JP2006057790A - 配管や鋼製容器の防食施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の配管や鋼製容器の防食施工方法は、配管や鋼製容器の防食施工方法であって、輸送用鋼管や鋼製容器の外面に下地処理を行う下地処理工程と、下地処理された前記輸送用鋼管や鋼製容器の外面を樹脂含浸繊維で被覆し所定厚さの繊維強化樹脂層を形成する繊維強化樹脂層形成工程と、を備える。
【選択図】図1
Description
腐食が進行すると、著しい場合には配管や鋼製容器に孔が開き、工場等の操業が維持できなくなるため、配管や鋼製容器の補修等の防食施工を定期的に行う必要がある。
このような防食施工に関する従来の技術としては、例えば(特許文献1)に「鋼管の外表面に防食材を塗布し、その上を防食テープで被覆した後、長繊維ガラスマットで補強したポリオレフィン樹脂製保護カバーで被覆する鋼管の防食施工法」が開示されている。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、鋼管の外表面に防食材を塗布するが、鋼管の外表面が既に腐食している場合には、この部分から内部に腐食が進行し短期間のうちに配管に孔が開き、液漏れが生じ耐用年数が著しく短いという課題を有していた。
(2)配管の防食施工の際、アセチレンガス等による切断作業、グラインダ等による研磨作業、アーク溶接等による溶接作業等の火気作業を行う場合には、火気禁止区域のパイプラインを停止し可燃油等の引火性可燃物を抜き取る必要があり、多大な施工工数を要するという課題を有していた。また、火災等が発生した場合等に備えて、通常はスチームカーテンの敷設等の準備作業を要し、多大な工数を要するという課題を有していた。
(3)ポリオレフィン樹脂製保護カバーは、工場で専用の型枠を用いて製造しなければならず、パイプライン毎に金型を準備しなければならず汎用性に欠けるとともに生産性に欠けるという課題を有していた。
(4)工場で製造されたポリオレフィン樹脂製保護カバーでは、支持台(配管サポート)の取り合いやエルボ管の曲面形状等、現場に応じた施工を行うことが困難で自在性に欠けるという課題を有していた。
本発明の請求項1に記載の配管や鋼製容器の防食施工方法は、配管や鋼製容器の防食施工方法であって、輸送用鋼管や鋼製容器の外面に下地処理を行う下地処理工程と、下地処理された前記輸送用鋼管や鋼製容器の外面を樹脂含浸繊維で被覆し所定厚さの繊維強化樹脂層を形成する繊維強化樹脂層形成工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)輸送用鋼管や鋼製容器の外面に下地処理を行った後、繊維強化樹脂層を形成するので、輸送用鋼管や鋼製容器に錆等の腐食部があった場合でも腐食部を除去した後に繊維強化樹脂層を形成することができ、再腐食を起こさせず耐久性に優れた防食施工を行うことができる。
(2)輸送用鋼管や鋼製容器の外面を樹脂含浸繊維で被覆して繊維強化樹脂層を形成するので、専用の型枠等を要さず各現場に応じて現場施工をすることができ、簡便で作業性に優れるとともに汎用性に優れ、さらに輸送用鋼管や鋼製容器に機械的強度を付与して補強することができ、輸送用鋼管や鋼製容器が腐食によって開孔しても、繊維強化樹脂層が輸送用鋼管や鋼製容器に匹敵する耐圧性能を有するため、液漏れが生じるのを防止でき信頼性に優れる。
(3)輸送用鋼管等と繊維強化樹脂層とが一体化されているので、繊維強化樹脂層の外面から浸透探傷試験を行うことによって、輸送用鋼管等の開孔に伴う繊維強化樹脂層の開孔を検知することができ、定期点検の度に繊維強化樹脂層を剥がさなくても、輸送用鋼管等の腐食による開孔を早期に簡単に検知することができ、定期点検の作業性に優れる。
その後、クロム酸系の化成処理、有機系プライマーの塗布、クロム酸系の化成処理を施した後に有機系プライマーの塗布等の防錆処理を施してもよい。防錆性を高めるためである。
繊維強化樹脂層で用いられる樹脂としては、エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。
なかでも、不飽和ポリエステル樹脂が好適に用いられ、蒸気管が並設された輸送用鋼管の場合は、ビニルエステル樹脂が好適に用いられる。不飽和ポリエステル樹脂は、耐水性、耐薬品性に優れるとともに低粘度で強化繊維への含浸性に優れるからである。また、ビニルエステル樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂に比較して機械的強度,強靭性,耐熱性,耐薬品性に優れるため、輸送用鋼管に蒸気管が並設された蒸気式トレース管において80℃程度に加温された状態で用いられても耐久性に優れるからである。
なお、これらの樹脂の中に、耐熱性や耐候性を改良するための添加剤や着色剤を添加することもできる。特に、繊維強化樹脂層の表層部分は暴露により劣化することがあるので、耐候性を高めるため着色顔料を添加することが有効である。また、光酸化劣化を防止するため、紫外線吸収剤やクエンチャー等の光安定剤を添加することも有効である。
強化繊維は、繊維をランダム方向に分散させ結合剤等を用いて形成した繊維マット、繊維を糸状や紐状等に形成したものを織って形成した繊維クロスを適宜積層して用いることができる。繊維マットを用いることで配管や鋼製容器の曲面に応じて高い自由度で任意の形状に形成できるとともに容易に所定の厚さにすることができ、繊維クロスを用いることで機械的強度を高めることができるため、これらを適宜積層することにより、自在な形状に形成できるとともに方向性に依存しないように機械的強度を高めることができる。
繊維強化樹脂層の厚さとしては、配管や鋼製容器の内圧にもよるが、1〜5mm好ましくは1.5〜4mmが好適に用いられる。厚さが1.5mmより薄くなるにつれ輸送用鋼管に腐食により開孔した際に繊維強化樹脂層が破損し易くなる傾向がみられ、4mmより厚くなるにつれ樹脂含浸繊維を巻き付ける積層数が増え工数を要し作業性が低下するとともに硬化発熱が大きく収縮応力が増加し接着性が低下する傾向がみられる。特に、1mmより薄くなるか5mmより厚くなるとこれらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
なお、繊維強化樹脂層の最外層に、サーフェイスマットの樹脂含浸繊維を巻き付けると、表面を平滑にして光沢を出すことができるとともに、耐蝕性、耐水性、耐候性を向上させることができるので好ましい。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)グラインダ作業等のような火花を発する火気作業を行うことなく、高圧水を噴射して錆等の腐食部を除去する腐食部除去工程を有するので、作業時に可燃油等の引火性可燃物を引き抜く必要がなく、また火気禁止区域のパイプラインでの輸送を停止する必要もなく、操業を維持したままで防食施工を行うことができ施工コストを著しく低減することができる。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)除去部に、鋼材との密着性の高いポリウレタン樹脂と無機粉体とを含有するパテを充填するパテ充填工程を有するので、無機粉体の作用で剛性を付与し硬化時の収縮量を小さくすることができるとともに、硬化後もポリウレタン樹脂が可撓性を有するので除去部からパテが剥離し難く、また耐熱性、耐薬品性、耐油性に優れるので腐食して開孔した箇所を閉塞することができ、輸送用鋼管の耐久性を高めることができる。
また、形状は、平板状(フレーク状)に形成されたものが好適に用いられる。平板状の無機粉体を含有するパテは、球状の無機粉体を含有するパテと比較して、剛性及び寸法安定性に優れるからである。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)輸送用鋼管の外面やパテの上面にウレタン樹脂系又はエポキシ樹脂系のプライマー層を形成するプライマー層形成工程を有するので、輸送用鋼管や鋼製容器の防食性を高めることができ錆等の発生を抑制し、また、輸送用鋼管や鋼製容器と繊維強化樹脂層との密着強度を高め、繊維強化樹脂層の耐久性を高める。
プライマー層の形成厚さとしては、30〜60μm好ましくは40〜50μmが好適に用いられる。塗布厚さが40μmより薄くなるにつれ防錆効果が低下し錆易くなる傾向がみられ、50μmより厚くなるにつれ層間剥離が発生し易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)蒸気管の外面に緩衝部材を覆設するので、約150℃に加熱される蒸気管と、蒸気管からの熱が伝達され約80℃に加熱される繊維強化樹脂層とが熱膨張によって圧迫し合うのを緩衝部材が吸収することができ、繊維強化樹脂層と蒸気管とが直接擦れ合うことがないため、摩擦による繊維強化樹脂層の磨耗が生じず、繊維強化樹脂層の耐久性を高めることができる。
緩衝部材は、蒸気管の全長若しくは蒸気管の複数箇所に所定間隔をあけて覆設される。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)繊維強化樹脂層の表面にウレタン樹脂を塗布してトップコート層を形成するトップコート層形成工程を備えているので、繊維強化樹脂層が、紫外線や周囲環境の影響を受け難くなり、耐候性を高め劣化し難く防食施工の耐久性を高めることができる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)輸送用鋼管や鋼製容器の外面に下地処理を行った後、繊維強化樹脂層を形成するので、輸送用鋼管や鋼製容器に錆等の腐食部があった場合でも腐食部を除去した後に繊維強化樹脂層を形成することができ、再腐食を起こさせず耐久性に優れた防食施工を行うことができる配管や鋼製容器の防食施工方法を提供できる。
(2)輸送用鋼管や鋼製容器の外面を樹脂含浸繊維で被覆して繊維強化樹脂層を形成するので、専用の型枠等を要さず各現場に応じて施工することができ、簡便で作業性に優れるとともに汎用性に優れ、さらに輸送用鋼管や鋼製容器に機械的強度を付与して補強することができ、輸送用鋼管や鋼製容器が万一腐食によって開孔しても液漏れが生じるのを防止でき信頼性に優れた配管や鋼製容器の防食施工方法を提供できる。
(3)輸送用鋼管等と繊維強化樹脂層とが一体化されているので、繊維強化樹脂層の外面から浸透探傷試験を行うことによって、輸送用鋼管等の開孔に伴う繊維強化樹脂層の開孔を検知することができ、定期点検の度に繊維強化樹脂層を剥がさなくても、輸送用鋼管等の腐食による開孔を早期に簡単に検知することができ、定期点検の作業性に優れた配管や鋼製容器の防食施工方法を提供できる。
(1)グラインダ作業等のような火花を発する火気作業を行うことなく、高圧水を噴射して錆等の腐食部を除去する腐食部除去工程を有するので、作業時に可燃油等の引火性可燃物を引き抜く必要がなく、また火気禁止区域のパイプラインでの輸送を停止する必要もなく、操業を維持したままで防食施工を行うことができ施工コストを著しく低減することができる配管や鋼製容器の防食施工方法を提供することができる。
(1)除去部に、鋼材との密着性の高いポリウレタン樹脂と無機粉体とを含有するパテを充填するパテ充填工程を有するので、無機粉体の作用で剛性を付与し硬化時の収縮量を小さくすることができるとともに、硬化後もポリウレタン樹脂が可撓性を有するので除去部からパテが剥離し難く、また耐熱性、耐薬品性、耐油性に優れるので腐食して開孔した箇所を閉塞することができ、輸送用鋼管の耐久性を高めることができる配管や鋼製容器の防食施工方法を提供することができる。
(1)輸送用鋼管の外面やパテの上面にウレタン樹脂系又はエポキシ樹脂系のプライマー層を形成するプライマー層形成工程を有するので、輸送用鋼管や鋼製容器の防食性を高めることができ錆等の発生を抑制し、また、輸送用鋼管や鋼製容器と繊維強化樹脂層との密着強度を高め、繊維強化樹脂層の耐久性を高める配管や鋼製容器の防食施工方法を提供することができる。
(1)蒸気管の外面に緩衝部材を覆設するので、約150℃に加熱される蒸気管と、蒸気管からの熱が伝達され約80℃に加熱される繊維強化樹脂層とが熱膨張によって圧迫し合うのを緩衝部材が吸収することができ、繊維強化樹脂層と蒸気管とが直接擦れ合うことがないため、摩擦による繊維強化樹脂層の磨耗が生じず、繊維強化樹脂層の耐久性を高めることができる配管や鋼製容器の防食施工方法を提供することができる。
(1)繊維強化樹脂層が、紫外線や周囲環境の影響を受け難くなり耐候性を高め、劣化し難く耐久性を高めることのできる配管や鋼製容器の防食施工方法を提供することができる。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における防食施工方法を施した配管の要部横断面図である。
図中、1は実施の形態1における防食施工を施した蒸気式トレース配管、2は支持台(配管サポート)、3は帯鋼等で形成され支持台2に配設された固定具、4は支持台2に載置され固定具3で固定された原油、石油製品、石炭スラリー等の被輸送物を輸送する輸送用鋼管、4aは輸送用鋼管の内面や外面が腐食した腐食部、5は輸送用鋼管4の外面に発生した錆等の腐食部4aが除去されて形成された除去部に充填されたポリウレタン樹脂とフレーク状のガラス粉体等の無機粉体とを含有するパテ、6は輸送用鋼管4の外面やパテ5の上面に塗布されて形成されたウレタン樹脂系やエポキシ樹脂系のプライマー層、7はプライマー層6の表面にガラス繊維等の無機繊維にビニルエステル樹脂等の樹脂が含浸された樹脂含浸繊維を巻き付けて所定の厚さに形成された繊維強化樹脂層、8は輸送用鋼管4に並設された蒸気式トレース配管1の蒸気管、9は蒸気管8の外面に覆設されたシリコンゴム製等で形成された緩衝部材である。
まず、下地処理工程の以前に、防食施工を施す対象となる蒸気式トレース配管1の輸送用鋼管4に並設された蒸気管8を、蒸気管8の図示しないフランジ部等の接続部からボルト・ナット等の締結具を取り外すことにより除去する。次に、輸送用鋼管4が載置固定されている支持台2の固定具3を除去する。
なお、蒸気管8の図示しない締結具や輸送用鋼管4の固定具3が錆等によって取り外すのが困難な場合には、高圧水を締結具や固定具3に噴射して切断する。アセチレンガス等による切断作業では、油やガス等の引火性可燃物を除去しておく必要があり、火気禁止区域のパイプラインでの輸送を停止する必要があり施工工数が増加するからである。
ここで、高圧水の圧力としては、200〜300MPaが好適に用いられる。圧力が200MPaより低くなるにつれ切断が困難になり作業性が低下する傾向がみられ、300MPaより高くなるにつれ加圧設備が大型化するとともに反力が大きく健全な輸送用鋼管等を損傷する場合があり危険性を増す傾向がみられるため好ましくない。
次に、支持台2と輸送用鋼管4との間にジャッキを装着し輸送用鋼管4をジャッキアップして、輸送用鋼管4と支持台2との間に防食施工が可能な隙間を形成する。また、チェーンブロックを用いて輸送用鋼管4を巻き上げ、輸送用鋼管4と支持台2との間に防食施工が可能な隙間を形成することもできる。
ここで、本実施の形態においては、繊維強化樹脂層7は、ガラス繊維を糸状や紐状等に形成したものを織って布状に形成したガラスクロスを用いた樹脂含浸繊維、ガラス繊維をランダム方向に分散させ結合剤等を用いて形成したガラスマットを用いた樹脂含浸繊維を交互に積層する。自在な形状に形成するとともに方向性に依存しないように機械的強度を高めるためである。また、樹脂含浸繊維は、1〜5mm好ましくは1.5〜4mmの厚さに巻き付ける。
なお、繊維強化樹脂層7の最外層に、サーフェイスマットの樹脂含浸繊維を巻き付けると、表面を平滑にして光沢を出すことができるとともに、耐蝕性、耐水性、耐候性を向上させることができる。
また、繊維強化樹脂層7の表面にウレタン樹脂を塗布しトップコート層を形成する場合もある。これにより、繊維強化樹脂層7が、紫外線や周囲環境の影響を受け難くなり劣化し難く耐久性を高めることができる。
なお、輸送用鋼管4を支持台2に当接させる際に、支持台2と輸送用鋼管4との間に、別途形成した板状,凹状,半割状等の繊維強化樹脂部材を挿入する場合もある。これにより、輸送用鋼管4に形成された繊維強化樹脂層7が磨耗し難く、繊維強化樹脂層7の耐久性を高めることができる。
最後に、繊維強化樹脂層7が硬化した輸送用鋼管7及び緩衝部材9が覆設された蒸気管8を断熱材で囲繞する。
(1)輸送用鋼管4の外面に下地処理を行った後、繊維強化樹脂層7を形成するので、輸送用鋼管に錆等の腐食部があった場合でも腐食部を除去した後に繊維強化樹脂層7を形成することができ、再腐食を起こさせず耐久性に優れた防食施工を行うことができる。
(2)輸送用鋼管4の外面に樹脂含浸繊維を巻き付けて繊維強化樹脂層7を形成するので、専用の型枠等を要さず各現場に応じて現場施工することができ、簡便で作業性に優れるとともに汎用性に優れ、さらに輸送用鋼管4に機械的強度を付与して補強することができ、輸送用鋼管4が万一腐食によって開孔しても液漏れが生じるのを防止でき信頼性に優れる。
(3)繊維強化樹脂層7が1〜5mm好ましくは1.5〜4mmの厚さに形成されているので、万一、輸送用鋼管4が腐食により開孔した際に繊維強化樹脂層7が破損し難く信頼性に優れるとともに樹脂含浸繊維を巻き付ける積層数が少なく、工数を要さず作業性に優れる。
(4)繊維強化樹脂層7は、ガラス繊維を糸状や紐状等に形成したものを織って形成したガラスクロスを用いた樹脂含浸繊維、ガラス繊維をランダム方向に分散させ結合剤等を用いて形成したガラスマットを用いた樹脂含浸繊維を交互に積層し形成されているので、方向性を有すことなく高い機械的強度を付与することができる。
(5)下地処理工程において、グラインダ作業等の火気作業を行うことなく、高圧水を吹き付けて錆等の腐食部を除去するので、作業時にガスや油等の引火性可燃物を抜き取る必要がなく、また火気禁止区域のパイプラインでの輸送を停止する必要もなく、施工工数を著しく低減することができる。
(6)下地処理工程における高圧水の圧力が、200〜300MPa好ましくは230〜250MPaなので、健全な輸送用鋼管4を損傷し難く腐食部の除去を行うことができ作業の安定性に優れる。
(7)下地処理工程において、除去部に、ポリウレタン樹脂と無機粉体とを含有するパテ5を充填するパテ充填工程を有しているので、無機粉体の作用で剛性を付与し硬化時の収縮量を小さくするとともに、硬化後も可撓性を有するのでパテ5が剥離し難く、また耐油性、耐薬品性、耐油性に優れるので、腐食して開孔した箇所も閉塞することができ、輸送用鋼管4の耐久性を高めることができる。
(8)下地処理工程において、輸送用鋼管4の外面及びパテ5の上面にウレタン樹脂系やエポキシ樹脂系のプライマー層6を形成するプライマー層形成工程を有するので、輸送用鋼管4と繊維強化樹脂層7との気密性を高めるとともに密着強度を高め、繊維強化樹脂層7の耐久性を高める。
(9)緩衝部材覆設工程において、蒸気管8の外面にシリコンゴム製等の緩衝部材9が覆設されるので、約150℃に加熱される蒸気管8と蒸気管8からの熱が伝達され約80℃に加熱される繊維強化樹脂層7とが熱膨張によって圧迫し合うのを緩衝部材9が吸収することができ、繊維強化樹脂層7と蒸気管8とが直接擦れ合うことがないため、摩擦による繊維強化樹脂層7の磨耗が生じず、繊維強化樹脂層7の耐久性を高めることができる。
(10)下地処理工程の以前に、輸送用鋼管4が支持されている支持台2の固定具3を高圧水を噴射して切断除去することで、アセチレンガス等による切断作業とは異なり油やガス等の引火性可燃物を抜き取る必要がなく、火気禁止区域のパイプラインでの輸送を停止する必要もなく施工コストを低減させることができる。
(11)切断作業に用いられる高圧水の圧力が、200〜300MPaなので、反力が比較的小さいため輸送用鋼管4を損傷し難く作業の安定性に優れる。
(12)支持台3と輸送用鋼管4との間にジャッキを装着したりチェーンブロックを用いたりして、輸送用鋼管4と支持台2との間隔をあけるので、支持台3の近傍の輸送用鋼管4にも繊維強化樹脂層7を形成することができ、輸送用鋼管4の外面の広範囲に渡り防食施工を施すことができる。
(13)繊維強化樹脂層7を形成した輸送用鋼管4と支持台2との間に、別途形成した繊維強化樹脂部材を挿入することで、支持台2上の繊維強化樹脂部材が輸送用鋼管4の繊維強化樹脂層7を支持することになり、繊維強化樹脂層7が磨耗し難く繊維強化樹脂層7の耐久性を高めることができる。
2 支持台
3 固定具
4 輸送用鋼管
4a 腐食部
5 パテ
6 プライマー層
7 繊維強化樹脂層
8 蒸気管
9 緩衝部材
Claims (6)
- 配管や鋼製容器の防食施工方法であって、
輸送用鋼管や鋼製容器の外面に下地処理を行う下地処理工程と、下地処理された前記輸送用鋼管や鋼製容器の外面を樹脂含浸繊維で被覆し所定厚さの繊維強化樹脂層を形成する繊維強化樹脂層形成工程と、を備えていることを特徴とする配管や鋼製容器の防食施工方法。 - 前記下地処理工程において、前記輸送用鋼管や鋼製容器の外面に高圧水を噴射して錆等の腐食部を除去する腐食部除去工程を有することを特徴とする請求項1に記載の配管や鋼製容器の防食施工方法。
- 前記下地処理工程において、錆等の腐食部が除去されて形成された前記輸送用鋼管や鋼製容器の除去部に、ポリウレタン樹脂と無機粉体とを含有するパテを充填するパテ充填工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の配管や鋼製容器の防食施工方法。
- 前記下地処理工程において、前記輸送用鋼管や鋼製容器の外面や前記パテの上面にウレタン樹脂系又はエポキシ樹脂系のプライマー層を形成するプライマー層形成工程を有することを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の配管や鋼製容器の防食施工方法。
- 前記輸送用鋼管に並設された蒸気管の外面に緩衝部材を覆設する緩衝部材覆設工程を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載の配管や鋼製容器の防食施工方法。
- 前記繊維強化樹脂層形成工程において形成された前記繊維強化樹脂層の表面に、ウレタン樹脂を塗布してトップコート層を形成するトップコート層形成工程を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1に記載の鋼管や鋼製容器の防食施工方法。
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