JP2006052348A - 金属表面用水分散性樹脂処理剤及び表面処理金属板 - Google Patents

金属表面用水分散性樹脂処理剤及び表面処理金属板 Download PDF

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文俊 築山
Kiyotaka Ikami
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Abstract

【課題】 防錆性、耐アルカリ性等に優れ、クロム酸、クロム酸塩系顔料を必要としない、ガルバリウム鋼板等の表面処理用に好適な金属表面用水分散性樹脂処理剤を提供する。
【解決手段】 下記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する金属表面用水分散性樹脂処理剤。
(A)エポキシ基、酸基、水酸基及び加水分解性シリル基のいずれも含有しない重合性不飽和モノマー(a)と、エポキシ基を有する重合性不飽和モノマー(b)と、酸基含有重合性不飽和モノマー(c)と、水酸基含有重合性不飽和モノマー(d)と、加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(e)とからなる不飽和単量体混合物が乳化重合された共重合体樹脂エマルジョンを含む水分散性樹脂組成物
(B)ジルコニウム化合物
(C)シランカップリング剤
【選択図】 なし

Description

本発明は金属表面用水分散性樹脂処理剤及び表面処理金属板に関する。さらに詳しくは、本発明は,建材、家電や農業用などの用途に主として無塗装で用いられる防錆性、耐アルカリ性、建材断熱材としての発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン等との付着性、耐水性、耐沸騰水性及び耐ブロッキング性に優れ、さらにクロム酸、クロム酸塩系顔料を含まない、ガルバリウム鋼板等の表面処理用に好適な金属表面用水分散性樹脂処理剤及び表面処理金属板に関する。
55%アルミニウム・亜鉛メッキ鋼板である通称ガルバリウム鋼板は耐蝕性に優れるため建材用として、建家の屋根材や外壁材、農業ビニルハウスの支柱管、家具、家電製品、産業機器の筐体、ガードレール、防音壁、排水溝などの土木製品などに無塗装で使用される。そのためメッキ鋼板の表面が変色することなく、美しい外観を長期間維持することが要求される。耐蝕性、耐侯性のほか、特に建材用途の場合には、コンクリートとの接触による強アルカリ環境下に曝される場合があり、その場合もメッキ鋼板の表面が変色することなく、美しい外観を保持する高度な耐アルカリ性が要求される。
従来、上記の要求に応えるため、クロメート処理やクロムを含有する樹脂を被覆する技術が数多く提案されている(例えば、特許第2097278号公報、特開平7−251128号公報、特開2000−5697号公報)。しかしながら、これらの技術はいずれも猛毒の6価クロムないしはクロムイオンを多量に含むものであり、皮膜からのクロムの溶出が大きく、環境衛生の観点からは著しい欠陥を有していた。従って、上記要求を満足し、且つクロムを全く含有しないガルバリウム鋼板等の表面処理用に好適な金属表面用水分散性樹脂処理剤の開発が求められていた。
特許第2097278号公報 特開平7−251128号公報 特開2000−5697号公報
本発明の目的は、上記従来の金属表面用水分散性樹脂処理剤の欠点を克服し、防錆性、耐アルカリ性、建材断熱材としての発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン等との付着性、耐水性、耐沸騰水性及び耐ブロッキング性に優れ、さらにクロム酸、クロム酸塩系顔料を必要としない、ガルバリウム鋼板等の表面処理用に好適な金属表面用水分散性樹脂処理剤及び表面処理鋼板を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、(A)成分として特定組成の不飽和単量体混合物を乳化重合することにより得られた共重合体樹脂エマルジョンを含む水分散性樹脂組成物と、(B)成分としてジルコニウム(Zr)化合物と、(C)成分としてシランカップリング剤とを含有する金属表面用水分散性樹脂処理剤によって、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する金属表面用水分散性樹脂処理剤を提供する。
(A)エポキシ基、酸基、水酸基及び加水分解性シリル基のいずれも含有しない重合性不飽和モノマー(a)と、エポキシ基を有する重合性不飽和モノマー(b)と、酸基含有重合性不飽和モノマー(c)と、水酸基含有重合性不飽和モノマー(d)と、加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(e)とからなる不飽和単量体混合物が乳化重合された共重合体樹脂エマルジョンを含む水分散性樹脂組成物
(B)ジルコニウム化合物
(C)シランカップリング剤
上記(A)成分において、エポキシ基を有する重合性不飽和モノマー(b)、酸基含有重合性不飽和モノマー(c)、水酸基含有重合性不飽和モノマー(d)、加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(e)の使用量は、それぞれ重合性不飽和モノマー(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の総量に対して0.1〜10重量%であるのが好ましい。
(A)成分において、エポキシ基、酸基、水酸基及び加水分解性シリル基のいずれも含有しない重合性不飽和モノマー(a)としては、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a-1)、又は前記アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a-1)と、スチレン系モノマー(a-2)、(メタ)アクリロニトリル(a-3)、及び多官能ビニル基含有重合性不飽和単量体(a-4)からなる群より選択された少なくとも1種のモノマーとの混合モノマーが好ましく用いられる。
(A)成分における共重合体樹脂エマルジョンは、重合性不飽和モノマー(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の総量に対して0.3〜6重量%の反応性界面活性剤の存在下で不飽和単量体混合物が乳化重合された共重合体樹脂エマルジョンであるのが好ましい。
前記共重合体樹脂エマルジョンは、好ましくはコア・シェル型樹脂エマルジョンである。
(B)成分の固形分使用量は、(A)成分である水分散性樹脂組成物の固形分に対して0.1〜20重量%の範囲であるのが好ましい。
(C)成分の固形分使用量は、(A)成分である水分散性樹脂組成物の固形分に対して0.1〜10重量%の範囲であるのが好ましい。
本発明は、また、金属板の表面が前記の金属表面用水分散性樹脂処理剤により処理されている表面処理金属板を提供する。
金属板としては、例えばガルバリウム鋼板等を使用できる。金属板表面における金属表面用水分散性樹脂処理剤の固形分付着量は、0.2〜10g/m2程度であるのが好ましい。
本発明の金属表面用水分散性樹脂処理剤及び表面処理金属板は、防錆性、耐アルカリ性、建材断熱材としての発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン等との付着性、耐水性、耐沸騰水性及び耐ブロッキング性に優れる。また、クロムを含まず、地球環境保護の観点からも優れている。本発明の金属表面用水分散性樹脂処理剤は、特にガルバリウム鋼板の表面処理に好適である。
本発明の金属表面用水分散性樹脂処理剤中の(A)成分(水分散性樹脂組成物)は、モノマー成分(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の乳化重合によって得られる共重合体樹脂エマルジョンを含んでいる。
エポキシ基、酸基、水酸基及び加水分解性シリル基のいずれも含有しない重合性不飽和モノマー(a)としては、その代表的な例として、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a-1)、スチレン系モノマー(a-2)、(メタ)アクリロニトリル(a-3)、多官能ビニル基含有重合性不飽和単量体(a-4)などが挙げられる。重合性不飽和モノマー(a)は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a-1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの1種又は2種以上が適宜組み合わされ使用される。なかでも、アルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
スチレン系モノマー(a-2)としては、スチレンのほかに、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。これらのモノマーは1種又は2種以上組み合わせて使用できる。
多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(a-4)としては、例えばジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールジ(メタ)アクリレート等のジビニル化合物のほか、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組合わされて使用される。
エポキシ基、酸基、水酸基及び加水分解性シリル基のいずれも含有しない重合性不飽和モノマー(a)としては、良好な成膜性と高い塗膜硬度を得るためには、少なくとも前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a-1)を用いるのが好ましく、特に前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a-1)とスチレン系モノマー(a-2)とを併用するのが好ましい。また、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a-1)、又は(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a-1)及びスチレン系モノマー(a-2)とともに、(メタ)アクリロニトリル(a-3)及び多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(a-4)から選択された少なくとも1種のモノマーを用いるのも好ましい。
(メタ)アクリロニトリル(a-3)を共重合モノマーとして用いると、シアノ基のポリマー中での配向、結晶化効果により緻密で強靭な膜が形成され、これによって水や防錆に悪影響を及ぼす成分の透過が抑制され、防錆性がより向上する。また、塗膜硬度が上がることから、耐ブロッキング性、滑り性も向上する。
多官能ビニル基含有重合性不飽和モノマー(a-4)を共重合モノマーとして用いると、エマルジョン粒子内架橋が促進され、塗膜の硬度が上がると同時に耐ブロッキング性、耐磨耗性、滑り性が改善される。また、耐水性や耐アルカリ性向上効果もある。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a-1)の量は、前記重合性不飽和モノマー(a)の総量に対して、例えば20〜100重量%、好ましくは30〜80重量%、さらに好ましくは35〜70重量%程度である。スチレン系モノマー(a-2)の量は、前記重合性不飽和モノマー(a)の総量に対して、例えば0〜80重量%、好ましくは20〜70重量%、さらに好ましくは30〜60重量%程度である。また、(メタ)アクリロニトリル(a-3)の量は、前記重合性不飽和モノマー(a)の総量に対して、通常0〜20重量%(例えば1〜20重量%)、好ましくは0〜10重量%(例えば1〜10重量%)程度である。また、多官能ビニル基含有重合性不飽和単量体(a-4)の量は、前記重合性不飽和モノマー(a)の総量に対して、通常0〜10重量%(例えば1〜10重量%)、好ましくは0〜5重量%(例えば1〜5重量%)程度である。
エポキシ基を有する重合性不飽和モノマー(b)としては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート(GMA)、グリシジルクロネ−ト、グリシジルアリルエーテル、β−グリシジルメタクリレート等のグリシジル基を有するモノマーのほか、(3,4−エポキシクロロヘキシル)メチルメタクリレート、3−エポキシクロロー2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。通常は、グリシジルメタクリレートが使用されることが多い。
エポキシ基を有する重合性不飽和モノマー(b)を用いることによって、エポキシ基の有する金属表面への親和性と、酸基含有重合性不飽和モノマー(c)の金属表面への密着性との相乗効果により、金属への密着性がより促進され、防錆効果の一層の向上に大きな効果が発揮される。さらに、樹脂組成物中でエポキシ基とカルボキシル基との架橋反応により三次元網目構造が形成され、樹脂組成物に耐水性、耐沸騰水性、耐アルカリ性、耐ブロッキング性及び滑り性を付与する効果が発揮される。
エポキシ基を有する重合性不飽和モノマー(b)の量は、モノマー成分(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の総量を基準として、例えば0.1〜10重量%、好ましくは1〜9重量%、さらに好ましくは3〜8.5重量%程度である。エポキシ基を有する重合性不飽和モノマー(b)の量をこの範囲に設定することにより、共重合体樹脂エマルジョンを含む樹脂組成物を表面処理剤として用いた場合において、塗膜の金属表面に対する親和性が増し、密着性が向上すると同時に優れた防錆力が得られる。エポキシ基含有重合性不飽和モノマー(b)の上記使用量が0.1重量%未満では、塗膜の防錆力が弱く、耐水性、耐沸騰水性及び耐ブロッキング性が低下しやすい。一方、10重量%を超えると、逆に樹脂塗膜の内部構造にミクロゲル的な不均一部分を生じ、歪によりクラックを生じたり、水の透過や、錆び発生の触媒成分である塩素イオンや硫酸イオンの透過を助長したりするため、防錆力が弱く、塗膜の強度も低下する傾向となる。
酸基含有重合性不飽和モノマー(c)としては、例えばカルボキシル基、スルホン酸基およびリン酸基等から選ばれる少なくとも1つの酸基を分子内に有するエチレン性不飽和化合物を使用できる。
酸基含有重合性不飽和モノマー(c)のうち、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、α−エチルアクリル酸、β−エチルアクリル酸、β−プロピルアクリル酸、β−イソプロピルアクリル酸,イタコン酸、無水マレイン酸およびフマール酸等が挙げられる。スルホン酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、p−ビニルベンゼンスルホン酸、p−アクリルアミドプロパンスルホン酸、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。リン酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートのリン酸モノエステル、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートのリン酸モノエステルなどが挙げられ、これらは商品名「ライトエステルPM」(共栄社化学社製)として市販されている。酸基含有重合性不飽和モノマー(c)は単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
酸基含有重合性不飽和モノマー(c)を共重合成分として用いることにより、共重合体樹脂エマルジョンを含む樹脂組成物やそれを用いた表面処理剤の保存安定性、機械的安定性、及び凍結に対する安定性等の諸安定性が得られる。また、塗膜形成時における金属基材との密着性が強いため、金属基材と塗膜との界面へ水が進入したり、錆びの生成の促進及び触媒効果を及ぼす塩素イオンや硫酸イオン等が進入したりすることが阻止されるため、高い防錆力が得られる。さらに、酸基含有重合性不飽和モノマー(c)を共重合成分として用いることにより、本発明で配合される硬化剤成分(B)であるジルコニウム化合物、(C)成分であるシランカップリング剤と架橋反応し、より高い防錆力と優れた耐アルカリ性を有する塗膜が得られる。
酸基含有重合性不飽和モノマー(c)の量は、モノマー成分(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の総量を基準として、例えばは0.1〜10重量%、好ましくは1〜7重量%である。酸基含有重合性不飽和モノマー(c)の上記使用量が0.1重量%未満では、樹脂の重合安定性及び上記諸安定性が悪くなり、塗膜の金属表面に対する密着性及び防錆力が弱くなりやすい。一方、10重量%を超えると、樹脂の重合安定性及び上記諸安定性が悪くなり、得られた塗膜の耐水性、耐アルカリ性が弱くなりやすい。
水酸基含有重合性不飽和モノマー(d)としては、水酸基を有する不飽和モノマーであれば特に限定されないが、例えば アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、ε−カプロラクトン変性アクリルモノマー等の水酸基含有アクリル系モノマーなどが挙げられる。これらの1種又は2種以上が組み合わされて使用される。ε−カプロラクトン変性アクリルモノマーとしては、ダイセル化学工業(株)製の商品名「プラクセルFA−1」、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFA−3」、「プラクセルFA−4」、「プラクセルFA−5」、「プラクセルFM−1」、「プラクセルFM−2」、「プラクセルFM−3」、「プラクセルFM−4」、及び「プラクセルFM−5」などが挙げられる。
水酸基含有重合性不飽和モノマー(d)を共重合成分として用いることにより、共重合体樹脂エマルジョンを含む樹脂組成物やそれを用いた表面処理剤の親水性が増し、塗膜形成後に建材断熱材としての発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレンや上塗り塗料等の上塗り材との親和性が増し、密着性が向上する。また、本発明で配合される(C)成分であるシランカップリング剤との架橋反応も起こり、より高い防錆力と優れた耐アルカリ性を有する塗膜が得られる。
水酸基含有重合性不飽和モノマー(d)の量は、モノマー成分(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の総量を基準として、例えば0.1〜10重量%、好ましくは1〜7重量%である。水酸基含有重合性不飽和モノマー(d)の上記使用量が0.1重量%未満では、上記上塗り材との親和性が乏しく、密着性が不良となりやすい。一方、10重量%を超えると、親水性が強すぎて塗膜の耐水性が弱くなりやすい。
加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(e)としては、分子内に加水分解性のシリル基を有する不飽和モノマーであれば特に限定されないが、例えば、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を含有するモノマーが挙げられる。
加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(e)を共重合成分として用いることにより、共重合体樹脂エマルジョンを含む樹脂組成物やそれを用いた表面処理剤の塗膜の耐水性が増し、結果として防錆力が向上する。また、架橋により耐ブロッキング性、滑り性も改善される。さらに、それと加水分解性シリル基の持つシランカップリング効果及びシラン基の金属等無機基材に対する親和性により、密着性が向上する。また、本発明で配合される(C)成分であるシランカップリング剤と高い架橋反応性を示し、シラノール結合による高度な架橋構造が形成される。そのためより高い防錆力と耐水性を有し、特に耐アルカリ性に優れた塗膜が得られる。
加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(e)の量は、モノマー成分(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の総量を基準として、例えば0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(e)の上記使用量が0.1重量%未満では、塗膜の耐水性が弱く、防錆力が劣る傾向となる。一方、10重量%を超えると、合成樹脂エマルジョンの重合安定性が低下しやすい。
本発明の乳化重合において用いられる乳化剤は、非反応性の一般乳化剤であってもよいが、後に述べる理由により反応性界面活性剤を用いるのが表面処理剤の塗膜の性能上有利である。
非反応性の一般乳化剤としては特に制限されるものではないが、例えば、炭素数が6以上の炭素原子を有する炭化水素基と、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩部分エステル、リン酸塩、リン酸塩部分エステルなどの親水性部分とを同一分子中に有するミセル化合物;分子内にポリオキシアルキレン基を有するミセル化合物などから選ばれるアニオン系又は非イオン系(ノニオン系)の乳化剤が好ましく用いられる。このうち、アニオン系乳化剤としては、アルコキシフェノール類又は高級アルコール類の硫酸ハーフエステルのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;アルキル又はアリルスルホネートのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアリルエーテルの硫酸ハーフエステルのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩などが挙げられる。また非イオン系の乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアリルエーテルなどが挙げられる。これらの非反応性乳化剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。またこれらの一般汎用のアニオン系、ノニオン系乳化剤は、分子内にラジカル重合性の不飽和二重結合を有する、すなわちアクリル、メタクリル、プロペニル、アリル、アリルオキシ、マレイン酸基などの基を有する各種アニオン系、ノニオン系反応性界面活性剤とも適宜組み合わされて使用される。
反応性界面活性剤は、特に制限されるものではなく、重合性不飽和基等の反応性基を含む基と、ノニオン系親水基やアニオン系親水基などの界面活性作用を発現する基とを有するいかなる反応性界面活性剤を用いてもよい。前記重合性不飽和基等の反応性基を含む基としては、例えば、ビニル基、アリル基、メタクリル基、アリルオキシ基、メタリルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が挙げられる。
代表的な反応性界面活性剤には、例えば、下記式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)又は(7)で表される化合物が含まれる。
Figure 2006052348
(式中、A1は炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数7〜24の炭化水素基又は炭素数7〜24のアシル基、Xは水素原子、又はノニオン系若しくはアニオン系の親水基、mは0〜100の整数を示す)
Figure 2006052348
(式中、A2は炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、R3は炭素数1〜18の炭化水素基、R4は水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基、pは2〜200の整数、Mはアルカリ金属又はNH4を示す)
Figure 2006052348
(式中、A3は炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、R5は水素原子又はメチル基、R6は水素原子又はアルキル基、qは0〜100の整数、Mはアルカリ金属又はNH4を示す)
Figure 2006052348
(式中、R7は置換基を有していてもよい炭化水素基、R8は水素原子又はメチル基、Mはアルカリ金属又はNH4を示す)
Figure 2006052348
(式中、R9は置換基を有していてもよい炭化水素基、R10は水素原子又はメチル基、Mはアルカリ金属又はNH4を示す)
Figure 2006052348
(式中、Φは多官能フェニル基、A4、A5は、それぞれ炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、R11は水素原子又はメチル基、r、sは、それぞれ1〜100の整数、Mはアルカリ金属又はNH4を示す)
Figure 2006052348
(式中、A6は炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、R12は水素原子又はメチル基、Mはアルカリ金属又はNH4を示す)
前記式(1)において、A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基としては、例えば、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン基、又はこれらに、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ基等のC1-4アルコキシ基など)などの置換基が結合したアルキレン基などが挙げられる。R2における炭素数7〜24の炭化水素基としては、例えば、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル基などのアルキル基;オクテニル、デセニル基などのアルケニル基;4−メチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−オクチルフェニル、4−ノニルフェニル、4−デシルフェニル、4−ドデシルフェニル、4−テトラデシルフェニル、4−ヘキサデシルフェニル基などのアルキルアリール基などが挙げられる。R2における炭素数7〜24のアシル基としては、オクタノイル、ノナノイル、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、4−ノニルベンゾイル基などの脂肪族、脂環式又は芳香族アシル基が挙げられる。mは、好ましくは0〜50程度の整数である。
Xにおけるノニオン系若しくはアニオン系の親水基としては、例えば、ポリオキシアルキレン基や、スルホン酸基、カルボキシル基等を含む種々の基が挙げられるが、代表的な基として、下記式(8)
Figure 2006052348
(式中、A7は炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基、Mはアルカリ金属又はNH4、nは0〜100の整数を示す)
で表される基が例示される。A7における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基としては、前記A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基と同様のものが挙げられる。Mにおけるアルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。nは、好ましくは0〜30程度の整数である。
式(2)において、A2における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基としては、前記A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基と同様のものが挙げられる。R3、R4における炭素数1〜18の炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル基などのアルキル基;ビニル、アリル、ヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル基などのアルケニル基;ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらの中でも炭素数4〜18の炭化水素基が特に好ましい。Mにおけるアルカリ金属は前記と同様である。pは好ましくは2〜50程度の整数である。
式(3)において、A3における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基としては、前記A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基と同様のものが挙げられる。R6におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル基などの炭素数1〜20程度のアルキル基等が挙げられる。qは、好ましくは0〜50程度の整数である。Mにおけるアルカリ金属は前記と同様である。
式(4)及び式(5)において、R7、R9における置換基を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル基などのアルキル基;ビニル、アリル、ヘキセニル、オクテニル、デセニル基などのアルケニル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル、2−フェニルエチルなどのアラルキル基;又はこれらに、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ基等のC1-4アルコキシ基など)などの置換基が結合した炭化水素基などが挙げられる。Mは前記と同様である。
式(6)において、A4、A5における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基としては、前記A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基と同様のものが挙げられる。r、sは、好ましくは1〜50程度の整数である。Mにおけるアルカリ金属は前記と同様である。式(6)で表される反応性界面活性剤として、日本乳化剤(株)製の商品名「アントックスMS−60」等が市販されている。
式(7)において、A6における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基としては、前記A1における炭素数2〜4の置換若しくは無置換のアルキレン基と同様のものが挙げられる。Mにおけるアルカリ金属は前記と同様である。
反応性界面活性剤は、前記モノマー成分(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)と共重合、またはグラフトし、重合後は高分子量の重合体の構成単位として存在する。そのため非反応性の一般乳化剤が重合後も水相中にフリーに水溶性のまま低分子の形で存在し、最終的に得られた樹脂分散液のキャストフィルムがそのために耐水性、耐煮沸水性、耐アルカリ性、防錆性、耐溶剤性と接着性のやや劣るものとなるのに対し、反応性界面活性剤を用いて得られた樹脂分散液のキャストフィルムは高度な耐水性、耐煮沸水性、耐アルカリ性、防錆性、耐溶剤性と接着性を発揮する。
反応性界面活性剤の乳化重合における使用量は、前記モノマー成分(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の総量に対して、例えば0.3〜6重量%程度である。この使用量が0.3重量%未満の場合は、乳化重合の安定性が悪く、重合中にグリッツが発生しやすく、また重合後得られた樹脂分散液の安定性が劣り、商品価値が劣るものとなり易い。また6重量%を超えると、耐水性、耐煮沸水性、耐アルカリ性、防錆性、耐溶剤性と接着性などに支障をきたす可能性がある上、経済性などにおいて問題となる場合も想定され、好ましくない。
本発明では、防錆性、付着性、耐水性、耐アルカリ性等の特性を損なわない範囲で、モノマー成分(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)に加えて、又はこれらと反応性界面活性剤に加えて、他の重合性不飽和モノマーを共重合させてもよい。このような重合性不飽和モノマーの使用量は、モノマー成分(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の総量に対して、例えば20重量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。
本発明では、共重合体樹脂エマルジョンとしては、特にコア・シェル型樹脂エマルジョンであるのが好ましい。ここで、コア・シェルの定義であるが、乳化重合において、重合を多段(例えば2段)で行う場合、第1段目の重合で形成された核となる樹脂成分をコアと称し、第2段目以降の重合で前記コアの表面に形成された殻となる樹脂成分をシェルと称する。例えばモノマーを2段に分けて滴下し、重合を行う場合、第1段目にモノマーを滴下して、重合により形成される樹脂成分がコアに相当し、コア形成後、第2段目にモノマーを滴下して、重合により形成される樹脂成分がシェルに相当する。
上記コア・シェル型合成樹脂エマルジョンにおいて、コア部とシェル部の割合は、重量基準で、合計重量に対して、コア部が20重量%〜95重量%、好ましくは30重量%〜90重量%、シェル部が5重量%〜80重量%、好ましくは10重量%〜70重量%の範囲内であるのが望ましい。
本発明においてコア・シェル型合成樹脂エマルジョンが特に好ましい理由は、均一重合エマルジョンに比し、より強靭で高硬度の樹脂皮膜が得られ、表面処理剤の塗膜にした場合も膜が強靭で高硬度であるため、耐ブロッキング性や滑り性において有利となるためである。上記コアとシェルの範囲から外れた場合はいずれもこのような特徴が得られにくくなる。
乳化重合は、前記モノマー成分(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)を水性液中で、ラジカル重合開始剤を用いて、一般乳化剤及び/又は反応性界面活性剤の存在下で、撹拌下加熱することによって実施できる。反応温度は例えば30〜100℃程度、反応時間は例えば1〜10時間程度が好ましい。水と一般乳化剤及び/又は反応性界面活性剤とを仕込んだ反応容器にモノマー混合液又はモノマープレ乳化液の一括添加又は暫時滴下によって反応温度の調節を行うとよい。
ラジカル重合開始剤としては、通常アクリル樹脂の乳化重合で使用される公知の開始剤が使用できる。具体的には、水溶性のフリーラジカル重合開始剤として、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素などや、これらの酸化剤と、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸等の還元剤との組み合わせからなるいわゆるレドックス系開始剤などが、それぞれ例えば水溶液の形で使用される。
また、乳化重合の際、メルカプタン系化合物や低級アルコール等の分子量調節のための助剤(連鎖移動剤)を併用することは、乳化重合を進める上で、また例えば塗膜の円滑かつ均一な形成を促進し基材への接着性を向上させ、防錆性を向上させる上で好ましい場合が多く、適宜状況に応じて行われる。
乳化重合の方法としては、通常の一段連続モノマー均一滴下法、多段モノマーフィード法であるコア・シェル重合法、重合中にフィードするモノマー組成を連続的に変化させるパワーフィード重合法等、いずれの重合法もとることができる。
このようにして本発明における共重合体樹脂エマルジョンが調製される。共重合体樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、一般的に5万〜100万程度であり、好ましくは10万〜80万程度である。
本発明における水分散性樹脂組成物は、前記共重合体樹脂エマルジョンを主体として、さらに、塩基性化合物等の添加剤を含んでもよい。塩基性化合物としては、アンモニア、各種アミン類、及びアルカリ金属塩等が用いられる。塩基性化合物を加えることによって共重合体樹脂エマルジョン中に含まれる酸の一部又は全量が中和され、共重合体樹脂エマルジョンの安定性が確保される。
本発明において(B)成分であるジルコニウム化合物は、(A)成分中に共重合された酸基含有重合性不飽和モノマー(c)(不飽和カルボン酸等)の酸基(カルボキシル基等)と架橋反応して、塗膜に優れた防錆力と耐アルカリ性、耐水性、耐溶剤性を付与する。特に耐アルカリ性に対する寄与は大である。
ジルコニウム化合物としては、分子内にジルコニウム(Zr)を含む化合物であれば特に限定されないが、ジルコンフッ化水素酸、ジルコンフッ化アンモニウム、ジルコンフッ化カリウム、ジルコンフッ化ナトリウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、アセチルアセトナートジルコン化合物等が挙げられる。ジルコニウム化合物は単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
ジルコニウム化合物の固形分使用量は、(A)成分の水分散性樹脂組成物の固形分に対して0.1〜20重量%程度であるのが好ましく、より好ましくは0.3〜15重量%であり、さらに好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。0.1重量%未満では、ジルコニウム化合物による樹脂の架橋効果が乏しく、望ましい耐アルカリ性と防錆力が得られにくい。20重量%より多い場合は、造膜性に問題が生じやすく、また経済性の点でも不利となる。
本発明において(C)成分であるシランカップリング剤は、(A)成分中の酸基(カルボキシル基等)、水酸基及び加水分解性シリル基(アルコキシシリル基等)などと架橋反応するが、シランカップリング剤同士及び金属素材との架橋反応も起こり、密着性を向上させ、塗膜に優れた防錆力と耐アルカリ性、耐水性、耐溶剤性を付与する。
配合するシランカップリング剤は特に限定されず、公知のシランカップリング剤を使用できる。シランカップリング剤としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシシラン)、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピレントリメトキシシラン、メルカプトプロピレントリエトキシシラン等の水溶液中で比較的安定なものの中から選ばれる。
シランカップリング剤の固形分使用量は、(A)成分の水分散性樹脂組成物の固形分に対して0.1〜10重量%程度であるのが好ましく、より好ましくは0.3〜8重量%であり、さらに好ましくは0.5〜5重量%の範囲である。0.1重量%未満では、シランカップリング剤による樹脂の架橋効果が乏しく、したがって緻密な膜が得られず、また金属基材へのカップリング効果が乏しく、密着性が劣り、望ましい耐アルカリ性と防錆力が得られない。10重量%より多い場合は、造膜性に問題が生じ、また経済性の点でも不利となる。
本発明の金属表面用水分散性樹脂処理剤は、前記(A)成分である水分散性樹脂組成物と、(B)成分であるジルコニウム化合物と、(C)成分であるシランカップリング剤とを混合、撹拌することにより調製できる。(B)成分や(C)成分はそのまま混合に供してもよいが、水等の溶媒に溶解又は分散させた溶液又は分散液の形態で混合に供してもよい。混合、撹拌は公知乃至慣用の方法で行うことができる。
本発明の金属表面用水分散性樹脂処理剤は、そのまま金属板(特にガルバリウム鋼板等の鋼板)の表面にコーティング剤として、主としてクリヤー皮膜を形成させるために塗装される。この表面処理金属板は、表面が保護される上、本来の美しい外観がそのまま保持されるので、商品価値が著しく増大する。
本発明において、金属表面用水分散性樹脂処理剤に、潤滑剤として二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系ワックスエマルジョン等を添加し、表面の滑り性を増すことができる。また、さらに着色顔料により着色することも可能である。また、本来の性能を損なわない範囲で水性ウレタン樹脂ディスパージョン等の樹脂ディスパージョン、消泡剤及びレベリング剤等の適宜な添加剤の添加も可能である。
金属表面用水分散性樹脂処理剤中の前記共重合体樹脂の含有量は、用途に応じて適宜設定できるが、一般には10〜70重量%程度である。
本発明の金属表面用水分散性樹脂処理剤を用いて、金属板(特にガルバリウム鋼板等の鋼板)の表面を処理する方法としては、特に限定されないが、例えばウレタンゴムロールほか任意の方法で塗装することが可能である。塗布後の乾燥は、例えばジェット乾燥機などを用いて板温が80℃位になるまで60秒以内の乾燥時間で乾燥させて樹脂皮膜を形成させるのが好ましい。
ガルバリウム鋼板等の金属板上への本発明の金属表面用水分散性樹脂処理剤の塗布量は、特に限定するものではないが、乾燥膜厚で通常0.5〜10μmの範囲であり、1〜5μmの範囲であることが好ましい。塗布量が0.5μm未満の場合は、表面の保護機能が乏しく好ましくない。一方、10μmを越えると、外観が曇る場合もあり、また経済性の点で好ましくない。また、金属板表面における金属表面用水分散性樹脂処理剤の固形分付着量は、一般に0.2〜10g/m2程度である。固形分付着量が0.2g/m2未満の場合は、表面保護機能が小さく、10g/m2より大きいと、外観が低下しやすくなる。
こうして得られる表面処理ガルバリウム鋼板等の表面処理金属板は、建材用として、建家の屋根材や外壁材、農業ビニルハウスの支柱管、家具、家電製品、産業機器の筐体、ガードレール、防音壁、排水溝などの土木製品等として利用できる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に記載のない限り重量基準である。
実施例1(二段重合)
撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器を備えた通常のアクリル系樹脂エマルジョン製造用の反応容器に、水475部と下記式(9)
Figure 2006052348
(式中、Rはアルキル基を示し、qは0〜100の整数を示す)
で表される反応性界面活性剤[商品名「アデカリアソープSR−10」、旭電化工業(株)製](f1)1.5部を仕込み、75℃に昇温した。別途、次に示すモノマー、乳化剤及び水の混合液を高圧ホモジナイザーを用いて均一に乳化し、第1段目モノマー乳化液として滴下ロートに仕込んだ。
(第1段目モノマー乳化液)
反応性界面活性剤(f1) 4部
MMA(メタクリル酸メチル)(a1) 29部
SM(スチレン)(a2) 95部
2EHA(アクリル酸2−エチルヘキシル)(a3) 60部
MAA(メタクリル酸)(c1) 10部
2HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(d1) 10部
加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマー[商品名「A−174」、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、日本ユニカー(株)製](e1) 5部
水 134部
また、別途、次に示すモノマー混合液を第2段目モノマーとして滴下ロートに仕込んだ。
(第2段目モノマー)
MMA(メタクリル酸メチル)(a1) 30部
SM(スチレン)(a2) 90部
2EHA(アクリル酸2−エチルヘキシル)(a3) 37部
MAA(メタクリル酸)(c1) 3部
2HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(d1) 3部
GMA(グリシジルメタクリレート)(b1) 30部
さらに、別途、次に示す滴下用開始剤水溶液を別の滴下ロートに仕込んだ。
(滴下用開始剤水溶液)
過硫酸カリウム 1部
水 50部
次に、前記反応容器内に、前記第1段目モノマー乳化液の5%を添加し、75℃に加熱後、前記滴下用開始剤水溶液の5%を投入し、10分間プレ重合反応を行った。この間反応容器の内温は自動的に80℃に上昇した。その後、残りの第1段目モノマー乳化液を80℃で2時間かけて、また滴下用開始剤水溶液を80℃で3.5時間かけて一定速度で同反応容器内に滴下した。第1段目モノマー乳化液の滴下終了後、80℃に保持して0.5時間熟成反応を行い、第2段目モノマーを1時間かけて滴下した。その後、80℃に1時間保ち、熟成を行い、室温に冷却した後、アンモニア水(25%)4部を反応容器内に投入し、水分散性樹脂組成物(合成樹脂エマルジョン;コア−シェル型エマルジョン)を得た。
得られた水分散性樹脂組成物100gに、ジルコニウム化合物として炭酸ジルコニウムアンモニウムの20%水溶液15gと、シランカップリング剤としてフェニルトリメトキシシラン2gと水20gの混合溶解液を添加し、プロペラ撹拌機にてよく撹拌して水分散性樹脂処理剤を調製した。
実施例2
実施例1において、シランカップリング剤フェニルトリメトキシシランの代わりに、同量のメルカプトプロピレントリメトキシシランを用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行い、水分散性樹脂処理剤を調製した。
実施例3
実施例1において、反応性界面活性剤(商品名「アデカリアソープSR−10」)(f1)の代わりに、同量の下記式(10)
Figure 2006052348
で表される反応性界面活性剤[商品名「アクアロンHS−10」、第一工業製薬(株)製](f2)を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして重合を行い、水分散性樹脂組成物を得、同様にして水分散性樹脂処理剤を調製した。
実施例4
実施例3において、シランカップリング剤フェニルトリメトキシシランの代わりに、同量のメルカプトプロピレントリメトキシシランを用いた以外は、すべて実施例3と同様の操作を行い、水分散性樹脂処理剤を調製した。
実施例5
実施例1において、仕込の反応性界面活性剤(商品名「アデカリアソープSR−10」)(f1)1.5部、水475gの代わりに、一般乳化剤[商品名「ニューコール707SF」(30%水溶液)、日本乳化剤(株)製](f3)5部、水471.5部を用い、第1段目モノマー乳化液の反応性界面活性剤(商品名「アデカリアソープSR−10」)(f1)4部、水134gの代わりに、一般乳化剤[商品名「ニューコール707SF」(30%水溶液)、日本乳化剤(株)製](f3)13部、水125部を用いた以外は、すべて実施例1と同様にして重合を行い、水分散性樹脂組成物を得、同様にして水分散性樹脂処理剤を調製した。
実施例6(一段乳化重合)
撹拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器を備えた通常のアクリル系樹脂エマルジョン製造用の反応容器に、水400部と前記式(9)で表される反応性界面活性剤[商品名「アデカリアソープSR−10」、旭電化工業(株)製](f1)1.5部を仕込み、75℃に昇温した。別途、次に示すモノマー、乳化剤及び水の混合液を高圧ホモジナイザーを用いて均一に乳化し、モノマー乳化液として滴下ロートに仕込んだ。
(モノマー乳化液)
反応性界面活性剤(f1) 4部
MMA(メタクリル酸メチル)(a1) 59部
SM(スチレン)(a2) 185部
2EHA(アクリル酸2−エチルヘキシル)(a3) 97部
MAA(メタクリル酸)(c1) 13部
2HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(d1) 13部
加水分解性シリル基含有重合性不飽和モノマー[商品名「A−174」、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、日本ユニカー(株)製](e1) 5部
GMA(グリシジルメタクリレート)(b1) 30部
水 209部
また、次に示す滴下用開始剤水溶液を別の滴下ロートに仕込んだ。
(滴下用開始剤水溶液)
過硫酸カリウム 1部
水 50部
次に、前記反応容器内に、前記モノマー乳化液の5%を添加し、75℃に加熱後、前記滴下用開始剤水溶液の5%を投入し、10分間プレ重合反応を行った。この間反応容器の内温は自動的に80℃に上昇した。その後、残りのモノマー乳化液及び滴下用開始剤水溶液を80℃で3時間かけて一定速度で同反応容器内に滴下した。滴下終了後、80℃に保持して1時間熟成反応を行い、室温に冷却した後、アンモニア水(25%)4部を反応容器内に投入し、水分散性樹脂組成物(合成樹脂エマルジョン;コア−シェル型エマルジョン)を得た。
得られた水分散性樹脂組成物100gに、ジルコニウム化合物として炭酸ジルコニウムアンモニウムの20%水溶液15gと、シランカップリング剤としてフェニルトリメトキシシラン2gと水20gの混合溶解液を添加し、プロペラ撹拌機にてよく撹拌して水分散性樹脂処理剤を調製した。
実施例7(一段乳化重合)
実施例6において、シランカップリング剤フェニルトリメトキシシランの代わりに、同量のメルカプトプロピレントリメトキシシランを用いた以外は、すべて実施例6と同様の操作を行い、水分散性樹脂処理剤を調製した。
比較例1
実施例1において、第1段目モノマーMMA29部、MAA10部の代わりに、MMA39部、MAA0部、第2段目モノマーMMA30部、MAA3部の代わりにMMA33部、MAA0部にした以外は、実施例1とまったく同様に乳化重合を行い、水分散性樹脂組成物を得、同様にしてジルコニウム化合物及びシランカップリング剤を混合して、水分散性樹脂処理剤を調製した。
比較例2
実施例1において、第1段目モノマーMMA29部、2HEMA10部の代わりに、MMA39部、2HEMA0部、第2段目モノマーMMA30部、2HEMA3部の代わりにMMA33部、2HEMA0部にした以外は、実施例1とまったく同様に乳化重合を行い、水分散性樹脂組成物を得、ジルコニウム化合物及びシランカップリング剤を混合して、水分散性樹脂処理剤を調製した。
比較例3
実施例1において、第1段目モノマーMMA29部、A−174を5部用いる代わりに、MMA34部、A−174を0部にした以外は、実施例1とまったく同様に乳化重合を行い、水分散性樹脂組成物を得、ジルコニウム化合物及びシランカップリング剤を混合して、水分散性樹脂処理剤を調製した。
比較例4
実施例1において、第2段目モノマーMMA30部、GMA30部の代わりに、MMA60部、GMA0部にした以外は、実施例1とまったく同様に乳化重合を行い、水分散性樹脂組成物を得、ジルコニウム化合物及びシランカップリング剤を混合して、水分散性樹脂処理剤を調製した。
比較例5
実施例1において、ジルコニウム化合物の炭酸ジルコニウムアンモニウムを用いなかった以外は、すべて実施例1と同様の操作を行い、水分散性樹脂処理剤を調製した。
比較例6
実施例1において、シランカップリング剤のフェニルトリメトキシシランを用いなかった以外は、すべて実施例1と同様の操作を行い、水分散性樹脂処理剤を調製した。
比較例7
実施例1において、ジルコニウム化合物の炭酸ジルコニウムアンモニウムとシランカップリング剤のフェニルトリメトキシシランを用いなかった以外は、すべて実施例1と同様の操作を行い、水分散性樹脂処理剤を調製した。
性能評価試験
実施例及び比較例において得られた各水分散性樹脂処理剤に、MFTが20℃以下になるように、ブチルセロソルブ水溶液を添加し、ガルバリウム鋼板の表面上に乾燥膜厚が1μmとなるように、#4バーコーターで塗装し、板温が80℃に達してから10秒乾燥後空冷し、24時間放置後、以下の各特性を測定した。結果を表1に示す。
(1)常態密着性
常温で塗膜の100目盛りゴバン目テープ試験を行い、常態密着性を測定した。ゴバン目の数100(分母)に対する剥離せずに残ったゴバン目の数(分子)による分数で表示した。
(2)発泡ウレタン密着性
塗膜上に発泡ポリウレタンを熱融着した後、剥離し、接着状態を観察した。
○;剥離時、発泡ポリウレタン部の凝集破壊が見られた
△;剥離時、発泡ポリウレタン部の凝集破壊と界面剥離とが共存していた
×;全面で界面剥離した
(3)耐蝕性(耐SS性)
塩水噴霧試験機にて塗装鋼板の耐ソルトスプレーテスト(SST)を240時間行い、塗面のブリスター、剥離状態等を観察した。
○;ブリスター、剥離等はほとんどなく、良好であった
△;ブリスター、剥離等が塗面の1/3以上、2/3未満発生した
×;ブリスター、剥離等が塗面の2/3以上又は全面発生した
(4)耐ブロッキング性
塗面同士を合わせて重ね、40℃で200Kg/cm2の荷重をかけ、7日間放置後、剥がし、固着状態を観察した。
○;固着なし
△;やや固着
×;固着
(5)耐沸騰水性
塗板の塗面以外の部分をパラフィンでシールした後、95℃の熱水に96時間浸漬し、塗面の軟化状態、ブリスターの発生状態等外観を目視判定した。
○;ブリスター等はなく外観は良好である
△;ブリスターの発生はあるものの、皮膜が金属に密着している
×;ブリスターが多量に発生し、皮膜が金属面より剥離している
(6)耐アルカリ性
塗板の塗面以外の部分をパラフィンでシールした後、20℃の1%水酸化ナトリウム水溶液に5時間浸漬し、塗面の外観変化、特に黒ずみ状態をもとの塗装前と比較し、目視判定を行った。
○;外観変化なく良好である
△;全体の20%程度が黒ずんでいる
×;全体の50%以上が黒ずんでいる
Figure 2006052348

Claims (10)

  1. 下記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する金属表面用水分散性樹脂処理剤。
    (A)エポキシ基、酸基、水酸基及び加水分解性シリル基のいずれも含有しない重合性不飽和モノマー(a)と、エポキシ基を有する重合性不飽和モノマー(b)と、酸基含有重合性不飽和モノマー(c)と、水酸基含有重合性不飽和モノマー(d)と、加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(e)とからなる不飽和単量体混合物が乳化重合された共重合体樹脂エマルジョンを含む水分散性樹脂組成物
    (B)ジルコニウム化合物
    (C)シランカップリング剤
  2. (A)成分において、エポキシ基を有する重合性不飽和モノマー(b)、酸基含有重合性不飽和モノマー(c)、水酸基含有重合性不飽和モノマー(d)、加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー(e)の使用量が、それぞれ重合性不飽和モノマー(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の総量に対して0.1〜10重量%である請求項1記載の金属表面用水分散性樹脂処理剤。
  3. (A)成分において、エポキシ基、酸基、水酸基及び加水分解性シリル基のいずれも含有しない重合性不飽和モノマー(a)が、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a-1)、又は前記アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a-1)と、スチレン系モノマー(a-2)、(メタ)アクリロニトリル(a-3)、及び多官能ビニル基含有重合性不飽和単量体(a-4)からなる群より選択された少なくとも1種のモノマーとの混合モノマーである請求項1記載の金属表面用水分散性樹脂処理剤。
  4. (A)成分における共重合体樹脂エマルジョンが、重合性不飽和モノマー(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の総量に対して0.3〜6重量%の反応性界面活性剤の存在下で不飽和単量体混合物が乳化重合された共重合体樹脂エマルジョンである請求項1記載の金属表面用水分散性樹脂処理剤。
  5. (A)成分における共重合体樹脂エマルジョンがコア・シェル型樹脂エマルジョンである請求項1又は4記載の金属表面用水分散性樹脂処理剤。
  6. (B)成分の固形分使用量が、(A)成分である水分散性樹脂組成物の固形分に対して0.1〜20重量%の範囲である請求項1〜5の何れかの項に記載の金属表面用水分散性樹脂処理剤。
  7. (C)成分の固形分使用量が、(A)成分である水分散性樹脂組成物の固形分に対して0.1〜10重量%の範囲である請求項1〜6の何れかの項に記載の金属表面用水分散性樹脂処理剤。
  8. 金属板の表面が請求項1〜7の何れかの項に記載の金属表面用水分散性樹脂処理剤により処理されている表面処理金属板。
  9. 金属板がガルバリウム鋼板である請求項8記載の表面処理金属板。
  10. 金属板表面における金属表面用水分散性樹脂処理剤の固形分付着量が0.2〜10g/m2である請求項8又は9記載の表面処理金属板。
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