JP2006062934A - 一酸化炭素選択メタン化器、一酸化炭素シフト反応器及び燃料電池システム - Google Patents

一酸化炭素選択メタン化器、一酸化炭素シフト反応器及び燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】水素含有ガスから一酸化炭素を除去する反応の選択性が高い一酸化炭素シフト反応器および一酸化炭素選択メタン化器を提供する。
【解決手段】反応器と、前記反応器に充填される一酸化炭素シフト触媒もしくは一酸化炭素選択メタン化触媒を具備する一酸化炭素シフト反応器もしくは一酸化炭素選択メタン化器であって、前記一酸化炭素シフト反応触媒および一酸化炭素選択メタン化触媒は、難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物と添加金属元素とを含有する複合酸化物の基材と、前記基材の少なくとも表面に析出した活性金属粒子とを具備し、前記添加金属元素は、Al、Sc、Cr、B、Fe、Ga、In、Lu、NbおよびSiよりなる群のうち前記難還元性金属酸化物の金属とは異なる種類の中から選択される少なくとも一種類であり、前記一酸化炭素選択メタン化触媒中の前記添加金属元素の含有量は、元素量で0.01モル%以上、0.25モル%以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一酸化炭素(CO)選択メタン化触媒を用いてCOを選択的に除去するCO選択メタン化器と、このCO選択メタン化器を備えた燃料電池システムと、改質反応器の後段に設け、一酸化炭素と水蒸気を反応させて一酸化炭素を選択的に二酸化炭素化して除去するとともに水素と二酸化炭素を製造する一酸化炭素シフト反応器と、この一酸化炭素シフト反応器を備えた燃料電池システムに関するものである。
天然ガス、ナフサ等の軽質炭化水素や、メタノール等のアルコール類、あるいはジメチルエーテル等の燃料を改質用触媒の存在下で改質して水素を含む改質ガスを生成する改質器と、改質ガスが供給される燃料極及び空気が供給される酸化剤極を備えた起電部とを組み合わせた燃料電池システムが開発されている。このような燃料電池システムは、メタノールのような液体燃料を用いた直接型メタノール燃料電池等に比べて出力電圧が高くて高い効率が得られるため、高性能化が期待されている。
上記の燃料を改質して得られる改質ガス中には、水素の他に副生成物として二酸化炭素(CO2)が生成するが、その他に一酸化炭素(CO)が約1%〜2%程度含まれている。このCOは燃料電池のアノード触媒を劣化させ、発電性能を低下させる原因となる。従って、改質ガス中のCO濃度を、数十ppm以下に低減させることが望ましい。このため、改質器の下流にCO変成器(COシフト器)およびCO除去器を備えた燃料電池システムも開発されている。
上記燃料電池システムにおいて、CO変成器(COシフト器)では、反応式[CO+H2O→CO2+H2]で表される、いわゆるCO水性ガスシフト反応を利用して改質ガス中のCO濃度を低減させることが行なわれている。CO変成器ではCO濃度を1%程度までに低減することが可能であるだけで、完全に除去することはできない。そこで、CO変成器(COシフト器)のさらに下流に配置したCO除去器にて反応式[CO+1/2O2→CO2]で表される選択酸化反応を利用してCOを除去した後、改質ガスを燃料電池に供給することが行われている。
しかしながら、COを選択酸化させる場合には、酸化反応に必要な酸素(空気)を供給するためのポンプが必要となり、システムが複雑化かつ大型化するという問題がある。
そこで、COを、反応式[CO+3H2→CH4+H2O]で表されるメタン化反応により除去する方法が例えば特許文献1〜4に示すように検討されている。
これら特許文献1〜4には、Ru(ルテニウム)をアルミナ等の無機酸化物担体に担持した触媒を使用し、COを含有する水素ガスを接触させることによりCOを除去する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1〜4に記載の触媒では、水素ガス中に二酸化炭素が含まれている場合、副反応である二酸化炭素のメタン化反応[CO2+4H2→CH4+2H2O]も同時に起こる。二酸化炭素のメタン化は、改質ガス中の水素を消費してしまうため、好ましくない。したがって、COを選択的にメタン化する触媒の開発が望まれている。
特開平3−93602号公報 特開平11−86892号公報 特開2002−66321号公報 特開2002−68707号公報
本発明は、水素含有ガスから一酸化炭素を除去する反応の選択性が高い一酸化炭素選択メタン化器、一酸化炭素シフト反応器、及び燃料電池システムを提供することにある。
本発明に係る一酸化炭素選択メタン化器は、反応器と、前記反応器に充填される一酸化炭素選択メタン化触媒とを具備する一酸化炭素選択メタン化器であって、
前記一酸化炭素選択メタン化触媒は、難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物と添加金属元素とを含有する複合酸化物の基材と、前記基材の少なくとも表面に析出した活性金属粒子とを具備し、
前記添加金属元素は、Al、Sc、Cr、B、Fe、Ga、In、Lu、NbおよびSiよりなる群のうち前記難還元性金属酸化物の金属とは異なる種類の中から選択される少なくとも一種類であり、前記一酸化炭素選択メタン化触媒中の前記添加金属元素の含有量は、元素量で0.01モル%以上、0.25モル%以下であることを特徴とするものである。
本発明に係る一酸化炭素シフト反応器は、反応器と、前記反応器に充填される一酸化炭素シフト触媒とを具備する一酸化炭素シフト反応器であって、
前記一酸化炭素シフト触媒は、難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物と添加金属元素とを含有する複合酸化物の基材と、前記基材の少なくとも表面に析出した活性金属粒子とを具備し、
前記添加金属元素は、Al、Sc、Cr、B、Fe、Ga、In、Lu、NbおよびSiよりなる群のうち前記難還元性金属酸化物の金属とは異なる種類の中から選択される少なくとも一種類であり、前記一酸化炭素シフト触媒中の前記添加金属元素の含有量は、元素量で0.01モル%以上、0.25モル%以下であることを特徴とするものである。
本発明に係る燃料電池システムは、燃料を改質して水素を含む改質ガスを得る改質器と、
前記改質器の下流に配置される一酸化炭素シフト反応器と、
前記一酸化炭素シフト反応器の下流に配置される一酸化炭素選択メタン化器と、
前記一酸化炭素選択メタン化器の下流に配置され、前記一酸化炭素選択メタン化器から改質ガスが供給される燃料極と、酸化剤極とを備える起電部と
を具備し、
前記一酸化炭素選択メタン化器に含まれる一酸化炭素選択メタン化触媒は、難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物と添加金属元素とを含有する複合酸化物の基材と、前記基材の少なくとも表面に析出した活性金属粒子とを具備し、
前記添加金属元素は、Al、Sc、Cr、B、Fe、Ga、In、Lu、NbおよびSiよりなる群のうち前記難還元性金属酸化物の金属とは異なる種類の中から選択される少なくとも一種類であり、前記一酸化炭素選択メタン化触媒中の前記添加金属元素の含有量は、元素量で0.01モル%以上、0.25モル%以下であることを特徴とするものである。
また、本発明に係る燃料電池システムは、燃料を改質して水素を含む改質ガスを得る改質器と、
前記改質器の下流に配置される一酸化炭素シフト反応器と、
前記一酸化炭素シフト反応器の下流に配置される一酸化炭素除去器と、
前記一酸化炭素除去器の下流に配置され、前記一酸化炭素除去器から改質ガスが供給される燃料極と、酸化剤極とを備える起電部と
を具備し、
前記一酸化炭素シフト反応器に含まれる一酸化炭素シフト触媒は、難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物と添加金属元素とを含有する複合酸化物の基材と、前記基材の少なくとも表面に析出した活性金属粒子とを具備し、
前記添加金属元素は、Al、Sc、Cr、B、Fe、Ga、In、Lu、NbおよびSiよりなる群のうち前記難還元性金属酸化物の金属とは異なる種類の中から選択される少なくとも一種類であり、前記一酸化炭素シフト触媒中の前記添加金属元素の含有量は、元素量で0.01モル%以上、0.25モル%以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、水素ガス存在下での一酸化炭素除去反応の選択性が高い一酸化炭素選択メタン化器、一酸化炭素シフト反応器、及び燃料電池システムを提供することができる。
本願発明者らは、これまで、難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物との複合酸化物を利用して、複合酸化物基材の表面および内部に活性金属粒子を析出させる事に成功した。また、複合酸化物に特定の添加金属を一定量含有させる事によって、活性金属粒子の比表面積、粒径、粒子間距離を制御出来ることを見出した。一般に、触媒設計を考えた場合、活性金属の比表面積、粒径、粒子間距離や、活性金属が担持される基材の種類は、触媒反応特性に大きく影響を与える事が知られており、金属粒子分散複合酸化物においても材料および合成条件の最適化をおこなう事によって、一酸化炭素を選択的に除去することの出来る触媒として使用できる可能性がある。
本願発明者らは、当初、易還元性金属粒子を複合酸化物表面に析出させた金属粒子分散複合酸化物を、水素製造のためのメタノール水蒸気改質用触媒としての使用を検討していた。例えば、ハニカム状に成形し、還元処理を施してニッケル粒子を表面に析出させた金属粒子分散(担持)複合酸化物は、炭化水素系燃料の改質触媒として用いることができる。また、この金属粒子分散複合酸化物は、金属粒子が複合酸化物基材に強く密着しているために熱的にも非常に安定であり、長期間触媒として使用しても劣化しない事が分かった。更に、金属粒子分散複合酸化物をエタノールの水蒸気改質反応やメタンの二酸化炭素改質反応に使用しても、メタノールの水蒸気改質反応の場合と同様に、高い水素生成能を有し、幅広い触媒反応に対応させる事が可能である事を見出した。
本願発明者らは、実際にこのような金属粒子分散複合酸化物を作製し、メタノール水蒸気改質触媒としての特性評価を行ったところ、ある特定の添加金属を一定量含有する金属粒子分散複合酸化物では、副生成物であるメタンの生成量が特に多いことに気付いた。これについてさらに詳しく調べるために、炭素基準の選択率を調べた結果、メタンの選択率が約38%であり、それと共に、一酸化炭素の選択率が約1%と低いということも明らかになった。通常、メタノール改質の観点からすれば、改質ガス中の一酸化炭素濃度が低い、すなわち、一酸化炭素の選択率が低いということは好ましいが、メタンの選択率が高い場合は、改質により得られた水素を消費してしまうため、好ましくない。そこで、本願発明者らは、逆にこの特性を利用して、このような金属粒子分散複合酸化物を、メタネーションによる改質ガス中のCO除去触媒として使用することを試みた。その結果、驚くべきことに、二酸化炭素を約20%程度含む改質ガスを反応ガスとして用いた場合においても、二酸化炭素はメタン化されず、一酸化炭素のみが選択的にメタン化され、CO選択メタン化触媒として機能するということを見出し、本発明に至ったのである。
さらに、本発明者らは、金属粒子分散複合酸化物のうち他の一部の種類については、一酸化炭素を十数%から数%含む改質ガスを反応ガスとし、一酸化炭素水性ガスシフト反応を行うと、一酸化炭素のメタン化がほとんど起らず、一酸化炭素が選択的に二酸化炭素化され、一酸化炭素シフト触媒として機能するという知見も得た。
一酸化炭素選択メタン化器及び一酸化炭素シフト反応器にて使用される触媒について説明する。
一酸化炭素(CO)選択メタン化触媒及び一酸化炭素(CO)シフト触媒は、それぞれ、難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物と添加金属元素とを含有する複合酸化物の基材(担体)と、前記基材の少なくとも表面に析出した活性金属粒子とを具備する。活性金属粒子は、基材の表面のみに析出していても、あるいは表面だけでなく内部の結晶粒界や結晶粒内にも析出していても良い。
易還元性酸化物とは、室温〜1500℃の水素雰囲気中もしくはプラズマ条件下、あるいはカーボン製治具を用いての不活性雰囲気下などで、金属へ還元され得る金属酸化物をさす。CO選択メタン化触媒として用いる場合には、具体的には、ニッケル酸化物、コバルト酸化物、および鉄酸化物が好ましく、ニッケル酸化物が最も好ましい。一方、COシフト触媒として用いる場合には、酸化コバルトが最も好ましい。こうした易還元性酸化物は、単独で用いても2種以上を併用して用いてもよい。
一方、難還元性酸化物とは、室温〜1500℃の水素などの還元性雰囲気下で、金属へ還元されない酸化物をさす。具体的には、Al、Mg、Si、Zr、Ti、Hf、およびCe等の酸化物が挙げられる。難還元性金属酸化物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。CO選択メタン化触媒として用いる場合には、こうした難還元性金属酸化物のなかでも、酸化マグネシウム(例えばMgO)、酸化セリウム(例えばCeO2)、および二酸化珪素(SiO2)が安定な固溶体を形成する点で好ましく、酸化マグネシウムが最も好ましい。一方、COシフト触媒として用いる場合には、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種以上の金属酸化物が好ましい。こうした難還元性金属酸化物のなかでも、酸化マグネシウムが安定な固溶体を形成する点で最も好ましい。
複合酸化物は、上述したような易還元性金属酸化物と難還元性金属酸化物との固溶体から主に形成されていることが望ましい。固溶体としては、例えば、NiO−MgO、CoO−MgO、FeO−MgO、およびNiO−CoO−MgO等の酸化物同士の全率固溶体が好ましい。あるいは、ZrO2−NiOのように、難還元性金属酸化物に対する易還元性金属酸化物の固溶限が、水素還元温度において1原子%以上である系であってもよい。CO選択メタン化触媒として用いる場合には、酸化ニッケル−酸化マグネシウム(NiO−MgO)が好ましい。一方、COシフト触媒として用いる場合には、酸化コバルト−酸化マグネシウムが全率固溶体を形成し最も好ましい。ただし、酸化コバルトはCoOに限定されるものでない。
添加金属元素は、Al、Sc、Cr、B、Fe、Ga、In、Lu、NbおよびSiよりなる群から選択される少なくとも一種で、かつ難還元性金属酸化物の金属とは異なる種類のものである。例えば、難還元性金属酸化物が酸化アルミニウムである場合、添加金属元素にはSc、Cr、B、Fe、Ga、In、Lu、NbおよびSiよりなる群から選択される少なくとも一種類が使用される。添加金属は複合酸化物に含有されていればその存在形態は特に限定されず、例えば、複合酸化物中に固溶していても、あるいは複合酸化物の結晶粒界に存在していても良い。触媒中の添加金属元素の含有量は、元素量で0.01モル%以上、0.25モル%以下にすることが望ましい。さらに好ましい範囲は、0.1モル%以上、0.2モル%以下である。
前述した添加金属を前述した量含有させることにより、還元時に顕著な金属粒子の析出を引き起こすことができる。こうした金属は酸化物の形で添加されることが好ましいが、それに限定されず、水酸化物や炭酸化合物などのいかなる様態で添加されても構わない。添加金属の種類は、CO選択メタン化触媒として用いる場合、Cr、Scが好ましい。一方、COシフト触媒として用いる場合には、Al、Sc及びCrからなる群から選択される少なくとも一種が望ましい。なお、難還元性金属酸化物として酸化アルミニウムを使用する場合は、添加金属としてScもしくはCrを用いる。
本発明に使用する金属粒子分散(担持)複合酸化物は、例えば、混合粉末を調製し、焼結し、還元処理を施すことによって製造することができる。
混合粉末の調製に当たっては、まず、難還元性酸化物と易還元性酸化物と添加金属とを含む化合物とを、ボールミル等により均一に混合する。この際、混入が起こらないように、ボールやポットの材質はナイロン製のものなどを用いることが望まれる。湿式および乾式のいずれの方法で混合してもよいが、より均一な混合を行なうには湿式混合が好ましく、PVA(ポリビニルアルコール)等のバインダーを加えてもよい。
例えば、難還元性酸化物である酸化マグネシウム粉末と、易還元性酸化物である酸化ニッケル粉末もしくは酸化コバルト粉末とをモル比で2:1となるように混合することが好ましい。2:1の比で難還元性酸化物と易還元性酸化物とを混合することにより、水素還元による析出金属量を適量に抑えられ、金属粒子同士の合体や粒成長を抑制することができる。
一方、前述の添加金属元素は、例えば、Sc23のように酸化物の形で添加することが好ましい。Sc等の添加金属元素成分量は、混合粉末全体に対して、0.01〜0.25モル%に規定される。添加金属量が0.01モル%未満の場合には、十分な量の易還元性金属粒子を複合酸化物表面に析出させることができない。一方、0.25モル%を越えると、添加した化合物自体が固溶体の粒界に残留して、複合酸化物の焼結性を阻害し、強度の低下を招く。さらに、還元による析出が過剰となって、金属粒子同士が凝集・合体して触媒性能が低下してしまう。
添加する最適量は、析出させる金属粒子や還元の条件などによって異なるが、還元温度が高過ぎたり、還元時間が長過ぎたりする場合には析出粒子が大きく粒成長してしまう。この場合には触媒活性が低下するので、適切な温度や時間で還元処理を行なうことが望まれる。
得られた混合粉末を所定の形状に成形して、成形体を得る。例えば、粉末状、顆粒状、ハニカム型やフォーム型などの多孔体形状、あるいは流体の流路となる溝を付けたシート形状などに成形することができる。用途に応じて成形体の形状を使い分ける事が可能である。すなわち、簡便に触媒反応を効率良く起こしたい場合は、粉末状、顆粒状の形状を利用する。一方、改質ガスの流れに対する圧力損失を格段に低減させて触媒反応を高効率で起こしたい場合には、多孔体形状、流路を刻んだシート形状を利用するのが好ましい。
所定の形状の成形体を1000℃〜1400℃の範囲で焼結して、複合酸化物焼結体が作製される。得られた複合酸化物焼結体を水素ガス等の還元雰囲気下で還元処理を行うことにより、金属粒子を複合酸化物表面および粒界界面に析出させる。例えば、酸化ニッケル−酸化マグネシウム系の場合には、複合酸化物焼結体の一部、易還元性であるニッケル粒子が還元され、複合酸化物表面に析出する。酸化コバルト−酸化マグネシウム系の場合には、複合酸化物焼結体の一部、易還元性であるコバルト粒子が還元され、複合酸化物表面に析出する。このニッケル粒子とコバルト粒子は、分散性に優れ、しかも、基材である複合酸化物の内部から析出により生成しているために基材との密着性が高い。還元処理を施してニッケル粒子を表面に析出させた金属粒子分散複合酸化物は、CO選択メタン化触媒として好適に用いることができる。一方、還元処理を施してコバルト粒子を表面に析出させた金属粒子分散複合酸化物は、COシフト触媒として好適に用いることができる。
還元処理の温度や時間は、使用する材料に応じて適宜選択することができる。例えば、酸化ニッケル−酸化マグネシウム系の場合、500〜1000℃の温度で、10分程度の還元処理を施すことが好ましい。一方、酸化コバルト−酸化マグネシウム系の場合、600〜1000℃の温度で、10分程度の還元処理を施すことが好ましい。還元温度が高すぎる場合には、金属粒子の成長が必要以上に進行して凝集や粒界部での破壊を引き起こしたり、触媒性能が低下するおそれがある。一方、還元温度が低すぎる場合には熱処理に長時間を要するため、工業的に好ましくない。
以上の工程により、本発明に使用するCO選択メタン化触媒及びCOシフト触媒が得られる。
CO選択メタン化触媒及びCOシフト触媒は、それぞれ、活性金属比表面積が0.5m2/g以上であることが望ましい。このような触媒は、表面に多量の活性金属が析出しているため、少量で高い触媒活性を得ることができる。さらに、かかる活性金属比表面積を有する触媒の還元減量が1%以上であることによって、小粒径の活性金属粒子を多量に析出させることができるため、触媒活性をさらに高くすることが可能である。
CO選択メタン化触媒及びCOシフト触媒それぞれが充填される反応器は、耐熱性の観点から、アルミニウムやステンレスなどの金属から形成することが望ましい。
次に、本発明の一実施形態にかかる燃料電池システムの構成の一例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による燃料電池システムの一実施形態を示す概略的構成図である。この燃料電池システム1は、燃料タンク2、気化器3、改質器4、COシフト反応器5、CO選択メタン化器6、および起電部(膜電極複合体)7とを備えている。燃料タンク2は、例えばカートリッジ型の容器から構成される。燃料タンク2には、流路8を介して気化器3が接続されている。送液ポンプ9は、流路8に介装されている。気化器3には、燃料タンク2内の燃料が流路8を通して供給される。供給された燃料は、気化器3により加熱されて気化燃料となる。気化器3には、流路10を介して改質器4が接続されている。改質器4には、気化器3から気化燃料が流路10を介して供給される。改質器4は、気化燃料(燃料ガス)を改質して水素を含有する改質ガスを生成するものであり、改質器4の内部に改質触媒が担持されている。
改質器4には、COシフト反応器5が流路11を介して接続されている。COシフト反応器5には、改質器4で生成した改質ガスが流路11を介して供給される。COシフト反応器5の内部にCOシフト触媒が担持されている。COシフト反応器5では、改質ガス中に含まれる一酸化炭素をCOシフト触媒による一酸化炭素水性ガスシフト反応:[CO+H2O→CO2+H2]で除去し、これにより改質ガス中のCO濃度を低減させている。
COシフト反応器5には、CO選択メタン化器6が流路12を介して接続されている。CO選択メタン化器6の内部には、CO選択メタン化触媒が担持されている。CO選択メタン化器6には、CO濃度が低減された改質ガスがCOシフト反応器5から流路12を介して供給される。CO選択メタン化器6では、改質ガス中に残存するCOを、選択メタネーション(メタン化)触媒によるCOのメタン化反応:[CO+3H2→CH4+H2O]を用いて除去する。
燃料電池システムに使用する起電部(膜電極複合体;MEA)7の数は、1または複数にすることができる。図1の場合、複数の起電部7を積層したスタックを使用する。各起電部7は、燃料極13と、酸化剤極14と、燃料極13と酸化剤極14の間に配置されたプロトン導電性を有する電解質膜15とを備える。燃料極13には、流路16を介してCO選択メタン化器6が接続されている。COメタン化処理済の改質ガスは、CO選択メタン化器6から流路16を介して燃料極13に供給される。また、酸化剤極14には、流路17を介して圧縮ポンプ18が接続されている。圧縮された空気は、圧縮ポンプ18から流路17を介して酸化剤極14に供給される。燃料極13に供給された改質ガス中の水素と、酸化剤極14に供給された空気中の酸素は、燃料極13で[H2→2H++2e-]のように反応する一方、酸化剤極14で[1/2O2+2H++2e-→H2O]のように反応して、水を生じるとともに発電が行われる。
発電の進行に伴い、燃料極13における反応[H2→2H++2e-]で余剰となったガスは、燃料極13から排出ガスとして排出されるが、この排出ガス中には未反応の水素が含まれている。同様に、発電の進行に伴い、酸化剤極14における反応[1/2O2+2H++2e-→H2O]で余剰となったガスは、酸化剤極14から排出ガスとして排出されるが、この排出ガス中には未反応の酸素が含まれている。
また、燃料極13に流路19を介して改質器4用のヒータ20を設置しても良い。ヒータ20には、燃料極13から排出される未反応水素を含む排出ガスが流路19を介して供給されると共に空気が供給され、これにより排出ガスを燃料させ、その燃焼熱により改質器4を加熱することができる。
以下、各構成を詳しく説明する。
1)燃料タンク2
燃料タンク2に収容される燃料としては、例えば、メタノールと水の混合物、メタノールとジメチルエーテルと水の混合物等が用いられる。また、メタノール等の燃料と水とを別々のタンクに収容し、気化器3にて混合しても良い。
前記燃料として使用されるメタノールと水の混合物における、水とメタノールの比、すなわち、(スチーム/カーボン)比は、1以上、4以下の範囲が好ましい。これは次のような理由による。メタノールの水蒸気改質反応は、[CH3OH+H2O→3H2+CO2]で表される。ここで、反応に必要な(スチーム/カーボン)比は、化学量論的には1である。しかし、一般的には、この比が化学両論数に近いとCOの生成量が増大してしまう。また、余剰となった水は、後段のCOシフト反応と燃料電池の燃料極の加湿に使用することができる。(スチーム/カーボン)比の更に好ましい範囲は、2以上、4以下である。
2)改質器4
改質触媒としては、例えば、CuO/ZnO/γ-Al23、Pd/ZnOなどの公知の触媒を用いることができる。
また、改質触媒として、難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物との複合酸化物の基材と、基材の少なくとも表面に析出した活性金属粒子とを備えた金属粒子担持複合酸化物を使用することもできる。
改質触媒として使用する金属粒子担持複合酸化物は、例えば、NiO−MgO−CuO系などの難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物との混合物を水素還元することにより、酸化物表面にNi−Cu合金の粒子を形成させたものなどが挙げられる。
還元処理の温度や時間は、前述したのと同様な範囲に設定することができる。
金属粒子担持複合酸化物を改質触媒として使用する場合は、前述したように未焼結の混合粉末を、ハニカム型やフォーム型などの多孔体形状、あるいは流体の流路となる溝を付けたシート形状などに成形した後、焼結し、還元処理により焼結体表面に金属粒子を析出させたものを用いることができる。このように改質ガス(反応ガス)の流路そのものを改質触媒から形成することによって、燃料や改質ガスの流れに対する圧力損失を格段に低減できるため、好ましい。
3)COシフト反応器5
COシフト反応器5には、前述した本発明に係るCOシフト反応器を使用することが望ましい。
COシフト触媒の形態は、粉末状、顆粒状、ハニカム型やフォーム型などの多孔体形状、あるいは流体の流路となる溝を付けたシート形状などにすることが可能である。中でも、改質ガスの流れに対する圧力損失を大幅に低減できることから、ハニカム型やフォーム型などの多孔体形状、流体の流路となる溝を付けたシート形状が好ましい。ハニカム型触媒を使用したCOシフト反応器の一実施形態を図2に示す。
COシフト反応器5は、例えばアルミニウム、ステンレス等の金属から形成された耐熱性で有底矩形筒状をなす反応器21を備える。この反応器21の側面(図2から見て右側側面)には、ガス流通用の入口配管22が設けられている。この入口配管22の反対側に位置する側面には、出口配管23が設けられている。ハニカム形状に成形されたCOシフト触媒24は、反応器21内に収容されている。例えばアルミニウム、ステンレス等の金属から形成された蓋板25は、反応器21の開口部に溶接される。この反応器21においては、一酸化炭素の水性ガスシフト反応のような触媒反応だけでなく、触媒の還元処理を施すことが可能である。すなわち、未焼結の混合粉末をハニカム形状に成形した後、焼結し、反応器21内に収容する。ガス入口配管22から水素ガスを流通させ、反応器21を所定の温度に加熱すると、水素ガスが流通する流路26上の易還元性金属酸化物が水素還元され、流路26上に金属粒子を析出させることができる。
COシフト反応器5の加熱の方法は、ヒーターで加熱する方法、もしくは、水素や炭化水素の燃焼熱等を利用する方法のいずれでも良い。
COシフト反応器5の運転温度は、300℃以上、400℃以下にすることが好ましい。これは運転温度を300℃未満もしくは400℃よりも高くすると、一酸化炭素転化率、二酸化炭素選択率が低くなり、効率良くCOシフト反応を起こす事が出来なくなる可能性があるためである。さらに好ましい範囲は、300℃以上、350℃以下である。
COシフト反応器5に供給される改質ガスは、水素を主成分とするもので、かつCO濃度が5%以上、20%以下であることが望ましい。ここで、水素が主成分であるとは、改質ガスを構成するガス成分の中で水素ガスが最も多いことを意味する。
なお、COシフト触媒として、前述した金属粒子分散複合酸化物の代わりに、少なくともPtを含む貴金属系のCOシフト触媒を使用しても良い。具体的には、例えば、Pt/Al23を主成分とし、K、Mg、Ca、La、Ce、Reから選ばれる少なくとも1種以上の元素を担持させて成るものから構成される。このような触媒は、耐酸化性に優れるために好ましい。
4)CO選択メタン化器6
CO選択メタン化器6には、前述した本発明に係るCO選択メタン化器を使用することが望ましい。
CO選択メタン化触媒の形態は、粉末状、顆粒状、ハニカム型やフォーム型などの多孔体形状、あるいは流体の流路となる溝を付けたシート形状などにすることが可能である。中でも、改質ガスの流れに対する圧力損失を大幅に低減できることから、ハニカム型やフォーム型などの多孔体形状、流体の流路となる溝を付けたシート形状が好ましい。前述した図2に示す反応器において、COシフト触媒の代わりにCO選択メタン化触媒を使用すると、CO選択メタン化器として使用することが可能である。
CO選択メタン化器の加熱の方法は、ヒーターで加熱する方法、もしくは、水素や炭化水素の燃焼熱等を利用する方法のいずれでも良い。
CO選択メタン化器の運転温度は、275℃以上、350℃以下にすることが好ましい。これは以下に説明する理由によるものである。運転温度を275℃未満にすると、反応速度が小さいためにCO転化率が低下する、すなわち、CO2へのメタン化が十分に進まない恐れがある。一方、運転温度が350℃を超えると、反応速度は増加するものの、化学平衡によって逆シフト反応:[CO2+H2→CO+H2O]が起こり易くなるため、CO濃度は逆に増加してしまう恐れがある。また、CO2のメタン化が起こり易くなるため、COメタン化選択率も低くなる恐れがある。さらに好ましい範囲は、275℃以上、300℃以下である。
CO選択メタン化器に供給される改質ガスは、水素を主成分とするもので、かつCO濃度が1%以下であることが望ましい。ここで、水素が主成分であるとは、改質ガスを構成するガス成分の中で水素ガスが最も多いことを意味する。
5)起電部7
プロトン導電性を有する電解質膜としては、例えばスルホン酸基またはカルボン酸基などの陽イオン交換基を有するフルオロカーボン重合体よりなるものが好ましい。具体的には、商品名:ナフィオン(Du Pont社製)などを使用することができる。また、燃料極および酸化剤極は、それぞれ、導電性の多孔質体と、その上に形成された触媒層とを備える。燃料極および酸化剤極には、例えば、白金担持カーボンブラック粉末をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの撥水性樹脂結着材で保持させた多孔質シートを用いることができる。この多孔質シートは、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体やその重合体で被覆された微粒子を含むことを許容する。
[実施例]
以下に具体例を示して本発明の実施形態をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<CO転化率とCOメタン化選択率>
(実施例1)
易還元性金属酸化物としてのNiO粉末(平均粒径約1μm)と、難還元性金属酸化物としてのMgO粉末(平均粒径約1μm)とを、モル比でNiO:MgO=1:2となるように秤量した。添加化合物としては高純度Sc23を用意し、Sc元素換算で、0.15モル%になるように添加した。これを、ナイロン製ボールにて20時間均一に混合して、混合粉末を得た。
混合粉末を金型プレスにて1ton/cm2の圧力で加圧成形した後、成形体を大気中、1300℃で5時間焼結して複合酸化物焼結体を作製した。次に、純度99.9%の水素ガスを500cc/分で流しながら15℃/分の速度で昇温し、1000℃で10分間還元処理を施してNi粒子を析出させた。この還元処理の間、熱重量分析を行なった。重量減少測定に用いた試料は、焼結体を乳鉢により数μm程度のサイズになるまで粉砕して準備した。還元減量は、10.1wt%であった。
得られた焼結体を乳鉢により粉砕し、20−40メッシュに分級した。走査型電子顕微鏡(SEM)による観察の結果、MgO−NiO系の複合酸化物基材の表面に、金属粒子としてのNi粒子が均一に分散していることを確認することができた。また、化学吸着測定装置により水素吸着による活性金属比表面積を測定したところ、2.0m2/gであった。
(比較例1)
Sc23を添加しなかったこと以外は上記実施例1と同様にして、比較例1の金属粒子複合酸化物を作製した。この金属粒子複合酸化物の還元減量は0.8wt%で、活性金属比表面積は0.2m2/gであった。
(比較例2)
Ru原料として塩化ルテニウム(RuCl3)を、カリウム原料として硝酸カリウム(KNO3)を用い、これを水に溶解させた。担体として、20−40メッシュに調製したアルミナ(住友化学工業社製:AKP−GO15)を使用し、ロータリーエバポレータを用いて減圧下で60分間攪拌しながら含浸させ、60℃で乾燥させた後、120℃で一晩焼成した。これを反応器に充填し、400℃で2時間の水素還元をして、Ru担持量1重量%、K担持量0.1重量%からなるRu-K/Al23を比較例2の触媒として得た。
(比較例3)
市販のNi系メタネーション触媒(Ni/Al23/CaO)を準備し、比較例3とした。
得られた実施例1及び比較例1〜3のCO選択メタン化触媒を管型反応器にそれぞれ2g充填した。この時、反応ガスの吹き抜けを防止するため、触媒層の前後にガラスウールを充填した。反応ガスとしては、H2:46.1%、CO2:17.1%、CH4:4.3%、CO:0.9%、N2:17.1%、H2O:14.3%の組成のものを用い、所定の温度で反応させた。そして、反応器出口のCO濃度、メタン濃度、CO2濃度およびN2濃度をガスクロクロマトグラフ装置(カラム:モレキュラーシーブ5A、キャリアガス:ヘリウム)で定量し、N2ガスを内部標準物質としてCO出口流量を求め、下記の(1)式によりCO転化率(%)を算出した。
CO転化率(%)={(C1−C2)/C1}×100 (1)
ここで、C1はCO入口流量(cc/min)で、C2はCO出口流量(cc/min)である。
また、各温度におけるCOのメタン化反応の選択率(%)を、下記の(2)式で算出した。
COメタン化選択率(%)={(C1−C2)/(M2−M1)}×100 (2)
ここで、C1はCO入口流量(cc/min)で、C2はCO出口流量(cc/min)で、M1はCH4入口流量(cc/min)で、M2はCH4出口流量(cc/min)である。
各温度におけるCO転化率およびCOメタン化選択率の図を、図3および図4に示した。
図3および図4より明らかなように、実施例1においては、CO転化率が275℃で99.6%、300℃では100%に達した。この時、COのメタン化選択率は、90%以上と高い値を示した。
これに対し、比較例1では、CO転化率、COメタン化選択率共に実施例1より劣る結果が得られた。また、比較例2では、CO転化率が250℃でほぼ99.5%と高いものの、COのメタン化選択率は、38%と低かった。また、比較例3は、図3に示すように、300℃以下の温度では、殆ど反応しなかった。その上、350℃ではCO逆シフト反応の影響によりCO濃度はむしろ増加してしまった(したがって、CO転化率は計算上、負の値となった)。
(実施例2、実施例3)
Sc元素換算で、0.01、0.25モル%になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして、金属粒子分散複合酸化物を作製した。
(実施例4〜実施例11)
添加化合物を、Cr23、In23、Lu23、Ga23、B23、Fe23、Nb23、およびSiO2に変更し、それぞれを金属元素量で約0.15モル%添加した以外は、実施例1と同様にして8種類の金属粒子分散複合酸化物を得た。
(実施例12〜14)
複合酸化物の組成を下記表1に示すように変更すること以外は、実施例1と同様にして3種類の金属粒子分散複合酸化物を得た。
(比較例4)
Sc元素換算で、0.3モル%になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして、金属粒子複合酸化物を作製した。
得られた実施例2〜14及び比較例4のCO選択メタン化触媒について前述したのと同様な条件で反応試験を行い、275℃におけるCO転化率とCOメタン化選択率を測定し、その結果を下記表1に示す。なお、表1には前述した実施例1の結果を併記する。
Figure 2006062934
金属添加量が0.25モル%を超える比較例4では、CO転化率が著しく低下した。SEMによる組織の観察から、析出粒子の粗大化、凝集が顕著になったことが原因であると考えられる。他の金属元素を含有する化合物を用いた場合にも金属添加量が0.25モル%を超えると、同様な傾向が得られた。
<燃料電池システム>
(実施例15)
<気化器の作製>
ステンレスからなる容器(35mm×50mm)の内部にガラスウールを収容し、蓋を溶接して反応器(気化器)を構成した。
<改質器の作製>
難還元性金属酸化物としてのMgO(平均粒径約1μm)と、易還元性金属酸化物としてのNiO粉末およびCuO粉末(平均粒径1μm)とを、混合組成がMgO:NiO:CuO=2:1:0.1(mol比)となるように秤量した。これを、ナイロンボールミルにより20時間均一に混合して、混合粉末を得た。混合後は、ポリビニルアルコール(PVA)をバインダーとして加えて混練し、この混練物を成形してグリーンシートを作製した。次いで、このグリーンシートの表面にカーボンと有機バインダーとを含有するカーボンスラリーを流路パターン状に塗布してカーボンスラリー層を形成した。また、打ち抜き加工によってガス流通用の穴を設けたグリーンシートを用意した。そして、これらを積層、圧着・一体化し、脱バインダーし、さらにカーボンスラリー層中のカーボンを燃焼させて流路パターンが形成された成形体を得た。得られた成形体を脱脂炉に導入し、500℃まで8時間かけて昇温して、500℃で5時間脱脂した。脱脂後は、1300℃で5時間焼結した。このようにして、流路が形成された成形体を作製した。
そして、500cc/分の水素気流中、900℃で10分間還元してNi粒子を析出させた後、この成形体を、ステンレスからなる容器(35mm×50mm)の内部に収容し、蓋を溶接して反応器(改質器)を構成した。
<COシフト器の作製>
COシフト触媒として、市販のPt/Al23系のもの(φ4mm)を準備した。これをステンレスからなる容器(35mm×50mm)の内部に収容し、蓋を溶接して反応器(COシフト器)を構成した。
<CO選択メタン化器の作製>
易還元性金属酸化物としてのNiO粉末(平均粒径約1μm)と、難還元性金属酸化物としてのMgO粉末(平均粒径約1μm)とを、モル比でNiO:MgO=1:2となるように秤量した。添加化合物としては高純度Sc23を用意し、Sc元素換算で、0.05モル%となるように添加した。これを、ナイロン製ボールを用い、湿式で20時間均一に混合して、混合粉末を得た。
混合後は、ポリビニルアルコール(PVA)をバインダーとして加えて混練し、この混練物をハニカム状に成形した。次いで、この成形体を脱脂炉に導入し、500℃まで8時間かけて昇温して、500℃で5時間脱脂した。脱脂後は、1300℃で5時間焼結した。このようにして、ハニカム状の焼結体を作製した。
そして、焼結体を500cc/分の水素気流中、900℃で10分間還元してNi粒子を析出させた後、これをステンレス製容器(35mm×50mm)内に収容し、容器の開口部に蓋を溶接して前述した図2に示す構造の反応器(CO選択メタン化器)を構成した。
このようにして作製した反応器を、気化器−改質器−COシフト器−CO選択メタン化器の順番に配管を用いて接続し、前述した図1に示す燃料電池システムを構築した。各反応器の運転温度は、気化器:150℃、改質器:350℃、COシフト器:275℃、CO選択メタン化器:275℃としてシステムを作動させた。
<メタノール水蒸気改質試験>
燃料として、CH3OHとH2Oの混合比が1:4(モル比)のメタノール水溶液を用いた。これを、ガス流量換算で、メタノール気体流量:30cc/min、水蒸気流量:120cc/minとなるように、送液ポンプで気化器に供給した。
次に、気化した燃料ガスを改質器に導いて、メタノールの水蒸気改質反応を行った。次いで、得られた改質ガスをCOシフト器に導き、COシフト反応を行った。この時、COシフト器の出口CO濃度は、約2000ppmであった。この改質ガスをCO選択メタン化器に導入し、メタン化によるCO除去を行った。その結果、CO選択メタン化器の出口CO濃度は、12ppmであった。
(実施例16)
CO選択メタン化触媒の複合酸化物組成、添加化合物の種類または添加金属含有量を下記表2に示すように変更すること以外は、前述した実施例15で説明したのと同様にして燃料電池システムを作製した。各実施例の燃料電池システムについてのCO選択メタン化器の出口CO濃度を下記表2に示す。
(実施例17〜28)
CO選択メタン化触媒の複合酸化物組成、添加化合物の種類または添加金属含有量を下記表2に示すように変更すること以外は、前述した実施例15で説明したのと同様にして燃料電池システムを作製した。そして、各反応器の運転温度を、気化器:150℃、改質器:350℃、COシフト器:300℃、CO選択メタン化器:300℃としてシステムを作動させた。各実施例の燃料電池システムについてのCO選択メタン化器の出口CO濃度を下記表2に示す。
(比較例5)
<COの選択酸化>
CO選択酸化触媒として、市販のRu/Al23(φ4mm)を使用した。これをステンレスからなる容器(35mm×50mm)の内部に収容し、蓋を溶接して反応器(CO選択酸化器)を構成した。
CO選択メタン化器の代わりに上記のCO選択酸化器を用いたこと以外は、上記実施例15と同様にして、気化器−改質器−COシフト器−CO選択酸化器からなる燃料電池システムを構築した。各反応器の運転温度は、気化器:150℃、改質器:350℃、COシフト器:275℃、CO選択酸化器:130℃としてシステムを作動させた。
実施例15と同様にして得た改質ガスをCOシフト器に導き、COシフト反応を行った。COシフト器の出口CO濃度は、約2000ppmであった。この改質ガスに、酸素を21%含む空気を微量添加し、CO選択酸化器に導入した。空気の添加量としては、流量比でO2/CO=2となるように、微量流量調整バルブ付のポンプを用いて供給した。その結果、CO選択酸化器の出口CO濃度は、60ppmであった。
Figure 2006062934
以上のように、実施例15〜28の燃料電池システムによれば、簡略なシステムで、改質ガス中のCO濃度を10ppm程度まで除去することが確認できた。
これに対し、CO選択メタン化触媒の代わりにCO選択酸化触媒を使用した比較例5においては、改質ガス中のCO濃度は、60ppm程度まで除去できたものの、COを選択酸化させるために必要な酸素(空気)を供給するためのポンプや微量流量調整バルブが必要となり、システムが複雑化かつ大型化してしまった。
以上の説明から理解されるように、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムは、CO除去器にCOのメタン化反応の選択性に優れた触媒を用いるものであり、簡略なシステムで改質ガス中のCO濃度を10ppm程度まで除去することが可能となる。その結果、改質ガス中の水素ロスが少なく、また、CO除去器に選択酸化触媒を用いる場合のように、COを選択酸化させるために必要な酸素(空気)を供給するためのポンプが不要となり、燃料電池システムの小型化を図ることができる。したがって、ポータブル電源の他、ノート型パソコン、VTR等といった電子機器用の電源として極めて有用である。
<CO転化率とCO2選択率>
(実施例29)
易還元性金属酸化物としてのCoO粉末と、難還元性金属酸化物としてのMgO粉末とを、モル比でCoO:MgO=1:2となるように秤量した。添加化合物としては高純度Sc23粉末を用意し、元素量で0.2モル%になるように添加した。これを、ナイロン製ボールにて20時間均一に混合して、混合粉末を得た。
混合粉末を金型プレスにて1ton/cm2の圧力で加圧成形した後、成形体を大気中、1300℃で5時間焼結して複合酸化物焼結体を作製した。次に、純度99.9%の水素ガスを500cc/分で流しながら15℃/分の速度で昇温し、1000℃で10分間還元処理を施してCo粒子を析出させた。この還元処理の間、熱重量分析を行なった。重量減少測定に用いた試料は、焼結体を乳鉢により数μm程度のサイズになるまで粉砕して準備した。還元減量は、9.5wt%であった。
得られた焼結体を乳鉢により粉砕し、20−40メッシュに分級した。走査型電子顕微鏡(SEM)による観察の結果、MgO−CoO系の複合酸化物基材の表面に、金属粒子としてのCo粒子が均一に分散していることを確認することができた。また、化学吸着測定装置により水素吸着による活性金属比表面積を測定したところ、1.9m2/gであった。
(比較例6)
Sc23を添加しなかったこと以外は上記実施例29と同様にして、Co金属粒子複合酸化物を作製した。この金属粒子複合酸化物の還元減量は0.6wt%で、活性金属比表面積は0.2m2/gであった。
得られた実施例29及び比較例6のCOシフト触媒それぞれを管型反応器に3g充填した。この時、反応ガスの吹き抜けを防止するため、触媒層の前後にガラスウールを充填した。触媒層の温度は300℃から400℃まで変化させた。反応ガスとしては、H2:41.1%、CO2:9.7%、CO:5.7%、CH4:0.6%、H2O:42.9%の組成のものを用い、内部標準ガスとして反応ガスに対して19.2%のN2ガスを混入した。反応器入口および出口のCO濃度、CO2濃度、CH4濃度およびN2濃度をガスクロクロマトグラフ装置(カラム:モレキュラーシーブ5A、キャリアガス:ヘリウム)で定量し、反応ガスに含まれるN2ガスを内部標準物質としてCO出口流量を求め、前述した(1)式によりCO転化率(%)を算出した。
また、各温度における反応器出口のCOのCO2化選択率(%)を、下記の(3)式で算出した。
CO2化選択率(%)={X/(X+C2+M2)}×100 (3)
ここで、C2はCO出口流量(cc/min)で、M2はCH4出口流量(cc/min)で、XはCO2出口流量(cc/min)である。
各温度におけるCO転化率およびCO2化選択率の図を、図5、図6にそれぞれ示した。図5、図6から、実施例29においては、触媒層の温度が300℃の時、CO転化率が92.3%、CO2化選択率が90.8%と、ともに最大となり、300℃から400℃の幅広い温度においても、CO転化率が81.1%から92.3%、CO2化選択率が80.5%から90.8%の間の高い値で保持した。これは、実施例29において、幅広い温度範囲において、一酸化炭素がメタン化等の副反応を起こさずに、選択的に二酸化炭素化された事を示す。一方で、比較例6においては、温度を上げるに従って、CO転化率、CO2化選択率ともに増加するものの、400℃においてCO転化率が36.0%でCO2化選択率が72.8%と、実施例29に比べて低い値に留まった。以上の結果から、金属粒子分散複合酸化物の作製時にSc23の添加物を混合する事によって、十分な量のCo粒子が複合酸化物表面に析出し、300℃〜400℃の幅広い温度範囲で一酸化炭素シフト反応が効率良くかつ選択的に起こる事を実証できた。
また、前述した実施例29の金属粒子分散酸化物に関して、入口反応ガス中のCO濃度を12.7%と高くした場合においても、300℃において、CO転化率が93.9%、CO2化選択率が88.7%となり、一酸化炭素シフト反応が効率良くかつ選択的に起こる事が分かった。すなわち、反応ガスに含まれるCO濃度が十数%から数%の幅広い濃度範囲において一酸化炭素の選択二酸化炭素化が高効率で起こる事が分かった。更に実施例29の金属粒子分散酸化物は、熱的にも安定で、発熱による触媒粒子の著しい凝集等も起こらず何度でも使用することが可能であった。
(実施例30、実施例31)
添加化合物を、Al23(実施例30)、Cr23(実施例31)に変更し、それぞれを元素量で約0.2モル%添加した以外は、実施例29と同様にして2種類の金属粒子分散複合酸化物を得た。
(実施例32〜34)
水素による還元処理温度を下記表3に示すように変更すること以外は、実施例29と同様にして3種類の金属粒子分散複合酸化物を得た。
(実施例35)
実施例29で説明したのと同様な種類の混合粉末をハニカム型に加圧成形した後、成形体を実施例29と同様な条件で焼結及び還元処理を施して金属粒子分散複合酸化物を得た。
(実施例36〜40)
添加金属含有量または複合酸化物の組成を下記表3に示すように変更すること以外は、実施例29と同様にして5種類の金属粒子分散複合酸化物を得た。
(比較例7〜8)
複合酸化物組成、触媒中の添加金属含有量を下記表3に示すように変更すること以外は、前述した実施例29と同様にして2種類の金属粒子分散複合酸化物を得た。
これら実施例30〜40、比較例7〜8に関して、前述と同様な反応試験(反応ガスは、H2:41.1%、CO2:9.7%、CO:5.7%、CH4:0.6%、H2O:42.9%の組成)を行い、CO転化率およびCOのCO2化選択率を求めた。実施例30〜40、比較例7〜8の温度を300℃とした時のCO転化率、COのCO2化選択率を下記表3に示す。なお、表3には前述した実施例29、比較例6の結果を併記する。比較例6の温度はシフト効率が最も高い400℃にした。
Figure 2006062934
実験結果から、実施例30〜40において、前述した実施例29の結果と同様な結果が得られる事が分かった。比較例7においては、添加金属含有量が0.01モル%未満の場合であり、十分な量の易還元性金属粒子を複合酸化物表面に析出させることができず、触媒性能の低下が起こった。一方、比較例8においては、添加金属含有量が0.25モル%を越え、還元による析出が過剰となって、金属粒子同士が凝集・合体して触媒性能の低下が起こった。以上の事から、複合酸化物に添加する金属含有量は0.01〜0.25モル%の範囲におさめる事が好ましい。
(実施例41)
実施例29で作製した金属粒子分散酸化物をCOシフト器に使用した以外は、前述した実施例15と同様の燃料電池システムを構築して、システムを作動させた。COシフト反応器の運転温度は300℃で行った。
その結果、改質ガス中のCO濃度を30ppm程度まで除去することが確認できた。
以上の説明から理解されるように、本発明に係る一酸化炭素シフト反応器は、十数%から数%の一酸化炭素濃度を有する反応ガス中の一酸化炭素濃度をメタン化等の副反応を起こすことなく選択的に二酸化炭素化させて除去することを可能にする。この方法は、300℃から400℃の幅広い温度範囲で一酸化炭素シフト反応を効率良く選択的に起こす事が可能であり、熱的にも安定で、発熱による触媒粒子の著しい凝集等も起こらず何度でも使用することが可能である。また、触媒の形状を、粉末状、顆粒状、ハニカム型、フォーム型などの多孔体形状、流体の流路となる溝を付けたシート形状などにする事ができ、その中でも、ハニカム型、フォーム型等の多孔体形状や流路を刻んだシート形状を利用する事により、燃料や改質ガスの流れに対する圧力損失を格段に低減し、触媒反応を高効率で起こすことが可能となる。
以上の結果により、炭化水素系燃料を数十ppm程度の一酸化炭素を含む水素ガスに改質して燃料電池に供給し発電させる、改質器、一酸化炭素シフト器、一酸化炭素除去器、起電部を備えた燃料電池システムの中に、本発明に係る一酸化炭素シフト器を適用する事が可能であることが明らかとなった。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係る燃料電池システムの一実施形態を示す概略的構成図。 図1の燃料電池システムのCOシフト反応器の一実施形態を示す模式的な分解斜視図。 実施例1及び比較例1〜3のCO選択メタン化反応におけるCO転化率と運転温度との関係を示す特性図。 実施例1及び比較例1〜3のCO選択メタン化反応におけるCOメタン化選択率と運転温度との関係を示す特性図。 実施例29及び比較例6のCOシフト反応におけるCO転化率と運転温度との関係を示す特性図。 実施例29及び比較例6のCOシフト反応におけるCO2化選択率と運転温度との関係を示す特性図。
符号の説明
1…燃料電池システム、2…燃料タンク、3…気化器、4…改質器、5…COシフト器、6…CO選択メタン化器、7…起電部(MEA)、9…送液ポンプ、13…燃料極、14…酸化剤極、15…電解質膜、18…送気ポンプ、21…反応器、22…入口配管、23…出口配管、24…COシフト触媒、25…蓋板、26…流路。

Claims (6)

  1. 反応器と、前記反応器に充填される一酸化炭素選択メタン化触媒とを具備する一酸化炭素選択メタン化器であって、
    前記一酸化炭素選択メタン化触媒は、難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物と添加金属元素とを含有する複合酸化物の基材と、前記基材の少なくとも表面に析出した活性金属粒子とを具備し、
    前記添加金属元素は、Al、Sc、Cr、B、Fe、Ga、In、Lu、NbおよびSiよりなる群のうち前記難還元性金属酸化物の金属とは異なる種類の中から選択される少なくとも一種類であり、前記一酸化炭素選択メタン化触媒中の前記添加金属元素の含有量は、元素量で0.01モル%以上、0.25モル%以下であることを特徴とする一酸化炭素選択メタン化器。
  2. 前記複合酸化物は、前記難還元性金属酸化物として酸化マグネシウムと、前記易還元性金属酸化物として酸化ニッケルと、前記添加金属元素としてScとを含有することを特徴とする請求項1記載の一酸化炭素選択メタン化器。
  3. 反応器と、前記反応器に充填される一酸化炭素シフト触媒とを具備する一酸化炭素シフト反応器であって、
    前記一酸化炭素シフト触媒は、難還元性金属酸化物と易還元性金属酸化物と添加金属元素とを含有する複合酸化物の基材と、前記基材の少なくとも表面に析出した活性金属粒子とを具備し、
    前記添加金属元素は、Al、Sc、Cr、B、Fe、Ga、In、Lu、NbおよびSiよりなる群のうち前記難還元性金属酸化物の金属とは異なる種類の中から選択される少なくとも一種類であり、前記一酸化炭素シフト触媒中の前記添加金属元素の含有量は、元素量で0.01モル%以上、0.25モル%以下であることを特徴とする一酸化炭素シフト反応器。
  4. 前記難還元性金属酸化物は酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の酸化物で、前記易還元性金属酸化物はコバルト酸化物で、前記添加金属元素はAl、ScおよびCrよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項3記載の一酸化炭素シフト反応器。
  5. 燃料を改質して水素を含む改質ガスを得る改質器と、
    前記改質器の下流に配置される一酸化炭素シフト反応器と、
    前記一酸化炭素シフト反応器の下流に配置される請求項1記載の一酸化炭素選択メタン化器と、
    前記一酸化炭素選択メタン化器の下流に配置され、前記一酸化炭素選択メタン化器から改質ガスが供給される燃料極と、酸化剤極とを備える起電部と
    を具備することを特徴とする燃料電池システム。
  6. 燃料を改質して水素を含む改質ガスを得る改質器と、
    前記改質器の下流に配置される請求項3記載の一酸化炭素シフト反応器と、
    前記一酸化炭素シフト反応器の下流に配置される一酸化炭素除去器と、
    前記一酸化炭素除去器の下流に配置され、前記一酸化炭素除去器から改質ガスが供給される燃料極と、酸化剤極とを備える起電部と
    を具備することを特徴とする燃料電池システム。
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