特許文献1のロック装置では、コレットと筒状伝動具のテーパ面同士が面接触するため、ロッドをロックする際とロック解除する際に、これらテーパ面に大きな摩擦力が作用するため、コレットと筒状伝動具が摩耗し易く耐久性が悪い。ロッドをロックする際のロック力を大きくする場合、コレットと筒状伝動具のテーパ面のテーパ角度を小さくすることで実現できるが、前記摩擦力が一層大きくなるため、耐久性が一層悪くなるし、筒状伝動具がコレットに強力に係合するため、この係合を解除できなくなる、つまりロッドをロック解除できなくなる虞がある。このように、ロック力を大きくするのに限界がある。
特許文献2,3のようなロック装置では、コレット(内筒)と筒状伝動具(外筒)との間に多数の球体を装着したことで上記課題は解決される。しかし、コレットにはテーパ面が1つしか形成されておらず、コレットには1つの筒状伝動具しか外嵌されていないため、筒状伝動具を軸心方向の一方向へのみ移動させて、コレットを縮径させてロッドをロックすることになるため、やはり、ロック力を大きくするのに限界がある。しかも、その際に、コレットにも軸心方向の一方向へのみ力が作用するため、そのコレットと共にロッドが軸心方向へ移動する虞があり、このようなロック装置をワークサポートに適用した場合、ワークピースを確実にサポートできない虞がある。
そのため、特許文献2,3のロック装置では、ロッドをロックする際にコレットが軸心方向へ移動しない構造を採用してあるが、次のような課題が生じる。特許文献2のロック装置では、ハウジングにコレットをガタなく装着する必要があるため、高い加工精度と組付精度が要求され、特許文献3のロック装置では、コレットを上スリーブを介して弾性部材で付勢した状態で装着してあるが、その弾性部材を設ける必要があることと、上スリーブを軸心方向へ移動自在にハウジングに設ける必要があるため、構造が複雑化する。
本発明の目的は、ロッドをロックする際のロック力を高め、ロッドをロックする際にスリーブを軸心方向へ移動させないようにしてロッドが軸心方向へ移動することを確実に防止し、それで以て構造を簡単化し、工作機械用のワークサポートに適用した場合には、ワークピースを確実にサポートできる、ロック装置を提供することである。
請求項1のロック装置は、ハウジングとこのハウジングに進退可能に挿入されたロッドとを備え、このロッドを解除可能にロックするロック装置において、前記ハウジング内でロッドの外周面に接触状に外嵌され縮径可能なスリーブと、前記スリーブの外周面に軸心方向に直列状に形成された第1,第2テーパ面であって、相互に接近する方へ向かって夫々小径化する第1,第2テーパ面と、前記第1,第2テーパ面に夫々所定の隙間をもって外嵌され且つ軸心方向へ夫々移動可能な第1,第2環状部材と、前記第1,第2テーパ面と第1,第2環状部材の間の前記隙間にスリーブの径方向へ力を伝達可能に装着された多数の球体と、前記第1,第2環状部材を相互に離隔させる方向へ移動させ複数の球体を介してスリーブを縮径させてロッドをロックする縮径駆動手段とを備えたことを特徴とする。
スリーブの縮径が解除された状態でロッドがアンロック状態となり、ロッドがハウジングに対して進退可能となる。このアンロック状態で、ロッドを適当な位置に移動させることができ、次に、縮径駆動手段により、第1,第2環状部材が相互に離隔する方向へ移動駆動されると、第1,第2環状部材が多数の球体を転動させながら、これら球体を介してスリーブの第1,第2テーパ面にスムースに且つ強力に係合する。このとき、縮径駆動手段により第1,第2環状部材を軸心方向へ移動させる駆動力が、第1,第2環状部材からスリーブに多数の球体を介して径方向へ倍力され伝達されて、スリーブが縮径され、このスリーブによりロッドが挟持されロックされる。
ここで、第1,第2テーパ面は相互に接近する方へ向かって夫々小径化するテーパ面であり、ロッドをロックする際には、第1,第2テーパ面に夫々多数の球体を介して外嵌された第1,第2環状部材が相互に離隔する方向へ移動されるため、第1,第2環状部材からスリーブに伝達される軸心方向の力も相互に離隔する方向へ作用して打ち消される。つまり、ロッドをロックする際に、スリーブを軸心方向へ移動させないようにする複雑な構造を採用しなくても、スリーブを軸心方向へ移動させないようにしてロッドが軸心方向へ移動することを確実に防止することができる。
請求項2のロック装置は、前記第1,第2環状部材を相互に接近させる方向へ移動させスリーブの縮径を解除させる縮径解除駆動手段を備えたことを特徴とする。つまり、縮径解除駆動手段により、第1,第2環状部材が相互に接近する方向へ移動駆動され、スリーブの縮径が確実に解除される。
請求項3のロック装置は、ハウジングとこのハウジングに進退可能に挿入されたロッドとを備え、このロッドを解除可能にロックするロック装置において、前記ハウジング内でロッドの外周面に接触状に外嵌され縮径可能なスリーブと、前記スリーブの外周面に軸心方向に直列状に形成された第1,第2テーパ面であって、相互に離隔する方へ向かって夫々小径化する第1,第2テーパ面と、前記第1,第2テーパ面に夫々所定の隙間をもって外嵌され且つ軸心方向へ夫々移動可能な第1,第2環状部材と、前記第1,第2テーパ面と第1,第2環状部材の間の前記隙間にスリーブの径方向へ力を伝達可能に装着された多数の球体と、前記第1,第2環状部材を相互に接近させる方向へ移動させ複数の球体を介してスリーブを縮径させてロッドをロックする縮径駆動手段とを備えたことを特徴とする。
縮径駆動手段により、第1,第2環状部材が相互に接近する方向へ移動駆動されると、第1,第2環状部材が多数の球体を転動させながら、これら球体を介してスリーブの第1,第2テーパ面にスムースに且つ強力に係合する。ここで、第1,第2テーパ面は相互に離隔する方へ向かって夫々小径化するテーパ面であり、ロッドをロックする際には、第1,第2テーパ面に夫々多数の球体を介して外嵌された第1,第2環状部材が相互に接近する方向へ移動されるため、第1,第2環状部材からスリーブに伝達される軸心方向の力も相互に接近する方向へ作用し打ち消される。その他、請求項1と同様の作用を奏する。
請求項4のロック装置は、前記第1,第2環状部材を相互に離隔させる方向へ移動させスリーブの縮径を解除させる縮径解除駆動手段を備えたことを特徴とする(請求項4)。縮径解除駆動手段により、第1,第2環状部材が相互に離隔する方向へ移動駆動され、スリーブの縮径が確実に解除される。
請求項1〜4の発明においては,次の構成を採用可能である。
前記縮径駆動手段は、第1,第2環状部材を夫々流体圧により駆動する流体圧駆動手段からなり、前記縮径解除駆動手段は、第1,第2環状部材を夫々付勢するバネ手段からなる(請求項5)。前記第1,第2環状部材に前記流体圧が作用するピストン部を夫々一体的に設ける(請求項6)。前記縮径駆動手段は、第1,第2環状部材のピストン部に前記流体圧を作用させる共通の流体圧室を有する(請求項7)。
前記縮径駆動手段は、第1,第2環状部材を夫々付勢するバネ手段からなり、前記縮径解除駆動手段は、第1,第2環状部材を夫々流体圧により駆動する流体圧駆動手段からなる(請求項8)。前記スリーブの内周面部に複数の環状凹部を形成する(請求項9)。前記スリーブと第1,第2環状部材の少なくとも一方に、多数の球体を前記隙間から離脱させないように係止する係止部を設ける(請求項10)。
請求項1のロック装置によれば、縮径駆動手段により、第1,第2環状部材を相互に離隔させる方向へ移動させることにより、その駆動力を第1,第2環状部材からスリーブに多数の球体を介してスリーブの径方向へ倍力して伝達して、スリーブを縮径させ、このスリーブによりロッドを進退不能に挟持してロックすることができる。このとき、多数の球体により、第1,第2環状部材をスリーブの第1,第2テーパ面にスムースに且つ強力に係合させることができるので、第1,第2テーパ面のテーパ角度を小さくして、ロッドをロックする際のロック力を高め、しかも、第1,第2環状部材と第1,第2テーパ面に作用する摩擦力を大幅に低減できるため、ロック解除も円滑に確実に行うことができ、摩擦によるエネルギ損失を大幅に低減でき、ロック装置を小型化するうえで有利になる。
しかも、第1,第2テーパ面は相互に接近する方へ向かって夫々小径化するテーパ面であり、ロッドをロックする際には、第1,第2テーパ面に夫々多数の球体を介して外嵌された第1,第2環状部材を相互に離隔させる方向へ移動させるため、第1,第2環状部材からスリーブに伝達される軸心方向の力も相互に離隔する方向へ作用させて打ち消すことができる。つまり、ロッドをロックする際に、スリーブを軸心方向へ移動させないようにする複雑な構造を採用しなくても、スリーブを軸心方向へ移動させないようにしてロッドが軸心方向へ移動することを確実に防止することができる。従って、工作機械用のワークサポートに適用した場合には、ワークピースとロッドとの間に隙間を形成することなく、ワークピースにロッドを当接させた状態で確実にロックして、ワークピースを確実にサポートすることができ、工作機械によるワークピースの加工精度を確保することができる。
請求項2のロック装置によれば、第1,第2環状部材を相互に接近させる方向へ移動させスリーブの縮径を解除させる縮径解除駆動手段を設けたので、スリーブの縮径を簡単に確実に解除することができる。
請求項3のロック装置によれば、縮径駆動手段により、第1,第2環状部材を相互に接近させる方向へ移動させることにより、その駆動力を第1,第2環状部材からスリーブに多数の球体を介してスリーブの径方向へ倍力して伝達して、スリーブを縮径させ、このスリーブによりロッドを進退不能に挟持してロックすることができる。しかも、第1,第2テーパ面は相互に離隔する方へ向かって夫々小径化するテーパ面であり、ロッドをロックする際には、第1,第2テーパ面に夫々多数の球体を介して外嵌された第1,第2環状部材を相互に接近させる方向へ移動させるため、第1,第2環状部材からスリーブに伝達される軸心方向の力も相互に接近する方向へ作用させて打ち消すことができる。その他、請求項1と同様の効果を奏する。
請求項4のロック装置によれば、第1,第2環状部材を相互に離隔させる方向へ移動させスリーブの縮径を解除させる縮径解除駆動手段を設けたので、スリーブの縮径を簡単に確実に解除することができる。
請求項5のロック装置によれば、縮径駆動手段は、第1,第2環状部材を夫々流体圧により駆動する流体圧駆動手段からなり、縮径解除駆動手段は、第1,第2環状部材を夫々付勢するバネ手段からなるので、縮径駆動手段により第1,第2環状部材を流体圧で駆動して、ロッドを確実にロックすることができ、縮径駆動手段による第1,第2環状部材の駆動を停止することにより、縮径解除駆動手段により第1,第2環状部材を付勢力で駆動して復帰させてスリーブの縮径を確実に解除することができる。
請求項6のロック装置によれば、第1,第2環状部材に前記流体圧が作用するピストン部を夫々一体的に設けたので、部品点数を低減して、縮径駆動手段の構成を簡単化することができる。
請求項7のロック装置によれば、縮径駆動手段は、第1,第2環状部材のピストン部に前記流体圧を作用させる共通の流体圧室を有するので、この流体圧室に流体圧を供給することにより、流体圧を第1,第2環状部材のピストン部に作用させて、第1,第2環状部材を夫々駆動することができ、縮径駆動手段の構成をより簡単化することができる。
請求項8のロック装置によれば、縮径駆動手段は、第1,第2環状部材を夫々付勢するバネ手段からなり、縮径解除駆動手段は、第1,第2環状部材を夫々流体圧により駆動する流体圧駆動手段からなるので、縮径解除駆動手段による第1,第2環状部材の駆動を停止することにより、縮径駆動手段により第1,第2環状部材を付勢力で駆動して、ロッドを確実にロックすることができ、縮径解除駆動手段により第1,第2環状部材を流体圧で駆動して復帰させてスリーブの縮径を確実に解除することができる。
請求項9のロック装置によれば、スリーブの内周面部に複数の環状凹部を形成したので、スリーブとロッドとの間に入ってきた切削液等を、この環状凹部に逃がして安定した摩擦力を確保することができる。
請求項10のロック装置によれば、スリーブと第1,第2環状部材の少なくとも一方に、多数の球体を前記隙間から離脱させないように係止する係止部を設けたので、前記隙間に多数の球体を確実に保持することができる。
実施例1について図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、本発明のロック装置を適用したワークサポート1の縦断面図であり、図2は、ワークサポート1の平面図であり、図3は、図1のa−a線断面図、図4はスリーブ6の斜視図である。尚、適宜、図1の上方を上方として説明する。
図1〜図4に示すように、ワークサポート1は、ハウジング2と、ハウジング2に進退可能に挿入されたロッド3と、ロッド3を上方へ進出させる進出駆動機構4と、ロッド3を下方へ退入させる退入駆動機構5と、ハウジング2内でロッド3の外周面に接触状に外嵌され縮径可能なスリーブ6と、スリーブ6の外周面に軸心方向に直列状に形成された第1,第2テーパ面7,8であって、相互に接近する方へ向かって夫々小径化する第1,第2テーパ面7,8と、第1,第2テーパ面7,8に夫々所定の隙間9,10をもって外嵌され且つ軸心方向(上下方向)へ夫々移動可能な第1,第2環状部材11,12と、第1,第2テーパ面7,8と第1,第2環状部材11,12の間の前記隙間9,10にスリーブ6の径方向へ力を伝達可能に装着された多数の球体13,14と、第1,第2環状部材11,12を相互に離隔させる方向(上方と下方)へ移動させ複数の球体13,14を介してスリーブ6を縮径させてロッド3をロックする縮径駆動機構15と、第1,第2環状部材11,12を相互に接近させる方向(下方と上方)へ移動させスリーブ6の縮径を解除させる縮径解除駆動機構16とを備えている。
ハウジング2は、胴部材20と上端壁21と下端壁22とを有する。胴部材20の内部には、その上端から下端へ向かって、第1穴部20a、第1穴部20aよりも小径の第2穴部20b、第2穴部20bよりも小径の第3穴部20c、第3穴部20cよりも小径の第4穴部20d、第4穴部20dよりも大径の第5穴部20eが直列状に形成され、第1穴部20aに上端壁21が内嵌状に螺合固定され、第5穴部20eに下端壁22が内嵌状に螺合固定されている。胴部材20と上端壁21の間と、胴部材20と下端壁22の間には、夫々環状シール材23,24が装着されている。ハウジング2は工作機械のワークテーブルTに固定されるが、この場合、例えば、ハウジング2の下部の円筒部20fがワークテーブルTに形成された取付孔に挿入され、ハウジング2の円筒部20fよりも上側の平面視矩形のヘッド部20gがワークテーブルTの上側に配置され、このヘッド部20gが複数(例えば、4本)のボルト25でワークテーブルTに締結される。
上端壁21には挿通孔部21aが形成され、その挿通孔部21aにロッド3が摺動自在に挿通され、ロッド3の一部がハウジング2から上側へ突出している。挿通孔部21aとロッド3の間には環状シール材26が装着されている。ロッド3の下端部が胴部材20の第4孔部20dに摺動可能になっている。図1には、実線でロッド3が最大限退入した状態(以下、待機状態という)を示し、鎖線でロッド3が最大限突出した状態を示している。ロッド3が待機状態のとき、ロッド3の上端部がハウジング2から僅かに突出し、ロッド3の下端部が胴部材20の第4孔部20dに挿入された状態となる。ロッド3の上端部にはワーク受け27が固定されている。
ロッド3の内部には、その上半部に上半孔部3aが形成され、その下半部に下半孔部3bが形成され、上半孔部3aと上半孔部3bとの間にそれら孔部3a,3bを連通する連通孔部3cが形成されている。連通孔部3cは上半孔部3a及び下半孔部3bよりも小径であり、下半孔部3bは上半孔部3aよりも大径である。また、ハウジング2の内部には、筒状部材30とロッド作動軸31が装着されている。筒状部材30は、筒部30aと、筒部30aの下端部に形成された鍔部30bからなり、鍔部30bがハウジング2の胴部材20と下端壁22との間に挟持状に固定され、筒部30aにロッド3の下半孔部3bが摺動自在に外嵌されている。ロッド3が待機状態のとき、ロッド3の下端部が鍔部30bに当接し、ロッド3の連通孔部3cを形成する内鍔部3dが筒部30aの上端部に当接した状態となる。胴部材20と鍔部30bの間には環状シール材28が装着されている。
ロッド作動軸31は、ロッド3及び筒状部材30の内側に装着されている。このロッド作動軸31は、その上端から下端へ向かって、上軸部31aと、鍔部31bと、中軸部31cと、下軸部31dと、ピストン部31eが直列状に形成されている。上軸部31aと鍔部31bがロッド3の上半孔部3a内に配設され、鍔部31bが連通孔部3cよりも大径であり、内鍔部3dに上側から当接可能である。上半孔部3aには圧縮バネからなる第1復帰バネ32が装着されており、この第1復帰バネ32により、鍔部31bに対してロッド3が上方へ弾性付勢されている。中軸部31cはロッド3の連通孔部3cよりも小径であり、この連通孔部3cを貫通すると共に、筒状部材30の筒部30aの上端部に形成された軸挿通孔部30cに摺動自在に挿通されている。下軸部31dは、中軸部31cよりも大径である。
ロッド作動軸31のピストン部31eはロッド3の下半孔部3bに摺動自在に内嵌されている。ピストン部31eには環状溝31fが形成され、その環状溝31fにピストン部31eと下半孔部3bとの間をシールする環状シール材29が装着されている。下半孔部3bには圧縮バネからなる第2復帰バネ33が装着されており、この第2復帰バネ33により、筒状部材30に対してピストン部31eが下方へ弾性付勢されている。ロッド3が待機状態のとき、鍔部31bがロッド3の内鍔部3dに当接し、これにより、ロッド3の内鍔部3dが筒部30aの上端部に当接した状態となる。
ここで、ハウジング2において、下端壁22には上側から凹部22aが形成され、この凹部22aと筒状部材30とピストン部30eとで囲まれた部分に油圧室34が形成されている。この油圧室34に油圧を供給するために、胴部材20には、外部の油圧供給源に接続される油圧ポート35が形成され、この油圧ポート35と油圧室34とを接続する油路36,37が胴部材20と下端壁22に形成されている。この油圧ポート35と油路36は、縮径駆動機構15と共通のものである。
さて、ロッド3を上方へ進出させる進出駆動機構4は、ロッド作動軸31、第1復帰バネ32、油圧室34等で構成されている。即ち、油圧室34に油圧が供給されると、ロッド作動軸31が第2復帰バネ33の付勢力に抗して上昇駆動され、先ずは、第1復帰バネ32によりロッド作動軸31と一体化された状態のロッド3が一体的に上昇する。そして、ロッド3の上端部がワークピースに当接すると、ロッド3の上昇が停止するが、その後も、油圧室34に供給された油圧により、ロッド作動軸31が第1,第2復帰バネ32,33の付勢力に抗して上昇駆動され、最終的に、ロッド作動軸31の下軸部31dが筒状部材30の上端部に当接すると、ロッド作動軸31の上昇が停止する。その後、油路36内の油圧が上昇して、縮径駆動機構15が作動してロッド3がロックされることになる。
また、ロッド3を下方へ退入させる退入駆動機構5は、ロッド作動軸31、第1,第2復帰バネ32,33で構成されている。即ち、油圧室34の油圧が排出されると、先ずは、縮径駆動機構15が作動を停止し、縮径解除駆動機構16が作動してロッド3のロックが解除されることになるが、その後、第1,第2復帰バネ32,33により、ロッド3に対してロッド作動軸31が下降駆動され、ロッド作動軸31の鍔部31bがロッド3の内鍔部3dに当接し、第1復帰バネ32によりロッド作動軸31とロッド3が一体化された状態になる。続いて、第2復帰バネ33により、ロッド作動軸31と一体的にロッド3が下降駆動され、最終的に、ロッド3が待機状態となる。
次に、本案特有のスリーブ6、第1,第2環状部材11,12、多数の球体13,14、縮径駆動機構15、縮径解除駆動機構16について説明する。
スリーブ6は、ハウジング2内の上端壁21と胴部材22の第4孔部20dを形成する内鍔部20hとの間において、ロッド3の外周面に接触状に摺動可能に外嵌されている。スリーブ6には上下方向へ延びる1つのスリット6aが形成され、スリーブ6はこのスリット6aにより弾性的に縮径可能に構成されている。スリーブ6には、前記のように、その外周面に第1,第2テーパ面7,8が形成されており、例えば、この第1,第2テーパ面7,8が形成された筒部分は、上下両端部側ほど厚肉となっている。
スリーブ6はこの第1,第2テーパ面7,8を含めて上下対称構造となっている。第1,第2テーパ面7,8のテーパ角度は数度(例えば、2度)に設定されている。第1,第2テーパ面7,8の間の中央筒部6bは、第1,第2テーパ面7,8の相互に接近する側の端部よりも大径に形成され、この中央部6bと第1,第2テーパ面7,8との境界の段部が、球体13,14を係止する係止部6c,6dに形成されている。スリーブ6の内周面部には複数の環状凹部6eが形成されている。
第1,第2環状部材11,12の内周面には、スリーブ6の第1,第2テーパ面7,8に夫々対面する第1,第2テーパ内周面11a,12aが形成され、第1,第2環状部材11,12は互いに接近・離間する方向へ相対的に移動可能に連結され、夫々、ハウジング2の胴部材20の第2孔部20bに軸心方向(上下方向)へ移動自在に内嵌されている。第1環状部材11は、伝達筒部11bと、伝達筒部11bから外側へ張り出す環状鍔部11cからなり、伝達筒部11bに第1テーパ内周面11aが形成され、環状鍔部11cが第2孔部20bに摺動自在に内嵌されている。環状鍔部11cには、環状鍔部11cと第2孔部20bとの間をシールする環状シール材40が装着されている。
第2環状部材12は、伝達筒部12bと、伝達筒部12bの上端から上側へ延びる連結筒部12cからなり、伝達筒部12bに第2テーパ内周面12aが形成され、連結筒部12cが第2孔部20bに摺動自在に内嵌されると共に、第1環状部材12の伝達筒部12bに摺動自在に外嵌されている。連結筒部12cには、連結筒部12cと第2孔部20bとの間をシールする環状シール材41が装着され、第1環状部材11の伝達筒部11bには、伝達筒部11bと連結筒部12cとの間をシールする環状シール材42が装着されている。
第1環状部材11の伝達筒部11bと環状鍔部11cの下端部が第2環状部材12の伝達筒部12bと連結筒部12cの上端部に夫々当接すると、第1,第2環状部材11,12が最も接近した位置(以下、待機位置という)となる。この待機位置において、第1環状部材11がこれ以上下降しないように、また、第2環状部材12がこれ以上上昇しないように、第1,第2環状部材11,12の移動を規制するボルト部材43が装着され、待機位置における第1,第2環状部材11,12は常に一定位置となり、このとき、スリーブ6の縮径が解除されロッド3がロック解除された状態となる。
多数の球体13は、スリーブ6の第1テーパ面7と第1環状部材11のテーパ内周面11aの間の隙間9に均一に装着され、多数の球体14は、スリーブ6の第2テーパ面8と第2環状部材12のテーパ内周面12aの間の隙間10に均一に装着されている。隙間9,10は球体13,14の直径とほぼ同じ間隔であり、第1,第2環状部材11,12は多数の球体13,14を介してスリーブ6に外嵌された状態になる。多数の球体13,14を隙間9,10から離脱させないように係止する係止部として、第1環状部材11の上端部と第2環状部材12の下端部に,隙間9,10側へ張り出すリング部材44,45が装着されている。
縮径駆動機構15は、第1,第2環状部材11,12を夫々油圧により駆動する油圧駆動手段からなり、縮径解除駆動手段16は、第1,第2環状部材11,12を夫々付勢するバネ手段からなる。縮径駆動機構15において、第1,第2環状部材11,12に前記油圧が作用するピストン部としての環状鍔部11cと連結筒部12cが夫々一体的に設けられ、縮径駆動機構15は、第1,第2環状部材11,12の環状鍔部11cと連結筒部12cに前記油圧を作用させる共通の油圧室50を有する。油圧室50は、ハウジング2の胴部材20と第1,第2環状部材11,12とで囲まれた部分に形成され、この油圧室50を油路36に接続する油路51が形成されている。
縮径解除駆動機構16は、第1環状部材11を下方へ付勢する第1バネ部材55と、第2環状部材12を上方へ付勢する第2バネ部材56とを有する。第1,第2バネ部材55,56は圧縮バネからなり、第1バネ部材55は、ハウジング2の上端壁21と第1環状部材11の環状鍔部11cの間に装着され、第2バネ部材56は、ハウジング2の胴部材20の第2孔部20bの下端の段部と第2環状部材12の連結筒部12cの間に装着されている。油圧室50に油圧が供給されていない状態で、これら第1,第2バネ部材55,56により、第1,第2環状部材11,12が待機位置になる。尚、ハウジング2には、その内部の部材の移動の際の呼吸孔が適宜設けられている。
次に、このワークサポート1の作用について説明する。
ワークテーブルTには1又は複数のワークサポート1が取付けられ、各ワークサポート1を次のように作動させる。先ず、ワークピースをワークテーブルTに位置決め固定する前には、油圧室34,50から油圧を排出した状態にする。すると、図1に実線で示すように、第1,第2復帰バネ32,33により、ロッド作動軸31が下限位置に位置すると共に、ロッド3が下限位置に位置して待機状態になる。図1に鎖線で示すロッド3の位置が上限位置であるが、ロッド3が下限位置から上限位置まで突出する間に、ロッド3の先端部がワークテーブルTに位置決め固定されるワークピースに当接するようにしておく。
次に、ワークテーブルTにワークピースが位置決め固定された後、油圧供給源から油圧ポート35に油圧を供給する。すると、油圧室34,50の両方に油圧が供給されるが、先ずは、その油圧により、第1,第2環状部材11,12互いに離隔する方向へ駆動されることなく、ロッド作動軸31が第2復帰バネ33の付勢力に抗して上昇駆動される。これは、第1環状部材11を下方へ付勢するバネ部材55の付勢力、第2環状部材11を上方へ付勢するバネ部材56の付勢力が、第2復帰バネ33の付勢力、更には、第1,第2復帰バネ32,33の付勢力よりも大きく設定されているためである。
ロッド作動軸31が上昇駆動されると、先ずは、ロッド作動軸31と一体的にロッド3が上昇駆動され、ロッド3の先端部がワークピースに当接すると、その後は、ロッド3の上昇が停止し、ロッド作動軸31のみが上昇する。そして、ロッド作動軸31の下軸部31dが筒状部材30の上端部に当接すると、ロッド作動軸31の上昇が停止して、油圧室50の油圧が上昇していく。すると、縮径駆動機構15が作動して、第1,第2環状部材11,12が相互に離隔する方向へ移動駆動される。
すると、第1,第2環状部材11,12が多数の球体13,14を転動させながら、これら球体13,14を介してスリーブ6の第1,第2テーパ面7,8にスムースに且つ強力に係合する。このとき、油圧により第1,第2環状部材11,12を軸心方向へ移動させる駆動力が、第1,第2環状部材11,12からスリーブ6に多数の球体13,14を介してスリーブ6の径方向へ倍力されて伝達されて、スリーブ6が縮径され、このスリーブ6によりロッド3が挟持され、ロッド3はその先端部がワークピースに当接しワークピースをサポート(支持)した状態でロックされる。
ここで、図5、図6に基づいて、本発明のロック力と従来技術のロック力とを比較してみる。先ず、本発明の場合、図5に示すように、第1,第2環状部材11,12に油圧を作用させて、軸心方向へ夫々Fの力を発生させる。各第1,第2環状部材11,12から倍力されたkFの径方向の力がスリーブ6に伝達され、合計でスリーブ6にはkF×2の力が伝達されることになる。一方、従来技術の場合、図6に示すように、1つの環状部材11Fに同大きさの油圧を作用させて、軸心方向へFの力を発生させる。環状部材11Fから倍力されたkFの径方向の力しかスリーブ6Fに伝達されない。このように、流体圧の特性を利用して、油圧の大きさを一定とした場合、従来技術に比べると倍の力をスリーブ6に作用させることができるため、ロック力を著しく高めることができる。
ロッド3をロック解除する場合には、油圧室34,50から油圧を排出する。すると、先ずは、縮径解除駆動機構16が作動し、第1,第2バネ部材55,56により、第1,第2環状部材11,12が相互に接近する方向へ駆動され、これにより、第1,第2環状部材11,12の、球体13,14を介したスリーブ6の第1,第2テーパ面7,8への係合が解除されて、スリーブ6が拡張し復帰してロッド3がロック解除される。続いて、第1,第2復帰バネ32,33により、ロッド作動軸31、ロッド3が下降駆動されて下限位置に位置して待機状態になる。
以上説明したワークサポート1によれば次の効果を奏する。
縮径駆動機構15により、第1,第2環状部材11,12を相互に離隔させる方向へ移動させることにより、その駆動力を第1,第2環状部材11,12からスリーブ6に多数の球体13,14を介してスリーブ6の径方向へ倍力して伝達して、スリーブ6を縮径させ、このスリーブ6によりロッド3を進退不能に挟持してロックできる。このとき、多数の球体13,14により、第1,第2環状部材11,12をスリーブ6の第1,第2テーパ面7,8にスムースに且つ強力に係合させることができるので、第1,第2テーパ面7,8のテーパ角度を小さくして、ロッド3のロック力(スリーブ6による挟持固定力)を高め、しかも、第1,第2環状部材11,12と第1,第2テーパ面7,8に作用する摩擦力を大幅に低減できるため、ロック解除も円滑に確実に行うことができ、摩擦によるエネルギ損失を大幅に低減でき、ワークサポート1を小型化するうえで有利になる。
しかも、第1,第2テーパ面7,8は相互に接近する方へ向かって夫々小径化するテーパ面であり、ロッド3をロックする際には、第1,第2テーパ面7,8に夫々多数の球体13,14を介して外嵌された第1,第2環状部材11,12を相互に離隔させる方向へ移動させるため、第1,第2環状部材11,12からスリーブ6に伝達される軸心方向の力も相互に離隔する方向へ作用させて打ち消すことができる。つまり、ロッド3をロックする際に、スリーブ6を軸心方向へ移動させないようにする複雑な構造を採用しなくても、スリーブ6を軸心方向へ移動させないようにしてロッド3が軸心方向へ移動することを確実に防止することができる。従って、本実施例のように、工作機械用のワークサポート1においては、ワークピースとロッド3との間に隙間を形成することなく、ワークピースにロッド3を当接させた状態で確実にロックして、ワークピースを確実にサポートすることができ、工作機械によるワークピースの加工精度を確保することができる。
第1,第2環状部材11,12を相互に接近させる方向へ移動させスリーブ6の縮径を解除させる縮径解除駆動機構16を設けたので、スリーブ6の縮径を簡単に確実に解除してロッド3をロック解除することができる。
縮径駆動機構15は、第1,第2環状部材11,12を夫々油圧により駆動する油圧駆動手段からなり、縮径解除駆動機構16は、第1,第2環状部材11,12を夫々付勢するバネ手段からなるので、縮径駆動機構15により第1,第2環状部材11,12を油圧で駆動して、ロッド3を確実にロックすることができ、縮径駆動機構15による第1,第2環状部材11,12の駆動を停止することにより、縮径解除駆動機構16により第1,第2環状部材11,12をバネ部材55,56の付勢力で駆動して復帰させてスリーブ6の縮径を確実に解除することができる。
第1,第2環状部材11,12に前記油圧が作用するピストン部としての環状鍔部11cと連結筒部12cを夫々一体的に設けたので、部品点数を低減して、縮径駆動機構15の構成を簡単化することができる。また、縮径駆動機構15は、第1,第2環状部材11,12の環状鍔部11cと連結筒部12cに前記油圧を作用させる共通の油圧室50を有するので、この油圧室50に油圧を供給することにより、油圧を環状鍔部11cと連結筒部12cに作用させて、第1,第2環状部材11,12を夫々駆動することができ、縮径駆動機構15の構成をより簡単化することができる。
スリーブ6の内周面部に複数の環状凹部6eを形成したので、スリーブ6とロッド3との間に入ってきた切削液等を、この環状凹部6eに逃がして安定した摩擦力を確保できる。スリーブ6と第1,第2環状部材11,12に、多数の球体13,14を前記隙間9,10から離脱させないように係止する係止部6c,6d、リング部材44,45を設けたので、前記隙間9,10に多数の球体13,14を確実に保持することができる。
尚、このワークサポート1においては、縮径駆動機構15と縮径解除駆動機構16を次のように変更してもよい。縮径駆動機構は、第1,第2環状部材11,12を夫々付勢するバネ手段からなり、縮径解除駆動機構は、第1,第2環状部材11,12を夫々油圧により駆動する油圧駆動手段からなる。つまり、バネ部材により第1,第2環状部材11,12が相互に離隔する方向へ移動駆動されて、スリーブ6が縮径されてロッド3をロックし、油圧により第1,第2環状部材11,12が相互に接近する方向へ移動駆動されて、スリーブ6が縮径解除されてロッド3をロック解除する。尚、この場合、縮径解除駆動機構に供給する油圧と、進出駆動機構4に供給する油圧については、別系統で供給する。
図7に示すように、実施例2のワークサポート1Aは、実施例1のワークサポート1を部分的に変更したものである。尚、基本的に実施例1のワークサポート1と同じものには同一符号を付して説明する。
このワークサポート1Aは、ハウジング2と、ハウジング2に進退可能に挿入されたロッド3と、ロッド3を上方へ進出させる進出駆動機構4と、ロッド3を下方へ退入させる退入駆動機構5と、ハウジング2内でロッド3の外周面に接触状に外嵌され縮径可能なスリーブ6Aと、スリーブ6Aの外周面に軸心方向に直列状に形成された第1,第2テーパ面7A,8Aであって、相互に離隔する方へ向かって夫々小径化する第1,第2テーパ面7A,8Aと、第1,第2テーパ面7A,8Aに夫々所定の隙間9A,10Aをもって外嵌され且つ軸心方向(上下方向)へ夫々移動可能な第1,第2環状部材11A,12Aと、第1,第2テーパ面7A,8Aと第1,第2環状部材11A,12Aの間の前記隙間9A,10Aにスリーブ6Aの径方向へ力を伝達可能に装着された多数の球体13A,14Aと、第1,第2環状部材11A,12Aを相互に接近させる方向(下方と上方)へ移動させ複数の球体13A,14Aを介してスリーブ6Aを縮径させてロッド3をロックする縮径駆動機構15Aと、第1,第2環状部材11A,12Aを相互に離隔させる方向(上方と下方)へ移動させスリーブ6Aの縮径を解除させる縮径解除駆動機構16Aとを備えている。
スリーブ6Aには上下方向へ延びる1つのスリット(図示略)が形成され、スリーブ6Aはこのスリットにより弾性的に縮径可能に構成されている。スリーブ6Aの第1,第2テーパ面7A,8Aが形成された筒部分は、上下両端部側ほど薄肉となっている。スリーブ6Aはこの第1,第2テーパ面7A,8Aを含めて上下対称構造となっている。第1,第2テーパ面7A,8Aのテーパ角度は数度(例えば、2度)に設定されている。第1,第2環状部材11A,12Aの内周面には、スリーブ6Aの第1,第2テーパ面7A,8Aに夫々対面する第1,第2テーパ内周面11d,12dが形成されている。多数の球体13Aは、第1テーパ面7Aと第1環状部材11Aのテーパ内周面11dの間の隙間9Aに均一に装着され、多数の球体14Aは、第2テーパ面8Aと第2環状部材12Aのテーパ内周面12dの間の隙間10Aに均一に装着されている。
縮径駆動機構15Aは、第1,第2環状部材11A,12Aを夫々付勢するバネ手段からなり、縮径解除駆動機構16Aは、第1,第2環状部材11A,12Aを夫々油圧により駆動する油圧駆動手段からなる。縮径駆動機構15Aは、第1環状部材11Aを下方へ付勢する圧縮バネからなる第1バネ部材55Aと、第2環状部材12Aを上方へ付勢する圧縮バネからなる第2バネ部材56Aとを有する。縮径解除駆動機構16Aにおいて、第1,第2環状部材11A,12Aに前記油圧が作用するピストン部としての環状鍔部11cと連結筒部12cが夫々一体的に設けられ、縮径解除駆動機構16Aは、環状鍔部11cと連結筒部12cに前記油圧を作用させる共通の油圧室50Aを有する。尚、縮径解除駆動機構に供給する油圧と、進出駆動機構4に供給する油圧については、別系統で供給する。
このワークサポート1Aによれば、縮径駆動機構15Aにより、第1,第2環状部材11A,12Aを相互に接近させる方向へ移動させることにより、その駆動力を第1,第2環状部材11A,12Aからスリーブ6Aに多数の球体14A,15Aを介してスリーブ6Aの径方向へ倍力して伝達して、スリーブ6Aを縮径させ、このスリーブ6Aによりロッド3を進退不能に挟持してロックすることができる。しかも、第1,第2テーパ面7A,8Aは相互に離隔する方へ向かって夫々小径化するテーパ面であり、ロッド3をロックする際には、第1,第2テーパ面7A,8Aに夫々多数の球体14A,15Aを介して外嵌された第1,第2環状部材11A,12Aを相互に接近させる方向へ移動させるため、第1,第2環状部材11A,12Aからスリーブ6Aに伝達される軸心方向の力も相互に接近する方向へ作用させて打ち消すことができる。
また、縮径駆動機構15Aは、第1,第2環状部材11A,12Aを夫々付勢するバネ手段からなり、縮径解除駆動機構16Aは、第1,第2環状部材11A,12Aを夫々油圧により駆動する油圧駆動手段からなるので、縮径解除駆動機構16Aによる第1,第2環状部材11A,12Aの駆動を停止することにより、縮径駆動機構15Aにより第1,第2環状部材11A,12Aを付勢力で駆動して、ロッド3を確実にロックすることができ、縮径解除駆動機構16Aにより第1,第2環状部材11A,12Aを油圧で駆動して復帰させてスリーブ6Aの縮径を確実に解除することができる。その他、実施例1のワークサポート1と同様の効果を奏する。
尚、このワークサポート1Aにおいては、縮径駆動機構15Aと縮径解除駆動機構16Aを次のように変更してもよい。縮径駆動機構は、第1,第2環状部材11A,12Aを夫々油圧により駆動する油圧駆動手段からなり、縮径解除駆動機構は、第1,第2環状部材11A,12Aを夫々付勢するバネ手段からなる。油圧により第1,第2環状部材11,12が相互に接近する方向へ移動駆動されて、スリーブ6Aが縮径されてロッド3をロックし、バネ部材により第1,第2環状部材11A,12Aが相互に接近する方向へ移動駆動されて、スリーブ6Aが縮径解除されてロッド3をロック解除する。