JP2006055983A - 化学機械研磨パッド用組成物、化学機械研磨パッド及び化学機械研磨方法 - Google Patents

化学機械研磨パッド用組成物、化学機械研磨パッド及び化学機械研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 平坦な被研磨面が得られるとともに、高い研磨速度を与えることができ、かつ十分な寿命を有する化学機械研磨用パッドを製造するための化学機械研磨パッド用組成物、その組成物から形成された化学機械研磨パッド、及びその化学機械研磨パッドを用いる化学機械研磨方法を提供すること
【解決手段】 組成物は(A)ポリスチレン又はスチレン共重合体、(B)ジエン系(共)重合体(ただし、(A)成分に該当するものを除く。)及び(C)架橋剤を含有する化学機械研磨パッド用組成物であって、JIS K6300−2に準じて振動式加硫試験機により18分間歪みを加えた後のトルクが0.05〜0.50N・mであることを特徴とする。
化学機械研磨パッドは、上記組成物から形成される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、化学機械研磨パッド用組成物、化学機械研磨パッド及び化学機械研磨方法に関する。
半導体装置の製造において、優れた平坦性を有する表面を形成することができる研磨方法として、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing=“CMP”)が注目されている。化学機械研磨は研磨パッドと被研磨体の被研磨面とを摺動させながら、化学機械研磨パッド表面に、化学機械研磨用水系分散体(砥粒が分散された水系分散体)を流下させて被研磨体の研磨を行う技術である。この化学機械研磨においては、研磨パッドの性状及び特性等により研磨結果が大きく左右されることが知られている。
従来、化学機械研磨では微細な気泡を含有するポリウレタンフォームを研磨パッドとして用い、この樹脂の表面に開口する穴(以下、「ポア」という)にスラリーを保持させて研磨が行われている。このとき、化学機械研磨パッドの表面(研磨面)に溝を設けることにより研磨速度及び研磨結果を向上することが知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
しかし、化学機械研磨パッドの材料としてポリウレタンフォームを用いると、発泡を自在に制御することは極めて困難であるため、パッドの品質がばらつき、研磨速度及び加工状態がばらつくことが問題となっている。特に、引っ掻き傷状の表面欠陥(以下、「スクラッチ」という。)が発生する場合があり、改善が望まれている。また、ポリウレタンは一般に耐水性に劣るため、パッドの寿命の点で問題点を有している。
近年、発泡体を用いずにポアを形成できる化学機械研磨パッドとして、マトリクス樹脂中に水溶性ポリマーを分散させた研磨パッドが開示されている(例えば、特許文献4〜7参照)。この技術は、マトリクス樹脂中に分散された水溶性ポリマーが、研磨時に化学機械研磨用水系分散体または水に接触して溶解することにより、ポアを形成するものである。この技術によると、ポアの分散状態を任意に制御できる利点はあり、被研磨面の表面状態の改善はかなりの程度実現されて来つつある。また、マトリクス樹脂として耐水性に優れるエラストマーを使用することにより、パッドの寿命向上の効果も得られることが知られている。
ところで、近年、半導体装置の微細化を目的として、微細素子分離(Shallow Trench Isolation)、いわゆるSTI技術が検討されている。この技術は、シリコン基板に溝を形成した後、絶縁膜材料を堆積し、化学機械研磨工程により余剰の絶縁膜を除去するものである。STI技術では、化学機械研磨工程において研磨対象となるものが主として絶縁膜である。STIにおいては、主たる砥粒として酸化セリウムを含有する化学機械研磨用水系分散体を用いて化学機械研磨を行うことにより、表面欠陥の少ない被研磨面を高速に得られることが報告されている。(例えば、特許文献8、9参照。)。しかし、主たる砥粒として酸化セリウムを含有する化学機械研磨用水系分散体を用いて絶縁膜を研磨する際に、長寿命である利点を有する、マトリクス樹脂中に水溶性ポリマーを分散させた研磨パッドを使用すると、研磨速度が十分ではない場合があり、問題となっている。
STI技術に好適に適用でき、酸化セリウムを主砥粒として含有する化学機械研磨用水系分散体を用いて絶縁膜を研磨する場合に高い研磨速度で良好な被研磨表面が得られ、しかも十分な寿命を有する化学機械研磨パッドは未だ提案されていない。
特開平11−70463号公報 特開平8−216029号公報 特開平8−39423号公報 特表平8−500622号公報 特開2000−34416号公報 特開2000−33552号公報 特開2001−334455号公報 特開2003−209076号公報 特開2002−190458号公報
本発明は、金属膜の研磨や絶縁膜の研磨、特にSTI技術に好適に適用でき、平坦な被研磨面が得られるとともに、高い研磨速度を与えることができ、かつ十分な寿命を有する化学機械研磨パッドを製造するための化学機械研磨パッド用組成物、その組成物から形成された化学機械研磨パッド及びその化学機械研磨パッドを用いる化学機械研磨方法を提供することを目的とする。
本発明によると、本発明の上記課題は、第一に、
(A)ポリスチレン又はスチレン共重合体、(B)ジエン系(共)重合体(ただし、(A)成分に該当するものを除く。)及び(C)架橋剤を含有する化学機械研磨パッド用組成物であって、JIS K6300−2に準じて振動式加硫試験機により下記の条件で18分間歪みを加えた後のトルクが0.05〜0.50N・mであることを特徴とする、化学機械研磨パッド用組成物によって達成される。
測定温度:170℃
圧力:490kPa
振幅角:±1°
ねじり振動数:100cpm
本発明の上記課題は、第二に、上記の化学機械研磨パッド用組成物から形成された、化学機械研磨パッドによって達成される。
本発明の上記課題は、第三に、上記の化学機械研磨パッドを用いて被研磨体を研磨することを特徴とする、化学機械研磨方法によって達成される。
本発明によれば、平坦な被研磨面が得られるとともに、高い研磨速度を与えることができ、かつ十分な寿命を有する化学機械研磨用パッドを製造するための化学機械研磨パッド用組成物、その組成物から形成された化学機械研磨パッド及びその化学機械研磨パッドを用いる化学機械研磨方法が提供される。
本発明の化学機械研磨パッド用組成物は、
(A)ポリスチレン又はスチレン共重合体、(B)ジエン系(共)重合体(ただし、(A)成分に該当するものを除く。)及び(C)架橋剤を含有する化学機械研磨パッド用組成物であって、JIS K6300−2に準じて振動式加硫試験機により下記の条件で18分間歪みを加えた後のトルクが0.05〜0.50N・mである。
測定温度:170℃
圧力:490kPa
振幅角:±1°
ねじり振動数:100cpm
以下、本発明の本発明の化学機械研磨パッド用組成物に含有される各成分について、詳述する。
(A)ポリスチレン又はスチレン共重合体
本発明の化学機械研磨パッド用組成物は、(A)ポリスチレン又はスチレン共重合体を含有する。
上記スチレン共重合体としては、スチレン及びスチレンと共重合可能な他の単量体との共重合体であることができる。スチレンと共重合させることができる他の単量体としては、例えば脂肪族共役ジエン化合物、不飽和カルボン酸エステル化合物、シアン化ビニル化合物等を挙げることができる。
上記脂肪族共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等;
上記不飽和カルボン酸エステル化合物としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等;
上記シアン化ビニル化合物としては、例えば(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等を挙げることができる。
スチレン共重合体の具体例としては、例えばスチレン/1,3−ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/メチルメタクリレート共重合体、スチレン/1,3−ブタジエン/アクリロニトリル共重合体等を挙げることができる。これらはランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよく、ブロック共重合体である場合には、A−Bタイプ、A−B−Aタイプ、マルチブロックタイプ等のどのようなものであってもよい。また、共重合体に、水素添加可能な炭素−炭素二重結合が含まれる場合には、これらの全部又は一部が水素添加されてものであってもよい。
スチレン共重合体中に含有されるスチレンの含有量としては、好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは10質量%以上である。スチレン含有量が20質量%未満であると、化学機械研磨工程において、十分な研磨速度が得られない場合がある。
ポリスチレン又はスチレン共重合体のメルトフローレート(ISO1133に準拠、200℃、5kgf)は好ましくは10〜20(g/10min)であり、更に好ましくは12〜18(g/10min)である。この範囲のメルトフローレートを示すポリスチレン又はスチレン共重合体を用いることにより、良好な研磨性能を示す化学機械研磨用パッドを得ることができる。
(B)ジエン系(共)重合体(ただし、スチレン共重合体を除く。)
本発明の化学機械研磨パッド用組成物は、(B)ジエン系(共)重合体(ただし、スチレン共重合体を除く。)を含有する。
上記ジエン系(共)重合体としては、1,3−ブタジエン系重合体、イソプレン系重合体等を挙げることができる。
上記1,3−ブタジエン系重合体は、1,3−ブタジエンの単独重合体又は1,3−ブタジエン共重合体であり、ここで1,3−ブタジエン共重合体とは、1,3−ブタジエン及び1,3−ブタジエンと共重合可能な他の単量体との共重合体を意味する。1,3−ブタジエンと共重合させることができる他の単量体としては、例えば不飽和カルボン酸エステル化合物、シアン化ビニル化合物、等を挙げることができる。
上記不飽和カルボン酸エステル化合物及びシアン化ビニル化合物としては、スチレンと共重合可能な他の単量体として前述した不飽和カルボン酸エステル化合物及びシアン化ビニル化合物を同様のものを挙げることができる。
上記不飽和カルボン酸エステル化合物としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等;
上記シアン化ビニル化合物としては、例えば(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等を挙げることができる。
上記1,3−ブタジエンの単独重合体の具体例としては、例えばブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエン等を挙げることができる。
上記1,3−ブタジエン系共重合体の具体例としては、例えば、ブタジエン・アクリロニトリルゴム、ブタジエン・メチルメタクリレートゴム等を挙げることができる。
上記イソプレン系重合体としては例えばイソプレンゴム、天然ゴム等を挙げることができる。
本発明に使用する(B)ジエン系(共)重合体としては、1,3−ブタジエン系重合体であることが好ましく、1,2−ポリブタジエンであることが更に好ましい。なお、1,2−ポリブタジエン中の1,2−結合含量は、適宜の値のものを使用することができるが、化学機械研磨パッドを製造する際の加工性と、得られる化学機械研磨パッドに適当な硬度を付与する観点から、好ましくは80%以上であり、更に好ましくは85%以上であり、特に90〜95%であることが好ましい。
(B)ジエン系(共)重合体の使用量は、(A)ポリスチレン又はスチレン共重合体と(B)ジエン系(共)重合体の合計量を100質量部としたときに、好ましくは30〜95質量部であり、更に好ましくは50〜90質量部であり、特に60〜80であることが好ましい。
(C)架橋剤
本発明の化学機械研磨パッド用組成物は、(C)架橋剤を含有する。
上記(C)架橋剤としては、例えば有機過酸化物、過酸化水素、硫黄等を挙げることができる。
このような架橋剤としては、ハンドリング性及び化学機械研磨工程における汚染性がないことの観点から有機過酸化物を用いることが好ましい。有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキシド、ジエチルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド、ジアシルパーオキシド等を挙げることができる。
架橋剤の使用量としては、(B)ジエン系(共)重合体100質量部に対して好ましくは0.01〜0.4質量部である。
その他の添加剤
本発明の化学機械研磨パッド用組成物は、上記した(A)ポリスチレン又はスチレン共重合体、(B)ジエン系(共)重合体及び(C)架橋剤を必須成分として含有するものであるが、必要に応じて(D)酸無水物構造を有する重合体、(E)水溶性粒子、(F)その他の配合剤を含有することができる。
(D)酸無水物構造を有する重合体
本発明の化学機械研磨用パッドの原料として使用することができる(D)酸無水物構造を有する重合体は、下記式(1)で表される酸無水物構造を有する重合体である。
Figure 2006055983
(D)酸無水物構造を有する重合体は、上記式(1)で表される構造を有する限り特に制限はないが、例えば、(1)主鎖に酸無水物構造を有する重合体、(2)主鎖に酸無水物構造を有さず側鎖にのみ酸無水物構造を有する重合体、(3)主鎖及び側鎖の双方に酸無水物構造を有する重合体のいずれであってもよい。
上記(1)主鎖に酸無水物構造を有する重合体は、例えば、酸無水物構造を有する単量体の重合体又は酸無水物構造を有する単量体と酸無水物構造を有しない単量体との共重合体として得ることができる。
上記酸無水物構造を有する単量体としては、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等を上げることができる。上記酸無水物構造を有しない単量体としては、例えば共役ジエン化合物、芳香族系単量体、(メタ)アクリル酸エステル化合物等を挙げることができる。
共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、クロロプレン等;
芳香族系単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン等;
(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等をそれぞれ挙げることができる。
上記(2)主鎖に酸無水物構造を有さず側鎖にのみ酸無水物構造を有する重合体は、主鎖に酸無水物構造を有さない重合体を、酸無水物構造を有する単量体で変性することにより得ることができる。ここで「変性」とは、例えば、主鎖に酸無水物構造を有さない重合体を、酸無水物基を有する単量体と過酸化物(過酸化水素、有機過酸化物等)の存在下で加熱し、主鎖に酸無水物構造を有さない重合体に酸無水物構造を有する側鎖を付加する方法、主鎖に酸無水物構造を有しない重合体を、分子内に少なくとも2つの酸無水物構造を有する化合物及び/又は分子内に酸無水物構造とカルボキシル基を有する化合物並びに触媒(酸、アルカリ又は金属触媒)の存在下で加熱し、主鎖に酸無水物構造を有さない重合体に酸無水物構造を有する側鎖を付加する方法等によって得ることができる。
ここで、上記主鎖に酸無水物構造を有さない重合体としては、例えばポリオレフィン、ジエン系(共)重合体、ジエン系(共)重合体の水素添加物、(メタ)アクリル酸エステル系重合体等を挙げることができる。
上記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン共重合体等;
上記ジエン系(共)重合体としては、例えば、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエン、スチレン/ブタジエン共重合体、イソプレンゴム等をそれぞれ挙げることができる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体としては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体又は共重合体を挙げることができる。上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アクリルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、γ−オキシプロピルトリメトキシ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、上記酸無水物構造を有する単量体としては、上記した(1)主鎖に酸無水物構造を有する重合体を合成するために用いる酸無水物基を有する単量体として例示したものを挙げることができる。
上記分子内に少なくとも2つの酸無水物構造を有する化合物としては、例えば無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等;
分子内に酸無水物構造とカルボキシル基を有する化合物としては、例えば無水トリメリット酸等をそれぞれ挙げることができる。
上記(3)主鎖及び側鎖の双方に酸無水物構造を有する重合体は、上記(1)主鎖に酸無水物構造を有する重合体を、酸無水物構造を有する単量体で変性することにより得ることができる。この場合の「変性」は上記(2)における変性と同様に行うことができる。
これらのうち、(2)主鎖に酸無水物構造を有さず側鎖にのみ酸無水物構造を有する重合体を使用することが好ましく、ポリオレフィン又はジエン系(共)重合体の水素添加物を、炭素−炭素二重結合を有するジカルボン酸無水物で変性したものを使用することが更に好ましく、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン及び無水マレイン酸変性スチレン/ブタジエン共重合体が特に好ましい。
本発明の化学機械研磨パッド用組成物に使用することのできる(D)酸無水物構造を有する重合体の好ましい酸価(重合体1gに含まれる遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量)は、0.1〜500mg−KOH/gであるのが好ましく、更に好ましくは0.5〜400mg−KOH/g、特に好ましくは1〜300mg−KOH/gである。この範囲の酸価を示す(D)酸無水物構造を有する重合体を使用することにより、研磨速度と耐湿性のバランスに優れた研磨パッドを製造することのできる組成物をすることができる。
なお、この酸価は、酸無水物構造もこの酸価の測定条件においては開環して、酸として計量されることになる。
(D)酸無水物構造を有する重合体の含有量は、(A)ポリスチレン又はスチレン共重合体と(B)ジエン系(共)重合体の使用量の合計を100質量部とした場合に、30質量部以下とすることができ、更に5〜20質量部以下とすることができる。この範囲の使用量において良好な研磨性能を有する化学機械研磨パッドを製造することのできる組成物とすることができる。
(E)水溶性粒子
(E)水溶性粒子は、化学機械研磨パッド中において化学機械用水系分散体と接触することにより化学機械研磨用パッドから離脱し、パッドの表面近傍にポアを形成する機能を有する粒子である。この離脱は、水系分散体中に含有される水等との接触により溶解することで生じてもよく、この水等を含有して膨潤し、ゲル状となることで生じるものであってもよい。更に、この溶解又は膨潤は水によるものばかりでなく、メタノール等のアルコール系溶剤を含有する水系混合媒体との接触によるものであってもよい。
水溶性粒子は、ポアを形成する効果以外にも、化学機械研磨パッドとしたときのパッドの押し込み硬さを大きくする効果を有する。このことにより、被研磨体に負荷できる圧力を大きくでき、これに伴い研磨速度を向上させることができる。更に加えて、高い研磨平坦性が得られる。従って、この水溶性粒子は、研磨パッドにおいて十分な押し込み硬さを確保できる中実体であることが特に好ましい。
(E)水溶性粒子を構成する材料は特に限定されないが、例えば、有機系水溶性粒子及び無機系水溶性粒子が挙げられる。有機系水溶性粒子としては、デキストリン、シクロデキストリン、マンニット、糖類(乳糖等)、セルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等)、でんぷん、蛋白質、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイド、水溶性の感光性樹脂、スルフォン化ポリイソプレン、スルフォン化ポリイソプレン共重合体等から形成されたものが挙げられる。更に、無機系水溶性粒子としては、酢酸カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、リン酸カリウム、硝酸マグネシウム等から形成されたものが挙げられる。
これらのうち、有機系水溶性粒子を用いることが好ましく、特にシクロデキストリンを好ましく用いることができる。
これらの水溶性粒子は、上記各材料を単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、所定の材料からなる1種の水溶性粒子であってもよく、異なる材料からなる2種以上の水溶性粒子であってもよい。
(E)水溶性粒子の平均粒径は0.1〜500μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜100μmである。この範囲の粒径の水溶性粒子を使用することにより、パッド表面近傍に形成されるポアの化学機械研磨用水系分散体の保持能力と、パッドの機械的強度のバランスに優れた化学機械研磨用パッドを製造することのできる組成物とすることができる。
(E)水溶性粒子の使用量は、(A)ポリスチレン又はスチレン共重合体と(B)ジエン系(共)重合体及び任意的に使用される(D)酸無水物構造を有する重合体の使用量の合計を100質量部とした場合に50質量部以下であることが好ましく、より好ましくは40質量部以下であり、さらに好ましくは0.5〜40質量部であり、特に5〜30質量部であることが好ましい。
また、(E)水溶性粒子の含有量は、本発明の化学機械研磨用パッド全体の体積の90体積%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜90体積%であり、さらに好ましくは0.1〜60体積%であり、特に0.5〜40体積%であることが好ましい。
この範囲内の使用量、含有量とすることにより、良好な研磨性能を示す化学機械研磨用パッドを製造することのできる組成物とすることができる。
(E)水溶性粒子は、研磨パッドの表面に露出したもののみが水溶し、研磨パッド内部では水溶、吸湿若しくは膨潤しないものとすることが好ましい。このため、水溶性粒子は最外部の少なくとも一部に吸湿を抑制する外殻を備えることができる。この外殻は水溶性粒子に物理的に吸着していても、水溶性粒子と化学結合していても、更にはこの両方により水溶性粒子に接していてもよい。このような外殻を形成する材料としては、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリシリケート等を挙げることができる。なお、この外殻は水溶性粒子の一部のみに形成されていても十分に上記効果を得ることができる。
(F)その他の配合剤
その他、本発明の化学機械研磨パッド用組成物は、充填剤、軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤等の各種の添加剤を任意的に含有することもできる。
化学機械研磨パッド用組成物
本発明の化学機械研磨パッド用組成物は、上記の通り、(A)ポリスチレン又はスチレン共重合体、(B)ジエン系(共)重合体及び(C)架橋剤を必須成分として含有し、更に必要に応じて(D)酸無水物構造を有する重合体、(E)水溶性粒子又は(F)その他の配合剤を任意的に含有することができる。
本発明の化学機械研磨パッド用組成物を調製する方法は特に限定されないが、例えば、所定の材料を混練機等により混練して調製することができる。混練機としては公知のものを用いることができる。例えば、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機(単軸、多軸)等の混練機を挙げることができる。
なお、組成物の混練時には加工し易いように加熱して混練されるところ、本発明の化学機械研磨パッド用組成物が(E)水溶性粒子を含有するものである場合には、混練時の温度において(E)水溶性粒子が固体であることが好ましい。固体の状態を維持しつつ混練することにより、(E)水溶性粒子を前記の好ましい平均粒径のままで分散させることができる。従って、使用する材料の加工温度により、(E)水溶性粒子の種類を選択することが好ましい。
本発明の化学機械研磨用組成物は、JIS K6300−2に準じて振動式加硫試験機により下記の条件で18分間歪みを加えた後のトルクが0.05〜0.50N・mであるものである。
測定温度:170℃
圧力:490kPa
振幅角:±1°
ねじり振動数:100cpm
上記トルクは、好ましくは0.10〜0.50N・mである。
なお、上記において、「cpm」は“Cycles Per Minute”を表す。
この範囲のトルク値を示す化学機械研磨パッド用組成物を使用することにより、高い研磨速度を有する化学機械研磨パッドを製造することができる。
化学機械研磨パッド
本発明の化学機械研磨パッドは、上記した本発明の化学機械研磨パッド用組成物から製造される。
その製造方法は適宜の方法によることができるが、例えば本発明の化学機械研磨パッド用組成物を所望の概形に成形する方法によることができる。
本発明の化学機械研磨パッドは必要に応じて研磨面に任意の形状の溝や凹部等を備えることができる。溝の形状としては例えば、同心円形状、格子溝、螺旋溝、放射状の溝等を挙げることができる。凹部としては、円形や多角形状の凹部を研磨面上に多数設ける場合を挙げることができる。
本発明の化学機械研磨パッドの形状は特に限定されないが、例えば、円盤状、多角形状等とすることができ、本発明の化学機械研磨パッドを装着して使用する研磨装置に応じて適宜選択することができる。
化学機械研磨パッドの大きさも特に限定されないが、円盤状のパッドでは、例えば、直径150〜1200mm、特に500〜800mm、厚さ1.0〜5.0mm、特に厚さ1.5〜3.0mmとすることができる。
なお、本発明の化学機械研磨パッドが溝や凹部等を備えるものである場合、当該溝や凹部等はパッドを所望の概形に成形した後、切削加工等により形成してもよいし、溝や凹部等の形状を有する金型を用いてパッド用組成物を金型成形することにより、パッドの概形とともに溝や凹部等の形状を同時に形成することができる。
本発明の化学機械研磨パッドのショアーD硬度は、好ましくは35〜100であり、より好ましくは50〜90であり、更に好ましくは60〜85である。このような硬さとすることで、十分な研磨速度と良好な表面状態の被研磨面を与える化学機械研磨パッドとすることができる。
本発明の化学機械研磨パッドは、上記のようなパッドの非研磨面側に支持層を備える多層型パッドであることもできる。
上記支持層は、化学機械研磨パッドを研磨面の裏面側で支える層である。この支持層の特性は特に限定されないが、パッド本体に比べてより軟質であることが好ましい。より軟質な支持層を備えることにより、パッド本体の厚さが薄い場合(例えば、1.0mm以下。)であっても、研磨時にパッド本体が浮き上がることや、研磨層の表面が湾曲すること等を防止でき、安定して研磨を行うことができる。この支持層の硬度は、パッド本体の硬度の90%以下が好ましく、更に好ましくは50〜90%であり、特に好ましくは50〜80%であり、就中50〜70%が好ましい。
また、支持層の平面形状は特に限定されず、研磨層と同じであっても異なっていてもよい。この支持層の平面形状としては、例えば、円形、多角形(四角形等)などとすることができる。また、その厚さも特に限定されないが、例えば、0.1〜5mmが好ましく、更に好ましくは0.5〜2mmとすることができる。
支持層を構成する材料は特に限定されないが、所定の形状及び性状への成形が容易であり、適度な弾性等を付与できることなどから有機材料を用いることが好ましい。有機材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマーおよびゴム等を単独または組み合わせて用いることができるが、好ましくは、前記した(A)ポリスチレン又はスチレン共重合体、(B)ジエン系(共)重合体の他、ポリウレタン、ポリオレフィン等を使用することができる。
上記したような本発明の化学機械研磨パッドは、平坦な被研磨面が得られるとともに、高い研磨速度を与えることができ、かつ十分な寿命を有するものである。
化学機械研磨方法
本発明の化学機械研磨パッドは、市販の研磨装置に装着し、公知の方法により化学機械研磨に使用することができる。
その場合の被研磨体、使用する化学機械研磨用水系分散体の種類は問わないが、特に酸化セリウム(セリア)を主砥粒として含有する化学機械研磨用水系分散体を用いてSTI工程において絶縁膜を研磨する場合、及びセリア又は酸化ケイ素(シリカ)を主砥粒として含有する化学機械研磨用水系分散体を用いて多層化配線基板の層間絶縁膜を研磨する場合に好適に使用することができる。
上記STI工程の被研磨面たる絶縁膜及び、多層化配線基板の絶縁膜を構成する材料としては、例えば熱酸化膜、PETEOS膜(Plasma Enhanced−TEOS膜)、HDP膜(High Density Plasma Enhanced−TEOS膜)、熱CVD法により得られる酸化シリコン膜等が挙げられる。
上記熱酸化膜は、高温にしたシリコンを酸化性雰囲気に晒し、シリコンと酸素あるいはシリコンと水分を化学反応させることにより形成されたものである。
上記PETEOS膜は、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を原料として、促進条件としてプラズマを利用して化学気相成長で形成されたものである。
上記HDP膜はテトラエチルオルトシリケート(TEOS)を原料として、促進条件として高密度プラズマを利用して化学気相成長で形成されたものである。
上記熱CVD法により得られる酸化シリコン膜は、常圧CVD法(AP−CVD法)又は減圧CVD法(LP−CVD法)により形成されたものである。
上記ホウ素リンシリケート膜(BPSG膜)は、常圧CVD法(AP−CVD法)又は減圧CVD法(LP−CVD法)により形成されたものである。
また、上記FSGと呼ばれる絶縁膜は、促進条件として高密度プラズマを利用して化学気相成長で形成されたものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
[1]化学機械研磨パッド用組成物の調製
(A)成分としてポリスチレン(PSジャパン(株)製、商品名「HF55」)40質量部、(B)成分として1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、商品名「JSR RB830」、1,2−結合含量:90%)60質量部及び(E)成分としてβ−シクロデキストリン((株)横浜国際バイオ研究所製、商品名「デキシーパールβ−100」)16.8質量部を120℃に予備加熱された押出機にて150℃、60rpmにて2分混練した。その後、パークミルD40(商品名、日本油脂(株)製。過酸化ジクミルを40質量%含有する。)0.30質量部(過酸化ジクミル換算で0.12質量部に相当する。)を添加し、更に120℃、60rpmにて2分混練し、化学機械研磨パッド用組成物を得た。
[2]組成物の硬化トルクの測定
次に、上記[1]で得た組成物の硬化トルクを測定した。
JSRトレーディング(株)製、「キュラストメータWP」を使用し、ダイスを170℃に加熱した後、上記[1]で得た組成物を4gとり、ダイスにセットした。次いでダイスを閉じ、温度170℃、圧力490kPa、振幅角:±1°、ねじり振動数100cpmにて18分間歪みを加えた後のトルクを測定したところ、0.110N・mであった。
[3]化学機械研磨パッドの製造
上記[1]で得た組成物をパッド成型用金型にセットし、170℃で18分間加熱して、直径60cm、厚さ2.8mmの成形体を得た。次いでこの成形体の片面に、加藤機械(株)製の切削加工機を用いて、溝幅0.5mm、溝深さ1.4mm、ピッチ2.0mmの同心円状の溝を形成し、化学機械研磨パッドを製造した。
なお、ここで製造した化学機械研磨パッドに含有される(E)成分の平均粒径は15μmであり、パッド全体に占める(E)成分の体積率は10体積%であった。
[4]化学機械研磨性能の評価
(A)セリアを主砥粒として含む水系分散体を用いた絶縁膜研磨の評価:
(1)研磨速度の評価
上記で製造した化学機械研磨パッドを化学機械研磨装置「LAPMASTER LGP510」(STF社製)に装着し、8インチPETEOS膜付きウェハを被研磨剤として、以下の条件で化学機械研磨した。

化学機械研磨用水系分散体:セリアおよびポリアクリル酸アンモニウムをそれぞれ1質量%ずつ含む水系分散体。
化学機械研磨用水系分散体供給量:100mL/分
研磨ヘッド押し付け圧:400g/cm
研磨ヘッド回転数:70rpm
定盤回転数:50rpm
研磨時間:60秒

上記化学機械研磨の被研磨材である8インチPETEOS膜付きウェハにつき、外周5mmを除いて直径方向に均等に21点とり、これら特定点について、研磨前後のPETEOS膜の厚さの差と研磨時間から、各特定点における研磨速度を算出した。
これら21点における研磨速度の平均値を研磨速度として算出したところ、4,700Å/分であった。
なお、各特定点におけるPETEOS膜の厚さは、光学式膜厚計によって測定した。
(2)面内均一性の評価
上記21点の特定点における研磨前後のPETEOS膜の厚さの差(この量を「研磨量」とする。)について下記計算式により面内均一性を算出したところ、14%であった。

面内均一性=(研磨量の標準偏差÷研磨量の平均値)×100(%)

なお、この値が15%以下の時、面内均一性は良好であるといえる。
(3)化学機械研磨パッドの寿命の評価
上記した研磨条件の下で、8インチPETEOS膜付きウェハを連続して化学機械研磨した。ここで、ウェハを1枚研磨するごとに、脱イオン水を100mL/分で供給しつつ、100メッシュダイヤモンドを使用したドレッサーにより、10秒間のインターバル・ドレッシングを行った。
研磨したウェハ50枚ごとに研磨速度を算出し、前回までの研磨速度の平均値から15%以上減じた研磨速度を2回続けて記録した時点を、化学機械研磨パッドの寿命として記録したところ、1,200枚であった。
(B)シリカを主砥粒として含む化学機械用水系分散体を用いた層間絶縁膜研磨の評価:
(i)研磨速度の評価
上記のように製造した化学機械研磨パッドを化学機械研磨装置(型式「EPO112」、(株)荏原製作所製)に装着し、8インチPETEOS膜付きウェハを被研磨体として、以下の条件で研磨した。

スラリー供給量:150ml/分
ヘッド押し付け圧:400g/cm
定盤回転数:50rpm
ヘッド回転数:80rpm

研磨後の被研磨体について、上記 「セリアを主砥粒として含む水系分散体を用いた絶縁膜研磨の評価」と同様にして研磨速度の平均値を算出した。この結果を表2に示す。
(ii)ディッシングの評価
上記のように製造した化学機械研磨パッドを化学機械研磨装置(型式「EPO112」、(株)荏原製作所製)に装着し、パターン付き8インチPETEOS膜ウェハ「SKW 7−2」(SKW社製、シリコンウェハに各種の線幅の溝(深さ0.8μm)を形成し、その上にPETEOSを厚さ2.0μmで体積させたテスト用ウェハ。PETEOSの表面には、シリコンウェハに形成された溝に対応する幅及び深さの溝が形成されている。)を被研磨材として以下の条件にて化学機械研磨した。

化学機械研磨用水系分散体:「CMS1101」(砥粒としてシリカを含むJSR(株)製の化学機械用水系分散体である。)及び脱イオン水を、体積比1:2で混合したもの
スラリー供給量:150ml/分
ヘッド押し付け圧:400g/cm
定盤回転数:50rpm
ヘッド回転数:80rpm

上記条件にて、PETEOS膜を0.8μm研磨・除去した後のSKW 7−2につき、微細形状測定装置(KLA‐Tencor社製、形式「P−10」)を用いて、ライン・アンド・スペース=250μm/250μmの部分における、シリコンウェハに形成された溝部以外に相当する部分から測定した溝中央部に相当する部分の窪み量を測定し、この両のディッシングとした。結果を表2に示す。
実施例2〜8、比較例1〜7
実施例1において、各成分の種類と量を表1に記載の通りに変更した他は実施例1と同様にして化学機械研磨パッド用組成物を調製し、その硬化トルクを測定した。結果を表1に示す。
また、その化学機械研磨パッド用組成物を使用して実施例1と同様にして化学機械研磨パッドを製造し、化学機械研磨性能及び寿命の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2006055983
表1中、各成分の種類欄に記した略称はそれぞれ下記のものを意味する。
(A)成分
GPPS:ポリスチレン(PSジャパン(株)製、商品名「HF55」)
SEBS:スチレン−(エチレン/ブチレン)−スチレンブロック共重合体(旭化成(株)製、商品名「タフテックH1052」、スチレン含量=20質量%)
AS:アクリロニトリル−スチレン共重合体(テクノポリマー(株)製、商品名「920FF」、スチレン含量=75質量%)
HIPS:スチレン−ブタジエン共重合体(PSジャパン(株)製、商品名「AG102」、スチレン含量=75質量%)
SBS:スチレン−ブタジエン共重合体(ジェイエスアールクレイトンエラストマー(株)製、商品名「TR2827」、スチレン含量=24質量%)

(B)成分
RB:1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、商品名「JSR RB830」)
また、表中の「−」は該当欄に相当する成分を使用しなかったことを意味する。
なお、(C)成分である過酸化ジクミルは、日本油脂(株)製「パークミルD40」として添加したが、表1に記載の添加量は、純品に換算した値である。
Figure 2006055983

Claims (4)

  1. (A)ポリスチレン又はスチレン共重合体、(B)ジエン系(共)重合体(ただし、(A)成分に該当するものを除く。)及び(C)架橋剤を含有する化学機械研磨パッド用組成物であって、JIS K6300−2に準じて振動式加硫試験機により下記の条件で18分間歪みを加えた後のトルクが0.05〜0.50N・mであることを特徴とする、化学機械研磨パッド用組成物。
    測定温度:170℃
    圧力:490kPa
    振幅角:±1°
    ねじり振動数:100cpm
  2. 更に(E)水溶性粒子を含有する請求項1に記載の化学機械研磨パッド用組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の化学機械研磨パッド用組成物から形成された、化学機械研磨パッド。
  4. 請求項3に記載の化学機械研磨パッドを用いて被研磨体を研磨することを特徴とする、化学機械研磨方法。
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