JP2006059430A - 光情報記録担体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流延法により製造されたフィルム基材の隆起状点欠陥に起因するノイズを低減させ、記録・読みとり特性が改善された光情報記録担体を提供すること。
【解決手段】 流延法により製造されたフィルム基材Eの屈折率をnS、硬化層Fの屈折率をnH、粘着層Dの屈折率をnAとした場合、下記式で表される条件のうち、少なくとも1つを満たす光情報記録担体とする。
│nS−nH│≦0.05
│nS−nA│≦0.05
【選択図】 図4

Description

本発明は、光学的手段により記録および/または再生が可能な光情報記録担体に関し、特に光学的手段によって再生を行うことのできる光情報記録担体に関する。
従来、レーザ光により1回限りの情報の記録が可能な追記型光情報記録担体として、CD−Rと称される光情報記録担体が広く知られている。CD−Rは、市販のCDプレーヤを用いて再生できる利点を有しており、また最近ではパーソナルコンピュータの普及に伴ってその需要も増大している。また、CD−Rより大容量の記録が可能な光情報記録担体として、デジタル・ハイビジョンの録画などに対応するための追記型デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(DVD−R)も実用化されている。
これら追記型光情報記録担体としては、例えば、円盤状支持体上に、Auなどからなる光反射層と、有機化合物からなる記録層と、更に、該記録層を保護する透光カバー層(記録層と接着させるための粘着層を含む。以下、単に「透光層」ともいう。)とが順次積層された構造のものが知られており、レーザ光が透光層側から照射されることで、記録及び再生を行うことができる。追記型光情報記録担体への情報の記録は、記録層のレーザ光照射部分がその光を吸収して局所的に発熱変形(例えば、ピットなどの生成)することにより行われる。一方、情報の再生は、通常、記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を追記型光情報記録担体に照射して、記録層が発熱変形した部位(記録部分)と変形していない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も開始された。このような状況の下で、画像情報を安価簡便に記録することができる大容量の光情報記録担体が必要とされている。上記のDVD−Rは現状では大容量の光情報記録担体としての役割を十分に果たしているが、大容量化、高密度化の要求は高まる一方であり、これらの要求に対応できる光情報記録担体の開発も必要である。このため、光情報記録担体としては、更に、短波長の光で高密度の記録を行うことができる、より大容量の光情報記録担体の開発が進められている。特に、1回限りの情報の記録が可能な追記型光情報記録担体は、大容量の情報の長期保存又はバックアップ用としての使用頻度が高まりつつあるため、その開発に対する要求は強い。
通常、光情報記録担体の高密度化は、記録及び再生用レーザの短波長化、ピックアップに使用する対物レンズの高NA(開口数(Numerical Aperture))化によりビームスポットを小さくすることで達成することができる。最近では、波長680nm、650nm及び635nmの赤色半導体レーザから、更に超高密度の記録が可能となる波長400nm〜432nmの青色半導体レーザ(以下、青色レーザと称する。)まで開発が急速に進んでおり、それに対応した光情報記録担体の開発も行われている。特に、青色レーザの発売以来、該青色レーザと高NAピックアップを利用した光記録システムの開発が検討されており、相変化する記録層を有する書換型光情報記録担体及び光記録システムは、既に、DVRシステムとして発表されている(例えば、非特許文献1参照)。これにより、書換型光情報記録担体における高密度化の課題に対しては、一定の成果が得られた。
かかる青色レーザと高NAピックアップを利用した光記録システムに用いる光情報記録担体は、青色レーザ光を記録層に照射させる際、高NAの対物レンズの焦点を合わせるために、レーザ光が入射する光情報記録担体表面から記録層まで(すなわち透光層)を薄化することが好ましい。また、透光層の基材としては、基板と熱膨張係数が近似したものが好ましく、通常該基板と同質材料のものが用いられる。
従って、現在光ディスクの樹脂基板として、一般にポリカーボネート樹脂が用いられていることから、この光透過性基材用フィルムにおいても、ポリカーボネートフィルムを中心に実用化検討が進められている。
一方、ポリカーボネートフィルム基材に塗工、乾燥工程を経て、紫外線照射をロール・トゥー・ロールで連続的に行う方法を用いてハードコートフィルムを作製すると、ポリカーボネートを主成分とした50〜100μm程度の隆起状点欠陥が発生することを本発明者等の研究で明らかにし、同時に塗布液中のポリカーボネートを膨潤させる有機溶剤の含量を規定することで点欠陥の数を大幅に減少できることも解明した。
しかしながら、流延ダイより流延バンド上にドープを流延してフィルムを製造するバンド流延法において、ポリカーボネートフィルムをキャスティングする時に溶剤として用いるメチレンクロライドが金属製のバンドを侵食し、ピンホールを作るため、ポリカーボネートを膨潤しない溶剤を用いたとしても、これらの点欠陥を完全に取り除くことはできず、なお直径50μm以上の隆起状点欠陥が10cm角で数個程度残ってしまう。即ち、流延法により製造する場合、フィルム基材上にこのサイズの小さな点欠陥が存在してしまうことになる。
また、かかる隆起状点欠陥は透光層の光の入射面にハードコート層等の硬化層を設けた場合、硬化層の中に埋もれ光学顕微鏡観察のような可視光を用いた形態観察では検出され難いが、情報を読み取るためのレーザ光の一部がこの点欠陥で散乱するため読み取り信号の特性を悪化させることが分かった。
従って、長波長の光を用いている光情報記録担体(例えばCDやDVD)においては殆どノイズの原因にはならないが、より一層短波長の光を用いる上記のような高記録密度の光ディスクではピット長が短く、ピット間隔が狭まっているので、隆起状点欠陥の影響が大きく出てしまい、該点欠陥に起因するノイズの除去が必要となる。
これまで、基板とフィルム基材の密着性等を増強させる提案、例えば、特許文献1には、密着性を上げるためにポリカーボネートを侵す溶剤を全溶剤中70質量%以上含有させ、密着性を上げているが、同文献に記載の方法では、隆起状点欠陥を減少させるためにはむしろ逆効果である。また、特許文献2には、ポリカーボネート樹脂用硬化性組成物の溶剤を沸点120〜160℃であってポリカーボネート樹脂を溶解する溶剤を添加することによってポリカーボネート樹脂基材との密着性を改善する提案がなされているが、隆起状点欠陥については記載も示唆もない。
さらに、ポリカーボネートフィルムは柔らかく、ハンドリング中に傷が付き易く、点欠陥ができ易いといった欠点も有しており、これらを改善する手段が見出されていないのが現状である。
特開2001−114916号公報 特開2003−211611号公報 光メモリー国際シンポジウム(ISOM2000)予稿集,p.210−211
上記の状況に鑑み、本発明の目的は、流延法により製造されたフィルム基材の隆起状点欠陥に起因するノイズを低減させ、記録および/または読みとり特性が改善された光情報記録担体を提供することにある。
本発明は、隆起状点欠陥によるノイズは、フィルム基材と該フィルム基材に積層される硬化層および粘着層との屈折率が異なることから生じるということに着眼し、該フィルム基材と硬化層および/または粘着層の屈折率の差を制御することにより上記課題を解決するものである。
即ち本発明は、下記の手段により上記課題を達成することができる。
1. 流延法により製造されたフィルムを基材とし、粘着層が積層されてなる透光カバー層を具備する光情報記録担体において、該フィルム基材の屈折率をnSおよび該粘着層の屈折率をnAとした場合、下記式で表される条件を満たすことを特徴とする、光情報記録担体。
│nS−nA│≦0.05
(上記式中、屈折率nSおよびnAは25℃、波長400〜432nmで測定する)
2. 流延法により製造されたフィルム基材上に硬化層が積層され、反対面に粘着層が積層されてなる透光カバー層を具備する光情報記録担体において、該フィルム基材の屈折率をnS、該硬化層の屈折率をnH、該粘着層の屈折率をnAとした場合、下記式で表される条件のうち、少なくとも1つを満たすことを特徴とする、光情報記録担体。
│nS−nH│≦0.05
│nS−nA│≦0.05
(上記式中、屈折率nS、nHおよびnAは25℃、波長400〜432nmで測定する)
3. 上記フィルム基材が、ポリカーボネートからなることを特徴とする、1.または2.に記載の光情報記録担体。
4. 上記硬化層が、屈折率が1.90以上である無機微粒子を含有する、請求項2.または3.に記載の光情報記録担体。
5. 上記無機微粒子が、二酸化チタンを主成分とし、かつコバルト、アルミニウムおよびジルコニウムからなる群より選択される元素を少なくとも1種含有する無機微粒子であることを特徴とする、請求項4.に記載の光情報記録担体。
6. 上記コバルト、アルミニウムおよびジルコニウムからなる群より選択される元素の含有量の合計が、上記二酸化チタンの含有量に対して0.5〜3質量%であることを特徴とする、請求項5.に記載の光情報記録担体。
7. 上記硬化層の平均膜厚が1.0〜8.0μmであることを特徴とする、請求項2.〜6.のいずれかに記載の光情報記録担体。
8. 上記硬化層が、溶解性パラメータ(SP値)が8.3〜10.5の有機溶剤が全有機溶媒中60質量%以下しか含まれない有機溶媒で硬化性組成物を調製し、形成した層であることを特徴とする、請求項2.〜7.のいずれかに記載の光情報記録担体。
9. 上記有機溶媒が、溶解性パラメータ(SP値)が9.0〜10.0の有機溶剤を全く含まない有機溶媒であることを特徴とする、請求項8.に記載の光情報記録担体。
10. 上記硬化層が、スチールウールに対して耐擦傷性を有することを特徴とする、請求項2.〜9.のいずれかに記載の光情報記録担体。
11. 上記粘着層が、アクリル系粘着剤からなることを特徴とする、1.〜10.のいずれかに記載の光情報記録担体。
12. 上記フィルム基材が、流延ダイより流延バンド上にドープを流延してフィルムが製造されたものであって、該フィルム基材の上記粘着層が積層されている面が該流延バンド上で製造された際のバンド面であることを特徴とする、1.〜11.のいずれかに記載の光情報記録担体。
13. 1.〜12.のいずれかに記載の光情報記録担体を、波長400〜432nmの青色レーザ光を用いて記録および/または読みとりを行うことを特徴とする、光情報記録・再生方法。
本発明によれば、記録および/または読みとり特性が良好で、且つ擦り傷に強い光記録ディスクを提供することができる。
以下、本発明の光情報記録担体について詳細に説明する。
なお、本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。また、本明細書において、例えば、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」等の記載は、それぞれ「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」の意味を表す。
上述のとおり、基材上の隆起状点欠陥による光散乱はフィルム基材と隣接する硬化層(ハードコート層)または粘着層との屈折率差によって発生する。例えば、ポリカーボネートフィルム基材の屈折率は約1.60と高く、一方、一般の有機化合物より形成される硬化層や粘着層の屈折率は約1.50であり、両者の間に約0.10の屈折率差がある。
そのため、ポリカーボネートフィルム基材上に点欠陥がある場合には、硬化層/ポリカーボネートフィルム基材界面や、粘着層/ポリカーボネートフィルム基材界面で光が散乱してしまい、記録および/または読みとり特性を悪化させてしまう。
かかる硬化層/フィルム基材界面や、粘着層/フィルム基材界面での光の散乱を防止するためには、硬化層/基材界面及び/または、粘着層/フィルム基材界面の屈折率差を小さくし、極力ゼロに近付け光学的に界面をなくしてしまう事である。
この目的を達成するためには、硬化層または粘着層とフィルム基材の屈折率差は0.05以下が好ましく、0.03以下であることが更に好ましく、0.01以下であると光学的には界面がなくなり、特に好ましい。
本発明の光情報記録担体は、光学的手段によって情報信号を再生可能な情報記録担体である。本発明の光情報記録担体は、基本的に支持体、記録層および透光層(=透光カバー層)からなる。
本発明の光情報記録担体において、各々の構成要素は発明内容を阻害しない範囲で相互に入れ替えまたは組み合わせてもよい。また、各々は、少なくとも1つずつ存在することが必要であるが、各々は複数層存在しても1つの層が組成や特性の異なる複数の層から構成されていてもよい。具体的には支持体/記録層/透光層/記録層/透光層のように支持体の片側に2層ずつの記録層と透光層を設けることもできる。
さらに、上記層以外にも、公知の静電気防止層、潤滑層、保護層、反射層などを設けてもよい。また、支持体の記録層とは反対側にレーベル印刷を施してもよい。
本発明の光情報記録担体は、カートリッジ内部に装着されたものであってもよい。また、その大きさに制限はなく、ディスク状情報記録担体の場合には、例えば直径30〜300mmの各種サイズを取ることができ、直径32、51、65、80、88、120、130、200、300mmなどであってもよい。
<支持体>
本発明の光情報記録担体において、支持体は、後述する記録層及び透光層などを機械的に保持する機能を持つベースである。
支持体を構成する材料としては、合成樹脂、セラミック、金属などを用いることができるが、この限りではない。
合成樹脂の代表例としては、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート・ポリスチレン共重合体、ポリビニルクロライド、脂環式ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどの各種熱可塑性樹脂や熱硬化樹脂、各種放射線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂の例を含む)を好適に用いることができ、これらは金属粉またはセラミック粉などを配合した合成樹脂であってもよい。
セラミックの代表例としてはソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラスなどを用いることができる。
金属としては、アルミ、銅、鉄などを用いることができるが、これに限定されない。
上記構成材料としては、耐湿性、寸度安定性及び価格などの点からポリカーボネートやアモルファスポリオレフィンが好ましく、ポリカーボネートが最も好ましい。
ポリカーボネート樹脂はビスフェノールAを原料としたものが広く知られており本発明ではこの様な樹脂を用いることができる。近年、低吸湿率、高剛性、低複屈折率の樹脂(「ST−3000」帝人バイエルポリテック製)が開発され、光ディスクの保存湿度条件に起因する反りの問題を改善している。その技術内容は例えば、(井出文雄他著「光学用透明樹脂」技術情報会(2001年)p.61−67)に紹介されており、本発明ではこの様な樹脂を用いることもできる。
支持体の厚みは、他の層を機械的に保持する必要性から0.3〜3mmが好ましく、望ましくは0.6〜2mmであり、1.1mm±0.3mmの範囲のものが最も好適に用いられる。
支持体の表面には、通常、トラッキング用溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(プレグルーブ)が形成される。このプレグルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形又は押出成形する際に、直接支持体上に形成されることが好ましい。また、プレグルーブの形成を、プレグルーブ層を設けることにより達成してもよい。
プレグルーブ層の材料としては、ポリオールのアクリル酸モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、ペンタエステルおよびヘキサエステルのうちの少なくとも1種のモノマー(又はオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用いることができるが、これらに限定されない。
プレグルーブ層の形成は、例えば、まず精密に作られた母型(スタンパ)上に上記のアクリル酸エステル及び重合開始剤からなる混合液を塗布し、更に、この塗布液層上に支持体を載せたのち、支持体又は母型を介して紫外線を照射することにより塗布層を硬化させて支持体と塗布層とを固着させる。次いで、支持体を母型から剥離することにより得ることができる。プレグルーブ層の層厚は一般に、0.01〜100μmの範囲にあり、好ましくは0.05〜50μmの範囲である。
本発明において、支持体のプレグルーブのトラックピッチは、200〜400nmの範囲とすることが好ましく、250〜350nmの範囲とすることがより好ましい。
また、プレグルーブの溝深さは10〜150nmの範囲とすることが好ましく、20〜100nmの範囲とすることがより好ましく、30〜80nmの範囲とすることが更に好ましい。また、その半値幅は、50〜250nmの範囲にあることが好ましく、100〜200nmの範囲であることがより好ましい。
本発明の光情報記録担体に後述する光反射層を設ける場合には、光反射層が設けられる側の支持体表面に、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により支持体表面に塗布することにより形成することができる。
下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
光反射層は、情報の再生時における反射率の向上の目的で、任意に、支持体と記録層との間に設けることができる。
光反射層は、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより支持体上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。なお、光反射性物質の反射率は70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属、半金属、さらにはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、二種以上の組合せで用いてもよいし、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alまたはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agまたはこれらの合金である。
<記録層>
本発明の光情報記録担体において、記録層とは、光学的または磁気的な記録手段により情報信号を該層へ記録することにより情報の記録または書き換えができる機能を有した層であり、また光学的な再生手段(レーザ光など)により該層から情報信号の再生を行うことができる。
記録層は、光情報記録担体が再生専用型光情報記録担体である場合には高反射率材料を用い、記録・再生型光情報記録担体の場合には、記録または再生原理に従って、色素記録用材料、相変化記録用材料、光磁気記録用材料から選択して用いる。
本発明の記録層の厚みは2〜300nmが好ましく、特に5〜200nmが好適に用いられる。また、本発明の記録層は、かかる光学的な記録・再生手段として、350nm〜450nm、好ましくは405nmの波長を有する光を用いるものが好ましい。
記録層に用いる光反射率材料としては、金、銀などが用いられる。
色素記録用の記録材料の具体的な例としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、アゾ色素、ナフトキノン色素、フルギド色素、ポリメチン色素、アクリジン色素などを用いることができる。
相変化記録用の記録材料としては、インジウム、アンチモン、テルル、セレン、ゲルマニウム、ビスマス、バナジウム、ガリウム、白金、金、銀、銅、錫、砒素などの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物などを含む)を用いることができ、特にGeSbTe、AgInSbTe、CuAlTeSbなどを用いるのが好適である。インジウム合金とテルル合金の積層膜を用いて記録層としてもよい。
光磁気記録用の記録材料としては、テルビウム、コバルト、鉄、ガドリニウム、クロム、ネオジム、ジスプロシウム、ビスマス、パラジウム、サマリウム、ホルミウム、プロセオジム、マンガン、チタン、パラジウム、エルビウム、イッテルビウム、ルテチウム、錫などの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物の例を含む)を用いることができ、特にTbFeCo、GdFeCo、DyFeCoなどに代表されるように遷移金属と希土類の合金で構成するのが好適である。更に、コバルトと白金の交互積層膜を用いて記録層としてもよい。
なお、これら記録層には、再生出力向上や書き換え回数向上、保存安定性向上等の目的で、補助膜、例えばシリコン、タンタル、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、クロム、ジルコニウムなどの合金(酸化物、窒化物、炭化物を含む)や高反射膜(アルミニウム、金、銀など)を併用して積層してもよい。
色素記録用の記録材料を用いる記録層には、再生に用いるレーザ光の波長領域に極大吸収を有する色素を含有していることが好ましく、特に、500nm以下の波長のレーザで記録及び再生が可能なように、その波長領域に極大吸収を有する色素を含有していることがより好ましい。
用いられる色素としては、例えば、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられる。具体的には、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、特開平11−53758号公報、特開平11−334204号公報、特開平11−334205号公報、特開平11−334206号公報、特開平11−334207号公報、特開2000−43423号公報、特開2000−108513号公報、特開2000−158818号公報の各公報に記載されている色素、または、トリアゾール、トリアジン、シアニン、メロシアニン、アミノブタジエン、フタロシアニン、桂皮酸、ビオロゲン、アゾ、オキソノールベンゾオキサゾール、ベンゾトリアゾール等の色素が挙げられ、シアニン、アミノブタジエン、ベンゾトリアゾール、フタロシアニン等の色素が好ましい。
記録層は、色素記録用の記録材料を用いる場合、上記色素と、所望により結合剤とを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を前述の支持体のプレグルーブ表面、または光反射層表面に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成することができる。更に、塗布液中には、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、及び潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加されてもよい。
また、色素や結合剤を溶解処理する方法としては、超音波処理、ホモジナイザー処理、ディスパー処理、サンドミル処理、スターラー攪拌処理等の方法を適用することができる。
塗布液の溶剤としては、例えば、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素及び結合剤の溶解性を考慮して単独で用いてもよいし、二種以上を適宜併用することもできる。
結合剤の例としては、例えば、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;及びポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、色素に対して0.01〜50倍量(質量比)の範囲であることが好ましく、0.1〜5倍量の範囲であることがより好ましい。結合剤を記録層に含有させることにより記録層の保存安定性を改良することも可能である。
このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。
塗布温度としては、23〜50℃であれば特に問題はないが、好ましくは24〜40℃、更に好ましくは25〜37℃である。
記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は、一般に、20〜500nmの範囲にあり、好ましくは50〜300nmの範囲にある。
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、及び同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の含有量は、記録層の全固形分中、通常、0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
記録層の表面には、透光層との密着性と、色素の保存性を高めるために、中間層(バリア層)が形成されていてもよい。バリア層は、Zn、Si、Ti、Te、Sm、Mo、Ge等のいずれか1原子以上からなる酸化物、窒化物、炭化物、硫化物等の材料からなる層であり。また、バリア層は、ZnS−SiO2のようにハイブリット化されたものでもよい。バリア層は、スパッタリング、蒸着イオンプレーティング等により形成すること可能で、その厚さは、1〜100nmとすることが好ましい。
<透光層>
本発明の光情報記録担体において、透光層は、収束した再生光を物理的には記録層に導く機能を持ち、同時に記録層を化学的、機械的に保護する機能を持つ。本発明の透光層は支持体の厚みよりも薄く構成されたフィルムからなることが好ましい。
なお、本発明において「透光」とは、記録再生に用いる光学的手段の光の波長(例えば、600〜800nmや350〜450nmの光)に対して事実上透明(透過率70%以上、望ましくは80%以上)であることを意味する。
[透光層の構成]
本発明の好ましい透光層の構成は硬化層(ハードコート層)/フィルム基材/粘着層であるが、フィルム基材/粘着層の構成でも本発明は適応可能である。
透光層の基材用フィルムとしては、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートセルロースフィルム、アートンフィルム(登録商標)(JSR株式会社)、ゼオノアフィルム(登録商標)(日本ゼオン製)等支持体に合わせて様々なフィルムを用いることができるが、光ディスクの樹脂基板として、ポリカーボネート樹脂が用いられている場合には、ポリカーボネートフィルムが好ましい。
[ポリカーボネートフィルム基材]
本発明に好適に用いられるポリカーボネートフィルム基材としては、ビスフェノールAを芳香族ジヒドロキシ成分とする芳香族ポリカーボネートよりなるプラスチックフィルムがより好適に用いられ、その厚みは20〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましく、70〜120μmが特に好ましい。更に光学フィルムが光ディスクの透光カバー層として用いられる場合、フィルム基材の厚みは70〜90μmが最も好ましい。 フィルム基材の厚みが薄すぎると膜強度が弱く、厚いと剛性が大きくなり過ぎる。透明基材の「透明」とは、可視光領域の光透過率が80%以上であることを意味し、90%以上であることが好ましい。
製膜方法は、溶融法と流延法(ソルベントキャスト法)があるが、本発明では流延法を用いる。一般に流延法によって作製されたポリカーボネートフィルムは光学異方性が低く、光学フィルム、特に光ディスクの透光層のフィルム基材として好ましい。
(プラスチックフィルムの材料)
本発明に係るプラスチックフィルムのために好適に用いることのできるポリカーボネートは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を主たる芳香族ジヒドロキシ成分とするポリカーボネートである。
ここでいうポリカーボネートとは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主たる芳香族ジヒドロキシ化合物とし、これと、ホスゲン、ジフェニルカーボネートの如き炭酸結合生成性の化合物とを、溶液状態、バルク、溶融状態等で反応せしめることにより得られる重合体のことをいう。
用いる芳香族ジヒドロキシ化合物における2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの割合は少なくとも80モル%、好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。20モル%以下で用いる上記芳香族ジヒドロキシ化合物の例としては、具体的には以下に示す化合物を挙げることができる。
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどのフルオレン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4、4’−ジヒドロキシ−3,3−ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルスルフィドなどのジヒドロキシアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3−3’−ジメチルフェニルスルホキシドなどのヒドロキシアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルスルホンなどのジヒドロキシアリールスルホン類などである。
これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独または組合わせて用いることができる。
また、上記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部をテレフタル酸および/またはイソフタル酸成分で置き換えたポリカーボネートを使用することも可能である。このような構成単位をビスフェノールAからなるポリカーボネートの構成成分の一部に使用することにより、ポリカーボネートの性質、例えば耐熱性、溶解性を改良することができる。このような共重合体についても本発明を用いることができる。
(ポリカーボネートの分子量)
本発明に係るポリカーボネートの分子量としては、特に限定はないが、濃度0.5g/dlの塩化メチレン溶液中20℃での粘度測定から求めた粘度平均分子量が30,000以上200,000以下、好ましくは30,000以上120,000以下の範囲のものを挙げることができる。
(硬化層と粘着層の積層面)
前記した様にバンド流延法によって流延ダイより流延バンド上にドープを流延して作製されるポリカーボネートフィルムでは流延バンドのピンホールに起因する点欠陥がフィルムのバンド面に発生する。一方、本発明の光情報記録担体、透光層の硬化層/ポリカーボネートフィルム基材/粘着層の構成では、通常、粘着層の厚み10μm以上であるのに対し、硬化層はカールなどの制約から5μm以下である。硬化層や粘着層が厚いほどポリカーボネート上の点欠陥は埋もれて外見上見えなくし易い。従って、ポリカーボネートフィルム基材のバンド面に粘着層を、反対面のエア面に硬化層を積層する構成は本発明の好ましい態様である。
また、透光層の構成がポリカーボネートフィルム基材/粘着層の場合も、同様の理由からポリカーボネートフィルム基材のバンド面に粘着層を積層する構成は本発明の好ましい態様である。
[硬化層]
本発明の硬化性組成物は硬化剤と有機溶剤を含めば熱硬化性組成物であっても活性エネルギー線硬化性組成物であっても構わない。ポリカーボネートフィルムは柔らかく硬化層が厚過ぎるとカールが起きることから10μm以下が好ましい。
本発明のポリカーボネートフィルム基材と硬化層の屈折率差を0.05以下にするためには硬化層の屈折率を高くする事が必要である。硬化層の屈折率を高くするためには高屈折率を持つバインダーを使用するか、硬化層に用いられているよりも高い屈折率を有する高屈折率微粒子をバインダー樹脂に添加することによって行うか、あるいは、これらを併用して行う。
前記高屈折率を持つバインダー樹脂には、(1) 芳香族環を含む樹脂、(2) F以外のハロゲン化元素、例えば、Br、I、Cl等を含む樹脂、(3) S、N、P等の原子を含む樹脂等が挙げられ、これらの少なくとも一つの条件を満足する樹脂が高屈折となるため好ましい。
前記(1) の樹脂の例には、ポリスチレン等のスチロール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルカルバゾール、ビスフェノールAのポリカーボネート等が挙げられる。前記(2) の樹脂の例には、ポリ塩化ビニル、ポリテトラブロモビスフェノールAグリシジルエーテル等が挙げられる。前記(3) の樹脂の例には、ポリビスフェノールSグリシジルエーテル、ポリビニルピリジン等が挙げられる。
前記高屈折率微粒子には、例えば、ZnO(屈折率1.90)、TiO2(屈折率2.3〜2.7)、CeO2(屈折率1.95)、Sb23(屈折率1.71)、SnO2(屈折率2.00)、ITO(屈折率1.95)、Y23(屈折率1.87)、La23(屈折率1.95)、ZrO2(屈折率2.05)、Al23(屈折率1.63)等が挙げられる。これらの高屈折率微粒子のうち、ZnO、TiO2、CeO2等を用いることにより、本発明の透光カバー層にUV遮蔽効果がさらに付与されるので好ましい。また、アンチモンがドープされたSnO2或いはITOを用いることにより、電気伝導性が向上し、帯電防止効果によるホコリの付着防止効果が得られるので好ましい。高屈折率微粒子の粒径は、硬化層を透明とするためには400nm以下であることが好ましい。
[ハードコート層]
本発明の硬化層の機能としては、耐擦傷性を有するハードコート層が挙げられる。この場合、そのハードコート層とは、表面を#0000のスチールウールを用い1.96N/cm2の荷重を掛けながら10回擦った時に、擦り跡が目視で見えない耐擦傷性を有する硬化層であることが好ましい。
また、透明プラスチックフィルム基材がポリカーボネートフィルムである場合、剛性が低いので、硬化膜が厚過ぎるとカールが起きやすく、また薄過ぎるとハードコート機能が発現しにくいことから、膜厚は1.0〜8.0μmが好ましく、1.0〜4.0μmがより好ましく、2.5〜4.0μmが特に好ましい。
本発明のハードコート層の好ましい形成方法は、紫外線照射により硬化する紫外線硬化性組成物を、透明プラスチックフィルム基材上に塗布、乾燥した後、紫外線の照射により該組成物を硬化させる方法である。
紫外線硬化性組成物には、紫外線照射により重合または架橋して硬化する同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物が、好ましく使用される。以下、本発明に好ましく用いることのできる同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物を有し、本発明で好ましく使用される紫外線硬化性組成物について説明する。
上記エチレン性不飽和基として好ましいものは、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニルエーテル基であり、特に好ましくはアクリロイル基である。エチレン性不飽和基を含む化合物はエチレン性不飽和基を分子内に2個以上有していればよいが、より好ましくは3個以上である。そのなかでもアクリロイル基を有する化合物が好ましく、分子内に2〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物やウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に数個のアクリル酸エステル基を有する分子量が数百から数千のオリゴマーを好ましく使用できる。
これら分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物の好ましい具体例としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジアクリレート等のエポキシアクリレート類、ポリイソシナネートとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られるウレタンアクリレート等を挙げることができる。
また、このような化合物は市販もされていて、EB−600、EB−40、EB−140、EB−1150、EB−1290K、IRR214、EB−2220,TMPTA、TMPTMA(以上、ダイセル・ユーシービー(株)製)、UV−6300、UV−1700B(以上、日本合成化学工業(株)製)などが、挙げられる。
上記で挙げた分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物のなかでも特に好ましい化合物として分子内に3個以上のアクリロイル基を有しアクリロイル当量が120以下の化合物が挙げられ、具体例としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
上記分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物以外に、本発明の紫外線硬化性組成物に好ましく用いられる化合物としては、開環重合性基を含む硬化性樹脂が挙げられる。
開環重合性基を含む硬化性樹脂とは、カチオン、アニオン、ラジカルなどの作用により開環重合が進行する環構造を有する硬化性樹脂であり、この中でもヘテロ環状基含有硬化性樹脂が好ましい。このような硬化性樹脂としてエポキシ基含有化合物、オキセタニル基含有化合物、テトラヒドロフラニル基含有化合物、環状ラクトン化合物、環状カーボネート化合物、オキサゾリニル基含有化合物などの環状イミノエーテル類などが挙げられ、特にエポキシ基含有化合物、オキセタニル基含有化合物、オキサゾリニル基含有化合物が好ましい。本発明において開環重合性基を有する硬化性樹脂は、同一分子内に2個以上の開環重合性基を有することが好ましいが、より好ましくは3個以上有することが好ましい。また、本発明において開環重合性基を有する硬化性樹脂は、2種以上併用してもよく、この場合、同一分子内に開環重合性基を1個有する硬化性樹脂を必要に応じて併用することができる。
本発明で用いられる開環重合性基を有する硬化性樹脂は、上記のような環状構造を有する硬化性樹脂であれば特に制限がない。このような硬化性樹脂の好ましい例としては、例えば単官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、2官能脂環式エポキシ類、ジグリシジルエーテル類(例えばグリシジルエーテル類としてエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル)、3官能以上のグリシジルエーテル類(トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなど)、4官能以上のグリシジルエーテル類(ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなど)、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート等のエポキシ基を側鎖に有するアクリルポリマー、脂環式エポキシ類(セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテルなど)、オキセタン類(OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)など)などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明ではエチレン性不飽和基を含む硬化性化合物と開環重合性基を含む硬化性樹脂の両者を含有する硬化性組成物を用いることもできる。
エチレン性不飽和基を含む硬化性化合物(硬化性樹脂)と開環重合性基を含む硬化性樹脂を含有する硬化性組成物(以下、特に断りのない限り、「硬化性組成物」は、これら両者の硬化性樹脂を含有する組成物である)を硬化させる場合、両方の硬化性樹脂の架橋反応が進行することが好ましい。エチレン性不飽和基の好ましい架橋反応はラジカル重合反応であり、開環重合性基の好ましい架橋反応はカチオン重合反応である。いずれの場合も活性エネルギー線の作用により、重合反応を進行させることができる。通常、重合開始剤と称される少量のラジカル発生剤およびカチオン発生剤(もしくは酸発生剤)を添加し、活性エネルギー線によりこれらを分解し、ラジカルおよびカチオンを発生させ重合を進行させることができる。ラジカル重合とカチオン重合は別々に行ってもよいが、同時に進行させることが好ましい。
紫外線によってカチオンを発生させる光酸発生剤としては、トリアリールスルホニウム塩やジアリールヨードニウム塩などのイオン性の硬化性樹脂やスルホン酸のニトロベンジルエステルなどの非イオン性の硬化性樹脂が挙げられ、有機エレクトロニクス材料研究会編「イメージング用有機材料」ぶんしん出版社刊(1997)などに記載されている硬化性樹脂等種々の公知の光酸発生剤が使用できる。この中で黄着色が少ない点で特に好ましくはジアリールヨードニウム塩であり、対イオンとしてはPF6 -、SbF6 -、AsF6 -、B(C654 -などが好ましい。また、トリアリールスルホニウム塩とジアリールヨードニウム塩を組み合わせて用いることも好ましい態様である。
紫外線によりラジカルを発生させる重合開始剤の例としてはアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのケトン、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイン類、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイドおよびチオキサントン等の公知のラジカル発生剤が使用できる。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントン化合物等が含まれる。
重合開始剤の添加量としては、硬化性組成物中に含まれるエチレン性不飽和基含有硬化性樹脂と開環重合性基含有硬化性樹脂の総質量に対し、0.1乃至15質量%の範囲で使用することが好ましく、1乃至10質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。
また本発明では、硬化性組成物中に微粒子を添加することが好ましい。無機微粒子を添加することで透明プラスチックフィルム基材の溶媒による膨潤を抑制することができる。また、微粒子を添加することで硬化被膜の硬化収縮量を低減できるため、基材との密着性の向上や、カールの低減の点でも好ましい。微粒子としては、無機微粒子、有機微粒子、有機−無機複合微粒子のいずれも使用できる。ただし、微粒子は一般にヘイズを増加させる傾向があるために、各必要特性のバランスの上で充填方法を調整する必要がある。
無機微粒子としては例えば、二酸化ケイ素粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子などが挙げられる。このような無機架橋微粒子は一般に硬質であり、ハードコート層に充填させることで、硬化時の収縮を改良できるだけではなく、表面の硬度も高めることができる。
一般に、無機微粒子は、本発明で用いることのできる上記硬化性樹脂などの有機成分との親和性が低いため単に混合するだけでは凝集体を形成したり、硬化後の硬化被膜がひび割れやすくなる場合がある。本発明では無機微粒子と有機成分との親和性を増すため、無機微粒子表面を有機セグメントを含む表面修飾剤で処理することができる。表面修飾剤は、無機微粒子と結合を形成するか無機微粒子に吸着しうる官能基と、有機成分と高い親和性を有する官能基を同一分子内に有するものが好ましい。
無機微粒子に結合もしくは吸着し得る官能基を有する表面修飾剤としては、シラン、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属アルコキシド表面修飾剤や、リン酸基、硫酸基、スルホン酸基、カルボン酸基等のアニオン性基を有する表面修飾剤が好ましい。
さらに有機成分との親和性の高い官能基としては単に有機成分と親疎水性を合わせただけのものでもよいが、有機成分と化学的に結合しうる官能基が好ましく、特にエチレン性不飽和基、もしくは開環重合性基が好ましい。
本発明において好ましい無機微粒子表面修飾剤は、金属アルコキシド、またはアニオン性基とエチレン性不飽和基もしくはアニオン性基と開環重合性基を同一分子内に有する硬化性樹脂である。
これら表面修飾剤の代表例として以下の不飽和二重結合含有のカップリング剤や、リン酸基含有有機硬化性樹脂、硫酸基含有有機硬化性樹脂、カルボン酸基含有有機硬化性樹脂等が挙げられる。
S−1 H2C=C(X)COOC36Si(OCH33
S−2 H2C=C(X)COOC24OTi(OC253
S−3 H2C=C(X)COOC24OCOC510OPO(OH)2
S−4 (H2C=C(X)COOC24OCOC510O)2POOH
S−5 H2C=C(X)COOC24OSO3
S−6 H2C=C(X)COO(C510COO)2
S−7 H2C=C(X)COOC510COOH
S−8 3−(グリシジルオキシ)プロピルトリメトキシシラン
(X=H、あるいはCH3を表す)
これらの無機微粒子の表面修飾は、溶液中でなされることが好ましい。無機微粒子を機械的に微細分散する時に、一緒に表面修飾剤を存在させるか、または無機微粒子を微細分散したあとに表面修飾剤を添加して攪拌するか、さらには無機微粒子を微細分散する前に表面修飾を行って(必要により、加温、乾燥した後に加熱、またはpH変更を行う)、そのあとで微細分散を行う方法でもよい。
表面修飾剤を溶解する溶液としては、極性の大きな有機溶剤が好ましい。具体的には、アルコール、ケトン、エステル等の公知の溶剤が挙げられる。
有機微粒子としては特に制限がないが、エチレン性不飽和基を有するモノマーからなるポリマー粒子、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等からなるポリマー粒子が好ましく用いられ、その他に、ポリシロキサン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ゼラチン等の樹脂粒子が挙げられる。これらの粒子は架橋されていることが好ましい。
微粒子の微細化分散機としては、超音波、ディスパー、ホモジナイザー、ディゾルバー、ポリトロン、ペイントシェーカー、サンドグラインダー、ニーダー、アイガーミル、ダイノミル、コボールミル等を用いることが好ましい。また、分散媒としては前述の表面修飾用の溶媒が好ましく用いられる。
微粒子の充填量は、充填後の硬化被膜の体積に対して、2〜40体積%が好ましく、3〜30体積%がより好ましく、5〜20体積%が最も好ましい。
ハードコートフィルムを光学用途に用いる場合、ヘイズが低い方が好ましい。本発明の硬化被膜のヘイズは5%以下で、2%以下であることが好ましく、1.0%以下が最も好ましい。
(ハードコート層の高屈折率化)
本発明では光情報記録担体の透光層の基材としてポリカーボネートフィルムが好適に用いられており、屈折率は約1.60で高屈折率である。ハードコート層を高屈折率化し、基材の屈折率に近付ける方法としては[硬化層]の項で説明した様に高屈折率バインダー使用と高屈折率微粒子の添加および両者の併用が挙げられる。
ハードコート層に高屈折率微粒子を添加すると硬度と屈折率を同時に上げることができ、好ましい。
本発明で用いることができる高屈折率微粒子は、屈折率が1.90以上であれば特に限定されないが、ZnO(屈折率1.90)、TiO2(屈折率2.3〜2.7)、CeO2(屈折率1.95)、SnO2(屈折率2.00)、ITO(屈折率1.95)、Y23(屈折率1.87)、La23(屈折率1.95)、ZrO2(屈折率2.05)等が挙げられる。
かかる高屈折率微粒子の中でも、一般に微粒子の含量を上げ過ぎるとハードコート層が脆くなると言う問題があることから、添加量が少なくても所望の効果が得られる二酸化チタン微粒子が好ましい。
ところが、二酸化チタンは光触媒効果があり、紫外線を当てると有機化合物バインダーを分解する。光情報記録担体を太陽光下に曝すと太陽光の紫外線のため、ハードコート層が分解してしまう。近年光触媒効果を低減した二酸化チタンを主成分とした無機微粒子が開発されており、本発明ではこの様な二酸化チタンを主成分とする無機微粒子を用いることが特に好ましい。
[二酸化チタンを主成分とする無機微粒子]
本発明における二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、屈折率が1.90〜2.80であることが好ましく、2.10〜2.80であることがさらに好ましく、2.20〜2.80であることが最も好ましい。
二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の一次粒子の質量平均径は1〜200nmであることが好ましく、より好ましくは1〜150nm、さらに好ましくは1〜100nm、特に好ましくは1〜80nmである。
無機微粒子の粒子径は、光散乱法や電子顕微鏡写真により測定できる。無機微粒子の比表面積は、10〜400m2/gであることが好ましく、20〜200m2/gであることがさらに好ましく、30〜150m2/gであることが最も好ましい。
二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の結晶構造は、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造が主成分であることが好ましく、特にルチル構造が主成分であることが好ましい。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。
二酸化チタンを主成分とする無機微粒子に、Co(コバルト)、Al(アルミニウム)及びZr(ジルコニウム)から選ばれる少なくとも1つの元素を含有することで、二酸化チタンが有する光触媒活性を抑えることができ、本発明の高屈折率ハードコート層の耐候性を改良することができる。
特に、好ましい元素はCo(コバルト)である。また、2種類以上を併用することも好ましい。
Ti(チタン)に対するCo(コバルト)、Al(アルミニウム)、Zr(ジルコニウム)の含有量は、それぞれTiに対して0.05〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.2〜7質量%、特に好ましくは0.3〜5質量%、最も好ましくは0.5〜3質量%である。
Co(コバルト)、Al(アルミニウム)及びZr(ジルコニウム)は、二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の内部と表面の少なくともいずれかに存在させることができるが、二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の内部に存在させることが好ましく、内部と表面の両方に存在することが最も好ましい。
Co(コバルト)、Al(アルミニウム)、Zr(ジルコニウム)を、二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の内部に存在させる(例えば、ドープする)には、種々の手法がある。例えば、イオン注入法(青木康,「イオン注入法」,表面科学,1998,Vol.18,No.5,p.262−268)や、特開平11−263620号公報、特表平11−512336号公報、欧州特許出願公開第335773号明細書、特開平5−330825号公報に記載の手法が挙げられる。
二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の粒子形成過程において、Co(コバルト)、Al(アルミニウム)、Zr(ジルコニウム)を導入する手法(例えば、特表平11−512336号公報、欧州特許出願公開第335773号明細書、特開平5−330825号公報に記載)が特に好ましい。
Co(コバルト)、Al(アルミニウム)、Zr(ジルコニウム)は、酸化物として存在することも好ましい。
二酸化チタンを主成分とする無機微粒子には、目的により、さらに他の元素を含むこともできる。他の元素は、不純物として含んでいてもよい。他の元素の例には、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Mg、Si、PおよびSが含まれる。
本発明に用いる二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は表面処理してもよい。表面処理は、無機化合物または有機化合物を用いて実施する。表面処理に用いる無機化合物の例には、コバルトを含有する無機化合物(CoO2,Co23,Co34など)、アルミニウムを含有する無機化合物(Al23,Al(OH)3など)、ジルコニウムを含有する無機化合物(ZrO2,Zr(OH)4など)、ケイ素を含有する無機化合物(SiO2など)、鉄を含有する無機化合物(Fe23など)などが含まれる。
コバルトを含有する無機化合物、アルミニウムを含有する無機化合物、ジルコニウムを含有する無機化合物が特に好ましく、コバルト酸化物、Al(OH)3、Zr(OH)4が最も好ましい。
表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤およびチタネートカップリング剤が含まれる。シランカップリング剤が最も好ましい。特に下記一般式Aで表される有機金属化合物およびその誘導体で表面処理されていることが好ましい。

一般式A:(R1m−Si(OR2n
一般式A中、R1は置換または無置換のアルキル基またはアリール基を表す。R2は置換または無置換のアルキル基またはアシル基を表す。mは0〜3の整数を表し、nは1〜4の整数を表すが、mとnの合計は4である。
一般式Aにおいて、R1で表されるアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヘキシル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。R1で表されるアルキル基の好ましい炭素数は、1〜30、より好ましい炭素数1〜16、特に好ましくは1〜6である。R1で表されるアリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
1が有する置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル基、エチル基、i−プロピル基、プロピル基、t−ブチル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)、芳香族ヘテロ環基(フリル基、ピラゾリル基、ピリジル基等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ基、ヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル基、1−プロペニル基等)、アルコキシシリル基(トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル基等)、カルバモイル基(カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−メチル−N−オクチルカルバモイル基等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、(メタ)アクリロイルアミノ基等)等が好ましい。尚、本願において、(メタ)アクリロイル等の記載は、アクリロイル又はメタアクリロイルの意味を表す。
これらのうちで更に好ましくは水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アルコキシシリル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基であり、特に好ましくはエポキシ基、重合性のアシルオキシ基((メタ)アクリロイルオキシ基等)、重合性のアシルアミノ基((メタ)アクリロイルアミノ基等)である。またこれら置換基は更にこれらの置換基で置換されていてもよい。
2は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアシル基を表し、これらの基の具体例、並びにこれらの基が有することできる置換基はR1の説明で挙げたものと同じである。R2として好ましくは無置換のアルキル基もしくは無置換のアシル基であり、特に好ましくは無置換のアルキル基である。
mは0〜3の整数を表す。nは1〜4の整数を表す。mとnの合計は4である。R1もしくはR2が複数存在するとき、複数のR1もしくはR2はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。mとして好ましくは0、1、2であり、特に好ましくは1である。
以下に一般式Aで表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006059430
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これらの具体例の中で、(1)、(12)、(18)、(19)等が特に好ましい。
一般式Aの化合物の含有量は、本発明の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子を含有する層の全固形分の1〜90質量%が好ましく、より好ましくは2〜80質量%、特に好ましくは5〜50質量%である。
チタネートカップリング剤としては、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、のどのテトライソプロポキシチタンなどの金属アルコキシド、プレンアクト(KR−TTS、KR−46B、KR−55、KR−41Bなど;味の素(株)製)などが挙げられる。
表面処理に用いる有機化合物としては、アニオン性基を有する有機化合物なども好ましく、特に好ましいのは、カルボキシル基、スルホン酸基、又は、リン酸基を有する有機化合物である。ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などが好ましく用いることができる。
表面処理に用いる有機化合物は、さらに、架橋又は重合性官能基を有することが好ましい。架橋又は重合性官能基としては、ラジカル種による付加反応・重合反応が可能なエチレン性不飽和基(例えば(メタ)アクリル基、アリル基、スチリル基、ビニルオキシ基等)、カチオン重合性基(エポキシ基、オキサタニル基、ビニルオキシ基等)、重縮合反応性基(加水分解性シリル基等、N−メチロール基)等が挙げられ、好ましくはエチレン性不飽和基を有する基である。
これらの表面処理に用いる有機化合物は、2種類以上を併用することもできる。アルミニウムを含有する無機化合物とジルコニウムを含有する無機化合物を併用することが、特に好ましい。
本発明の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、表面処理により特開2001−166104号公報記載のごとく、コア/シェル構造を有していてもよい。
本発明の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることが好ましく、特に好ましくは不定形状、紡錘形状である。
[分散剤]
本発明の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、分散剤を用いて分散させて用いることが好ましい。分散剤としてはアニオン性基を有する分散剤を用いることが特に好ましい。
アニオン性基としては、カルボキシル基、硫酸性の基(スルホキシ基及びスルホ基)、リン酸性の基(ホスホノキシ基及びホスホノ基)、スルホンアミド基等の酸性プロトンを有する基、またはその塩が有効であり、特にカルボキシル基、スルホ基、リン酸性の基及びその塩が好ましく、カルボキシル基及びリン酸性の基が特に好ましい。1分子当たりの分散剤に含有されるアニオン性基の数は、1個以上含有されていればよい。
無機微粒子の分散性をさらに改良する目的でアニオン性基は複数個が含有されていてもよい。平均で2個以上であることが好ましく、より好ましくは5個以上、特に好ましくは10個以上である。また、分散剤に含有されるアニオン性基は、1分子中に複数種類が含有されていてもよい。
分散剤は、さらに架橋又は重合性官能基を含有することが好ましい。架橋又は重合性官能基としては、ラジカル種による付加反応・重合反応が可能なエチレン性不飽和基(例えば(メタ)アクリロイル基、アリル基、スチリル基、ビニルオキシ基等)、カチオン重合性基(エポキシ基、オキサタニル基、ビニルオキシ基等)、重縮合反応性基(加水分解性シリル基等、N−メチロール基)等が挙げられ、好ましくはエチレン性不飽和基を有する官能基である。
本発明の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の分散に用いる好ましい分散剤は、アニオン性基、及び架橋又は重合性官能基を有し、かつ該架橋又は重合性官能基を側鎖に有する分散剤である。
アニオン性基、及び架橋又は重合性官能基を有し、かつ該架橋又は重合性官能基を側鎖に有する分散剤の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが1000以上であることが好ましい。分散剤のより好ましい重量平均分子量(Mw)は2000〜1000000であり、さらに好ましくは5000〜200000、特に好ましくは10000〜100000である。
アニオン性基、及び架橋又は重合性官能基を有し、かつ該架橋又は重合性官能基を側鎖に有する分散剤は、上記アニオン性基を側鎖又は末端に有する。特に好ましい分散剤は、側鎖にアニオン性基を有する分散剤である。
側鎖にアニオン性基を導入する方法としては、例えばアニオン性基含有モノマー(例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、部分エステル化マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、燐酸モノ−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル等を重合させる方法、水酸基、アミノ基等を有するポリマーに対して酸無水物を作用させる方法等の高分子反応の利用によって合成できる。
側鎖にアニオン性基を有する分散剤において、アニオン性基含有繰返し単位の組成は、全繰返し単位のうちの10-4〜100mol%の範囲であり、好ましくは1〜50mol%、特に好ましくは5〜20mol%である。
一方、末端にアニオン性基を導入する手法としては、アニオン性基含有連鎖移動剤(例えばチオグリコール酸等)の存在下で重合反応を行う手法、アニオン性基含有重合開始剤(例えば和光純薬工業性V−501)を用いて重合反応を行う手法等によって合成できる。
本発明に用いる好ましい分散剤において、側鎖にエチレン性不飽和基を有する繰返し単位の例としては、ポリ−1,2−ブタジエンおよびポリ−1,2−イソプレン構造あるいは、(メタ)アクリル酸のエステルまたはアミドの繰返し単位であって、それに特定の残基(−COORまたは−CONHRのR基)が結合しているものが利用できる。上記特定の残基(R基)の例としては、−(CH2n−CR11=CR1213、−(CH2O)n−CH2CR11=CR1213、−(CH2CH2O)n−CH2CR11=CR1213、−(CH2n−NH−CO−O−CH2CR11=CR1213、−(CH2n−O−CO−CR11=CR1213および−(CH2CH2O)2−X(R11〜R13はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基であり、R11とR12またはR13は互いに結合して環を形成してもよく、nは1〜10の整数であり、そしてXはジシクロペンタジエニル残基である)を挙げることができる。エステル残基の具体例には、−CH2CH=CH2(特開昭64−17047号公報記載のアリル(メタ)アクリレートのポリマーに相当)、−CH2CH2O−CH2CH=CH2、−CH2CH2OCOCH=CH2、−CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、−CH2C(CH3)=CH2、−CH2CH=CH−C65、−CH2CH2OCOCH=CH−C65、−CH2CH2−NHCOO−CH2CH=CH2および−CH2CH2O−X(Xはジシクロペンタジエニル残基)が含まれる。アミド残基の具体例には、−CH2CH=CH2、−CH2CH2−Y(Yは1−シクロヘキセニル残基)および−CH2CH2−OCO−CH=CH2、−CH2CH2−OCO−C(CH3)=CH2が含まれる。
上記のエチレン性不飽和基を有する分散剤においては、その不飽和結合基にフリーラジカル(重合開始ラジカルまたは重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、分子間で直接、または重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、分子間に架橋が形成されて硬化する。あるいは、分子中の原子(例えば不飽和結合基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、分子間に架橋が形成されて硬化する。
側鎖に架橋又は重合性官能基を導入する方法は、例えば特開平3−249653号公報等に記載のごとく架橋又は重合性官能基含有モノマー(例えばアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリアルコキシシリルプロピルメタクリレート等)の共重合、ブタジエンあるいはイソプレンの共重合、3−クロロプロピオン酸エステル部位を有するビニルモノマーの共重合を行った後に脱塩化水素を行う方法、高分子反応による架橋又は重合性官能基の導入(例えばカルボキシル基含有ポリマーへのエポキシ基含有ビニルモノマーの高分子反応)等によって合成することができる。
架橋又は重合性官能基の含有単位は、アニオン性基含有繰返し単位以外の全ての繰返し単位を構成していてもよいが、好ましくは全架橋又は繰返し単位のうちの5〜50mol%であり、特に好ましくは5〜30mol%である。
本発明の好ましい分散剤は、架橋又は重合性官能基、アニオン性基を有するモノマー以外の適当なモノマーとの共重合体であってもよい。共重合成分に関しては特に限定はされないが、分散安定性、他のモノマー成分との相溶性、形成皮膜の強度等種々の観点から選択される。好ましい例としては、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、スチレン等が挙げられる。
本発明の好ましい分散剤の形態は特に制限はないが、ブロック共重合体またはランダム共重合体であることが好ましくコストおよび合成的な容易さからランダム共重合体であることが特に好ましい。
以下に本発明に好ましく用いられる分散剤の具体例を示すが、本発明用の分散剤はこれらに限定されるものではない。なお特に記載の無い場合はランダム共重合体を表す。
Figure 2006059430
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分散剤の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子に対する使用量は、1〜50質量%の範囲であることが好ましく、5〜30質量%の範囲であることがより好ましく、5〜20質量%であることが最も好ましい。また、分散剤は2種類以上を併用してもよい。
[高屈折率無機超微粒子の超微粒子化および分散方法]
本発明の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子を含有する層(支持体と隣接する層。以下、支持体隣接高屈折率層という。)を形成するための組成物(支持体隣接高屈折率層用組成物)は、含有する高屈折率無機粒子を平均粒径100nm以下の超微粒子分散物とすることが好ましい。それにより、該組成物の液の安定性が向上し、得られる支持体隣接高屈折率層は、高屈折率無機超微粒子が支持体隣接高屈折率層のマトリックス中で超微粒子状態で均一に分散されて存在し、光学特性が均一で透明な支持体隣接高屈折率層を形成することができる。支持体隣接高屈折率層のマトリックス中で存在する超微粒子の大きさは、平均粒径3〜100nmの範囲が好ましく、5〜100nmがより好ましい。特に10〜80nmが最も好ましい。
更には、500nm以上の平均粒径の大粒子が含まれないことが好ましく、300nm以上の平均粒径の大粒子が含まれないことが特に好ましい。これにより、高屈折率ハードコート層、さらにはこれを用いた透光層の散乱に起因するノイズを防止できる。
上記高屈折率無機超微粒子を上記の範囲の粗大粒子を含まない超微粒子の大きさに分散するためには、前記の分散剤と共に、平均粒径0.8mm未満のメディアを用いた湿式分散方法で分散することが好ましい。
湿式分散機としては、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、ダイノミル、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター、コロイドミル等の従来公知のものが挙げられる。
特に本発明の高屈折率無機微粒子を超微粒子に分散するには、サンドグラインダーミル、ダイノミル、及び高速インペラーミルが好ましい。
上記分散機と共に用いるメディアとしては、その平均粒径が0.8mm未満であり、平均粒径がこの範囲のメディアを用いることで上記の超微粒子の平均粒径が100nm以下となり、かつ粒径の揃った超微粒子を得ることができる。メディアの平均粒径は、好ましくは0.5mm以下であり、より好ましくは0.05〜0.3mmである。
また、湿式分散に用いられるメディアとしては、ビーズが好ましい。具体的には、ジルコニアビーズ、ガラスビーズ、セラミックビーズ、スチールビーズ等が挙げられ、分散中におけるビーズの破壊等を生じ難い等の耐久性と超微粒子化の上から0.05〜0.3mmのジルコニアビーズが特に好ましい。
分散工程での分散温度は20〜60℃が好ましく、より好ましくは25〜45℃である。この範囲の温度で超微粒子に分散すると分散粒子の再凝集、沈殿等が生じない。これは、無機粒子への分散剤の吸着が適切に行われ、常温下での分散剤の粒子からの脱着等による分散安定不良とならないためと考えられる。
このような範囲において、透明性を損なわなず、屈折率が均一で、膜の強度が高く、高屈折率ハードコート層を形成できる。
また、上記湿式分散の工程の前に、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例には、ボールミル、三本ロールミル、ニーダーおよびエクストルーダーが含まれる。
更には、分散物中の分散粒子がその平均粒径、および粒径の単分散性が上記した範囲を満足する上で、分散物中の粗大凝集物を除去するためにビーズとの分離処理において精密濾過されるように濾材を配置することも好ましい。精密濾過するための濾材は濾過粒子サイズ25μm以下が好ましい。精密濾過するための濾材のタイプは上記性能を有していれば特に限定されないが例えばフィラメント型、フェルト型、メッシュ型が挙げられる。分散物を精密濾過するための濾材の材質は上記性能を有しており、且つ塗布液に悪影響を及ばさなければ特に限定はされないが例えばステンレス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げられる。
これらの高屈折率無機超微粒子の添加量は、高屈折率ハードコート層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜70%であり、特に好ましくは30〜50%である。
尚、このような高屈折率無機超微粒子は、粒径が光の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、高屈折率無機超微粒子が分散したマトリックスは、前述の通り、光学的に均一な物質として振舞い、好ましい。
(防汚性ハードコート層)
本発明では、これらの作製した硬化被膜に防汚剤を含有させること、または、フッ素および/またはケイ素を含有した低表面エネルギー性の硬化樹脂を含む活性エネルギー線の照射により硬化する硬化性組成物を主体とする防汚性層を積層することにより、防汚性硬化被膜とすることができる。
本発明に用いられる防汚剤は、硬化性を有する基材に撥水性、撥油性等の防汚性を付与するもので、そのようなものとしては、エネルギー線硬化樹脂組成物の調製及び基材上に塗布する際に不都合が無く、かつ硬化被膜形成時に、硬化被膜表面で撥水性、撥油性を発現するものであればいかなるものであっても良い。そのようなものとしてはフッ素および/またはケイ素を含有する硬化樹脂があげられる。また、本発明に用いられる硬化被膜に積層された防汚性層はフッ素および/またはケイ素を含有する硬化性樹脂を含む組成物によって形成することもできる。
本発明で用いられる硬化被膜または防汚性層に含有するフッ素および/またはケイ素を含有する硬化性樹脂としては、公知のフッ素硬化性樹脂やケイ素硬化性樹脂、あるいはフッ素とケイ素含有部を有するブロックを有する硬化性樹脂が挙げられ、さらに樹脂あるいは金属酸化物等と相溶性の良いセグメントとフッ素あるいはケイ素を含有するセグメントとを有する硬化性樹脂が好ましく、硬化被膜または防汚性層へ添加することで、表面にフッ素あるいはケイ素を偏在させることができる。
これらの具体的な硬化性樹脂としては、フッ素あるいはケイ素を含有するモノマーと他の親水性あるいは親油性のモノマーとのブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体が挙げられる。フッ素含有モノマーとしてはヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、パーフルオロアルキルスルホンアミドエチルアクリレート、パーフルオロアルキルアミドエチルアクリレート等に代表されるパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。ケイ素含有モノマーとしてはポリジメチルシロキサンと(メタ)アクリル酸等の反応によるシロキサン基を有するモノマーが挙げられる。
親水性あるいは親油性のモノマーとしては、メチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、末端に水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸のエステル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。市販の硬化性樹脂としては、パーフルオロアルキル鎖のミクロドメイン構造を有するアクリル系オリゴマーのデフェンサMCF−300、312、323等、パーフルオロアルキル基・親油性基含有オリゴマーのメガファックF−170、F−173、F−175等、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマーのメガファックF−171等(大日本インキ化学(株)製)や、表面移行性に優れたセグメントと樹脂に相溶するセグメントよりなるビニルモノマーのブロックポリマーであるフッ化アルキル系のモディパーF−200、220、600、820等、シリコン系のモディパーFS−700、710等(日本油脂(株)製)が挙げられる。
硬化被膜の上に防汚性の層を設けるには、フッ素原子を含有した低表面エネルギー性の硬化性樹脂が好ましく、具体的には、特開昭57−34526号公報、特開平2−19801号公報、特開平3−179010号公報等に記載のフッ化炭化水素基を含有するシリコン硬化性樹脂、フッ化炭化水素基含有ポリマー等が挙げられる。
(塗布液の有機溶剤)
硬化性組成物の塗布液は、ケトン系、アルコール系、エステル系等の希釈有機溶剤に、上記の多官能モノマーと重合開始剤を主体に溶解して調製する。さらに、表面修飾した硬無機微粒子分散液と軟微粒子分散液を添加して調製することができる。
次に、前記硬化組成物を希釈する有機溶剤について説明する。
本発明では、上記有機溶剤として、溶解性パラメータ(SP値)が8.3以上10.5以下の有機溶剤が全有機溶剤中に含有される割合が、60質量%以下であることが好ましく、50%以下であることが更に好ましく、40%以下であることが特に好ましい。
また、SP値が9.0以上10.0以下の有機溶剤は、ポリカーボネートフィルム用硬化組成物中の全有機溶剤中に含有される割合が20%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下であることがさらに好ましく、全く含まれないことが最も好ましい。
本発明における溶解性パラメータ(SP値)とは、σ=[(△H−RT)/VL]1/2(ここで、σ:溶解性パラメータ、△H:蒸発熱、VL:モル体積、R:気体定数を表す)の式により求めた値であり、△Hは、Hildebrand ruleに従って、沸点より計算される、△H298=23.7Tb+0.020Tb2−2950の値とする(ここで、Tb:沸点)。従って、溶解性パラメータも298°Kの値とする。なお、Hildebrand ruleにより求められた溶解性パラメータの具体例は、例えばJ.BRANDRUP, E.H.IMMERGUT, and,E.A.GRULKE“POLYMER HANDBOOK FORTH EDITION” VII/688−694(1998),JOHN WILEY & SONS,INC.に一部具体的に記載されている。またHildebrand ruleによる溶解度パラメータの計算方法に関しては、J.H.Hildebrand,"Solubility of Nonelectrolytes"p.424−427(1950),Reinhold Publishing Co.に記載されている。
代表的な化合物のSP値を表1に示す。
Figure 2006059430
本発明者の研究によれば、硬化性組成物から形成される機能層に発生する点欠陥は、該組成物の有機溶剤がポリカーボネートフィルムに浸透して、表面を不均一に膨潤し、フィルムと塗布液の界面に50〜100μm程度の大きさの突起が生じ、この機能性フィルムを、例えば液晶ディスプレイ等画像表示装置用光学フィルムとして用いた場合、その突起は点欠陥として認識される。そして、溶解性パラメータ(SP値)が8.3以上10.5以下、特に9.0以上10.0以下の有機溶剤は、ポリカーボネートフィルムに容易に浸透して、表面を不均一に膨潤し、上記突起を発生しやすい。
以下、ポリカーボネートフィルムに浸透して表面を不均一に膨潤し易い溶剤を、ポリカーボネートを侵す溶剤と称する。
即ち、本発明の硬化組成物を希釈する有機溶剤として、25℃でポリカーボネートを侵す有機溶剤が全有機溶剤中に含有される割合が、60質量%以下好ましくは50%以下、特に好ましくは40%以下である組成の有機溶剤を用いても良い。
ここで、25℃でポリカーボネートを侵すか侵さないかの判断は、25℃の雰囲気下で硬化層を形成すべき基材として用いるポリカーボネートフィルム片(1cm×2cm)を溶剤50ccの中に付け攪拌し、5分後に観察し、目視観察することによって行う。
ポリカーボネートフィルムを侵食する溶剤はポリカーボネートフィルムを溶解又は白濁させる。溶解又は白濁のスピードを観察することによって、侵食の度合いを評価することができる。また、ポリカーボネートフィルムを侵食する度合いの大きいものはポリカーボネートフィルムを完全に溶解する。ポリカーボネートフィルムを侵食しない溶剤はポリカーボネートフィルムを白濁せず、透明なままである。
[25℃でポリカーボネートを侵す溶剤]
例えば、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、酢酸メチルなどが挙げられる。
[25℃でポリカーボネートを侵さない溶剤]
例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、エタノール、シクロヘキサン、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
25℃でポリカーボネートを侵さない溶剤として、上記の他に、上記以外のアルコール類、ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3,3−テトラメチルブタン等の飽和脂肪族炭化水素、ペンテン、ヘキセン及びその異性体、ヘキサジエン及びその異性体、ヘキサトリエン、ヘプテン及びその異性体、ヘプタジエン及びその異性体、ヘプタトリエン、オクテン及びその異性体、オクタジエン、オクタトリエン、ノネン、ノナジエン、ノナトリエン、デセン、ウンデセン、ドデセン等の不飽和脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、ジエチルシクロペンタン、イソプロピルシクロペンタン、シクロオクタン等の飽和脂環式炭化水素系、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、ジメチルシクロヘキセン、エチルシクロヘキセン、シクロヘキサジエン、メチルシクロヘキサジエン、シクロヘプテン等の不飽和脂環式炭化水素系、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエ−テル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジペンチルエーテル等の鎖状エーテル系等の非極性溶剤を挙げることができる。
[塗工]
本発明の硬化層の作製は、ポリカーボネートフィルム基材上に硬化塗布液をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、グラビア法、ワイヤーバー法、スロットエクストルージョンコーター法(単層、重層)、スライドコーター法等の公知の薄膜形成方法で塗布し、乾燥、紫外線照射して、硬化させることにより作製することができる。
乾燥は、塗布した液膜中の有機溶媒濃度が、乾燥後に5質量%以下になる条件が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。乾燥条件は、基材の熱的強度や搬送速度、乾燥工程長さなどの影響を受けるが、できるだけ有機溶媒の含有率の低いほうが重合率を高める点で好ましい。
また、本発明で好ましく用いられるアクリレートモノマーを主成分とする紫外線硬化型組成物は酸素下で紫外線を照射すると、硬化不良が起こり、スチールウールで擦った場合、傷が出易くなる。これを防止するためには、紫外線照射雰囲気の酸素濃度を下げる必要がある。照射時の酸素濃度は1%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましく、0.3%以下が特に好ましい。
[粘着層]
以上で説明して来た光学用ハードコートフィルムを光記録ディスクの透光層として用いる場合、支持体や記録層を含む基板と粘着層(粘着剤ないし接着剤を含む)を介して貼り合わせることが好ましい。粘着層を設置する工程において、あらかじめ一方の面にハードコート層が形成された透光性フィルムのハードコート層塗設面と異なる面に、粘着層を連続的に設けることができる。粘着層を設ける方法としては、予め形成された粘着層を貼り付ける方法(以下、適宜、間接法と称する)と、透光性フィルムの表面に、直接、粘着剤を塗布し、乾燥させることで粘着層を形成する方法(以下、適宜、直接法と称する。)と、の2つに大別することができる。
間接法の場合における「予め形成された粘着層を貼り付ける方法」とは、例えば、透光性フィルムと同じ大きさの離型フィルムの表面に、連続的に粘着剤を塗布し、乾燥させることで、離型フィルムの一方の面全域に粘着層を設け、その粘着層を透光性フィルムに貼り付ける方法を示す。その結果、透光性フィルムの他方の面全域には、離型フィルム付きの粘着層が設けられることになる。
直接法は、ロール状に巻回された透光性フィルムの先端を、所定の塗布領域まで送り出し、その透光性フィルムの一方の面の先端から末端まで、粘着剤を連続的に塗布し、塗膜を形成した後、順次、その塗膜を乾燥させて、透光性フィルムの他方の面全域に粘着層を設ける方法である。
上記の間接法及び直接法において、粘着剤の塗布手段としては、従来公知の塗布手段を用いることができる。具体的には、スプレー法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などが挙げられる。
また、乾燥手段としては、加熱乾燥、送風乾燥など、従来公知の手段を用いることができる。
粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
粘着剤や接着剤は通常、屈折率が1.40〜1.70程度の様々なものが存在する。本発明の透光カバー層には屈折率が1.50程度のアクリル系粘着剤が主に使われる。本発明では粘着剤の屈折率をポリカーボネートフィルム基材の屈折率に合わせることにより、ポリカーボネートフィルム基材の点欠陥が粘着層との屈折率差によって引き起こされる散乱を防止することができる。
近年様々な屈折率の粘着剤または接着剤が開発されてきており、例えば(井出文雄、光学用透明樹脂、技術情報会、177−180(2001年))には、低屈折率のフッ素原子を有するエポキシ系やアクリル系樹脂、高屈折率のイオウ原子を有するビニル樹脂などが例示されており、これらを主なベースレジンとして使用することにより、その屈折率(硬化物のNa−D線測定値)を1.33から1.70の範囲、±0.005以下の精度で自由にコントロールできる透明な接着剤の例が詳述されている。本発明ではこれらの接着剤を用いることもできる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ樹脂系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、尿素樹脂系架橋剤、キレート系架橋剤が挙げられるが、この中でも、イソシアネート系架橋剤がより好ましい。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4−4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製、デスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
透光性フィルムのハードコート層が設置された以外の面に粘着層が形成されるが、その後の工程においてロール状に巻き取られ、ハードコート層と粘着層とが密着してしまうことを防止するためにも、粘着層の表面には、離型フィルムが貼り付けられていることが好ましい。上述のように、間接法においては、予め、離型フィルムを貼りつけた状態とすることができる。一方、直接法の場合には、粘着層が透光性フィルムの表面に形成された後に、その粘着層の表面に離型フィルムを貼り付ける工程を新たに加えることが好ましい。
ここで、粘着層の表面に貼り付けられる離型フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートセルロースフィルムなどが挙げられる。
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
表3に従ってポリカーボネートフィルム(屈折率1.60)上にハードコート層と粘着層を積層した透光層を作製し、記録層を設けた支持体に貼り付け、本発明の光情報記録担体を作製した。
以下に工程に従って順に説明する。
<ハードコートフィルムの作製>
[二酸化チタン分散液の調製]
(二酸化チタン微粒子分散液の調製)
二酸化チタン微粒子としては、コバルトを含有し、かつ水酸化アルミニウムと水酸化ジルコニウムを用いて表面処理を施した二酸化チタン微粒子(MPT−129C、石原産業(株)製、TiO2:Co34:Al23:ZrO2=90.5:3.0:4.0:0.5質量比)を使用した。
この二酸化チタン微粒子257.1gに、下記分散剤38.6g、およびメチルイソブチルケトン704.3gを添加してダイノミルにより分散し、質量平均径70nmの二酸化チタン分散液を調製した。
Figure 2006059430
[ハードコート塗布液の調製]
(ハードコート層塗布液(H−1)の調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)450質量部を、210質量部のイソプロピルアルコール(IPA)と140質量部のメチルイソブチルケトン(MIBK)の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)12.0質量部を加え、溶解するまで攪拌した後に、380質量部のIPA−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30質量%のSiO2 ゾルのイソプロピルアルコール分散物、日産化学(株)製)と257質量部のMIBK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30質量%のSiO2 ゾルのメチルイソブチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)を添加し、撹拌して混合物を得、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してハードコート層用塗布液(H−1)を調製した。
硬化後の屈折率は1.50であった。
(ハードコート層塗布液(H−2)の調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)450質量部を、1148質量部の二酸化チタン分散液と201質量部のIPA−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30質量%のSiO2 ゾルのイソプロピルアルコール分散物、日産化学(株)製)、914質量部のメチルイソブチルケトン(MIBK)を混合攪拌した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)12.0質量部を加え、溶解するまで攪拌した後に、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してハードコート層用塗布液(H−2)を調製した。
硬化後の屈折率は1.60であった。
(ハードコート層塗布液(H−3)〜(H−5)の調製)
上記(H−1)と(H−2)を混合し硬化後の屈折率が表3に示す値になる様にハードコート層塗布液(H−3)〜(H−5)を調製した。
表2にハードコート層塗布液調製に用いた溶媒のSP値を記す。
Figure 2006059430
(ハードコートフィルムの作製)
幅1000mmで厚さ80mmの表面保護フィルムとして20μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムを共巻きしたポリカーボネートフィルム(帝人化成(株)製ピュアエース110−80)の表面保護フィルムを巻き取り除去しながら送り出し、エア面にハードコート塗布液を乾燥後の厚みが3.3μm、塗工幅が980mmになるように、バーコーターを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥後、窒素パージ下(酸素濃度0.1%)で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量500mJ/cm2の紫外線を照射し、ハードコート層を硬化させ、ハードコートフィルムを100m巻き取った。
<透光層の作製>
[粘着剤塗布液の調製]
(粘着剤塗布液(A−1)の調製)
アクリル系共重合体(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、イソシアネート系架橋剤(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、を100:1(質量比)で混合し、粘着剤塗布液(A−1)を調製した。積層後の屈折率は1.50であった。
(粘着剤塗布液(A−2)の調製)
硫黄含有アクリル系共重合体(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、イソシアネート系架橋剤(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、を100:1(質量比)で混合し、粘着剤塗布液(A−2)を調製した。積層後の屈折率は1.60であった。
(粘着剤塗布液(A−3)〜(A−5)の調製)
上記(A−1)と(A−2)を混合し積層後の屈折率が表3に示す値になる様に粘着剤塗布液(A−3)〜(A−5)を調製した。
[粘着層付きハードコートフィルムの作製]
(粘着層の積層)
図1に示す粘着剤設置装置を用いて、ハードコートフィルムの表面に粘着層を設けた。ロール1に巻回されたハードコートフィルムf1を矢印の方向に送り出し、設置された塗布手段2を用いて、ハードコートフィルムf1の表面(ハードコート層を積層していない面)に粘着剤塗布液を塗布した(塗布工程)。その後、粘着層が形成されたハードコートフィルムf1を、乾燥領域に設置された乾燥手段3により100℃で乾燥し(乾燥工程)、粘着層を備えたハードコートフィルムを得た。そして、粘着層を備えたハードコートフィルムを、更に搬送し、ロール4から送り出されたポリエチレンテレフタレート製離型フィルムf2と、貼り合わせ領域aにて、貼り合わせた(貼り合わせ工程)。そして、ロール5に、粘着層を備えるハードコートフィルムと離型フィルムを共巻きした(巻き取り工程)。
(エージング工程)
その後、粘着層を備えるハードコートフィルムと離型フィルムを共巻きした状態のロール5を23℃、50%RHの雰囲気で、72時間保持した。この「72時間」とは、前記雰囲気下において、本実施例における粘着層を赤外線分光吸収スペクトルで経時的に測定し、イソシアネートに由来する2275〜2250cm-1付近に出現する吸収ピークが実質的になくなるまでの経時時間であり、本実施例における「粘着層の架橋反応が実質的に終了するまで」に対応する時間である。なお、本工程において、赤外分光吸収スペクトルは下記条件にてFT−IR1回反射法で測定した。
測定機:サーモ ニコレジャパン製 Nexus670
測定アクセサリ:OMNI−Sampler 1回反射型水平ATR装置
積算回数:4cm-1 32回
検出器:MCT−A(高感度検出器)
<光記録ディスクへの適用>
[光記録ディスクの作製]
(光情報記録担体の作製)
スパイラル状のグルーブ(深さ100nm、幅120nm、トラックピッチ320nm)を有し、厚さ1.1mm、直径120mmのポリカーボネート樹脂(帝人社製ポリカーボネート、商品名:パンライトAD5503)基板を射出成形した。得られた基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタして100nmの厚さの光反射層を形成した(光反射層形成工程)。
その後、オラゾールブルGN(フタロシアニン系色素、cibaスぺシャリティケミカル社製)20gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール1リットル中に添加し、2時間超音波処理を行って溶解し、記録層形成用の塗布液を調製した。調製された塗布液を、光反射層上に、回転数を300〜4000rpmまで変化させながら、23℃、50%RHの条件で、スピンコートにより塗布した。その後、23℃、50%RHで1〜4時間保存して形成された記録層の膜厚100nmであった(記録層形成工程)。そして、記録層上に、ZnS−SiO2を厚さ5nmになるようにスパッタし、中間層を形成した。
(透光層の打ち抜き工程)
共巻した状態の粘着層を備えるハードコートフィルムと離型フィルムとを、ロール5から送り出し、上記基板と同じ形状に打ち抜いた。
(透光カバー層の貼り付け)
打ち抜かれた粘着層を備えるハードコートフィルムと離型フィルムとの積層体は、図2に示す様に、センターホールより僅かに小さな外径を有するストックジグ20に嵌め込む様にして、略水平に、50枚積層した。その状態で、1時間保持した。
その後、1枚毎に取り出し、離型フィルムを剥し、上記中間層と粘着層とをローラによる押し圧手段によって貼り合わせ、光情報記録担体を作製した。
<光情報記録担体の評価>
(1)耐擦傷性の評価
作製したハードコートフィルムをラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストをおこなった。
試料調湿条件: 25℃、60%RH、2時間以上。
こすり材: 試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)にスチールウール(日本スチールウール製、ゲレードNo.0000)を巻いて、動かないようバンド固定した。
移動距離(片道):8cm、こすり速度:13cm/秒、荷重:1.96N/cm2、先端
接触部面積:1cm×1cm、こすり回数:10往復。
こすり部分の傷を、以下の規準で2段階評価した。
傷が見えない。 :◎
傷が見える。 :×
(2)C/N(搬送波対雑音比)
作製された光情報記録担体を、405nmのレーザ、NA:0.85ピックアップを搭載した記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)を使用し、クロック周波数66MHz/線速5.6m/sの条件で単一周波数の信号(2T=0.13μm)で記録及び再生し、スペクトルアナライザを用いてC/Nを測定した。
Figure 2006059430
表3に示される結果から、以下のことが明らかである。
光情報記録担体透光カバー層の表面にハードコート層を設けることで表面に耐擦傷性を付与することができる。(実施例1に対し2または3、比較例1に対し2)
ハードコート層または粘着層の屈折率をポリカーボネートフィルムのそれに合わせることで記録読み取り特性が改善される。(比較例2に対し実施例2、比較例2に対し実施例4)
ハードコート層と粘着層の屈折率をポリカーボネートフィルムのそれに合わせることで記録読み取り特性を更に改善することができる。(実施例1または実施例4に対し実施例3)
ハードコート層を積層していない透光カバー層においても粘着層の屈折率をポリカーボネートフィルムのそれに合わせることで記録読み取り特性が改善される。(比較例1に対し実施例1)
また、ハードコート層及び粘着層の屈折率差が0.05を超えると記録特性が急激に変化するが、0.05以下では変化が僅かである。即ち、屈折率差が0.05以内であれば記録特性の劣化は無視できるレベルといえる。(実施例3、実施例5〜6及び比較例1〜2の比較)
以上の結果から本発明の光情報記録担体はノイズを減少することができ、特に高密度光情報記録担体に好適である。
長尺ロール状ハードコートフィルムの表面に粘着層を連続的に設ける方法の例示的態様に用いられる粘着層設置装置の概略断面図 保持手段にディスク状の粘着層が設けられたカバーフィルムを略水平に積層した状態を示す概略図 支持体A、記録層Bおよび透光層Cを具備し、透光層Cがフィルム基材Eと粘着層Dよりなる本発明の光情報記録担体の構成の一例(実施例1、比較例1の光情報記録担体参照) 支持体A、記録層Bおよび透光層Cを具備し、透光層Cがフィルム基材Eと粘着層Dと硬化層Fよりなる本発明の光情報記録担体の構成の一例(実施例2〜4、比較例2の光情報記録担体参照)
符号の説明
1、4、5 ロール
2 塗布手段
3 乾燥手段
10 台座
20 ストックジグ
1 ハードコートフィルム
2 離型フィルム
3 粘着層が設けられたディスク状カバーフィルム
A 支持体
B 記録層
C 透光層
D 粘着層
E フィルム基材
F 硬化層

Claims (13)

  1. 流延法により製造されたフィルムを基材とし、粘着層が積層されてなる透光カバー層を具備する光情報記録担体において、該フィルム基材の屈折率をnSおよび該粘着層の屈折率をnAとした場合、下記式で表される条件を満たすことを特徴とする、光情報記録担体。
    │nS−nA│≦0.05
    (上記式中、屈折率nSおよびnAは25℃、波長400〜432nmで測定する)
  2. 流延法により製造されたフィルム基材上に硬化層が積層され、反対面に粘着層が積層されてなる透光カバー層を具備する光情報記録担体において、該フィルム基材の屈折率をnS、該硬化層の屈折率をnH、該粘着層の屈折率をnAとした場合、下記式で表される条件のうち、少なくとも1つを満たすことを特徴とする、光情報記録担体。
    │nS−nH│≦0.05
    │nS−nA│≦0.05
    (上記式中、屈折率nS、nHおよびnAは25℃、波長400〜432nmで測定する)
  3. 上記フィルム基材が、ポリカーボネートからなることを特徴とする、請求項1または2に記載の光情報記録担体。
  4. 上記硬化層が、屈折率が1.90以上である無機微粒子を含有する、請求項2または3に記載の光情報記録担体。
  5. 上記無機微粒子が、二酸化チタンを主成分とし、かつコバルト、アルミニウムおよびジルコニウムからなる群より選択される元素を少なくとも1種含有する無機微粒子であることを特徴とする、請求項4に記載の光情報記録担体。
  6. 上記コバルト、アルミニウムおよびジルコニウムからなる群より選択される元素の含有量の合計が、上記二酸化チタンの含有量に対して0.5〜3質量%であることを特徴とする、請求項5に記載の光情報記録担体。
  7. 上記硬化層の平均膜厚が1.0〜8.0μmであることを特徴とする、請求項2〜6のいずれかに記載の光情報記録担体。
  8. 上記硬化層が、溶解性パラメータ(SP値)が8.3〜10.5の有機溶剤が全有機溶媒中60質量%以下しか含まれない有機溶媒で硬化性組成物を調製し、形成した層であることを特徴とする、請求項2〜7のいずれかに記載の光情報記録担体。
  9. 上記有機溶媒が、溶解性パラメータ(SP値)が9.0〜10.0の有機溶剤を全く含まない有機溶媒であることを特徴とする、請求項8に記載の光情報記録担体。
  10. 上記硬化層が、スチールウールに対して耐擦傷性を有することを特徴とする、請求項2〜9のいずれかに記載の光情報記録担体。
  11. 上記粘着層が、アクリル系粘着剤からなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の光情報記録担体。
  12. 上記フィルム基材が、流延ダイより流延バンド上にドープを流延してフィルムが製造されたものであって、該フィルム基材の上記粘着層が積層されている面が該流延バンド上で製造された際のバンド面であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の光情報記録担体。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の光情報記録担体を、波長400〜432nmの青色レーザ光を用いて記録および/または読みとりを行うことを特徴とする、光情報記録・再生方法。
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