JP2006057761A - 湯水混合弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】給水圧,給湯圧が直接作用する水側主弁,湯側主弁をそれら圧力に抗して直接駆動させる必要がなく、小さな操作力で容易にそれら水側主弁,湯側主弁を駆動することのできる湯水混合弁を提供する。
【解決手段】湯水混合弁10を、水流入通路14及び湯流入通路16と、水側主弁22及び湯側主弁24と、小孔34を通じて水流入通路14,湯流入通路16にそれぞれ連通した水側背圧室30及び湯側背圧室32と、水側パイロット通路38及び湯側パイロット通路39と、共通の温調軸36の各端部に設けられ、軸方向の移動により弁開度を互いに逆の関係で大きく又は小さく変化させる水側パイロット弁40及び湯側パイロット弁42とを含んで構成する。そして温調軸36の軸方向の移動に伴う水側パイロット弁40,湯側パイロット弁42の位置移動に追従して水側主弁22,湯側主弁24を変位させてそれぞれの開度を互いに逆の関係で大きく又は小さく変化させ、湯水の混合比率を変化させるようにする。
【選択図】 図1

Description

この発明は湯水混合弁に関し、特に自動温度調節機能付きのものに適用して効果の大なる湯水混合弁に関する。
従来より、水流入通路及び湯流入通路と、それら水流入通路及び湯流入通路上にそれぞれ設けられた水側主弁及び湯側主弁とを有し、それら水側主弁及び湯側主弁の開度を互いに逆の関係で大きく又は小さく変化させて、湯水の混合比率を変化させるようになした湯水混合弁が広く用いられている。
図7はこの種湯水混合弁の具体例を示している。
同図において200,202はケーシング204内部に形成された水流入通路,湯流入通路で、206は流入した水と湯とを混合し流出させる混合室である。
208,210は軸方向に離隔して温調軸212に設けられた水側主弁,湯側主弁であり、また214,216はそれら水側主弁208,湯側主弁210に対応して設けられた水側弁座,湯側弁座である。
この湯水混合弁では、温調軸212を図中左向きに一杯まで移動させると、(A)に示しているように湯側主弁210が湯側弁座216に着座して水側主弁208が一杯まで開かれ、水流入通路200からの水が混合室206へと流入して吐水部に向け流出する。
また逆に温調軸212を図中右向きに一杯まで移動させると、(B)に示しているように水側主弁208が水側弁座214に着座して湯側主弁210が一杯まで開かれ、湯流入通路202からの湯が混合室206へと流入して吐水部に向け流出する。
またその中間の位置、即ち水側主弁208と湯側主弁210とが水側弁座214,湯側弁座216から離間してそれぞれ開いた状態の下では、水流入通路200からの水と湯流入通路202からの湯とが混合室206に流入して混合され、吐水部に向けて流出する。
更に温調軸212を図中左右方向に移動させて水側主弁208,湯側主弁210の開度をそれぞれ変化させることで、それぞれの開度に応じた流量で水,湯が混合室206に流入して混合水の温度が調節され、混合水が吐水部に向けて流出する。
この湯水混合弁は操作軸218の図中左右方向の操作量、即ちこれに連結したハンドルの操作量に応じて水側主弁208,湯側主弁210の位置が定まり、その位置に応じて水と湯とを混合して流出する、いわゆるミキシングタイプの湯水混合弁であるが、この湯水混合弁の場合、給水圧,給湯圧に抗して水側主弁208,湯側主弁210を移動させなければならず、特に給水圧が高い場合等において操作抵抗が大きく、操作が重いといった問題があった。
また操作抵抗が大きいことから小型アクチュエータにて水側主弁208,湯側主弁210を駆動するといったことが難しい問題があった。
湯水混合弁には、このようなミキシングタイプの湯水混合弁のほか、自動温度調節機能付きの湯水混合弁、詳しくは混合水温度の上昇に感応して水側主弁を開く方向に温調軸を移動させる感温体を混合室に備える一方、その温調軸を水側主弁が閉じる方向に付勢するバイアスばねを備え、その感温体による混合水の温度感知に基づいて水側主弁,湯側主弁を微動させて、それぞれ水側主弁,湯側主弁の開度を自動的に調節し、混合水の温度を設定温度に自動的に調節する機能を備えた自動温度調節機能付きの湯水混合弁がある。
例えば下記特許文献1に、この種の自動温度調節機能付きの湯水混合弁が開示されている。
而してこのような自動温度調節機能付きの湯水混合弁の場合、操作抵抗が重いといった問題のほかに以下のような様々な問題が生じていた。
即ちこの自動温度調節機能付きの湯水混合弁の場合、感温体の作動力によって給水圧,給湯圧が直接作用する水側主弁,湯側主弁を自動的に位置調節するため、給水圧や給湯圧、特に給水圧が大きく変動したような場合にその給水圧の作用を受けて水側主弁,湯側主弁が調節位置からずれてしまうといったことがあり、このため温度調節機能が十分に安定しなかったり、或いは精度が十分でなく、温度調節機能の信頼性の点で十分でないといった問題が生じていた。
またそのために流路を絞る必要があって大流量で水や湯、混合水を流すことが難しく、また弁体等の加工に高精度が必要であって、これに伴いコストが高くなるといった問題が生じていた。
この自動温度調節機能付きの湯水混合弁では、近年、感温体として形状記憶合金製のコイルばねから成る感温ばねが主として用いられているが、上記のように従来の湯水混合弁では給水圧,給湯圧の作用する水側主弁,湯側主弁を感温体にて直接駆動することから、即ち高い水圧,給湯圧に抗して水側主弁,湯側主弁を駆動する必要があることから、かかる感温ばねとして線径が太く且つコイル径の大きな太いものを用いる必要があり、これにより感温ばねに要するコストが必然的に高くなる問題のほか、感温ばねがコイル径の大きい太いものであるため、混合室内において感温ばねが室の外周部に位置することとなって、混合室内の中央部の混合水の温度に敏感に反応することができず、更にまた線径が太いために混合水の温度が感温ばねの芯部まで伝わり難く、混合室内の混合水の温度に対して感温ばねが必ずしも敏感に反応できず、このこともまた温度調節機能を不安定化或いは精度低下させる要因となっていた。
また感温ばねとして大型のものが必要であることから、湯水混合弁自体が大型化してしまう問題も生じていた。
尚、下記特許文献2,特許文献3には受圧ピストンを温調軸に設けて、給水圧や給湯圧の影響を抑えるようになした湯水混合弁が開示されている。
しかしながらこれらのものは受圧ピストンによって圧力の影響を抑制するようになしたものである点で本願発明とは解決手段の異なったものである。
特開2001−4050号公報 特開平6−159532号公報 特開平6−159533号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、給水圧,給湯圧が直接作用する水側主弁,湯側主弁をそれら圧力に抗して直接駆動させる必要がなく、小さな操作力で容易にそれら水側主弁,湯側主弁を駆動することのできる湯水混合弁を提供することを目的としてなされたものである。
また本発明の他の目的は、湯水混合弁を自動温度調節機能付きのものとして構成した場合において、温度調節機能を安定して且つ高精度で行うことができ、更に湯水混合弁を安価に且つコンパクトに構成できるようにすることを目的とする。
而して請求項1のものは、(a)水流入通路及び湯流入通路と、(b)該水流入通路,湯流入通路上にそれぞれ設けられた水側主弁及び湯側主弁と、(c)それら水側主弁,湯側主弁の各背後に且つ小孔を通じて前記水流入通路,湯流入通路にそれぞれ連通して形成され、内部の圧力で前記水側主弁,湯側主弁をそれぞれ閉弁方向に押圧する水側背圧室及び湯側背圧室と、(d)該水側背圧室,湯側背圧室の水,湯を各下流側の混合室側に抜く水側パイロット通路及び湯側パイロット通路と、(e)共通の温調軸の各端部に設けられ、軸方向の移動により前記水側パイロット通路,湯側パイロット通路の開度を互いに逆の関係で大きく又は小さく変化させる水側パイロット弁及び湯側パイロット弁と、を有しており、前記温調軸の軸方向の移動に伴う前記水側パイロット弁,湯側パイロット弁の位置移動に追従して前記水側主弁,湯側主弁を変位させてそれぞれの開度を互いに逆の関係で大きく又は小さく変化させ、湯水の混合比率を変化させるようになしてあることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記水側背圧室は前記水側主弁に対して前記湯側主弁とは反対側に、また前記湯側背圧室は該湯側主弁に対して該水側主弁とは反対側にそれぞれ形成されていて、前記水側パイロット通路,湯側パイロット通路がそれら水側主弁,湯側主弁を貫通して形成されており、前記温調軸は各端部がそれら水側パイロット通路,湯側パイロット通路において前記水側主弁,湯側主弁を貫通して前記水側背圧室,湯側背圧室内に挿入していて、それら水側背圧室,湯側背圧室内に前記水側パイロット弁,湯側パイロット弁が設けられていることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記湯水混合弁が、前記混合室に混合水温度の上昇に感応して前記水側主弁を開く方向に前記温調軸を移動させる感温体が設けられる一方、該温調軸を該水側主弁が閉じる方向に付勢するバイアスばねが設けられて成る自動温度調節機能付きのものであることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項3において、前記感温体が形状記憶合金製のコイルばねから成る感温ばねであることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように請求項1のものは、水側背圧室と湯側背圧室とを設けてそれぞれにより水側主弁,湯側主弁を閉弁方向に押圧するようになすとともに、温調軸の各端部に水側パイロット弁,湯側パイロット弁を設け、温調軸の軸方向の移動に伴う水側パイロット弁,湯側パイロット弁の位置移動に追従して水側主弁,湯側主弁を変位させ、もって湯水の混合比率を変化させるようになしたもので、本発明の湯水混合弁では、給水圧,給湯圧が直接作用する水側主弁,湯側主弁を直接駆動する必要はなく、水側パイロット弁,湯側パイロット弁を軸方向に移動させることで、これに追従して水側主弁,湯側主弁の開度を変化させる、即ちそれら主弁を制御することができる。
従って本発明によれば、小さな操作力で各主弁の開度を変化させることができ、軽やかに操作を行うことができる。
また操作抵抗が小さいことから、小型のアクチュエータ等にて容易に各主弁を駆動すること、即ち温度調節を行うことが可能となる。
ここで上記水側背圧室は水側主弁に対して湯側主弁とは反対側に、また湯側背圧室は湯側主弁に対して水側主弁とは反対側にそれぞれ形成しておき、そして温調軸の各端部をそれら各主弁を貫通して水側背圧室,湯側背圧室内に挿入させて、そこに水側パイロット弁,湯側パイロット弁を設けておくことができる(請求項2)。
このようにしておけば湯水混合弁を簡単な構造で構成することができる。
次に請求項3は、混合室に混合水温度の上昇に感応して水側主弁を開く方向に温調軸を移動させる感温体を設ける一方、水側主弁が閉じる方向に温調軸を付勢するバイアスばねを設けて、湯水混合弁を自動温度調節機能付きのものとして構成したもので、この請求項3の湯水混合弁では、操作抵抗が軽くなる効果のほか以下のような効果が得られる。
即ちこの自動温度調節機能付きの湯水混合弁では、混合水の温度が設定温度となるように水側主弁,湯側主弁を調節した後において、給水圧や給湯圧が変動したときにその圧力の影響を受けて水側主弁,湯側主弁が位置ずれしてしまうといった問題を生じず、温度調節機能を安定して且つ精度高く行うことができる。
この請求項3の湯水混合弁では水側主弁,湯側主弁が水側パイロット弁,湯側パイロット弁の位置に応じてその開度が制御され、しかもそれら水側パイロット弁,湯側パイロット弁は給水圧や給湯圧の影響を実質的に殆ど受けないからである。
また温度調節機能を安定して高精度で行うことができるようになることから、従来の自動温度調節機能付きの湯水混合弁のように流路を大きく絞る必要もなくなり、大流量で水を流すことができるようになる。
また弁体等の加工精度をそれ程高くする必要がなく、これに伴ってコストも安価に抑えることが可能となる。
次に請求項4は、上記感温体を形状記憶合金製のコイルばねから成る感温ばねで構成したものである。
この場合、その感温ばねは水側主弁,湯側主弁を直接その作動力で駆動する必要がなく、単に水側パイロット弁,湯側パイロット弁即ち温調軸を駆動するだけで良いため、所要の作動力は小さくて済み、従ってかかる感温ばねとして線径,コイル径ともに小型の感温ばねを用いることができ、そのコストも安価となすことができるとともに、感温ばねが小型で良いため、湯水混合弁自体も小型化,コンパクト化することが可能となる。
また感温ばねのコイル径を小さくできることから、かかる感温ばねを混合室の中央部に配置することが可能となり、更にまたその感温ばねは線径を細くすることができるため、芯部まで混合水からの熱が容易に伝わり易く、従ってかかる感温ばねを混合水の温度に敏感に感応させ得て、温度調節機能を更に安定化でき且つその精度もより向上させることができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10はミキシングタイプの湯水混合弁で、12は弁本体である。
弁本体12には水流入通路14,湯流入通路16及びこれに続く混合室18、更に混合水を流出させる流出通路20が形成されている。
22,24はそれぞれ水流入通路14,湯流入通路16上に設けられたピストン式の水側主弁,湯側主弁で、26,28はそれら水側主弁22,湯側主弁24にそれぞれ対応して設けられた水側弁座,湯側弁座である。
この湯水混合弁10では、水側主弁22が水側弁座26に着座することで、即ち水側主弁22が閉弁することで水流入通路14が遮断され、また湯側主弁24が湯側弁座28に着座することで、即ち湯側主弁24が閉弁することで湯流入通路16が遮断される。
30,32は水側主弁22,湯側主弁24のそれぞれの背後に形成された水側背圧室,湯側背圧室で、小孔34を通じて水流入通路14,湯流入通路16にそれぞれ連通している。
上記水側主弁22,湯側主弁24は、これら水側背圧室30,湯側背圧室32内の圧力によりそれぞれ閉弁方向に押圧される。
ここで水側背圧室30は、水側主弁22に対して湯側主弁24とは反対側に形成されており、また湯側背圧室32は、湯側主弁24に対し水側主弁22とは反対側に形成されている。
36は共通の温調軸で、その軸方向の各端部が、水側主弁22,湯側主弁24にそれぞれ形成された水側パイロット通路38,湯側パイロット通路39を通じ水側主弁22,湯側主弁24を貫通して水側背圧室30,湯側背圧室32内に挿入しており、そしてそれぞれの端部に水側パイロット弁40,湯側パイロット弁42が各水側背圧室30,湯側背圧室32内に設けられている。
尚、図1の部分拡大図に示しているようにこの湯水混合弁10においては、水側パイロット弁40,湯側パイロット弁42と水側主弁22,湯側主弁24との間に隙間Sが形成されている。
上記水側パイロット弁40には軸体44が一体に構成されている。
この軸体44には雄ねじ部46が設けられていて、その雄ねじ部46が、弁本体12の雌ねじ孔48にねじ結合されている。
この軸体44には、弁本体12の外部において回転操作式の操作部50が一体回転状態に設けられている。
尚52はOリング等のシール部材である。
図2,図3は本実施形態の湯水混合弁10の作用を表している。
図2(I)に示しているように、この実施形態の湯水混合弁10では、通常時において水側パイロット弁40と水側主弁22との間及び湯側パイロット弁42と湯側主弁24との間に隙間Sが生じており、この状態で操作部50の回転操作により温調軸36が図中右方向に移動すると水側パイロット弁40の開度が大きくなり、また湯側パイロット弁42の開度が小さくなる(図2(II)参照)。
而して水側パイロット弁40の開度が大きくなると、水側背圧室30から水側パイロット通路38を通じて混合室18側に抜ける水の量が多くなって水側背圧室30の圧力が低下する。
すると水側背圧室30の圧力と水流入通路14の給水圧とのバランス、詳しくは水側背圧室30による水側主弁22に対する図中左向きの押圧力と、給水圧による水側主弁22の図中右向きの押圧力とのバランスが崩れて、図3(III)に示しているように水側主弁22が、水側パイロット弁40と水側主弁22との間の隙間を狭くするように図中右向きに微小移動(変位)し、そして水側背圧室30の圧力と給水圧とがバランスしたところで水側主弁22の移動が停止する。
一方湯側主弁24は、湯側パイロット弁42の開度が小さくなることによって給湯圧に対し湯側背圧室32の圧力が大きくなり、これにより湯側主弁24に対する図中右向きの押圧力が増して、湯側主弁24がその増大した押圧力により図中右向きに微小移動(変位)させられる。
そして湯側背圧室32と給湯圧とが丁度バランスしたところで湯側主弁24の移動が停止する。
その結果として水側主弁22の開度が大きく(図2(I)のSから図3(III)のSに変化)、また湯側主弁24の開度が小さくなって、水流入通路14,湯流入通路16から混合室18内に流入する水,湯の流入量が変化する。
具体的には水流入通路14から流入する水の量が多く、また湯流入通路16から流入する湯の量が少なくなり、混合水の温度が低下する。
以上は共通の温調軸36を図中右方向に移動させて混合水の温度を低下させる際の作用であるが、これとは逆に温調軸36を図中左向きに移動させた場合には上記とは逆の作用によって混合水の温度が高められる。
以上のような本実施形態の湯水混合弁10は、給水圧,給湯圧が直接作用する水側主弁22,湯側主弁24を直接駆動する必要はなく、水側パイロット弁40,湯側パイロット弁42を軸方向に移動させることで、これに追従して水側主弁22,湯側主弁24の開度を変化させることができるため、小さな操作力で水側主弁22,湯側主弁24の開度を変化させることができ、軽やかに操作を行うことができる。
また操作抵抗が小さいことから小型のアクチュエータ等にて容易に水側主弁22,湯側主弁24を駆動すること、即ち温度調節を行うことができる。
図4は本発明の他の実施形態を示している。
この実施形態は、水側主弁22及び湯側主弁24をそれぞれダイヤフラム弁として構成したもので、他の構成については基本的に上記実施形態のものと同様である。
図5は自動温度調節機能付きの湯水混合弁10に本発明を適用した場合の実施形態を示したもので、混合室18内に形状記憶合金製のコイルばねから成る感温ばね54が配設されている。
感温ばね54は、弁本体12に形成されたばね受け56に一端を当接させるとともに、他端を共通の温調軸36に形成したばね受け58に当接させ、その付勢力を温調軸36に対し図中右向きに及ぼしている。
一方水側背圧室30にはコイルスプリングから成るばね60が配設されていて、その一端を水側パイロット弁40に当接させ、温調軸36を図中左向き即ち水側パイロット弁40を閉弁させる方向にその付勢力を及ぼしている。
一方湯側背圧室32にはコイルスプリングから成るばね62が配設されていて、その一端を湯側パイロット弁42に当接させ、温調軸36を図中右向き即ち湯側パイロット弁42を閉弁させる方向にその付勢力を及ぼしている。
この実施形態において、ばね60と62は全体としてバイアスばねを成すもので、ここではばね60の付勢力がばね62の付勢力よりも強く設定されており、そのばね力の差が温調軸36を感温ばね54とは反対方向に付勢するバイアスの付勢力となる。
湯側背圧室32に配設されたばね62は、その他端を軸体44に当接させており、回転操作式の操作部50を回転操作して軸体44を図中右向きに押し込むと、温調軸36が図中右向きにシフトさせられる。
この実施形態の湯水混合弁10では、操作部50を回転操作して軸体44を図中右向き又は左向きに進退させることで混合水の温度を所望温度に設定する。
その状態で水流入通路14,湯流入通路16から水,湯が流入すると、混合室18内において感温ばね54が混合水の温度に感応して付勢力を増減させ、温調軸36即ち水側パイロット弁40,湯側パイロット弁42を図中左右方向に微小移動させて、水側主弁22,湯側主弁24の開度を変化させ、混合水の温度を設定温度に自動的に調節する。
尚、水側パイロット弁40,湯側パイロット弁42による水側主弁22,湯側主弁24に対する開度の制御については上記実施形態と基本的に同様である。
図5に示す湯水混合弁10によれば、操作抵抗が軽くなる効果のほか以下のような効果が得られる。
即ちこの自動温度調節機能付きの湯水混合弁10では、混合水の温度が設定温度となるように水側主弁22,湯側主弁24を調節した後において、給水圧や給湯圧が変動したときにその圧力の影響を受けて水側主弁22,湯側主弁24が位置ずれしてしまうといった問題を生じず、温度調節機能を安定して且つ精度高く行うことができる。
この湯水混合弁10では、水側主弁22,湯側主弁24は水側パイロット弁40,湯側パイロット弁42の位置に応じてその開度が制御され、しかもそれら水側パイロット弁40,湯側パイロット弁42は給水圧や給湯圧の影響を実質的に殆ど受けないからである。
また温度調節機能を安定して高精度で行うことができるようになることから、流路を大きく絞る必要もなくなり大流量で水を流すことができる。
また弁本体12等の加工精度をそれ程高くする必要がなく、これに伴ってコストも安価に抑えることができる。
また形状記憶合金製のコイルばねから成る感温ばね54は水側主弁22,湯側主弁24を直接その作動力で駆動する必要がなく、単に水側パイロット弁40,湯側パイロット弁42即ち温調軸36を駆動するだけで良いため、所要の作動力は小さくて済み、従ってかかる感温ばね54として線径,コイル径ともに小型の感温ばねを用いることができ、そのコストも安価となすことができるとともに、感温ばね54が小型で良いため湯水混合弁10自体も小型化,コンパクト化することができる。
また感温ばね54のコイル径を小さくできることから、かかる感温ばね54を混合室18の中央部に配置することができ、更にまたその感温ばね54は線径を細くすることができるため芯部まで混合水からの熱が容易に伝わり易く、従ってかかる感温ばね54を混合水の温度に敏感に感応させ得て、温度調節機能を更に安定化でき且つその精度もより向上させることができる。
図6は本発明の更に他の実施形態を示している。
この実施形態は、図5に示すピストン式の水側主弁22,湯側主弁24に代えてダイヤフラム弁にて水側主弁22,湯側主弁24を構成したものである。
この実施形態では、ばね60が共通の温調軸36のばね受け58と弁本体12側に形成したばね受け56とに各一端を当接させて、その付勢力を温調軸36に対し図中左向きに及ぼしている。
尚他の点については図5に示す湯水混合弁10と基本的に同様である。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の湯水混合弁の一実施形態を示した図である。 図1の湯水混合弁の作用を示した作用説明図である。 図2に続く作用説明図である。 本発明の他の実施形態を示した図である。 本発明の更に他の実施形態を示した図である。 本発明の更に他の実施形態を示した図である。 従来の湯水混合弁の一例を示した図である。
符号の説明
10 湯水混合弁
14 水流入通路
16 湯流入通路
18 混合室
22 水側主弁
24 湯側主弁
30 水側背圧室
32 湯側背圧室
34 小孔
36 温調軸
38 水側パイロット通路
39 湯側パイロット通路
40 水側パイロット弁
42 湯側パイロット弁
54 感温ばね
60,62 ばね

Claims (4)

  1. (a)水流入通路及び湯流入通路と
    (b)該水流入通路,湯流入通路上にそれぞれ設けられた水側主弁及び湯側主弁と
    (c)それら水側主弁,湯側主弁の各背後に且つ小孔を通じて前記水流入通路,湯流入通路にそれぞれ連通して形成され、内部の圧力で前記水側主弁,湯側主弁をそれぞれ閉弁方向に押圧する水側背圧室及び湯側背圧室と
    (d)該水側背圧室,湯側背圧室の水,湯を各下流側の混合室側に抜く水側パイロット通路及び湯側パイロット通路と
    (e)共通の温調軸の各端部に設けられ、軸方向の移動により前記水側パイロット通路,湯側パイロット通路の開度を互いに逆の関係で大きく又は小さく変化させる水側パイロット弁及び湯側パイロット弁と
    を有しており、前記温調軸の軸方向の移動に伴う前記水側パイロット弁,湯側パイロット弁の位置移動に追従して前記水側主弁,湯側主弁を変位させてそれぞれの開度を互いに逆の関係で大きく又は小さく変化させ、湯水の混合比率を変化させるようになしてあることを特徴とする湯水混合弁。
  2. 請求項1において、前記水側背圧室は前記水側主弁に対して前記湯側主弁とは反対側に、また前記湯側背圧室は該湯側主弁に対して該水側主弁とは反対側にそれぞれ形成されていて、前記水側パイロット通路,湯側パイロット通路がそれら水側主弁,湯側主弁を貫通して形成されており、前記温調軸は各端部がそれら水側パイロット通路,湯側パイロット通路において前記水側主弁,湯側主弁を貫通して前記水側背圧室,湯側背圧室内に挿入していて、それら水側背圧室,湯側背圧室内に前記水側パイロット弁,湯側パイロット弁が設けられていることを特徴とする湯水混合弁。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記湯水混合弁が、前記混合室に混合水温度の上昇に感応して前記水側主弁を開く方向に前記温調軸を移動させる感温体が設けられる一方、該温調軸を該水側主弁が閉じる方向に付勢するバイアスばねが設けられて成る自動温度調節機能付きのものであることを特徴とする湯水混合弁。
  4. 請求項3において、前記感温体が形状記憶合金製のコイルばねから成る感温ばねであることを特徴とする湯水混合弁。
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