JP2006054974A - リニアモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 長尺のものであっても、容易に製作および組付けができ、メンテナンスを行う上でも容易に取扱いができる工作機械用リニアモータを提供することを目的とする。
【解決手段】 板状ヨーク11と、該板状ヨークの面に垂直で、隣り合う永久磁石と異なる磁化方向を有するように、該板状ヨークの両面に、可動子移動方向に等しい磁石ピッチで設けられた複数の同一形状の永久磁石12とを含んでなり、可動子移動方向に並べて設けられた複数の固定子ユニット13を含んでなる固定子19と、前記板状ヨークの両面に設けられた永久磁石の列のそれぞれに対向するように設けられ、電機子コイル15が巻かれた電機子コア14を含んでなる一対の可動子16とを含んでなる工作機械用リニアモータ10が提供される。
【選択図】 図1
【解決手段】 板状ヨーク11と、該板状ヨークの面に垂直で、隣り合う永久磁石と異なる磁化方向を有するように、該板状ヨークの両面に、可動子移動方向に等しい磁石ピッチで設けられた複数の同一形状の永久磁石12とを含んでなり、可動子移動方向に並べて設けられた複数の固定子ユニット13を含んでなる固定子19と、前記板状ヨークの両面に設けられた永久磁石の列のそれぞれに対向するように設けられ、電機子コイル15が巻かれた電機子コア14を含んでなる一対の可動子16とを含んでなる工作機械用リニアモータ10が提供される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、切削装置、フライス盤、マシニングセンター、レーザ加工機等の工作機械におけるリニアモータに関し、特にその固定子が永久磁石型である工作機械用リニアモータに関する。
レーザ加工機は、半導体のワークなどを加工する装置として、従来から広く用いられている。図7は、レーザ加工機の一例を示す模式的な斜視図である。図7に示すレーザ加工機はフレーム121の上にテーブル122を備え、テーブル122の上に加工すべきワーク(図示せず)が置かれる。また、フレーム121の上方にX軸方向に移動可能な駆動装置123が取り付けられ、駆動装置123には取り付け部品を介してY軸方向に移動可能な駆動装置124が取り付けられている。駆動装置124にはZ軸方向に移動可能な駆動装置125が取り付けられ、駆動装置125にはレーザ光を射出するトーチ126が取り付けられている。図7では、駆動装置の配線や制御装置、レーザ光を伝達する部品等は省略されている。このようなレーザ加工機では、制御装置でX軸とY軸方向の駆動装置を制御して、先端に取り付けられたトーチからのレーザ光をワークに当てることで、ワークを所望の形状に切断する。また、レーザ光の焦点を合わせるために、Z軸方向の駆動装置でトーチとワークの距離を制御する。従来のレーザ加工機では、駆動装置を回転形のサーボモータとボールネジで構成したものが用いられていた。しかし、回転形のサーボモータを用いた上記レーザ加工機では、高速で加工するには限界があり、早送り速度で20m/分程度が限界となっていた。さらに、3mを超えるような長尺のワークになると、ボールネジのたわみなどから加工精度が落ちるという問題があった。そこで、駆動装置部分をリニアモータに置き換える検討を行ってきた(特許文献1参照)。
工作機械には大きな推力が必要なので、複数の永久磁石を可動子の移動方向に交互に異なる極性で等ピッチに板状ヨークに取り付けた固定子と、固定子の磁石列に対向するように磁性体コアと電機子コイルとからなる可動子を配置したリニアモータが用いられている。ここで、永久磁石のピッチ誤差は、送り精度低下に直結し、特に長尺になれば、この誤差の偏析と累積により、高速で高精度な位置決めなどリニアモータの長所を十分に生かすことができなくなるおそれがある。なお、ピッチ(磁石ピッチとも呼ぶ)は、可動子の移動方向における、永久磁石の幅と、永久磁石間の距離との和である。
さらに、リニアモータの可動範囲が大きくなれば、必然的に固定子の長さも長くなり、リニアモータ用部品の製作にも多大な時間を要し、あるいは精度よく加工および取り付けを行うことが困難になるといった問題が生じていた。また、これらのリニアモータを擁した工作機械のメンテナンスを行う場合、この工作機械を現場から搬出したり、搬出しなくとも現場で長尺の固定子等を交換するには、大きな吊り具や作業空間が必要となる。さらに、強力な磁場吸引力を持つ長尺の固定子を取扱う際には、安全性が問題となる。
従来のリニアモータとして、組み立てを容易にし、ガイドへの負荷及びコギング力を低減するために、多角形または円筒状ヨークの表面に複数の磁石列を取付けた固定子と、複数の磁石列にそれぞれ対向して、固定子を囲むように配置された複数個の可動子コアとを用いるものがある(特許文献2参照)。しかしながら、このようなリニアモータであっても、依然、磁石列のピッチ誤差等に起因する精度の問題や、何より長尺ものの加工費用の問題がある。
以上のように、これまでの一般的な方法では、大型の工作機械用リニアモータとして、長尺のものを提供することは実現が困難であった。このため、本発明は、長尺のものであっても、容易に製作および組付けができ、メンテナンスを行う上でも容易に取扱いができる工作機械用リニアモータを提供することを目的とする。
本発明の1の側面によると、板状ヨークと、該板状ヨークの面に垂直で、隣り合う永久磁石と異なる磁化方向を有するように、該板状ヨークの両面に、可動子移動方向に等しい磁石ピッチで設けられた複数の同一形状の永久磁石とを含んでなり、可動子移動方向に並べて設けられた複数の固定子ユニットを含んでなる固定子と、前記板状ヨークの両面に設けられた永久磁石の列のそれぞれに対向するように設けられ、電機子コイルが巻かれた電機子コアを含んでなる一対の可動子とを含んでなる工作機械用リニアモータが提供される。
以下に詳細に説明するように、本発明によると、低コストで高速位置決め送りが可能な工作機械用リニアモータが提供される。本発明は、特に可動範囲の大きなリニアモータを擁した工作機械に適する。上記したように、可動範囲の大きなリニアモータを工作機械に搭載したり、またそのような工作機械を使用している工場でメンテナンスを行う場合にあっては、工作機械を現場から搬出したり、搬出しなくとも現場で長尺の固定子等を交換する際に、大きな磁場吸引力を持つ長尺の固定子を取扱う上で安全性が問題となる。しかしながら、狭い工場内でも分割された固定子を扱うことはできるので、本発明によると、容易かつ安全に製作および組付けができ、メンテナンスを行う上でも容易に取扱いができる工作機械用リニアモータが提供される。
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、以下に説明する実施の形態は本発明を限定するものではない。
上記したように、本発明によると、板状ヨークと、該板状ヨークの面に垂直で、隣り合う永久磁石と異なる磁化方向を有するように、該板状ヨークの両面に、可動子移動方向に等しい磁石ピッチで設けられた複数の同一形状の永久磁石とを含んでなり、可動子移動方向に並べて設けられた複数の固定子ユニットを含んでなる固定子と、前記板状ヨークの両面に設けられた永久磁石の列のそれぞれに対向するように設けられ、電機子コイルが巻かれた電機子コアを含んでなる一対の可動子とを含んでなる工作機械用リニアモータが提供される。
図1は、本発明の一実施の形態にかかるリニアモータ10の、可動子移動方向に平行であって、ヨークの永久磁石固着面に垂直な面における模式的な断面図である。説明の便宜のために、図1には、固定子19のうちの1つの固定子ユニット13のみを示す。図2は、本発明の一実施の形態にかかる固定子ユニット13の模式的な斜視図である。図3は、本発明の一実施の形態にかかる固定子ユニット13の構成部材を示す模式的な斜視図である。図4は、本発明の一実施の形態にかかる固定子19の模式的な斜視図である。かかるリニアモータ10は、板状ヨーク11と複数の永久磁石12とから構成される固定子ユニット13の複数を並べて配置してなる固定子19と、電機子コア14と電機子コイル15とから構成される可動子16とを備える。
図示する固定子ユニット13において、板状ヨーク11の各面には、板状ヨーク11の長手方向に沿って、複数の永久磁石12が同一のピッチで配列され、磁石列17が形成されている。
板状ヨーク11は、可動子移動方向を長手方向とする板状の部材である。板状ヨーク11の材質としては、一般的な磁性体を用いることができる。例えば低炭素鋼、ケイ素鋼鈑等が挙げられるが、これらには限定されない。
複数の永久磁石12は、それぞれが同一の形状、寸法を備える板状の部材である。永久磁石12の材質としては、Nd系、Sm系等の希土類系、フェライト系、アルニコ系などの永久磁石を用いることができる。また、永久磁石12の表面が防錆用の表面処理剤で処理されていてもよい。
各永久磁石12は、通常、接着剤等を介して板状ヨーク11に固着されている。そして、各永久磁石12は、板状ヨーク11の磁石を固着する面に垂直な方向に磁化されており、隣り合う永久磁石12の磁化の向きは交互に異なっている。図1中に、各永久磁石12の磁化の向きを矢印で示す。さらに、板状ヨーク11の他方の面にも、永久磁石12が同様に配置されている。このとき、好ましくは、ヨーク11の両面の磁石列17はヨーク11を挟んで重なり合うように向かい合っており、向かい合う2つの永久磁石12は、磁化の向きが逆になっている。
また、このような固定子ユニット13は、押さえプレート18をさらに備えてもよい。図2,3に示すように、押さえプレート18は、ヨーク11の永久磁石12が固着された面に、磁石列17と平行に取り付け、磁石の固着位置がずれるのを防止する部材である。通常、2本の磁石押さえプレート18が、各永久磁石12の両端に接して、磁石列17を挟むように配置され、螺子等で留められている。なお、押さえプレートは、非磁性体であることが好ましい。押さえプレートが磁性体である場合には、強力な磁力で押さえプレートが磁石中央付近に吸引され、安定した位置決めを行うことができないためである。
固定子19は、複数の固定子ユニット13を可動子移動方向に並べて配置したものとする。換言すると、本発明にあっては、固定子19を複数の固定子ユニット13に分割化し、複数の固定子ユニット13を可動子移動方向に並べて配置する。このように、固定子を分割化することで、固定子全長に亘る磁石ピッチの誤差をより容易に改善することが可能となり、より低コストで精度の高いリニアモータを製造することが可能となる。本発明による低コスト化は、特に可動範囲の大きなリニアモータを製造する場合に顕著である。また、複数の固定子ユニットを並べて配置することで、容易かつ安全に製作および組付けができ、メンテナンスを行う上でも容易に取扱いが可能となる。
ここで、固定子ユニットの可動子移動方向の長さが1m以下であることが好ましい。この場合、低コストで、各固定子ユニットの全長に亘って、高い加工精度を保つことが特に容易となるためである。また、固定子の可動子移動方向の全長が30m以下であることが好ましい。可動子移動方向の長さが1mを越えると材料の特性、特に熱膨張性を考慮しなければならない場合があり、また、全長30mを超えると、工作機械の架台の大きさに対応できない場合があるためである。なお、固定子ユニットの長さは、均等である必要はないが、生産性や品質管理を考慮すると均等長さの方が扱いやすい。また、固定子ユニットの数、すなわち、固定子の分割個数は、特に限定されるものではなく、上記長さの範囲内であることが好ましい。
また、上記したように、各固定子ユニット13において、複数の永久磁石12は同一のピッチで板状ヨーク11に配列されている。さらに、複数個の固定子ユニットを可動子の移動方向に並べる際、隣り合う固定子ユニットの隙間は、磁石ピッチが変わらないように機械的設計をすることが好ましい。すなわち、固定子の全長に亘って磁石ピッチが変わらないように、隣り合う前記固定子ユニット間における磁石ピッチ誤差が、同一の前記固定子ユニット内における磁石ピッチ誤差と同等以下であるように設計することが好ましい。
具体的には、固定子ユニットの可動子移動方向端面と当該固定子ユニットの磁石列の最も端に位置する永久磁石との間の距離が、同一固定子ユニット内の永久磁石間の距離(すなわち、磁石ピッチと永久磁石の幅との差)の半分の長さとなるように設計することが好ましい。この場合、固定子ユニット同士を隙間なく配置することで磁石ピッチを固定子全長に亘って等しくすることができる。
なお、特に固定子ユニット1ケあたり1m以下の場合、本発明の板状ヨークは、磁石ピッチの加工精度が全長に亘って0.05mm以下になるように加工することが特に容易に可能である。一方で、例えば長さ10mの板状ヨークの場合にあっては、その材料代、加工コストは計り知れないうえに、同じように磁石ピッチ0.05mm以下の精度で加工することは、非常に困難である。リニアモータにあっては、板状ヨークの加工精度が即、リニアモータの送り精度等に影響することは、周知の事実である。
したがって、本発明では、固定子の全長に亘って磁石ピッチが変わらないように設定して、固定子の全長についての磁石ピッチの公差が、0.05mm以下に調整することが好ましく、0.03mm以下に調整することがさらに好ましい。なお、磁石ピッチの公差とは、磁石ピッチの最大寸法と最小寸法との差をいう。換言すると、固定子の全長についての磁石ピッチが、基準寸法に対して±0.025mm以下に調整することが好ましく、±0.015mm以下に調整することがさらに好ましい。
なお、永久磁石の位置決めは、スペーサ方式、溝方式その他いずれの方式で行うこともできる。具体的には、永久磁石の板状ヨークへの配列は、以下のように行うことができる。すなわち、永久磁石を板状ヨークに積層し、接着剤を介して固着させる。このとき、磁石列ピッチ7を安定的に等間隔にするように積層する。このために、例えば、厳しい寸法制御された板状ヨーク11を用い、板状ヨーク11の磁石ピッチを規定する位置に永久磁石12端面を合わせることで、精度良く位置決めを行うことができる。
なお、磁石ピッチは、磁石の寸法や形状に合わせて、適宜決定することができる。例えば、磁石ピッチは、可動子の電気子コア歯数と磁石の極数、さらに磁石の寸法や形状に合わせて適宜決定することができる。
また、固定子ユニット同士の接続方法は、特に限定されるものではなく、例えば、接着剤、ボルト等で接続することができる。また、固定子全長に跨るような押さえプレート18を用いて、複数の固定子ユニットを接続することができる。なお、例えば、以下のような手段で、磁石ピッチを乱すことなく、固定子ユニット同士を接続することができる。すなわち、工作機械の固定子を組み付けるベース面と固定子の基準面、および板状ヨークの接続面に異物が噛み込まないように留意しながら、複数の固定子を1つずつねじで位置決め、密着させながら、工作機械のベースに組み付ける。
可動子16は、電機子コイル15が巻かれた歯を複数備えてなる。好ましくは、可動子16において、電機子コイル15は複数設けられ、各々のコイル15の中心軸が、可動子移動方向に沿って、平行になるように配列されている。電機子コア14は、上記板状ヨーク1と同様の磁性体から構成することができ、電機子コイル15としては、銅線等を用いることができる。
また、好ましくは、可動子16は、複数の電機子コイル15の中心軸が、上記板状ヨーク1の磁石列17固着面に垂直となるように、すなわち磁石の磁化方向に平行になるように、該磁石列17との間に空隙を介して配置されている。なお、可動子16は、固定子ユニット13の両側に1つずつ配置される。
これらの固定子および可動子とを含んでなるリニアモータを、切削装置、フライス盤、マシニングセンター、レーザ加工機等の工作機械に用いることができる。例えば、上記固定子ユニットを工作機械の可動子移動方向に50枚並べて、可動子を取り付け、配線し、図7に例示したリニアモータのX軸として組立てることができる。さらに、同様に、6ケ,2ケの固定子ユニットを並べ、Y軸,Z軸とすることで、三次元モータを製造できる。この際、可動子の大きさや形態はリニアモータの仕様から設計するので固定子の長さに直接影響しない。
以下に、本発明の実施例を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、以下に説明する実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1にかかるリニアモータでは、1ケあたりの長さ55cm、幅14cm、高さ1.9cmの板状鉄ヨーク(材質S50C)を全長にわたり磁石ピッチの公差0.03mmで加工し、そのヨークにNd−Fe−B系の永久磁石(信越化学製N48H、Br=1.35T,iHc=1273kA/m)をN極、S極交互に取り付け、工作機械用リニアモータの固定子ユニットとした。なお、各永久磁石は、磁石幅18mm、磁化方向厚さ5mmとし、磁石ピッチ25mmとなるように配置した。図4に示すように、このような固定子ユニット6ケを並べることで、実施例1にかかる固定子とした。なお、実施例1では、固定子ユニットを可動子移動方向に並べる際の隙間の幅を、磁石ピッチあたり公差0.03mmとなるようにした。このような固定子に対して、電機子コアの歯の幅10mm、歯の長さ34mmの可動子を対向させて設けた。可動子と永久磁石の隙間は1mmとした。また、比較例として、全長3mの固定子を一体とした以外は、実施例1と同様としたリニアモータを製作した。
実施例1および比較例にかかるリニアモータのコギングトルクを、以下のように測定した。すなわち、製作したリニアモータと評価用リニアモータを1kNのロードセルを介して連結し、製作したリニアモータに電流を流さずに評価用リニアモータを動かし、測定ピッチごとに止め、可動子の位置と推力(ロードセルの指示値)の関係を測ることで、固定子を連結した全域にわたって測定した。なお、実施例,比較例ともに製作したリニアモータと評価用リニアモータの相対的位置関係はレーザ変位計にて随時確認した。
図5に、実施例1および比較例にかかるリニアモータのコギングトルクを測定した結果を示す。リニアモータのコギング力は、可動子が移動したときに進行方向またはその逆方向に周期的に働く力で、その周期は磁石のピッチになっている。磁石と電機子コアの各歯との間に発生する磁気吸引力の総和がコギング力であり、電機子コア内側の歯で発生する磁気吸引力は打ち消し合っているが、電機子の両端で発生する磁気吸引力がうまく打ち消し合わないために、磁石ピッチ周期のコギング力として現れる。
その結果、実施例1では、比較例で発生していた磁石ピッチや長尺加工品特有の反りによる影響等の誤差に依存するコギング波形の脈動を抑えることができ、さらにコギングの(最大値)−(最小値)は、比較例では47Nであったのが、実施例1では19Nにまで抑えることができた。このため、実施例1では、位置や速度の制御も容易となり、リニアモータとしての高速位置決めが可能となった。さらに、実施例1では、可動子を一定方向に移動するときの指令と実際の移動距離の差を表す位置決め精度は、全域にわたり0.5μm以下であり、27mクラスの長尺工作機械用リニアモータとして、高精度位置決め送りが可能であることが確認された。また、同一方向から位置決めを行ったときの再現性を表す繰り返し位置決め精度は3μm以下であった。
さらに、実施例2として、固定子ユニットの数を2ケとした以外は、実施例1と同様としたリニアモータを製作した。また、実施例3として、固定子ユニットの数を2ケとし、磁石ピッチを公差0.07mmとした以外は、実施例1と同様としたリニアモータを製作した。図6に、実施例2,3にかかるリニアモータのコギングトルクを測定した結果を示す。実施例2と比べて、公差0.07mmの実施例3では、2ケの固定子の中間付近で最大のコギング波形の乱れが一部観られた。また、コギングの(最大値)−(最小値)は、実施例3では24Nであったのが、実施例2では19Nにまで抑えることができた。
以上のように、本発明によれば、長尺のリニアモータの可動子位置にかかわらず、再現良く高精度位置決め送りが可能な工作機械用リニアモータが安価に製作できる。
10:リニアモータ
11:板状ヨーク
12:永久磁石
13:固定子ユニット
14:電機子コア
15:電機子コイル
16:可動子
17:磁石列
18:押さえプレート
19:固定子
121:フレーム
122:テーブル
123:X軸方向駆動装置
124:Y軸方向駆動装置
125:Z軸方向駆動装置
126:トーチ
11:板状ヨーク
12:永久磁石
13:固定子ユニット
14:電機子コア
15:電機子コイル
16:可動子
17:磁石列
18:押さえプレート
19:固定子
121:フレーム
122:テーブル
123:X軸方向駆動装置
124:Y軸方向駆動装置
125:Z軸方向駆動装置
126:トーチ
Claims (5)
- 板状ヨークと、該板状ヨークの面に垂直で、隣り合う永久磁石と異なる磁化方向を有するように、該板状ヨークの両面に、可動子移動方向に等しい磁石ピッチで設けられた複数の同一形状の永久磁石とを含んでなり、可動子移動方向に並べて設けられた複数の固定子ユニットを含んでなる固定子と、
前記板状ヨークの両面に設けられた永久磁石の列のそれぞれに対向するように設けられ、電機子コイルが巻かれた電機子コアを含んでなる一対の可動子と
を含んでなる工作機械用リニアモータ。 - 前記複数の永久磁石が、前記固定子における可動子移動方向の全長に亘って、等しい磁石ピッチで設けられている請求項1に記載のリニアモータ。
- 隣り合う前記固定子ユニット間における磁石ピッチ誤差が、同一の前記固定子ユニット内における磁石ピッチ誤差と同等以下である請求項1または2に記載のリニアモータ。
- 前記固定子の全長についての磁石ピッチの公差が、0.05mm以下である請求項1〜3のいずれかに記載のリニアモータ。
- 前記固定子ユニットの可動子移動方向の長さが1m以下であり、前記固定子の可動子移動方向の全長が30m以下である請求項1〜4のいずれかに記載のリニアモータ。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060713 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091110 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20100305 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |