JP2006057395A - 管路内の水路構築工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 既設管路内へのインバートの運搬や配置が容易で、管路軸方向の芯出しや勾配が取り易く、その後の既設管路内へのインバートの固定が容易で且つ確実にできると共に、グラウトの注入時にインバートが浮かない管路内の水路構築工法を提供する。
【解決手段】 樋状インバート部と両翼部とを有する水路構築部材と、前記樋状インバート部を挟持して前記両翼部をたたむ挟持具と、前記両翼部を広げて水路構築部材を管路内に固定する仮固定治具とを管路内に搬入して水路構築部材を順次連結する工程と前記挟持具を除去して水路構築部材の両翼部を管路内周面に圧接する工程と、連結された水路構築部材の勾配を調整する工程と、前記仮固定治具により前記水路構築部材を管路内面に固定する工程と、水路構築部材と管路内面との間にグラウトを圧入して硬化させる工程と、前記仮固定治具を除去する工程とを包含する管路内の水路構築工法。
【選択図】 図7
【解決手段】 樋状インバート部と両翼部とを有する水路構築部材と、前記樋状インバート部を挟持して前記両翼部をたたむ挟持具と、前記両翼部を広げて水路構築部材を管路内に固定する仮固定治具とを管路内に搬入して水路構築部材を順次連結する工程と前記挟持具を除去して水路構築部材の両翼部を管路内周面に圧接する工程と、連結された水路構築部材の勾配を調整する工程と、前記仮固定治具により前記水路構築部材を管路内面に固定する工程と、水路構築部材と管路内面との間にグラウトを圧入して硬化させる工程と、前記仮固定治具を除去する工程とを包含する管路内の水路構築工法。
【選択図】 図7
Description
本発明は、新設の下水管や老朽化した既設の下水管等の管路内における水路の構築工法及びそれに用いられる水路構築部材に係り、特に少流水時の汚水等の円滑な流下を確保するため、又は老朽化により所定勾配が取れず、場合によっては逆勾配となった管路内に、所定勾配を有する新規の水路を、低コストで効率よく形成可能な水路構築工法に関する。
管路内に水路を構成する工法として、管路内に、上方に開口し長手方向に沿って汚水等が流れうる樋状のインバート部を形成した水路構成部材を順次連結して挿入する工程と、連結された水路構成部材に所望の勾配を付ける工程と、勾配を付けた水路構成部材に供用中の汚水等を流す水替えの工程と、前記水路構成部材を前記管路に固定する工程とを備える管路内における水路構成工法が知られている(例えば、特許文献1、請求項1参照。)。
また、管路内に、上方に開口し長手方向に沿って汚水等が流れうる樋状のインバート部を形成した水路構成部材を支持部材により宙吊りに支持する工程と、前記支持部材により支持された前記水路構成部材の鉛直方向の位置を調整して該水路構成部材に勾配を付ける工程と、前記水路構成部材を勾配を付けた状態で前記管路に固定する工程と、前記支持部材を取り外す工程とを備える管路内における水路構成工法が知られている(例えば、特許文献1、請求項2参照。)。
これらの水路構成工法は、管路が既設管路で供用中であり、汚水等が流下している状態でも、勾配を付けて連結した水路構成部材に水替えすることができるため、水替え配管を別途設置する必要がない構成工法、或いはコンクリートを打設する工程を省略できる構成工法である(特許文献1、段落番号[0098]、[0099]参照。)。
これらの工法で用いられる水路構成部材は、開口端部及び支持フランジが補強されているため破損することが少なく、施工が容易となるもの、或いはインバート部に連続する傾斜部を備えており、傾斜部の下面にガイド部を備えているためにマンホール間に調節したガイドワイヤに沿わせて管路内に挿入することができるものである(特許文献1、段落番号[0100]、[0103]参照。)。
特開2002−227283号公報、請求項1、請求項2、段落番号[0098]、[0099]、[0100]、[0103]
しかしながら、この水路構成工法は、特許文献1の図6に示されるように、半割りインバートをFRP(繊維強化合成樹脂)で作成し、管路内の所定の位置に配置した後、管路軸方向の芯出し、即ち所望の勾配をとって、固定装置でその状態を固定し、その後モルタルやコンクリート等を打設し、法面仕上げを行うものである。従って、固定装置が大掛かりとなって狭い空間がいっそう狭くなり、工事が困難かつ安全性の低い工事になるという問題点がある。更に、コンクリート打設や法面仕上げ作業は手作業となるためにその作業も多くの労力が必要になるという問題点もある。
そこで、本発明は、既設管路内への水路構築部材の運搬や配置が容易で、管路軸方向の芯出しや勾配が取り易く、その後の既設管路内への水路構築部材の固定が容易で且つ確実にできると共に、グラウトの注入時に水路構築部材が浮くことのない、管路内の水路構築工法を提供する目的で行われたものである。
上記課題を解決するための、本発明の請求項1記載の管路内の水路構築工法(発明1)は、管路内に新規の水路を構築する水路構築工法であって、樋状インバート部と両翼部とを有する水路構築部材と、前記樋状インバート部を挟持して前記両翼部をたたむ挟持具と、前記両翼部を広げて水路構築部材を管路内に固定する仮固定治具とを管路内に搬入して水路構築部材を順次連結する工程と、前記挟持具を除去して水路構築部材の両翼部を管路内周面に圧接する工程と、連結された水路構築部材の勾配を調整する工程と、前記仮固定治具により前記水路構築部材を管路内面に固定する工程と、水路構築部材と管路内面との間にグラウトを圧入して硬化させる工程と、前記仮固定治具を除去する工程とを包含することを特徴とする。
請求項2記載の発明(発明2)は、前記水路構築部材が繊維強化合成樹脂で成形され、樋状インバート部上端から両翼部にかけて滑らかな曲面に形成され、該両翼部の先端は止水材を介して管路内周面に固定されると共に、両翼部のいずれかにはグラウトホールが設けられていることを特報とする請求項1記載の管路内の水路構築工法である。
請求項3記載の発明(発明3)は、前記挟持具を連結部材で連結し、該挟持具の側面を前記樋状インバート部の両外側面に設けられた突起に接触させた状態で前記連結部材を引くことにより、前記突起を支点にして前記挟持具がインバート部から外れ、該インバート部の縮径が解かれて両翼部が拡がり、両翼部の耳部が管路内周面に圧接されことを特徴とする請求項1乃至2記載の管路内の水路構築工法である。
本発明が適用される管路は、内径1,000mm以上の、主にコンクリート製の、新設下水管や老朽化した既設下水管等の管路である。
水路構築部材は、断面形状が円形状、楕円形状、角が丸められた矩形形状等であって下水等が流下する樋状インバート部と、インバート部の上端が延長されて両側に広げられた両翼部とから構成されている、弾力性を有するFRP製板又は合成樹脂製板の加工品である。
樋状インバート部は、管路を流れる下水等の最小設計水量がスムーズに流れるサイズとされれば良く、水路の勾配によって水量は変化するから、それぞれの現場に応じた大きさとされれば良い。
水路構築部材に用いられる合成樹脂は、曲げ強度、耐食性又は耐摩耗性に優れたものであれば良く、例えば一例として、FRP、FRPM(繊維強化レジンコンクリート)、FRP補強塩化ビニル樹脂、ステンレススチール、防食された鉄やアルミニウム等が挙げられる。水路構築部材は、水路構築部材の下方にコンクリート等のグラウトでバックアップされて水路とされるので、完成後の強度はコンクリート等が受け持つ。従って、その厚さは、運搬作業が容易で且つ運搬時に損壊せず、しかも、グラウト打設時に、グラウトの打設圧力により膨らんだり変形したりしない程度の強度がある厚さであれば良い。
例えば、内径2,500mmの下水管内に水路を設ける場合では、長さ2mないし3m程度の水路構築部材をFRP製板で作成した場合では、インバート部の厚さは1mm〜5mm程度であれば、インバート部を軸方向に沿って外から圧迫して両翼部をたたむ時に変形させ易く、且つ圧迫を解除したときに、容易に元の形状に復元する。また両翼部の厚さは、グラウト打設時の膨らみや変形を防止するため、3mm〜10mm程度の厚さが必要である。
樋状インバート部の上端が延長されて両側に広げられた両翼部は、その両翼端同士の距離が、両翼部が広げられた時に、その先端耳部が管路内周面に接するだけの距離とされる。耳部には帯状止水パッキンが装着され、両翼部が広げられた時に耳部が止水パッキンを介して管路内周面に圧接されるのが好ましい。
止水パッキンは、管路内周面の凹凸や水路構築部材の捻れ等による歪みを吸収して両翼部の耳部を確実に管路内周面に圧接して止水するために、厚さがあり、且つ弾力性に富み、耐水性、耐食性に優れたものであれば特に限定されない。例えば一例として、汎用の止水用合成ゴム類;熱可塑性樹脂の発泡体等が好適に用いられる。
止水パッキンを両翼部先端の耳部に装着する方法は、耐水性を有し、両翼部又はパッキンの材料に適した弾性接着剤や粘着剤等で固定して装着すれば良い。
樋状インバート部凸側の両側面に、軸方向と直角方向の線に沿ってそれぞれ突起が設けられる。この突起は、樋状インバート部の凹溝外面を挟み込んでいる挟持具を回転させながら取り外す時に、挟持具が回転する支点として機能する。従って、突起は、硬質な材料でインバート部の外面に固定されている必要があり、凹溝の一部を突出させたもの、或いは金属や合成樹脂等の小片を凹溝外面に接着したり、FRPハンドレイアップ法など、インバート部に孔を開けない方法で固定したものであれば良い。
突起は、インバート部を縮径する挟持具が取り付けられる全ての個所に設けられる。挟持具は、インバート部の長さ方向に沿って複数個取り付けられる。両翼部の耳部と挟持具が取り付けられている間の部分は、多少外向きに膨らむが、全体として縮径されていて運搬に支障がない程度の膨らみであれば、挟持具の取付け間隔は任意とされれば良い。従って、突起を設ける個所は、挟持具が取り付けられる個所以上に設けられ、管路の曲がり部や屈曲部等を通過させる場合等で、多くの挟持具を取り付ける場合に対応可能とされていると良い。
上記両翼部のいずれかには所定の間隔でグラウトホールが設けられ、水路構築部材が管路内の所定の位置に固定された後、未硬化セメントやエアーモルタル等のグラウトを管路底面とインバート部下部との間に注入する。従って、グラウトがスムースに注入できるよう、グラウトホールは両翼部の凹溝近傍に設けられることが好ましい。更に必要があれば、配置後の水路構築部材の高い位置例えばの両翼部の耳近傍にエアー抜きの小孔を設けても良い。この小孔は、注入されたグラウトが硬化した後、FRPハンドレイアップ法などで補修又はキャップ等で閉塞されれば良い。
両翼部先端の耳部にはボルト孔が設けられている。このボルト孔は、管路内周面に取り付けられたアンカーボルトを挿通し、ナットで管路内周面に両翼部の耳部を固定し、グラウト打設時に水路構築部材の端部からグラウトが漏れ出さないように気密性を保ったり、水路構築部材の配置位置がずれないように耳部を固定し、仮固定治具である浮き上がり防止具(後述)と共に水路構築部材の浮き上がりを補助的に防止したりするものである。更に、施行完了後の水路構築部材がグラウトから剥離しないようにする作用を有している。
従って、耳部のボルト孔を設ける個所は、その厚さを厚くしてナット締め付け時の損傷を防止するためにも厚くされることが好ましい。
又、水路構築部材の取り付け高さは、管路の曲がりや屈折によって変化するので、その変化に対応して管路内での取り付け高さが変化する。従って、ボルト孔は、その変化に対応して水路構築部材の取り付け高さを変化できるように、鉛直方向の長孔とされていると良い。耳部に取り付けられる止水パッキンにも同じ位置に長孔が設けられていても良い。
挟持具は、水路構築部材を管路内に運搬する際に、インバート部を軸方向に沿って外から圧迫して両翼部をたたんで運搬し易くするために用いられるC形リング状の挟持具であることが好ましい。
挟持具は、環の一部が切り取られてC形状とされたリングである。C形リングは、インバート部を、C形リングの切れ込み部内に押し込んで、C形リング内にインバート部凸側を嵌め込み、インバート部をC形リングで外から圧迫してインバート部の上端部から延長して設けられている両翼部同士をたたみ、水路構築部材を縮径させる作用を有する。
従って、挟持具は高強度であることが必要であり、例えば一例として、鉄、鋼、ステンレススチール、アルミニウム等金属類;熱可塑性合成樹脂、熱硬化性合成樹脂、それらの繊維強化樹脂等の合成樹脂類等が挙げられる。
C形リングの内側にはインバート部の凸側が嵌め込まれる。従って、C形リングの内周面の形状は、略円形であるばかりでなく、曲げられた時のインバート部凸側面の形状とほぼ同じであることが望ましい。また、その寸法は、インバート部凸側の外寸に合わせて決められれば良い。
C形リングの切れ込み部の先端部同士の距離は、該先端部をインバート部凸側に接触させた時に、インバート部の凸側面に接触する距離とされる。従って、インバート部凸側をC形リングに押し込むと、インバート部がC型リングの先端部で圧迫されてC形リング内に押し込められて嵌め込まれ、インバート部の上端部から延長して設けられている両翼部同士がたたまれて縮径するのである。
仮固定治具である浮き上がり防止具は、グラウトを打設する際の水路構築部材の浮き上がりを防止するもので、2本の剛体からなる棒体で構成され、該棒体のそれぞれの一端部が開閉可能に連結され、それぞれの他端先端部は、両翼部の耳部を押さえる押さえ部とされている。
浮き上がり防止具は、挟持具により縮径され運搬用台車に載せられた水路構築部材の上面側に載置されて運搬される。浮き上がり防止具の連結個所には押しばねが設けられ、水路構築部材を管路内の所定の場所に配置した後に、挟持具を外してインバート部の圧迫を解消し両翼部の縮径を解除すると、押しばねによって2本の棒体が押し広げられ、連結部が管路内周面天頂部に接触し、押さえ部が両翼部先端の耳部を、止水パッキンを介して管路壁に押し付けて水路構築部材を管路内の所定の位置に固定する。
従って、浮き上がり防止具は、曲がり難いものである必要があり、例えば一例として、鉄、ステンレススチール、アルミニウム、それらの鋳物等の金属類;熱可塑性合成樹脂、熱硬化性合成樹脂、それらの繊維強化樹脂等の合成樹脂類等が挙げられる。
浮き上がり防止具は、その2本の棒体の連結部が管路内周面の天端部位置にくるように用いられる。管路の曲がりや屈曲によって水路構築部材の取り付け高さが変わり、それに伴って耳部の高さが変わっても、浮き上がり防止具の連結個所には、連結個所と管路天端部との距離を変更できるよう、例えば、ねじを回して長さが変わる伸縮突っ張り棒等が取り付けられている。
請求項1記載の発明によれば、樋状インバート部と両翼部とからなる水路構築部材の樋状インバート部を挟持具で挟持することで両翼部を他端で見かけの大きさを小さくできるので、管路内の運搬が容易となる。また、所定位置に水路構築部材を運搬して順次連結した後、前記挟持具を除去すれば、自動的に両翼部が管路内周面に圧接され、位置決め固定が可能となる。更に、水路構築部材と管路内周面との間に、グラウトを圧入する際は、水路構築部材が仮固定治具により管路内周面に固定されているので、水路構築部材が浮き上がることがない。また、
また、水路構築部材は、新たな水路となる樋状インバート部と法面となる両翼部とが一体となっているので、従来のように、別途法面仕上げを現場で施工する手間がない。
請求項2記載の発明によれば、水路構築部材が繊維強化合成樹脂製で、樋状インバート部上端から両翼部にかけて滑らかな曲面に形成されているので、挟持具でインバート部を挟持するだけで、容易に両翼部が均等にたたまれ、挟持具を除去するだけで、両翼部の先端は止水材を介して管路内周面に固定される。それゆえ、水路の止水性が容易に確保される。また、両翼部にはグラウトホールが設けられているので、グラウトを容易に圧入することができる。
請求項3記載の発明によれば、挟持具に連結された連結部材を引くだけで挟持具が樋状インバート部から自動的に除去され、インバート部の縮径が解かれて両翼部が拡がり、水路構築部材が管路内周面に圧接されて、位置決め固定がワンタッチの操作で可能となる。
次に図面を参照して本発明を説明する。図1は本発明に用いられる水路構築部材の一例の断面図である。図2は本発明に用いられる挟持具の一例の正面図である。図3は本発明に用いられる仮固定治具である浮き上がり防止具の一例の正面図であり、(a)は押さえ部を閉じた状態、(b)は押さえ部を開いた状態である。図4は本発明の水路構築工法の一例の手順のうち、運搬用台車に水路構築用資材類を載置した状態を示す断面図である。図5は所定の位置で挟持具が外され両翼部が管路内周面に接触した状態の一例を示す断面図である。図6は浮き上がり防止具が両翼部の耳部を押さえ込んで固定し、水路の勾配が決められた状態の一例を示す断面図である。図7はグラウト配管等が配管されグラウトが打設された様子の一例を示す断面図である。図8は管路中に完成した水路の状態の一例を示す断面図であり、(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれインバート部の底面高さが異なる状態を示す。図9は耳部の押さえ構造の一例を示す断面図である。図10は水路構築部材同士の列設部の接続方法の一例を示す接続部の部分断面図である。図11は管路の曲がり部等に用いられる曲がり継手の一例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。図12は挟持具の下部に取り付けた紐を引いて挟持具のC形リングからインバート部が外される様子の一例の側面図であり、(a)は紐を引く前、(b)は紐を引いた後の状態である。
図1に示されるように、弾力性を有するFRP板製水路構築部材1は、樋状インバート部11と、インバート部11の上端が延長されて両側に広げられた両翼部12とから構成されている。インバート部11は、軸方向に沿って屈曲自在とされ、インバート部11凸側の両側面に、軸方向と直角方向の線に沿ってそれぞれ突起111が設けられている。両翼部12には、所定の間隔でグラウトホール16が設けられ、両翼部12先端の耳部13にボルト孔14が設けられている。
耳部13のボルト孔14が開口された個所の厚さは、耳部以外の両翼部より厚くされ、該ボルト孔14に挿通されたアンカーボルト61に螺結されるナット62が回転可能な内径でナット62の厚さより深い窪みとされている(図9参照)。従って、耳部13をアンカーボルト61とナット62とで管路P内周面に固定した後、ナット62の上から止水性充填材等を充填して止水すれば良い。
耳部13先端には、止水パッキン15が耐水性の弾性接着剤で接着固定されている。耳部13は、止水パッキン15を介して管路P内周面に圧接される(図9参照)。
突起111は、水路構築部材1の配置位置が確定して管路P内に固定された後、挟持具2を取り外す時に、挟持具2のC形リング21の両側部を引っ掛けてインバート部11から外す機能を有する。従って、突起111は、凹溝11の凸側面に、水路構築部材1の輪切り方向に沿って左右対称の位置に一対設けられる。軸方向の数は特に限定されないが、少なくとも水路構築部材1の全長の1/4位置と3/4位置とには設けられる。この位置であれば、挟持具2が凹溝11を挟み込んだ場合に、挟持具2から左右の水路構築部材1の長さが均等になるので、両翼部12のたたまれ方が均等となる効果がある。
両翼部12のインバート部11の近傍に、グラウトホール16が設けてある。グラウトホール16は、水路構築部材1を管路P内の所定の位置に固定した後、グラウト供給管92を接続する接続口である。両翼部12の耳部13近傍にはグラウト9打設時のエアー抜き管94の接続口が設けられる。グラウト9打設後は、供給管92を外しグラウトホール16及びエアー抜き管の接続口にキャップをする(図7参照)。
図2に示されるように、挟持具2は、インバート部11を軸方向に沿って外から圧迫して両翼部12をたたむC形リング21形状とされている。C形リング21の切れ込み部22の先端部の間隔は、切れ込み部22をインバート部11の下方に当てた時に、切れ込み部22の先端がインバート部11の凸側面に接触する間隔とされている。
インバート部11は、C形リング21の切れ込み部22内に押し込まれて、C形リング22内にインバート部11が嵌め込まれる。嵌め込まれたインバート部11は、C形リング22で外から圧迫され、インバート部11の上端部に延長された両翼部12をたたみ、水路構築部材1を縮径させる。
図3に示す仮固定治具としての浮き上がり防止具3は、剛体からなる二本の棒体311、312で構成され、該棒体311、312のそれぞれの一端部が開閉可能に連結され、それぞれの他端先端部が両翼部12の耳部13を押さえる押さえ部33とされている。
連結個所の上部には、ねじを回して伸縮する伸縮突っ張り棒34が設けられて、浮き上がり防止具3の上端部と管路P天端部との距離を自在に調節可能としている。連結個所には押しばね32が設けられ、管路P内の所定の場所で、押しばね32によって2本の棒体311、312が押し広げられると、伸縮突っ張り棒34の一端部が管路P内周面に接触し、押さえ部33が水路構築部材1の両翼部12先端の耳部13を管路P壁に押し付けて、水路構築部材1を管路P内の所定の位置に固定する。
これらの水路構築資材(水路構築部材1、挟持具2、浮き上がり防止具3など)を用いて、管路P内に新規の水路を構築する工法を図4以降に示す。人孔等から構築工事に必要な上記資材類(水路構築部材1、挟持具2、浮き上がり防止具3)を管路P内に入れ、水路構築部材の運搬用台車5上に高さ調整架台4(運搬用台車5に格納されていて、図4では描かれていない。)と挟持具2とを配置し、インバート部11を、インバート部外側の突起部111が挟持具2の側面に接するように嵌め込んで、水路構築部材1の両翼部12をたたんで縮径し、縮径した水路構築部材1の上部に浮き上がり防止具3を載せて、管路P内の所定位置に運搬する。
水路構築部材の運搬用台車5は、車輪により管路P内を移動する台車であり、高さ調整架台4と、挟持具2とが載せられている。高さ調整架台4は、台板41の下に、ねじを回して長さが変わる伸縮支柱42を有し、台板41上にインバート部11底面を載せ、伸縮支柱41を管路P底面に支持してその長さを変えることで、インバート部11の管路P底面からの高さを調整する。この高さ調整架台4を水路構築部材1の長さ方向の両端部近傍に配置し、それぞれの高さを調整することで、新設する水路の勾配を調整する。
又は、管路P底面に高さ調整兼水路構築部材固定用連結式アンカーボルト43を設け、インバート部11の底部中央凸側面にナットを設けて、このナットをアンカーボルト43に螺結し、ナットを回して高さ調整するようにしても良い(図8等参照)。この場合では、高さ調整架台4は特に必要はない。
水路構築部材1は、予めその両翼部12先端の耳部に止水パッキン15が装着されている。挟持具2は、挟持具2のC形リング21の両腕の内側側面が、インバート部11凸側の両側面に設けられた突起111に接触するように配置して、インバート部11を圧迫する。挟持具2の下端部には、連結部材である紐23が取り付けられ、紐23は複数の挟持具2を連結している。(図12等参照)
紐23の端部を人孔まで延長し、紐23を引くと挟持具2の下端部が引かれ、C形リング21の両腕の内側側面がインバート部11凸側の両側面に設けられた突起111に当たって、そこを支点として挟持具2が回転して倒れる(図12参照。)。それによって、C形リング21の両腕が、その中に嵌め込んでいるインバート部11から回転して外され、インバート部11の縮径が解かれて両翼部12が拡がり、両翼部12の耳部13が止水パッキン15を介して管路P内周面に圧接する。更に紐23を引いて挟持具2を人孔まで引きずり出して取り出す。
図5に示されるように、両翼部12が拡がったら、高さ調整架台4上にインバート部111下面を降ろし、水路構築部材1の上に載せられている浮き上がり防止具3の二本の棒体311、312を開く。棒体311,312先端の押さえ部33を管路P内周面に接触している水路構築部材1の耳部13に当てて、押しばね32で耳部13を止水パッキン15を介して管路P内周面に押し付ける。
図6に示されるように、水路構築部材の運搬用台車5を撤去し、インバート部11を載せた高さ調整架台4の伸縮支柱42を管路P底面上に降ろす。支柱42の長さを調整して、インバート部11の下面と管路P底面との隙間を、所定の高さに調節して水路の高さ即ち水路の勾配を決める。水路の勾配が決まったら、耳部13のボルト孔14にアンカーボルト61を挿入してナット62で螺結し、水路構築部材1を管路P内周面に固定する。
管路P内での水路構築部材1の位置が固定されたら、浮き上がり防止具3の連結部に設けられた伸縮突っ張り棒34を調整して、浮き上がり防止具3のそれぞれの他端部の押さえ部33を、両翼部12先端のそれぞれの耳部13に合わせ、止水パッキン15を介して強固に管路P内周面に圧接する。
図7に示されるように、グラウト供給配管91、エアー抜き管94等を配管し、グラウトホール16にグラウト供給管92を連結して、水路構築部材1と管路P底面との間に液状グラウト9(本例の場合は、エアーモルタル)を圧入して硬化させ、グラウト9硬化後に浮き上がり防止具3、グラウト供給配管91、グラウト供給管92、エアー抜き管94等を除去し、耳部13のアンカーーボルト螺結窪み及び水路構築部材1の各管接続個所の跡をキャップしたり止水性充填材を充填して防水処理して、新設水路とする。
新設水路は管路Pの状態によってその高さが異なり、例えば、図8(a)、(b)、(c)、(d)のように種々の高さの水路が管路P内に構築される。これらの高さ調節は、前記の通り、浮き上がり防止具3の伸縮突っ張り棒34と高さ調整架台4の伸縮支柱42の長さを調節して高さが決められるのである。従って、管路Pの勾配の如何に関わらず、新設水路は必要な勾配がとれる。
なお、図10に示されるように、水路構築部材と水路構築部材とを列設する場合、水路構築部材同士の接続部7は水路構築部材1の一端部に受け部71を設け他端部を差し部72とした、通常のラップジョイント方式で接続されれば良いく、差し部71と受け部72の間に、止水パッキン15や止水性充填材73を挟んで、下水等の流下抵抗が少ない平頭ビス74等を適度の間隔で固定すれば良い。
又、図11に示されるように、管路Pの曲がり部は、水路構築部材1の接続方式と同様の通常のラップジョイント式の曲がり部継手8を用いて、水路構築部材1を接続すれば良い。曲がり部継手8は、個々の曲がり部の形状に合わせて作成される。
1 水路構築部材
11 インバート部
111 突起
12 両翼部
13 耳部
14 ボルト孔
15 止水パッキン
16 グラウトホール
2 挟持具
21 C形リング
22 リングの切れ込み部
23 紐
3 仮固定治具(浮き上がり防止具)
311、312 腕
32 押しばね
33 押さえ部
34 伸縮突っ張り棒
4 高さ調整架台
41 台板
42 伸縮支柱
43 伸縮アンカー、ナット
5 水路構築部材の運搬用台車
61 アンカーボルト
62 ナット
7 水路構築部材同士の接続部
71 受け部
72 差し部
73 止水性充填材
74 平頭ビス
8 曲がり継手
9 グラウト(エアーモルタル)
91 グラウト配管
92 グラウト供給管
94 エアー抜き管
P 管路
11 インバート部
111 突起
12 両翼部
13 耳部
14 ボルト孔
15 止水パッキン
16 グラウトホール
2 挟持具
21 C形リング
22 リングの切れ込み部
23 紐
3 仮固定治具(浮き上がり防止具)
311、312 腕
32 押しばね
33 押さえ部
34 伸縮突っ張り棒
4 高さ調整架台
41 台板
42 伸縮支柱
43 伸縮アンカー、ナット
5 水路構築部材の運搬用台車
61 アンカーボルト
62 ナット
7 水路構築部材同士の接続部
71 受け部
72 差し部
73 止水性充填材
74 平頭ビス
8 曲がり継手
9 グラウト(エアーモルタル)
91 グラウト配管
92 グラウト供給管
94 エアー抜き管
P 管路
Claims (3)
- 管路内に新規の水路を構築する水路構築工法であって、樋状インバート部と両翼部とを有する水路構築部材と、前記樋状インバート部を挟持して前記両翼部をたたむ挟持具と、前記両翼部を広げて水路構築部材を管路内に固定する仮固定治具とを管路内に搬入して水路構築部材を順次連結する工程と前記挟持具を除去して水路構築部材の両翼部を管路内周面に圧接する工程と、連結された水路構築部材の勾配を調整する工程と、前記仮固定治具により前記水路構築部材を管路内面に固定する工程と、水路構築部材と管路内面との間にグラウトを圧入して硬化させる工程と、前記仮固定治具を除去する工程とを包含することを特徴とする管路内の水路構築工法。
- 前記水路構築部材が繊維強化合成樹脂で成形され、樋状インバート部上端から両翼部にかけて滑らかな曲面に形成され、該両翼部の先端は止水材を介して管路内周面に固定されると共に、両翼部のいずれかにはグラウトホールが設けられていることを特報とする請求項1記載の管路内の水路構築工法。
- 前記挟持具を連結部材で連結し、該挟持具の側面を前記樋状インバート部の両外側面に設けられた突起に接触させた状態で前記連結部材を引くことにより、前記突起を支点にして前記挟持具がインバート部から外れ、該インバート部の縮径が解かれて両翼部が拡がり、両翼部の耳部が管路内周面に圧接されることを特徴とする請求項1乃至2記載の管路内の水路構築工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004242513A JP2006057395A (ja) | 2004-08-23 | 2004-08-23 | 管路内の水路構築工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004242513A JP2006057395A (ja) | 2004-08-23 | 2004-08-23 | 管路内の水路構築工法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006057395A true JP2006057395A (ja) | 2006-03-02 |
Family
ID=36105094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004242513A Pending JP2006057395A (ja) | 2004-08-23 | 2004-08-23 | 管路内の水路構築工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006057395A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008026003A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Jeol Ltd | Nmrプローブ |
KR102191938B1 (ko) * | 2020-09-08 | 2020-12-16 | 한국건설기술연구원 | 하수관 복합단면 구조체 조립을 위한 상부 덮개 조립장치 및 이를 이용하는 하수관 복합단면 시공방법 |
KR102195261B1 (ko) * | 2020-09-08 | 2020-12-24 | 한국건설기술연구원 | 하수관 복합단면 구조체 현장시공 장비 및 이를 이용하는 시공방법 |
-
2004
- 2004-08-23 JP JP2004242513A patent/JP2006057395A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR102191938B1 (ko) * | 2020-09-08 | 2020-12-16 | 한국건설기술연구원 | 하수관 복합단면 구조체 조립을 위한 상부 덮개 조립장치 및 이를 이용하는 하수관 복합단면 시공방법 |
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