JP2006060151A - 半導体基板に微細加工を施す方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 大がかりで高価な装置や設備を使用することなく、また、煩雑で困難な作業を必要としない、簡単で低コスト、大面積で実施可能な微細加工手段を提供しようというものである。特に、半導体に適用することによって量子効果が期待される微細加工手段を提供しようというものである。
【解決手段】 微細加工を施そうとする半導体材料にアルミニウム薄膜を形成し、薄膜と一体に陽極酸化することによって、アルミナ薄膜を形成すると共に、アルミナ薄膜に自己形成的に規則的に配列した微細細孔パターンを形成し、このパターンを下地層の半導体材料にも転写する。
【選択図】 図2
【解決手段】 微細加工を施そうとする半導体材料にアルミニウム薄膜を形成し、薄膜と一体に陽極酸化することによって、アルミナ薄膜を形成すると共に、アルミナ薄膜に自己形成的に規則的に配列した微細細孔パターンを形成し、このパターンを下地層の半導体材料にも転写する。
【選択図】 図2
Description
本発明は半導体のドット加工等微細加工技術に関する。詳しくは、半導体表面に量子効果の期待される微細加工を形成する方法に関する。さらに詳しくは、該微細加工はナノレベルサイズないしその数百倍までの大きさまでの微細細孔であり、半導体表面に量子効果の発現が期待される微細細孔を、大面積で規則的に配列、形成させることが可能な微細加工方法に関する。さらにまた、詳しくは、コストのかからない簡単な手段によって微細細孔を形成する方法に関する。
該手段は、極めて簡単な操作手段であるアルミニウムの陽極酸化処理であり、この処理をあらかじめアルミニウム金属薄膜を形成した半導体に適用することによって、半導体表面に規則的に配列した微細細孔が形成されたアルミナ層を生成せしめると共に、その支持基板である半導体に対して、その表面にも該微細細孔を転写、形成させる、いわゆる転写法による微細細孔形成方法に関するものである。すなわち、本発明は、半導体加工技術としては極めて特異な加工手段であり、簡単且つ特有な加工手段による微細細孔の形成方法に関する。さらには、また、この微細細孔形成方法は、そのまま、デバイスの作製方法に結びつき、量子効果が期待される量子デバイスの作製方法に関するものである。
現在の半導体の微細加工技術の進展には著しいものがある。その微細加工レベルは、ナノメートルレベル以下の領域の加工精度までをも問題とするまでに至り、ナノメートルレベルから数十から数百ナノメートル程度までの、ナノテクノロジィと呼ばれる超精密微細加工が極めて狭い限定された領域から大面積で求められるようになってきた。そのためには、電子線リソグラフィーなどの高度かつ高価な加工装置は、機能アップが求められ、その精度をあげるためにますます装置は、大型化、複雑化する傾向にある。技術的には現時点の加工レベルでも、高精度な加工は可能ではあるが、そのようなレベルの装置を用意するためにはあまりに費用を要するところから、低コストの加工システムの開発が求められている。加えて、この種装置は、総じて大面積、均一加工を行うには必ずしも適さないことが多く、このようなニーズには応えられない状況にあった。
近年、特に、半導体表面にナノメートルレベルの微細なドット加工を施すことが注目されている。このようなナノドット加工によって、量子効果が発現することが期待され、この効果を利用した量子デバイスが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。このよ
うな量子効果を有するデバイス作製するための微細加工技術としては、電子線リソグラフィー等現存している微細加工手段に、これ以上の精度の向上やコストの低減を求めることは困難な状況にあり、これに代わる、コストの低減、高精度且つ大面積加工も可能な、加工技術の開発が求められている。
うな量子効果を有するデバイス作製するための微細加工技術としては、電子線リソグラフィー等現存している微細加工手段に、これ以上の精度の向上やコストの低減を求めることは困難な状況にあり、これに代わる、コストの低減、高精度且つ大面積加工も可能な、加工技術の開発が求められている。
一方、アルミニウムの陽極酸化によって生成するアルミナ表面に微細な孔が形成されることが注目されている。アルミニウム基板を陽極酸化し、生成された1μm程度の厚さのアルミナ薄膜に微細細孔が格子状に規則的配列して三角格子パターンが自己形成的に生成することが報告されている(非特許文献2参照)。
本発明者らの研究グループにおいても、この微細細孔に注目し、この微細細孔をテンプレートとして高アスペクト比の金属からなる微細細線を形成し、これを走査型磁気顕微鏡における磁気プローブ等各種プローブに取りつけて、狭い領域を観察するためのプローブとして利用することに成功し、その成果を特許出願した(特許文献1、2参照)。
本発明者らの研究グループにおいても、この微細細孔に注目し、この微細細孔をテンプレートとして高アスペクト比の金属からなる微細細線を形成し、これを走査型磁気顕微鏡における磁気プローブ等各種プローブに取りつけて、狭い領域を観察するためのプローブとして利用することに成功し、その成果を特許出願した(特許文献1、2参照)。
上記、非特許文献2に紹介された内容は、陽極酸化法による微細細孔パターン形成法に
関するものであるが、あくまでもアルミニウム基板にたいして適用するにとどまるにすぎないものであった。したがって、これをアルミニウム以外の異なる材質の基板に対して使用して、ドット加工を行うにおいては、形成された膜を剥がし、これを所定の加工面にマスキングしてドット加工を施さなければならないが、このようなマスキングによる方法では、マスク自体の調製と剥離、貼着は、それ自体困難で熟練者の手によらなければならず、しかも、作業手順は煩雑であり、技術的に再現性の点で大きな困難を伴うことから、決して実用性に富んだ優れた解決手段であるとは言い難いものであった。
関するものであるが、あくまでもアルミニウム基板にたいして適用するにとどまるにすぎないものであった。したがって、これをアルミニウム以外の異なる材質の基板に対して使用して、ドット加工を行うにおいては、形成された膜を剥がし、これを所定の加工面にマスキングしてドット加工を施さなければならないが、このようなマスキングによる方法では、マスク自体の調製と剥離、貼着は、それ自体困難で熟練者の手によらなければならず、しかも、作業手順は煩雑であり、技術的に再現性の点で大きな困難を伴うことから、決して実用性に富んだ優れた解決手段であるとは言い難いものであった。
D.Weiss,Advances in Solid State Physics,edited by U. Rossler,Vol.31(Vieweg,Braunschweig,1991)
M.Nakao,S.Oku,T.Takamura, K.Yusui,and H.Masuda,Jpn.J.Appl.Phys., Vol.38(1999)pp.1052−1055.
特願2003−165938
特願2003−165948
本発明は、このような状況に鑑み、大がかりで高価な装置や設備を使用することなく、また、煩雑で困難な作業を必要としない、簡単で低コスト、大面積で実施可能な微細加工手段を提供しようというものである。特に、半導体に適用することによって量子効果が期待される微細加工手段を提供しようというものである。
そのため、本発明者らにおいて、鋭意研究した結果、微細加工を施そうとする材料にアルミニウム薄膜を形成し、薄膜と一体に陽極酸化することによって、アルミナの薄膜が形成されとともに、アルミナ薄膜に自己形成的に形成された微細細孔の規則的に配列したパターンが形成され、このパターンが下地層の材料にも転写され、酸化され、規則的な配列をした微細細孔が形成されることを知見したものである。本発明はこの知見に基づいてなされたものであり、その構成は以下(1)ないし(4)に記載されたプロセスのとおりである。
(1) 被微細加工基板材料に微細細孔パターンを形成する方法において、
(i)被微細加工基板材料にアルミニウム薄膜を形成する工程、
(ii)次いで、アルミニウム薄膜を形成した基板材料を陽極酸化し、陽極酸化反応によって該基板上に自律的に形成された微細細孔パターンを有するアルミナ薄膜を形成するとともに、基板表面にも該微細細孔パターンを転写させる工程、
からなることを特徴とする、基板材料に微細細孔パターンを形成する方法。
(2) 該被微細好材料基板として半導体基板を使用することを特徴とした、前記(1)記載の基板材料に微細細孔パターンを形成する方法。
(3) 該微細細孔を、ナノメートルオーダーから数百ナノメートルまでの直径を有する孔に設定し、量子効果を高めたことを特徴とする、前記(2)記載の基板材料に微細細孔パターンを形成する方法。
(4) 陽極酸化によって微細細孔パターンを形成した後、基板上のアルミナ層を溶出除去することを特徴とする、前記(1)ないし(3)記載の何れか1項記載の基板材料に微細細孔パターンを形成する方法。
(1) 被微細加工基板材料に微細細孔パターンを形成する方法において、
(i)被微細加工基板材料にアルミニウム薄膜を形成する工程、
(ii)次いで、アルミニウム薄膜を形成した基板材料を陽極酸化し、陽極酸化反応によって該基板上に自律的に形成された微細細孔パターンを有するアルミナ薄膜を形成するとともに、基板表面にも該微細細孔パターンを転写させる工程、
からなることを特徴とする、基板材料に微細細孔パターンを形成する方法。
(2) 該被微細好材料基板として半導体基板を使用することを特徴とした、前記(1)記載の基板材料に微細細孔パターンを形成する方法。
(3) 該微細細孔を、ナノメートルオーダーから数百ナノメートルまでの直径を有する孔に設定し、量子効果を高めたことを特徴とする、前記(2)記載の基板材料に微細細孔パターンを形成する方法。
(4) 陽極酸化によって微細細孔パターンを形成した後、基板上のアルミナ層を溶出除去することを特徴とする、前記(1)ないし(3)記載の何れか1項記載の基板材料に微細細孔パターンを形成する方法。
本発明は、基板材料に微細細孔パターンを形成する方法を提供するものであり、電子線リソグラフィー装置のようなコストのかかる特殊な装置を使用することなく、アルミの陽
極酸化という現在既に幅広く実施されている技術を用い、数ナノメートルから数百ナノメートル程度の微細加工を大面積に均一に行うことを可能とし、これによって、コスト的にも安く、加工精度的にも優れた微細細孔パターンを形成することを可能とするものである。これによって、量子ホール効果などの量子効果が発現する2次元電子を持つ半導体量子デバイス設計への応用が可能であり、更に高次の量子効果を発現することが期待される。
極酸化という現在既に幅広く実施されている技術を用い、数ナノメートルから数百ナノメートル程度の微細加工を大面積に均一に行うことを可能とし、これによって、コスト的にも安く、加工精度的にも優れた微細細孔パターンを形成することを可能とするものである。これによって、量子ホール効果などの量子効果が発現する2次元電子を持つ半導体量子デバイス設計への応用が可能であり、更に高次の量子効果を発現することが期待される。
以下、本発明を図面および実施例に基づいて説明する。この図面記載の内容、実施例は、本発明を容易に理解するための一助として開示したものであって、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明を、以下に記載する工程によって行った。
基板材料の準備工程;
使用する基板材料としては、アルミニウム薄膜と反応せず、陽極酸化処理工程にも付すことができ、この処理工によって生成するアルミナに形成された微細細孔を介して酸化され、その微細細孔ないし微細細孔パターンが転写される材料であれば制限はない。ナノドット加工によって量子効果を発現することを期待する場合には、半導体を用いることができる。その場合の半導体としては、各種半導体を用いることができるが、容易に入手できる半導体としては、Si半導体、GaAs等(III−V)化合物半導体等が上げられる。その場合、あらかじめ半導体特性を改質する元素をドープした半導体を使用することができる。
使用する基板材料としては、アルミニウム薄膜と反応せず、陽極酸化処理工程にも付すことができ、この処理工によって生成するアルミナに形成された微細細孔を介して酸化され、その微細細孔ないし微細細孔パターンが転写される材料であれば制限はない。ナノドット加工によって量子効果を発現することを期待する場合には、半導体を用いることができる。その場合の半導体としては、各種半導体を用いることができるが、容易に入手できる半導体としては、Si半導体、GaAs等(III−V)化合物半導体等が上げられる。その場合、あらかじめ半導体特性を改質する元素をドープした半導体を使用することができる。
アルミニウム金属薄膜の形成工程;
上記準備した基板材料を十分に平滑処理し、アセトン洗浄等によってよく洗浄したのち、試料表面にアルミニウム金属薄膜を形成する。このアルミニウム金属薄膜は、結晶性がよく配向性の高い、表面が平滑な薄膜とする必要がある。アルミニウム薄膜の状態が悪い場合、その後電解操作プロセスに影響を与え、プロセスが均一に進行せず、最終的にはまだらになってしまいよくない。薄膜形成手段としては、電解メッキや物理的あるいは化学的蒸着手段があり、用いることができるが、スパッタリングによって成膜することができる。アルミニウム純度は、不純物のないものが望ましく99.99%以上が望ましい。
上記準備した基板材料を十分に平滑処理し、アセトン洗浄等によってよく洗浄したのち、試料表面にアルミニウム金属薄膜を形成する。このアルミニウム金属薄膜は、結晶性がよく配向性の高い、表面が平滑な薄膜とする必要がある。アルミニウム薄膜の状態が悪い場合、その後電解操作プロセスに影響を与え、プロセスが均一に進行せず、最終的にはまだらになってしまいよくない。薄膜形成手段としては、電解メッキや物理的あるいは化学的蒸着手段があり、用いることができるが、スパッタリングによって成膜することができる。アルミニウム純度は、不純物のないものが望ましく99.99%以上が望ましい。
電解酸化処理工程;
アルミニウム金属薄膜を形成後、上記アルミニウム金属薄膜を形成した試料をアセトン洗浄し、試料を陽極、黒鉛または鉛、あるいは別途用意した高純度アルミニウム板を陰極として電解液中に浸し、両者の間に直流電圧を印加し、陽極酸化処理をする。その場合の電解液としては、陽極酸化処理に適ったものであれば特に制限はないが、典型的には0.1〜0.5モル程度のシュウ酸、硫酸等の酸を用いることができる。反応中は電解液をよく撹拌し、また液温が一定になるよう適宜温度調節を行うことが好ましい。印加する電圧は電解液の種類や濃度、あるいは温度によって異なるが、電解液としてシュウ酸を使用する場合、40V前後を用いることができる。この電解処理によってアルミニウム薄膜は、微細細孔が規則的にパターン配列した多孔質アルミナに変わり、該微細細孔を通じて、半導体表面にも、パターン化された微細な細孔が転写され、形成される。図2は、この転写の様子を示している。
アルミニウム金属薄膜を形成後、上記アルミニウム金属薄膜を形成した試料をアセトン洗浄し、試料を陽極、黒鉛または鉛、あるいは別途用意した高純度アルミニウム板を陰極として電解液中に浸し、両者の間に直流電圧を印加し、陽極酸化処理をする。その場合の電解液としては、陽極酸化処理に適ったものであれば特に制限はないが、典型的には0.1〜0.5モル程度のシュウ酸、硫酸等の酸を用いることができる。反応中は電解液をよく撹拌し、また液温が一定になるよう適宜温度調節を行うことが好ましい。印加する電圧は電解液の種類や濃度、あるいは温度によって異なるが、電解液としてシュウ酸を使用する場合、40V前後を用いることができる。この電解処理によってアルミニウム薄膜は、微細細孔が規則的にパターン配列した多孔質アルミナに変わり、該微細細孔を通じて、半導体表面にも、パターン化された微細な細孔が転写され、形成される。図2は、この転写の様子を示している。
得られる細孔の孔径や、分布密度等は、電解条件によっても影響され、シュウ酸を用いた場合、大きくなる傾向がある。また、反応温度が高すぎるとアルミナ生成膜の状態や細孔の孔径、分布状態が不均一になり、品位が悪化する傾向があるので、液温は室温以上には上がらないように冷却し、制御することが望ましい。
多数の実験の結果、電解液は総じて低濃度とし、低温とするほうが良質なパターンを得ることができた。陽極酸化する際の電流は、10-3〜10-2A/cm2、通電時間は、ア
ルミニウム薄膜の厚みにもよるが、厚み700nm前後の場合、4〜30分程度でも微細細孔は形成されるが、品質の状況を確認しながら進める限りは、それより長く数時間としてもかまわない。孔の直径、深さは陽極酸化を終了させるタイミングによっても調整することは可能である。以下に記載する実施例に記載する条件化では、孔の直径は40nm程度で、分布も狭く、約80%の孔が直径40nm前後に分布していることが確認された。ドット加工としては、十分機能することが確認された。
多数の実験の結果、電解液は総じて低濃度とし、低温とするほうが良質なパターンを得ることができた。陽極酸化する際の電流は、10-3〜10-2A/cm2、通電時間は、ア
ルミニウム薄膜の厚みにもよるが、厚み700nm前後の場合、4〜30分程度でも微細細孔は形成されるが、品質の状況を確認しながら進める限りは、それより長く数時間としてもかまわない。孔の直径、深さは陽極酸化を終了させるタイミングによっても調整することは可能である。以下に記載する実施例に記載する条件化では、孔の直径は40nm程度で、分布も狭く、約80%の孔が直径40nm前後に分布していることが確認された。ドット加工としては、十分機能することが確認された。
アルミナと基板との分離工程;
陽極酸化処理後は、生成するアルミナは除去し、半導体基板を回収しなければならないが、そのための分離手段としては、物理的に除去手段でもよいが、化学的溶出によって分離するのが簡単である。ただし、その場合には半導体基板にたいして悪影響を与える処理はさけなければならない。すなわち、アルミナのみおよび半導体表に形成された酸化膜のみを選択的に溶出するものであることが要求される。この様な条件を満たし処理剤としては、クロム酸と硫酸の混酸がある。
図3は、アルミナを溶出後の基板材料の状態を示すものであり、表面に数十ナノメートルの孔径の窪みが規則的に配列して形成されている状態が示されている。
陽極酸化処理後は、生成するアルミナは除去し、半導体基板を回収しなければならないが、そのための分離手段としては、物理的に除去手段でもよいが、化学的溶出によって分離するのが簡単である。ただし、その場合には半導体基板にたいして悪影響を与える処理はさけなければならない。すなわち、アルミナのみおよび半導体表に形成された酸化膜のみを選択的に溶出するものであることが要求される。この様な条件を満たし処理剤としては、クロム酸と硫酸の混酸がある。
図3は、アルミナを溶出後の基板材料の状態を示すものであり、表面に数十ナノメートルの孔径の窪みが規則的に配列して形成されている状態が示されている。
次にGaAs半導体を用いて場合の微細加工を具体的に実施した実施例を示す。
実施例1;
(100)結晶面を表面に有するGaAs基板(直径3インチ、厚み1mm)を用意し、これを試料として使用した。この試料表面を十分に平滑となるよう研磨し、表面を清浄にした後、スパッタリングによってアルミニウム金属薄膜を形成した。形成されたアルミニウム薄膜は、700nmの厚みとした。図1にスパッタリングによって得られた試料の積層構造を示す。次に、スパッタリングによって得られた試料を陽極とし、別途用意したアルミニウム金属板を陰極として両電極を電解液中に浸し、スターラーで撹拌しながら冷却し、両者の間に直流電圧を印加し、陽極酸化処理した。その場合の電解液は、濃度0.1〜0.5mol/lのシュウ酸溶液を用い、液温15〜10℃、電圧は40Vの直流電圧、電流密度10-3〜10-2A/m2、通電時間30分から数時間陽極酸化処理をした。
その結果、アルミニウム薄膜は酸化されてアルミナに転換され、アルミナ層には無数の微細な孔が形成され、この孔はGaAS基板にも達していることが確認された(図2参照)。形成された孔の状態は、約80%がほぼ40nmの直径を有し、規則的に配列、分布し、GaAs基板にも該パターンを有する孔が形成されていることが確認された。すなわち、アルミナを溶出、除去した後を観察した結果、図3(断面図)、あるいは図4(平面図)に示すようにアルミニウムの陽極酸化処理によって形成された微細細孔パターンは、そのままGaAs基板にも転写され、深さ20nm程度の微細細孔パターンが規則的に形成されていることがSEMによる観察(図4)や、原子間力顕微鏡(AFM)等による観察によって確認された。
陽極酸化処理後のアルミナの除去手段は、試料をクロム酸と硫酸の混酸溶液(水1リットルにクロム酸20グラム/l、硫酸66グラム/l)に浸漬してアルミナのみを選択的に溶出することによって行い、微細細孔を形成された半導体基板を分離、回収した。洗浄、乾燥後、これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果が図4に示すように、微細細孔がほぼ均一に三角格子状に規則的に配列していることが確認された。すなわち、ドット加工した半導体を大面積で効率よく、低コストで得ることに成功した。この加工領域の位置や、大きさについては、陽極酸化処理する領域を予めマスキングによって規定することによって、簡単に制御することができる。
実施例1;
(100)結晶面を表面に有するGaAs基板(直径3インチ、厚み1mm)を用意し、これを試料として使用した。この試料表面を十分に平滑となるよう研磨し、表面を清浄にした後、スパッタリングによってアルミニウム金属薄膜を形成した。形成されたアルミニウム薄膜は、700nmの厚みとした。図1にスパッタリングによって得られた試料の積層構造を示す。次に、スパッタリングによって得られた試料を陽極とし、別途用意したアルミニウム金属板を陰極として両電極を電解液中に浸し、スターラーで撹拌しながら冷却し、両者の間に直流電圧を印加し、陽極酸化処理した。その場合の電解液は、濃度0.1〜0.5mol/lのシュウ酸溶液を用い、液温15〜10℃、電圧は40Vの直流電圧、電流密度10-3〜10-2A/m2、通電時間30分から数時間陽極酸化処理をした。
その結果、アルミニウム薄膜は酸化されてアルミナに転換され、アルミナ層には無数の微細な孔が形成され、この孔はGaAS基板にも達していることが確認された(図2参照)。形成された孔の状態は、約80%がほぼ40nmの直径を有し、規則的に配列、分布し、GaAs基板にも該パターンを有する孔が形成されていることが確認された。すなわち、アルミナを溶出、除去した後を観察した結果、図3(断面図)、あるいは図4(平面図)に示すようにアルミニウムの陽極酸化処理によって形成された微細細孔パターンは、そのままGaAs基板にも転写され、深さ20nm程度の微細細孔パターンが規則的に形成されていることがSEMによる観察(図4)や、原子間力顕微鏡(AFM)等による観察によって確認された。
陽極酸化処理後のアルミナの除去手段は、試料をクロム酸と硫酸の混酸溶液(水1リットルにクロム酸20グラム/l、硫酸66グラム/l)に浸漬してアルミナのみを選択的に溶出することによって行い、微細細孔を形成された半導体基板を分離、回収した。洗浄、乾燥後、これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果が図4に示すように、微細細孔がほぼ均一に三角格子状に規則的に配列していることが確認された。すなわち、ドット加工した半導体を大面積で効率よく、低コストで得ることに成功した。この加工領域の位置や、大きさについては、陽極酸化処理する領域を予めマスキングによって規定することによって、簡単に制御することができる。
以上に記載したように、本発明によって、今日注目されている量子効果を発現するためのドット加工や、量子デバイス作製に必要な微細加工を、高価な装置を使用することなく
、大面積で簡単に、効率よく、低コストで実現できることが明らかにされた。
、大面積で簡単に、効率よく、低コストで実現できることが明らかにされた。
半導体技術の進歩は、主として超微細精密加工技術によって発展し、支えられてきた。今日、一層の高精度超精密加工技術に対する強いニーズがあるが、このニーズに応えるためには、微細加工装置は大型化、複雑化によって対処するには限界と、大きな設備投資が必要であり、コスト上昇は否めないものであった。本発明は、このような状況に、極めて容易に実施しえる電解装置、電解操作によって処理するだけでのいたって簡単、且つ高効率、低コスト名処理手段によって、超微細加工を実現しうることを明らかにしたものであり、その意義は極めて大きい。今後、半導体の分野、特に、量子デバイスの開発に採用され、産業の発展に大いに寄与するものと期待される。
Claims (4)
- 被微細加工基板材料に微細細孔パターンを形成する方法において、
(i)被微細加工基板材料にアルミニウム薄膜を形成する工程、
(ii)次いで、アルミニウム薄膜を形成した基板材料を陽極酸化し、陽極酸化反応によって該基板上に自律的に形成された微細細孔パターンを有するアルミナ薄膜を形成するとともに、基板表面にも該微細細孔パターンを転写させる工程、
からなることを特徴とする、基板材料に微細細孔パターンを形成する方法。 - 該被微細好材料基板として半導体基板を使用することを特徴とした、請求項1記載の基板材料に微細細孔パターンを形成する方法。
- 該微細細孔を、ナノメートルオーダーから数百ナノメートルまでの直径を有する孔に設定し、量子効果を高めたことを特徴とする、請求項2に記載の基板材料に微細細孔パターンを形成する方法。
- 陽極酸化によって微細細孔パターンを形成した後、基板上のアルミナ層を溶出除去することを特徴とする、請求項1ないし3記載の何れか1項に記載の基板材料に微細細孔パターンを形成する方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101106694B1 (ko) * | 2009-11-06 | 2012-01-18 | 강원대학교산학협력단 | 금속 나노 링 패턴의 제조 방법 및 이 방법에 의해 제조된 금속 나노 링 패턴 |
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2004
- 2004-08-24 JP JP2004243061A patent/JP2006060151A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101106694B1 (ko) * | 2009-11-06 | 2012-01-18 | 강원대학교산학협력단 | 금속 나노 링 패턴의 제조 방법 및 이 방법에 의해 제조된 금속 나노 링 패턴 |
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