JP4667425B2 - 磁気記録再生システム - Google Patents

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本発明は、磁気記録再生システムに関する。
近年、ハードディスクドライブ(HDD)を一例とした磁気記録再生システムには、益々の大容量化が要求されている。
ここでハードディスクドライブの記録と再生の原理について説明する。ハードディスクドライブは、記録媒体上の磁気ビットの磁化方向の違いを情報として扱う。記録素子によって磁気ビットの磁化方向が決められ、磁気ビットの磁化方向が再生素子によって読み出される。近年、記録密度の高密度化に伴い磁気ビットが小さくなるのに対応するため、サイズの低減及び大きな再生信号を実現できる磁気抵抗効果素子が再生素子として用いられている。
磁気抵抗効果素子の一例であるトンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子)の再生原理を説明する。TMR素子は、磁化方向が固定された強磁性層(磁化固定層)、絶縁層、磁気ビットからの漏洩磁場を感知する強磁性層(磁化自由層)の三層を有し、磁化固定層、絶縁層及び磁化自由層を貫く方向の電流が流される。このとき、絶縁層の厚さが数nmと非常に薄いため、絶縁層にはトンネル電流が流れる。磁気ビットからの漏洩磁場の向きにより磁化自由層の磁化方向は変化するが、磁化固定層の磁化方向は変化しない。磁化自由層の磁化方向と磁化固定層の磁化方向が互いに平行に近いときは、トンネル確率が高くなり、電気抵抗が小さくなる。また、磁化自由層の磁化方向と磁化固定層の磁化方向が互いに反平行に近いときにはトンネル確率が低く、電気抵抗が大きくなる。この電気抵抗の違いにより磁気ビットの磁化方向を判断できる、つまり磁気ビットの情報を再生することが可能となる。
ここで、磁気ビットの磁化方向を読み取るためには、磁化固定層の磁化方向が固定されている必要がある。磁気ビットからの漏洩磁場によって磁化自由層の磁化方向だけでなく、磁化固定層の磁化方向までもが変化してしまうと、磁化自由層と磁化固定層の磁化方向が常に同じになってしまい、抵抗値が常に小さくなり、磁気ビットの磁化方向の違いを読み取れなくなってしまうためである。
ハードディスクドライブは、動作中に内部温度が100度以上に上昇することがある。また磁気抵抗効果素子内部は、電流が流されるときに生じる自己発熱や、静電気の発生による瞬間的な温度上昇により、更に高い温度まで昇温されることがある。これらの昇温によって磁化固定層、及び、交換結合によって磁化固定層の磁化方向を固定するために磁化固定層に積層された反強磁性層は、これら2つの層の交換結合による磁化固定層の一方向異方性が消失する温度であるブロッキング温度以上に昇温される可能性がある。反強磁性層及び磁化固定層がブロッキング温度以上に昇温すると、交換結合が弱くなり磁化固定層の一方向異方性が消失し、再び温度が低下し交換結合が付与される時に多くの磁気ビットからの様々な方向の漏洩磁場により、磁化固定層の磁化方向が初期の方向と異なるものとなるか磁化が小さくなってしまう。磁化固定層の磁化の方向が初期の方向と異なるものとなったり磁化が小さくなってしまった場合、磁化自由層が磁気ビットからの漏洩磁場を感知しても、磁気抵抗効果素子の電気抵抗値は正常時のように変化せず、磁気ビットからの情報を正確に読み取ることができなくなる。
ハードディスクドライブの安定動作を確保するために、特許文献1には、ブロッキング温度の向上を図った交換結合素子及びその製造方法が開示されている。特許文献1の手法によると、高いブロッキング温度が得られるため、磁気抵抗効果素子の熱耐性が向上し、ハードディスクドライブの動作時の昇温による磁化固定層の一方向異方性の消失を抑制することが可能となる。
特開2005−333106号公報
特許文献1で開示された手法により熱耐性が向上し動作が安定するが、ハードディスクドライブの動作時の静電気の発生による瞬間的な昇温などにより、磁化固定層及び反強磁性層がブロッキング温度以上に瞬間的に昇温することがあり、完全に再生素子の磁化固定層の一方向異方性の消失を抑制することができない。一度動作時に磁化固定層の一方向異方性が失われると再生素子が正常に動作しなくなる。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の磁気記録再生システムは、反強磁性層、第一の強磁性層、中間層、第二の強磁性層がこの順序で積層された再生素子を備える磁気ヘッドを有する磁気記録再生システムであって、前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層を、これら2つの層の交換結合による前記第一の強磁性層の一方向異方性が消失する温度であるブロッキング温度以上の温度に昇温させる昇温手段と、前記第一の強磁性層の保磁力以上の大きさの直流磁場を前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層に印加する磁場印加手段とを有する。
磁気記録再生システムが動作中に何らかの原因で再生素子の温度が上昇し、再生素子における第一の強磁性層の一方向異方性が消失した場合に、反強磁性層と第一の強磁性層をブロッキング温度以上の温度に昇温し、磁場を印加しながら冷却することにより、再び第一の強磁性層に所望の方向の交換結合を付与し、第一の強磁性層に一方向異方性を付与することができる。このため、安定した再生を提供することができる。
本発明において、前記昇温手段は、前記再生素子から出力される再生信号の信号量が所定値よりも小さくなった場合に、前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層を昇温させ、前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層に前記直流磁場が印加されている間に、前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層を、前記ブロッキング温度以上の温度から前記ブロッキング温度よりも低い温度にまで降温させる。以降の説明において、「反強磁性層及び第一の強磁性層をブロッキング温度以上の温度に昇温させた後、磁場を印加しながらブロッキング温度よりも低い温度に降温して、第一の強磁性層に交換結合力を再付与する工程」を交換結合再付与プロセスと称する。
これによると、再生信号の信号量が所定値よりも小さくなった場合に、交換結合再付与プロセスをリアルタイムに行うことができる。さらに交換結合が消失していない場合には交換結合再付与プロセスが行われないので、昇温や磁場印加のためのエネルギーを節約することができる。
さらに、前記昇温手段が、前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層を加熱する加熱部材と、前記再生素子から出力される前記再生信号の信号量を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した信号量が前記所定値よりも小さいか否かを判定する判定手段と、前記信号量が前記所定値よりも小さいと前記判定手段が判定したときに、前記加熱部材による前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層の加熱を開始させる加熱開始手段とを含んでいる。
また、本発明による磁気記録再生システムは、レーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光の照射位置を、記録媒体への情報の記録時に前記記録媒体に照射される近接場光を発生させる位置と、前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層を加熱する位置と間で切り替える切替手段とをさらに備えている。これによると、レーザ光源を、近接場光の発生と反強磁性層及び第一の強磁性層の加熱とに兼用することができるので、システムの構成を簡略なものとすることができる。
参考例
本発明の参考例について説明する。図1(a)は、本参考例に係る磁気記録再生システムに含まれるハードディスクドライブの模式的な平面図であって、記録又は再生していない場合を示している。図1(b)は、図1(a)と同じハードディスクドライブの模式的な平面図であって、記録又は再生している場合を示している。図2(a)は、図1(a)及び図1(b)に示すハードディスクドライブの一部の、記録又は再生していない場合におけるサスペンションの幅方向に沿った模式的な縦断面図である。図2(b)は、図1(a)及び図1(b)に示すハードディスクドライブの一部の、記録又は再生していない場合におけるサスペンションの長手方向に沿った模式的な縦断面図である。図3は、図1(a)及び図1(b)に示すハードディスクドライブの一部の、記録又は再生時におけるサスペンションの長手方向に沿った縦断面図である。
参考例に係る磁気記録再生システムは、図1〜図3に示すハードディスクドライブ101と、このハードディスクドライブ101の動作を制御する制御装置120(図9参照)とを含んでいる。ハードディスクドライブ101は、カバー1と、円盤状の磁気記録媒体2と、媒体2に隣接しているヘッドジンバルアッセンブリ51と、ランプ8と、磁石9と、ヒータ10とを有する。媒体2は、媒体支持部3を中心として図示しないモータを駆動源として定速度で矢印4で示される方向に回転する。ヘッドジンバルアッセンブリ51は、ヘッド32、水平に延びたタブ11を先端に有するサスペンション7、ヘッドアーム6、軸受けユニット5から構成されている。図2(a)では、紙面手前にランプ8が設けられている。図2(b)では、紙面手前にヒータ10が設けられている。
図3に示すように、ヘッド32は、ヘッド32を媒体2の表面から数nmから数十nmの高さに浮上させるためのスライダ12と、情報を媒体2に記録するための記録素子33と、媒体2に記録された情報を再生するための再生素子17とを有する。サスペンション7はヘッド32を保持する。ヘッドアーム6はサスペンション7を保持する。
軸受けユニット5は、モータ53(図9参照)と、ヘッドアーム6とを接続している。モータ53の回転により、ヘッドジンバルアッセンブリ51が軸受けユニット5を中心として水平面内で揺動する。これにより、図1(b)に示すように、記録又は再生時にはヘッド32が媒体2上に位置し、図1(a)に示すように、記録又は再生していない時にはヘッド32が媒体2上にない。つまり、記録又は再生の開始前にヘッド32が媒体2上の媒体2に対向する位置(以下、「対向位置」と称する)に移動し、記録又は再生の終了後に、ヘッド32が媒体2上から媒体2に対向しない位置(以下、「退避位置」と称する)に退避する。
参考例において、ヒータ10はレーザ光源を含んでいる。図2(a)で示すように、ヒータ10から出射されたレーザ光39が、退避位置にある再生素子17に照射される。このように、ヒータ10は、再生素子17を昇温する働きする。図2(a)に示すように、磁石9は、永久磁石であって、常に直流磁場を発生している。直流磁場の向き13は、紙面上方向である。これによって、磁石9は、再生素子17に直流磁場を印加する働きをする。
図2(b)に示すように、ランプ8の側面には、凸部8aが設けられている。ヘッド32が退避位置にあるとき、タブ11が凸部8aに引っ掛けられる。これによって、ヘッド32がカバー1や磁石9などに接触せず、空中に保持される。
記録又は再生時のヘッドの動きの詳しい説明をする。記録又は再生時には、図1(b)及び図3に示すように、ヘッド32は、回転している媒体2上の対向位置にある。このとき記録素子33により媒体2上に磁化方向として情報が記録され、再生素子17により媒体2に記録された情報が再生される。スライダ12の媒体対向面には凹凸のパターン形状が設けられているため、媒体2が回転することによって媒体2から離れようとする力が生じる。この離れようとする力と、サスペンション7からヘッド32に与えられる媒体2に近づけようとする力との釣り合いにより、ヘッド32は媒体2の表面から数nmから数十nmの高さで保持される。
記録又は再生していない時のヘッドの動きの詳しい説明をする。記録又は再生を行っていない時、ヘッド32は媒体2との衝突などを防ぐために、図1(a)に示すように、退避位置に退避している。このときヘッド32がサスペンション7以外の部分に接触せず空中に保持されるようにするために、サスペンション7に設けられたタブ11がランプ8の凸部8aに引っ掛けられる。
次に、図4(a)及び図4(b)を参照して、ヘッド2の構造について説明をする。図4(a)は、サスペンション7の長手方向に沿ったヘッド32の縦断面図である。図4(b)は、ヘッド32の底面図である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、ヘッド32は、絶縁層18と、スライダ12に絶縁層18を介して接する2つの電極層16と、2つの電極層16の間に挟まれた再生素子17とを有する。電極層16は、再生素子17の抵抗値を測定するためのセンス電流を流す働きをする。さらにヘッド32は、媒体2の磁気ビットに磁化情報を記録する記録素子33を有する。記録素子33は、記録磁極20とリターン磁極19とを有する。ヘッド32には、図示していないコイルが巻かれており、コイルに流される電流の向きにより、記録磁極20の媒体対向面を通過する磁場の向き(媒体対向面から外に向かって出る、または、媒体対向面に向かって入る)が制御される。記録磁極20の媒体対向面を通過する磁場の向きにより、媒体2上の記録ビットの磁化方向が決められる。リターン磁極19の媒体対向面には、記録磁極20の媒体対向面を通過する磁場がこれとは逆方向に通過する。
次に、図5を用いて外部磁場が印加されていない場合の再生素子17の説明をする。ここで再生素子17は、再生素子が有する強磁性層の磁化方向により電気抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子である。
再生素子17は、反強磁性層24、第一の強磁性層25、中間層26、第二の強磁性層27を有している。再生素子17の構成の一例として、反強磁性層24としてMnIr、第一の強磁性層25としてCoFeB、中間層26としてMgO、第二の強磁性層27としてNiFeがある。再生素子17は、反強磁性層24、第一の強磁性層25、中間層26、第二の強磁性層27がこの順序で成膜されることによって形成されたものである。ここで、MnIrのブロッキング温度は250℃である。またNiFeは保磁力が数百A/m以下(数Oe以下)と小さいので、媒体2の磁気ビット28(図7(a)参照)からの漏洩磁場により磁化方向を容易に変えることができ、磁気ビット28の磁化情報を感知する層として働く。第一の強磁性層25の磁化方向22は、反強磁性層24から付与される磁気的な結合(交換結合:矢印21の方向)により固定されている。第二の強磁性層27の磁化方向23は、媒体2の磁気ビットからの漏洩磁場がない場合は、第一の強磁性層25の磁化の方向22から90度回転した方向となっている。
ここで、反強磁性層24から第一の強磁性層25へ交換結合を付与する方法を説明する。反強磁性層24と第一の強磁性層25との磁気的な結合である交換結合が消失する温度(ブロッキング温度)以上の温度まで昇温し、交換結合を消失した後、所望の向きの磁場を反強磁性層24と第一の強磁性層25に印加しながら、温度をブロッキング温度よりも低い温度に降温させることにより、反強磁性層24から第一の強磁性層25へ交換結合が付与される。ブロッキング温度以上の温度からブロッキング温度よりも低い温度にまで温度が下がる過程において、このとき印加されている磁場の向きに、反強磁性層24と第一の強磁性層25との間に交換結合が生じる。
次に、外部磁場の方向による再生素子17の抵抗値変化について、図6(a)及び図6(b)を用いて説明する。再生素子17は磁気抵抗効果素子であるため、第一の強磁性層25の磁化方向22と第二の強磁性層27の磁化方向23との相対関係により抵抗値が変化する。第一の強磁性層25の磁化方向22には、反強磁性層24から付与される交換結合により一方向異方性が与えられ、一方向に固定されている。一方、第二の強磁性層27は、保磁力が小さい材料が用いられているために、外部磁場によってその磁化方向が容易に変化するようになっている。
図6(a)に示すように、第二の強磁性層27の磁化方向23が外部磁場などにより変化し、第一の強磁性層25の磁化方向22と同じ向きとなった場合、電流を流すと、第一の強磁性層25から中間層26を通過し第二の強磁性層27へ電子が移動する割合が大きくなるので、第一の強磁性層25、中間層26、第二の強磁性層27を流れる電流の抵抗値は低くなる。
一方、図6(b)に示すように、第二の強磁性層27の磁化方向23が外部磁場などにより変化し、第一の強磁性層25の磁化方向22と逆方向になった場合、第一の強磁性層25から中間層26を通過し第二の強磁性層27へ電子が移動する割合が小さくなるので、第一の強磁性層25、中間層26、第二の強磁性層27を流れる電流の抵抗値は高くなる。このとき、第一の強磁性層25の磁化方向22は、反強磁性層24から付与される交換結合により外部磁場が印加されても変化しない。また、第一の強磁性層25の磁化方向22と第二の強磁性層27の磁化方向23が完全に平行、反平行でなくても、図5に示す方向23が第一の強磁性層25の磁化の方向22から90度回転した方向以外となっていれば、完全に平行、反平行の場合よりも変化の割合が小さくなるものの再生素子17の抵抗値は図5の場合から変化したものとなるので、情報の再生が可能である。
次に、ヘッド32が対向位置にあるときの再生素子17と媒体2の位置関係について、図7(a)及び図7(b)を参照して説明する。図7(a)は、媒体2の周方向に沿った、再生素子17及び媒体2の縦断面図である。図7(b)は、第二の強磁性層27を含むように媒体2の径方向に沿った、再生素子17及び媒体2の縦断面図である。これらの図面において、矢印30は、媒体の回転方向を示している。図7(a)に示すように、再生素子17の各層の積層方向は媒体面に対して略平行である。本参考例においては、磁気ビット28の磁化方向が媒体面に対して垂直な方向である垂直磁気記録方式であるので、第一の強磁性層25の磁化方向22は、反強磁性層24から付与される交換結合によって、媒体面に対して垂直な方向に固定されている。また、第二の強磁性層27の磁化方向23は、第二の強磁性層27に隣接して設けられたバイアス層(図示せず)から付与されるバイアス磁場により、第一の強磁性層25の磁化方向22と垂直な方向(紙面垂直な方向)を向いている。
次に、図8(a)及び図8(b)を参照して、媒体2の磁気情報を再生する原理を説明する。図8(a)は、第二の強磁性層27を含むように媒体2の径方向に沿った、再生素子17及び媒体2の縦断面図であって、磁気ビット28の磁化方向29と第一の強磁性層25の磁化方向22がほぼ同じ場合を示している。図8(b)は、磁気ビット28の磁化方向29と第一の強磁性層25の磁化方向22が逆方向の場合を示している。
図7(a)及び図7(b)のように、再生すべき磁気ビット28が磁化されておらず磁気ビット28からの漏洩磁場がない場合は、第二の強磁性層27の磁化方向23は紙面右向きである。これに対して、図8(a)に示すように、再生すべき磁気ビット28の磁化方向29が上向きである場合、矢印31で示す紙面上向きの漏洩磁場が第二の強磁性層27を貫く。この漏洩磁場の向きは、第一の強磁性層25の磁化方向22と同じであるので、漏洩磁場により、再生素子17の第二の強磁性層27の磁化方向23は紙面上向きに傾く。第一の強磁性層25の磁化方向22は、反強磁性層24からの交換結合によって、紙面上向きに固定されている。このように、磁気ビット28の磁化方向29が第一の強磁性層25の磁化方向22と同じ場合は、第一の強磁性層25の磁化方向22と第二の強磁性層27の磁化方向23が略平行となるので、磁気抵抗効果素子である再生素子17の電気抵抗値は小さくなる。
一方、図8(b)に示すように、再生すべき磁気ビット28の磁化方向29が下向きである場合、矢印31で示す紙面下向きの漏洩磁場が第二の強磁性層27を貫く。この漏洩磁場の向きは、第一の強磁性層25の磁化方向22と逆方向であるので、漏洩磁場により、再生素子17の第二の強磁性層27の磁化方向23は紙面下向きに傾く。このように、磁気ビット28の磁化方向29が第一の強磁性層25の磁化方向22と反対の場合は、第一の強磁性層25の磁化方向22と第二の強磁性層27の磁化方向23が略反平行となるので、再生素子17の電気抵抗値は大きくなる。
したがって、再生素子17の電気抵抗値を測定することにより媒体2内の磁気ビット28の磁化情報を読み出すことができる。このように、固定されている第一の強磁性層25の磁化方向22と、磁気ビット28からの漏洩磁場により向きを変える第二の強磁性層27の磁化方向23との関係により再生素子17が情報の再生を行うので、正確に再生を行うためには第一の強磁性層25の磁化方向22が一方向に固定されていることが重要になる。
磁気記録再生システムでは、温度の上昇による交換結合磁場の消失が問題となるが、その対応策として、特許文献1(特開2005−333106)では、ブロッキング温度の向上を図った交換結合素子を提供する手法が開示されている。特許文献1の手法では、高いブロッキング温度が得られるため、磁気抵抗効果素子の熱耐性が向上し、動作時の昇温による磁化固定層の一方向異方性の消失を抑制することが可能となる。
しかし、磁気記録再生システムでは、動作時の発熱や、静電気による瞬間的な発熱により、再生素子17がブロッキング温度以上に昇温してしまうことを完全に防ぐことは困難である。再生素子17が記録媒体2上の対向位置にあると、再生素子17が昇温されながら多数の磁気ビット28からの様々な磁化方向の漏洩磁場により、磁場の方向が変化する交流磁場を受けることになる。再生素子17の反強磁性層24と第一の強磁性層25の温度が一度でもブロッキング温度以上に上昇してしまった場合、すぐにブロッキング温度よりも低い温度に冷却されたとしても、媒体2上の多くの磁気ビット28からの漏洩磁場による交流磁場により反強磁性層24と第一の強磁性層25との交換結合の向きが初期の方向と異なるものとなるか、磁化が小さくなり、第一の強磁性層の磁化方向21も初期の方向と異なっていたり、磁化が小さくなってしまう。従来の手法では、一度温度がブロッキング温度以上の温度まで上昇し、第一の強磁性層25の一方向異方性が消失してしまうと、再生信号の信号量が低下して再生することができなくなる。
そこで、本参考例では、磁気記録再生システムの動作中に何らかの原因で再生素子17がブロッキング温度以上の温度に上昇し、再生素子17における第一の強磁性層25の一方向異方性が消失した場合に、反強磁性層24及び第一の強磁性層25をブロッキング温度以上の温度に昇温し、直流磁場を印加しながら冷却することにより、再び第一の強磁性層25に所望の方向の交換結合を付与し、一方向異方性を付与する。したがって、磁化情報を確実に再生することができる。従来の手法では、磁気記録再生システムが動作中に、再生素子17の温度がブロッキング温度以上の温度に上昇し、第一の強磁性層25の一方向異方性が消失してしまうと、磁化情報を再生することができなくなるが、本参考例では、第一の強磁性層25の磁化の一方向異方性が消失しても、再び一方向異方性を付与し、磁化情報を再生可能することが可能である。
図9は、本参考例にかかる磁気記録再生システムの交換結合再付与プロセスにかかるブロック図である。図9中、磁気記録再生システムにおいて、交換結合再付与プロセスに関係しない部材の図示を省略している。
図9に示すように、本参考例に係る磁気記録再生システムは、ハードディスクドライブ101と、このハードディスクドライブ101の動作を制御する制御装置120とを含んでいる。ハードディスクドライブ101は、ヘッドジンバルアッセンブリ51を軸受けユニット5を中心として揺動させる駆動源となるモータ53、再生素子17、及び、加熱部材であるヒータ10を有している。制御装置120は、検出部121、判定部122、加熱制御部123、及び、モータ制御部124を有している。検出部121は、再生素子17から出力される再生信号の信号量を検出する。判定部122は、検出部121が検出した信号量が所定値よりも小さいか否かを判定する。加熱制御部123は、ヒータ10による再生素子17の加熱温度、ヒータ10による再生素子17の加熱の開始及び終了タイミングを制御する。モータ制御部124は、モータ53の駆動を制御する。
次に、図10のフローチャートを参照して、本参考例における交換結合再付与プロセスを順に説明する。以下に説明する交換結合再付与プロセスは、媒体2への記録又は再生が行われていない期間に、制御部120の制御に従って例えば所定時間毎に行われてよい。
ステップS10では、モータ制御部124がモータ53を駆動することによって、ヘッド23を退避位置から対向位置へと移動させる。そして、ステップS11において、再生素子17が出力する再生信号の信号量を検出部121が検出する。続いて、ステップS12において、ステップS11で検出部121が検出した再生信号の信号量が所定値よりも小さいか否かを判定部122が判定する。ここで、再生信号の信号量が所定値よりも小さいという判定結果は、再生素子17の反強磁性層24と第一の強磁性層25の温度が過去にブロッキング温度以上に上昇してしまったために第一の強磁性層25の磁化方向21が初期の方向と異なっていたり、その磁化が初期状態よりも小さくなってしまっているということを示している。
ここで、再生信号の信号量の所定値について説明する。磁気抵抗効果素子である再生素子17では、第二の強磁性層27の磁化状態の変化に伴う電気抵抗値の変化を再生信号としている。外部磁場がない状態の電気抵抗をR0とすると、図8(a)のように外部磁場(漏洩磁場)の方向31が第一の強磁性層25の磁化方向22と同じ向きの場合には、電気抵抗がR0より小さくなる。また、図8(b)のように漏洩磁場の方向31が第一の強磁性層25の磁化方向22と逆向きの場合には電気抵抗がR0より大きくなる。したがって、電気抵抗がR0より大きくか小さいかに基づいて、再生信号が”1”又は”0”のいずれであるかが決定される。交換結合が弱くなると、第一の強磁性層25の磁化が固定されなくなるので、電気抵抗の変化の割合が小さくなる。交換結合が正常な場合でも抵抗変化にばらつきがあるので、ばらつきの最大値を抵抗変化の最大値から引いたものを規定の抵抗変化量(信号量の所定値)とすればよい。
再生信号の信号量が所定値以上であると判定された場合(S12:NO)、ステップS13に進む。ステップS13では、第一の強磁性層25の磁化方向21が初期状態のままであって正常であり、再生素子17に異常なしという検査結果が制御部120内の図示しない記憶装置に記録される。そして、交換結合再付与プロセスが終了する。
再生信号の信号量が所定値よりも小さいと判定された場合(S12:YES)、ステップS14に進む。ステップS14では、モータ制御部124がモータ53を駆動することによって、ヘッド23を対向位置から退避位置へと移動させる。
続いて、ステップS15では、加熱制御部123がヒータ10を制御して、ヒータ10からのレーザ光39の出射を開始させる。さらに、加熱制御部123は、ステップS16において、レーザ光39が照射された反強磁性層24及び第一の強磁性層25の温度が反強磁性層24の材料であるMnIrのブロッキング温度(250℃)以上の温度まで昇温したタイミングで、ヒータ10を制御してレーザ光39の出射を終了させる。その後、反強磁性層24及び第一の強磁性層25の温度は徐々に低下し、ブロッキング温度よりも低い温度となる。レーザ光39の出射終了タイミングは、レーザ光39の強度及び再生素子17の熱容量などの諸条件から予め定められていてもよいし、反強磁性層24及び第一の強磁性層25の温度がブロッキング温度以上の温度となったことを図示しない温度センサで検出した後のタイミングであってもよい。
磁石9が永久磁石であるため、退避位置にある再生素子17には、常に、磁石9が発生した直流磁場が印加されている。そのため、第一の強磁性層25は、その温度がブロッキング温度以上の温度からブロッキング温度よりも低い温度に低下する過程において、磁石9からの印加磁場により、再び交換結合が生じて図2(a)の紙面上方向に磁化される。そのとき、反強磁性層24の交換結合の向きが第一の強磁性層25の磁化方向22、すなわち磁石9からの印加磁場の向きと同じになる。ここで、第一の強磁性層25の材料であるCoFeBの保磁力は800A/m(10Oe)程度であるので、磁場の大きさが160000A/m(2000Oe)のフェライトなどを磁石9として用いると、保磁力以上の十分な大きさの磁場を発生可能である。
以上説明したように、本参考例によると、磁気記録再生システムが動作中に何らかの原因で再生素子17の温度が上昇し、第一の強磁性層25の一方向異方性が消失したとしても、再び第一の強磁性層25に初期状態と同じ方向の交換結合を付与し、第一の強磁性層25に一方向異方性を付与することができる。このため、安定した再生を提供することができる。
加えて、再生信号の信号量が所定値よりも小さくなった場合に、交換結合再付与プロセスをリアルタイムに行うことができる。さらに交換結合が消失していない場合には交換結合再付与プロセスが行われないので、昇温のためのエネルギーを節約することができる。
参考例は、垂直磁気記録方式について述べているが、本発明は面内磁気記録方式に対しても用いることができる。面内磁気記録方式とは、媒体2の磁気ビット28の磁化方向が、媒体面に対して平行方向である記録方式である。この場合、再生素子17の第一の強磁性層25の磁化方向22は媒体面に平行な方向に固定される。また、第二の強磁性体層27の磁化方向23は、磁気ビットからの漏洩磁場がない場合は、媒体2面に垂直に向けられる。よって、面内磁気記録方式においては、磁石9による印加磁場の方向は媒体面に平行な方向(横方向)にすればよい。
参考例では、ヒータ10がレーザ光源を含んでいる場合を示したが、これに限るものではなく、再生素子17の昇温が可能であれば、ヒータ10が、ランプヒータや、ニクロム線ヒータなど他の昇温手段を含んでいてもよい。
磁石9は永久磁石に限るものではなく、電磁石などでも良い。電磁石を用いると、磁場の大きさを調整でき、不必要な場合は磁場を発生させないようにすることができる。例えば、レーザ光39によって加熱された第一の強磁性層25の温度がブロッキング温度以上となってから電磁石へ電流を流し、交換結合再付与プロセス終了後には電流を停止するようにすればよい。これによって、電力消費量を削減することができる。
本発明において、再生素子17は、中間層が金属であるGMR(巨大磁気抵抗効果)素子であってもよいし、中間層が絶縁層であるTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子であってもよい。
本発明は、複数の媒体が積層されていると共に、複数のヘッドジンバルアッセンブリが積層された磁気記録再生システムに対しても適用することができる。
参考例は、媒体2への記録又は再生が行われていない期間に再生信号の信号量が所定値よりも小さくなった場合に交換結合再付与プロセスを行うものであるが、再生信号の信号量が所定値よりも小さくなったか否かに関係なく、交換結合再付与プロセスを行うようにしてもよい。或いは、媒体2に記録された情報の再生が行われている期間に再生信号をモニターし、再生信号が所定の信号量よりも小さくなった場合に、反強磁性層24と第一の強磁性層25の交換結合が弱くなったと判断して、交換結合再付与プロセスを行ってもよい。
施の形態>
本発明の実施の形態にかかる磁気記録再生システムについて、図11(a)及び図11(b)を参照して説明する。以下、本実施の形態を、参考例との相違点を中心に説明する。なお、参考例と類似した部材には、百の位が2である以外は同じ符号を付して詳細な説明を省略することがある。
本実施の形態にかかる磁気記録再生システムは、ハードディスクドライブと、これを制御する制御部とを含んでいる。この本実施の形態にかかる磁気記録再生システムでは、ハードディスクドライブにおいて、光アシスト磁気記録が行われる。ここで、光アシスト磁気記録について説明する。高記録密度化が進むと、それぞれの磁気ビットの磁化の体積が小さくなる。磁気ビットが小さくなりすぎると、単位体積当りの磁気エネルギーKuと粒子の体積Vの積で表される、異方性磁気エネルギーが温度エネルギーkB・Tよりも小さくなり、室温下でも熱揺らぎによって磁気ビットの磁化方向が変化してしまう。室温で磁化方向が変化してしまうと、記録情報が保持できず、磁気記録ができなくなってしまう。熱揺らぎによる磁化反転を防ぐために、磁化反転がしにくいKuが大きい材料が用いられるが、Kuが大きい材料を用いると磁化反転に必要な記録磁場(保磁力)が大きくなるという問題が生じる。材料的な限界から記録磁場の大きさには限界があるので、大きなKuの材料の媒体に記録するには工夫が必要である。そこで考えられたのが光アシスト磁気記録方式で、これは、記録時に媒体を昇温して保磁力を低下させ、磁化反転させ易くしてから、記録素子による磁場印加により、媒体に記録を行う手法である。
通常、光は波長程度にしか絞ることができないが、波長以下のサイズの微小な開口に光を照射することにより、波長以下のサイズの局在した光である近接場光を発生することができる。光アシスト磁気記録方式では、近接場光で媒体を昇温させることで、媒体における波長以下の小さな領域を昇温することが可能となり、小さなサイズの磁気ビットを光アシスト磁気記録できるようになる。
本実施の形態では、光アシスト磁気記録において近接場光を発生させるために用いるレーザ光源を、交換結合の再付与時の昇温にも用いるものである。図11(a)は、本実施の形態の磁気記録再生システムに含まれるハードディスクドライブが有するヘッドジンバルアッセンブリの光アシスト磁気記録時における側面図である。図11(b)は、このヘッドジンバルアッセンブリの交換結合再付与プロセス実行時における側面図である。
ヘッドジンバルアッセンブリ251は、ヘッド232、サスペンション207、サスペンション207を保持するヘッドアーム206、ヘッドアーム206の基端に設けられた図示しない軸受けユニットから構成されている。軸受けユニットは、図示しないモータと、ヘッドアーム206とを接続している。モータの回転により、ヘッドジンバルアッセンブリ512が軸受けユニットを中心として水平面内で揺動する。
ヘッド232は、ヘッド232を媒体の表面から数nmから数十nmの高さに浮上させるためのスライダ212と、情報を媒体に記録するための記録素子233と、媒体に記録された情報を再生するための再生素子217とを有する。サスペンション207は、記録素子233及び再生素子217の上面が露出するようにスライダ212においてヘッド232を保持する。再生素子217は、参考例の再生素子17と同じ構造を有している。記録素子233には、レーザ光が照射されることによって近接場光を発生する微小な開口が上面に設けられている。発生した近接場光は、記録素子233の下面から出射される。
ヘッドアーム206上には、加熱部材としてのレーザ光源234が配置されている。レーザ源234からは、ヘッドアーム206の長手方向に沿ってレーザ光239が出射される。サスペンション207の上面には、鉛直面内において揺動可能に支持片238が取り付けられている。支持片238の先端には、ミラー236が固定されている。支持片238は、制御部の制御に基づいて、その水平面に対する角度を変更可能となっている。
図11(a)に示すように、光アシスト磁気記録時には、レーザ光源234から出射されたレーザ光239が、ミラー236で反射して記録素子233の開口付近に照射されるように、支持片238の角度が制御部によって調整される。これにより、記録素子233の下面から出射された近接場光が媒体に照射される。
一方、図11(b)に示すように、交換結合再付与プロセス実行時、詳細には反強磁性層24と第一の強磁性層25との交換結合付与のための昇温時には、レーザ光源234から出射されたレーザ光239が、ミラー236で反射して再生素子217の反強磁性層24及び第一の強磁性層25に照射されるように、支持片238の角度が制御部によって調整される。その結果、反強磁性層24及び第一の強磁性層25の温度がブロッキング温度以上となって、参考例で説明したような交換結合再付与プロセスを実行することが可能となる。
このように、本実施の形態によると、支持片238及びミラー236を用い且つ支持片238の角度を制御部で変更することによって、レーザ光源234から出射されたレーザ光239の照射位置を、媒体への情報の記録時に媒体に照射される近接場光を発生させる位置と、反強磁性層24及び第一の強磁性層25を加熱する位置と間で切り替えることができる。そのため、レーザ光源234を、近接場光の発生と反強磁性層24及び第一の強磁性層25の加熱とに兼用することができるので、システムの構成を簡略なものとすることができる。
なお、本実施の形態では、支持片238を揺動可能としたが、支持片238を固定としミラー236が支持片238に対して揺動可能としてもよい。
別の変形例として、光アシスト再生方式で媒体を加熱するために用いるレーザ光源を、交換結合再付与プロセスにおいて反強磁性層24及び第一の強磁性層25の加熱用として用いてよい。光アシスト再生とは、温度が上がると磁化が大きくなるフェリ磁性体を媒体の材料に用い、再生時にレーザ光で媒体上の再生すべき磁気ビットを昇温することにより、磁気ビットからの信号を増大する手法である。フェリ磁性体は磁化量がゼロになる補償温度を有するので、補償温度を室温に設定すると再生時の他の磁気ビットからの信号ノイズがなくなる。光アシスト再生方式の場合、再生時に媒体を昇温した時、媒体近傍にある再生素子も昇温され、光アシスト再生方式でない場合に比べて、再生素子の温度がブロッキング温度に近くなる。このため、再生素子の温度がブロッキング温度より高くなり、正常に再生が行われなくなる可能性が高くなる。この変形例によれば、正常に再生が行われなくなる可能性が高くなる光アシスト再生方式においても安定した再生を実現できる。
参考例に係る磁気記録再生システムに含まれるハードディスクドライブの模式的な平面図である。 図1に示すハードディスクドライブの一部の模式的な縦断面図である。 図1に示すハードディスクドライブの一部の模式的な縦断面図である ハードディスクドライブに含まれるヘッドの縦断面図及び底面図である。本発明のヘッドの断面模式図、及び、本発明のヘッドの媒体対向面の模式図である。 ヘッドに含まれる再生素子の模式的な斜視図である。 ヘッドに含まれる再生素子の模式的な斜視図である。 再生素子及び媒体の縦断面図である。 再生素子及び媒体の縦断面図である。 本発明の参考例による磁気記録再生システムのブロック図である。 本発明の参考例による磁気記録再生システムにおける交換結合再付与プロセスを説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る磁気記録再生システムのハードディスクドライブに含まれるヘッドジンバルアセンブリの側面図である。
符号の説明
1 カバー
2 媒体
8 ランプ
9 磁石
10 ヒータ
12 スライダ
17 再生素子
20 記録磁極
24 反強磁性層
25 第一の強磁性層
26 中間層
27 第二の強磁性層
28 磁気ビット
32 ヘッド
33 記録素子
39 レーザ光
100 磁気記録再生システム
101 ハードディスクドライブ
102 制御部

Claims (1)

  1. 反強磁性層、第一の強磁性層、中間層、第二の強磁性層がこの順序で積層された再生素子を備える磁気ヘッドを有する磁気記録再生システムであって、
    前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層を、これら2つの層の交換結合による前記第一の強磁性層の一方向異方性が消失する温度であるブロッキング温度以上の温度に昇温させる昇温手段と、
    前記第一の強磁性層の保磁力以上の大きさの直流磁場を前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層に印加する磁場印加手段とを有し、
    前記昇温手段が、
    前記再生素子から出力される再生信号の信号量が所定値よりも小さくなった場合に、前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層を昇温させ、
    前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層に前記直流磁場が印加されている間に、前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層を、前記ブロッキング温度以上の温度から前記ブロッキング温度よりも低い温度にまで降温させ、
    前記昇温手段が、
    前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層を加熱する加熱部材と、
    前記再生素子から出力される前記再生信号の信号量を検出する検出手段と、
    前記検出手段が検出した信号量が前記所定値よりも小さいか否かを判定する判定手段と、
    前記信号量が前記所定値よりも小さいと前記判定手段が判定したときに、前記加熱部材による前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層の加熱を開始させる加熱開始手段とを含んでおり、
    レーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射されたレーザ光の照射位置を、記録媒体への情報の記録時に前記記録媒体に照射される近接場光を発生させる位置と、前記反強磁性層及び前記第一の強磁性層を加熱する位置と間で切り替える切替手段とをさらに備えていることを特徴とする磁気記録再生システム。
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