JP2006053264A - 無機粒子含有樹脂組成物、これを用いたフィルム状エレメント及び無機層の形成方法、並びに、積層体、これを用いたプラズマディスプレイパネル用前面基板及びプラズマディスプレイパネル - Google Patents

無機粒子含有樹脂組成物、これを用いたフィルム状エレメント及び無機層の形成方法、並びに、積層体、これを用いたプラズマディスプレイパネル用前面基板及びプラズマディスプレイパネル Download PDF

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雅春 大原
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Abstract

【課題】 一回の焼成で、所定の凹凸パターンを有する無機層を十分高精度に形成することができる無機層の形成方法を提供すること。
【解決手段】 無機層の形成方法は、(a)反応性二重結合を有するポリマー、(b)光重合開始剤、及び(c)第1無機粒子を含有する樹脂組成物からなる第1層を基板上に設ける第1工程と、第2無機粒子を含有する感光性樹脂組成物からなる第2層を第1層上に設ける第2工程と、第2層の所定部分に活性光線を照射して第2層に所定パターンの光硬化部を形成させる第3工程と、第2層のうち光硬化部以外の部分を除去する第4工程と、第1層及び光硬化部を焼成して第1無機粒子及び第2無機粒子に由来する無機層を形成する第5工程とを有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無機粒子含有樹脂組成物、これを用いたフィルム状エレメント及び無機層の形成方法、並びに、積層体、これを用いたプラズマディスプレイパネル用前面基板及びプラズマディスプレイパネルに関する。
従来、平板ディスプレイの1つとして、プラズマ放電により発光する蛍光体を設けることによって多色表示を可能にしたプラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel;以下、「PDP」と略記する。)が知られている。PDPは、ガラスからなる平板状の前面板と背面板とが互いに平行にかつ対向して配設され、両者はその間に設けられたバリアリブにより一定の間隔に保持されている。そしてPDPは、これら前面板、背面板及びバリアリブに囲まれた空間で放電する構造になっている。このような空間には、表示のための電極、誘電体層、蛍光体等が付設され、放電によって封入ガスから発生する紫外線によって蛍光体が発光させられ、この光を観察者が視認できるようになっている。
ところで、上述の誘電体層の作製は従来、以下のように行われていた。まず、誘電体材料としてガラスフリット等の無機粒子を分散させたスラリー液又はペーストを用意し、これをスクリーン印刷等の印刷方法によってガラス基板上に塗布し、その後焼成により有機物を除去して誘電体層が形成されていた。あるいは、スラリー液又はペーストの代わりに、支持体フィルム上にガラスフリット等の無機粒子を含有する樹脂組成物層を設けたエレメントを用意し、これを基板上に積層した後、焼成により樹脂成分などの有機物を除去して誘電体層を形成する方法も用いられていた。
しかしながら、近年では、発光する蛍光体の面積を大きくできるセル型構造の放電空間を有するPDPが種々開発されている。このようなPDPでは、放電ガスの導入路を確保するために、例えば図5に示すような、前面基板101の誘電体層102に所定の段差を設けて、背面基板104上のバリアリブ103との間に隙間105を形成する。そのため、誘電体層の背面基板側面に所定の凹凸パターンを形成する必要性が生じてきた。このような誘電体層を作製するには、まず、電極等を有する基板上に、誘電体材料としてガラスフリット等の無機粒子を含有する樹脂組成物層を積層した後、焼成により樹脂成分を除去して第一の誘電体層を形成する。その後、第一の誘電体層上にガラスフリット等の無機粒子を含有する感光性樹脂組成物層を積層し、これをフォトリソグラフィー法によりパターン化した後、焼成により樹脂成分を除去してパターン化された第二の誘電体層を形成する。これらの工程を経ることにより、表面に所定の凹凸パターンを有する誘電体層が作製されている(以下、「二回焼成法」という場合もある。)。
ところが、この方法は、所定の凹凸パターンを有する誘電体層を形成するまでに500℃以上の温度を要する焼成工程を少なくとも二回経ることが必要であるため、設備の追加やエネルギー消費による製造コストの増加が問題となっていた。そこで、下地となる第一の誘電体層とパターン化された第二の誘電体層とを一回の焼成により同時に形成する方法が提案されている(以下、「一回焼成法」という場合もある。)(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−197112号公報
しかしながら、特許文献1をはじめとする、従来の、一回の焼成により所定の凹凸パターンを有する誘電体層を形成する方法では、形成された誘電体層の表面の凹凸パターンの精度が不十分であるために、結果として歩留まりが低下していた。
本発明は、上記事情にかんがみてなされたものであり、一回の焼成で、所定の凹凸パターンを有する無機層を十分高精度に形成することができる無機層の形成方法を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる方法に用いる無機粒子含有樹脂組成物及びフィルム状エレメントを提供することを目的とする。さらに、本発明は、かかる方法により形成された無機層を備える積層体、これを用いたプラズマディスプレイパネル用前面基板及びプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の特許文献1に記載の方法をはじめとする、一回の焼成で下地となる第一の誘電体層とパターン化された第二の誘電体層とを同時に形成する方法を検討した結果、従来の方法は以下の問題を有しているために所定の凹凸パターンを有する誘電体層を精度よく形成することができないことが分かった。
通常、無機粒子を含有する感光性樹脂組成物層を焼成して無機層を得る場合、形成された無機層のパターンは感光性樹脂組成物層のパターンよりも収縮している。これは、樹脂成分の熱分解によって樹脂成分の占める体積が減少するためである。また、無機粒子(例えば、ガラスフリットなど)は加熱されると流動する。そのため、二回焼成法では、焼成時の収縮を考慮して感光性樹脂組成物層のパターンを設計することにより、所定の凹凸パターンを有する誘電体層を形成していた。また、二回焼成法では、第二の誘電体層を形成する前に第一の誘電体層は焼成済みであり、感光性樹脂組成物層の下地はパターンの収縮をある程度抑制する強度を有している。そのため、上記の設計が容易なものとなっている。一方、一回焼成法では、パターン化された感光性樹脂組成物層と下地である樹脂組成物層の熱分解が同時に進行するため、パターンの収縮は抑制されない。従って、下地が焼成済みの誘電体層であることを前提に設計された感光性樹脂組成物を用いて一回焼成法を行っても、パターンの収縮が著しいため所定の凹凸パターンを有する誘電体層を形成することは困難である。
さらには、下地である樹脂組成物層と、パターン化される感光性樹脂組成物層とでは、配合される材料に相違があることから界面での親和性が低い。そのため、感光性樹脂組成物層をパターン化する現像段階において、パターン化された感光性樹脂組成物層が下地の樹脂組成物層から剥離しやすい傾向にあった。このような剥離があると、焼成時に下地の誘電体層からパターン化された誘電体層が遊離して、所定の凹凸パターンを有する誘電体層を精度よく形成することができない。
以上のことから、従来用いられていた材料を用い、下地の誘電体層とパターン化された誘電体層とを同時焼成して、表面に所定の凹凸パターンを有する誘電体層を精度よく形成することは困難であることが分かった。
そこで、本発明者らは、上記の知見に基づいてさらに検討を行った結果、下地となる誘電体層に着目し、この誘電体層を与える樹脂組成物層を特定の化合物を含む組成とすることにより、1回の焼成で下地となる誘電体層とパターン化された誘電体層とを同時に形成する場合であっても、収縮によるパターンの変形が十分に抑制できると共に、パターン化された誘電体層の遊離も十分に抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の無機層の形成方法は、(a)反応性二重結合を有するポリマー、(b)光重合開始剤、及び(c)第1無機粒子、を含有する樹脂組成物からなる第1層を基板上に設ける第1工程と、第2無機粒子を含有する感光性樹脂組成物からなる第2層を第1層上に設ける第2工程と、第2層の所定部分に活性光線を照射して第2層に所定パターンの光硬化部を形成させる第3工程と、第2層のうち光硬化部以外の部分を除去する第4工程と、第1層及び光硬化部を焼成して第1無機粒子及び第2無機粒子に由来する無機層を形成する第5工程とを有する。
本発明の無機物層の形成方法は、第1層が上記の(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含み、上記の工程を経ることにより、一回の焼成で所定の凹凸パターンを有する無機層を十分高精度に形成することができる。これにより、焼成にかかる設備及びエネルギーコストを十分に低減でき、さらには、加熱と冷却のサイクル数を一回減じることができるので、基板の歪みに起因する不良率も低減することができる。
このような効果が得られる要因としては、以下のように考えている。すなわち、第1層が、反応性二重結合を有するポリマーと光重合開始剤とを含有していることにより、上記第3工程によって光硬化部と同様のパターンで第1層が光硬化する。これにより、所定パターンの光硬化部の下地が適度な強度を有するので焼成時のパターン収縮が抑制され、表面に所定の凹凸パターンを有する無機物層が高い精度で形成されると考えている。
さらには、第1層が光硬化することにより、パターン化された第2層(光硬化部)と、その下地である第1層との密着性が向上し、パターン化された第2層(光硬化部)が第1層から剥離するという問題を十分に低減できる効果が得られると考えている。
また、本発明の無機層の形成方法においては、上記反応性二重結合を有するポリマーが、反応性二重結合をポリマー1分子につき、分子量10000当り平均で1〜10個有していることが好ましい。
ポリマーに含まれる反応性二重結合が、ポリマー1分子につき、分子量10000当り平均で、1個未満であると、光硬化が不十分となり、形成される無機層表面の凹凸パターンの精度が低下する傾向にあり、10個を超えると、このようなポリマーを合成することが困難となる傾向にある。
さらに、上記の第1工程において、第1層が、上記樹脂組成物からなる層を支持体フィルム上に備えるフィルム状エレメントを用いて設けられることが好ましい。このようなフィルム状エレメントを用いると、例えば上述の樹脂組成物を含有する塗工液を塗布・乾燥する方法に比べて、より短時間かつ簡便に第1層を形成することができる。
また、上記の第2工程において、第2層が、上記感光性樹脂組成物からなる層を支持体フィルム上に備えるフィルム状感光性エレメントを用いて設けられることが好ましい。このようなフィルム状感光性エレメントを用いると、例えば上述の感光性樹脂組成物を含有する塗工液を塗布・乾燥する方法に比べて、より短時間かつ簡便に第2層を形成することができる。
さらに、本発明の無機層の形成方法においては、上記基板が、電極を備えていてもよい。これにより、本発明の無機層の形成方法は、基板上に電極と所定の凹凸パターンを有する無機層とを備える積層体をより低コストで製造できる方法として利用することができる。得られた積層体は、特に、PDPの前面板、並びに、FED(電界放出型ディスプレイ)や無機ELのような薄型表示装置に用いられる隔壁を備えることが必要とされる基板及び微小な凹凸パターンを有するセラミック配線板、等の部材として好適である。
また、本発明の無機粒子含有樹脂組成物は、(a)反応性二重結合を有するポリマーと、(b)光重合開始剤と、(c)第1無機粒子とを含有し、上述の本発明の無機層の形成方法のいずれかにおいて、上記樹脂組成物として用いられる。
かかる無機粒子含有樹脂組成物を用いれば、上記第1層に(a)反応性二重結合を有するポリマーと、(b)光重合開始剤と、(c)第1無機粒子とを含有させることができ、上述したように一回の焼成で所定の凹凸パターンを有する無機層を十分精度よく形成することができる。
本発明の無機粒子含有樹脂組成物においては、上記反応性二重結合を有するポリマーが、反応性二重結合をポリマー1分子につき、分子量10000当り平均で1〜10個有していることが好ましい。
ポリマーに含まれる反応性二重結合が、ポリマー1分子につき、分子量10000当り平均で、1個未満であると、光硬化が不十分となり、形成される無機層表面の凹凸パターンの精度が低下する傾向にあり、10個を超えると、このようなポリマーを合成することが困難となる傾向にある。
また、本発明のフィルム状エレメントは、支持体フィルムと、この支持体フィルム上に形成される上記本発明の無機粒子含有樹脂組成物のうちのいずれかからなる層と、を備える。かかるフィルム状エレメントを用いることにより、基板上に上記第1層をより容易に形成することができる。また、フィルムであるため保存性や取扱い性に優れる。
また、本発明の積層体は、基板上に、上記本発明の無機層の形成方法のいずれかを用いて形成された無機層を備える。
本発明の積層体においては、電極を備える基板上に、上記本発明の無機層の形成方法のいずれかを用いて形成された無機層を備えていてもよい。このような積層体は、上記本発明の無機層の形成方法によって、表面が所定の凹凸パターンに高い精度で形成されている無機層を備えているので、特にプラズマディスプレイパネル用前面基板として好適に利用することができる。
また、本発明のプラズマディスプレイパネル用前面基板は、上記本発明の積層体のいずれかを用いてなる。
また、本発明のプラズマディスプレイパネルは、上記本発明のプラズマディスプレイパネル用前面基板のいずれかを用いてなる。
上記プラズマディスプレイパネル用前面基板及び上記プラズマディスプレイパネルは、上記本発明の無機層の形成方法によって形成された無機層を備えている。従って、無機粒子としてガラスフリットを用いる場合には、所望の形状の誘電体層を備えることができ、セル型の放電空間の構造に対しても十分に対応することができるので輝度に優れるなどの高い性能が得られる。また、製造コストの点においても優れている。
本発明によれば、一回の焼成で、所定の凹凸パターンを有する無機層を十分高精度に形成することができる無機層の形成方法を提供することができる。また、本発明は、かかる方法に用いる無機粒子含有樹脂組成物及びフィルム状エレメントを提供することができる。さらに、本発明は、かかる方法により形成された無機層を備える積層体、これを用いたプラズマディスプレイパネル用前面基板及びプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、各図面の寸法比率は、必ずしも実際の寸法比率とは一致していない。
図1は、本発明のフィルム状エレメントの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示されるフィルム状エレメント1は、支持体フィルム10と、支持体フィルム10上に設けられた無機粒子を含有する樹脂組成物層20と、樹脂組成物層20上に積層されたカバーフィルム30とから構成されている。樹脂組成物層20は、本発明の無機粒子含有樹脂組成物から形成されており、(a)反応性二重結合を有するポリマーと、(b)光重合開始剤と、(c)第1無機粒子とを含有する。
(a)反応性二重結合を有するポリマーとしては、ポリマー中に反応性二重結合が含まれていればよく、ポリマーの種類については特に限定されないが、他の配合成分との相溶性に優れ、フィルム状エレメント1の保存条件下では安定であるものが好ましい。例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらのうち、ポリマーの諸特性の制御が容易であることから、特に(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。
本実施形態で用いる(a)反応性二重結合を含有するポリマーは、例えば、ベースポリマーと、このベースポリマーに反応性二重結合を与える化合物とを反応させることにより得ることができる。
ベースポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸(2−エチル)ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系モノマー類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ベンジル等のポリマー鎖の一方の末端に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和基を有するマクロモノマー類;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン等のフェノール性水酸基含有モノマー類等のモノマーを重合させて得られるポリマーが挙げられる。これらのモノマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて重合させてもよい。
ベースポリマーに、反応性二重結合を導入する方法としては、例えば、アルコール性水酸基を有するベースポリマーと二重結合を有するイソシアネート類とを用いる方法が挙げられる。この方法では、ベースポリマーに含有されるアルコール性水酸基と、二重結合を有するイソシアネート類とを反応させることによりウレタン結合が形成され、ベースポリマーに反応性二重結合が付与される。
上記の方法を用いる場合、アルコール性水酸基を有するベースポリマーを必要とするが、このようなベースポリマーは、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類を共重合成分として用い、上記のモノマーと共重合させることにより得ることができる。
ここで、上記のアルコール性水酸基を有する共重合成分の配合割合が、(a)反応性二重結合を有するポリマーにおける反応性二重結合の含有割合を決定することになる。本実施形態においては、ベースポリマーにおけるアルコール性水酸基を有する共重合成分の割合は、共重合される全モノマー100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましく、5〜10質量部がさらに好ましい。アルコール性水酸基を有する共重合成分が1質量部未満であると、反応性二重結合が十分にベースポリマーに導入されず、(a)反応性二重結合を含有するポリマーの光硬化が不十分となり、形成される無機層の凹凸パターンの精度が低下する傾向にあり、他方、20質量部を越えると、ベースポリマーを合成する工程において、生成するアルコール性水酸基を有するベースポリマーの溶解度が著しく低下するため、合成が困難となる傾向にある。特に、ベースポリマーが(メタ)アクリル系樹脂である場合、ベースポリマーの合成が著しく困難となる傾向にある。
二重結合を有するイソシアネート類としては、特に制限されないが、二重結合を有するアルキルイソシアネート類が好ましい。例えば、2−イソシアナトエチルメタクリレートが挙げられる。この化合物は、市販品カレンズMOI(昭和電工(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。
反応性二重結合を有するポリマーを得る方法は、上記の方法に限定されるものではなく、例えば、反応性二重結合を予め保護したモノマーを用いる共重合によりポリマーを合成した後、かかる保護基を脱離させることにより、反応性二重結合を含有するポリマーを得ることができる。
また、本実施形態においては、(a)反応性二重結合を含有するポリマーに含まれる反応性二重結合は、ポリマー1分子につき、分子量10000当り平均で1〜10個であることが好ましく、2〜8個の割合であることがより好ましく、3〜6個の割合であることがさらに好ましい。反応性二重結合の含有割合が、ポリマー1分子につき、分子量10000当り平均で1モル未満であると、反応性二重結合を含有するポリマーの光硬化が不十分となり、形成される無機層の凹凸パターンの精度が低下する傾向にあり、他方、10個を越えると、上述のようにベースポリマーを合成することが困難となる傾向にある。
(a)反応性二重結合を含有するポリマーの分子量としては、GPCにより標準ポリスチレン換算で算出した重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量(Mw)」という場合もある。)が、5000〜1000000であることが好ましく、10000〜300000であることがより好ましく、30000〜150000であることがさらに好ましい。反応性二重結合を含有するポリマーの重量平均分子量(Mw)が5000未満であると、ポリマーとしての性質が十分に発揮されず、(a)反応性二重結合を含有するポリマー及び無機粒子を含有してなる樹脂組成物を精度よく層状に形成することが困難となる傾向にあり、他方、1000000を越えると取り扱いが困難となる傾向にある。
本実施形態で用いる(b)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2ーtertーブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2ーベンズアントラキノン、2,3ーベンズアントラキノン、2ーフェニルアントラキノン、2,3ージフェニルアントラキノン、1ークロロアントラキノン、2ーメチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。さらに、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせたものを用いることができる。上記の光重合開始剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態においては、密着性及び光感度の観点から、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を用いることが好ましい。なお、上記の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールに置換した置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本実施形態で用いる(c)第1無機粒子としては、ガラス粒子、金属酸化物粒子及び金属粒子等が挙げられる。第1無機粒子の種類は用途に応じて選択すればよいが、例えば、PDPへ適用する場合には、第1無機粒子としてガラスフリットを用いることが挙げられる。この場合、形成される無機層は誘電体層として機能する。また、後述する感光性樹脂組成物からなる第2層に含まれる第2無機粒子との焼成時の相互作用や、得られる第2無機粒子からなるパターンを有する基板の特性等を考慮して選択することが好ましい。
ガラスフリットを用いる場合、その軟化点が400〜600℃の範囲内にあることが好ましい。ガラスフリットの軟化点が400℃未満であると、かかるガラスフリットを含有する感光性樹脂層(第2層)を焼成する際に、アルカリ可溶性樹脂等の感光性樹脂成分が完全に分解除去されない段階でガラスフリットが溶融してしまうため、形成される無機層中に樹脂成分の一部が残留し、この結果、無機層が着色されて、その光透過率が低下する傾向にある。一方、ガラスフリットの軟化点が600℃を超えると、600℃より高温で焼成する必要があるために、ガラス基板に歪みなどが発生しやすくなる傾向にある。特に、PDPへの適用を考慮すると、軟化点が上記の範囲にある低融点ガラスフリットを用いることが好ましい。
このような低融点ガラスフリットとしては、具体的には、酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素系(PbO−B−SiO系)、酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム系(PbO−B−SiO−Al系)、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素系(ZnO−B−SiO系)、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム系(ZnO−B−SiO−Al系)、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素系(PbO−ZnO−B−SiO系)、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム系(PbO−ZnO−B−SiO−Al系)、酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化ケイ素系(Bi−B−SiO系)、酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム系(Bi−B−SiO−Al系)、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素系(Bi−ZnO−B−SiO系)、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム系(Bi−ZnO−B−SiO−Al系)等のガラスフリットが挙げられる。
上記低融点ガラスフリットの平均粒径としては、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがより好ましい。この粒径が0.1μm未満であると、誘電体層としての効果が低下する傾向にあり、他方、10μmを越えると、分散性が低下する傾向にある。
本実施形態においては、上記の低融点ガラスフリットを、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。すなわち、異なる組成、異なる軟化点、異なる形状、異なる平均粒径を有する低融点ガラスフリットを2種以上組み合わせて使用することができる。
本実施形態のフィルム状エレメント1の樹脂組成物層20における、(a)反応性二重結合を含有するポリマー、(b)光重合開始剤および(c)第1無機粒子の配合割合については、(a)反応性二重結合を含有するポリマーの乾燥重量100質量部に対して(b)光重合開始剤が0.1〜10質量部であることが好ましい。光重合開始剤の配合割合が0.1質量部未満では、樹脂組成物層20の光感度が低下する傾向にあり、他方、10質量部を越えると、光感度の制御が困難となる傾向にある。
また、(c)第1無機粒子の配合割合としては、(a)反応性二重結合を含有するポリマーの乾燥時の体積に対して(c)第1無機粒子の体積が同等である又は小さいことが好ましい。(c)第1無機粒子の体積が(a)反応性二重結合を含有するポリマーの乾燥時の体積を上回ると、樹脂組成物層20の基板への密着性が不十分となり、フィルム状エレメント1を用いて基板上に無機粒子を含有する樹脂組成物層(第1層)を形成することが困難となる傾向にある。このような体積比で配合割合を考慮する場合には、用いる(a)成分及び(c)成分の質量と(a)成分及び(c)成分の比重とを考慮すればよい。樹脂である(a)成分の乾燥時の比重は概ね0.5〜1.5程度であり、例えば、(メタ)アクリル系樹脂では、1.0前後である。一方、無機粒子が、例えば、低融点ガラスフリットの場合、その比重は概ね2.5〜5.5程度であり、例えば、酸化鉛含有低誘電ガラスフリットでは4.5〜5.0程度である。このような比重を考慮して、上記(a)成分と上記(c)成分の体積比が上記の関係となるように設定すればよい。
また、質量割合での(c)第1無機粒子の配合量は、(a)反応性二重結合を含有するポリマーの乾燥重量100質量部に対して、50〜600質量部であることが好ましく、200〜500質量部であることがより好ましく、300〜450質量部であることがさらに好ましい。無機粒子の配合割合が50質量部未満であると、焼成により無機層を形成する際に樹脂成分の分解による空隙が大きくなるため、均一な無機層を得ることが困難となる傾向にあり、他方、600質量部を越えると、樹脂組成物層20中の樹脂成分の占める体積が過小となり、基板への密着性が低下する傾向にある。
本実施形態のフィルム状エレメント1の樹脂組成物層20には、染料、発色剤、可塑剤、顔料、重合禁止剤、表面改質剤、安定剤、密着性付与剤、熱硬化剤等を必要に応じて添加することができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
支持体フィルム10としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等からなる厚さ5〜100μm程度のフィルムが挙げられる。また、支持体フィルム10は離型処理されていることが好ましい。
カバーフィルム30としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等からなる厚さ5〜100μm程度のフィルムが挙げられる。また、カバーフィルム30は離型処理されていることが好ましい。
次に、本実施形態のフィルム状エレメント1の製造方法について説明する。
フィルム状エレメント1は、例えば、支持体フィルム10上に、本発明の無機粒子含有樹脂組成物を塗布し、塗膜を乾燥することにより樹脂組成物層20を形成した後、樹脂組成物層20上にカバーフィルム30を積層することにより製造することができる。
本発明の無機粒子含有樹脂組成物としては、上記(a)反応性二重結合を有するポリマーと、上記(b)光重合開始剤と、上記(c)第1無機粒子とを、例えば上記の配合割合で含有し、さらに溶媒を含有するものが挙げられる。溶媒は、(a)成分である反応性二重結合を有するポリマーを合成する際に用いた溶媒であってもよく、あるいは、さらに別に添加して(a)成分、(b)成分及び(c)成分を均一分散させるものでもよい。溶媒としては、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチルスルホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン、メチルアルコール、エチルアルコール等が挙げられる。これらは一種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記の無機粒子含有樹脂組成物を支持体フィルム10上に塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
塗膜の乾燥は、公知の方法を用いることができ、例えば、熱風対流式乾燥機、ホットプレート乾燥機、遠赤外線乾燥機、等により溶媒を除去する方法が挙げられる。乾燥温度は、60〜130℃とすることが好ましく、乾燥時間は、1分〜1時間とすることが好ましい。
樹脂組成物層20の厚さについては、最終的に形成される無機層の厚さに応じて適宜設定すればよいが、10〜200μmとすることが好ましく、30〜150μmとすることがより好ましく、50〜100μmとすることが特に好ましい。このような本実施形態のフィルム状エレメント1はロール状に巻いて保管可能とすることができる。
次に、本発明の無機層の形成方法について図面を用いて説明する。
図2は、本発明の無機層の形成方法の一実施形態における、第1無機粒子を含有する樹脂組成物からなる第1層を基板上に設ける第1工程、及び第2無機粒子を含有する感光性樹脂組成物からなる第2層を第1層上に設ける第2工程を説明するための模式断面図である。また、図3は、本発明の無機層の形成方法の一実施形態における、第2層の所定部分に活性光線を照射して第2層に所定パターンの光硬化部を形成させる第3工程、第2層のうち光硬化部以外の部分を除去する第4工程、及び第1層及び光硬化部を焼成して第1無機粒子及び第2無機粒子に由来する無機層を形成する第5工程を説明するための模式断面図である。
図2(a)は、本実施形態のフィルム状エレメント1を用いて第1層を基板上に形成する工程を示している。かかる工程では、フィルム状エレメント1のカバーフィルム30を剥離しながら、ラミネータの積層ロール50により樹脂組成物層20を基板40上に圧着して積層することにより、電極45を有する基板40上に第1層21が形成される。
積層ロールの圧着圧力としては、線圧で、50N/m〜1×10N/mとすることが好ましく、2.5×10〜5×10N/mとすることがより好ましく、5×10〜4×10N/mとすることが特に好ましい。この圧着圧力が、50N/m未満では、樹脂組成物層20と基板40とが十分に密着できない傾向にあり、1×10N/mを超えると、フィルム状エレメントがエッジフュージョンを起こす傾向にある。
積層ロールの温度は、80〜130℃とすることが好ましい。この温度が、80℃未満であると、樹脂組成物層20の基板への密着性が低下する傾向にあり、130℃を超えると、樹脂組成物層20の流動性が過剰となり、ラミネート時にエッジフュージョンを起こす傾向にある。また、積層ロールの速度は、0.3〜3m/分が好ましい。この速度が、0.3m/分未満であると、樹脂組成物層20に対する加熱と加圧の時間が長いことからエッジフュージョンを起こす傾向にあり、3m/分を超えると、樹脂組成物層20の基板への密着性の確保が困難となる傾向にある。
基板40の種類は無機層が形成された基板の用途に応じて選択されるが、例えば、基板をPDPの前面基板へ適用する場合には、基板40としてガラス板が挙げられる。
電極45としては、例えば、無機層が形成された基板40がPDPの前面基板として用いられる場合には、基板上に金属膜を形成した後、感光性レジストを金属膜上に積層し、適切なパターンを形成した後エッチングにより不要部分を除去して所望の形状の電極を得るフォトリン法;基板上に感光性レジストを積層し、適切なパターンを形成した後基板の露出した部分に金属膜を形成することにより所望の形状の電極を得るアディティブ法;銀粉末を含む樹脂組成物パターンを基板上に形成し、焼成することで所望の電極を得る方法等の公知の方法により形成されたものが挙げられる。
図2(b)は、図2(a)で示された第1工程で形成した第1層21上に、フィルム状感光性エレメント2を用いて無機粒子を含有する感光性樹脂組成物からなる第2層61を形成する工程を示している。フィルム状感光性エレメント2は、支持体フィルム10と、支持体フィルム10の上に設けられた無機粒子を含有する感光性樹脂組成物層60と、感光性樹脂組成物層60上に積層されたカバーフィルム30とからなる。なお、かかる工程の前に、第1層21上の支持体フィルム10は剥離されている。
図2(b)に示す第2工程では、フィルム状感光性エレメント2のカバーフィルム30を剥離しながら、ラミネータの積層ロール50により感光性樹脂組成物層60を第1層21上に圧着して積層することにより、第1層21上に第2層61が形成される。
積層ロールの圧着圧力としては、線圧で、50N/m〜1×10N/mとすることが好ましく、2.5×10〜5×10N/mとすることがより好ましく、5×10〜4×10N/mとすることが特に好ましい。この圧着圧力が、50N/m未満では、第1層と感光性樹脂組成物層60とが十分に密着できない傾向にあり、1×10N/mを超えると、フィルム状感光性エレメントがエッジフュージョンを起こす傾向にある。
積層ロールの温度は、20〜130℃とすることが好ましい。この温度が、20℃未満であると、樹脂組成物層60の第1層21への密着性が低下する傾向にあり、130℃を超えると、樹脂組成物層60及び第1層21の流動性が過剰となり、ラミネート時にエッジフュージョンを起こす傾向にある。また、積層ロールの速度は、0.3〜3m/分が好ましい。この速度が、0.3m/分未満であると、樹脂組成物層60に対する加熱と加圧の時間が長いことからエッジフュージョンを起こす傾向にあり、3m/分を超えると、樹脂組成物層60の第1層21への密着性の確保が困難となる傾向にある。
感光性樹脂組成物層60は、第2無機粒子と、感光性樹脂組成物とを含有している。第2無機粒子としては、上記(c)成分の第1無機粒子が挙げられる。また、感光性樹脂組成物としては、感光性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、(i)エチレン性不飽和化合物、(ii)フィルム形成性付与ポリマー及び(iii)光重合開始剤を含み、さらに必要に応じて、(iv)染料又は顔料、(v)その他添加物等を含むネガ型レジスト組成物が挙げられる。
(i)エチレン性不飽和化合物としては、例えば、ブチルアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス[(4−メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のアクリレート、及びこれらに対応するメタクリレートが挙げられる。
(ii)フィルム形成性付与ポリマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の炭素数1〜22のアルキルエステル、メタクリル酸の炭素数1〜22のアルキルエステル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、メタクリル酸グリシジル、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、アクリロニトリル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等のビニル単量体とこれらのビニル単量体と共重合可能な単量体とを共重合してなるビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド酸等が挙げられる。環境性に優れたアルカリ現像液で現像可能となる点から、(ii)フィルム形成性付与ポリマーがカルボキシル基を有するポリマーであることが好ましい。
(iii)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4、4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−エチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
(iv)染料又は顔料としては、例えば、マラカイトグリーン、フタロシアニングリーン等が挙げられる。
(v)その他添加物としては、例えば、ジエチレングリコール等の可塑剤、ベンゾトリアゾール、テトラゾール等の密着性向上剤、レベリング効果や消泡効果のあるシリコン系界面活性剤、ロイコクリスタルバイオレット、トリブロモメチルフェニルスルフォン等の発色剤などが挙げられる。
ここで、(i)成分の配合量は、フィルム形成性、低エッジフュージョン性、光感度等の点から、(i)成分及び(ii)成分の総量100質量部に対して20〜80質量部とすることが好ましい。また、(ii)成分の配合量は、光感度、低エッジフュージョン性、フィルム形成性等の点から、(i)成分及び(ii)成分の総量100質量部に対して20〜80質量部とすることが好ましい。また、(iii)成分の配合量は、光感度等の点から、(i)成分及び(ii)成分の総量100質量部に対して1〜10質量部とすることが好ましい。また、(iv)成分の配合量は、作業性等の点から、(i)成分及び(ii)成分の総量100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましい。また、(v)成分の配合量は、その効果を充分発揮する点から、(i)成分及び(ii)成分の総量100質量部に対して0.1〜20質量部とすることが好ましい。
また、フィルム状感光性エレメント2は、例えば、支持体フィルム10上に、上記第2無機粒子及び上記(i)〜(v)成分を含有する感光性樹脂組成物を塗布し、塗膜を乾燥することにより感光性樹脂組成物層60を形成した後、感光性樹脂組成物層60上にカバーフィルム30を積層することにより製造することができる。
塗布方法及び乾燥方法については、上述のフィルム状エレメント1を製造する方法と同様にして行うことができる。
次に、本実施形態の無機層の形成方法における、第3工程、第4工程及び第5工程を説明する。
図3(a)は、上述の第1工程及び第2工程を経て得られた、第1層21及び第2層61を備える基板40に対して露光を行う工程を示している。
かかる工程では、基板40の第1層21及び第2層61が設けられている側から、露光用マスク35を介して、活性光線Lを照射する。支持体フィルム10は、活性光線Lを照射する前に剥離除去してもよいが、感度上昇の観点から、露光した後に剥離除去することが好ましい。
活性光線Lとしては、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等が挙げられ、可視光線、紫外線、遠紫外線が好ましく、紫外線がより好ましい。これらの活性光線を照射する装置としては、例えば、フォトリソグラフィー法で使用されている紫外線照射装置、半導体及び液晶表示装置を製造する際に使用されている露光装置などが挙げられる。
露光用マスク35は、目的とする無機層のパターンに応じて、活性光線Lに対して所定形状の透明部分を有するものを用いればよい。例えば、無機層が形成された基板40がPDPの前面板として用いられる場合には、マスクパターンとして、10〜500μm幅のストライプ形状が用いられる。
上記第3工程の後、支持体フィルム10を剥離除去し、第2層61の未露光部分を現像により除去する第4工程を行う。図3(b)は、かかる第4工程を経た後の基板を示しており、活性光線Lが照射された第2層61の光硬化部62が現像によって顕在化している。
現像で使用される現像液としては、例えば、第2層61がアルカリ可溶性樹脂を含む場合にはアルカリ現像液が挙げられる。これにより、バインダーとしてアルカリ可溶性樹脂が溶解し、洗浄除去されることにより、無機粒子も同時に除去される。
アルカリ現像液の有効成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、及びアンモニア等の無機アルカリ性化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、及びエタノールアミン等の有機アルカリ性化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、アルカリ現像液における上記アルカリ性化合物の濃度は、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
さらに、アルカリ現像液には、ノニオン系界面活性剤や有機溶剤などの添加剤が含有されていてもよい。
また、アルカリ現像液による現像処理がなされた後の洗浄は、水洗処理により行うことができる。
また、本実施形態においては、現像処理の条件として、現像液の種類・組成・濃度、現像時間、現像温度、現像方法(例えば、浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法など)、現像装置等は適宜選択することができる。
さらに、本実施形態においては、必要に応じて現像処理後に、光硬化部62の側面及び基板上に残存する不要部分を擦り取る工程を含んでもよい。
上記第4工程の後、第1層21及び光硬化部62を焼成して、樹脂成分を揮発させることにより第1無機粒子及び第2無機粒子に由来する無機層を所定の凹凸パターンに形成する第5工程を行う。図3(c)は、第5工程を経た後に得られる積層体3を示しており、積層体3は、基板40上に電極45と焼成により形成された無機層70とを備えている。無機層70は、焼成により光硬化部62から誘導されたパターン化された第2無機層64と、焼成により第1層21から誘導された第1無機層24とからなり、これにより所定の凹凸パターンを有している。
焼成は、例えば、電気炉中で基板ごと加熱する方法により行うことができる。焼成温度としては、最高温度を400〜700℃とすることが好ましく、450〜600℃とすることがより好ましい。また、焼成時間としては、5分〜6時間程度が好ましい。また、本実施形態においては、焼成は大気中で行われてもよい。
図4は、本発明の積層体の一例を示す斜視図である。図4に示される積層体100は、電極45を備える基板40上に、上記本実施形態の無機形成方法によって形成された所定の凹凸パターンを有する無機層70を備えている。
上述の本実施形態の無機層形成方法において、第1層21及び第2層61に含まれる無機粒子として低融点ガラスフリットなどのガラス粒子を用いた場合、形成される無機層70は誘電体層として機能する。このような積層体100は、プラズマディスプレイパネル用前面基板(PDP用基板)として利用される。
また、所定凹凸パターンを有する誘電体層が形成された上記のプラズマディスプレイパネル用前面基板(PDP用基板)は多様化したPDPのセル構造に対応でき、かかる前面基板を用いることにより優れた性能(例えば、高い輝度など)を有するプラズマディスプレイパネルが得られる。
以上、本発明の無機粒子含有樹脂組成物、これを用いたフィルム状エレメント及び無機層の形成方法、並びに、積層体、これを用いたプラズマディスプレイパネル用前面基板及びプラズマディスプレイパネルの好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した無機層の形成方法において、フィルム状エレメントを用いて第1層を形成する代わりに、上記無機粒子含有樹脂組成物を基板上に塗布・乾燥することにより第1層を形成してもよい。また、フィルム状感光性エレメントを用いて第2層を形成する代わりに、無機粒子を含有する感光性樹脂組成物を基板上に塗布・乾燥することにより第2層を形成してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(合成例1)
<ベースポリマーの合成>
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、トルエン72質量部を仕込み、温度が80℃になるまで加熱した。次に、このフラスコへ、モノマー成分としてメタクリル酸メチル30質量部、アクリル酸エチル60質量部、及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル10質量部、並びに、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.5質量部と、トルエン50質量部とを混合した溶液を滴下した。滴下終了後、混合液の温度を80℃に保持して4時間撹拌した。次に、撹拌した混合液の温度を室温まで冷却してベースポリマーの溶液を得た。なお、得られた溶液100質量部当りの乾燥重量は45質量部であった。
(合成例2)
<反応性二重結合を含有するポリマーの合成>
撹拌機、還流冷却機、乾燥空気導入口及び温度計を備えたフラスコに、合成例1で得られたポリマー溶液600質量部(乾燥重量270質量部)を仕込み、さらにジブチルジラウリルスズ(II)0.2質量部、及びメチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)0.6質量部を加え、この混合液を60℃に昇温した。次に、この混合液に、2−イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工(株)製、商品名「カレンズMOI」)32質量部を滴下した。滴下終了後、混合液の温度を60℃に保持して6時間撹拌した。次に、撹拌した混合液の温度を室温まで冷却して反応性二重結合を有するポリマーの溶液を得た。なお、得られた溶液100質量部当たりの乾燥重量は47.8質量部であった。
(合成例3)
<反応性二重結合を含有しないポリマーの合成>
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、トルエン72質量部を仕込み、温度が80℃になるまで加熱した。次に、このフラスコへ、モノマー成分としてメタクリル酸メチル30質量部、メタクリル酸イソブチル30質量部、メタクリル酸2−エチルヘキシル35質量部、及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル5質量部、並びに、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.5質量部と、トルエン50質量部とを混合した溶液を滴下した。滴下終了後、混合液の温度を80℃に保持して4時間撹拌した。次に、撹拌した混合液の温度を室温まで冷却して、反応性二重結合を含有しないポリマーの溶液を得た。なお、得られた溶液100質量部当りの乾燥重量は45質量部であった。
(調製例1)
<反応性二重結合を含有するポリマーを用いた無機粒子含有樹脂組成物の調製>
合成例2で得られた反応性二重結合を含有するポリマー溶液100質量部(但し、乾燥重量として)、光重合開始剤として「イルガキュアIrg−369」((株)チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、商品名)3質量部、及び誘電体ガラス粒子(酸化鉛含有低融点ガラス、比重:4.7、平均粒経:2.5μm)400質量部を混合した。さらに、この混合物をビーズミルにより10分間混合し、誘電体ガラスフリットを含有する無機粒子含有樹脂組成物を調製した。
(調製例2)
<反応性二重結合を含有しないポリマーを用いた無機粒子含有樹脂組成物の調製>
合成例3で得られた反応性二重結合を含有しないポリマー100質量部(但し乾燥重量として)、「イルガキュアIrg−369」((株)チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、商品名)3質量部、及び誘電体ガラス粒子(酸化鉛含有低融点ガラス、比重:4.7、平均粒経:2.5μm)400質量部を混合した。さらに、この混合物をビーズミルにより10分間混合し、誘電体ガラスフリットを含有する無機粒子含有樹脂組成物を調製した。
(調製例3)
<無機粒子を含有する感光性樹脂組成物の調製>
アルカリ可溶性樹脂(組成比率:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル=20/50/30)50質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート50質量部、「イルガキュアIrg−651」((株)チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、商品名)2質量部、2,4−ジエチルチオキサントン2質量部、及び誘電体ガラス粒子(酸化鉛含有低融点ガラス、比重:4.7、平均粒経:2.5μm)300質量部を混合した。さらに、この混合物をビーズミルにより10分間混合し、誘電体ガラスフリットを含有する感光性樹脂組成物を調製した。
(作製例1)
<フィルム状エレメントの作製(反応性二重結合を含有するポリマーを用いた無機粒子含有樹脂組成物を使用)>
支持体フィルムとして離型処理した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、調製例1で調製した無機粒子含有樹脂組成物を均一に塗布した。次に、これを110℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥することにより溶剤を除去して、厚さ70μmの、誘電体ガラス粒子を含有する無機粒子含有樹脂組成物層を形成した。次いで、形成した樹脂組成物層の上に、離型処理した厚さ30μmのポリエチレンテレフタレートフィルムをカバーフィルムとして積層し、無機粒子含有樹脂組成物層を有するフィルム状エレメントを作製した。
(作製例2)
<フィルム状エレメントの作製(反応性二重結合を含有しないポリマーを用いた無機粒子含有樹脂組成物を使用)>
支持体フィルムとして離型処理した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、調製例2で調製した無機粒子含有樹脂組成物を均一に塗布した。次に、これを110℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥することにより溶剤を除去して、厚さ70μmの、誘電体ガラス粒子を含有する無機粒子含有樹脂組成物層を形成した。次いで、形成した樹脂組成物層の上に、離型処理した厚さ30μmのポリエチレンテレフタレートフィルムをカバーフィルムとして積層し、無機粒子含有樹脂組成物層を有するフィルム状エレメントを作製した。
(作製例3)
<フィルム状エレメントの作製(無機粒子を含有する感光性樹脂組成物を使用)>
支持体フィルムとして離型処理した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、調製例3で調製した感光性樹脂組成物を均一に塗布した。次に、これを110℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥することにより溶剤を除去して、厚さ30μmの、誘電体ガラス粒子を含有する感光性樹脂組成物層を形成した。次いで、離型処理した厚さ23μmのポリエチレンフィルムをカバーフィルムとして積層し、感光性のフィルム状エレメントを作製した。
(実施例1)
ガラス基板(厚さ3mm)上に、作製例1で得られたフィルム状エレメントを、カバーフィルムを剥離しながらラミネータにより積層した。なお、ラミネートは、ラミネート温度120℃、ラミネート速度0.5m/分、圧着圧力9.8×10N/m(線圧)の条件で支持体フィルム上から行った。次に、得られた積層体から支持体フィルムを剥離し、露出した無機粒子含有樹脂組成物層(第1層)上に、作製例3で得られた感光性のフィルム状エレメントを、カバーフィルムを剥離しながらラミネータにより積層した。なお、ラミネートは、ラミネート温度120℃、ラミネート速度0.5m/分、圧着圧力9.8×10N/m(線圧)の条件で支持体フィルム上から行った。これにより、ガラス基板上に、無機粒子含有樹脂組成物層(第1層)と、感光性樹脂組成物層(第2層)と、支持体フィルムとがこの順で積層された積層体が得られた。
次に、得られた積層体の、感光性樹脂組成物層を被覆する支持体フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の側から、幅100μmの開口部と幅100μmの遮光部とが交互に並んだマスクを介し、100mJ/cmの照射量で紫外線(i線)を照射した。照射後、支持体フィルムを剥離し、1%炭酸ナトリウム水溶液で40秒間シャワー現像した。現像後の積層体の断面を観察したところ、反応性二重結合を含有するポリマーを用いた無機粒子含有樹脂組成物層(第1層)上に、厚さ30μm、幅105μmのストライプパターンを有する、誘電体ガラス粒子を含有する光硬化部が形成されていた。
次に、露光・現像を経た上記積層体を加熱して、室温から昇温速度5℃/分で560℃まで昇温し、さらに560℃で30分間焼成した。焼成後、室温まで冷却した積層体の断面を観察したところ、基板上には、厚さ30μmの均一な誘電体層が形成され、さらにこの誘電体層上には、厚さ14μm、幅96μmの良好なストライプパターンを有する誘電体層が形成された。
(比較例1)
作製例1で得られたフィルム状エレメントの替わりに、作製例2で得られたフィルム状エレメントを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に、無機粒子含有樹脂組成物層(第1層)と、感光性樹脂組成物層(第2層)と、支持体フィルムとがこの順で積層された積層体を得た。
次に、得られた積層体に対して、実施例1と同様の露光及び現像を行った。現像後の積層体の断面を観察したところ、反応性二重結合を含有しないポリマーを用いた無機粒子含有樹脂組成物層上に、厚さ30μm、幅105μmのストライプパターンを有する、誘電体ガラス粒子を含有する光硬化部が形成されていた。
次に、露光・現像を経た上記積層体を、実施例1と同様の条件で焼成した。焼成後、室温まで冷却した積層体の断面を観察したところ、基板上には、厚さ30μmの誘電体層が形成されていた。しかし、この誘電体層上に形成されたストライプパターンを有する誘電体層には、収縮による蛇行が見られた。さらに、この蛇行した誘電体層と接する下層の誘電体層にも、収縮に応じた変形が見られた。
本発明のフィルム状エレメントの一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の無機層の形成方法の一実施形態における、第1工程及び第2工程を説明するための模式断面図である。 本発明の無機層の形成方法の一実施形態における、第3工程、第4工程及び第5工程を説明するための模式断面図である。 本発明の積層体の一例を示す斜視図である。 セル型構造の放電空間を有するプラズマディスプレイパネルの要部を示す斜視図である。
符号の説明
1…フィルム状エレメント、2…フィルム状感光性エレメント、3…積層体、10…支持体フィルム、20…樹脂組成物層、21…第1層、24…第1無機層、30…カバーフィルム、35…露光用マスク、40…基板、45…電極、50…積層ロール、60…感光性樹脂組成物層、61…第2層、62…光硬化部、64…第2無機層、70…無機層、100…積層体、L…活性光線。

Claims (11)

  1. (a)反応性二重結合を有するポリマー、(b)光重合開始剤、及び(c)第1無機粒子、を含有する樹脂組成物からなる第1層を基板上に設ける第1工程と、
    第2無機粒子を含有する感光性樹脂組成物からなる第2層を前記第1層上に設ける第2工程と、
    前記第2層の所定部分に活性光線を照射して前記第2層に所定パターンの光硬化部を形成させる第3工程と、
    前記第2層のうち光硬化部以外の部分を除去する第4工程と、
    前記第1層及び前記光硬化部を焼成して前記第1無機粒子及び前記第2無機粒子に由来する無機層を形成する第5工程と、を有する、無機層の形成方法。
  2. 前記反応性二重結合を有するポリマーが、反応性二重結合をポリマー1分子につき、分子量10000当り平均で1〜10個有している請求項1に記載の無機層の形成方法。
  3. 前記第1工程において、前記第1層が、前記樹脂組成物からなる層を支持体フィルム上に備えるフィルム状エレメントを用いて設けられる請求項1又は2に記載の無機層の形成方法。
  4. 前記第2工程において、前記第2層が、前記感光性樹脂組成物からなる層を支持体フィルム上に備えるフィルム状感光性エレメントを用いて設けられる請求項1〜3のいずれか一項に記載の無機層の形成方法。
  5. 前記基板が電極を備えている請求項1〜4のいずれか一項に記載の無機層の形成方法。
  6. (a)反応性二重結合を有するポリマーと、(b)光重合開始剤と、(c)第1無機粒子と、を含有し、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の無機層の形成方法において、前記樹脂組成物として用いられる、無機粒子含有樹脂組成物。
  7. 前記反応性二重結合を有するポリマーが、反応性二重結合をポリマー1分子につき、分子量10000当り平均で1〜10個有している請求項6に記載の無機粒子含有樹脂組成物。
  8. 支持体フィルムと、当該支持体フィルム上に形成される請求項6又は7に記載の無機粒子含有樹脂組成物からなる層と、を備えるフィルム状エレメント。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の無機層の形成方法を用いて形成された無機層を基板上に備える、積層体。
  10. 請求項9に記載の積層体を用いてなるプラズマディスプレイパネル用前面基板。
  11. 請求項10に記載のプラズマディスプレイパネル用前面基板を用いてなるプラズマディスプレイパネル。
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