JP2006055729A - フィルタリングシステム、それを有する水熱処理装置及びフィルタリング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のフィルタリングシステムにおいて、Aフィルタユニット113を逆洗する際には、A減圧配管119の減圧配管弁120を開き、Aフィルタユニット113内の減圧を行う。このとき、高圧の状態から急に減圧配管弁120を開くと、高圧流体が一気に減圧ライン141に流れ込むこととなり、高圧流体の衝撃が減圧ライン141や三方弁10等にダメージを与えるとともに、大きな騒音が発生するが、減圧ライン141には減圧速度調整弁9が設けられているので、減圧工程を数分程度に延ばして行うことができる。これにより、高圧流体の衝撃による悪影響を回避し、大きな騒音の発生を低減することができる。
【選択図】 図3
Description
(2)使用中のフィルタ(本体)の前後の差圧(フィルタ差圧)を測定し、この値に基づき待機中のフィルタへの切り替えタイミングを決める。より具体的には、フィルタ差圧が約200psiを超えた場合、使用中のフィルタから待機中のフィルタへと切り替える。
(3)切り替えられて非使用状態となったフィルタの逆洗を行う。すなわち、フィルタの圧力を開放(減圧)し、フィルタ内に残存している処理水中の溶存ガスが膨張する勢いによって、フィルタエレメントに付着している無機固形物を剥離する。その後、フィルタ内に加圧空気を流し、剥離された無機固形物をフィルタ内から吹き飛ばす又は押し出す。
(4)フィルタ内を水で満たした後に高圧反応に使用する酸素ガスを供給し、システム圧まで加圧(予備加圧)する。これで、逆洗後のフィルタが使用可能な状態へと復帰する。
(A)フィルタ逆洗時に行う減圧、及び、逆洗終了後に行う予備加圧を急速に行うと、フィルタシステム中のバルブ類に負担がかかり易い。著しい場合には、短時間のうちにバルブからの洩れが発生する場合もあり得る。
(B)逆洗を行う際、フィルタの底に堆積したSSが詰まって、逆洗水が流れ難くなる場合がある。
(C)処理水に含まれるSSによって、フィルタシステム中のバルブ類の摩耗も進行し易い。
なお、各配管は、相互に兼用(全部又は一部)してもよい。すなわち、1本の配管(機械的な物としての配管)が複数の配管系統(ライン)の構成要素として用いられてもよい。
SSの蓄積量が多い場合や、沈降性・粘着性が高い場合等には、SSが逆洗液排出配管やその開閉弁に詰まり易く、逆洗が行い難いことがある。これに対し、本発明のこの態様によれば、逆洗液排出配管から液流をフィルタ本体内に向けて流すことで、フィルタ本体内(フィルタエレメントやフィルタ本体底部)に堆積したSSを巻き上げるように拡散させることができるので、固形物の詰まりが起こり難くなる。
この場合、別途高圧ポンプ等を追設して処理水を供給する場合等に比べて、設備費等が嵩むことなく、フィルタユニットの加圧を行うことができる。
逆洗液の量は、フィルタエレメントの目詰まり状態やSSの性状等によって異なるが、1回の逆洗につき数十リットルの液を消費するのが通常である。そして、フィルタの逆洗回数(フィルタの切り替え回数)が多いほど逆洗水の消費量が増えるため、場合によっては、高圧反応で排出される処理水よりも逆洗水の方が多くなることもあり、装置全体としての総合排水量も増えてしまう。これに対し、本発明のこの態様によれば、タンクで処理水を貯留し、この貯留した処理水をポンプでフィルタ本体に逆洗液として送ることができるので、装置から排出される処理水を逆洗液として再利用することができ、装置の総合排出量を大きく減らすことができる。
フィルタ本体の下部へのSSの堆積具合等は、フィルタ本体の前後の差圧(フィルタ差圧)を測定するだけでは予測することが難く、場合によっては、フィルタ差圧が上昇していなくても、フィルタ本体内に逆洗困難な状態にまで固形物が堆積してしまうことがある。これに対し、本発明のこの態様によれば、通常のフィルタ切り替え時期はタイマーで設定した所定時間(通液時間)に基づき判断し、フィルタ差圧が設定値まで上昇していなくてもフィルタエレメントを逆洗する。この通液時間は、フィルタの逆洗を安定して行うことができ、且つ、できる限り長い時間に設定する(一例で30分程度)。そして、万が一、例えば急に多量の固形物が流れ込んでフィルタ差圧が上昇したとき等には、フィルタ差圧が設定値を超えた時点でフィルタエレメントを逆洗する(フィルタを切り替える)。これにより、フィルタエレメントの破損の可能性が低減し、フィルタシステムの安定的な連続運転が実現できる。
こうすることで、流入配管や開閉弁内部へのSSの沈殿がほとんどなくなるので、開閉弁の寿命を向上することができる。
こうすることで、開閉弁の作動部分に固形物が堆積することがほとんどなくなるので、開閉弁の寿命を向上することができる。
まず、本発明のフィルタリングシステムを装備する水熱反応処理装置の概要を説明する。
図13は、本実施の形態に係る水熱反応処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図13に示す水熱反応処理装置は、反応容器321と、この反応容器321に被処理物、補助燃料、水、酸化剤(空気)を供給する供給系統と、反応容器321から出る反応生成物を冷却し、気液分離する冷却気液分離系統とから主に構成されている。
図1は、本実施の形態に係るフィルタリングシステムのAフィルタユニット稼動時を示す配管系統図である。
図2は、同フィルタリングシステムのAフィルタユニット→Bフィルタユニット切り替え後を示す配管系統図である。
図3は、同フィルタリングシステムのAフィルタユニット減圧時を示す配管系統図である。
図4は、同フィルタリングシステムのAフィルタユニット予備逆洗時を示す配管系統図である。
図5は、同フィルタリングシステムのAフィルタユニット逆洗時を示す配管系統図である。
図6は、同フィルタリングシステムのAフィルタユニット加圧時を示す配管系統図である。
図7〜図9は、同フィルタリングシステムの作動フローチャートである。
各図の左上には、処理流体供給配管1の接続された気液分離器2が示されている。処理流体供給配管1は、図13の水熱反応処理装置の排出管1に相当し、この配管1から水熱反応処理後の処理流体が気液分離器2へと導入される。気液分離器2は、前述の図13のものと同様であり、処理ガス排出配管3(図13の減圧弁3aを備えた排ガス管3に相当する)と液面レベル計4が設けられている。気液分離器2で分離された気体は処理ガス排出配管3を介してシステム外部に放出される。一方、分離された液体は、気液分離器2から延び出る処理液排出配管5(図13の処理水排出管5に相当する)を介して、後段のシステムへと送られる。この処理液排出配管5には、開閉弁6が組み込まれている。
三方弁10のaポートは、排出ライン131を介して、排出配管130に繋がっている。三方弁10のbポートは、減圧速度調整弁(絞り弁)9を有する減圧ライン141を介して、両減圧配管119、219に繋がっている。三方弁10のcポートは、加圧速度調整弁(絞り弁)19を有する高圧水供給ライン18を介して、A流出配管115に繋がっている。
なお、図1〜図6において、配管ラインの大太線は減圧前の流れを示し、中太線は減圧後の流れを示す。また、各弁において開状態を白抜きで、閉状態を黒塗りで示す。
図10(A)、(B)は、本実施例に係るフィルタユニット前後の配管の改良例を示す図である。
前述の流入配管112(212)は、気液分離器2から送られた高圧の処理液が通過する。この処理液は、フィルタユニット113(213)でろ過される前の液(SS懸濁水)であるため、流入配管112(212)が水平方向に配置されていると、配管112(212)底部や開閉弁111(211)内部に比重の大きなSSが沈殿することがある。開閉弁111(211)としては通常ボール弁が用いられるが、SSが沈殿した状態で繰り返し作動させると、ボールとシートとの間にSSが噛み込み易く、開閉弁111(211)の性能劣化が早く進んでしまう。そこで、図10(A)に示すように、フィルタユニット113の手前側において、流入配管112の垂直部に開閉弁111を設けるものとすると、流入配管112底部や開閉弁111内部へのSSの沈殿がほとんどなくなるので、開閉弁111の寿命を向上することができる。
・フィルタリングシステム全体の動作評価
図11は、本実施例に係るフィルタリングシステムの運転履歴を表すグラフである。左縦軸はフィルタ圧力(単位MPa)を示し、右縦軸は逆洗水供給流量(単位L/min)を示し、横軸はフィルタリングシステム運転履歴時間を示す。
図11には、Aフィルタユニット113の通液時にBフィルタユニット213の逆洗を行ったときの履歴が示されている。このグラフより、Bフィルタユニット213は約8分かけて減圧され(実線グラフ)、その後、逆洗水による逆洗が行われている(二点鎖線グラフ)。なお、このケースでは、逆洗水を3回に分けて供給している。そして、逆洗終了後に行ったBフィルタユニット213の予備加圧(システム圧力までの加圧:点線グラフで示すAフィルタユニット113の通液時の圧力までの加圧)は、約1分間で完了している。
この評価では、以下の試験装置、模擬液、試験方法を用いた。
試験装置:無機微粒子懸濁水溶液を循環して流す装置を組み、その流路内に制御空気で自動開閉できる開閉弁を設置した。開閉弁は、試験によって水平方向に設置する場合と、垂直方向に設置する場合とを組み替えた。
模擬液:炭酸Ca(0.5%)+酸化鉄(0.5%)水溶液(中心粒径5μm)を用いた。
試験方法:模擬液を5L/minの流速で開閉弁を含む配管に流し、開閉弁の開閉を3秒おきに自動で繰り返し行った。そして、5000回の開閉動作後、開閉弁を取り外し、以下の2つの評価(A)、(B)を行った。
(A)耐圧評価:30MPaの水圧を一方からかけた場合に漏れがないか確認した。
(B)摩耗評価:開閉弁を分解し、ボールやシートの摩耗を観察した。
(A)耐圧評価:約15MPaで水漏れが発生した。
(B)摩耗評価:触感で容易に判断できる傷がシートに多数発生し、一部の傷は深かった。
一方、開閉弁を垂直に設置した場合は、以下の結果が得られた。
(A)耐圧評価:約30MPaで耐圧性能に問題なし。
(B)摩耗評価:シートとボールが動作する方向には擦れ傷が観察されたが、触感で判断できない程度の非常に細かいものであった。
これらの結果により、開閉弁を垂直に設置した場合(図10(A)参照)は、開閉弁の耐久性が向上していると判断できる。
この評価では、以下の試験装置、模擬液、試験方法を用いた。
図12は、本試験に用いた試験装置の模式図である。
試験装置:図12に示すように、模擬液貯留タンク内の模擬液を、模擬液供給ポンプを駆動してフィルタユニットに連続的に供給できる低圧の装置を用いた。なお、フィルタユニットには、ろ液貯留タンクと懸濁水貯留タンクとが接続されている。このような試験装置において、逆洗水を次の(ケースA)、(ケースB)の2通りで流した。
(ケースA)ろ液貯留タンクに繋がる側から逆洗水を流し、フィルタユニットの下流側の逆洗水排出配管弁を介して懸濁水貯留タンク側へと排出する(通常の逆洗のみ)。
(ケースB)最初に5秒間、フィルタユニットの下流側の逆洗水排出配管弁側から逆洗水を流し(予備逆洗)、その後、(ケースA)と同様に逆洗水を流す(通常の逆洗)。
模擬液:カオリン(1%)水溶液を用いた。
試験方法:模擬液を5L/minの流速でフィルタユニットに模擬液を供給する。そして、フィルタ差圧が0.3MPaになった時点で通液を停止し、フィルタユニットの逆洗を行う。なお、逆洗には吐出圧0.5MPaの水を用いた。
(ケースA)逆洗水排出配管弁を何回も開閉しては逆洗水を供給する等をしたが、流れなかった。
(ケースB)問題なく逆洗を行うことができた。
これらの結果により、予備逆洗を行うことでフィルタ本体内に堆積した固形物が巻き上げられて、確実に逆洗が行えるようになったと判断できる。
3 処理ガス排出配管 4 液面レベル計
5 処理液排出配管 6 開閉弁
7 差圧計 8 液面制御弁
9 減圧速度調整弁 10、11、12 三方弁
13 逆洗水供給ライン 14 液面レベル計
15 開閉弁 16 逆洗水タンク
17 ポンプ 18 高圧水供給ライン
19 加圧速度調整弁
111、211 開閉弁(流入配管弁) 112、212 処理液流入配管
113、213 フィルタユニット 113′、213′ フィルタ本体
114、214 フィルタエレメント 115、215 処理水流出配管
116、216 開閉弁(流出配管弁) 117、217 逆洗液排出配管
118、218 開閉弁(逆洗水排出配管弁) 119、219 減圧配管
120、220 開閉弁(減圧配管弁) 121、221 逆洗配管
123、223 圧力計 130 排出配管
Claims (9)
- 高圧反応装置から排出される処理水中の固体微粒子(SSと略称)をろ過するための、該処理水の減圧手段の手前(高圧側)に設置されるフィルタリングシステムであって、
複数系列のフィルタユニットが並列配置されており、
各フィルタユニットには、
前記高圧反応装置からのSSを含む高圧流体がフィルタ本体に流入する流入配管、
前記フィルタ本体においてSSがろ過された高圧流体が前記減圧手段方向へ流出する流出配管、
前記フィルタ本体から高圧流体を抜いて減圧する減圧配管、
前記フィルタ本体内のフィルタエレメントを逆洗する逆洗液を供給する逆洗配管、
逆洗後の逆洗液を前記フィルタ本体から排出する逆洗液排出配管、
前記フィルタ本体に高圧液を送って該フィルタ本体内を高圧にする加圧配管、
が接続されているとともに、
前記各配管を開閉する開閉弁が設けられており、
前記減圧配管及び/又は前記加圧配管に、減圧又は加圧速度を調整する調整手段が設けられていることを特徴とするフィルタリングシステム。 - 前記フィルタユニットに、前記フィルタ本体下部に堆積したSSを巻き上げ・拡散させるための流体を供給する配管が設けられていることを特徴とする請求項1記載のフィルタリングシステム。
- 前記フィルタユニットを加圧する際に、前記フィルタ本体から排出された処理水を用いることを特徴とする請求項1又は2記載のフィルタリングシステム。
- 前記高圧反応装置から排出される処理水の減圧手段で減圧された後の処理水を貯留するタンク及び貯留した処理水を前記フィルタ本体に逆洗液として送るポンプが設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のフィルタリングシステム。
- 前記各フィルタユニットに処理水を供給する配管と前記各フィルタユニットから処理水を排出する配管との間の差圧が一定値を超えたとき、又は、タイマーで設定した所定時間が経過したとき、のいずれかのうちの早い時点で、前記フィルタ本体内のフィルタエレメントを逆洗することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のフィルタリングシステム。
- 前記流入配管が、前記フィルタ本体の上部(流入部)の手前側で垂直方向に延びる垂直部を有しており、該垂直部に前記開閉弁が設けられていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のフィルタリングシステム。
- 前記逆洗液排出配管がU字状をしており、該U字状の逆洗液排出配管の一端部が前記フィルタ本体の下部(排出部)に接続されているとともに、他端側に前記開閉弁が設けられていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のフィルタリングシステム。
- 水熱反応器と、
該水熱反応器に被処理水を供給する供給系統と、
前記水熱反応器の反応生成物を冷却・減圧・排出する後処理系統と、
を備える水熱処理装置であって、
前記後処理系統に、前記請求項1〜7いずれか1項記載のフィルタリングシステムが備えられていることを特徴とする水熱処理装置。 - 高圧反応装置から排出される処理水中の固体微粒子(SSと略称)をろ過するための、該処理水の減圧手段の手前(高圧側)に設置される、複数系列のフィルタユニットが並列配置されたフィルタリングシステムを用いるフィルタリング方法であって、
前記各フィルタユニットに、
前記高圧反応装置からのSSを含む高圧流体がフィルタ本体に流入する流入配管、
前記フィルタ本体においてSSがろ過された高圧流体が前記減圧手段方向へ流出する流出配管、
前記フィルタ本体から高圧流体を抜いて減圧する減圧配管、
前記フィルタ本体内のフィルタエレメントを逆洗する逆洗液を供給する逆洗配管、
逆洗後の逆洗液を前記フィルタ本体から排出する逆洗液排出配管、
前記フィルタ本体に高圧液を送って該フィルタ本体内を高圧にする加圧配管、
を接続しておき、
前記各配管を開閉する開閉弁を設けておき、
前記減圧配管及び/又は前記加圧配管には、減圧又は加圧速度を調整する調整手段を設けておき、
前記フィルタ本体の逆洗を行う際に、
前記減圧配管、該配管を開閉する開閉弁、前記調整手段を用いて前記フィルタ本体内を減圧し、
前記逆洗液排出配管側からの液流により前記フィルタ本体下部に堆積したSSを巻き上げ・拡散させた後に、前記逆洗配管側から逆洗液を流し、
逆洗終了後に、前記加圧配管、該配管を開閉する開閉弁、前記調整手段を用いて前記フィルタ本体内を加圧する、
ことを特徴とするフィルタリング方法。
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