JP2006059412A - ディスク温度調整手段を備えたディスク駆動装置及びディスク温度調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 消費電力が小さく、しかも温度を調整するための所要時間が短いディスク温度の調整手段を備えたディスク駆動装置、及びディスク温度の調整方法を提供する。さらに、設置のためのスペースを取らずに装置の小型化が可能であるディスク温度の調整手段を備えたディスク駆動装置、及びディスク温度の調整方法を提供する。
【解決手段】 印加された磁束によって渦電流の誘起が可能な少なくとも1つのディスクと、この少なくとも1つのディスクに磁束を印加するための少なくとも1つの磁束発生手段とを備えているディスク駆動装置が提供される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディスク温度の調整手段を備えたディスク駆動装置、及びこのディスク駆動装置のディスク温度の調整方法に関する。
磁気ディスク駆動装置においては、スピンドルモータによって回転させられた磁気ディスクに対して、磁気ヘッドが信号の書き込み及び読み出しを行う。書き込みの際、磁気ヘッドは、磁気ディスク基板に形成された磁気記録層が有する保持力(H)よりも大きな振幅を持つ信号磁界を発生させて、この磁気記録層の磁化状態を変化させて記録を行う。
ここで、磁気記録層のH値が大きくなりすぎると、磁気ヘッドの書き込み能力が限界となり、磁気ヘッドが発生する磁界によって書き込みができなくなる。従って、Hは、磁気ヘッドによって書き込みを行うことができる程度に小さくなければならない。
一方、H値が小さくなりすぎると、記録ビットの安定性が低下する。実際に、磁気記録層上の記録ビットは高記録密度化により微小化の一途をたどっている。これに対応して、磁気記録層を構成する磁性材料の結晶粒が微細化されている。この微細化による磁化状態の熱揺らぎを原因とする記録ビットの安定性の低下を防止するために、磁気記録層のHを十分大きな値に保つことが必要とされる。
ここで、磁気記録層のHは、一般的な特性として絶対零度で最大値をとる。その後、温度の上昇とともに減少し、キュリー温度においてH=0となる。通常使用されている磁気記録層、例えばCoCrPtではキュリー温度は、約500Kである。従って、H値を、上述した上限及び下限内の適切な範囲内に保つためには、磁気ディスクの温度を所定の範囲内に調整しなければならない。
磁気ディスクの温度を調整する従来の方法として、磁気ディスク駆動装置全体の温度又は装置環境の温度を調整することが挙げられる。この場合、一般に調整手段のサイズも大きくなり電力消費も増大するため、磁気ディスク駆動装置を搭載する機器によっては問題が生じ得る。
現在、携帯電話やモバイル用途の各種機器において、大量の情報を記録する必要から磁気ディスク駆動装置の搭載が進められている。これらの機器においては、氷点下の野外での使用など使用温度範囲が広いので、温度調整手段が非常に重要となる。しかしながら、これらの機器においては、上記の温度調整方法はサイズ及び電力消費の点で適用が困難である。さらに、上記の温度調整方法では温度調整に時間がかかるため、特に頻繁に電源のオンオフがなされる使用形態では、なおさら適用が困難である。
ディスクの温度を調整する他の方法として、例えば、特許文献1においては、磁気ヘッドによる書き込み時に、レーザ光を用いて磁気ディスクの書き込み領域を局所的に加熱している。また、特許文献2においては、ヒータを記録用ディスクの一面に対向設置している。
特開平10−269502号公報 特開平5―189952号公報
しかしながら、上述した特許文献1の温度調整方法においては、加熱のためのレーザ用の電源が必要となり、所定の設置場所を確保しなければならない。従って、機器の小型化の障害となる。また、加熱が局所的であって基本的に書き込み動作毎に加熱動作が必要となるので、消費電力が増大する。一方、特許文献2の温度調整方法においては、同様にヒータ用の電源が必要となり、機器の小型化が妨げられる。さらに、ヒータによってディスクの片面のみを加熱するので、ディスクを所定の温度にまで昇温させるのに若干の時間が必要となる。さらに、ディスク以外のヒータ周辺も加熱されることから熱効率も良くないので、消費電力が増大する。
従って本発明の目的は、消費電力が小さく、しかも温度を調整するための所要時間が短くレスポンスの良いディスク温度の調整手段を備えたディスク駆動装置、及びディスク温度の調整方法を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、設置のためのスペースを取らずに装置の小型化が可能であるディスク温度の調整手段を備えたディスク駆動装置、及びディスク温度の調整方法を提供することにある。
本発明によれば、印加された磁束によって渦電流の誘起が可能な少なくとも1つのディスクと、この少なくとも1つのディスクに磁束を印加するための少なくとも1つの磁束発生手段とを備えているディスク駆動装置が提供される。
ディスク加熱用の磁束発生手段が備えられており、この磁束発生手段から発生する磁束をディスクが受け取り、この磁束の時間的変化によってディスク内に渦電流が誘起され、この渦電流による損失によってディスクが加熱される。従って、レーザ照射やヒータの熱輻射と比較して、より少ない投入エネルギーでディスクの所定領域又はディスク全体を短時間で効率良く加熱することができる。さらに、磁束発生源として従来の電磁コイルや永久磁石等が利用可能であるので、大容量の電源、又は磁束発生用の一切の電源が不要であり、ディスク駆動装置を小型化することができる。このように、上記の磁束発生手段を用いることによって初めて、消費電力が小さく、しかも温度を調整するための所要時間が短いといった、従来解決が困難であった課題を解決したディスク温度の調整を行うことができる。さらに、ディスク駆動装置の小型化が可能になる。
少なくとも1つの磁束発生手段が、磁束発生源として電磁コイルを備えていることが好ましい。この場合、電磁コイルに交流又は直流を通電することによって、電磁誘導により磁束を発生させる。電磁コイルに供給する電流が交流である場合、発生する磁束は交番磁束となり、磁気ディスクの回転によらなくても渦電流を誘起することができる。さらに、通電量のみならず交流の周波数によっても発熱量を制御することが可能となる。
少なくとも1つのディスクの近傍に温度センサを有しており、この温度センサの計測値に基づいて電磁コイルへの電流の供給を制御する手段を備えていることがさらに好ましい。この場合、最初に、磁気ディスク付近に設置された温度センサが温度を計測し、この電流供給の制御手段がこの計測値を受け取り、次いで、この計測値に基づいて電磁コイルへの電力供給の制御指令を送出する。この結果、ディスクの温度が所定範囲内の値をとることによって、ディスクのHが常に適正使用範囲内の値に確保される。
少なくとも1つの磁束発生手段が、磁束発生源として永久磁石を含んでいることも好ましい。この場合、永久磁石からの磁束を受け取るディスクが回転することによって渦電流が誘起され、この渦電流損によってディスクが加熱される。従って、磁束発生用の電源は不要であり構造も簡単であるので、電力消費を低く抑えることができるとともに装置をより小型化できる。
少なくとも1つの磁束発生手段が、少なくとも1つの磁極部を備えており、この少なくとも1つの磁極部が、ディスク面に近接した位置に設置されていることが好ましい。この少なくとも1つの磁極部からディスクに到達した磁束の時間的変化によって、ディスク内に渦電流が誘起され、この渦電流損によってディスクが加熱可能となる。
さらに、少なくとも1つの磁束発生手段が、互いに異なる極性を示す2つの磁極部を備えており、この2つの磁極部が、ディスク面を挟んで対向する位置に設置されていることが好ましい。対向する磁極部間にあるディスクの部分においては、磁束の漏洩が少なく磁束密度が十分に高くなっている。そのため、交番磁束としての磁束そのものの時間的変化、又はディスクが回転することによるディスク上の1地点での磁束密度の時間的変化によって、より大きな渦電流を誘起することができる。その結果、効率良くディスクを加熱することが可能となる。
少なくとも1つのディスクが、渦電流を発生させるための少なくとも1つの導電板又は少なくとも1つの導電層を含むことが好ましい。渦電流は、導電性を有する材料内にのみ発生し得る。従って、ディスク内に導電板又は導電層が存在することによって、同板又は同層内に渦電流を誘起し、ディスクを加熱することが可能となる。
少なくとも1つのディスクが、磁気ディスクであって、このディスク駆動装置が長手磁気記録方式又は垂直磁気記録方式によって情報の記録及び再生を行うことが好ましい。または、ディスクが、光磁気ディスク又は光ディスクであって、光磁気記録方式又は光記録方式によって情報の記録及び再生を行うことも好ましい。
本発明によれば、ディスク駆動装置に備えられた少なくとも1つのディスクに磁束を印加し、この印加した磁束によって渦電流を誘起させることによって、少なくとも1つのディスクを加熱するディスク温度調整方法が提供される。ここで、磁束を印加するために、電磁コイルを用いても良く、又は永久磁石を用いても良い。ここで、電磁コイルを用いる場合、電磁コイルに交流又は直流を通電することによって、電磁誘導により磁束を発生させる。このようなディスク温度調整方法を用いることによって初めて、消費電力が小さく、しかも温度を調整するための所要時間が短いといった、従来解決が困難であった課題を解決したディスク温度の調整を行うことができる。さらに、ディスク駆動装置の小型化が可能になる。
少なくとも1つのディスクの近傍に備えられた温度センサが、この少なくとも1つのディスクの温度を計測し、この温度センサの計測値に基づいて電磁コイルへの電流の供給を制御することが好ましい。これにより、ディスクの温度が所定の範囲内に調整されることによって、ディスクのHが常に適正な使用範囲内の値に確保される。
少なくとも1つのディスクのディスク面に近接した位置に設置されている少なくとも1つの磁極部によって、少なくとも1つのディスクに磁束を印加することが好ましい。さらに、少なくとも1つのディスクのディスク面を挟んで対向する位置に設置されている互いに異なる極性を示す2つの磁極部によって、少なくとも1つのディスクに磁束を印加することも好ましい。この方法によって、より大きな渦電流を誘起することができるので、より効率良くディスクを加熱することが可能となる。
本発明によれば、消費電力が小さく、しかも温度を調整するための所要時間が短くレスポンスの良いディスク温度の調整を行うことができる。さらに、本発明のディスク温度の調整手段を用いることによって、ディスク駆動装置の小型化が可能となる。
図1は本発明の一実施形態における磁気ディスク駆動装置の構成の一部を概略的に説明する図である。
同図において、10は、スピンドルモータ13の回転軸の周りを回転する磁気ディスクである。磁気ディスク10は、磁束の印加によって渦電流の誘起が可能なAl又はAl合金等を基板としてその上に形成された磁気記録層を含む。ただし、磁気ディスク10が、渦電流の誘起が可能な磁気記録層、その他の導電層を含む場合、ガラス基板が用いられてもよい。この渦電流の誘起が可能な導電層は、発熱効率の点から、Fe系合金又はパーマロイ等の金属磁性材料によって形成されることが好ましい。さらに、この導電層と磁気記録層との層間距離は、磁気記録層の加熱効率の点から、小さいほど好ましい。11は、磁気ディスク10に磁束を供給する磁束発生部である。磁束発生部11において、11aは、コア11bに巻かれた磁束発生用のコイルであり、電源11cに接続されて電力供給を受ける。コア11bは、フェライト、パーマロイ又は鉄合金等の強磁性材料で形成されていて、コイル11aの部分で発生した磁束を磁気ディスク10内にまで導く磁路となっており、磁気ディスク10を挟んで対向する磁極部を有している。コア11bは、図1に示すサイズよりも小型にすることが可能であり、さらに磁気ディスクと平行に位置する平板状に形成して、磁気ディスクに垂直方向の高さをより小さくすることもできる。
電源11cは、直流又は交流電源であり、制御部11dからコイルに対する電力供給の制御指令を受けて、相応した電力を供給する。制御部11dは、温度センサ12からの計測値に基づいて磁気ディスクの温度を認識し、この認識した温度に基づいて電源11cに電力供給の制御指令を送出する。14は、磁気ディスクに対する信号磁界の書き込み又は読み出し用の磁気ヘッドである。ここで、磁気ヘッド14は、長手磁気記録用であっても良いし垂直磁気記録用であっても良い。また、磁気ヘッド14の読み出し部が、面内通電型(CIP(Current In Plain))巨大磁気抵抗効果(GMR(Giant Magneto Resistive))素子、垂直通電型(CPP(Current Perpendicular to Plain))GMR素子又はトンネル磁気抵抗効果(TMR(Tunnel Magneto Resistive))素子であっても良い。さらに、これに対応して、磁気ディスク10も、長手磁気記録用媒体であっても良いし垂直磁気記録用媒体であっても良い。
図2は、図1の実施形態における、磁気ディスク10を加熱する原理の説明図である。
電源11cが交流電源である場合を考える。図2(a)において、磁気ディスク10を挟んで対向する磁極部を有するコア11bは、この磁極部間に磁気ディスク10を貫通する交番磁束20を発生させる。この交番磁束20においては、図2(b)に示すように、時間的に磁束密度及び方向が変化する。同図では、上方向の磁束20aが、時間と共に下方向の磁束20bに変化している。この際、磁気ディスク10内に、この磁束の時間的変化を妨げる方向に磁束を生じさせる渦電流21が発生する。この渦電流損によって磁気ディスク10が加熱される。
ここで、渦電流損による熱は、磁気ディスク内で発生して磁気ディスクのみを昇温させるため、ヒータ等の輻射熱による加熱と比べて、加熱の効率が非常に良い。また、磁気ディスク10は使用時には高速で回転しているので、被加熱領域は、急速に磁気ディスク内の所定領域、又は磁気記録層全体に及ぶ。従って、この渦電流損による加熱方法は、加熱のための所要時間が短く済むので、ディスク温度についてのレスポンスの良い調整に適している。
ディスクに印加された交番磁束20の磁束密度は、ディスクに書き込まれた記録ビットである磁化状態を変化させない程度の弱い磁界に対応するように設計される。従って、磁気ディスクに十分な渦電流を誘起して磁気ディスクを加熱しつつ、記録ビットの安定性に悪影響を与えないようにすることができる。
図3は、制御部11dによる磁気ディスク10の温度調整方法の説明図である。図3において、横軸は磁気ディスク10の温度、縦軸は磁気ディスク10の保持力Hを示す。
図3において、磁気ディスク10のHは昇温とともに減少する。従って、磁気ディスク10の取り得る温度範囲に対応して、取り得るHの変動範囲が決まる。ここで、磁気ディスク10のHは、上述したように、磁気ヘッドの書き込み能力及び記録ビットの安定性等の観点から使用において適正な範囲ΔHを有する。しかしながら、温度調整を全く行わない使用態様においては、取り得るHの範囲が、環境温度の変動等によって適正使用範囲ΔHを外れる状況が生じる。この結果、書き込み不良等のエラーの発生する場合が起こり得る。
制御部11dによって温度調整を行う場合、最初に、磁気ディスク付近に設置された温度センサ12が温度を計測する。制御部11dは、温度センサ12から受け取ったこの計測値に基づいて磁気ディスク10の温度を認識する。この認識した温度が図2におけるTmin未満であれば、制御部11dは、電源11cにコイル11aへの電力供給指令を送出する。一方、図2におけるTmaxを超える値であれば、電源11cにコイル11aへの電力供給の停止指令を送出する。この結果、磁気ディスク10のHは、環境温度の変動等にかかわらず、常に適正使用範囲ΔH内に確保されることになる。
図4は、本発明の他の実施形態における磁気ディスク駆動装置の構成の一部を概略的に説明する図である。
同図において、40は、スピンドルモータ43の回転軸の周りを回転する磁気ディスクである。磁気ディスク40は、磁束の印加によって渦電流の誘起が可能なAl又はAl合金等を基板としてその上に形成された磁気記録層を含む。ただし、磁気ディスク40が、渦電流の誘起が可能な磁気記録層、その他の導電層を含む場合、ガラス基板が用いられてもよい。この渦電流の誘起が可能な導電層は、発熱効率の点から、Fe系合金又はパーマロイ等の金属磁性材料によって形成されることが好ましい。さらに、この導電層と磁気記録層との層間距離は、磁気記録層の加熱効率の点から、小さいほど好ましい。41は、磁気ディスク40に磁束を供給する磁束発生部である。磁束発生部41において、41aは、ポール41bに巻かれた磁束発生用のコイルであり、電源41cに接続されて電力供給を受ける。このポール41bは、フェライト、パーマロイ又は鉄合金等の強磁性材料で形成されていて、コイル41aの部分で発生した磁束を磁気ディスク40内にまで導く磁路となっており、磁気ディスク40の1つの表面に磁極部を近接させて設置されている。この際、ポール41bの磁極部は、同図のように磁気ディスク40の磁気記録層側の面に近接していても良いし、それとは反対側の面に近接していても良い。電源41c、制御部41d、温度センサ42及び磁気ヘッド44に関しては、図1における電源11c、制御部11d、温度センサ12及び磁気ヘッド14と同様である。
図4の実施形態においても、磁気ディスク40は、ポール41bから到達する磁束の時間変化によって引き起こされる渦電流によって加熱される。この際、ポール41bは、図1の実施形態とは異なり対向する磁極がないので、ポール41bから引き起こされた磁束密度はポール41bから離れるにつれて急速に減衰し、磁気ディスク40内では磁束は一般に強度が弱くなる。従って、その変化量も小さくなる。その結果、図1の実施形態に比較すると、同じ供給電力において発生する渦電流量も小さくなるので、磁気ディスク40の加熱量も小さくなる。すなわち、加熱の効率は劣ることになる。
しかしながら、図4の実施形態の磁束発生部41は、図1の磁束発生部11と比較すると構成が簡単であり、装置全体のさらなる小型化には適している。
図5は、本発明のさらに他の実施形態における磁気ディスク駆動装置の構成の一部を概略的に説明する図である。
図5(a)において、50は、スピンドルモータ53の回転軸の周りを回転する磁気ディスクである。磁気ディスク50は、磁束の印加によって渦電流の誘起が可能なAl又はAl合金等を基板としてその上に形成された磁気記録層を含む。ただし、磁気ディスク50が、渦電流の誘起が可能な磁気記録層、その他の導電層を含む場合、ガラス基板が用いられてもよい。この渦電流の誘起が可能な導電層は、発熱効率の点から、Fe系合金又はパーマロイ等の金属磁性材料によって形成されることが好ましい。さらに、この導電層と磁気記録層との層間距離は、磁気記録層の加熱効率の点から、小さいほど好ましい。51は、磁気ディスク50に磁束を供給する永久磁石部である。この永久磁石部51は、フェライト等の酸化物強磁性材料、希土類系強磁性材料、又は遷移金属系強磁性材料等で形成されており、磁気ディスク50を挟んで対向していてそれぞれ極性が反対の永久磁石を有している。この永久磁石部51は、図5(b)に示すように、磁気ディスク50の1つの表面のみに永久磁石51´を近接させて設置されても良い。この際、永久磁石51´は、同図のように磁気ディスクの磁気記録層側の面に近接していても良いし、それとは反対側の面に近接していても良い。なお、磁気ヘッド54は、図1における磁気ヘッド14と同様である。
図6は、図5の実施形態における、磁気ディスク50を加熱する原理の説明図である。
図6(a)において、磁気ディスク50を挟んで対向しておりそれぞれ反対の極性を有する2つの永久磁石からなる永久磁石部51は、この永久磁石間に磁気ディスク50を貫通する磁束60を発生させる。この磁束60は時間的に変化せず一定の磁束密度を示す。しかしながら、使用時には磁気ディスク50は高速で回転している。ここで、図6(b)に示すように、ディスク上の1地点Aが、対向する永久磁石部51の間隙を、A1、A2、A3、A4及びA5の順に従って通過する状況を考える。地点Aでの磁束密度は、永久磁石部51に近づくA1において増加し始め、A2、A3と進むに従って増大の割合も増加する。その間、地点Aでは、この磁束密度の増大を打ち消す方向に渦電流61が引き起こされる。その後、地点AがA4、A5と永久磁石部から遠ざかるに従って、地点Aでの磁束密度は減少していく。この間、地点Aでは、この磁束密度の減少を打ち消す方向に渦電流62が引き起こされる。これらの渦電流の損失により磁気ディスク50が加熱される。
この際の発熱エネルギーは、磁気ディスク50を回転させるスピンドルモータ53における負荷の増大分によって賄われる。また、地点Aにおける磁束密度の時間的変化量は、永久磁石の最大磁束密度及び磁気ディスクとの距離と、磁気ディスク50の回転数及び地点Aの動径座標とによって決まる。すなわち、磁気ディスク50の回転数が大きいほど、発熱量も大きくなる。この際、永久磁石と磁気ディスクとの距離を調整することによって、発熱量を制御することが可能となる。
さらに、磁気ディスクの発熱によって対向する永久磁石部51の温度が上昇すれば、永久磁石部51の飽和磁束密度が低下して発熱量が減少する。また、使用環境が高温である場合においても、同様に永久磁石部51の飽和磁束密度が低い値をとることによって発熱量が抑制される。このように、永久磁石を構成する磁性材料を使用環境に合わせて適切に選択すればセルフ温度制御も可能となる。
以上述べた実施形態は、ディスクが磁気ディスクであって、長手磁気記録方式又は垂直磁気記録方式のディスク駆動装置におけるものであるが、ディスクが、光磁気ディスク又は光ディスクであって、光磁気記録方式の光磁気ディスク駆動装置又は光記録方式の光ディスク駆動装置におけるものであっても、本発明の範囲内に含まれることは明らかである。すなわち、本発明による磁束発生手段によって、光磁気ディスク又は光ディスクを所定の温度範囲内に加熱することによって、安定した記録再生環境を確保してレーザ光による書き込み及び/又は読み出し動作を補助することが可能となる。
さらに、以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
本発明の一実施形態における磁気ディスク駆動装置の構成の一部を概略的に説明する図である。 図1の実施形態における、磁気ディスクを加熱する原理の説明図である。 制御部による磁気ディスクの温度調整方法の説明図である。 本発明の他の実施形態における磁気ディスク駆動装置の構成の一部を概略的に説明する図である。 本発明のさらに他の実施形態における磁気ディスク駆動装置の構成の一部を概略的に説明する図である。 図5の実施形態における、磁気ディスクを加熱する原理の説明図である。
符号の説明
10、40、50 磁気ディスク
11、41 磁束発生部
11a、41a コイル
11b コア
11c、41c 電源
11d、41d 制御部
12、42 温度センサ
13、43、53 スピンドルモータ
14、44、54 磁気ヘッド
20 交番磁束
21、61、62 渦電流
41b ポール
51 永久磁石部
51´ 永久磁石
60 磁束

Claims (20)

  1. 印加された磁束によって渦電流の誘起が可能な少なくとも1つのディスクと、該少なくとも1つのディスクに磁束を印加するための少なくとも1つの磁束発生手段とを備えていることを特徴とするディスク駆動装置。
  2. 前記少なくとも1つの磁束発生手段が、磁束発生源として電磁コイルを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のディスク駆動装置。
  3. 前記少なくとも1つのディスクの近傍に温度センサを有しており、該温度センサの計測値に基づいて前記電磁コイルへの電流の供給を制御する手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載のディスク駆動装置。
  4. 前記電磁コイルに供給する電流が交流であることを特徴とする請求項2又は3に記載のディスク駆動装置。
  5. 前記少なくとも1つの磁束発生手段が、磁束発生源として永久磁石を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のディスク駆動装置。
  6. 前記少なくとも1つの磁束発生手段が、少なくとも1つの磁極部を備えており、該少なくとも1つの磁極部が、前記少なくとも1つのディスクのディスク面に近接した位置に設置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のディスク駆動装置。
  7. 前記少なくとも1つの磁束発生手段が、互いに異なる極性を示す2つの磁極部を備えており、該2つの磁極部が、前記少なくとも1つのディスクのディスク面を挟んで対向する位置に設置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のディスク駆動装置。
  8. 前記少なくとも1つのディスクが、前記渦電流を発生させるための少なくとも1つの導電板又は少なくとも1つの導電層を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のディスク駆動装置。
  9. 前記少なくとも1つのディスクが磁気ディスクであって、長手磁気記録方式又は垂直磁気記録方式によって情報の記録及び再生を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のディスク駆動装置。
  10. 前記少なくとも1つのディスクが光磁気ディスク又は光ディスクであって、光磁気記録方式又は光記録方式によって情報の記録及び再生を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のディスク駆動装置。
  11. ディスク駆動装置に備えられた少なくとも1つのディスクに磁束を印加し、該印加した磁束によって渦電流を誘起させることによって、該少なくとも1つのディスクを加熱することを特徴とするディスク温度調整方法。
  12. 電磁コイルを用いて前記少なくとも1つのディスクに磁束を印加することを特徴とする請求項11に記載のディスク温度調整方法。
  13. 前記少なくとも1つのディスクの近傍に備えられた温度センサが、前記少なくとも1つのディスクの温度を計測し、該温度センサの計測値に基づいて前記電磁コイルへの電流の供給を制御することを特徴とする請求項12に記載のディスク温度調整方法。
  14. 前記電磁コイルに供給する電流が交流であることを特徴とする請求項12又は13に記載のディスク温度調整方法。
  15. 永久磁石を用いて前記少なくとも1つのディスクに磁束を印加することを特徴とする請求項11に記載のディスク温度調整方法。
  16. 前記少なくとも1つのディスクのディスク面に近接した位置に設置されている少なくとも1つの磁極部によって、前記少なくとも1つのディスクに磁束を印加することを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載のディスク温度調整方法。
  17. 前記少なくとも1つのディスクのディスク面を挟んで対向する位置に設置されている互いに異なる極性を示す2つの磁極部によって、前記少なくとも1つのディスクに磁束を印加することを特徴とする請求項11から16のいずれか1項に記載のディスク温度調整方法。
  18. 前記少なくとも1つのディスクが少なくとも1つの導電板又は少なくとも1つの導電層を含んでおり、該少なくとも1つの導電板又は該少なくとも1つの導電層に、前記渦電流を誘起させることを特徴とする請求項11から17のいずれか1項に記載のディスク温度調整方法。
  19. 前記少なくとも1つのディスクが、磁気ディスク駆動装置に備えられた長手磁気記録用又は垂直磁気記録用の磁気ディスクであって、該磁気ディスクに前記磁束を印加することを特徴とする請求項11から18のいずれか1項に記載のディスク温度調整方法。
  20. 前記少なくとも1つのディスクが、光磁気ディスク駆動装置又は光ディスク駆動装置に備えられた光磁気ディスク又は光ディスクであって、該光磁気ディスク又は該光ディスクに前記磁束を印加することを特徴とする請求項11から18のいずれか1項に記載のディスク温度調整方法。
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