JP2006060229A - 偏光ビームスプリッタ装置、干渉計モジュール、リソグラフィ装置、およびデバイス製造方法 - Google Patents

偏光ビームスプリッタ装置、干渉計モジュール、リソグラフィ装置、およびデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リソグラフィ投影装置でマスクまたは基板の正確な位置決めのために使うための偏光ビームスプリッタ装置の光学材料の浪費をなくし、高精度および高時間安定性を得ること。
【解決手段】この偏光ビームスプリッタ装置1は、ピラミッド形再帰反射器部2とハンドラ部を備えるビームスプリッタ部3とが一体構成の光学素子として構成してあるので、再帰反射器機能と偏光ビームスプリッタ機能を同時に果し、材料の無駄、両部間の位置不良、および径時変化がなく、研磨および反射防止コーティングを要する面が少ないので、コストが安く、材料の変り目がないために、散乱、反射等が少ない。この光学素子を干渉計モジュール、干渉計システム、リソグラフィ装置、およびデバイス製造方法に使うことができる。
【選択図】図1a

Description

本発明は、リソグラフィ装置および方法に関する。
リソグラフィ装置は、基板に、通常基板の目標部分上に所望のパターンを付ける機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使うことができる。その場合、マスクまたはレチクルと呼んでもよい、パターニング装置を使ってこのICの個々の層に対応する回路パターンを創成してもよい。このパターンを、基板(例えば、シリコンウエハ)上の目標部分(例えば、一つまたは幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。このパターンの転写は、典型的には、基板上に設けた放射線感応材料(レジスト)の層への結像による。一般的に、単一基板が隣接する目標部分のネットワークを含み、それらを順次パターン化する。既知のリソグラフィ装置には、全パターンをこの目標部分上に一度に露出することによって各目標部分を照射する、所謂ステッパと、このパターンを放射線ビームによって与えられた方向(“走査”方向)に走査することによって各目標部分を照射し、一方、この基板をこの方向と平行または逆平行に同期して走査する、所謂スキャナがある。このパターンを基板上に印写することによってこのパターンをパターニング装置から基板へ転写することも可能である。
ここで使う“パターニング装置”という用語は、放射線ビームの断面に、この基板の目標部分に創るようなパターンを与えるために使うことができる装置を指すと広く解釈すべきである。この放射線ビームに与えたパターンは、例えば、このパターンが位相シフト形態または所謂補助形態を含むならば、基板の目標部分の所望のパターンと厳密には対応しなくてもよいことに注目すべきである。一般的に、放射線ビームに与えたパターンは、集積回路のような、この目標部分に創るデバイスの特別の機能層に対応するだろう。
干渉測定では、干渉縞を測定することによって変位を正確に決めることが可能である。それには、互いに重なり合うように作った放射線ビームを使うかも知れない。多くの干渉測定装置で使う構成要素は、再帰反射装置または再帰反射器である。この品は、放射線ビームを、平面鏡のように、一つの特定の方向に対してだけでなく、全範囲の方向に対して入射と同じ方向に反射戻せることで有用である。この再帰反射特性は、一般的に、立方体のような、三つの相互垂直面から成る、再帰反射器面を使って達成してもよい。再帰反射器は、前述の三つの面を立方体のコーナと考えてもよいので、コーナキューブとも呼ぶ。更に、再帰反射器は、放射線ビームがこの再帰反射器に入り且つ再帰反射後に再び出るかも知れない面を有する。
通常、再帰反射器は、単一放射線ビームを二つ(以上)の放射線ビームに分割するように構成した、ビームスプリッタ装置と組合わせて配置する。一つ以上のミラーは勿論、この再帰反射器は、二つ(以上)の放射線ビームの重ね合せを達成するために使ってもよい。それによって、干渉縞を得ることができる。干渉縞の変化は、変位を決めるために使ってもよい。
干渉測定の目的のためには、この再帰反射器の面および表面に品質が優れていることが望ましい。例えば、面の平面度が使用する放射線の波長の0.1より良い、例えば、50nmより良いことは珍しくない。更に、(局部)表面粗さが数nm以下であることが望ましい。表面が極高品質である機能面に触れることなく、この再帰反射器を取扱うために、全てでないにしても大抵の再帰反射器は、ハンドラ表面を有する。このハンドラ表面は、この再帰反射器を取扱うように構成した周辺部分でもよく、それをこの文脈で時にはハンドラ部と呼ぶ。再帰反射器にそのようなハンドラ部がなければ、再帰反射器表面のような、機能面が操作中に損われるかも知れない。これは、例えば、この再帰反射器を取扱うとき、例えば、ビームスプリッタまたはその他の光学装置に取付けるときに起るかも知れない。
米国特許第4,504,147号は、三つの再帰反射器面に隣接する角を取った円筒形ハンドラ表面を有するコーナキューブを備える整列センサを開示する。このコーナキューブは、光学セメントでビームスプリッタに結合してある。
同様に、立方体の切取ったコーナに過ぎない、四面体は、一般的にそのようなハンドラ部を要する。多くの再帰反射器は、四面体の面を切断しおよび先端を切ることによって長方形ベース面が与えられている。これは、自動的にこの追加の(切頭)側面によってハンドラ表面をもたらす。
そのようなハンドラ表面またはハンドラ部は、種々の不利益を生じるかも知れない。先ず第1に、このハンドラ部は、この再帰反射器を取扱うときにしか使わない、かなりの量の材料に関係する。取付け後は、このハンドラ部は無用であり、それは材料の浪費である。更に、例えば、ビームスプリッタ等を備える干渉測定システムでの再帰反射器の取付けは、非常に厳しく、高精度および時間安定性を要する。再帰反射器の取付けの種々の既知の方法は、必ずしもこの点で満足でない。
本発明の実施例は、放射線を再帰反射するように構成した光学素子、すなわち、再帰反射器を含み、それは、この再帰反射器の材料をより効率的に使える設計がなされ、並びにその構成部品の、相互位置決めと、例えば干渉計システムの、他の部品に関するのと両方のより精密且つより安定な位置決めを可能にする。
本発明の実施例には、そのような改善した光学素子およびその利点を利用する、干渉計モジュール、干渉計システム、装置、特にリソグラフィ装置、およびデバイス製造方法もある。
本発明の一実施例では、この光学素子をそれが再帰反射器機能と偏光ビームスプリッタ機能を同時に果すように設計する。この発明の一実施例では、ハンドラ部を再設計し、偏光ビームスプリッタ層をこのハンドラ部の面の一つに設ける。
本発明の一実施例によれば、偏光ビームスプリッタ装置であって、連続した一体構成の光学素子で、内部入射する放射線ビームを再帰反射する再帰反射器表面、この光学素子に入るかまたは出る放射線ビームを通過させるための放射線ビーム通過表面、およびこの偏光ビームスプリッタ装置をこの再帰反射器表面にもこの放射線ビーム通過表面にも触れることなく取扱うためのハンドラ表面を含む光学素子が提供され、この再帰反射器表面は、実質的に平面であり、共通点で交わる、少なくとも第1面、第2面および第3面を含み、この放射線ビーム通過表面は、実質的に平面であり且つこの共通点と反対に配置してある第4面を含み、更に、実質的に平面であり且つこの第4面に関してある角度に配置してある第5面を含み、このハンドラ表面は、この再帰反射器表面とこの放射線ビーム通過表面の間に拡がる少なくとも一つの表面を含み、この偏光ビームスプリッタ装置は、更に、この第4面上にある偏光ビームスプリッタ層を含む。
そのような偏光ビームスプリッタ装置は、再帰反射器部とハンドラ(またはビームスプリッタ)部の位置決めが信頼性があり且つ正確で、非常にコンパクトにでき、それは、両機能を、ビームスプリッタ層と組合わせて、今や単一光学素子で達成するからである。
本発明の一実施例では、平面とその平面と交差する線の間の角度を、この線とその平面上へのその垂直射影の間の角度であるように採る。
本発明の一実施例による、この偏光ビームスプリッタ装置は、非常に簡単な設計で、一つの光学本体と偏光ビームスプリッタ層しかない。
本発明の別の実施例によれば、干渉計モジュールで、本発明の一実施例による偏光ビームスプリッタ装置を含み、更に、第1側面およびこの第1側面と対向する第2側面を備えるフレーム板を含み、この偏光ビームスプリッタ装置がこのフレーム板のこの第1側面に取付けてあり、および非偏光ビームスプリッタ装置がこの第2側面に取付けてあり、少なくとも一つの開口がこの偏光ビームスプリッタ装置と非偏光ビームスプリッタ装置の間のこのフレーム板に位置する干渉計モジュールが提供される。
本発明の更に別の実施例によれ、干渉計システムで、物体の変位を測定するように構成し、レーザビーム源、本発明の一実施例による偏光ビームスプリッタ装置、光信号を受けるように構成した受光器、およびこの光信号を変位値に変換するように構成・配置した処理装置を含む干渉計システムが提供される。
本発明の更に別の実施例によれ、干渉計システムで、物体の変位を測定するように構成・配置し、レーザビーム源、本発明の一実施例による干渉計モジュール、光信号を受けるように構成した受光器、およびこの光信号を変位値に変換するように構成・配置した処理装置を含む干渉計システムが提供される。
本発明の更に別の実施例によれ、変位し得る物体および本発明の一実施例干渉計システムを含み、この干渉計システムがこの物体の変位を決めるように構成・配置してある装置が提供される。
本発明の更に別の実施例によれ、パターニング装置からのパターンを基板上に転写するように構成したリソグラフィ装置であって、更に、本発明の一実施例による干渉計システムを含むリソグラフィ装置が提供される。
本発明の更に別の実施例によれ、デバイス製造方法であって、パターニング装置からのパターンを基板上へ転写する工程を含み、このパターニング装置と基板の間の相対変位を本発明の一実施例による干渉計システムを使って決める方法が提供される。
本発明の一実施例による、偏光ビームスプリッタ装置は、ピラミッド形再帰反射器部で、この再帰反射器部の頂点から拡がる第1、第2および第3の実質的平面を含み、この第1、第2および第3平面が互いに実質的に垂直である再帰反射器部;並びにこのピラミッド形再帰反射器部のベースから拡がるビームスプリッタ部で:この装置を取扱うように構成し、このベースに実質的に垂直である、第1および第2ハンドラ面、およびこのピラミッド形再帰反射器部の頂点から伸びる対称軸と実質的に45°に等しい角度を成し、偏光ビームスプリッタ層で実質的に覆われた、ビームスプリッタ面を含むビームスプリッタ部を含む。
さて、本発明の実施例を、例としてだけ、添付の概略図を参照して説明する。これらの図面で、対応する参照記号は、対応する部品を示す。
偏光光ビームスプリッタ装置は、非偏光放射線ビームを異なる偏光の二つの別々のビームに分けられる装置である。これらのビームの一つを透過し、他のビームを反射する。偏光ビームスプリッタ装置は、一般的に少なくとも一つの透明光学本体を含み、その上に偏光ビームスプリッタ層が設けてある。
光学素子の再帰反射器表面は、その表面に入射する放射線ビームを、少なくともある非ゼロ立体角に対して再帰反射する特性を有する表面であり、それは複合面でもよい。実際には、これは殆ど常に三つの相互に垂直な平面の面、即ち、数学的立方体のコーナに関係する。
光学素子の再帰反射器部は、この再帰反射器部の連続外面を作るために少なくとも再帰反射器表面および仮想表面によって囲まれた大量の光学的に透明な材料を含む。この仮想表面は、全ての側面の量を制限するために使い、他の相互に垂直な面のどれにも触れない相互に垂直な面の各々のエッジを結合する表面で、表面積が最小の表面と定義してもよい。
放射線通過表面は、光学素子またはビームスプリッタ装置を使っているとき、この光学素子に出入りする放射線ビームが通過するこの光学素子の外面のこれらの部分に関係する。特に、そのような放射線ビームを再帰反射を可能にする方向にこの再帰反射器表面の方へ向け、またはこの光学素子の外部へ出すために放射線ビーム通過表面の方へ向ける。
このハンドラ表面は、再帰反射器表面または放射線ビーム通過表面の一部でない、この光学素子の外面のこれらの部分を全て含む。このハンドラ表面は、光学平面度等に関する厳密な要件に支配されない。実際、この光学素子の取扱いを可能にすることとは別に、このハンドラ表面についての要件は僅かしかない。一般的に、或る程度の平面度は、例えば、放射線散乱を防ぐ等のために設けられるかも知れない。上述の他の表面は勿論、このハンドラ表面が複合面、即ち、平面または円筒の一部等のような基本面の二つ以上から成る表面でもよいことが分るだろう。
この光学素子のハンドラ部は、大量の光学的に透明な材料、即ち、少なくともこのハンドラ表面により、および一般的には少なくとも放射線ビーム通過表面の一部によっても囲まれる量も含む。このハンドラ部は、上に説明した再帰反射器部を除去したときのこの光学素子の残りの量とも考えてよい。
この再帰反射器部およびハンドラ部の定義は、それらを安易に分離せずに、互いに混合してもよいので、幾らか恣意的であることを理解すべきである。この光学素子は、これら二つの機能部分に分け、これらの部分の各々が従来の機能、即ち、再帰反射器およびハンドラ(またはビームスプリッタ)部を有するようにしてもよいことが分るだろう。
非偏光ビームスプリッタ装置は、偏光光ビームスプリッタ装置に幾らか似た装置であるが、非偏光ビームスプリッタ層を挟んだ二つの光学的に透明な素子を含む。この非偏光ビームスプリッタ層は、上述の両偏光に対して実質的に等しい特性を有する、部分透過ミラーでもよい。従って、非偏光ビームを、各々まだ非偏光である二つのビーム、一つの反射ビームと一つの透過ビームに分割する。
図1a、図1bおよび図1cは、それぞれ、この発明の一実施例による偏光ビームスプリッタ装置を概略的に示す側面立面図、平面図および図1bの平面I−Iに沿った断面図である。
図1a〜図1cに示す実施例は、本発明を図解するために使うことが分るだろう。他の図に示す実施例は、特に研磨および関連するコストの観点から、より容易に作ることができる。しかし、コストが重要でなければ、図1の実施例は、その目的をよく果すだろう。
図1aの偏光ビームスプリッタ装置は、再帰反射器部2とハンドラ部3を含み、そのハンドラ部は、従来のビームスプリッタ装置の“半分”として具体化してある。
再帰反射器部2は、第1面4、第2面5および第3面6から成る再帰反射器表面を含む。ハンドラ部またはビームスプリッタ部3は、この素子1の第4面である、面8、および第5面7aを含む。このハンドラ部は、更に、複合面でもよく、この場合は第1ハンドラ面7b、その上第2ハンドラ面7cおよび第3ハンドラ面11(両方はここでは見えない)を含む、ハンドラ表面を含む。第4面8は、薄過ぎて別々には示せない、偏光ビームスプリッタ層を備える。そのような層自体が、例えば、光学材料の交互する多層等を含んでもよいことが分るだろう。
入射ビーム9および出射ビーム10も図1aに示す。
図1bは、図1aの偏光ビームスプリッタ装置の平面図を示し、および図1cは、その図1bの線I−Iに沿った断面図を示す。
この第1、第2および第3面4、5および6は、相互に実質的に垂直であり、それはそれらがこの発明の一実施例で少なくとも89°である相互角を成すことを意味する。この発明の別の実施例では、この角度ができるだけ直角に近い。これらの三面は、偏光ビームスプリッタ装置1の再帰反射器部2の境界を定め、全内反射のためかおよび/または反射コーティングのために反射性である。入射ビーム9および出射ビーム10を平行に伸びるように示す。これは、再帰反射器部2の対称軸に沿う方向のためだけでなく、比較的大きな立体角または、例えば、非コーティング面4、5および6の場合全内反射の最大角に依って複数方向の集光のためにも維持する。
図1bで、この再帰反射器部のベース面は、別に考えるとき、三角形であることが分るだろう。この再帰反射器部は、丁度立方体の切り落したコーナである。図1bに示す実施例で、面4は、このハンドラ部の第1ハンドラ面7bに境を接するように選択してあるが、面5および6は、このハンドラ部の追加の面への同様な“シームレス”混合移行部は作らず、追加の面11を生じる。この発明の一実施例では、これらの面5および6も磨いてよい。
図1cの断面図は、再帰反射器部2およびハンドラ部3が、研磨および反射防止コーティングを要する上に残留散乱放射線、位置誤差等を生じる内面なしに、一つの連続した一体構造の本体を形成することを明確に示す。更に、図示するようなこの偏光ビームスプリッタ装置1の構造は、ハンドラ部3が同時に、このハンドラ表面によって、再帰反射器部を含む全光学素子を取扱うための部分として、およびビームスプリッタ部として使えるので、非常にコンパクトである。面7b、7cおよび11の表面品質に関しては、これらの面をこの再帰反射器部によって再帰反射すべきまたは面7aまたは8を通過する放射線を調整するために使わないので、厳しい要求がないことが分るだろう。従って、この偏光ビームスプリッタ装置1は、例えば、これらの面7b、7cおよび11によって取扱ってもよい。しかし、ビームの入口面または出口面として使う面は、所望の要件を満たさなければならないだろう。
ハンドラ部3の第4面8は、この再帰反射器部の三つの面の対称軸とある角度を成す平面であり、その角度は、この発明の一実施例で実質的に45°かも知れない。この対称軸は、この再帰反射器面の三つ平面の共通点を、これら三つの平面の各々に関して実質的に45°の角度で貫通する線である。この対称軸は、ここには特に示さないことに注意すべきである。45°の角度であるので、例えば、直角経路の干渉計システムのビームの光路設計が比較的簡単であり、それがこの設計を簡易化する。実際、45°の角度は、直交設計を可能にし、その場合このビームスプリッタ装置に出入りするビームは屈折しない。この発明の一実施例で、第5面は、この線、即ち、対称軸と実質的に平行に拡がる。この発明の別の実施例で、この第5面7aは、第4面8と実質的に45°の角度を成す。これは、ビームがこの偏光ビームスプリッタ層に入射する角度に依存するかも知れず、次にそれはこの層の設計に依存することに注意すべきである。例えば、ビームが30°のような、別の角度でこの層に入射するとき、二つの偏光を効果的に分割する偏光ビームスプリッタ層を設計することも可能である。そのような構成では、反射ビームと透過ビームが直交せず、ミラーおよび/または再帰反射器部の修正した配置は勿論、ビームがこのビームスプリッタを出る面での屈折を考慮に入れなければならないかも知れない。
このハンドラ表面は、この偏光ビームスプリッタ装置またはこの光学素子の外面の、再帰反射器表面または放射線ビーム通過表面でない、全ての他の部分を含む。言換えれば、図1で、このハンドラ表面は、面7b、7cおよび11を含む。この発明の一実施例では、このハンドラ表面が、第4面8、第5面7a並びに反射器表面4、5および6の間に拡がる、二つの別々の且つ実質的に平面の相互に対向する面を含む。これは、この偏光ビームスプリッタ装置の容易な取扱い、即ち、把持を可能にする。更に、これらの相互に対向する面は、この再帰反射器表面の対称軸と実質的に平行に拡がらなくてもよい。この発明の一実施例では、これらの面が再帰反射器表面の対称軸と実質的に平行に拡がる。
図1a〜図1cに示す偏光ビームスプリッタ装置は、それが一つの透明光学素子および偏光ビームスプリッタ層から成る点で、考えられる最も簡単な装置かも知れない。正しい角度、即ち、このビームスプリッタ層を設計した角度で入射する非偏光放射線ビームは、偏光の異なる二つのビームに分割されるだろう。これらのビームの一つは反射され、一つのビームは透過される。このビームの屈折のために、この透過したビームは、入射ビームに関してある角度で進むだろう。それにも拘らず、この再帰反射器表面、またはその部分は、このビームが再帰反射され、且つこの光ビームスプリッタ層で入射ビームに平行に再放出されることを保証するだろう。それにも拘らず、ビームスプリッタ装置の多くの実際の設計では、この偏光ビームスプリッタ層の反対側に第2光学素子を設けることによって屈折の影響を避ける。それで、更に少なくとも第1の実質的平面を有する第2光学素子を含む、この発明の一実施例による偏光ビームスプリッタ装置が提供され、この偏光ビームスプリッタ層は、この光学素子の第4面と第2光学素子の第1面の間に挟まれている。この発明の一実施例で、この光学素子および第2光学素子は、それぞれ、第1および第2透明材料で作ってあり、この第1材料の屈折率は、第2材料の屈折率にほぼ等しい。これを以下に説明するが、ここで、この可能な最も簡単な偏光ビームスプリッタ装置は、一つの光学的透明本体と偏光ビームスプリッタ層しか含まないかも知れないことを注記する。
このビームスプリッタ部と再帰反射器部は、一緒に偏光ビームスプリッタ装置1の光学素子を形成する。この発明の一実施例で、このビームスプリッタ部は、プリズム形をしていて、それは直角プリズム形でもよい。何故なら、これがビームスプリッタ装置および干渉計システムの設計を非常に簡素化するからである。このプリズム形は、ビームスプリッタ装置のビームスプリッタ部の役をしてもよく、その場合面8および7aは、干渉計システムの放射線が出入りする面の役をする。言換えれば、追加の面がこの発明の一実施例で実質的な平面7aを含む。この平面7aは、この再帰反射器部を貫通すると実質的に平行に且つその三つの面の各々に関して実質的に45°の角度で、および面8と、好ましくは45°の角度で拡がる。他の角度が使えることが分るだろう。この発明の一実施例で、面7aおよび8は、経路長をより容易に決めるために、実質的に平面である。
偏光ビームスプリッタ装置1の光学素子は、ショットのBK7ガラス、石英等のような、光学的に透明な材料で作ってもよい。ここで使う光学的という用語は、(細い)ビームを作れる波長の電磁放射線、特に赤外、可視および紫外放射線に関係する。関連する面、即ち、面4、5、6、7および8の表面粗さは勿論、これらの面の平均平面度、並びに干渉計システムの他の部分の対応するものは、所望の精度を満たすように選ぶべきである。リソグラフィの高性能干渉計システム用には、2〜3nm以下の表面粗さで、波長の1/10より良い平面度が必要かも知れない。全ての用途がそのような高精度を要する訳ではないことが分るだろう。
この発明による偏光ビームスプリッタ装置で、ここに説明する光学素子は、コンパクトに作ることができ、それはスペースが混雑し且つ高価である環境で有用である。それは、再帰反射器(コーナキューブ)とビームスプリッタ部の一つの連続した本体への組合せが、研磨し且つ反射防止コーティングをすべき面が少ししか要らないので、更により効率的に作れる。これは、材料の変り目がないために、散乱、反射等が少ないことも意味する。
更に、一つの連続した本体を形成する、この再帰反射器およびビームスプリッタ部の位置決めは、完全に固定で永久的である。それは、再帰反射器とビームスプリッタの従来の組立体にあるような、例えば、従来の装置の接着剤の膨張のような、一つを他に対して固定するための機構の変化による径時変化に苦労しない。例えば、異なる材料の膨張差による、熱歪みの特別な影響もない。
この発明の一実施例による偏光ビームスプリッタ装置は、偏光ビームスプリッタ層を備える面に整合する面を有する、別の光学素子と単純に組合わせてもよい。すると、簡単な設計を可能にしながら、上に既に指摘したように、このビームスプリッタ層での屈折効果を大きく避け得る、より普通の偏光ビームスプリッタ装置を得る。
上記の利点は全て、それが別々の品であろうと、より普通のビームスプリッタ装置、干渉計装置、(リソグラフィ)装置、方法等で、再帰反射器とビームスプリッタ部の組合せに関して、この発明の他の実施例全てに当てはまる。本発明は、屡々その部品を同じ材料で作る、再帰反射器とビームスプリッタの機能を、上記の利点を伴って、一つの本体へ組合せることが可能であることを発明者により実現することに基づく。これらの利点は、以下に説明する本発明の他の実施例に当てはまると理解され、それでこの発明のあらゆる実施例に対しては、簡単のために、全ては繰返さない。更に、逆も同様に、この説明で、本発明の特定の実施例の利点を説明するとき、同様な利点が類似の特徴を有する本発明の別の態様の対応する実施例に当てはまることを理解すべきである。例えば、一つ以上の四分の一波長板が固定してあるビームスプリッタ装置は、確実な位置決めに関するある利点をもたらす。この同じ利点は、その板を有する対応する干渉計システム、(リソグラフィ)装置等に当てはまる。
第2ビームスプリッタ素子の面にだけ偏光ビームスプリッタ層を設けることも可能であることが分るだろう。言換えれば、再帰反射部とビームスプリッタ部を含む光学素子と第2光学素子の間に偏光ビームスプリッタ層を挟んだ、より普通の設計で本発明を具体化するとき、このビームスプリッタ層を最初に第2光学素子の面上に設けてもよく、その後この光学素子をこの光ビームスプリッタ層に結合する。それにも拘らず、結合後、この光ビームスプリッタ層は、やはりこの光学素子の第4面上に存在する。
図2aは、この発明の一実施例による光学素子の平面図を概略的に示し、図2bは、この実施例の側面立面図を示す。
この光学素子は、再帰反射器表面を備える再帰反射器部2’、および説明目的だけのために、破線24で示す仮想平面によって分離した、ビームスプリッタ部3’を含む。
再帰反射器部2’は、三つの相互に実質的に垂直な面4’、5’および6’を備える再帰反射器表面、並びに、ハンドラ表面の一部の役をする、追加の面20、21aおよび21bを含む。
ビームスプリッタ部3’は、面8’、面23、並びに追加の面22および22と反対の見えない対応面を含むハンドラ表面(の一部)を備える放射線ビーム通過表面を含む。偏光ビームスプリッタ層を面8’上に設けてもよい(図2bには示さず)。
面20および反対側のその対応物(図示せず)、並びに面21aおよび21bは、この再帰反射器部から始り、その反射器部の先端を切って長方形輪郭を与え、そこでそれがハンドラまたはビームスプリッタ部3’に併合する。
ビームスプリッタ部3’の面22および再帰反射器部の面20は、実際、図2aの平面図ではっきり見えるように、ハンドラ表面の一つの大きな面の二つの部分であり、それは再帰反射器部2’の先端切断によって生じる。他の形状、例えば、米国特許第4,504,157号に開示してある、角を取った、円筒形形状のような、ハンドラ表面を得ることも可能である。
図3aおよび図3bは、この発明の二つの代替実施例による二つの光学素子の、再帰反射器表面の面の共通点を通る平面による断面図を概略的に示す。
ここで、ある参照数字の付いた図3aのある部分は、同じであるがプライム記号を付けた参照数字で示す、図3bの類似の部分に対応する。
図3aで、素子30は、再帰反射器部を表し、素子31は、ビームスプリッタ部を表す。この再帰反射器部は、相互に垂直な面32および33、並びに第3面(図3a〜図3bには示さず)を含む。この再帰反射器部30は、正四面体でなく、斜めまたは傾斜四面体に近い。ビームスプリッタ部31は、平面34および35を含む。非可視偏光ビームスプリッタ層が面34上に設けてある。線36は、この再帰反射器部の面の対称軸を表す。線36と部分30の三つの面の各々との間の角度は、ほぼ45°である。
ビームスプリッタ部31は、それ自体、平面34および35による放射線ビーム通過表面、並びに前および反対の後の二つの追加面(図示せず)によるハンドラ表面を備える直角二等辺プリズムである。
図3bで、再帰反射器部30’は、正四面体であり、一方ビームスプリッタ部31’は、面34’および35’が45°より大きい角度を成すので、等辺直角プリズムでない。偏光ビームスプリッタ層が面34’上に設けてあるが、この図では見えない。
図3aおよび図3bで分るように、線36、36’と面34、34’の間の角度α、α’は、共に45°ではなく、小さい(図3a)か大きい(図3b)。
全てここでは再帰反射器部の頂点を通る断面で示す、あらゆる図示する実施例は、図2a〜図2bの実施例と類似の方法で先端を切ってもよいことを理解すべきである。説明した利点は、それでも当てはまる。
図4は、この発明の一実施例による別の偏光ビームスプリッタ装置の断面図を概略的に示す。
この偏光ビームスプリッタ装置は、図1の一つに類似する光学素子60、並びに第2光学またはビームスプリッタ素子61、偏光ビームスプリッタ層(見えず)、第1四分の一波長板62、平面ミラー63および第2四分の一波長板64を含む。
図4に示すこの発明の実施例では、各々それ自体等辺直角プリズムを形成する、光学素子60のビームスプリッタ部と第2ビームスプリッタ素子61の組合せが正方形を作ることに注目すべきである。
光学素子60は、相互に垂直な面65および66、および第3面(図4には示さず)、並びにこの放射線ビーム通過表面の一部であり且つ偏光ビームスプリッタ層(見えず)を備える平面ビームスプリッタ表面67、およびやはり平面である、追加の放射線ビーム通過表面71を含む。第2ビームスプリッタ素子61は、67に面、並びに面68および69を含む。
第2ビームスプリッタ素子61は、ビームスプリッタ表面67のビームスプリッタ層を介して、光学素子60に固定してある。第1四分の一波長板62は、面69に固定してあり且つ反対側70があり、それに平面ミラー63が固定結合してある。
この固定結合は、例えば、光学セメントによって、これら二つの素子を接着することによってもたらしてもよい。平面ミラー63を蒸着等によって設け/創成することも可能であり、その場合はこのミラーも固定結合されている。
第2四分の一波長板64は、面71に固定してある。二つの四分の一波長板62および64の各々、並びに平面ミラー63は、第2ビームスプリッタ素子61または光学素子60に固定する必要がないことに注目すべきである。しかし、そうすることは、位置決め等を遥かに確実且つ一定にするので、有利である。四分の一波長板および/または屡々参照ミラーと呼ばれる平面ミラーが分離している場合は、干渉計測定に適する、干渉計モジュールとして示す実施例を参照することも可能である。
部品60ないし64は、ビームを偏光ビームスプリッタ層によって透過または反射するために、平面ミラー63を参照ミラーとして使い、および四分の一波長板62および64をビームの偏光を変えるために使うように、干渉計システムで使ってもよい。この全てを従来の方法で適用してもよい。
図5は、本発明の一実施例による干渉計システムを概略的に描く。
この装置は、レーザビーム源120、偏光ビームスプリッタ装置100、受光器121および、例えば、矢印Aによって示す方向に、変位し得る物体130を含む。この装置は、物体130の変位または相対位置を測定するように構成・配置してある。レーザビーム源120、偏光ビームスプリッタ装置100、および受光器121を含むシステムを、本発明の一実施例による、物体の変位または相対位置を測定するように構成・配置した、干渉計システムとも呼んでよい。
それに、このシステムおよび/または装置は、光信号を変換するように構成したコンピュータのような処理装置(ここには図示せず)を含んでもよく、またはこのシステムおよび/または装置は、例えば、少し離れて作動するとき、ケーブルまたは適当な送受信装置の組合せ等を使って、例えば、そのような処理装置に作動するように結合してもよい。
レーザビーム源120は、レーザビーム112を出し、それは、面107を経て偏光光ビームスプリッタ装置100のスプリッタ素子103に入り、偏光ビームスプリッタ表面106へ進む。ビーム112は、既知の原理に従って、表面106で二つの部分ビームに分けられる。適当な四分の一波長板109および110の通過後、および、それぞれ、参照ミラー111による、または物体130に固定結合した物体ミラー131による反射、および再帰反射器部102の面104および105(および図示しない第3面)による再帰反射後、二つの部分ビームは、戻りビーム113に重なり合うに至り、それを受光器121によって捕捉する。受光器121は、戻りビーム113で二つの部分ビームの干渉から生じる光信号を受け、この光(干渉)信号を電気信号へ変換する。物体130が物体移動装置132によって矢印Aの方向に変位するとき、干渉縞が変り、それで電気信号も変る。この信号を受けるように構成した処理装置(図示せず)がこの信号を、例えば、干渉縞を数え且つ内挿する等のために、適当な回路装置およびソフトウェアを使って、変位値に変換してもよい。
本発明の一実施例では、この処理装置を物体移動装置132に接続して、物体130の移動にフィードバックを与えてもよい。
図示する装置は、種々の種類でよい。本発明の一実施例では、この装置がこの物体の変位を高精度且つ比較的広範囲に亘って決めるように構成してある。そのような装置の例は、微細加工装置およびリソグラフィ装置であり、後者の例は、以下の図7で更に詳しく説明する。本発明の実施例による干渉計システムの利点は、コンパクトに作れること、および、その部品の信頼できる相互位置決めおよび少ない製造作業で、高精度を達成できることである。
図6は、本発明の実施例による干渉計モジュールの側面立面図を概略的に示す。このモジュールは、全体を140で示す第1非偏光ビームスプリッタ装置、第2非偏光ビームスプリッタ装置141、フレーム板142、およびこの発明の一実施例による三つの偏光光ビームスプリッタ装置を含み、その二つ143および144を示す。
第2非偏光ビームスプリッタ装置141は、入射ビーム145を強度半分の二つの平行出射ビーム145’および147に分割するように構成してあり、且つ第1素子149と面152を有する第2素子の間に非偏光ビームスプリッタ層148を含む。この非偏光ビームスプリッタ層は、入射ビームをこの入射ビームの強度の半分に等しい強度の二つのビームに分割するように構成してある。面152は、単純に全内反射の45°面でもよく、またはミラーコート面でもよい。この発明の一実施例は、面152および層148が平行である。
第1非偏光ビームスプリッタ装置140は、ビーム145の方向の周りに90°に亘って回転してあることを除いて、装置141に類似し、ビーム145から強度比2:1で平行ビーム146を分割するように構成してある。それで、この第1および第2非偏光ビームスプリッタ装置の組合せは、元のビーム145の強度の三分の一の同等な強度で三つの平行なビーム145、146および147を提供するように構成してある。異なる数のビームを提供することも可能であり、その場合非偏光ビームスプリッタの比は、修正すべきである。この発明の一実施例で、装置140は、完全に任意で、三つ以上の非偏光ビームスプリッタ装置を設けることができる。
第2非偏光ビームスプリッタ装置141は、フレーム板142の第2側155に取付けてある。このフレーム板の第2側155と反対の第1側156には、この発明の一実施例による三つの偏光ビームスプリッタ装置143および144が取付けてあるが、143および144で表すその二つだけを図示する。偏光ビームスプリッタ装置の各々は、再帰反射器部160、170、第1ビームスプリッタ素子161、171、および第2ビームスプリッタ素子162、172、それらの間の偏光ビームスプリッタ表面163、173、第1および第2四分の一波長板164および166、174および176、並びに参照ミラー165、175を含むのが好ましい。両偏光ビームスプリッタ装置143および144を鏡像で示すが、この通りである必要はないことに注意すべきである。更に、四分の一波長板および参照ミラーは、偏光光ビームスプリッタ装置に固定する必要はない。図示してないのは、ビーム146で干渉縞を発生するように構成した第3偏光光ビームスプリッタ装置である。図6の再帰反射器部は、長方形ベース面を得るために先端を切ってあることに注意すべきである。これらの再帰反射器部は、それでもそれらそれぞれの偏光光ビームスプリッタ素子と共に材料の連続した一体構成品を形成する。
フレーム板142は、例えば、鋼、またはアンバー、セラミック等のような、その他の適当な剛性材料で作り、これらの光学部品および装置を保持するように構成してある。“透明”になるために、フレーム板142は、この発明の一実施例では、側面155から156まで続く貫通孔または開口153および154を備える。これらの孔153および154、並びに他の追加の孔の寸法は、使用するビーム、例えば、この場合145(’)、146および147、並びにそれらそれぞれの戻りビーム(図示せず)の可能な位置に適応させてもよい。
図6の偏光ビームスプリッタ装置143および144は、必要なだけ小さく作ってもよいことが分るだろう。従来のビームスプリッタで屡々為されるように、二つ以上のビームに対して単一ビームスプリッタ装置を設ける代りに、今や安定板に取付けた、二つ以上の遥かに小さいビームスプリッタ装置を設けることが可能である。これは、光学ガラスの量、研磨およびコーティングの量等を減らす。更に、板142に対する材料の自由が光学ガラスより膨張係数の低い材料の選択を可能にし、それは更に寸法安定性、従って多重ビームの先行技術のビームスプリッタに関する測定精度を改善する。全ての非偏光ビームスプリッタ装置140、141、および偏光ビームスプリッタ装置を全く同一の板に取付けることは必要ないことに注目すべきである。この発明の一実施例では、例えば、部品をこのシステムの他の部品に影響することなく交換可能にするために、整合開口を備える二つの板(またはその他の取付け装置)を設けてもよい。図6に描くような干渉計モジュールも、上に説明したのと同じ利点を得るために、例えば、図5で説明したような干渉計システムに組込んでもよい。
図7は、この発明による干渉計システムを備える、この発明の一実施例によるリソグラフィ装置を概略的に描く。この装置は、放射線ビームB(例えば、UV放射線)を調節するように構成した照明システム(照明器)IL、パターン化した放射線ビームを作るためにこの放射線ビームの断面にパターンを与えるように構成したパターニング装置(例えば、マスク)MAを支持するように構成した支持構造体(例えば、マスクテーブル)MTを含む。この支持構造体は、このパターニング装置をあるパラメータに従って正確に位置決めするように構成した第1位置決め装置PMに結合してある。このリソグラフィ装置は、基板(例えば、レジストを塗被したウエハ)Wを保持し、且つこの基板をあるパラメータに従って正確に位置決めするように構成した第2位置決めPWに結合してある基板テーブル(例えば、ウエハテーブル)WTも含み、それらのパラメータの少なくとも幾つかは、この発明による干渉計システムによって制御してもよい。このリソグラフィ装置は、更に、パターニング装置MAによって放射線影ビームBに与えたパターンを基板Wの目標部分C(例えば、一つ以上のダイを含む)上に投影するように構成した投影システム(例えば、屈折性投影レンズシステム)PSも含む。
この照明システムは、放射線を指向し、成形し、または制御するための、屈折式、反射式、磁気式、電磁式、静電式若しくはその他の形式の光学部品、またはその任意の組合せのような、種々の型式の光学部品を含んでもよい。
この支持構造体は、パターニングを支持、即ち、その重量を坦持する。それは、パターニング装置を、その向き、リソグラフィ装置の設計、および、例えば、パターニング装置が真空環境に保持されているかどうかのような、その他の条件に依る方法で保持する。この支持体は、パターニング装置を保持するために機械的、真空またはその他のクランプ手法を使うことができる。この支持構造体は、例えば、フレームまたはテーブルでもよく、それらは必要に応じて固定または可動でもよい。この支持構造体は、パターニング装置が、例えば投影システムに関して、所望の位置にあることを保証してもよい。ここで使う“レチクル”または“マスク”という用語のどれも、より一般的な用語“パターニング装置”と同義と考えてもよい。
このパターニング装置は、透過性でも反射性でもよい。パターニング装置の例には、マスク、プログラム可能ミラーアレイ、およびプログラム可能LCDパネルがある。マスクは、リソグラフィでよく知られ、二値、交互位相シフト、および減衰位相シフトのようなマスク型、並びに種々のハイブリッドマスク型がある。プログラム可能ミラーアレイの一例は、小型ミラーのマトリックス配置を使用し、入射放射線ビームを異なる方向に反射するようにその各々を個々に傾斜することができる。この傾斜したミラーは、ミラーマトリックスによって反射した放射線ビームにパターンを与える。
ここで使う“投影システム”という用語は、例えば使用する露出放射線に対して、または浸漬液の使用または真空の使用のような他の要因に対して適宜、屈折式、反射式、反射屈折式、磁気式、電磁式および静電式光学システム、若しくはその任意の組合せを含む、あらゆる種々の型式の投影システムを包含するように広く解釈すべきである。ここで使う“投影レンズ”という用語のどれも、より一般的な用語“投影システム”と同義と考えてもよい。
ここに描くように、この装置は、(例えば、透過性のマスクを使用する)透過型である。その代りに、この装置は、(例えば、上に言及したような種類のプログラム可能ミラーアレイを使用する、または反射性マスクを使用する)反射型でもよい。
このリソグラフィ装置は、二つ(二段)以上の基板テーブル(および/または二つ以上のマスクテーブル)を有する型式でもよい。そのような“多段”機械では、追加のテーブルを並列に使ってもよく、または準備工程を一つ以上のテーブルで行い、一方他の一つ以上のテーブルを露出用に使ってもよい。一つ以上のそのような基板テーブルの変位を本発明の一実施例による干渉計システムで決めてもよい。リソグラフィ装置では、一つ以上のそのような干渉計システムをその目的で設けてもよい。
このリソグラフィ装置は、投影システムと基板との間のスペースを埋めるように、この基板の少なくとも一部を比較的屈折率の高い液体、例えば水で覆う型式でもよい。浸漬液をこのリソグラフィ装置の他のスペース、例えば、マスクと投影システムの間にも加えてよい。浸漬法は、投影システムの開口数を効果的に増すために、この技術でよく知られている。ここで使う“浸漬”という用語は、基板のような、構造体を液体の中へ沈めなければならないこと意味せず、液体が露出中投影システムと基板との間にあることだけを意味する。
図7を参照して、照明器ILは、放射線源SOから放射線ビームを受ける。この線源とリソグラフィ装置は、例えば、線源がエキシマレーザであるとき、別々の存在であってもよい。そのような場合、この線源がリソグラフィ装置の一部を形成するとは考えられず、放射線ビームは、線源SOから、例えば適当な指向ミラーおよび/またはビーム拡大器を含むビーム送出システムBDを使って、照明器ILへ送られる。他の場合、例えば、線源が水銀灯であるとき、線源がこの装置の一部分であってもよい。この線源SOと照明器ILは、もし必要ならビーム送出システムBDと共に、放射線システムと呼んでもよい。
照明器ILは、ビームの角強度分布を調整するように構成した調整装置ADを含んでもよい。一般的に、この照明器の瞳面での強度分布の少なくとも外側および/または内側半径方向範囲(普通、それぞれ、σ外側およびσ内側と呼ぶ)を調整できる。その上、照明器ILは、一般的に、インテグレータINおよびコンデンサCOのような、種々の他の部品を含んでもよい。この照明器は、その断面に所望の均一性および強度分布を有するように、この放射線ビームを調節するために使ってもよい。
放射線ビームBは、支持構造体(例えば、マスクテーブルMT)上に保持したパターニング装置(例えば、マスクMA)に入射し、このパターニング装置によってパターン化される。マスクMAを通過してから、この放射線ビームBは、投影システムPSを通過し、それがこのビームを基板Wの目標部分C上に集束する。第2位置決め装置PWおよび位置センサIF、この場合はこの発明の一実施例による干渉計システムを使って、基板テーブルWTを、例えば、異なる目標部分Cを放射線ビームBの経路に配置するように、正確に動かすことができる。同様に、例えば、マスクMAをマスクライブラリから機械的に検索してから、または走査中に、第1位置決め装置PMおよび、これもこの発明の一実施例による干渉計システムでもよい、別の位置センサ(図7にはっきりとは描かない)を使ってマスクMAをビームBの経路に関して正確に配置することができる。
一般的に、物体テーブルMTの移動は、第1位置決め装置PMの一部を形成する、長ストロークモジュール(粗位置決め)および短ストロークモジュール(微細位置決め)を使って実現してもよい。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2位置決め装置PWの一部を形成する、長ストロークモジュールおよび短ストロークモジュールを使って実現してもよい。この移動は、干渉計システムIFで測定し、実測した移動量を位置決め装置へフィードバックしてもよい。ステッパの場合は(スキャナと違って)、マスクテーブルMTを短ストロークアクチュエータに結合するだけでもよく、または固定してもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスク整列マークM1、M2および基板整列マークP1、P2を使って整列してもよい。これらの基板整列マークは、図示するように専用目標部分を占めるが、それらを目標部分間のスペースに配置してもよい(これらは、スクライブレーン整列マークとして知られている)。同様に、二つ以上のダイがマスクMA上に設けてある場合、これらのマスク整列マークがダイ間に位置してもよい。
図示する装置は、以下のモードでの少なくとも一つ使うことができる:
1. ステップモードでは、放射線ビームに与えた全パターンを目標部分C上に一度に(即ち、単一静的露出で)投影する間、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを本質的に固定して保持する。次に基板テーブルWTをXおよび/またはY方向に移動して異なる目標部分Cを露出できるようにする。ステップモードでは、露出領域の最大サイズが単一静的露出で結像する目標部分Cのサイズを制限する。この変位を測定および/または制御するために、各シフト後に干渉計システムIFを使うことが可能である。
2. 走査モードでは、放射線ビームに与えたパターンを目標部分C上に投影(即ち、単一動的露出で)しながら、マスクテーブルMTおよび基板テーブルWTを同期して走査する。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮)倍率および像反転特性によって決る。基板テーブルWTおよび/またはマスクテーブルMTの変位は、やはり、この発明の一実施例による一つ以上の干渉計システムで決めてもよい。走査モードでは、露出領域の最大サイズが単一動的露出での目標部分の(非走査方向の)幅を制限し、一方走査運動の長さが目標部分の(走査方向の)高さを決める。
3. もう一つのモードでは、プログラム可能パターニング装置を保持するマスクテーブルMTを本質的に固定し、放射線ビームに与えたパターンを目標部分C上に投影しながら、基板テーブルWTを動かしまたは走査する。上と同様、基板テーブルWTの変位は、この発明の一実施例による干渉計システムで決めてもよい。このモードでは、一般的にパルス化した放射線源を使用し、プログラム可能パターニング装置を基板テーブルWTの各運動後または走査中の連続する放射線パルスの間に必要に応じて更新する。この作動モードは、上に言及した型式のプログラム可能ミラーアレイのような、プログラム可能パターニング装置を利用するマスクレス・リソグラフィに容易に適用できる。
上に説明した使用モードの組合せおよび/または変形または全く異なった使用モードも使ってよい。
一般的に、リソグラフィ装置は、パターニング装置からのパターンを基板上に転写することを含む、デバイス製造方法に使うことができる。このパターニング装置と基板の相対変位は、この発明の一実施例による干渉計システムを使って決めてもよい。この発明の一実施例で、パターンの転写は、パターン化した放射線ビームを基板上に投影することを含む。本方法は、コンパクトな干渉計システムで、低コストで高位置決め精度をもたらすことが分るだろう。
図7に描くリソグラフィ装置は、この発明の一実施例による干渉計システムを備える、この発明による装置の一実施例に過ぎず、種々の部分を修正してもよいこと理解すべきである。
この本文では、ICの製造でリソグラフィ装置を使用することを具体的に参照するかも知れないが、ここで説明するリソグラフィ装置は、集積光学システム、磁区メモリ用誘導検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造のような、他の用途があるかも知れないことを理解すべきである。当業者には、そのような代替用途の関係で、ここで使う“ウエハ”または“ダイ”という用語のどれも、それぞれ、より一般的な用語“基板”または“目標部分”と同義と考えてもよいことが分るだろう。ここで言及する基板は、露出の前または後に、例えば、トラック(典型的には基板にレジストの層を付け且つ露出したレジストを現像する器具)または計測器具および/または検査器具で処理してもよい。該当すれば、この開示をそのようなおよびその他の基板処理器具に適用してもよい。更に、この基板を、例えば、多層ICを創るために、二度以上処理してもよく、それでここで使う基板という用語は既に多重処理した層を含む基板も指すかも知れない。
上では光リソグラフィの文脈でこの発明の実施例を使用することを特に参照したかも知れないが、この発明は、他の用途、例えば、印写リソグラフィで使ってもよく、その場合事情が許せば、光リソグラフィに限定されないことが分るだろう。印写リソグラフィでは、パターニング装置の表面微細構造が基板上に創るパターンを決める。このパターニング装置の表面微細構造を基板に押付けてもよく、その場合このレジストは、電磁放射線、熱、圧力またはその組合せを加えて硬化する。
ここで使用する“放射線”および“ビーム”という用語は、紫外(UV)放射線(例えば、波長365、248、193、157または126nmまたはそれに近い)および超紫外(EUV)放射線(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)、並びにイオンビームまたは電子ビームのような、粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射線を包含する。
“レンズ”という用語は、事情が許せば、屈折式、反射式、磁気式、電磁式、および静電式光学部品を含む種々の型式の光学部品の何れか一つまたは組合せを指すかも知れない。
この発明の特定の実施例を上に説明したが、この発明を説明した以外の方法で実施してもよいことが分るだろう。上の説明は、例示を意図し、限定することを意図しない。それで、以下に示す請求項の範囲から逸脱することなく、説明した発明に修正を加えてもよいことが分るだろう。
本発明の一実施例による偏光ビームスプリッタ装置を概略的に示す側面立面図である。 本発明の一実施例による偏光ビームスプリッタ装置を概略的に示す平面図である。 本発明の一実施例による偏光ビームスプリッタ装置を概略的に示す図1bの平面I−Iに沿った断面図である。 本発明の他の実施例による偏光ビームスプリッタ装置を概略的に示す平面図である。 本発明の他の実施例による偏光ビームスプリッタ装置を概略的に示す側面立面図である。 本発明の幾つかの実施例による二つの偏光ビームスプリッタ装置を概略的に示す断面図である。 本発明の幾つかの実施例による二つの偏光ビームスプリッタ装置を概略的に示す断面図である。 本発明の一実施例による別の偏光ビームスプリッタ装置を概略的に示す断面図である。 本発明の一実施例による干渉計システムを概略的に示す。 本発明の一実施例による干渉計モジュールを概略的に示す側面立面図である。 本発明の一実施例によるリソグラフィ装置を示す。
符号の説明
1 偏光ビームスプリッタ装、光学素子
2 再帰反射器部
3 ビームスプリッタ部
4 第1面
5 第2面
6 第3面
7a 第5面
7b 表面
7c 表面
8 第4面
11 表面
60 光学素子
61 第2光学素子
62 四分の一波長板
63 平面ミラー
64 四分の一波長板
67 第1面
68 第2面
100 偏光ビームスプリッタ装置
120 レーザビーム源
121 受光器
141 非偏光ビームスプリッタ装置
142 フレーム板
143 偏光ビームスプリッタ装置
144 偏光ビームスプリッタ装置
153 開口
154 開口
155 第2側面
156 第1側面
B 放射線ビーム
BD ビーム送出システム
C 目標部分
IF 干渉計システム
IL 照明器
MA パターニング装置
PS 投影システム
SO 線源
W 基板
WT 基板ホルダ

Claims (20)

  1. 偏光ビームスプリッタ装置であって、
    (a)(i)内部入射する放射線ビームを再帰反射するように構成してあり、共通点で交わる実質的に平面である、少なくとも第1面、第2面および第3面を含む再帰反射器表面、
    (ii)光学素子に入るかまたは出る放射線ビームを通過させるように構成してあり、実質的に平面であり且つ前記共通点と反対に配置してある第4面および実質的に平面であり且つ前記第4面に関してある角度に配置してある第5面を含む放射線ビーム通過表面、および
    (iii)偏光ビームスプリッタ装置を再帰反射器表面または放射線ビーム通過表面に触れることなく取扱うように構成してあり、前記再帰反射器表面および前記放射線ビーム通過表面の間に拡がる少なくとも一つの表面を含むハンドラ表面を含む光学素子、を含む連続した一体構成の光学素子と、
    (b)前記第4面に配置してある偏光ビームスプリッタ層と、を含む装置。
  2. 前記共通点を、前記第1、第2および第3面の各々に関して実質的に45°の角度で貫通する線が前記第4面と90°未満である第2角度を成す請求項1に記載された偏光ビームスプリッタ装置。
  3. 前記第2角度が実質的に45°である請求項2に記載された偏光ビームスプリッタ装置。
  4. 前記第5面が前記線と実質的に平行に伸びる請求項2に記載された偏光ビームスプリッタ装置。
  5. 前記第5面が前記第4面と実質的に45°の角度を成す請求項1に記載された偏光ビームスプリッタ装置。
  6. 前記ハンドラ表面が前記第4面、第5面、および前記再帰反射器表面の間に拡がる、二つの別々で実質的に平面で相互に対向する面を含む請求項1に記載された偏光ビームスプリッタ装置。
  7. 前記相互に対向する面が、前記共通点を、前記第1、第2および第3面の各々に関して実質的に45°の第1角度で貫通する線に実質的に平行に延びる請求項6に記載された偏光ビームスプリッタ装置。
  8. 少なくとも第1の実質的に平面を有する第2光学素子をさらに含み、偏光ビームスプリッタ層が光学素子の前記第4面と前記第2光学素子の前記少なくとも第1面の間に挟んである請求項1に記載された偏光ビームスプリッタ装置。
  9. 光学素子および第2光学素子が、それぞれ、第1および第2透明材料で作ってあり、前記第1材料の屈折率が前記第2材料の屈折率と実質的に等しい請求項8に記載さたれ偏光ビームスプリッタ装置。
  10. 前記第4面が、前記共通点を、前記第1、第2および第3面の各々に関して実質的に45°の第1角度で貫通する線と実質的に45°の角度を成し、前記光学素子の前記第5面が上記線と実質的に平行に拡がり、そして、前記第2光学素子が、前記光学素子の前記第5面と実質的に平行に広がる、第2の実質的平面をさらに含む請求項8に記載された偏光ビームスプリッタ装置。
  11. 前記偏光光ビームスプリッタ装置の面の一つに固定結合してある、少なくとも一つの四分の一波長板をさらに含む請求項8に記載された偏光ビームスプリッタ装置。
  12. 前記少なくとも一つの四分の一波長板の一つは、向きが前記偏光光ビームスプリッタ装置から逸れている側面を有し、該側面に平面ミラーが固定結合またはコーティング工程によって結合してある請求項11に記載された偏光ビームスプリッタ装置。
  13. 非偏光ビームスプリッタ装置をさらに含む請求項8に記載された偏光ビームスプリッタ装置。
  14. 偏光ビームスプリッタ装置(143)にして、
    (a)(i)内部入射する放射線ビームを再帰反射するように構成してあり、共通点で交わる実質的に平面である、少なくとも第1面、第2面および第3面を含む再帰反射器表面、
    (ii)この光学素子に入るかまたは出る放射線ビームを通過させるように構成してあり、実質的に平面であり且つ上記共通点と反対に配置してある第4面および実質的に平面であり且つ上記第4面に関してある角度に配置してある第5面を含む放射線ビーム通過表面、および
    (iii)この偏光ビームスプリッタ装置をこの再帰反射器表面またはこの放射線ビーム通過表面に触れることなく取扱うように構成してあり、上記再帰反射器表面および上記放射線ビーム通過表面の間に拡がる少なくとも一つの表面を含むハンドラ表面、を含む連続した一体構成の光学素子と、
    (b)前記第4面に配置してある偏光ビームスプリッタ層と、
    (c)少なくとも第1の実質的に平面を有する第2光学素子で、偏光ビームスプリッタ層がこの光学素子の前記第4面と前記第2光学素子の前記少なくとも第1面の間に挟んである光学素子と、
    (d)非偏光ビームスプリッタ装置を含む偏光ビームスプリッタ装置と、
    第1側面および該第1側面と対向する第2側面を備えるフレーム板と、を含む干渉計モジュールであって、
    前記偏光ビームスプリッタ装置が前記フレーム板の第1側面(156)に取付けてあり、そして、前記非偏光ビームスプリッタ装置が前記フレーム板の第2側面に取付けてあり、
    前記フレーム板が前記偏光ビームスプリッタ装置と前記非偏光ビームスプリッタ装置との間に位置する少なくとも一つの開口を含む干渉計モジュール。
  15. 前記フレーム板の第1側面に取付けてある少なくとも一つの追加の偏光ビームスプリッタ装置をさらに含み、前記フレーム板が前記追加の偏光ビームスプリッタ装置と前記非偏光ビームスプリッタ装置との間に少なくとも一つの開口を含み、前記追加の偏光ビームスプリッタ装置(144)が、
    (a)連続した一体構成の光学素子であって、
    (i)内部入射する放射線ビームを再帰反射するように構成してあり、共通点で交わる実質的に平面である、少なくとも第1面、第2面および第3面を含む再帰反射器表面、
    (ii)前記光学素子に入るかまたは出る放射線ビームを通過させるように構成してあり、実質的に平面であり且つ前記共通点と反対に配置してある第4面および実質的に平面であり且つ前記第4面に関してある角度に配置してある第5面を含む放射線ビーム通過表面、および
    (iii)偏光ビームスプリッタ装置を再帰反射器表面または放射線ビーム通過表面に触れることなく取扱うように構成してあり、前記再帰反射器表面および前記放射線ビーム通過表面の間に拡がる少なくとも一つの表面を含むハンドラ表面、を含む光学素子と、
    (b)前記第4面に配置してある偏光ビームスプリッタ層と、を含み、
    前記ハンドラ表面が前記第4面、第5面、および前記再帰反射器表面の間に拡がる、二つの別々で実質的に平面で相互に対向する面を含む請求項14に記載された干渉計モジュール。
  16. 物体の変位を測定するように構成した干渉計システムであって、
    レーザビーム源(120)、
    偏光ビームスプリッタ装置(100)にして、
    (a)連続した一体構成の光学素子である、
    (i)内部入射する放射線ビームを再帰反射するように構成してあり、共通点で交わる実質的に平面である、少なくとも第1面、第2面および第3面を含む再帰反射器表面、
    (ii)光学素子に入るかまたは出る放射線ビームを通過させるように構成してあり、実質的に平面であり且つ前記共通点と反対に配置してある第4面および実質的に平面であり且つ前記第4面に関してある角度に配置してある第5面を含む放射線ビーム通過表面、および
    (iii)偏光ビームスプリッタ装置(100)を再帰反射器表面または放射線ビーム通過表面に触れることなく取扱うように構成してあり、前記再帰反射器表面および上記放射線ビーム通過表面の間に拡がる少なくとも一つの表面を含むハンドラ表面、を含む光学素子と、
    (b)前記第4面に配置してある偏光ビームスプリッタ層と、を含み、
    前記ハンドラ表面が前記第4面、第5面、および前記再帰反射器表面の間に拡がる、二つの別々で実質的に平面で相互に対向する面を含む偏光ビームスプリッタ装置、
    光信号を受け得る受光器、および
    前記光信号を変位値に変換するように構成した処理装置、を含む干渉計システム。
  17. 変位し得る物体および請求項16に記載された干渉計システムを含む装置であって、該干渉計システムが前記物体の変位を決めるように構成しかつ配置してある装置。
  18. 放射線ビーム(B)を調節するように構成した放射線システム、
    該放射線ビームをパターン化するように構成したパターニング装置、
    基板を保持するように構成した基板ホルダ、
    放射線ビームを前記基板の目標部分上に投影するように構成した投影システム、および
    前記基板の変位を測定するように構成した干渉計システム、を包含するリソグラフィ装置であって、
    前記干渉計システムが、
    (a)レーザビーム源と、
    (b)偏光ビームスプリッタ装置にして、
    (i)連続した一体構成の光学素子であり、
    (1)内部入射する放射線ビームを再帰反射するように構成してあり、共通点で交わる実質的に平面である、少なくとも第1面、第2面および第3面を含む再帰反射器表面、
    (2)光学素子に入るかまたは出る放射線ビームを通過させるように構成してあり、実質的に平面であり且つ前記共通点と反対に配置してある第4面および実質的に平面であり且つ前記第4面に関してある角度に配置してある第5面を含む放射線ビーム通過表面、および
    (3)偏光ビームスプリッタ装置を再帰反射器表面またはこの放射線ビーム通過表面に触れることなく取扱うように構成してあり、前記再帰反射器表面および前記放射線ビーム通過表面の間に拡がる少なくとも一つの表面を含むハンドラ表面、を含む光学素子、そして
    (ii)前記第4面に配置してある偏光ビームスプリッタ層、を含み、
    前記ハンドラ表面が前記第4面、第5面、および前記再帰反射器表面の間に拡がる、二つの別々で実質的に平面で相互に対向する面を含む偏光ビームスプリッタ装置と、
    (c)光信号を受け得る受光器と、
    (d)前記光信号を変位値に変換するように構成した処理装置と、を含むことからなるリソグラフィ装置。
  19. 放射線ビームをパターン化する工程、
    放射線ビームを基板上に投影する工程、および
    前記基板の変位を干渉計システムでもって測定する工程、を含むデバイス製造方法であって、
    (a)レーザビーム源と、
    (b)偏光ビームスプリッタ装置にして、
    (i)連続した一体構成の光学素子であり、
    (1)内部入射する放射線ビームを再帰反射するように構成してあり、共通点で交わる実質的に平面である、少なくとも第1面、第2面および第3面を含む再帰反射器表面、
    (2)この光学素子に入るかまたは出る放射線ビームを通過させるように構成してあり、実質的に平面であり且つ上記共通点と反対に配置してある第4面および実質的に平面であり且つ上記第4面に関してある角度に配置してある第5面を含む放射線ビーム通過表面、および
    (3)この偏光ビームスプリッタ装置をこの再帰反射器表面またはこの放射線ビーム通過表面に触れることなく取扱うように構成してあり、上記再帰反射器表面および上記放射線ビーム通過表面の間に拡がる少なくとも一つの表面を含むハンドラ表面、を含む光学素子、そして
    (ii)前記第4面に配置してある偏光ビームスプリッタ層を含み、
    前記ハンドラ表面が前記第4面、第5面、および上記再帰反射器表面の間に拡がる、二つの別々で実質的に平面で相互に対向する面、を含む偏光ビームスプリッタ装置と、
    (c)光信号を受け得る受光器(121)と、
    (d)上記光信号を変位値に変換するように構成した処理装置と、を含む方法。
  20. ピラミッド形再帰反射器部であり、前記再帰反射器部の頂点から拡がる第1、第2および第3の実質的平面を含み、前記第1、第2および第3平面が互いに実質的に垂直である再帰反射器部、および
    前記ピラミッド形再帰反射器部のベースから拡がるビームスプリッタ部、を含む、偏光ビームスプリッタ装置であって、前記ビームスプリッタ部が、
    (a)前記装置を取扱うように構成し、前記ベースに実質的に垂直である、第1および第2ハンドラ面、および
    (b)前記ピラミッド形再帰反射器部の頂点から伸びる対称軸と実質的に45°に等しい角度を成し、偏光ビームスプリッタ層で実質的に覆われた、ビームスプリッタ面、を含む偏光ビームスプリッタ装置。
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