JP2006053416A - 画像露光装置および画像露光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光重合により画像部が形成される印刷版原版を、印刷版原版にアブレーションを生じさせないように多重露光を行い、所定の画像を露光できるとともに、耐刷性が優れた印刷版を得られる画像露光装置および画像露光方法を提供する。
【解決手段】画像露光装置は、光照射することで硬化し画像部を形成する画像記録層を有する印刷原版を、予め測定されたアブレーションする露光エネルギ以下、かつ耐刷性を得る露光エネルギ以上の総露光エネルギで多重露光するものであり、印刷版原版に照射される光を画像信号に基づいて変調する2次元空間変調素子および2次元空間変調素子を照明する照明手段を備える露光手段と、露光手段と印刷版原版とを2次元的に相対的に移動させる移動手段とを有し、2次元光空間手段の1つの画素配列方向に、移動手段により露光手段と印刷版原版とを相対的に移動させて走査するとともに、この走査に同期して2次元変調手段による画像も画素配列方向に走査する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光重合により画像部または非画像部が形成される印刷版原版について、画像信号に基づいて照明手段からの照明光を変調する2次元空間変調素子を用いて多重露光する画像露光装置および画像露光方法に関し、特に、印刷版原版にアブレーションを生じさせないように、多重露光を行って、所定の画像を露光する画像露光装置および画像露光方法に関する。
従来、1次元空間変調素子を、1つの基体に、複数の出射窓が直線状に形成されている半導体レーザアレイで照明し、1次元変調素子による形成された像を感光材料の表面に、結像させて、画像を露光する画像露光装置およびその方法が提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された従来の1次元空間変調素子を用いた画像露光装置によれば、レーザパワーの利用度を高めることができ、画像露光の際には、短い露光時間で、かつ高照度で画像露光するものである。
米国特許第5,517,359号明細書
しかしながら、従来の1次元空間変調素子を用いた画像露光装置においては、1画素の露光時間が、0.5〜5マイクロ秒(以下、μsという)と短く、かつ高照度(高い露光エネルギ密度)で露光する。このため、印刷版原版の画像記録層(感光層)がアブレーションする虞があり、露光量を増やすことができない。
なお、光源の光量を上げる等により露光エネルギ(露光量)を上げることができるものの、画像記録層がアブレーションして変質してしまい、耐刷性能を向上させることができないという問題点がある。
このように、従来の1次元空間変調素子を用いた画像露光装置においては、耐刷性が高い印刷版を得ることができないという問題点がある。
また、露光時にアブレーションが生じると、再度空気中で再結合して固体の粉となり、露光環境を悪化させてしまうため、吸引が必要になる。これにより、吸引装置が必要になり、装置構成が複雑になるとともに、コストが嵩むという問題点がある。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、光重合により画像部が形成される印刷版原版を、画像信号に基づいて照明手段からの照明光を変調する2次元空間変調素子を用いて、印刷版原版にアブレーションを生じさせないように、多重露光を行い、所定の画像を露光できるとともに、耐刷性が優れた印刷版を得ることができる画像露光装置および画像露光方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、光照射することで硬化し画像部を形成する画像記録層を有する印刷原版に画像露光を行う画像露光装置であって、前記印刷版原版に照射される光を画像信号に基づいて変調する2次元空間変調素子、および前記2次元空間変調素子を照明する照明手段を備える露光手段と、前記露光手段と前記印刷版原版とを2次元的に相対的に移動させる移動手段とを有し、前記2次元光空間手段の1つの画素配列方向に、前記移動手段により、前記露光手段と前記印刷版原版とを相対的に移動させて走査するとともに、この走査に同期して、前記2次元変調手段による画像も前記画素配列方向に走査することにより、前記印刷版原版を、前記印刷版原版について予め測定されたアブレーションする露光エネルギ以下、かつ耐刷性を得る露光エネルギ以上の総露光エネルギで多重露光することを特徴とする画像露光装置を提供するものである。
また、本発明においては、前記照明手段は、半導体レーザアレイを有することが好ましい。
さらに、本発明においては、前記印刷版原版は、波長が800nm〜1200nmに分光感度を有することが好ましい。
また、本発明においては、前記多重露光による1画素当りの総露光時間は、10マイクロ秒以上であることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記多重露光による露光エネルギは、1回の露光エネルギが200mJ/cm以下であることが好ましい。
また、本発明の第2の態様は、光照射することで硬化し画像部を形成する画像記録層を有する印刷原版に、2次元空間変調素子により変調された光によって画像露光を行う画像露光方法であって、前記印刷版原版は、予めアブレーションする露光エネルギ以下、かつ耐刷性を得る露光エネルギ以上の総露光エネルギが測定されており、前記2次元光空間手段の1つの画素配列方向に、前記2次元光空間変調素子と前記印刷版原版とを相対的に移動させて走査するとともに、この走査に同期して、前記2次元変調手段による画像も前記画素配列方向に走査することにより、前記総露光エネルギで前記印刷版原版を多重露光することを特徴とする画像露光方法を提供するものである。
本発明の画像露光装置によれば、予め測定されたアブレーションする露光エネルギ以下、かつ耐刷性を得る露光エネルギ以上の総露光エネルギで、印刷版原版を主走査方向に多重露光することにより、低い露光エネルギ(照度)で画像露光できるとともに、露光エネルギ量を増やしても、アブレーションすることなく画像露光できる。これにより、耐刷性が優れた印刷版を得ることができる。
また、本発明においては、画像露光に際して、アブレーションすることがないため、吸引装置が不要であり、装置構成を簡素にでき、かつコストを抑えることもできる。
また、本発明の画像露光方法によっても、予め測定されたアブレーションする露光エネルギ以下、かつ耐刷性を得る露光エネルギ以上の総露光エネルギで、印刷版原版を主走査方向に多重露光することにより、低い照度で画像露光できるとともに、露光エネルギ量を増やしても、アブレーションすることなく画像露光できる。これにより、耐刷性が優れた印刷版を得ることができる。
また、本発明においては、走査速度が速い場合であっても、多重露光することにより、1画素の総露光時間を長くすることができる。この場合においても、アブレーションすることがない。
さらに、本発明においては、画像露光に際して、アブレーションすることがないため、吸引装置が不要であり、装置構成を簡素にでき、かつコストを抑えることもできる。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の画像露光装置および画像露光方法を詳細に説明する。
図1は、縦軸に相対感度をとり、横軸にスポット通過時間をとって、光重合により画像部または非画像部が形成される印刷版原版における画像形成に必要な最低露光エネルギとアブレーションが生じる最低露光エネルギとの関係を示すグラフである。なお、図1において、縦軸および横軸ともに、対数目盛である。図1に示す折れ線Aは、アブレーションが生じる最低露光エネルギ(以下、アブレーション開始露光エネルギという)を示す折れ線である。また、折れ線Eは、画像形成に必要な最低露光エネルギ(以下、単に最低露光エネルギという)を示す折れ線である。また、直線Pは、1万枚の耐刷枚数が得られる露光エネルギを示す直線であり、直線P20は、20万枚の耐刷枚数が得られる露光エネルギを示す直線である。
また、横軸のスポット通過時間は、露光ビームの半値幅のスポット径をwとし、主走査速度をvとするとき、w/vで規定されるものである。
図1に示すように、例えば、露光時間が10−6秒である場合、最低露光エネルギとアブレーション開始露光エネルギとの差である露光マージンMが小さい。しかしながら、露光時間が10−5秒、露光時間が5×10−5秒と長くなるにつれて、露光マージンM、Mが大きくなる。
従来の画像露光装置は、1画素の露光時間が0.5〜5μsである。この場合、図1に示すように、画像形成の最低露光エネルギとアブレーション開始露光エネルギとの差は2〜3倍程度である。
一方、例えば、1万枚の耐刷性を得るためには、最低露光エネルギの約3倍の露光エネルギが必要になる。また、20万枚の耐刷性を得るためには、最低露光エネルギの約10倍の露光エネルギが必要になる。さらに、従来の画像露光装置は高照度で露光するため、最低露光エネルギの5〜10倍の露光エネルギを与えると、印刷版原版Pにアブレーションが生じてしまう。このため、1万枚以上の十分な耐刷性を得ることができない。
しかしながら、印刷版原版は、折れ線Aで示されるアブレーション開始露光エネルギが、露光時間とともに増加している。印刷版原版Pのアブレーションは、レーザ露光エネルギによる温度上昇で引き起こされる。印刷版原版Pの温度上昇は、短時間露光では少ないエネルギで起こり、長時間露光では大きなエネルギが必要になると考えられ、低照度不軌特性を示す。例えば、露光時間を5×10−4秒で画像露光する場合、露光マージンMが大きく、露光エネルギを大きくしても、アブレーションが生じることがなく、1万枚または20万枚の耐刷性能を得ることができる。
このように、本発明者は、最低露光エネルギ、アブレーション開始露光エネルギ、および所定の耐刷枚数が得られる露光エネルギを予め測定しておくことにより、画像が形成でき、かつアブレーション開始露光エネルギ未満となる総エネルギ量で、長時間露光することにより、十分な耐刷性を有する印刷版が得られることを見出した。
また、単純に1次元空間変調素子を用いて露光時間を長くすることにより長時間露光を実現すると、印刷版露光時間が極めて長くなってしまい、生産性が著しく低下する。そこで、本発明では、二次元空間変調素子で多重露光を行うことにより、印刷版露光時間を長くすることなく、印刷版上の画素露光時間を十分長くすることができる。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものである。本発明においては、印刷版原版は、予めアブレーションする露光エネルギおよび画像を形成するための最低露光エネルギの範囲が測定されており、本発明の画像露光装置は、この印刷版原版を画像露光するものである。
すなわち、図1に示すように、10〜数100マイクロ秒で露光することにより、画像形成開始露光エネルギの5〜10倍の露光エネルギで露光しても、アブレーションすることなく、画像露光できるとともに、得られる印刷版は、耐刷性が優れたものとなる。
以下、本発明の実施例について説明する。
図2は、本発明の第1の実施例に係る画像露光装置を示す模式的平面図であり、図3は、本発明の第1の実施例に係る画像露光装置の要部を示す模式的側面図である。
図2に示す本実施例の画像露光装置10は、アウタードラム型(円筒外面走査型)刷版露光装置であって、一定速度で回転する円筒形状のドラム20の外面に巻き回されて固定された印刷版原版Pの表面に、露光ヘッド30から画像信号に基づいて変調された光ビームbを出射させ、ドラム20の回転によって、その回転方向rと同方向の記録方向、すなわち、主走査方向Rに走査しつつ、露光ヘッド30をドラム20の軸線方向に略平行な副走査方向Mに走査し、光ビームbで印刷版原版Pの表面を2次元的に露光(画像記録、厳密には潜像形成)するものである。
図2に示すように、画像露光装置10は、基本的に、基台12と、ガイドレール14と、ドラム20と、主走査モータ(移動手段)22と、副走査モータ(移動手段)24と、露光ヘッド30(露光手段)と、制御部40とを有する。
基台12は、ガイドレール14が設けられ、主走査モータ22、副走査モータ24、およびドラム20が載置されるものである。
ガイドレール14は、露光ヘッド30が載置され、露光ヘッド30をドラム20の軸線方向(副走査方向M)に案内するものである。ガイドレール14は、基台12の縁部に設けられた1対のレールであって、ドラム20の軸線方向に沿って延びている。ガイドレール14の間には、ドラム20の軸線方向に沿って延びるボールねじ18が設けられている。
ドラム20は、PS版(Presensitized Plate)などの印刷版原版Pが巻き付けられる外周面を有する円筒状のものであって、ドラム20には、印刷版原版Pを固定保持する固定保持手段(図示せず)が設けられている。なお、印刷版原版Pは、例えば、現像機による現像処理を施す必要がなく、機上現像ができるものである。
この固定保持手段は、ドラム20の表面に設けられた多数の吸引孔と、ドラム20の内部を減圧する減圧手段とを有する。減圧手段によりドラム20内部を減圧することにより、印刷版原版Pがドラム20の表面に固定保持される。なお、固定保持手段は、減圧方式のもの限定されるものではなく、静電吸着方式のものであってもよい。
また、ドラム20は、その回転軸20aの両側で、基台12に設けられた1対の支持部材16に軸受(図示せず)を介して回転可能に支持されている。ドラム20の一方の回転軸20aの端部には、ロータリーエンコーダ26が設けられている。ロータリーエンコーダ26は、ドラム20の回転角を検出するものであり、これにより印刷版原版Pの位置が特定される。
図2に示すように、主走査モータ22は、ドラム20を回転させる回転駆動手段であり、ドラム20の回転軸20aと直結されている。また、この主走査モータ22は、光ビームbの主走査手段を構成するものである。
なお、主走査モータ22と、ドラム20の回転軸20aとは、プーリおよびベルトなどの巻掛伝動手段を介して接続してもよい。
なお、巻掛伝動手段は、特に上述のものに限定されるものではなく、チェーンなどの巻掛伝動手段を利用できる。また、主走査モータ22とドラム20とは巻掛伝動手段により動力が伝達されるものに限定されるものではなく、例えば、ギアなどの伝達手段でもよい。
本実施例においては、主走査モータ22はドラム20に直結されているため、主走査モータ22の回転は、直接ドラム20の回転軸を介してドラム20に伝達されて、ドラム20が回転方向rに回転される。
副走査モータ24は、露光ヘッド30を副走査方向Mに移動させるための駆動手段であり、ボールねじ18の一端に連結されている。また、この副走査モータ24は、光ビームbの副走査手段を構成するものである。
また、副走査モータ24は、副走査方向Mの露光ヘッド30の移動量を制御する必要があるので、パルスモータであることが好ましい。なお、副走査モータ24は、例えば、上述の伝達手段を介してボールねじ18に連結されていてもよい。
このように、露光ヘッド30は、副走査モータ24により、ガイドレール14に沿って副走査方向Mに移動される。
露光ヘッド30は、照明光学ユニット32と、露光ユニット34とを有するものである。照明光学ユニット32は、露光ユニット34に、画像露光に必要な光量(照度)の光を供給するものである。
露光ユニット34は、照明光学ユニット32から出射された光を、画像信号に基づいて変調し、変調された光ビームbを印刷版原版Pに照射するものである。
露光ヘッド30は、制御部40に接続されている。この制御部40は、照明光学ユニット32を制御する照明制御部42と、露光ユニット34を制御する露光制御部44とを有する。この露光制御部44に、画像データ供給部46が接続されている。
露光制御部44は、画像データ供給部46から供給された画像データに基づいて、露光ユニット34の後に詳細に説明するMMA50のマイクロミラーの傾きを調整して、画像データに応じて、光ビームを変調するための変調信号を生成するとともに、露光ヘッド30に位置に応じて露光開始のタイミングを調整するものである。
また、露光制御部44は、多重露光に際して、ドラム20の回転(主走査)に同期して、MMA50が形成する画像(MMA50における変調)も主走査方向Rに走査(移動)させるように、変調信号を形成する。すなわち、ドラム20が1画素(2400dpiでは、10.58μm分)回転したら、MMA50による形成画像も、1画素、主走査方向Rに移動させる。
さらに、本実施例においては、例えば、印刷版を作製する場合、画像データはC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)、K(黒)の各色ごとの網点情報を有するものである。露光制御部44は、各色毎の網点画像を形成するための変調信号を作成する。変調方式としては、例えば、パルス数変調、およびパルス幅変調が挙げられる。
露光ユニット34、および照明光学ユニット32について、図3ならびに図4(a)および(b)に基づいて説明する。
図4(a)および(b)に示すように、照明光学ユニット32は、照明光源である半導体レーザバー(半導体レーザアレイ)60と、速軸コリメート(以下、Fast axisコリメートという)用シリンドリカルレンズ62と、遅軸コリメート(以下、Slow axisコリメートという)用シリンドリカルレンズ64とを有するものである。
本実施例の照明光学ユニット32は、半導体レーザバー60を2段に重ねて配置したものである。この半導体レーザバー60は、1つ印刷版原版Pの画像記録層(感光層)が感光性を有する波長のレーザ光を出射するものであり、1つの基体に、複数の出射窓が直線状に形成されているものである。
本実施例の半導体レーザバー60は、各出射窓から、例えば、波長が800nm〜1200nmのレーザ光を出射させるものである。
また、半導体レーザバー60の出射面側に、Fast axisコリメート用シリンドリカルレンズ62がレンズ面を向けて配置されている。このFast axisコリメート用シリンドリカルレンズ62は、半導体レーザバー60の全ての出射面にわたる長さを有するものである。このFast axisコリメート用シリンドリカルレンズ62の出射面側に、離間してSlow axisコリメート用シリンドリカルレンズ64が設けられている。
半導体レーザバー60から射出されたレーザ光は、図4(a)に示すように、Fast axisコリメート用シリンドリカルレンズ62の非レンズ面を通過するため、レーザ光が持つ広がり角で広がる。この広がったレーザ光は、Slow axisコリメート用シリンドリカルレンズ64により平行光とされる。
また、半導体レーザバー60から射出されたレーザ光は、図4(b)に示すように、Fast axisコリメート用シリンドリカルレンズ62のレンズ面の作用により、平行光とされ、この平行光の状態で、Slow axisコリメート用シリンドリカルレンズ64に入射される。この場合において、Slow axisコリメート用シリンドリカルレンズ64から出射される光は、平行光である。
図4(a)および(b)に示すように、照明光学ユニット32は、所定の光量を有する平行光を、後述する露光ユニット34の2次元空間変調素子(MMA50(図3参照))の全面に入射させる。
半導体レーザバー60は、出力としては、例えば、1つの半導体レーザバーで40W、2つで合計80Wである。なお、本発明においては、照明光源としては、半導体レーザバーに限定されるものではなく、半導体レーザが1次元に配列されたものであってもよい。
図2に示すように、露光ユニット34は、2次元空間変調素子であるMMA(Micro Mirror Array)50と、コリメートレンズ52と、ミラー54と、結像レンズ56とを有するものである。
MMA50の垂直方向における下方にミラー54が設けられている。このMMA50とミラー54との間にコリメートレンズ52が設けられている。また、ミラー54は、反射方向がドラム20の中心となるように配置されている。このミラー54の反射光をドラム20の表面に設けられた印刷版原版Pの表面に焦点を結ぶ位置に結像レンズ56が設けられている。
このように、照明光学ユニット32から平行光がMMA50に入射されて、コリメートレンズ52、ミラー54および結像レンズ56を経て、印刷版原版Pの表面に焦点を結び、画像露光される。このとき、MMA50には、露光制御部44により、変調信号が入力され、この変調信号により平行光が変調されて光ビームbとなる。
MMA50は、周知のように、一般的に、DMD(登録商標)と呼ばれているものであり、ミラーデバイスである。このMMA50は、SRAMセル(メモリセル)上に、多数のマイクロミラー(図示せず)が支柱(図示せず)により支持されて配置されたものである。MMA50においては、マイクロミラーが、例えば、アレイ状に1024(行)×768(列)で配置されている。各マイクロミラーにより、画像露光に用いられる光ビームを形成する。本実施例のMMA50により、露光領域Dの解像度をXGA(1024画素×768画素)で露光することができる。
また、本実施例の露光領域Dにおいては、ドラム20の回転方向rとMMA50の768画素の画素列方向とが光学的に一致し、かつ、ドラム20の軸線方向と1024画素の画素列方向とが光学的に一致するように、MMA50などの各部材が配置されている。
また、MMA50においては、表層部に支柱に支えられたマイクロミラーが設けられており、マイクロミラーの表面にはアルミニウムが蒸着されて反射面を形成している。また、マイクロミラーの直下には、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセルが配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
MMA50のSRAMセルにデジタルの変調信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラーが、対角線を中心としてDMDが配置された基板側に対して±α度(例えば±10度)の範囲で傾斜する。
例えば、マイクロミラーが露光オンの状態である場合、マイクロミラーは+α度に傾いた状態(図示せず)となり、マイクロミラーの反射光がコリメータレンズ52を通過する。一方、マイクロミラーが露光オフの状態である場合、マイクロミラーが−α度に傾いた状態(図示せず)となり、マイクロミラーの反射光がコリメータレンズ52を通過しない。従って、画像データに応じて、MMA50の各ピクセルにおけるマイクロミラーの傾きを制御することによって、MMA50に入射されたマルチビームはそれぞれのマイクロミラーの傾き方向へ反射される。そして、露光オンの状態にあるマイクロミラーでは、マイクロミラーにより、図3に示すように、コリメータレンズ52、ミラー54および結像レンズ56を経て光ビームbとして、露光ヘッド30から射出される。
一方、露光オフの状態にあるマイクロミラーでは、他の方向に反射され、露光ビームとして用いられない。露光オフの状態のマイクロミラーで他の方向に反射した平行光(入射光)は、他の方向に配置された光吸収体(図示せず)によって吸収される。
MMA50によって法線方向に反射された、画像を担持する光(すなわち、MMA50が形成する画像)は、結像レンズ56によって、ドラム20の表面の印刷版原版の表面に結像される。MMA50の中心画素は結像レンズ56の光軸に一致しており、また、この光軸は、ドラム20の接線に直交するように、各部位が配置される。
また、MMA50は、副走査方向Mに1024画素を有するため、露光装置10においては、1024画素のマルチ露光が可能である。
このようにして露光ヘッド20から射出した露光ビームを用いて印刷版原版Pを画像露光する。
また、MMA50において、マイクロミラーは、長方形状に配列されている。この配列状態を崩すことなく、主走査方向Rに角度θ傾けて配置することが好ましい。この角度θは、例えば、主走査方向Rの画素数がmであるとき、1/m傾けた場合の角度である。このように、角度θ傾けることにより、副走査方向Mにおける各光ビームによる露光スポットの間隔を小さくすることができる。すなわち、分解能を高くすることができる。
なお、本発明においては、2次元空間素子はMMA50には限定されず、強誘電性液晶による空間変調素子等、公知の各種の2次元空間変調素子が各種利用可能である。中でも、変調速度または光に利用効率等の点で、MMAが最も好ましい。
また、制御部40は、図2に示すように、主走査モータ22、副走査モータ24およびロータリーエンコーダ26に接続されている。
この制御部40は、主走査モータ22を所定の回転数で回転させるものであり、これにより、ドラム20が所定の回転数で回転される。
また、制御部40は、副走査モータ24を所定の回転数で回転させるものであり、副走査モータ24の回転運動がボールねじ18で直線運動に変換されて露光ヘッド30が副走査方向Mに移動する。副走査モータ24がステッピングモータである場合、回転数および回転量を制御することにより、露光ヘッド30の副走査方向Mにおける位置および副走査方向Mにおける露光ヘッド30の走査速度も調整できる。さらに、制御部40は、主走査モータ22と副走査モータ24との動作を同期させる。
また、画像露光装置10には、搬送ユニット(図示せず)が設けられている。この搬送ユニットは、印刷版原版Pの給排版機構であり、画像露光に際し、印刷版原版Pをドラム20に供給するとともに、画像露光終了後に印刷版原版Pをドラム20から排出するものである。印刷版原版Pのドラム20への供給および排出は制御部40により制御される。
また、制御部40は、ロータリーエンコーダ26の出力信号に基づいて、ドラム20における印刷版原版Pの位置を測定するものである。
本実施例の画像露光装置10においては、印刷版原版Pについて、最低露光エネルギとアブレーション開始露光エネルギとの範囲が予め測定されているため、アブレーションさせることなく、多重露光することができる。これにより、印刷版原版Pについて、低い露光エネルギ(照度)で画像露光できるとともに、露光エネルギ量を増やしても、アブレーションすることなく画像露光できる。これにより、耐刷性が優れた印刷版原版を得ることができる。
また、本実施例の画像露光装置においては、このような多重露光を行うことにより、図1に示すようなスポット通過時間が長い領域、すなわち、解像度が2400dpiであれば、ドラム20の回転速度が遅い状態で、画像露光できる。このため、2次元空間変調素子が変調速度が遅いものであってもよい。
また、多重露光を行うため、1度に露光される露光エネルギを小さくすることができる。これにより、照明光学ユニット32の照明光源の出力を低くすることができる。このため、照明光学ユニット34の装置コストを下げることができるとともに、照明光源(半導体レーザバー60)の寿命を長くすることができる。また、照明光源の出力を低くすることができるため、半導体レーザバー60に用いられるヒートシンクなどの構成も簡素にでき、コストを下げることができる。
また、本実施例の画像露光装置においては、アブレーションすることがない。これに対して、露光時にアブレーションが生じると、再度空気中で再結合して固体の粉となり、露光環境を悪化させてしまうため、吸引が必要になる。これにより、吸引装置が必要になり、装置構成が複雑になるとともに、コストも嵩む。
本発明の画像露光装置においては、アブレーションすることがないため、吸引装置が不要であり、装置構成が複雑になることがなく簡素で、かつコストも抑えるこができ、コストも嵩むことがない。
次に、本実施例の画像露光方法について説明する。
本実施例の画像露光方法においては、先ず、搬送ユニット(図示せず)により印刷版原版Pをドラム20に供給する。次に、固定保持手段によりドラム20内部を減圧して、ドラム20の外周面に印刷版原版Pを固定保持する。
次に、露光ヘッド30を露光準備位置に移動させる。次に、主走査モータ22を駆動して、ドラム20を所定の回転数で回転させる。
次に、ドラム20が所定の回転数に達し安定した後、照明制御部42により、照明光学ユニット32から平行光がMMA50に出射される。このとき、MMA50は、露光オフ状態であり、MMA50の各マイクロミラーは、コリメートレンズ52に平行光を反射させない方向に傾いた状態にある。
次に、画像データ供給部46から供給された画像データから露光制御部44により、画像信号に基づく変調信号が露光ユニット34(MMA50)に出力される。これにより、MMA50の各マイクロミラーの傾き方向が変調信号に応じて変わり、露光領域D内で画像露光される。
このとき、本実施例の露光装置10においては、ドラム20の回転(主走査)に同期して、MMA50が形成する画像(MMA50における変調)も主走査方向Rに走査(移動)することにより、多重露光を行う。すなわち、ドラム20が1画素(2400dpiでは、10.58μm分)回転したら、MMA50による形成画像も、1画素、主走査方向Rに移動する。従って、本実施例においては、最大768回の多重露光が行われる。
本実施例においては、図1に示すように、アブレーション開始露光エネルギと画像形成の最低露光エネルギと範囲内で、かつ、印刷版の耐刷枚数に応じた露光エネルギで多重露光による画像露光が行われる。
本実施例において、1画素の露光時間は、例えば、20μsである。主走査方向Rで10画素について、合計200μsの多重露光を行う。
主走査回転させながら、露光ヘッド30を副走査方向Mに連続移動させる。具体的には、主走査1回転後、副走査方向Mに露光領域D分だけ移動するように、副走査速度を調整し、隙間のない画像露光を実現する。
このとき、印刷版原版Pの画像記録層に光ビームbが照射されると、ラジカルが発生する。次に、このラジカルにより連鎖的に重合反応が生じ、光ビームbが照射された領域が親インク性(疎水性)または疎インク性(親水性)ポリマー領域となる。
次に、明室内において取り扱い可能な状態になった印刷版原版Pを機上現像するために、所定の印刷機にセットする。
本実施例の機上現像においては、従来から行われているような、印刷機にセットされた印刷版原版Pに、例えば、インキと湿し水とを同時に供給して印刷機を動作させて通常の印刷動作と同じ動作を行わせる。これにより、いわゆる機上現像が行われ、この時点で印刷版の作製が終了する。
画像様に露光した印刷版原版の画像記録層は、例えば、露光部は重合硬化により不溶性となる。この露光済み印刷版原版に、湿式現像処理工程等の現像処理を施すことなく、油性インキと水性成分とを供給して印刷すると、未露光部においては、油性インキおよび/または水性成分によって、未硬化の画像記録層が溶解または分散して除去され、その部分に親水性の支持体表面が露出する。一方、露光部においては、重合硬化した画像記録層が残存して、親油性表面を有する油性インキ受容部(画像部)を形成する。画像記録層が残存していない領域は、親水性を有する非画像部になる。
その結果、水性成分は露出した親水性の表面に付着し、油性インキは露光領域の画像記録層に着肉し、印刷が開始される。ここで、最初に版面に供給されるのは、水性成分でもよく、油性インキでもよいが、水性成分が未露光部の画像記録層により汚染されることを防止する点で、最初に油性インキを供給するのが好ましい。水性成分および油性インキとしては、通常の平版印刷用の湿し水と印刷インキが用いられる。
このようにして、印刷版原版はオフセット印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。なお、露光部が非画像部を形成するようにしてもよい。
このように、所定の画像が形成された印刷版が形成される。
本実施例においては、印刷版原版について最低露光エネルギとアブレーション開始露光エネルギとの間の範囲が予め測定されているため、印刷版原版をアブレーションさせることなく、所定の耐刷性が得られる露光エネルギで、印刷版原版を画像露光できる。このため、得られる印刷版は、所定の耐刷性を有するものとなる。
また、本実施例の画像露光方法においては、図1に示すようなスポット通過時間が長い領域、すなわち、解像度が2400dpiであれば、ドラム20の回転速度が遅い状態で、画像露光できる。また、多重露光を行うため、1度に露光される露光エネルギを小さくすることができる。これにより、照明光学ユニット32の照明光源の出力を低くすることができる。このため、照明光学ユニット34の装置コストを下げることができるとともに、照明光源(半導体レーザバー60)の寿命を長くすることができる。また、照明光源の出力を低くすることができるため、半導体レーザバー60に用いられるヒートシンクも簡素なものにでき、コストを下げることができる。
なお、本発明は、第1の実施例に示すように、アウタードラム型の画像露光装置に限定されるものではない。本発明においては、露光ヘッドと印刷版原版とが2次元的に、相対的に移動して画像露光を行うものであればよく、例えば、以下に示すフラットベッド型のものであってもよい。
次に、本発明の第2の実施例について、図5および図6に基づいて説明する。
なお、本実施例においては、図2〜図4に示す第1の実施例と同様の構成物には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図5は、本発明の第2の実施例に係る画像露光装置を示す模式図である。
図5に示すように、本実施例における画像露光装置10aは、印刷版原版Pが載置されるフラットベッド90を用いるフラットベッド型のものであり、露光ヘッド30aが、主走査方向Hおよび副走査方向Mに移動されて、2次元的に走査露光されるものである。
本実施例の画像露光装置10aは、基本的に、画像等の記録される印刷版原版Pを載置するフラットベッド90と、露光領域D内を画像露光する露光ヘッド30aと、露光ヘッド30aを主走査方向Hに移動させる主走査移動手段(図示せず)と、露光ヘッド30aを副走査方向Mに移動させる副走査移動手段(図示せず)と、これらの機器を制御する制御部(図示せず)とを有する。また、画像露光装置10aは、これら以外にも、一般的に画像露光装置が備えている各機器を有する。
次に、本実施例の画像露光装置10aの露光ヘッド30aについて説明する。
図6は、本発明の第2の実施例の画像露光装置の露光ヘッドの構成を示す模式的側断面図である。本実施例の露光ヘッド30aは、第1の実施例と同様に、所定の露光領域D(図5参照)を有するものである。
本実施例の露光ヘッド30aにおいては、筐体70内に、変調したマルチビームを生成するMMA50と、変調されたマルチビームを集束させるレンズ系74、76と、レンズ系74、76の集束位置に配置した、マルチビームのそれぞれに対応したマイクロレンズアレイ78と、マイクロレンズアレイ78を通過したマルチビームを絞るアパーチャアレイ80と、このアパーチャアレイ80を印刷版原版P上で集束させる光学系82、84とを有する。また、筐体70内に、照明光学ユニット32が設けられている。この照明光学ユニット32は、第1の実施例と同様の構成である。
露光ヘッド30aの射出口70aから射出したレーザ光は露光ビームとして射出口70a直下に位置する印刷版原版Pを露光し、潜像を形成する。すなわち、画像記録を行う。
また、本実施例の画像露光装置10aによる画像露光方法においても、露光制御部44で再現すべき画像の画像信号に基づいて生成された変調信号を露光ヘッド30aに供給する。
次に、露光ヘッド30aから変調された露光ビームを出射させ、露光ヘッド30aを主走査方向Hに所定の速度で搬送し、主走査方向Hにおける画像露光(1ライン)が終了した後、順次副走査方向Mに搬送する。これにより、露光領域D毎に連続して2次元的に走査露光され、画像記録が行われ、印刷版原版Pに潜像が形成される。
また、本実施例においては、画像露光により記録すべき画像の潜像を得るために、上述の如く露光制御部44により照明光学ユニット32からの平行光を、MMA50により他の方向に反射させるか否かの変調を行い、露光ビーム(光ビーム)を出射させている。
なお、本実施例の画像露光装置10aにおいても、第1の実施例と同様に画像露光することができる。このため、本実施例においても、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
上述のいずれの実施例においても、1画素当りの多重露光による総露光時間は10μs以上であることが好ましい。1画素当りの総露光時間が10μs以上では、露光マージンが大きく、アブレーションすることなく大きな露光エネルギを与えることができるため、耐刷性が大幅に改善できる。
また、多重露光時の1回の露光エネルギが200mJ/cm以下であることが好ましい。これは、1画素の露光時間が0.5〜5μ秒の場合、一般的な印刷版がアブレーションが生じ始めるエネルギが200mJ/cmであることによるものである。
以下、本発明の画像露光装置に用いる印刷版原版について詳細に説明する。なお、本発明に用いられる印刷版原版は、上述の如く、機上現像処理されるものである。
また、本発明で用いる印刷版原版は、光照射することで硬化し画像部を形成する画像記録層を有するものである。この画像記録層は、波長が800nm〜1200nmの範囲内に感光性を有するものである。
下記実施例1の印刷版原版は、封孔処理基板にマイクロカプセル含有画像記録層が形成されたものである。この実施例1の印刷版原版は、焼き出し剤が含有されておらず、さらにはオーバーコート層が設けられていないものである。
(実施例1)
(1)基板の作成
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質 JIS 1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm)を用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。このアルミニウム板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/mであった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8ミリ秒、デューティ(duty)比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dmであった。その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dmの条件で、硝酸電解と同様の方法で、電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。このアルミニウム板を15%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dmで2.5g/mの直流陽極酸化被膜を設けた後、水洗、乾燥した。
次に、フッ化ジルコン酸ナトリウム0.1%、リン酸2水素ナトリウム1%を含むpH3.7の75℃に加熱した溶液に10秒間浸漬し、封孔処理を行った。
次に、珪酸ナトリウム2.5質量%水溶液にて30℃で10秒処理した。
この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
(2)下塗り層の形成
上記基板上に、下記組成の下塗り塗布液(1)をバー塗布した後、80℃、20秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.005g/cmの下塗り層を形成した。
下塗り層塗布液(1)
・水 10g
・メタノール 90g
・下記化学式1の下塗り化合物(1) 0.09g
Figure 2006053416
(3)上記下塗り層上に、下記組成の画像記録層塗布液(1)をバー塗布した後、70℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/mの感光−感熱層を形成して平版印刷版用原版を得た。
画像記録層塗布液(1)
・下記化学式2の赤外線吸収剤(1) 0.3g
・下記化学式3の重合開始剤(1) 0.9g
・下記化学式4のバインダーポリマ(1) 1.8g
・重合性化合物 2.0g
イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート
(東亞合成(株)製、アロニックスM−315)
・下記のマイクロカプセル(1)(固形分換算で) 5.0g
・下記化学式5のフッ素系界面活性剤(1) 0.1g
・メチルエチルケトン 5g
・メタノール 5g
・水 35g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 50g
Figure 2006053416
Figure 2006053416
Figure 2006053416
Figure 2006053416
(マイクロカプセル(1)の合成)
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N)8.7g、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製、カレンズMOI)1g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、SR444)3g、およびドデシルベンゼンスルホン酸Na塩(竹本油脂(株)製、パイオニンA−41C)0.1gを、酢酸エチル17gに溶解した。
水相成分としてPVA−205の4質量%水溶液40gを調製した。油相成分および水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物に、蒸留水25gを添加し、室温で30分攪拌後、40℃で3時間攪拌した。このようにして得られたマイクロカプセル液の固形分濃度を、20質量%になるように蒸留水を用いて希釈した。平均粒径は0.3μmであった。
下記実施例2の印刷版原版は、封孔処理基板に均一膜画像形成層が形成されたものである。この実施例2の印刷版原版は、焼き出し剤が含有されておらず、さらにはオーバーコート層が設けられていないものである。
(実施例2)
実施例1の画像記録層塗布液(1)を下記組成の画像記録層塗布液(2)に変え、下塗り層上に、画像記録層塗布液(2)をバー塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/mの画像記録層を形成する以外は、実施例1と同様にして得られるものである。
画像記録層塗布液(2)
・上記化学式2に示す赤外線吸収剤(1) 0.05g
・上記化学式3に示す重合開始剤(1) 0.2g
・下記化学式6に示すバインダーポリマ(2)(平均分子量8万) 0.5g
・重合性化合物
イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート 1.0g
(東亜合成(株)製、アロニックスM−315)
エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート 0.2g
(日本化薬(株)製、SR9035、エチレンオキサイド付加モル数15)
・ロイコクリスタルバイオレット(東京化成工業(株)製) 0.02g
・上記化学式5に示すフッ素系界面活性剤(1) 0.05g
・メチルエチルケトン 18.0g
Figure 2006053416
なお、実施例1および実施例2の印刷版原版は、いずれも、画像記録済み原版を現像処理することなく、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mのシリンダーに取り付けた。湿し水(EU−3(富士写真フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業社製)とを用い、湿し水とインクを供給した後、毎時6000枚の印刷速度で印刷を100枚行った。
画像記録層の未露光部の印刷機上での除去が完了し、印刷用紙にインキが転写しない状態になるまでに要した印刷用紙の枚数を機上現像性として計測したところ、いずれの印刷版原版を用いた場合も、100枚以内で非画像部の汚れがない印刷物が得られた。
また、耐刷性の評価をする場合、画像部が磨耗し、インキ受容性が低下する印刷枚数(インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数)により耐刷性を評価することができる。
以上のように、本実施例においては、印刷版原版Pとして、機上現像できる印刷版を例に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明の画像露光装置は、印刷版として、アルカリ現像、ケミカルフリー現像、またはガム液現などの各種の現像を行うCTP版について画像露光することができる。
本発明は、基本的に以上のようなものである。以上、本発明の画像露光装置および画像露光方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
縦軸に相対感度をとり、横軸にスポット通過時間をとって、光重合により画像部または非画像部が形成される印刷版原版における画像形成に必要な最低露光エネルギとアブレーションが生じる最低露光エネルギとの関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施例に係る画像露光装置を示す模式的平面図である。 本発明の第1の実施例に係る画像露光装置の要部を示す模式的側面図である。 (a)は、本実施例の画像露光装置の照明光学ユニットの構成を示す模式的平面図であり、(b)は、本実施例の画像露光装置の照明光学ユニットの構成を示す模式的側面図である。 本発明の第2の実施例に係る画像露光装置を示す模式図である。 本発明の第2の実施例の画像露光装置の露光ヘッドの構成を示す模式的側断面図である。
符号の説明
10、10a 画像露光装置
12 基体
14 ガイドレール
16 支持部材
18 ボールねじ
20 露光ヘッド
20a 回転軸
22 副走査モータ
24 主走査モータ
26 ロータリーエンコーダ
30 露光ヘッド
32 照明光学ユニット
34 露光ユニット
40 制御部
42 照明制御部
44 露光制御部
46 画像データ供給部
50 MMA
52 コリメートレンズ
54 ミラー
56 結像レンズ
60 半導体レーザバー
62 Fast axis(速軸)コリメート用シリンドリカルレンズ
64 Slow axis(遅軸)コリメート用シリンドリカルレンズ
D 露光領域
P 印刷版原版

Claims (6)

  1. 光照射することで硬化し画像部を形成する画像記録層を有する印刷原版に画像露光を行う画像露光装置であって、
    前記印刷版原版に照射される光を画像信号に基づいて変調する2次元空間変調素子、および前記2次元空間変調素子を照明する照明手段を備える露光手段と、
    前記露光手段と前記印刷版原版とを2次元的に相対的に移動させる移動手段とを有し、
    前記2次元光空間手段の1つの画素配列方向に、前記移動手段により、前記露光手段と前記印刷版原版とを相対的に移動させて走査するとともに、この走査に同期して、前記2次元変調手段による画像も前記画素配列方向に走査することにより、前記印刷版原版を、前記印刷版原版について予め測定されたアブレーションする露光エネルギ以下、かつ耐刷性を得る露光エネルギ以上の総露光エネルギで多重露光することを特徴とする画像露光装置。
  2. 前記照明手段は、半導体レーザアレイを有する請求項1に記載の画像露光装置。
  3. 前記印刷版原版は、波長が800nm〜1200nmに分光感度を有する請求項1または2に記載の画像露光装置。
  4. 前記多重露光による1画素当りの総露光時間は、10マイクロ秒以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像露光装置。
  5. 前記多重露光による露光エネルギは、1回の露光エネルギが200mJ/cm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像露光装置。
  6. 光照射することで硬化し画像部を形成する画像記録層を有する印刷原版に、2次元空間変調素子により変調された光によって画像露光を行う画像露光方法であって、
    前記印刷版原版は、予めアブレーションする露光エネルギ以下、かつ耐刷性を得る露光エネルギ以上の総露光エネルギが測定されており、
    前記2次元光空間手段の1つの画素配列方向に、前記2次元光空間変調素子と前記印刷版原版とを相対的に移動させて走査するとともに、この走査に同期して、前記2次元変調手段による画像も前記画素配列方向に走査することにより、前記総露光エネルギで前記印刷版原版を多重露光することを特徴とする画像露光方法。
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