JP2006059430A - 光情報記録担体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 流延法により製造されたフィルム基材Eの屈折率をnS、硬化層Fの屈折率をnH、粘着層Dの屈折率をnAとした場合、下記式で表される条件のうち、少なくとも1つを満たす光情報記録担体とする。
│nS−nH│≦0.05
│nS−nA│≦0.05
【選択図】 図4
Description
従って、現在光ディスクの樹脂基板として、一般にポリカーボネート樹脂が用いられていることから、この光透過性基材用フィルムにおいても、ポリカーボネートフィルムを中心に実用化検討が進められている。
しかしながら、流延ダイより流延バンド上にドープを流延してフィルムを製造するバンド流延法において、ポリカーボネートフィルムをキャスティングする時に溶剤として用いるメチレンクロライドが金属製のバンドを侵食し、ピンホールを作るため、ポリカーボネートを膨潤しない溶剤を用いたとしても、これらの点欠陥を完全に取り除くことはできず、なお直径50μm以上の隆起状点欠陥が10cm角で数個程度残ってしまう。即ち、流延法により製造する場合、フィルム基材上にこのサイズの小さな点欠陥が存在してしまうことになる。
また、かかる隆起状点欠陥は透光層の光の入射面にハードコート層等の硬化層を設けた場合、硬化層の中に埋もれ光学顕微鏡観察のような可視光を用いた形態観察では検出され難いが、情報を読み取るためのレーザ光の一部がこの点欠陥で散乱するため読み取り信号の特性を悪化させることが分かった。
これまで、基板とフィルム基材の密着性等を増強させる提案、例えば、特許文献1には、密着性を上げるためにポリカーボネートを侵す溶剤を全溶剤中70質量%以上含有させ、密着性を上げているが、同文献に記載の方法では、隆起状点欠陥を減少させるためにはむしろ逆効果である。また、特許文献2には、ポリカーボネート樹脂用硬化性組成物の溶剤を沸点120〜160℃であってポリカーボネート樹脂を溶解する溶剤を添加することによってポリカーボネート樹脂基材との密着性を改善する提案がなされているが、隆起状点欠陥については記載も示唆もない。
さらに、ポリカーボネートフィルムは柔らかく、ハンドリング中に傷が付き易く、点欠陥ができ易いといった欠点も有しており、これらを改善する手段が見出されていないのが現状である。
1. 流延法により製造されたフィルムを基材とし、粘着層が積層されてなる透光カバー層を具備する光情報記録担体において、該フィルム基材の屈折率をnSおよび該粘着層の屈折率をnAとした場合、下記式で表される条件を満たすことを特徴とする、光情報記録担体。
│nS−nA│≦0.05
(上記式中、屈折率nSおよびnAは25℃、波長400〜432nmで測定する)
2. 流延法により製造されたフィルム基材上に硬化層が積層され、反対面に粘着層が積層されてなる透光カバー層を具備する光情報記録担体において、該フィルム基材の屈折率をnS、該硬化層の屈折率をnH、該粘着層の屈折率をnAとした場合、下記式で表される条件のうち、少なくとも1つを満たすことを特徴とする、光情報記録担体。
│nS−nH│≦0.05
│nS−nA│≦0.05
(上記式中、屈折率nS、nHおよびnAは25℃、波長400〜432nmで測定する)
3. 上記フィルム基材が、ポリカーボネートからなることを特徴とする、1.または2.に記載の光情報記録担体。
4. 上記硬化層が、屈折率が1.90以上である無機微粒子を含有する、請求項2.または3.に記載の光情報記録担体。
5. 上記無機微粒子が、二酸化チタンを主成分とし、かつコバルト、アルミニウムおよびジルコニウムからなる群より選択される元素を少なくとも1種含有する無機微粒子であることを特徴とする、請求項4.に記載の光情報記録担体。
6. 上記コバルト、アルミニウムおよびジルコニウムからなる群より選択される元素の含有量の合計が、上記二酸化チタンの含有量に対して0.5〜3質量%であることを特徴とする、請求項5.に記載の光情報記録担体。
7. 上記硬化層の平均膜厚が1.0〜8.0μmであることを特徴とする、請求項2.〜6.のいずれかに記載の光情報記録担体。
8. 上記硬化層が、溶解性パラメータ(SP値)が8.3〜10.5の有機溶剤が全有機溶媒中60質量%以下しか含まれない有機溶媒で硬化性組成物を調製し、形成した層であることを特徴とする、請求項2.〜7.のいずれかに記載の光情報記録担体。
9. 上記有機溶媒が、溶解性パラメータ(SP値)が9.0〜10.0の有機溶剤を全く含まない有機溶媒であることを特徴とする、請求項8.に記載の光情報記録担体。
10. 上記硬化層が、スチールウールに対して耐擦傷性を有することを特徴とする、請求項2.〜9.のいずれかに記載の光情報記録担体。
11. 上記粘着層が、アクリル系粘着剤からなることを特徴とする、1.〜10.のいずれかに記載の光情報記録担体。
12. 上記フィルム基材が、流延ダイより流延バンド上にドープを流延してフィルムが製造されたものであって、該フィルム基材の上記粘着層が積層されている面が該流延バンド上で製造された際のバンド面であることを特徴とする、1.〜11.のいずれかに記載の光情報記録担体。
13. 1.〜12.のいずれかに記載の光情報記録担体を、波長400〜432nmの青色レーザ光を用いて記録および/または読みとりを行うことを特徴とする、光情報記録・再生方法。
なお、本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。また、本明細書において、例えば、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」等の記載は、それぞれ「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」の意味を表す。
そのため、ポリカーボネートフィルム基材上に点欠陥がある場合には、硬化層/ポリカーボネートフィルム基材界面や、粘着層/ポリカーボネートフィルム基材界面で光が散乱してしまい、記録および/または読みとり特性を悪化させてしまう。
この目的を達成するためには、硬化層または粘着層とフィルム基材の屈折率差は0.05以下が好ましく、0.03以下であることが更に好ましく、0.01以下であると光学的には界面がなくなり、特に好ましい。
本発明の光情報記録担体において、各々の構成要素は発明内容を阻害しない範囲で相互に入れ替えまたは組み合わせてもよい。また、各々は、少なくとも1つずつ存在することが必要であるが、各々は複数層存在しても1つの層が組成や特性の異なる複数の層から構成されていてもよい。具体的には支持体/記録層/透光層/記録層/透光層のように支持体の片側に2層ずつの記録層と透光層を設けることもできる。
さらに、上記層以外にも、公知の静電気防止層、潤滑層、保護層、反射層などを設けてもよい。また、支持体の記録層とは反対側にレーベル印刷を施してもよい。
本発明の光情報記録担体は、カートリッジ内部に装着されたものであってもよい。また、その大きさに制限はなく、ディスク状情報記録担体の場合には、例えば直径30〜300mmの各種サイズを取ることができ、直径32、51、65、80、88、120、130、200、300mmなどであってもよい。
本発明の光情報記録担体において、支持体は、後述する記録層及び透光層などを機械的に保持する機能を持つベースである。
支持体を構成する材料としては、合成樹脂、セラミック、金属などを用いることができるが、この限りではない。
セラミックの代表例としてはソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラスなどを用いることができる。
上記構成材料としては、耐湿性、寸度安定性及び価格などの点からポリカーボネートやアモルファスポリオレフィンが好ましく、ポリカーボネートが最も好ましい。
ポリカーボネート樹脂はビスフェノールAを原料としたものが広く知られており本発明ではこの様な樹脂を用いることができる。近年、低吸湿率、高剛性、低複屈折率の樹脂(「ST−3000」帝人バイエルポリテック製)が開発され、光ディスクの保存湿度条件に起因する反りの問題を改善している。その技術内容は例えば、(井出文雄他著「光学用透明樹脂」技術情報会(2001年)p.61−67)に紹介されており、本発明ではこの様な樹脂を用いることもできる。
支持体の厚みは、他の層を機械的に保持する必要性から0.3〜3mmが好ましく、望ましくは0.6〜2mmであり、1.1mm±0.3mmの範囲のものが最も好適に用いられる。
プレグルーブ層の材料としては、ポリオールのアクリル酸モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、ペンタエステルおよびヘキサエステルのうちの少なくとも1種のモノマー(又はオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用いることができるが、これらに限定されない。
また、プレグルーブの溝深さは10〜150nmの範囲とすることが好ましく、20〜100nmの範囲とすることがより好ましく、30〜80nmの範囲とすることが更に好ましい。また、その半値幅は、50〜250nmの範囲にあることが好ましく、100〜200nmの範囲であることがより好ましい。
下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
光反射層は、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより支持体上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。なお、光反射性物質の反射率は70%以上であることが好ましい。
本発明の光情報記録担体において、記録層とは、光学的または磁気的な記録手段により情報信号を該層へ記録することにより情報の記録または書き換えができる機能を有した層であり、また光学的な再生手段(レーザ光など)により該層から情報信号の再生を行うことができる。
記録層は、光情報記録担体が再生専用型光情報記録担体である場合には高反射率材料を用い、記録・再生型光情報記録担体の場合には、記録または再生原理に従って、色素記録用材料、相変化記録用材料、光磁気記録用材料から選択して用いる。
本発明の記録層の厚みは2〜300nmが好ましく、特に5〜200nmが好適に用いられる。また、本発明の記録層は、かかる光学的な記録・再生手段として、350nm〜450nm、好ましくは405nmの波長を有する光を用いるものが好ましい。
色素記録用の記録材料の具体的な例としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、アゾ色素、ナフトキノン色素、フルギド色素、ポリメチン色素、アクリジン色素などを用いることができる。
相変化記録用の記録材料としては、インジウム、アンチモン、テルル、セレン、ゲルマニウム、ビスマス、バナジウム、ガリウム、白金、金、銀、銅、錫、砒素などの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物などを含む)を用いることができ、特にGeSbTe、AgInSbTe、CuAlTeSbなどを用いるのが好適である。インジウム合金とテルル合金の積層膜を用いて記録層としてもよい。
また、色素や結合剤を溶解処理する方法としては、超音波処理、ホモジナイザー処理、ディスパー処理、サンドミル処理、スターラー攪拌処理等の方法を適用することができる。
塗布温度としては、23〜50℃であれば特に問題はないが、好ましくは24〜40℃、更に好ましくは25〜37℃である。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、及び同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の含有量は、記録層の全固形分中、通常、0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
本発明の光情報記録担体において、透光層は、収束した再生光を物理的には記録層に導く機能を持ち、同時に記録層を化学的、機械的に保護する機能を持つ。本発明の透光層は支持体の厚みよりも薄く構成されたフィルムからなることが好ましい。
なお、本発明において「透光」とは、記録再生に用いる光学的手段の光の波長(例えば、600〜800nmや350〜450nmの光)に対して事実上透明(透過率70%以上、望ましくは80%以上)であることを意味する。
本発明の好ましい透光層の構成は硬化層(ハードコート層)/フィルム基材/粘着層であるが、フィルム基材/粘着層の構成でも本発明は適応可能である。
[ポリカーボネートフィルム基材]
本発明に好適に用いられるポリカーボネートフィルム基材としては、ビスフェノールAを芳香族ジヒドロキシ成分とする芳香族ポリカーボネートよりなるプラスチックフィルムがより好適に用いられ、その厚みは20〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましく、70〜120μmが特に好ましい。更に光学フィルムが光ディスクの透光カバー層として用いられる場合、フィルム基材の厚みは70〜90μmが最も好ましい。 フィルム基材の厚みが薄すぎると膜強度が弱く、厚いと剛性が大きくなり過ぎる。透明基材の「透明」とは、可視光領域の光透過率が80%以上であることを意味し、90%以上であることが好ましい。
本発明に係るプラスチックフィルムのために好適に用いることのできるポリカーボネートは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を主たる芳香族ジヒドロキシ成分とするポリカーボネートである。
本発明に係るポリカーボネートの分子量としては、特に限定はないが、濃度0.5g/dlの塩化メチレン溶液中20℃での粘度測定から求めた粘度平均分子量が30,000以上200,000以下、好ましくは30,000以上120,000以下の範囲のものを挙げることができる。
前記した様にバンド流延法によって流延ダイより流延バンド上にドープを流延して作製されるポリカーボネートフィルムでは流延バンドのピンホールに起因する点欠陥がフィルムのバンド面に発生する。一方、本発明の光情報記録担体、透光層の硬化層/ポリカーボネートフィルム基材/粘着層の構成では、通常、粘着層の厚み10μm以上であるのに対し、硬化層はカールなどの制約から5μm以下である。硬化層や粘着層が厚いほどポリカーボネート上の点欠陥は埋もれて外見上見えなくし易い。従って、ポリカーボネートフィルム基材のバンド面に粘着層を、反対面のエア面に硬化層を積層する構成は本発明の好ましい態様である。
また、透光層の構成がポリカーボネートフィルム基材/粘着層の場合も、同様の理由からポリカーボネートフィルム基材のバンド面に粘着層を積層する構成は本発明の好ましい態様である。
本発明の硬化性組成物は硬化剤と有機溶剤を含めば熱硬化性組成物であっても活性エネルギー線硬化性組成物であっても構わない。ポリカーボネートフィルムは柔らかく硬化層が厚過ぎるとカールが起きることから10μm以下が好ましい。
本発明のポリカーボネートフィルム基材と硬化層の屈折率差を0.05以下にするためには硬化層の屈折率を高くする事が必要である。硬化層の屈折率を高くするためには高屈折率を持つバインダーを使用するか、硬化層に用いられているよりも高い屈折率を有する高屈折率微粒子をバインダー樹脂に添加することによって行うか、あるいは、これらを併用して行う。
本発明の硬化層の機能としては、耐擦傷性を有するハードコート層が挙げられる。この場合、そのハードコート層とは、表面を#0000のスチールウールを用い1.96N/cm2の荷重を掛けながら10回擦った時に、擦り跡が目視で見えない耐擦傷性を有する硬化層であることが好ましい。
S−2 H2C=C(X)COOC2H4OTi(OC2H5)3
S−3 H2C=C(X)COOC2H4OCOC5H10OPO(OH)2
S−4 (H2C=C(X)COOC2H4OCOC5H10O)2POOH
S−5 H2C=C(X)COOC2H4OSO3H
S−6 H2C=C(X)COO(C5H10COO)2H
S−7 H2C=C(X)COOC5H10COOH
S−8 3−(グリシジルオキシ)プロピルトリメトキシシラン
(X=H、あるいはCH3を表す)
本発明では光情報記録担体の透光層の基材としてポリカーボネートフィルムが好適に用いられており、屈折率は約1.60で高屈折率である。ハードコート層を高屈折率化し、基材の屈折率に近付ける方法としては[硬化層]の項で説明した様に高屈折率バインダー使用と高屈折率微粒子の添加および両者の併用が挙げられる。
ハードコート層に高屈折率微粒子を添加すると硬度と屈折率を同時に上げることができ、好ましい。
本発明で用いることができる高屈折率微粒子は、屈折率が1.90以上であれば特に限定されないが、ZnO(屈折率1.90)、TiO2(屈折率2.3〜2.7)、CeO2(屈折率1.95)、SnO2(屈折率2.00)、ITO(屈折率1.95)、Y2O3(屈折率1.87)、La2O3(屈折率1.95)、ZrO2(屈折率2.05)等が挙げられる。
かかる高屈折率微粒子の中でも、一般に微粒子の含量を上げ過ぎるとハードコート層が脆くなると言う問題があることから、添加量が少なくても所望の効果が得られる二酸化チタン微粒子が好ましい。
本発明における二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、屈折率が1.90〜2.80であることが好ましく、2.10〜2.80であることがさらに好ましく、2.20〜2.80であることが最も好ましい。
二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の一次粒子の質量平均径は1〜200nmであることが好ましく、より好ましくは1〜150nm、さらに好ましくは1〜100nm、特に好ましくは1〜80nmである。
二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の結晶構造は、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造が主成分であることが好ましく、特にルチル構造が主成分であることが好ましい。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。
特に、好ましい元素はCo(コバルト)である。また、2種類以上を併用することも好ましい。
Co(コバルト)、Al(アルミニウム)、Zr(ジルコニウム)を、二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の内部に存在させる(例えば、ドープする)には、種々の手法がある。例えば、イオン注入法(青木康,「イオン注入法」,表面科学,1998,Vol.18,No.5,p.262−268)や、特開平11−263620号公報、特表平11−512336号公報、欧州特許出願公開第335773号明細書、特開平5−330825号公報に記載の手法が挙げられる。
二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の粒子形成過程において、Co(コバルト)、Al(アルミニウム)、Zr(ジルコニウム)を導入する手法(例えば、特表平11−512336号公報、欧州特許出願公開第335773号明細書、特開平5−330825号公報に記載)が特に好ましい。
二酸化チタンを主成分とする無機微粒子には、目的により、さらに他の元素を含むこともできる。他の元素は、不純物として含んでいてもよい。他の元素の例には、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Mg、Si、PおよびSが含まれる。
コバルトを含有する無機化合物、アルミニウムを含有する無機化合物、ジルコニウムを含有する無機化合物が特に好ましく、コバルト酸化物、Al(OH)3、Zr(OH)4が最も好ましい。
表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤およびチタネートカップリング剤が含まれる。シランカップリング剤が最も好ましい。特に下記一般式Aで表される有機金属化合物およびその誘導体で表面処理されていることが好ましい。
一般式A:(R1)m−Si(OR2)n
一般式Aの化合物の含有量は、本発明の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子を含有する層の全固形分の1〜90質量%が好ましく、より好ましくは2〜80質量%、特に好ましくは5〜50質量%である。
本発明の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、表面処理により特開2001−166104号公報記載のごとく、コア/シェル構造を有していてもよい。
本発明の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、分散剤を用いて分散させて用いることが好ましい。分散剤としてはアニオン性基を有する分散剤を用いることが特に好ましい。
アニオン性基としては、カルボキシル基、硫酸性の基(スルホキシ基及びスルホ基)、リン酸性の基(ホスホノキシ基及びホスホノ基)、スルホンアミド基等の酸性プロトンを有する基、またはその塩が有効であり、特にカルボキシル基、スルホ基、リン酸性の基及びその塩が好ましく、カルボキシル基及びリン酸性の基が特に好ましい。1分子当たりの分散剤に含有されるアニオン性基の数は、1個以上含有されていればよい。
無機微粒子の分散性をさらに改良する目的でアニオン性基は複数個が含有されていてもよい。平均で2個以上であることが好ましく、より好ましくは5個以上、特に好ましくは10個以上である。また、分散剤に含有されるアニオン性基は、1分子中に複数種類が含有されていてもよい。
本発明の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の分散に用いる好ましい分散剤は、アニオン性基、及び架橋又は重合性官能基を有し、かつ該架橋又は重合性官能基を側鎖に有する分散剤である。
アニオン性基、及び架橋又は重合性官能基を有し、かつ該架橋又は重合性官能基を側鎖に有する分散剤の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが1000以上であることが好ましい。分散剤のより好ましい重量平均分子量(Mw)は2000〜1000000であり、さらに好ましくは5000〜200000、特に好ましくは10000〜100000である。
側鎖にアニオン性基を導入する方法としては、例えばアニオン性基含有モノマー(例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、部分エステル化マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、燐酸モノ−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル等を重合させる方法、水酸基、アミノ基等を有するポリマーに対して酸無水物を作用させる方法等の高分子反応の利用によって合成できる。
側鎖にアニオン性基を有する分散剤において、アニオン性基含有繰返し単位の組成は、全繰返し単位のうちの10-4〜100mol%の範囲であり、好ましくは1〜50mol%、特に好ましくは5〜20mol%である。
本発明の好ましい分散剤の形態は特に制限はないが、ブロック共重合体またはランダム共重合体であることが好ましくコストおよび合成的な容易さからランダム共重合体であることが特に好ましい。
本発明の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子を含有する層(支持体と隣接する層。以下、支持体隣接高屈折率層という。)を形成するための組成物(支持体隣接高屈折率層用組成物)は、含有する高屈折率無機粒子を平均粒径100nm以下の超微粒子分散物とすることが好ましい。それにより、該組成物の液の安定性が向上し、得られる支持体隣接高屈折率層は、高屈折率無機超微粒子が支持体隣接高屈折率層のマトリックス中で超微粒子状態で均一に分散されて存在し、光学特性が均一で透明な支持体隣接高屈折率層を形成することができる。支持体隣接高屈折率層のマトリックス中で存在する超微粒子の大きさは、平均粒径3〜100nmの範囲が好ましく、5〜100nmがより好ましい。特に10〜80nmが最も好ましい。
特に本発明の高屈折率無機微粒子を超微粒子に分散するには、サンドグラインダーミル、ダイノミル、及び高速インペラーミルが好ましい。
このような範囲において、透明性を損なわなず、屈折率が均一で、膜の強度が高く、高屈折率ハードコート層を形成できる。
更には、分散物中の分散粒子がその平均粒径、および粒径の単分散性が上記した範囲を満足する上で、分散物中の粗大凝集物を除去するためにビーズとの分離処理において精密濾過されるように濾材を配置することも好ましい。精密濾過するための濾材は濾過粒子サイズ25μm以下が好ましい。精密濾過するための濾材のタイプは上記性能を有していれば特に限定されないが例えばフィラメント型、フェルト型、メッシュ型が挙げられる。分散物を精密濾過するための濾材の材質は上記性能を有しており、且つ塗布液に悪影響を及ばさなければ特に限定はされないが例えばステンレス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げられる。
本発明では、これらの作製した硬化被膜に防汚剤を含有させること、または、フッ素および/またはケイ素を含有した低表面エネルギー性の硬化樹脂を含む活性エネルギー線の照射により硬化する硬化性組成物を主体とする防汚性層を積層することにより、防汚性硬化被膜とすることができる。
硬化性組成物の塗布液は、ケトン系、アルコール系、エステル系等の希釈有機溶剤に、上記の多官能モノマーと重合開始剤を主体に溶解して調製する。さらに、表面修飾した硬無機微粒子分散液と軟微粒子分散液を添加して調製することができる。
本発明では、上記有機溶剤として、溶解性パラメータ(SP値)が8.3以上10.5以下の有機溶剤が全有機溶剤中に含有される割合が、60質量%以下であることが好ましく、50%以下であることが更に好ましく、40%以下であることが特に好ましい。
また、SP値が9.0以上10.0以下の有機溶剤は、ポリカーボネートフィルム用硬化組成物中の全有機溶剤中に含有される割合が20%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下であることがさらに好ましく、全く含まれないことが最も好ましい。
代表的な化合物のSP値を表1に示す。
例えば、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、酢酸メチルなどが挙げられる。
例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、エタノール、シクロヘキサン、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
本発明の硬化層の作製は、ポリカーボネートフィルム基材上に硬化塗布液をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、グラビア法、ワイヤーバー法、スロットエクストルージョンコーター法(単層、重層)、スライドコーター法等の公知の薄膜形成方法で塗布し、乾燥、紫外線照射して、硬化させることにより作製することができる。
以上で説明して来た光学用ハードコートフィルムを光記録ディスクの透光層として用いる場合、支持体や記録層を含む基板と粘着層(粘着剤ないし接着剤を含む)を介して貼り合わせることが好ましい。粘着層を設置する工程において、あらかじめ一方の面にハードコート層が形成された透光性フィルムのハードコート層塗設面と異なる面に、粘着層を連続的に設けることができる。粘着層を設ける方法としては、予め形成された粘着層を貼り付ける方法(以下、適宜、間接法と称する)と、透光性フィルムの表面に、直接、粘着剤を塗布し、乾燥させることで粘着層を形成する方法(以下、適宜、直接法と称する。)と、の2つに大別することができる。
また、乾燥手段としては、加熱乾燥、送風乾燥など、従来公知の手段を用いることができる。
近年様々な屈折率の粘着剤または接着剤が開発されてきており、例えば(井出文雄、光学用透明樹脂、技術情報会、177−180(2001年))には、低屈折率のフッ素原子を有するエポキシ系やアクリル系樹脂、高屈折率のイオウ原子を有するビニル樹脂などが例示されており、これらを主なベースレジンとして使用することにより、その屈折率(硬化物のNa−D線測定値)を1.33から1.70の範囲、±0.005以下の精度で自由にコントロールできる透明な接着剤の例が詳述されている。本発明ではこれらの接着剤を用いることもできる。
ここで、粘着層の表面に貼り付けられる離型フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートセルロースフィルムなどが挙げられる。
表3に従ってポリカーボネートフィルム(屈折率1.60)上にハードコート層と粘着層を積層した透光層を作製し、記録層を設けた支持体に貼り付け、本発明の光情報記録担体を作製した。
以下に工程に従って順に説明する。
[二酸化チタン分散液の調製]
(二酸化チタン微粒子分散液の調製)
二酸化チタン微粒子としては、コバルトを含有し、かつ水酸化アルミニウムと水酸化ジルコニウムを用いて表面処理を施した二酸化チタン微粒子(MPT−129C、石原産業(株)製、TiO2:Co3O4:Al2O3:ZrO2=90.5:3.0:4.0:0.5質量比)を使用した。
この二酸化チタン微粒子257.1gに、下記分散剤38.6g、およびメチルイソブチルケトン704.3gを添加してダイノミルにより分散し、質量平均径70nmの二酸化チタン分散液を調製した。
(ハードコート層塗布液(H−1)の調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)450質量部を、210質量部のイソプロピルアルコール(IPA)と140質量部のメチルイソブチルケトン(MIBK)の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)12.0質量部を加え、溶解するまで攪拌した後に、380質量部のIPA−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30質量%のSiO2 ゾルのイソプロピルアルコール分散物、日産化学(株)製)と257質量部のMIBK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30質量%のSiO2 ゾルのメチルイソブチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)を添加し、撹拌して混合物を得、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してハードコート層用塗布液(H−1)を調製した。
硬化後の屈折率は1.50であった。
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)450質量部を、1148質量部の二酸化チタン分散液と201質量部のIPA−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30質量%のSiO2 ゾルのイソプロピルアルコール分散物、日産化学(株)製)、914質量部のメチルイソブチルケトン(MIBK)を混合攪拌した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)12.0質量部を加え、溶解するまで攪拌した後に、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してハードコート層用塗布液(H−2)を調製した。
硬化後の屈折率は1.60であった。
上記(H−1)と(H−2)を混合し硬化後の屈折率が表3に示す値になる様にハードコート層塗布液(H−3)〜(H−5)を調製した。
幅1000mmで厚さ80mmの表面保護フィルムとして20μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムを共巻きしたポリカーボネートフィルム(帝人化成(株)製ピュアエース110−80)の表面保護フィルムを巻き取り除去しながら送り出し、エア面にハードコート塗布液を乾燥後の厚みが3.3μm、塗工幅が980mmになるように、バーコーターを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥後、窒素パージ下(酸素濃度0.1%)で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量500mJ/cm2の紫外線を照射し、ハードコート層を硬化させ、ハードコートフィルムを100m巻き取った。
[粘着剤塗布液の調製]
(粘着剤塗布液(A−1)の調製)
アクリル系共重合体(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、イソシアネート系架橋剤(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、を100:1(質量比)で混合し、粘着剤塗布液(A−1)を調製した。積層後の屈折率は1.50であった。
(粘着剤塗布液(A−2)の調製)
硫黄含有アクリル系共重合体(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、イソシアネート系架橋剤(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、を100:1(質量比)で混合し、粘着剤塗布液(A−2)を調製した。積層後の屈折率は1.60であった。
上記(A−1)と(A−2)を混合し積層後の屈折率が表3に示す値になる様に粘着剤塗布液(A−3)〜(A−5)を調製した。
(粘着層の積層)
図1に示す粘着剤設置装置を用いて、ハードコートフィルムの表面に粘着層を設けた。ロール1に巻回されたハードコートフィルムf1を矢印の方向に送り出し、設置された塗布手段2を用いて、ハードコートフィルムf1の表面(ハードコート層を積層していない面)に粘着剤塗布液を塗布した(塗布工程)。その後、粘着層が形成されたハードコートフィルムf1を、乾燥領域に設置された乾燥手段3により100℃で乾燥し(乾燥工程)、粘着層を備えたハードコートフィルムを得た。そして、粘着層を備えたハードコートフィルムを、更に搬送し、ロール4から送り出されたポリエチレンテレフタレート製離型フィルムf2と、貼り合わせ領域aにて、貼り合わせた(貼り合わせ工程)。そして、ロール5に、粘着層を備えるハードコートフィルムと離型フィルムを共巻きした(巻き取り工程)。
その後、粘着層を備えるハードコートフィルムと離型フィルムを共巻きした状態のロール5を23℃、50%RHの雰囲気で、72時間保持した。この「72時間」とは、前記雰囲気下において、本実施例における粘着層を赤外線分光吸収スペクトルで経時的に測定し、イソシアネートに由来する2275〜2250cm-1付近に出現する吸収ピークが実質的になくなるまでの経時時間であり、本実施例における「粘着層の架橋反応が実質的に終了するまで」に対応する時間である。なお、本工程において、赤外分光吸収スペクトルは下記条件にてFT−IR1回反射法で測定した。
測定機:サーモ ニコレジャパン製 Nexus670
測定アクセサリ:OMNI−Sampler 1回反射型水平ATR装置
積算回数:4cm-1 32回
検出器:MCT−A(高感度検出器)
[光記録ディスクの作製]
(光情報記録担体の作製)
スパイラル状のグルーブ(深さ100nm、幅120nm、トラックピッチ320nm)を有し、厚さ1.1mm、直径120mmのポリカーボネート樹脂(帝人社製ポリカーボネート、商品名:パンライトAD5503)基板を射出成形した。得られた基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタして100nmの厚さの光反射層を形成した(光反射層形成工程)。
共巻した状態の粘着層を備えるハードコートフィルムと離型フィルムとを、ロール5から送り出し、上記基板と同じ形状に打ち抜いた。
打ち抜かれた粘着層を備えるハードコートフィルムと離型フィルムとの積層体は、図2に示す様に、センターホールより僅かに小さな外径を有するストックジグ20に嵌め込む様にして、略水平に、50枚積層した。その状態で、1時間保持した。
(1)耐擦傷性の評価
作製したハードコートフィルムをラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストをおこなった。
試料調湿条件: 25℃、60%RH、2時間以上。
こすり材: 試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)にスチールウール(日本スチールウール製、ゲレードNo.0000)を巻いて、動かないようバンド固定した。
移動距離(片道):8cm、こすり速度:13cm/秒、荷重:1.96N/cm2、先端
接触部面積:1cm×1cm、こすり回数:10往復。
こすり部分の傷を、以下の規準で2段階評価した。
傷が見えない。 :◎
傷が見える。 :×
作製された光情報記録担体を、405nmのレーザ、NA:0.85ピックアップを搭載した記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)を使用し、クロック周波数66MHz/線速5.6m/sの条件で単一周波数の信号(2T=0.13μm)で記録及び再生し、スペクトルアナライザを用いてC/Nを測定した。
光情報記録担体透光カバー層の表面にハードコート層を設けることで表面に耐擦傷性を付与することができる。(実施例1に対し2または3、比較例1に対し2)
ハードコート層または粘着層の屈折率をポリカーボネートフィルムのそれに合わせることで記録読み取り特性が改善される。(比較例2に対し実施例2、比較例2に対し実施例4)
ハードコート層と粘着層の屈折率をポリカーボネートフィルムのそれに合わせることで記録読み取り特性を更に改善することができる。(実施例1または実施例4に対し実施例3)
ハードコート層を積層していない透光カバー層においても粘着層の屈折率をポリカーボネートフィルムのそれに合わせることで記録読み取り特性が改善される。(比較例1に対し実施例1)
また、ハードコート層及び粘着層の屈折率差が0.05を超えると記録特性が急激に変化するが、0.05以下では変化が僅かである。即ち、屈折率差が0.05以内であれば記録特性の劣化は無視できるレベルといえる。(実施例3、実施例5〜6及び比較例1〜2の比較)
2 塗布手段
3 乾燥手段
10 台座
20 ストックジグ
f1 ハードコートフィルム
f2 離型フィルム
f3 粘着層が設けられたディスク状カバーフィルム
A 支持体
B 記録層
C 透光層
D 粘着層
E フィルム基材
F 硬化層
Claims (13)
- 流延法により製造されたフィルムを基材とし、粘着層が積層されてなる透光カバー層を具備する光情報記録担体において、該フィルム基材の屈折率をnSおよび該粘着層の屈折率をnAとした場合、下記式で表される条件を満たすことを特徴とする、光情報記録担体。
│nS−nA│≦0.05
(上記式中、屈折率nSおよびnAは25℃、波長400〜432nmで測定する) - 流延法により製造されたフィルム基材上に硬化層が積層され、反対面に粘着層が積層されてなる透光カバー層を具備する光情報記録担体において、該フィルム基材の屈折率をnS、該硬化層の屈折率をnH、該粘着層の屈折率をnAとした場合、下記式で表される条件のうち、少なくとも1つを満たすことを特徴とする、光情報記録担体。
│nS−nH│≦0.05
│nS−nA│≦0.05
(上記式中、屈折率nS、nHおよびnAは25℃、波長400〜432nmで測定する) - 上記フィルム基材が、ポリカーボネートからなることを特徴とする、請求項1または2に記載の光情報記録担体。
- 上記硬化層が、屈折率が1.90以上である無機微粒子を含有する、請求項2または3に記載の光情報記録担体。
- 上記無機微粒子が、二酸化チタンを主成分とし、かつコバルト、アルミニウムおよびジルコニウムからなる群より選択される元素を少なくとも1種含有する無機微粒子であることを特徴とする、請求項4に記載の光情報記録担体。
- 上記コバルト、アルミニウムおよびジルコニウムからなる群より選択される元素の含有量の合計が、上記二酸化チタンの含有量に対して0.5〜3質量%であることを特徴とする、請求項5に記載の光情報記録担体。
- 上記硬化層の平均膜厚が1.0〜8.0μmであることを特徴とする、請求項2〜6のいずれかに記載の光情報記録担体。
- 上記硬化層が、溶解性パラメータ(SP値)が8.3〜10.5の有機溶剤が全有機溶媒中60質量%以下しか含まれない有機溶媒で硬化性組成物を調製し、形成した層であることを特徴とする、請求項2〜7のいずれかに記載の光情報記録担体。
- 上記有機溶媒が、溶解性パラメータ(SP値)が9.0〜10.0の有機溶剤を全く含まない有機溶媒であることを特徴とする、請求項8に記載の光情報記録担体。
- 上記硬化層が、スチールウールに対して耐擦傷性を有することを特徴とする、請求項2〜9のいずれかに記載の光情報記録担体。
- 上記粘着層が、アクリル系粘着剤からなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の光情報記録担体。
- 上記フィルム基材が、流延ダイより流延バンド上にドープを流延してフィルムが製造されたものであって、該フィルム基材の上記粘着層が積層されている面が該流延バンド上で製造された際のバンド面であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の光情報記録担体。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の光情報記録担体を、波長400〜432nmの青色レーザ光を用いて記録および/または読みとりを行うことを特徴とする、光情報記録・再生方法。
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