機(158)に信号が送られ(ST8)、本処理は終了することとなる。
以上のような圧縮機(158)に対する容量制御処理によって、圧縮機(158)の吐出冷媒温度とこの圧縮機(158)を駆動するモータへの供給電流が所定の第1の条件を満たす場合(ST1及びST2にてYESと判断された場合)に、インバータ回路からの出力周波数が減少され(ST3での処理)、冷媒流量が減少されることとなり、また、圧縮機(158)の吐出冷媒温度が所定の第2の条件を満たす場合(ST7にてYESと判断された場合)に、上記の減少された出力周波数が回復され(ST8での処理)、冷媒流量が回復されることとなり、これらによって、冷却負荷の減少等によって生じつつあった圧縮機(158)の吸入冷媒圧力の低下ひいてはその低下によってもたらされる圧縮機(158)の損傷を確実に防止することができる。
特に冷凍装置(1)では、冷暖房のいずれを問わず、高温側回路(102)の低圧(図3の状態IX→状態VII)を一定に保つ必要があるものであるが、上述のような制御によってその必要に対応しつつ低温側回路(101)の圧縮機(158)を安定して動作させることができる。さらに、このような制御は、圧縮機(158)の吸入冷媒圧力を検知する圧力センサを設けることなく、また、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケースとからそれぞれその稼動を示す信号を個別に入力することなく行うものであるため、より簡素な構成で、低温側回路(101)への冷凍、冷蔵負荷のマルチ接続及びその安定した動作を可能とするものである。
図6は、本発明の第2の実施の形態である冷凍装置(2)の主な構成を示す冷媒回路図である。第1の実施の形態である冷凍装置(1)と同様の機能を有する構成要素には、同様の符号を付している。
特に本発明に関わる構成として、高温側回路(202)の圧縮機(251,252)に吸入される冷媒の圧力を検知する圧力センサ(281)が設けられており、コントローラ(280)は、この吸入冷媒圧力に基づき、図5中の吐出管温度Td(可変容量圧縮機(258)から吐出される冷媒の温度)を予測しつつ、その上昇が予測された際に、同様の容量制御処理によって低温側回路(201)の低圧(圧縮機(258)に吸入される冷媒の圧力)の低下を抑えるものである。
すなわち、T1[K]、T2[K]、LP[MPa]、HP[MPa]を、それぞれ、低温側回路(201)の圧縮機(258)の吸入冷媒温度、吐出冷媒温度、吸入冷媒圧力、吐出冷媒圧力とすると、T2=T1・HP/LPが成立する。ここで、HPとして、圧力センサ(281)で計測された高温側回路(202)の低圧の圧力値(圧縮機(251,252)に吸入される冷媒の圧力、0.2MPa〜0.3MPa)を用い、T1=−25[℃]=248[K]、LP=0.1[MPa]として、上式からT2を推定することができるが、図5中の吐出管温度Tdに代えて、この吐出冷媒温度の予測値T2を用い、圧縮機(258)の容量を制御することによって、低温側回路(201)の低圧の低下を抑えることができる。
図7は、本発明の第3の実施の形態である冷凍装置(3)の主な構成を示す冷媒回路図である。
冷凍装置(3)は、冷凍装置(1)同様にコンビニエンスストアなどに設置されるものであるが、冷凍装置(1)とは異なり二段蒸気圧縮冷凍サイクルを行うものであって、冷凍装置(1)と同様の空調ユニット(31)、冷蔵ショーケース(32)、冷凍ショーケース(33)を備えている。空調ユニット(31)は、冷房時に冷媒を減圧する電子膨張弁である空調膨張弁(311)と、冷房時に蒸発器として働き暖房時に凝縮器として働く空調熱交換器(312)を備え、冷蔵ショーケース(32)は、冷蔵蒸発器(322)通過後の冷媒の過熱度を適正に保つ感温膨張弁である冷蔵膨張弁(321)と、ショーケース中の庫内空気から冷媒への吸熱が行われる冷蔵蒸発器(322)を備え、冷凍ショーケース(33)は、感温膨張弁である冷凍膨張弁(331)と、庫内空気から冷媒への吸熱が行われる冷凍蒸発器(332)とを備えている。
また、冷凍装置(3)は、冷凍装置(1)のブースタユニット(14)、室外ユニット(15)とは内部構成の異なるブースタユニット(34)、室外ユニット(36)を備えるものであり、さらに、冷房時にのみ動作し空調ユニット(31)、冷蔵ショーケース(32)、冷凍ショーケース(33)での冷却効果を増大させる過冷却ユニット(35)を備えている。
室外ユニット(36)は、冷媒を圧縮する可変容量圧縮機(361)、第1固定容量圧縮機(362)、第2固定容量圧縮機(363)と、冷媒の循環経路を切り替える四路切替弁(364,365,366)と、冷房時に冷媒から外気への放熱が行われ、暖房時(第2暖房運転時、後述)に外気から冷媒への吸熱が行われる室外熱交換器(367)と、この室外熱交換器(367)で凝縮した液冷媒を一時的に蓄える受液器(368)と、第2暖房運転時に冷媒を減圧させる電子膨張弁である室外膨張弁(369)と、圧縮機(341,351,361,362,363)を運転、停止させ、回路中に設けられた電磁弁、電子膨張弁の開閉度を調節すること等によって、冷媒の流量や圧力を制御するためのコントローラ(380)を備えている。
過冷却ユニット(35)は、冷媒を圧縮する過冷却圧縮機(351)と、冷媒から外気への放熱が行われる過冷却凝縮器(352)と、冷媒を減圧させる過冷却膨張弁(353)と、主回路(圧縮機(361,362,363)、空調熱交換器(312)、冷蔵蒸発器(322)、冷凍蒸発器(332)などを含む回路)中の経路で凝縮する冷媒から放熱される熱を、過冷却回路(圧縮機(351)などを含む回路)中の経路で蒸発する冷媒に回収する過冷却熱交換器(354)とを備えている。
冷凍装置(3)は、冷房運転と第1暖房運転と第2暖房運転を行うことができるものである。いずれの運転モードでも冷蔵ショーケース(32)及び冷凍ショーケース(33)での庫内空気の冷却は行われるが、第1暖房運転では暖房能力が不足する場合に第2暖房運転が行われる。
四路切替弁(364,365)は、冷房運転時には図8に示す経路で、第1暖房運転時には図10に示す経路で、また、第2暖房運転時には図11に示す経路で冷媒を循環させるように切り替えられるものである。また、第1暖房運転時に、四路切替弁(366)を図10の実線に示す状態から破線に示す状態に切り替えられ、さらに第1固定容量圧縮機(362)を運転することにより、冷蔵ショーケース(32)及び冷凍ショーケース(33)での冷却負荷が大きな場合に対応した冷媒の容量制御を行うことができる。
圧縮機(361,362,363)の吸入管近傍(図7で各圧縮機の下部)には均油管、電磁弁等が設けられており、各圧縮機内の冷凍機油の量が均一化されることとなっている。圧縮機吐出口近傍で冷媒中に混ざっている冷凍機油を分離し吸入口近傍に流し戻すための油分離器、冷媒の流れを一定の向きに保つための逆止弁等が適宜設けられている。
特に本発明に関わる構成として、ブースタ圧縮機(341)の吐出管に温度センサ(381)が設けられており、また、この圧縮機(341)では内部のモータへの供給電流を検知することができる。ブースタ圧縮機(341)内のモータはインバータ回路に接続されており、インバータ回路で発生される交流周波数を変化させることによって、モータの回転数が変化され、圧縮機(341)の容量制御が行われる。
コントローラ(380)は、可変容量圧縮機(361)の容量、空調膨張弁(311)の開閉度などを制御して圧縮機(361)の吸入冷媒圧力を一定に保っているが、ブースタ圧縮機(341)の吐出冷媒温度の計測値と圧縮機モータへの供給電流の計測値に基づき、インバータ回路の出力周波数を制御することによって、圧縮機(341)の容量制御を行うものである。
冷凍装置(3)に特有のこのようなブースタ圧縮機(341)の容量制御は、図5を用いて説明した冷凍装置(1)の可変容量圧縮機(158)の容量制御と同様のものであるが、図8〜図11を用いて冷凍装置(3)の冷暖房時の通常時の動作を略述する。
図8は冷凍装置(3)での冷房運転時の冷媒の流れを示す冷媒回路図であり、図9は冷房運転時の冷凍装置(3)各部での冷媒の状態の概略を示すP−h線図である。
冷房運転時には、四路切替弁(364,365,366)は図8の実線に示す状態に設定され、圧縮機(361,362,363)を運転させる。圧縮機(361)で圧縮された冷媒(図9の状態I→状態II)及び圧縮機(362,363)で圧縮された冷媒(状態IX→状態II)は、室外熱交換器(367)で外気へ放熱しつつ凝縮して、受液器(368)に流入し、さらにこの液冷媒は、過冷却熱交換器(354)で過冷却される(状態III→状態IV)。
この過冷却後の液冷媒は、空調熱交換器(312)を通って圧縮機(362,363)に吸入されるものと、冷蔵蒸発器(322)又は冷凍蒸発器(332)を通って圧縮機(361)に吸入されるものとに分岐される。
過冷却後に分岐した液冷媒のうち、空調膨張弁(311)で減圧されたもの(状態IV→状態VIII)は、空調熱交換器(312)で室内空気から吸熱しつつ蒸発し(状態VIII→状態IX)、圧縮機(362,363)に吸入されて圧縮される(状態IX→状態II)。
過冷却後に分岐した液冷媒はさらに分岐し、冷蔵膨張弁(321)で減圧されたもの(状態IV→状態V)は、冷蔵蒸発器(322)で庫内空気から吸熱しつつ蒸発し(状態V→状態I)、また、冷凍膨張弁(331)で減圧されたもの(状態IV→状態VI)は、冷凍蒸発器(332)で庫内空気から吸熱しつつ蒸発し(状態VI→状態VII)、ブースタ圧縮機(341)で圧縮され、冷蔵蒸発器(322)からの冷媒と合流し(状態VII→状態I)、これら合流後の冷媒は圧縮機(361)に吸入され圧縮され(状態I→状態II)、これらによって1サイクルが終了する。
上述のような冷媒の循環が行われる冷媒回路では、圧縮機(362,363)と空調熱交換器(312)とを含む閉回路が高温側回路(302)を構成し、また、圧縮機側に対し、空調熱交換器(312)に並列に接続される、冷蔵蒸発器(322)、冷凍蒸発器(332)及びブースタ圧縮機(341)とを含む開回路が低温側回路(301)を構成するものとみることができる。
これらのように、冷凍装置(3)は、高温側回路(302)で冷房を行いながら、低温側回路(301)で商品の冷蔵、冷凍を行うことができるものである。
図10は冷凍装置(3)での第1暖房運転時の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
第1暖房運転時には、四路切替弁(364,365,366)は図10の実線に示す状態に設定され、圧縮機(361)のみを運転させる。圧縮機(361)に吸入された冷媒は、空調熱交換器(312)で室内空気に放熱しつつ凝縮する。凝縮した液冷媒は分岐し、その一部は、冷蔵膨張弁(321)で減圧されて冷蔵蒸発器(322)で庫内空気から吸熱しつつ蒸発し、その残りは、冷凍膨張弁(331)で減圧されて冷凍蒸発器(332)で庫内空気から吸熱しつつ蒸発した後、ブースタ圧縮機(341)に吸入されて圧縮される。
冷蔵蒸発器(322)で蒸発した冷媒とブースタ圧縮機(341)で圧縮された冷媒とは、合流し、圧縮機(361)に吸入されて、1サイクルを終えることとなる。
これらのように、冷凍装置(3)は、高温側回路(302)で第1暖房を行いながら、低温側回路(301)で商品の冷蔵、冷凍を行うことができるものである。
図11は冷凍装置(3)での第2暖房運転時の冷媒の流れを示す冷媒回路図である。
第2暖房運転時には、四路切替弁(364,365,366)は図11の実線に示す状態に設定され、圧縮機(361,363)のみを運転させる。圧縮機(361,363)で圧縮された冷媒は、空調熱交換器(312)で室内空気に放熱しつつ凝縮する。この凝縮後の液冷媒は、冷蔵蒸発器(322)又は冷凍蒸発器(332)を通って圧縮機(361)に吸入されるものと、室外熱交換器(367)を通って圧縮機(363)に吸入されるものとに分岐する。
空調熱交換器(312)で凝縮した後に分岐する液冷媒のうち、冷蔵膨張弁(321)で減圧されたものは、冷蔵蒸発器(322)で庫内空気から吸熱しつつ蒸発し、また、冷凍膨張弁(331)で減圧されたものは、冷凍蒸発器(332)で庫内空気から吸熱しつつ蒸発した後ブースタ圧縮機(341)に吸入されて圧縮される。冷蔵蒸発器(322)を通る冷媒と冷凍蒸発器(332)を通る冷媒とは、その後合流して、圧縮機(361)に吸入されることとなる。
また、空調熱交換器(312)での凝縮の後に分岐する液冷媒のうち、室外熱交換器(367)を通るものは、受液器(368)に流入して、室外膨張弁(369)で減圧された後、室外熱交換器(367)で外気から吸熱しつつ蒸発し、圧縮機(363)に吸入されることとなり、これらによって1サイクルが終了する。
これらのように、冷凍装置(3)は、高温側回路(302)で第2暖房を行いながら、低温側回路(301)で商品の冷蔵、冷凍を行うことができるものである。
以上図8〜図11を用いて示したように、冷凍装置(3)は、冷暖房を行いながら、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケースにそれぞれ陳列された商品の冷蔵、冷凍を行うことができるものである。
二段蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置(3)においても、二元蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置(1)と同様に、ブースタ圧縮機(341)を、その吐出冷媒圧力および駆動モータの供給電流に基づいて容量制御することによって、冷却負荷の減少等により生ずるブースタ圧縮機(341)の吸入冷媒圧力(図9の状態VI→状態VII)の低下等を確実に防止することができることとなり、このようなブースタ圧縮機(341)の容量制御は、低温側回路(301)への冷凍、冷蔵負荷のマルチ接続、及び、その安定した動作を可能とするものである。
図12は、本発明の第4の実施の形態である冷凍装置(4)の主な構成を示す冷媒回路図である。第3の実施の形態である冷凍装置(3)と同様の機能を有する構成要素には、同様の符号を付している。
冷凍装置(4)は、冷凍装置(3)と同様の冷媒回路の構成を有するものであり、同様に、冷房運転、第1暖房運転、及び、第2暖房運転を行うことができるものであるが、特に本発明に関わる構成として、冷凍装置(4)には、高温側回路(402)の圧縮機(461)の吸入冷媒圧力を検知する圧力センサ(481)が設けられている。コントローラ(480)は、この吸入冷媒圧力に基づき、ブースタ圧縮機(441)の吐出冷媒温度(図5のTdに対応する)を予測しつつ、その上昇が予測された際に、第2の実施の形態の冷凍装置(2)と同様にして、ブースタ圧縮機(441)を容量制御するによって低温側回路(401)の低圧の低下を抑えるものである。
以上説明したように、本発明は、冷暖房を行いながら、冷蔵、冷凍を行うことのできる冷凍装置について有用である。
1 冷凍装置
101,201,301,401 低温側回路
102,202,302,402 高温側回路
111,211,311,411 空調膨張弁
112,212,312,412 空調熱交換器(利用熱交換器)
121,221,321,421 冷蔵膨張弁
122,222,322,422 冷蔵蒸発器
131,231,331,431 冷凍膨張弁
132,232,332,432 冷凍蒸発器(利用熱交換器)
141,241,341,441 ブースタ圧縮機
156 室外膨張弁
157,257 カスケード熱交換器
151,158,258,251,361,461 可変容量圧縮機
152,252,362,363,462,463 固定容量圧縮機
155,255,367,467 室外熱交換器
180,280,380,480 コントローラ
181,381 温度センサ
281,481 圧力センサ
101,201,301,401 低温側回路
102,202,302,402 高温側回路
111,211,311,411 空調膨張弁
112,212,312,412 空調熱交換器(利用熱交換器)
121,221,321,421 冷蔵膨張弁
122,222,322,422 冷蔵蒸発器
131,231,331,431 冷凍膨張弁
132,232,332,432 冷凍蒸発器(利用熱交換器)
141,241,341,441 ブースタ圧縮機
156 室外膨張弁
157,257 カスケード熱交換器
151,158,258,251,361,461 可変容量圧縮機
152,252,362,363,462,463 固定容量圧縮機
155,255,367,467 室外熱交換器
180,280,380,480 コントローラ
181,381 温度センサ
281,481 圧力センサ
Claims (8)
- 利用熱交換器(132)が接続された低温側回路(101)を備えた二元蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置(1)であって、
低温側回路(101)の圧縮機(158)を駆動するモータへの供給電流及び当該圧縮機(158)から吐出された冷媒の温度に基づいて、当該圧縮機(158)の容量を制御することを特徴とする冷凍装置。 - 利用熱交換器(332)が接続された低温側回路(301)を備えた二段蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置(3)であって、
低温側回路(301)の圧縮機(341)を駆動するモータへの供給電流及び当該圧縮機(341)から吐出された冷媒の温度に基づいて、当該圧縮機(341)の容量を制御することを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の冷凍装置において、
利用熱交換器(112,312)が接続された高温側回路(102,302)を備えている冷凍装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の冷凍装置において、
高温側回路(102,302)の圧縮機(151,361)に吸入される冷媒の圧力を一定に保つよう高温側回路(102,302)の圧縮機(151,361)の容量又は膨張弁(156,311)を制御するように構成されている冷凍装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の冷凍装置において、
上記低温側回路(101,301)の圧縮機(158,341)の容量制御を、上記モータに接続されるインバータ回路からの出力周波数を変化させることによって行うように構成されている冷凍装置。 - 請求項5に記載の冷凍装置において、
上記低温側回路(101,301)の圧縮機(158,341)の容量制御を、上記供給電流及び上記冷媒温度が所定の第1条件を満たすときに、上記出力周波数を減少させることによって行うように構成されている冷凍装置。 - 請求項6に記載の冷凍装置において、
上記低温側回路(101,301)の圧縮機(158,341)の容量制御を、上記第1条件が満たされて所定の時間が経過した後上記冷媒温度が所定の第2条件を満たすときに、上記減少された出力周波数を減少前の値に回復させることによって行うように構成されている冷凍装置。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1つに記載の冷凍装置において、
低温側回路(201,401)の圧縮機(258,441)に吸入される冷媒の温度及び圧力の所定の設定値、並びに、高温側回路(202,402)の圧縮機(251,461)に吸入される冷媒の圧力の計測値から、低温側回路(201,401)の圧縮機(258,441)から吐出される冷媒の温度を予測し、
上記低温側回路の圧縮機の容量制御では、低温側回路(201,401)の圧縮機(258,441)から吐出された冷媒の温度として、当該予測値を用いるように構成されている冷凍装置。
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JP2014055753A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-03-27 | Hitachi Appliances Inc | 二元冷凍装置 |
JP2017004365A (ja) * | 2015-06-12 | 2017-01-05 | 富士電機株式会社 | 冷却装置 |
JP2017122556A (ja) * | 2016-01-08 | 2017-07-13 | 三菱重工業株式会社 | 二段圧縮式冷凍サイクル装置、その制御装置及び制御方法並びに制御プログラム |
-
2004
- 2004-08-24 JP JP2004244071A patent/JP2006064199A/ja active Pending
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