JP2006061973A - 形鋼の冷却装置 - Google Patents

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Yutaka Kano
裕 鹿野
Akira Onishi
晶 大西
Horio Iwai
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Abstract


【課題】 フランジおよびフィレットの内面を効果的に冷却する。
【解決手段】 形鋼1の搬送経路にパスラインPを挟んで設けられ、互いに接離移動する一対のサイドガイド2a,2bの上方または下方の少なくとも一方にパスラインPに沿って千鳥状に設けられ、パスラインPを挟んで他側のフランジ1fa又は1fbの内面を冷却する複数の内面冷却ノズル3a,3b,4a,4cを備えた形鋼1の冷却装置Aである。内面冷却ノズルをフラットスプレーノズルとし、その噴射孔の長軸と、形鋼1の搬送方向がなす捻り角度θ(°)を、前記ノズルピッチをp、ノズル噴射角をα(°)とした場合、70−0.075×p{(α/25)+0.4}≦θ≦80−0.075×p{(α/25)+0.4}で、かつ、150≦p≦500の関係を満足するようになす。
【効果】 噴射した冷却水どうしが干渉せず、形鋼の温度ばらつきを抑制し、効率的に冷却できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、形鋼の冷却装置に係り、さらに詳しくは、たとえば極厚H形鋼に代表される極厚の形鋼の冷却に用いて有効な形鋼の冷却装置に関するものである。
近年、高層の建築構造物用の柱材として、たとえばフランジおよびウェブの肉厚が厚い極厚のH形鋼が使用されている。この極厚のH形鋼には、高強度、高靱性および高溶接性などの性能が求められ、この性能を得るために、前記極厚のH形鋼を熱間圧延ライン中で冷却する技術が多数提案されている。
たとえば極厚H形鋼の中間圧延工程において、ウェブやフランジを水冷装置によって冷却しつつ、その厚み方向に圧下するという、いわゆる熱加工制御圧延法による極厚H形鋼の製造方法が記載されている。
長谷川ら、「建築構造用TMCP極厚H形鋼(NSGH)の開発」、新日鉄技報第368号(1998)、77〜82頁
この熱加工制御圧延法における極厚H形鋼の冷却においては、フランジの外面および内面の冷却に加えて、ウェブ面も積極的に冷却する必要があり、このような極厚H形鋼の冷却装置も種々提案されている。
特開平6−31331号公報 特開平6−71301号公報 特開平6−297028号公報 特開平7−188763号公報
このうち、特許文献1で提案された冷却装置は、フランジの内面に近接して設けられた内面冷却ノズルを備えたものである。また、特許文献2で提案された冷却装置は、粗ユニバーサルミルの前後面に、フランジの内面に近接して設けられた内面冷却ノズルとR部内面冷却ノズルを備えたものである。
これらの特許文献1および特許文献2で提案された冷却装置では、内面冷却ノズルやR部内面冷却ノズルがフランジの内面に近接して設けられているために、搬送されるH形鋼の上下方向の反り、左右の曲がりおよび位置ずれなどによって、H形鋼が冷却ノズルと衝突するおそれがある。
また、特許文献3で提案された冷却装置は、H形鋼の両フランジの内面、ウェブの表裏面およびフィレット(フランジとウェブとの接続部)の内面に沿って設けられた壁面に冷却ノズルを備えたものである。
そのため、この冷却装置では、H形鋼の上下方向の反り、左右方向の曲がりやH形鋼の位置ずれなどによって、H形鋼が冷却装置と衝突するおそれがある。また、圧延されるH形鋼のサイズが変更されるたびに冷却装置の交換が必要となり、生産ラインを停止しなければならない。
また、特許文献4で提案された冷却装置は、H形鋼のフランジの内面およびウェブの上面に、箱型の冷却部材を近接して配置したものである。この冷却装置では、ウェブの幅方向に分割された箱型の冷却部材が両フランジの内面間の寸法(以下、「ウェブ内幅」と言う。)に応じて移動するため、H形鋼のウェブ内幅の変更に伴い冷却装置を交換する必要はない。しかしながら、箱型の冷却部材がH形鋼の両フランジ間に配置されているため、H形鋼の搬送中の上反り、左右曲がりや位置ずれなどによって、H形鋼が冷却装置と衝突するおそれがある。
このように、従来のH形鋼の冷却装置は、いずれもフランジ内面用の冷却装置が両フランジ間に設けられているため、H形鋼の上方向の反り、左右方向の曲がりやH形鋼の位置ずれによって、H形鋼が冷却装置やノズルと衝突するおそれがある。
これらの冷却装置に対して、両フランジ間を避けた位置に内面冷却装置を設けたH形鋼の冷却装置が提案されている。
特開2001−129607号公報
しかしながら、この特許文献5で提案された冷却装置は、H形鋼の上方向の反りにより、H形鋼が上部支持部材などに衝突するおそれがある。また、左右のヘッダー管が互いに近接しているため、ウェブ内幅が小さいH形鋼を冷却する場合には、左右のヘッダー管同士および左右の上ノズル同士が互いに干渉することがある。
これを避けるために、左右の上ノズルを互いに干渉しない位置に設定すると噴射角度αが小さくなり、左右の上ノズルから噴射される冷却水によるフランジの内面冷却が効果的に行えないおそれがある。この現象は、下側フランジ内面冷却装置の場合にも生じる。
さらに、H形鋼に高圧の冷却水が噴射されると、H形鋼の表面に付着しているスケールが剥離・落下して下ノズルに付着して詰まりが発生したり、下ノズルの噴射角度の設定機構などが機能しなくなったりするおそれがある。したがって、冷却装置の安定稼働のためには、下ノズルに堆積するスケールの除去を頻繁に行う必要があり、そのための工数が必要となる。
そこで、本出願人は、上述したような問題点を解決することが可能な形鋼の冷却装置およびこの冷却装置を使用した冷却方法を提案した。
特開2003−19510公報
この形鋼の冷却装置Aは、図11に示すように、形鋼1の搬送経路に、パスラインPを挟んで設けた互いに接離移動する一対のサイドガイド2a,2bのたとえば上方および下方に、パスラインPに沿って千鳥状に、パスラインPを挟んで他側のフランジ1fa又は1fbの内面を冷却する複数の内面冷却ノズル3a,3b,4a,4bを設け、これら内面冷却ノズル3a,3b,4a,4bの噴射方向を噴射方向調整機構5,6によって調整可能となした構成である。なお、図11中の8a,8bはフランジ1fa,1fbの外面を冷却する複数の外面冷却ノズルである。
そして、図12に示すような、ブレークダウンミルB、第1の粗ユニバーサルミルC1、エッジャーミルD、第2の粗ユニバーサルミルC2および仕上ユニバーサルミルEを、上流側から搬送装置を介して順に配置した製造ラインでたとえばH形鋼を熱間圧延する際に、前記構成の冷却装置Aを、前記第1の粗ユニバーサルミルC1の上流側、第2の粗ユニバーサルミルC2の下流側、仕上ユニバーサルミルEの下流側の、少なくともいずれか1箇所に配置することにより、ウェブ1w内幅の小さい形鋼でも、フランジ1fa,1fbやフィレットの内面を効果的に冷却でき、また、冷却水の噴射によって落下したスケールのノズルなどへの堆積が防止できる。
しかしながら、特許文献6の冷却装置および冷却方法は、パスラインを挟んで他側のフランジの内面を冷却する内面冷却ノズルがパスラインに沿って千鳥状に設けられているので、片側の被冷却面(形鋼の内面)について見ると、冷却ノズルの配置が疎らにならざるを得ず、冷却性能が劣るという問題を内在している。
本発明が解決しようとする問題点は、従来の冷却では、ウェブ内幅の小さい形鋼のフランジおよびフィレットの内面を冷却するには、冷却性能が劣ってしまうという点である。
発明者らは、前述の特許文献6に開示された形鋼の冷却装置が内在する、ウェブ内幅の小さい形鋼のフランジおよびフィレットの内面を冷却する際の冷却性能の劣化を解決すべく種々の実験を行った。
その結果、内面冷却ノズルの配置や取付け方法、あるいは該内面冷却ノズルから噴射される冷却水の噴射角度あるいは噴射面の形状によって、被冷却面の冷却性能に差が生じることを明らかにし、被冷却面の冷却性能を最大にするためのノズル仕様ならびにノズル取付け方法を見出し、以下の本発明を完成させた。
本発明の形鋼の冷却装置は、
H形鋼や平行フランジ溝形鋼などの形鋼を中間圧延あるいは仕上げ圧延などの熱間圧延後に冷却する際に、ウェブ内幅の小さい形鋼であってもそのフランジおよびフィレットの内面の被冷却面積を最大限にして、短時間で効果的に冷却するために、
形鋼の搬送経路にパスラインを挟んで設けられ、互いに接離移動する一対のサイドガイドのそれぞれの上方または下方の少なくとも一方にパスラインに沿って千鳥状に設けられ、パスラインを挟んで他側のフランジの内面を冷却する複数の内面冷却ノズルを備えた形鋼の冷却装置において、
前記内面冷却ノズルがフラットスプレーノズルであって、
かつ、当該フラットスプレーノズルの噴射孔の長軸と前記形鋼の搬送方向がなす捻り角度θ(°)を、前記サイドガイドに配置された前記フラットスプレーノズルの中心間距離(以下、「ピッチ」と言う。)をp(mm)、前記フラットスプレーノズルの噴射角をα(°)とした場合、
70−0.075×p{(α/25)+0.4}≦θ≦80−0.075×p{(α/25)+0.4}で、
かつ、150≦p≦500
の関係を満足することを最も主要な特徴としている。
本発明によれば、内面冷却ノズルの配置や取付け方法、あるいは該内面冷却ノズルから噴射される冷却水の噴射角度あるいは噴射面の形状を最適に設定することで、ウェブ内幅の小さい形鋼であっても内面冷却ノズルや当該ノズルから噴射した冷却水どうしが干渉することなく、形鋼のフランジおよびフィレットの内面を容易に、かつ、被冷却面積が最大限になって、冷却終了後の形鋼の温度ばらつきを抑制し、効率的に冷却できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図10を用いて詳細に説明する。
図1および図2は、形鋼の内面冷却ノズルの配置および捻り角と、被冷却面積の関係について説明する図である。
図1および図2の(b)図は形鋼1の断面(同図ではH形鋼の上部断面のみを表示している。)と被水冷面を表し、形鋼1の中央に位置するパスラインPを挟んで両側の形鋼1の上方に設置された2個の内面冷却ノズル(フラットスプレーノズル)3a,3bで、パスラインPを挟んで他側の形鋼1の内面を冷却する状態を模式的に示している。なお、前記パスラインPを挟んで両側とは、図11に記載の形鋼1の製造ラインにおける圧延機の駆動側(ドライブサイド)と操作側(ワークサイド)を言う。
また、図1および図2の(a)図は、図1および図2の(b)図の内面冷却ノズル3a,3bから噴射された冷却水7の噴射面形状Sを表し、紙面上方の楕円は図1および図2の(b)図の矢視A−A断面位置における噴射面形状S、紙面下方の楕円は図1および図2の(b)図の矢視B−B断面位置における噴射面形状Sを示している。
図1はノズルの捻り角θが比較的大きい場合、図2は捻り角θが比較的小さい場合を示しているが、両者とも捻り角θはパスラインPを挟む両側に配置された内面冷却ノズル全てについて同一(正負の符号も含め)であることが特徴である。
本発明で使用するフラットスプレーノズルの場合、ノズルから噴射される冷却水7の噴射面形状Sは、図3(a)に示すような楕円形状、若しくは、図3(b)に示すような長円形状である。また、噴射孔3aa,3baは一般に楕円形状をしているが、図4に示すように当該噴射孔3aa,3baの長軸の形鋼搬送方向からみた角度を捻り角θと言う。
図1および図2とも、冷却水噴射面の中央部(H形鋼のフランジ幅×1/4相当部)に対応する形鋼1の被水冷面の地点を図1および図2の(b)図にM点として表示している。このM点における冷却能(熱伝達率)を見ると、捻り角θが比較的に大きい図1に比べて、捻り角θが比較的に小さい図2の方が個々の内面冷却ノズル3a,3bから噴射される冷却水7による濡れ時間(M点における被水冷面の形鋼搬送方向長さ/形鋼の搬送速度)が大きいため、冷却能が大きくなっている。
捻り角θが小さくなるに従い、M点における冷却能は大きくなっていくが、特定の値以下になるとパスラインPを挟んで千鳥状に配置された内面冷却ノズル3a,3bから噴射される冷却水7が形鋼1の中央部(パスラインP)近傍で干渉し、パスラインPを挟んで他側の形鋼1内面にまで冷却水7が届かなくなるため、冷却能は急激に低下する。
以上の関係を定量化して表示したのが図5である。図5は、噴射角αが30°(噴射角αについては、図3参照)の楕円吹きノズル(図3(a)参照)をピッチpが200mm(●印)および400mm(○印)で形鋼1の搬送方向に一列に配置し、650℃の形鋼1に噴射圧力が0.15MPaで冷却水7を噴射した際の図1および図2の(b)図に記載のM点における平均冷却能(測定値)を、横軸に内面冷却ノズルの捻り角θをとって表したものである。なお、この際の形鋼1の搬送速度は3m/secとした。
図5からわかるように、内面冷却ノズルの捻り角θを90°から小さくしていくと、平均冷却能は一度増加するが、特定の捻り角θよりも小さくなると、平均冷却能は逆に減少する。
さらに、内面冷却ノズルのピッチpとの関係で見ると、ピッチpが大きい場合に比し、ピッチpが小さい方が平均冷却能は全体的に高めであるが、平均冷却能が減少を始める内面冷却ノズルの捻り角θは大きいことがわかる。
すなわち、内面冷却ノズルのピッチpが小さい方が、パスラインPを挟んで両側に配置された内面冷却ノズルから噴射された冷却水の相互干渉が、より大きな捻り角θで生じやすくなることがわかる。
図6および図7は、図1および図2と同様の図である。この図6および図7においては、パスラインPを挟む両側に配置された内面冷却ノズル3a,3bのうち、片側に配置された内面冷却ノズル3bの捻り角θに対して、パスラインPを挟んで反対側の内面冷却ノズル3aの捻り角θが正負逆である。また、図6は内面冷却ノズル3a,3bのピッチpが比較的小さい場合、図7は同じく内面冷却ノズル3a,3bのピッチpが比較的大きい場合を示している。
図6および図7とも、図1および図2と同様に前記冷却水噴射面の中央部に対応する形鋼1の被水冷面の地点を(b)図にM点として表示している。当該M点における冷却能(熱伝達率)を見ると、前記ピッチpが比較的大きい図7に比べて前記ピッチpが比較的小さい図6の方が、一定の形鋼1の搬送時間(または距離)あたりの複数の内面冷却ノズル3a,3bから噴射される冷却水7による前記濡れ時間の累計が長くなるため、冷却能が大きくなる。
内面冷却ノズル3a,3bのピッチpが小さくなるに従い、M点における冷却能は増加していくが、特定の値以下になると、図6(a)に破線の円で示すようにパスラインPを挟んで千鳥状に配置された内面冷却ノズル3a,3bから噴射される冷却水7が形鋼1の中央部(パスラインP)近傍で干渉し、パスラインPを挟んで他側の形鋼1内面にまで冷却水7が届かなくなるため、冷却能は急激に低下する。
以上の関係を定量化して表示したのが図8である。図8は、噴射角αが30°の楕円吹きノズルを100mm〜600mmまで100mm刻みで内面冷却ノズル3a,3bのピッチpを変化させ、650℃の形鋼1に噴射圧力0.15MPaで冷却水7を噴射した際の図1および図6,7の(b)図に記載のM点における平均冷却能(測定値)を、横軸に内面冷却ノズル3a,3bのピッチpをとって表したものである。なお、この際の形鋼1の搬送速度は3m/secとした。
図8中の実線は、内面冷却ノズル3a,3bの捻り角θを、駆動側、操作側ともに60°と同符号にした場合、破線は内面冷却ノズル3a,3bの捻り角θを、駆動側を60°、操作側を−60°と異符号にした場合の測定結果を示している。図8からわかるように、内面冷却ノズル3a,3bのピッチpを600mmから小さくしていくと、平均冷却能は一度増加するが、特定のピッチpよりも小さくなると、平均冷却能は逆に減少する。
また、内面冷却ノズル3a,3bの捻り角θとの関係で見ると、パスラインPを挟んで両側に配置された内面冷却ノズル3a,3bの捻り角θが正負異符号の場合に比し、正負同符号の方が平均冷却能は全体的に高めで、とくに内面冷却ノズル3a,3bのピッチpが100〜300mmの広い範囲で両者の差が大きいことがわかる。
さらに、内面冷却ノズル3a,3bの捻り角θを60°、内面冷却ノズル3a,3bのピッチpを200mmとし、内面冷却ノズル3a,3bの噴射角αを10〜30°に変化させ、650℃の形鋼1に噴射圧力0.15MPaで冷却水7を噴射した際の図1(b)に記載のM点における平均冷却能(測定値)を、横軸に内面冷却ノズル3a,3bの噴射角αをとって整理したのが図9である。なお、この際の形鋼1の搬送速度は3m/secとした。
図9から、内面冷却ノズル3a,3bの噴射角αを10°から大きくしていくと、平均冷却能はほぼ比例して減少することがわかる。これは、噴射角αを大きくするに従い、図1および図2の(b)のM点における内面冷却ノズル3a,3bの1個当りの水量密度が低下するためである。
上記のさまざまな実験結果から得られた知見をもとに、発明者らは、本発明に係る形鋼の冷却装置を用いた冷却において、特定のノズルピッチpに対して熱間鋼材の冷却能を最大限にするための最適ノズル捻り角θの関係(図10)を見出した。
すなわち、内面冷却ノズル3a,3bの捻り角をθ(°)、サイドガイド2a,2bに配置された内面冷却ノズル3a,3bのピッチをp(mm)、内面冷却ノズル3a,3bの噴射角をα(°)とするとき、
θ=75−0.075×p{(α/25)+0.4}の関係が成立する。
ところで、前記捻り角θについては、水冷装置(水冷ヘッダー)への個々の内面冷却ノズル3a,3bの取付け時の精度を考慮すると、前記値に対して±5°程度の誤差が生じる可能性がある。
そこで、本発明では、内面冷却ノズル3a,3bの捻り角θの好適範囲として下記式のように規定した。
70−0.075×p{(α/25)+0.4}≦θ≦80−0.075×p{(α/25)+0.4}
また、内面冷却ノズル3a,3bのピッチpについては、実用上150mm〜500mmの範囲が望ましい。すなわち、内面冷却ノズル3a,3bのピッチpが150mmを下回ると、パスラインPを挟んで両側に取付けた内面冷却ノズル3b,3aの取付け精度によっては冷却水7の相互干渉が発生しやすくなるからである。
一方、内面冷却ノズル3a,3bのピッチpが500mmを超えると、内面冷却ノズル3a,3bの捻り角θを比較的大きくした場合、被冷却材(形鋼1)の搬送方向(長手方向)に被冷却面が疎らに(間欠的に)存在することになり、逆に捻り角θを比較的小さくした場合、被冷却材(形鋼1)の幅方向(搬送方向に垂直な方向)の被冷却面の幅が狭くなり、いずれにせよ冷却水7の噴射による形鋼1の全体としての冷却能が低下するため、被冷却面積を大きくするためには内面冷却ノズル3a,3bの数を多くする(多段に配置する)必要が生じ経済的でないからである。
ところで、内面冷却ノズル3a,3bの噴射角(拡がり角)αについては、10〜30°が望ましい。噴射角αを必要以上に小さくすると、噴射した冷却水7の相互干渉は生じにくいが、被冷却面積を大きくするためには内面冷却ノズル3a,3bの数を多くする(多段に配置する)必要が生じ経済的でないからである。
一方、内面冷却ノズル3a,3bの噴射角αを必要以上に大きくすると、ノズル1個当りの被冷却面積を大きくできるが、噴射した冷却水7の相互干渉が生じやすくなるほか、鋼材1(図1および図2、図6および図7における内面冷却ノズル3a,3b直下の形鋼1)と冷却水7が干渉し易くなり、内面冷却ノズル3a,3bの配置や捻り角θに制約が生じるからである。
以下、本発明の効果を確認するために行った実施結果について説明する。
被冷却材は、高さが552mm、フランジ幅が500mm、フランジ厚みが50mm、ウェブ厚みが50mmの引張強さが50キロ(490N/mm2)級の極厚H形鋼を使用した。
図11に示したH形鋼製造ライン(加熱炉−ブレークダウンミルB−第1の粗ユニバーサルミルC1−エッジャーミルD−第2の粗ユニバーサルミルC2−仕上ユニバーサルミルE)において、仕上ユニバーサルミルEの直近下流側に図12に示した水冷装置A(冷却ゾーン長30m)を設置して、熱間圧延された800℃の前記極厚H形鋼の上下フランジ内外面の水冷を、以下の条件で600℃となるまで実施した。
〔水冷条件〕
極厚H形鋼の搬送速度:3m/sec
冷却水量:1000トン/hr(上フランジ内面とウェブ上面200トン/hr、下フランジ内面とウェブ下面300トン/hr、フランジ外面500トン/hr)
上記前提条件のもと下記表1に示す各種水冷条件において、極厚H形鋼の水冷直後のフランジ外面温度分布を測定した結果を下記表2に示す。
Figure 2006061973
Figure 2006061973
上記表2から、本発明の実施例1〜3はいずれも、本発明の実施例1〜3と比較して、内面冷却ノズルの捻り角θが駆動側と操作側で正負逆の比較例1、内面冷却ノズルのピッチが2.5倍で、内面冷却ノズル1個当りの冷却水量が2.5倍の比較例2、内面冷却ノズルの捻り角θが小さく、内面冷却ノズルの噴射角αが大きい比較例3、ノズルタイプが異なる(ノズルの捻り角θが0°)の比較例4、内面冷却ノズルの噴射角αが大きい比較例5、内面冷却ノズルの噴射角αが小さい比較例6に比べて、冷却後の形鋼のフランジ外面温度が低めであり、かつ、温度のばらつきも少なく、冷却能力に優れていることがわかる。
本発明は上記の例に限らず、内面冷却ノズルを、上下方向に傾斜させることに加えて、形鋼の搬送方向に傾斜させたり、また、図1および図2や図6および図7に示すように上下方向に1段配置するだけでなく、必要に応じて複数段配置させるなど、各請求項に記載された技術的思想の範囲内で、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
本発明は、H形鋼の冷却だけでなく、平行フランジ溝形鋼の冷却にも適用できる。
捻り角が比較的大きい場合の内面冷却ノズル配置、捻り角と被冷却面積の関係を説明する図で、(a)は冷却水の噴射面形状、(b)は形鋼断面と被水冷面の関係を示した図である。 捻り角が比較的小さい場合の内面冷却ノズル配置、捻り角と被冷却面積の関係を説明する図で、(a)は冷却水の噴射面形状、(b)は形鋼断面と被水冷面の関係を示した図である。 内面冷却ノズルの冷却水噴射面形状を説明する図で、(a)は楕円吹きノズル、(b)は長円吹きノズルを示す。 内面冷却ノズルの噴射孔と冷却水噴射面形状の関係を説明する図である。 形鋼の内面冷却ノズル捻り角と冷却性能の関係を示す図である。 内面冷却ノズルのピッチが比較的小さい場合の内面冷却ノズル配置、捻り角と被冷却面積の関係を説明する図で、(a)は冷却水の噴射面形状、(b)は形鋼断面と被水冷面の関係を示した図である。 内面冷却ノズルのピッチが比較的大きい場合の内面冷却ノズル配置、捻り角と被冷却面積の関係を説明する図で、(a)は冷却水の噴射面形状、(b)は形鋼断面と被水冷面の関係を示した図である。 形鋼の内面冷却ノズルピッチと冷却性能の関係を説明する図である。 形鋼の内面冷却ノズル噴射角と冷却性能の関係を説明する図である。 ノズルの噴射孔と冷却水噴射面の関係を説明する図である。 特許文献6の形鋼の水冷装置を説明する図で、(a)は正面図、(b)は平面図である。 特許文献6の形鋼の製造ラインの例を説明する図である。
符号の説明
A 冷却装置
1 形鋼
1fa,1fb フランジ
1w ウェブ
2a,2b サイドガイド
3a,3b,4a,4b 内面冷却ノズル
7 冷却水

Claims (3)

  1. 形鋼の搬送経路にパスラインを挟んで設けられ、互いに接離移動する一対のサイドガイドのそれぞれの上方または下方の少なくとも一方にパスラインに沿って千鳥状に設けられ、パスラインを挟んで他側のフランジの内面を冷却する複数の内面冷却ノズルを備えた形鋼の冷却装置において、
    前記内面冷却ノズルがフラットスプレーノズルであって、
    かつ、当該フラットスプレーノズルの噴射孔の長軸と前記形鋼の搬送方向がなす捻り角度θ(°)を、前記サイドガイドに配置された前記フラットスプレーノズルの中心間距離(ピッチ)をp(mm)、前記フラットスプレーノズルの噴射角をα(°)とした場合、
    70−0.075×p{(α/25)+0.4}≦θ≦80−0.075×p{(α/25)+0.4}で、
    かつ、150≦p≦500
    の関係を満足することを特徴とする形鋼の冷却装置。
  2. 前記捻り角度θ(°)は、パスラインを挟む両側に配置された内面冷却ノズル全てについて同一であることを特徴とする請求項1に記載の形鋼の冷却装置。
  3. パスラインを挟む両側に配置された前記内面冷却ノズルのうち、片側に配置された内面冷却ノズルの捻り角度θと、パスラインを挟んで反対側の内面冷却ノズルの捻り角度θが正負同符号であることを特徴とする請求項2に記載の形鋼の冷却装置。
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