JP2006063649A - 土間コンクリートの施工具及び施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間に施工でき、施工方法が容易で、施工後も長期間クラックの発生し難いガラス繊維製品を埋設する土間コンクリートの施工方法と使用される施工具の提供を課題とする。
【解決手段】本発明の土間コンクリート施工具10は、ガラス繊維製埋設材を打設された未硬化のコンクリート表面へ伏せ込む作業に使用される施工具で、コンクリート表面に対して平行配置が可能な回転軸3と、回転軸3を中心に旋回し、ガラス繊維製埋設材を押圧してコンクリート表面へ伏せ込む回転押圧部1と、回転軸3を支持して回転押圧部1をコンクリート表面に対し平行移動させる推進力を印加可能な作用部2とを有する。本発明の土間コンクリート施工方法は、打設された未硬化コンクリートにガラス繊維製埋設材の伏せ込みを行う工程で、土間コンクリート施工具10を用いてガラス繊維製埋設材の伏せ込み作業を行う。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の土間コンクリート施工具10は、ガラス繊維製埋設材を打設された未硬化のコンクリート表面へ伏せ込む作業に使用される施工具で、コンクリート表面に対して平行配置が可能な回転軸3と、回転軸3を中心に旋回し、ガラス繊維製埋設材を押圧してコンクリート表面へ伏せ込む回転押圧部1と、回転軸3を支持して回転押圧部1をコンクリート表面に対し平行移動させる推進力を印加可能な作用部2とを有する。本発明の土間コンクリート施工方法は、打設された未硬化コンクリートにガラス繊維製埋設材の伏せ込みを行う工程で、土間コンクリート施工具10を用いてガラス繊維製埋設材の伏せ込み作業を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、建築物等の土間コンクリートの施工具と施工方法に関し、特に打設された未硬化のコンクリートの表面にガラス繊維製埋設材を埋設する作業に使用される施工具及びこれを使用する土間コンクリートの施工方法に関する。
一般に家屋等の建築物の土間コンクリートは、次のような作業を行うことによって施工されている。まず、建築物の基礎工事が終了した時点で、土砂等で埋め戻しを行う。次いで転圧した地盤上に防湿シートを敷き、補強筋を配筋すると共に土間コンクリートの打設範囲を区分して打継ぎ部に補強筋が突出するように合板型枠を用いて仕切りを施す。そしてコンクリートを打設して、打設面を平坦にするために鏝均しなどの方法が採用されている。
このような、一連の作業で使用されるコンクリートは、乾燥時に水分が減少することで局所的に収縮して多数のクラックが発生する危険性がある。このようなクラックが発生すると、経時的にクラックが伸長して水が侵入し、コンクリートの劣化を招く虞がある。このため、対策として土間コンクリートの成分を調整する際に、水とセメントの配合比率を変更してコンクリート中の水分量を減らす対応が試みられているが、そのような配合比を採用すると流動性が悪くなり、打設作業に手間を要し、打設時間が長時間になるという問題がある。
このような問題を改善するために、これまで種々の観点からの発明が行われてきている。特許文献1では、コンクリートの調整作業で減水剤を使用することによって、コンクリートの流動性を維持し、クラック等を防止することができるという発明が行われている。また、特許文献2では、減水剤を添加した状態のコンクリートを予め埋設材に浸漬するという発明がなされている。さらに、特許文献3では、コンクリートに埋設材を埋設後に過剰水分を強制排除するための吸引除去を行う発明が行われている。そして特許文献4では、土間コンクリートの表面から15mm以内にメッシュ織物あるいはガラスマットを埋設することで、クラックが防止できるという発明が開示されている。
特開平6−72750号公報
特開平6−339910号公報
特開平8−135193号公報
特開2002−206281号公報
しかし、これまでに行われたものだけでは、種々の土間コンクリート施工に対応することができない。そこで、本発明者はこの問題を解決するために研究を重ね、施工作業が容易であって、短時間に施工することができ、しかも施工された後も長期に亘りクラックが発生することのないようにガラス繊維製品を埋設する土間コンクリートの施工方法と、その施工方法で使用する施工具を提供することを課題とする。
本発明の土間コンクリートの施工具は、打設された未硬化のコンクリート表面にガラス繊維製埋設材を伏せ込む作業に使用される施工具であって、前記コンクリート表面に対して平行配置が可能な回転軸と、該回転軸を中心に旋回して前記コンクリート表面に前記ガラス繊維製埋設材を押圧して伏せ込む回転押圧部と、前記回転軸を支持して該回転押圧部を前記コンクリート表面に対し平行移動させる推進力を印加可能な作用部とを有することを特徴とする。
ここで、打設された未硬化のコンクリート表面にガラス繊維製埋設材を伏せ込む作業に使用される施工具であって、前記コンクリート表面に対して平行配置が可能な回転軸と、該回転軸を中心に旋回して前記コンクリート表面に前記ガラス繊維製埋設材を押圧して伏せ込む回転押圧部と、前記回転軸を支持して該回転押圧部を前記コンクリート表面に対し平行移動させる推進力を印加可能な作用部とを有するとは、地業を行い、基礎を形成し、基礎で囲われた内部に土間コンクリートを打設した状態のコンクリート生地表面にガラス繊維製埋設材を伏せ込む作業を行う際に使用される施工具であり、コンクリート表面に対して平行に配設することのできる回転軸とその回転軸を中心としてその周囲を旋回することができ、旋回しながらコンクリート表面にあるガラス繊維製埋設材をコンクリート内へ押しつける働きを有する回転押圧部、そしてこのような回転押圧部の動作を連続あるいは断続して行わせつつ、コンクリート表面に沿って施工具を移動させることができる力を施工具全体に付与することのできる作用部を有するものを意味している。
回転軸については、ボールベアリング等によってスムーズに回転する構造を採用したものでも、あるいはそれより遙かに単純な構造として、回転押圧部と回転軸との間にクリアランスのある二重管構造としたものであってもよい。また材質についても所定の強度を有し、化学的にも安定した材質であれば支障なく採用することが可能である。
そして回転軸の回転速度については、特に限定するものではないが、回転速度が早すぎれば、コンクリートには瞬間的な力を加えることができてもガラス繊維製埋設材をコンクリート内に浸漬していく押圧力を効果的に印加することができない、また一方この速度が遅すぎると作業に時間を要し、作業効率そのものが低くなる。回転は定速度である必要性はなく、必要に応じて種々変化させることができる。また回転方向も同じ方向である必要はなく、左右どちらの方向の回転であっても可能である。
また、回転押圧部については、未硬化のコンクリート表面にガラス繊維製埋設材を充分埋設できるものであればどのような形状であってもよいが、回転することによってコンクリート生地表面にあるガラス繊維製埋設材に対し、回転押圧部を直接接触しつつ力を印加し、ガラス繊維製埋設材をコンクリート内に埋設する機能を実現できる形状であることが必要である。
回転押圧部として好ましいのは、ガラス繊維埋設材料と同時に接触する面は、1つであるよりも複数である方が好ましい。これは1つの面のみでガラス繊維埋設材料を押圧するよりも、複数の面、あるいは辺で押圧することによって、均等な分散された力を印加することができ、しかも流動性を有するコンクリート生地を押圧面間の空隙から逃がすことによってコンクリート生地からの押圧力に対する抵抗を弱め、コンクリート生地をガラス繊維埋設材中に浸漬させ、ガラス繊維埋設材を埋設していく効率を上げることができるため、有効な形状だからである。
そして、作用部については、例えば人力を使うことによって本施工具を使う場合には、施工具全体に対して効率良く力をはたらかせることのできる形状を有するのであれば、どのようなものであってもよい。このような条件を満足するもので、最も単純な形状を例示するならば、それは一端を回転押圧部の附帯保持具に連結し、他端を人が持つ形状とし、類似した形状を連想できる名称で呼べば「柄」、「竿」、「取手」あるいは「アーム」等と呼称するのが相応しいものである。この「柄」、「竿」、「取手」あるいは「アーム」は、1つである必要性はなく、2本あるいはそれ以上の本数であってもよい。また形状についても、直線状である必要性はなく、曲線状であっても平面状であってもよく、あるいは途中で複数の支柱によって保持されたもの、さらに直線構造の途中に曲線部位を有するものであっても差し支えない。また、人がこの「柄」を持つ箇所については、ゴム等の保護カバーで被覆して、手が滑ったりすることなく本施工具に力を加えやすくすることも可能である。
また、人力以外の駆動力を利用する場合には、作用部の位置は任意に選択することができる。例えば作用部そのものを回転軸の中に配設することも可能であるし、また回転押圧部の横に配設する、あるいは人力と他の動力を併用する場合等では作用部は2以上であってもよく、前記した「柄」の内部や「柄」の所定箇所に配設することも可能である。ここで、人力以外の駆動力としては、電池から供給される電気エネルギーであっても、石油等の液体燃料や木炭等の固体原料、LPG等の気体燃料、さらに燃料電池、太陽電池、水素電池等の蓄電されたエネルギーを利用するものであってもよい。
また、本発明の土間コンクリートの施工具は、上述に加え少なくとも回転押圧部の一部が有機材料または金属材料よりなることが好適である。
ここで、少なくとも回転押圧部の一部が有機材料または金属材料よりなるとは、回転押圧部をプラスチックやゴム等の有機材料やFRP等の複合材料、さらにアルミニウム、チタンあるいは他の軽合金等を部分的に使用するか、あるいは全体を1つの部材で構成することを意味するものである。
回転押圧部の一部として金属材料を採用する場合、例えばプラスチック製の筒状物の周りに金属製メッシュを巻き付けた構造、直接コンクリートやガラス繊維と接触する箇所のみに櫛の歯状の円盤を複数枚積層した構造、あるいは溝付きリングや異直径を有する略円盤形状の金属部材を使用する構造、さらに円筒等の所定基礎形状構造物の上に重ねるように繊維状の有機材料を巻き付けた形状等を使用することができる。
また、本発明の土間コンクリート施工具は、上述に加え回転押圧部が略円錐形状、略円筒形状、略連球形状及び略扁平球形状のうちのいずれかであることが好適である。
ここで、回転押圧部が略円錐形状、略円筒形状、略連球形状及び略扁平球形状のうちのいずれかであるとは、回転押圧部の全体形状が円錐形かあるいは円錐形に類似した形状、円筒形状かあるいは円筒に類似した形状、球を連ねた形状かあるいは球を連ねた形状に類似した形状、扁平球かあるいは扁平球に類似した形状のいずれかの外観形状となることを意味している。
ここで、上記の形態となるのは、回転押圧部全体としての形状であって、複数の部材によって回転押圧部が構成される場合には、それぞれの部材の形態はどのようなものであってもよい。例えば、回転押圧部が複数のシート状部材の集合体であるなら、集合体としての形状を示すものであるので、巻き取った後に全体としての形状が略円筒形状となっていればよい。
また、本発明の土間コンクリート施工具は、上述に加え回転押圧部がローラー形状であることが好適である。
ここで、回転押圧部がローラー形状であるとは、回転軸が回転押圧部の対称軸と一致し、回転する機能を有する形状となっているものである。円筒形状や略円筒形状、また連球や略連球、扁平球形状や略扁平球形状である場合についても、本件では「ローラー」と呼称するものである。また略円錐形状の場合には、コンクリート表面に対して円錐の底辺が接触するように配設することもできるため、必ずしもローラーとはならない場合もある。
ローラーについては、どのような材質を採用したものを用いても、ガラス繊維製埋設材料をコンクリート中に埋設するという作業を容易に行えるものであれば支障はない。また、ローラーの表面は、必要に応じて溝や突起、窪みを有する凹凸状態の表面のあるものを使用することで、埋設時にコンクリート中に巻き込まれる気泡を脱気しつつ作業を行うことも可能である。ここで上記の溝や突起、窪みは一定の規則性を持って配設されているものであっても、不規則な配置のものであっても支障はない。
さらに、ここで使用するローラーは、例えば同心軸を有する複数のリング状部材を連ねた結果、ローラー形状の外観を呈するものや、同心軸に対して螺旋状の羽根が複数旋回するもので、ローラーと同様の外観となるものであってもよく、さらにそれぞれの部材は円形状ではないが、板形状であってその板形状体を複数連ねた形状とすることでローラーとしての働きをするものであってもよい。またこのように外観が略円筒形状体等の形態であって、その略円筒形状体の中心を回転軸としてその周囲で所定角度の回転を行うように配設されていればよい。よって、ここでの回転角は必ずしも360°である必要はなく、例えば120°の往復運動を繰り返すようなものであっても差し支えない。
そして、ローラーの動力源については、電動式や他の動力源によって駆動するローラーを使用するものであっても、人力によるものであっても所望の機能を実現することができるならば使用することができる。また、このローラーの動力源については、施工具全体の駆動を行う作用部の動力源と同じものとするものであっても、あるいは別の駆動力を使用するものであってもよい。
また、型枠内に打設されたコンクリート表面にガラス繊維製埋設材を埋設する場合には、型枠を損傷する等の支障の発生する危険の少ないように回転押圧部の周囲にガイド等を配設した構造とするか、あるいは作業手順の変更等によって改善が計られた状態で作業することが好ましい。
また本発明の土間コンクリート施工具は、上述に加え回転押圧部の質量(M)を回転押圧部の幅寸法(W)で除した値(M/W)が、3×10-3kg/mから3×103kg/mの範囲内であることが好適である。
ここで、回転押圧部の質量(M)を回転押圧部の幅寸法(W)で除した値(M/W)が、3×10-3kg/mから3×103kg/mの範囲内であることとは、回転押圧部の全質量(回転押圧部を駆動する施工具が一体の場合には、施工具を構成する他のパーツも含めた全体としての質量)を土間コンクリートに直接接触してそれを支える回転押圧部の下部域の幅の寸法値で割った値(M/WあるいはM÷W)が、3×10-3kg/mから3×103kg/mの範囲内にあることを意味している。そして、ここでの幅寸法とは、回転押圧部がコンクリート平面に対して平行移動する際に、その移動方向に垂直な方向の回転押圧部の寸法の内、最大寸法の値を表すものである。
回転押圧部の質量値(M)を回転押圧部の幅寸法(W)で除した値(M/W)が、3×10-3kg/mより小さい場合には、コンクリート表面に充分な荷重を加えることが困難であるため、埋設作業に時間がかかりすぎ、作業性が低下するという問題がある。また、回転押圧部の質量値(M)を回転押圧部の幅寸法(W)で除した値(M/W)が、3×103kg/mを越える場合には、局所的に大きな荷重が加わり過ぎるため、回転押圧部がコンクリート中に沈み込み易くなり、そのような状態とならないように回転押圧部の移動速度やコンクリートの硬さを調整する必要があり、全体としての作業性が損なわれるという問題がある。
以上のような観点から、回転押圧部の質量値(M)を回転押圧部の幅寸法(W)で除した値(M/W)の範囲については、より安定した伏せ込み作業を行うためには、2.5×10-3kg/mから2.5×103kg/mの範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは2.2×10-3kg/mから2.2×103kg/mの範囲とすることであって、一層好ましくは2×10-3kg/mから2×103kg/mの範囲とすることである。
本件で記述する回転押圧部の幅寸法(W)については、施工具に回転押圧部が1つだけ配設された場合には、一つの回転押圧部について、その回転軸方向の最大寸法を意味するものである。複数のローラー部材が配設されている場合には、それぞれの回転押圧部の部材についての回転押圧部の幅の和(すなわち加算値)をもってその施工具の回転押圧部の幅寸法(W)とする。ただし、ここで回転押圧部の部材とするのは、回転押圧部を搭載した施工具が動作時にコンクリート面に接する状態で回転駆動するものを意味するのであって、予備部材として施工具に搭載されているものや、一時的に動作回避処置をとれるような構成で利用される回転押圧部材と類似した形状の小型の補助部材等については考慮していない。
また、回転押圧部の質量については、回転押圧部のみの質量が施工具全体の質量の8割以上である場合には、回転押圧部のみの質量を意味するものであるが、回転押圧部に附帯する補助具、治具や駆動部、作動部などの部材の総質量が施工具全体の質量の2割を越える場合には施工具全体の質量を回転押圧部質量とみなすこととする。また回転押圧部の部材の数についての考え方は回転押圧部の幅と同様である。すなわち、回転押圧部の質量値(M)についても、1つの回転押圧部のみで構成された施工具の場合には1つの回転押圧部についての質量をもって本件の回転押圧部の質量(M)とする。また複数の回転押圧部の部材で構成される場合には、それぞれの回転押圧部の部材の質量の和をもって、本件の回転押圧部の質量(M)とする。また、本発明の施工具がガラス繊維埋設材料を押圧する力は、質量に重力加速度を掛けたものであるが、ここでは明瞭に比較するために、あえて質量(M)を採用することで本件の発明内容を記述した。
また、本発明の土間コンクリート施工具は、上述に加え回転の質量(M)が2kg〜20kg、回転押圧部の幅寸法(W)が500mm〜4000mmであることが好適である。
これは、回転押圧部の全質量(回転押圧部を駆動する施工具が一体の場合には、施工具を構成する他のパーツも含めた全体としての質量)が2kgから20kgの範囲内にあり、回転押圧部幅の寸法が0.5mから4.0mまでの範囲内にあることを意味している。
回転押圧部の質量(M)が2kgより軽いとガラス繊維製埋設材をコンクリート中に伏せ込む作業が容易に行い難くなり、人力でこの作業を行う場合には、意図的に下方へ力を加えながら作業を行う結果、下方への押圧力にばらつきが発生する。そのため、回転押圧部が動いている時と静止した時に下方に加わる力を一定にすることが難しく、均等な深さにガラス繊維製埋設材を伏せ込むことが困難になる。一方回転押圧部の質量(M)が、20kgを超えると回転押圧部がコンクリート中に沈み込み易くなり、均等な力を加えながら作業が行い難い。また人力で回転押圧部を動かす場合には、質量の割に伏せ込み作業の効率が低くなるため好ましくない。
回転押圧部の幅寸法(W)が500mm〜4000mmであるという点については、回転押圧部の幅寸法(W)が500mmより小さい寸法であれば、施工具の走行距離に対して施工される面積が小さすぎるため、走行距離を長くする必要性があり、それだけ施工に要する時間が長くなるため好ましくない。また4000mmを越える場合には小さい面積の土間に対応することが難しい場合もあり、施工具の操作性にも支障をきたす場合が発生するので好ましくない。
また上記の回転押圧部の幅寸法(W)について、回転押圧部の数が1つの連続した部材だけで構成されたものである場合には、作業性という観点から好ましくは500mm〜3000mmとする方がよく、さらに好ましくは500mm〜2000mmとすることである。また回転押圧部の数が2以上であって、回転押圧部が並列に配設された状態である場合には、好ましくは800mm〜4000mmであり、より好ましくは900mm〜4000mm、さらに好ましくは1000mm〜4000mmとすることである。
また、本発明の土間コンクリート施工具は、上述に加え回転押圧部の直径が50mm〜300mmであることが好適である。
ここで、回転押圧部の直径が50mm〜300mmであることとは、回転押圧部の回転軸に対して垂直な平面における最大寸法値が、50mmから300mmの範囲内であることを意味しており、1つの回転押圧部で直径が変動する場合には、その最大寸法をもって回転押圧部の直径とする。さらに回転押圧部が複数ある場合には、その内の最も径の大きい箇所での測定値によるものである。よって、静止状態では円形ではない形状であっても、回転軸に沿って回転する場合に、回転時に略円筒体として認知できる部分の直径が、本発明における回転押圧部の直径である。
回転押圧部の直径が、50mmより小さくなると伏せ込みが効率的に行い難くなり、局所的に大きな力を加えることは可能であっても、大きい面積のガラス繊維製埋設材に力を加えにくくなる。一方、回転押圧部の直径が、300mmを越えると重心位置が高くなり、回転軸の周りを旋回させるために加えねばならない回転モーメントの値が大きくなるため、回転押圧部を回転させるために必要とするエネルギーが大きくなるので好ましくない。
また、本発明の土間コンクリート施工具は、上述に加え作用部の長さが800mm〜2000mmであることが好適である。
本発明の土間コンクリート施工具は、上述に加え作用部の長さが800mm〜2000mmであることとは、特に人力を作用部の駆動力として利用する場合を想定したものであって、人が作用部に力を加える場合は、その作用部の最大の長さが800mmから2000mmの範囲内であることを意味している。
作用部の長さが800mmより短いと、ガラス繊維製埋設材を未硬化のコンクリート表面に伏せ込む作業が行い難くなり、埋設材を足で踏み込んでしまい、埋設材が深く埋設されすぎる等の問題が起こる危険があって好ましくない。また2000mmより作用部の柄が長いと回転押圧部の走行を調節しにくくなるので作業性が悪い。
本発明の土間コンクリートの施工方法は、施工部にコンクリート生地を打設する第一工程と、打設された未硬化のコンクリートの表面にガラス繊維製埋設材を埋設する第二工程とを有する土間コンクリートの施工方法において、前記第二工程で、請求項1から請求項8の何れかに記載の土間コンクリート施工具を用いてガラス繊維製埋設材の埋設作業を行うことを特徴とする。
ここで、コンクリート生地を打設する第一工程と、打設された未硬化のコンクリートの表面にガラス繊維製埋設材を埋設する第二工程とを有する土間コンクリートの施工方法において、前記第二工程で、請求項1から請求項8の何れかに記載の土間コンクリート施工具を用いてガラス繊維製埋設材の埋設作業を行うとは、上記した第二工程において、土間コンクリート施工具を、ガラス繊維製埋設材の埋設の途中あるいはその最初から最後までの作業で使用することによって、伏せ込み作業を行うことである。
すなわち、地業を終えた土間にコンクリートを打ち込んだ後、そのコンクリート中にガラス繊維で構成された埋設材料を埋設する工程において、ガラス繊維製埋設材料をコンクリート上に平坦に敷き均した上方から土間コンクリート施工具を使用して「伏せ込み」という埋設作業を行うことを意味している。
また、本発明の土間コンクリートの施工方法は、上述に加えガラス繊維製埋設材が、メッシュ織物、ガラスマットあるいはチョップドストランドの何れかを含むものであることが好適である。
ここで、ガラス繊維製埋設材が、メッシュ織物、ガラスマットまたはチョップドストランドの何れかを含むものとは、ガラス繊維で作製されたコンクリート埋設材が、ガラス繊維が製織されて樹脂によって表面が被覆されたメッシュ織物か、あるいはフィラメントマット、チョップドストランドマットの総称としてのガラスマットか、マットにはなっていないガラスチョップドストランドであることを意味している。
メッシュ織物については、そのメッシュを構成する繊維がガラス繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、カーボン繊維等とすることが可能であり、特にガラス繊維としてはEガラス、Tガラス、Aガラスが好適であり、繊維の織り形態としては、絡み織り、平織り、組布等の形態の織り形態が好ましい。
ここで、絡み織り、平織り、組布の何れかの織り形態であるメッシュ織物とは、本発明のメッシュ織物は、複数の経糸(warpあるいはend)を緯糸(fill yarnあるいはweft yarn)に絡ませ、所定の目間とする隔絡み織り、経糸と緯糸が一本ごとに交差する平織り、あるいは組布の形態とするものであることを意味している。
また、ネットの構成はどんなものでも良く、二軸や三軸あるいは四軸さらに多軸のようなものでもかまわない。同様に、その格子の形状は四角や三角あるいはそれ以上の多角形でもかまわない。三軸以上のネットの場合、繊維の重なりが3重や4重になる交点が発生するが、その交点をずらすような織り方にするとネットが厚くなりすぎないため好ましい。
ガラスマットについては、Eガラス、Tガラス等のガラス組成を有するマット製品を使用することが可能であって、前記したようにフィラメントマット、コンティニュアスストランドマットであってもチョップドストランドマットでもよく、短繊維から作製されるサーフェシングマットであっても差し支えない。
また本発明に係るガラス繊維製埋設材を構成するガラス繊維としては、その組成が、ZrO2含有率について質量百分率表示で14%以上の耐アルカリ性ガラス繊維であることが、より好ましい。
ここで、ZrO2含有率について質量百分率表示で14%以上の耐アルカリ性ガラス繊維であるとは、ジルコニアをガラス組成として14質量%以上含有する耐アルカリ性ガラス繊維を含有することを意味している。
本発明で好適な耐アルカリ性に富むガラス繊維組成を例示すれば、質量百分率表示で、SiO2 54〜65%、ZrO2 14〜25%、Li2O 0〜5%、Na2O 10〜17%、K2O 0〜8%、RO(ただし、Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Znを表す) 0〜10%、TiO2 0〜7%、Al2O3 0〜2%であって、より好ましくは、質量%で、SiO2 57〜64%、ZrO2 18〜24%、Li2O 0.5〜3%、Na2O 11〜15%、K2O 1〜5%、RO(ただし、Rは、Mg、Ca、Sr、Ba、Znを表す)0.2〜8%、TiO2 0.5〜5%、Al2O3 0〜1%である。
本発明に係るガラス繊維製品に使用できる樹脂は、種々のものが採用できる。例えば、メッシュ織物の目止め用であれば、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ビニルエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂を使用でき、特にアクリル樹脂は耐アルカリ性に優れ、メッシュ織物に必要となる腰の強さを良好とするものであり、コンクリートへの埋設時の作業性が良好であるため好ましい。
また、ガラス繊維製埋設材の樹脂付着率は、10〜30質量%であることが好ましい。すなわち、樹脂付着率が10質量%より小さい場合には、目ズレが発生し易くなり、目ズレが発生するとガラス繊維製埋設材をコンクリート中に均等に配設するのが困難になる。一方、30質量%以上では、製品費用が嵩むため好ましくない。よってこの樹脂付着率については、質量百分率で10%から30%の範囲内とするのが好ましい。
また、本発明の土間コンクリートの施工方法は、上述に加えメッシュ織物の目付が、40g/m2以上であることが好適である。
ここで、メッシュ織物の目付が、40g/m2未満であると、コンクリートのクラックの発生を抑制する働きが小さいため、好ましくない。
またメッシュ織物の目間隔は10mm以上であることであり、より好ましくは15mm以上とすることである。この目間隔は、コンクリート中の骨材などを均等に分散した状態とするため重要である。特にガラス繊維埋設材をコンクリート中に埋設した後、鏝均し作業の作業性が低くなるため、10mm以上の目間隔を確保するのがよい。
また、本発明の土間コンクリートの施工方法は、上述に加えガラスマットの目付が、50g/m2以上であることが好適である。
ガラスマットの目付が、50g/m2より小さいと、施工後の土間コンクリートにクラックが発生する虞があり、クラック発生を抑止する効果が得にくくなるため好適ではない。
また、本発明に係るコンクリートは、セメントをベースにするものであり、建築土木用材料として混和剤や混和材を使用することができる。混和剤としてはJIS A6204に記載のAE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤を使用でき、さらに必要に応じて流動化剤、増粘剤、防水剤、防錆剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム、着色剤、急結剤などの混和剤を添加してもよい。また混和材として、フライアッシュ、シリカヒュームを用いると、これらの材料が球形状であるためコンクリートの流動性が向上し、しかもポゾラン物質であるためセメントとの反応性が高く、緻密で、高強度の土間コンクリートが得られる。
また、本発明に係るセメントとしては、ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント、水性ポリマーディスパージョンを含有するセメントモルタルやポリマーセメントモルタル等が使用できる。また、セメントの添加量としては、土木、建築分野で通常使用される調合割合でよいが、220kg/m3以上とすると、土間コンクリートとして充分な圧縮強度が得られるため好ましい。さらに、一般的に用いられる粗骨材、細骨材、軽量骨材、水等が使用可能である。
細骨材とは、10mmの目開きの篩で100質量%通過し、5mmの目開きの篩で85質量%以上通過する材料であって、粉砕石や川砂利、人工軽量骨材等を用いることができる。細骨材の添加量は、土木、建築分野の通常の調合割合でよいが、1000kg/m3以下で、全骨材に対する細骨材の割合が35〜60体積%となるようにすると、流動性が高くなり、材料分離のない土間コンクリートが得られるので好ましい。
また、本発明の土間コンクリートの施工方法は、上述に加えガラス繊維製埋設材を埋設する工程の前及び/または該工程の後に、定木ずりによるコンクリート表面の平坦化作業を行うことが好適である。
ここで、ガラス繊維製埋設材を埋設する工程の前及び/または該工程の後に、定木ずりによるコンクリート表面の平坦化作業を行うとは、ガラス繊維埋設材の伏せ込みに前後して、平坦ではないコンクリート表面を均す操作として定木を使用して定木ずりを行うことを意味している。
ここで使用する定木は、平板状で一定以上の強度を有するものであれば使用することができる。よってアルミニウム、プラスチック、あるいはFRP等のように複数の材料の複合材料等、所望の機能を有するものであれば、どうような材質であっても差し支えない。
また、本発明の土間コンクリートの施工方法は、上記した施工具以外の施工具や施工具を併用することを遮るものではない。すなわち、鏝やタンパー等の従来から使われてきた施工具や装置を併用することも可能であり、必要に応じて他の工具等も当然利用することができる。
(1)本発明の土間コンクリート施工具は、打設された未硬化のコンクリート表面にガラス繊維製埋設材を伏せ込む作業に使用される施工具であって、前記コンクリート表面に対して平行配置が可能な回転軸と、該回転軸を中心に旋回して前記コンクリート表面に前記ガラス繊維製埋設材を押圧して伏せ込む回転押圧部と、前記回転軸を支持して該回転押圧部を前記コンクリート表面に対し平行移動させる推進力を印加可能な作用部とを有するものであるため、従来と比較して短時間で伏せ込み作業を行える施工具であって、伏せ込みに要する時間の削減によって伏せ込み作業量も抑制することが可能となるものである。
(2)また本発明の土間コンクリート施工具は、少なくとも回転押圧部の一部が有機材料または金属材料よりなるものであるため、施工具自体の経時的な劣化を少なくし、耐久時間を長くすることができ、メンテナンス等に要する費用を抑えることのできるものである。
(3)また本発明の土間コンクリート施工具は、回転押圧部が略円錐形状、略円筒形状、略連球形状及び略扁平球形状のうちのいずれかであるため、効率的な押圧をガラス繊維製埋設材へ加えることができ、そのため埋設作業を従来よりも容易なものとするものである。
(4)さらに、本発明の土間コンクリート施工具は、回転押圧部がローラー形状であるため、ガラス繊維製埋設材の伏せ込み作業を行いつつコンクリート表面上を移動するのが容易であって、無駄な動作に要する時間、労力を最小限に抑えて伏せ込み作業を行えるものである。
(5)また本発明の土間コンクリート施工具は、回転押圧部の質量(M)を回転押圧部の幅寸法(W)で除した値(M/W)が、3×10-3kg/mから3×103kg/mの範囲内であるため、ガラス繊維製埋設材を伏せ込む際における作業性が良好であり、同じ作業時間で従来と比較して広い面積を有する土間の伏せ込み作業を行うことができるものである。
(6)さらに本発明の土間コンクリート施工具は、回転押圧部の質量(M)が2kg〜20kg、回転押圧部の幅寸法(W)が500mm〜4000mmであるため、ガラス繊維製埋設材をコンクリートの中に沈める力を加える際に均等な力を加えることができるため、ガラス繊維製埋設材の沈みこみ量に大きなばらつきを生じさせることなく、伏せ込み作業ができるものである。
(7)また本発明の土間コンクリート施工具は、回転押圧部の直径が50mm〜300mmであるため、本発明に係る施工具を使用することによって省エネルギーでガラス繊維製埋設材の伏せ込みを行うことが可能である。
(8)また本発明の土間コンクリート施工具は、作用部の長さが800mm〜2000mmであるため、人力によって行う一連の作業を従来よりも平易なものとすることが可能であって、しかも伏せ込みが不充分な状態になる箇所が発生する危険性を低減することができるものである。
(9)本発明の土間コンクリートの施工方法は、施工部にコンクリート生地を打設する第一工程と、打設された未硬化のコンクリートの表面にガラス繊維製埋設材を埋設する第二工程とを有する土間コンクリートの施工方法において、前記第二工程で、請求項1から請求項8の何れかに記載の土間コンクリート施工具を用いてガラス繊維製埋設材の埋設作業を行うものであるため、鏝均し等の従来行われてきた方法と比較して短時間の作業で効率的な伏せ込み作業を行うことが可能となるものである。
(10)また、本発明の土間コンクリートの施工方法は、ガラス繊維製埋設材が、メッシュ織物、ガラスマットまたはチョップドストランドの何れかを含むものであるため、要求される性能や用途、場所などに応じて、最適なガラス繊維製埋設材を選択することによって、高い品位を実現することのできる方法である。
(11)さらに、本発明の土間コンクリートの施工方法は、メッシュ織物の目付が、40g/m2以上であるため、充分に高い強度の土間を形成することが可能となるものであって、土間形成後に長期に亘りクラック等の発生に伴う土間の品位低下を防止することを可能とするものである。
(12)また本発明の土間コンクリートの施工方法は、ガラスマットの目付が、50g/m2以上であるため、土間の経時的な劣化を遅らせ、安定した性能を有する状態を維持し続けるコンクリート製の土間を形成することを可能とするものである。
(13)さらに本発明の土間コンクリートの施工方法は、ガラス繊維製埋設材を埋設する工程の前及び/または該工程の後に、定木ずりによるコンクリート表面の平坦化作業を行うものであるため、平坦性の高いコンクリート製土間を容易に形成することが可能となるものである。
以下に本発明の土間コンクリートの施工具と施工具を使用する施工方法について、実施例に基づいて具体的に説明する。
図1に本発明の土間コンクリートの施工において、ガラス繊維製埋設材の伏せ込み作業で使用される土間コンクリートの施工具を示す。
本施工具10の回転押圧部1は回転軸3に配設するための孔を中心に有する複数枚の円盤状の硬質プラスチックプレートを積層状態で固定したものであり、各円盤のプレート1a間にはスペーサー(図示省略)によって約3cmの間隔が設けられたものである。各円盤の直径は100mmで回転押圧部であるローラーの幅は1000mmである。また本施工具10の質量は、2.5kgであるため、回転押圧部の質量値(M)を回転押圧部の幅寸法(W)で除した値は、2.5kg/mである。また本施工具10は、人が持って施工具10全体をコンクリート上で動かすことができる柄を作用部2として有しており、その長さは1500mmである。柄は、充分な強度を有するアルミ製の円筒であって柄の先端から200mmの寸法を有する表面には、握りの部分に滑り留めとしてラバーコート(図示省略)がなされている。
この施工具10の回転押圧部1の構成は、円盤1aが積層状態となっているため、回転押圧部1全体としての外観は略円筒形状となっている。回転軸3はステンレス製であって、錆びにくい金属材料を選定して利用している。また円盤1aは全体の質量を調整するために不要部位は打ち抜かれた構造となっており、質量の調整に利用することもできる。この空隙部を利用するかあるいはスペーサーの質量を調整することによって、質量の微調整などを行うことができる。また、本施工具10のように複数の円盤1aを積層することによって、全体として円筒形状としている場合には、施工面積や施工時の回転押圧部1の荷重を調整する目的で円盤1aの枚数を調整することができる構造となっている方がよいため、回転軸3の両端には回転軸3のキャップCを設け、このキャップCを外すことによって円盤1aの個数やそれぞれの円盤1a間の間隔を変更するといった調整作業を行うことができるような仕様となっている。また、このような積層構造の円盤1aによって伏せ込み作業を行う場合には、経時的に摩耗して形状が損なわれた円盤1aや操作を誤って回転押圧部1を損傷した場合にも、問題のある円盤1aのみを新品の部材と交換することによって、施工具10自体の機能を損なわせないものとするような補修を行うことも可能である。
この施工具10を使用すると、回転押圧部1の部材である円盤1aがスペーサーによって間隔を持たせて配設されていることによって、ガラス繊維製埋設材をコンクリート中に沈ませる様に力を加えやすい状態となっている。それは、流動状態にあるコンクリート生地は、それぞれの円盤1aの間に流れて逃げることによって、ガラス繊維製埋設材のみに選択的に押圧力を印加できるからであると考えている。
この施工具10を使用して、ガラス繊維製埋設材を伏せ込む作業を行う際の施工具10と未硬化コンクリートMとガラス繊維製埋設材Gとの位置関係を図2に示す。この図から判るように、回転押圧部1であるローラーによって未硬化コンクリートM上に載置されたガラス繊維製埋設材Gは下方への押圧力を加えられ、その結果ガラス繊維製埋設材Gは、コンクリートM中に浸漬された状態になっている。
図3と図4には、それぞれ実施例1とは、回転押圧部の構成を変え、効果的な作業性を実現することのできる施工具の実施例を示している。
図3に示した施工具20は、実施例1とは異なり、回転押圧部21の構成としてステンレス製の金網を円筒状に固定した構成としたものを2つ並列に配設したものであって、円筒形状の回転押圧部21となっている。この円筒形状の回転押圧部21は、円筒の直径が80mmであって、2つの回転押圧部21の長さ、すなわち幅は合わせて1200mmであり、回転押圧部21の質量は4.5kgであって、回転押圧部21の質量(M)を回転押圧部1の幅寸法(W)で除した値としては、3.75kg/mである。またこの施工具についても、人が持って施工具全体をコンクリート上で動かすことができる柄を作用部2として有しており、その長さは1300mmである。
また図4に示した施工具30は、回転押圧部31の構成として側面に溝を付けたプラスチック円筒であって、溝部がコンクリート生地を逃がすことによって、ガラス繊維製埋設材を効率良くコンクリート中に浸漬することが可能である。この施工具30については、円筒形状の回転押圧部31の直径は70mmで、2つの回転押圧部31の長さ、すなわち幅は合わせて1500mmであり、回転押圧部31の質量は3.5kgであって、回転押圧部31の質量(M)を回転押圧部31の幅寸法(W)で除した値(M/W)としては、2.3kg/mである。この施工具の作用部2である柄の長さは1200mmである。
さらに、上記以外の実施例として、本発明の施工具についてその外観を図5にまとめて示す。
図5(A)には、樹脂製繊維を回転押圧部41に巻着した状態とした円筒形状の回転押圧部1を2つ有する施工具40であって、樹脂部がディスポーザブル、すなわち使い捨てであるという特徴を有するものである。この施工具の質量(M)は、2.1kgで、回転押圧部1の幅寸法(W)が2つ合わせて600mmであり、回転押圧部41の質量(M)を回転押圧部1の幅寸法(W)で除した値(M/W)としては、3.5kg/mであり、円筒形状構造の直径は60mmである。また、作用部2の柄の長さは850mmであり、本施工具の特徴は、特に面積の小さい土間で作業を行う際に効率のよい作業が行えるものである。
図5(B)の施工具50は、実施例2の図2の施工具20と同様のステンレス製金網を巻き付けた円筒形状の回転押圧部21と同様のものを6つ並列に配設した構造を有するものであって、この施工具50の特徴は、ローラーによる伏せ込み操作とタンパーとしての伏せ込み操作の両方を必要に応じて使い分けることができるというものである。この施工具50の質量(M)は、5.2kgで、回転押圧部1の幅寸法が6つ合わせて3600mmであり、回転押圧部21の質量(M)を回転押圧部21の幅寸法(W)で除した値(M/W)としては、0.97kg/mであり、円筒形状構造の直径は55mmである。また、作用部2の柄の長さは1800mmである。
図5(C)の施工具60は、人力と電気エネルギーの両方を駆動力として使用することができるものであって、回転押圧部1の構造は、実施例1と同様の形状的な特徴を有するプラスチック円盤の積層構造を採用したものである。この施工具60の回転押圧部1は、質量(M)が、12.5kgで、回転押圧部1の幅寸法が2つ合わせて1800mmであり、回転押圧部1の質量(M)を回転押圧部1の幅寸法(W)で除した値としては、6.94kg/mであり、円筒形状構造の直径は70mmである。また、作用部2の柄の長さは1500mmである。この施工具は、連続的に大量の伏せ込み作業を行う際に人力を助けるローラーの回転を電動式モーターで行えるものであって、操作盤Aにあるモーターのスイッチを入れると、操作盤Aの下方にあるモーターが駆動して人間の動作をアシストすることが可能となるものである。よって回転方向は自在に変更することができ、プログラムによって回転方向、速度の切り替えを調節することも可能である。この施工具の電源は電池Bによるものであって、充電することによって再利用することが可能となっている。またこのアシスト構成を改良することによって、より複雑な作業にも対応することが将来可能となると予測している。
次いで、本発明の土間コンクリートの施工方法について、その具体的な作業工程の一例を図6にフローチャートとしてまとめ、その内容について図6に従い説明する。
まず、コンクリートの施工を行う土間の地業を行い、土間の水平状態等を整えてコンクリートの厚さや幅などの施工寸法が設計に従うものとなるように調整する。
その後、モルタル、粗骨材と細骨材、水を所定量調整して予め作製したコンクリート生地を公知の方法により土間に打ち込む作業を行う。
次いで、コンクリート生地表面を粗均しした後に、定木を使用してコンクリート表面を平坦にする均し作業を行う。
その後、ガラス繊維埋設材としてZrO2を質量%表示で14%以上含有するARガラスを絡み織りしたメッシュ織物を平坦になったコンクリート生地の表面に予め設計した仕様に従うように載置する。
そして、本発明の土間コンクリート施工具を使用し、回転押圧部であるローラーによってメッシュ織物をコンクリート生地中に伏せ込む作業を行う。ちなみに、ここで使用した土間コンクリート施工具は、実施例1と同じ仕様のものである。
伏せ込み作業が終了したら、再び定木を使用して、コンクリート表面の乱れた箇所を特に重点的に均し作業を行う。
その後、室温にて所定時間コンクリートの乾燥を行い、最終的に土間コンクリートの施工が終了することになる。
次いで、本発明の土間コンクリートの施工具を従来の伏せ込み作業と比較する試験を行った。以下にその内容について具体的に示す。
まず、試験に使用するメッシュ織物として、以下のものを準備した。耐アルカリ性ガラス繊維(SiO2 61質量%、ZrO2 19.5質量%、Li2O 1.5質量%、Na2O 12.3質量%、K2O 2.6質量%、CaO 0.5質量%、TiO2 2.6質量%)の表面にポリエステル樹脂を主成分とする集束剤を付着率が0.5質量%となるように塗布し、所定本数となるように集束した。次いでこのガラス繊維を緯糸、経糸として使用して、目間隔が25mmとなるように絡み織りし、その後にアクリル樹脂を塗して乾燥固化することによって目付110g/m2のメッシュ織物とした。
そして、10m2の面積を有する土間に、スランプ15cm、粗骨材最大寸法20mmのコンクリートを打設し、コンクリートを粗均した後に定木ずりを行い、平坦に敷き均し、その上に前記のメッシュ織物を敷き、表1に示す伏せ込み方法でメッシュ織物の伏せ込み作業を行い、その際の伏せ込み時間を計測した。
表1に示した実施試料No.1と実施試料No.2は、いずれもローラー形状の回転押圧部を有する本発明の施工具を使用したものである。試料No.1で使用した施工具は、回転押圧部1であるローラーの直径が75mm、幅寸法が1000mm、質量4kg、作用部2である柄の長さが1500mmである。また試料No.2で使用した施工具は、回転押圧部であるローラーの直径が100mm、幅が1500mm、質量が5.5kg、作用部2である柄の長さが1500mmである。
また、比較試料No.3は、とんぼを使用したものであり、比較試料No.4はタンパーを用いてメッシュ織物の伏せ込みを行ったものであり、比較試料No.5はメッシュ織物の伏せ込みを行わずに、コンクリートの打設に続く一連の作業を行ったものである。
施工後の評価としては、コンクリート土間の施工を行った後、1ヶ月が経過した後にコンクリート表面に発生したクラックの幅と長さを計測して、各クラックの総面積(クラック幅×クラック長さ)を求め、それらの総和をクラック発生面積として比較評価の指標とした。
以上の評価の結果、実施試料No.1や実施試料No.2は、伏せ込み作業が181秒、152秒と短く、作業性もよく、施工後の外観も良好であり、1ヶ月後のクラックの発生面積も10mm2と12mm2と微細で実使用上は全く問題とならない品位のクラックを認めただけであった。他方、比較試料No.3、比較試料No.4は伏せ込み時間が481秒、725秒と長く、作業性が悪く、施工後のコンクリート表面に埋設したメッシュ織物の模様がメッシュ状に認められるものであった。そして1カ月後の観察評価でも比較試料No.5程に劣悪な状態ではないものの、クラック発生面積が、20mm2、25mm2であり、本発明と比較すると明瞭に大きな数値を示す結果となった。
以上のように、実施試料と比較試料とを比較することによって、本発明の土間コンクリートの施工方法が短時間でクラックの発生を抑止することのできる高い安定性を有するコンクリート製土間を形成するものであって、汎用性の高い優れた方法であることが明らかになった。
本発明の土間コンクリートの施工具と施工方法は、建築物等の土間コンクリート以外にも、広い面積を有する駐車場や広場等をコンクリートで施工する際にも応用可能なものである。
10、20、30、40、50、60 本発明のガラス繊維埋設用の施工具
1、21、31、41 回転押圧部
1a 円盤
2 作用部
3 回転軸
C 回転軸保護キャップ
A 操作盤
B 電池
G ガラス繊維埋設材
M 未硬化コンクリート
1、21、31、41 回転押圧部
1a 円盤
2 作用部
3 回転軸
C 回転軸保護キャップ
A 操作盤
B 電池
G ガラス繊維埋設材
M 未硬化コンクリート
Claims (13)
- 打設された未硬化のコンクリート表面にガラス繊維製埋設材を伏せ込む作業に使用する施工具であって、
前記コンクリート表面に対して平行配置が可能な回転軸と、該回転軸を中心に旋回して前記コンクリート表面に前記ガラス繊維製埋設材を押圧して伏せ込む回転押圧部と、前記回転軸を支持して該回転押圧部を前記コンクリート表面に対し平行移動させる推進力を印加可能な作用部とを有することを特徴とする土間コンクリート施工具。 - 少なくとも回転押圧部の一部が有機材料または金属材料よりなることを特徴とする請求項1記載の土間コンクリート施工具。
- 回転押圧部が略円錐形状、略円筒形状、略連球形状及び略扁平球形状のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の土間コンクリート施工具。
- 回転押圧部がローラー形状であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の土間コンクリート施工具。
- 回転押圧部の質量(M)を回転押圧部の幅寸法(W)で除した値(M/W)が、3×10-3kg/mから3×103kg/mの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の土間コンクリート施工具。
- 回転押圧部の質量(M)が2kg〜20kg、回転押圧部の幅寸法(W)が500mm〜4000mmであることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の土間コンクリート施工具。
- 回転押圧部の直径が50mm〜300mmであることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の土間コンクリート施工具。
- 作用部の長さが800mm〜2000mmであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の土間コンクリート施工具。
- 施工部にコンクリート生地を打設する第一工程と、打設された未硬化のコンクリートの表面にガラス繊維製埋設材を埋設する第二工程とを有する土間コンクリートの施工方法において、
前記第二工程で、請求項1から請求項8の何れかに記載の土間コンクリート施工具を用いてガラス繊維製埋設材の埋設作業を行うことを特徴とする土間コンクリートの施工方法。 - ガラス繊維製埋設材が、メッシュ織物、ガラスマットまたはチョップドストランドの何れかを含むものであることを特徴とする請求項9に記載の土間コンクリートの施工方法。
- メッシュ織物の目付が、40g/m2以上であることを特徴とする請求項10に記載の土間コンクリートの施工方法。
- ガラスマットの目付が、50g/m2以上であることを特徴とする請求項10に記載の土間コンクリートの施工方法。
- ガラス繊維製埋設材を埋設する工程の前及び/または該工程の後に、定木ずりによるコンクリート表面の平坦化作業を行うことを特徴とする請求項9から請求項12の何れかに記載の土間コンクリートの施工方法。
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JP2007291590A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-11-08 | Nippon Electric Glass Co Ltd | メッシュ織物、その製造方法及びメッシュ織物強化構造物 |
JP2011140862A (ja) * | 2009-12-10 | 2011-07-21 | Shikoku Chem Corp | 壁構造およびその施工方法 |
CN108979100A (zh) * | 2018-07-13 | 2018-12-11 | 绵阳鼎圣机械有限公司 | 用于水泥浆铺设的滚轮机械 |
-
2004
- 2004-08-27 JP JP2004247677A patent/JP2006063649A/ja active Pending
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