JP2006052112A - 有機肥料およびその製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】 有機ゴミを再生利用した有機肥料特有の臭気発生を防止するとともに、肥料効果を向上させる。
【解決手段】 有機性廃棄物や食物残渣を含む有機ゴミから再生される有機肥料において、有機ゴミを乾燥・粉砕処理した乾燥有機肥料と生分解樹脂とを所定の割合で混合して射出成型により適宜の形状(例えば杭状)に成型された固形有機肥料体10を含み、固形有機肥料体10の表面11に焼成炭化層12を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 有機性廃棄物や食物残渣を含む有機ゴミから再生される有機肥料において、有機ゴミを乾燥・粉砕処理した乾燥有機肥料と生分解樹脂とを所定の割合で混合して射出成型により適宜の形状(例えば杭状)に成型された固形有機肥料体10を含み、固形有機肥料体10の表面11に焼成炭化層12を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、有機性廃棄物や食物残渣を含む有機ゴミから再生(リサイクル)される有機肥料およびその製造方法に関し、さらに詳しく言えば、射出成型法により有機ゴミを有機肥料に再生する技術に関するものである。
家庭ゴミや店舗ゴミなどを問わず、捨てられるゴミの量は年々増加する傾向にあり、ゴミを処理する場所や施設にも限りがあることから、ゴミの処理は大きな社会問題となっている。そのため、最近では食品リサイクル法が設けられ、食品メーカーなどの事業者に対しては、食品廃棄物の再生利用が義務づけられ、これを受けて業務用の生ゴミをリサイクル処理する各種の生ゴミ処理機などが開発されている。
また、生ゴミが有機肥料として利用できることに着目し、レストランなどの契約店舗の厨房に生ゴミ処理機を設置し、その生ゴミ処理機で生ゴミを乾燥・処理した乾燥処理品を回収し、乾燥処理品を肥料化して生産農家に提供するといった生ゴミ処理循環サービスも提供されるようになっている。
このような生ゴミ処理機としては、例えば特許文献1に提案されているように、有機廃棄物や食物残渣などの生ゴミを処理槽内で撹拌粉砕しながら加熱乾燥させて乾燥粉末を製造し、これからペレット状の有機肥料を製造するものがある。
上記特許文献1によって得られる粉末状,粒状の肥料は、複数種の生ゴミが混ぜ合わせられて製造されるため肥料としての質がよいが、通常は、地表に撒かれて使用されるためその発酵過程において有機肥料特有の臭気が発生し、追肥として広範囲に撒く場合には周辺の居住地区などに気配りを必要とする。
また、粉末状,粒状の肥料は雨水に流されやすいため、傾斜地などに撒かれた場合には有機肥料が傾斜地下部に集中的して流れてしまうといった問題があり、そのため、傾斜地上部には肥料効果がないにもかかわらず傾斜地下部が肥料過多となり、かえって作物などに悪影響を及ぼすといった使用上の問題もある。さらには、地表に撒くタイプの粉末状,粒状の肥料では、撒かれた肥料を物色して野生動物が入り込み、田畑などを荒らすといった問題も指摘されている。
そのため、特許文献2においては、生ゴミ処理機で処理された乾燥粉末を生分解樹脂と混合して射出成型により例えば杭状に固形化し、地中に埋め込むようにした有機肥料も提案されている。
しかしながら、上記特許文献2による有機肥料は、固形化にあたって射出成型条件を良くするため生分解樹脂の成分比率を多くしているため、地中で生分解樹脂が完全に分解されず、未分解樹脂がゴミとなって残るという環境上の問題がある。
また、地中に埋め込まれた有機肥料は、地中で発酵して炭酸ガスを発生するため、これが作物の根を傷めるといった問題も指摘されている。したがって、作物の根近傍には使用することができず、肥料としての質および使用性の問題もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、有機性廃棄物,食物残渣を含む有機ゴミを有機肥料として有効利用するにあたって、有機肥料特有の臭気を発生させることなく、かつ、地中に埋めても有機肥料としての品質を損なうことがない有機肥料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、有機性廃棄物や食物残渣を含む有機ゴミから再生される有機肥料において、上記有機ゴミを乾燥・粉砕処理した乾燥有機肥料と生分解樹脂とを所定の割合で混合して射出成型により適宜の形状に成型された固形有機肥料体を含み、上記固形有機肥料体の表面に焼成炭化層が形成されていることを特徴としている。
本発明において、上記乾燥有機肥料に含まれる水分が3重量%以下であり、上記乾燥有機肥料と上記生分解樹脂の混合比が上記乾燥有機肥料60〜70重量%に対して上記生分解樹脂40〜30重量%であることが好ましい。より好ましくは、上記乾燥有機肥料50〜70重量%に対して上記生分解樹脂50〜30重量%。
また、上記生分解樹脂としては、45重量%のポリプロピレン樹脂,45重量%の澱粉および9重量%の相溶性可塑ポリマーを主成分とし、残りの1重量%には分解促進剤,植物性油脂および/または糖類が含まれる生分解樹脂が好ましく採用される。また、本発明の有機肥料は射出成型によって種々の形態に成型できるが、地中に埋め込み容易な杭状に形成されることが好ましい。
本発明には上記有機肥料の製造方法も含まれる。本発明の製造方法は、上記有機ゴミを乾燥・粉砕処理して含水量が3重量%以下の乾燥有機肥料とした後、上記乾燥有機肥料に生分解樹脂を所定の割合で混練してペレットを作製し、上記ペレットを射出成型法により金型内に射出成型して表面に焼成炭化層を有する所定形状の固形有機肥料体を得ることを特徴としている。
上記固形有機肥料体の表面に焼成炭化層を形成するにあたって、上記ペレットを160〜190℃にて溶融するとともに、上記金型の温度を160〜190℃に保つことが好ましい。
本発明に係る有機肥料によれば、乾燥有機肥料と生分解樹脂との混合物を射出成型してなる固形有機肥料体の表面に焼成炭化層が形成されているので、その焼成炭化層が有する臭気吸着作用により有機肥料特有の臭気の発生を防止することができる。
さらに、地中に埋めて使用した場合には、焼成炭化層の効果で酸性土壌をアルカリ性土壌にすることもでき、肥料としての効果をより向上させることができる。また、焼成炭化層は地中での水分調整の役割をも果たし、生分解樹脂の分解速度をコントロールすることができる。そして分解速度のコントロールにより、生分解樹脂がバクテリアなどに侵され分解する速度を調整できるため、樹脂ゴミを残すことなく完全に分解されることから、肥料としての効果をさらに向上させることができる。
本発明の製造方法によれば、乾燥有機肥料と生分解樹脂とを所定の割合で混練してペレットを作製し、これを射出成型することにより、表面に焼成炭化層を有する有機肥料の成型品を得ることができる。また、射出成型であることから成型品の量産が可能であり、これにより排出される有機ゴミを大量に処理できる。
以下、図面を参照して、本発明の有機肥料およびその製造方法について説明する。図1は本発明による有機肥料の成型品の一例を模式的に示す斜視図であり、図2は本発明に係る有機肥料の製造過程を概略的に示すフローチャートである。
本発明の有機肥料は、射出成型により任意の形状に成型可能であるが、図1に好ましい例として地中に埋め込んで使用するために杭状に形成された有機肥料1の成型品を示すとともに、図2を参照して本発明による有機肥料1の製造方法を説明する。
有機肥料1を製造するにあたっては、図示しない生ゴミ処理槽内に有機廃棄物や食物残渣などの有機ゴミを投入し、有機ゴミを生ゴミ処理槽内で粉砕・撹拌した後、加熱・乾燥して乾燥粉末に加工する(ステップST1,ST2)。なお、上記生ゴミ処理槽(機)としては例えば高木産業社製の商品名「パーパス」などがある。
回収した生ゴミは、その回収先(例えばレストランやホテル,鮮魚売り場,野菜売り場など)によって成分が異なるため、次に乾燥粉末を肥料化プラントに移し、有機肥料としての成分調整を行う(ステップST3)。この場合、成分調整された有機肥料は12〜14重量%程度の水分を含んでいるため、さらに乾燥し含水分量が3重量%以下の乾燥有機肥料とする(ステップST4,ST5)。これは、射出成型時に水分がシリンダ内でガス化して予期しない圧力となり、成型不良となるのを防ぐためである。
そして、乾燥有機肥料を生分解樹脂と混練して図示しない射出成型機に投入可能なペレットを作製する(ステップST6〜ST9)。用いる生分解樹脂の成分は、PP(ポリプロピレン)樹脂45重量%,澱粉45重量%,相溶性可塑ポリマー9重量%で、残部が微量の分解促進剤,植物性油脂および/または糖類であることが好ましい。
また、乾燥有機肥料と生分解樹脂の混合割合は、地中での分解能などを考慮して乾燥有機肥料60〜70重量%に対して生分解樹脂40〜30重量%であることが好ましい。より好ましい混合割合は、乾燥有機肥料50〜70重量%に対して生分解樹脂50〜30重量%である。
上記ペレットを射出成型機にて加熱溶融し図示しない金型内に射出して、例えば図1に示すような杭状の固形有機肥料体10を成型する(ステップST10)。そして、金型から固形有機肥料体10を取り出して冷却する際、ひび割れなどを起こさないように水分調整しながら乾燥して有機肥料による最終成型品を得る(ステップST11,ST12)。なお、ステップST11での水分調整は任意に実施されてよい。
上記ペレットを射出成型する際、固形有機肥料体10の表面11に焼成炭化層12を形成するには、ペレットを160〜190℃にて溶融するとともに、金型の温度を160〜190℃に保つようにすればよい。これにより、固形有機肥料体10のほぼ全面にわたって焼成炭化層12を均一に形成することができる。
なお、別の例として、射出成型後に固形有機肥料体10を例えばガスバーナーなどで炙ってその表面を焦がして焼成炭化層12を形成することもできる。このような態様も本発明に含まれる。
本発明の有機肥料は種々の形状に成型されてよいが、図1に示す杭状とした場合においては、地中に簡単に差し込むことができるため、例えば、傾斜地などに使用される場合であっても雨水に流されることがなく、地中に差し込んだ位置で肥料効果を十分に発揮することができる。
また、固形有機肥料体10の表面11に形成される焼成炭化層12は、有機肥料特有の臭気を防止する役割を果たすとともに、生分解樹脂の分解速度をコントロールし、土壌に対する肥料効果を発揮することができるため、有機肥料の使用性および品質の向上を図ることができる。
1 有機肥料
10 固形有機肥料体
11 表面
12 焼成炭化層
10 固形有機肥料体
11 表面
12 焼成炭化層
Claims (6)
- 有機性廃棄物や食物残渣を含む有機ゴミから再生される有機肥料において、
上記有機ゴミを乾燥・粉砕処理した乾燥有機肥料と生分解樹脂とを所定の割合で混合して射出成型により適宜の形状に成型された固形有機肥料体を含み、上記固形有機肥料体の表面に焼成炭化層が形成されていることを特徴とする有機肥料。 - 上記乾燥有機肥料に含まれる水分が3重量%以下であり、上記乾燥有機肥料と上記生分解樹脂の混合比が上記乾燥有機肥料60〜70重量%に対して上記生分解樹脂40〜30重量%である請求項1に記載の有機肥料。
- 上記生分解樹脂は、45重量%のポリプロピレン樹脂,45重量%の澱粉および9重量%の相溶性可塑ポリマーを主成分とし、残りの1重量%には分解促進剤,植物性油脂および/または糖類が含まれる請求項1または2に記載の有機肥料。
- 上記固形有機肥料体は地中に埋め込み容易な杭状に形成される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の有機肥料。
- 有機性廃棄物や食物残渣を含む有機ゴミから再生される有機肥料の製造方法において、
上記有機ゴミを乾燥・粉砕処理して含水量が3重量%以下の乾燥有機肥料とした後、上記乾燥有機肥料に生分解樹脂を所定の割合で混練してペレットを作製し、上記ペレットを射出成型法により金型内に射出成型して表面に焼成炭化層を有する所定形状の固形有機肥料体を得ることを特徴とする有機肥料の製造方法。 - 上記固形有機肥料体の表面に焼成炭化層を形成するにあたって、上記ペレットを160〜190℃にて溶融するとともに、上記金型の温度を160〜190℃に保つ請求項5に記載の有機肥料の製造方法。
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JP2004235737A JP2006052112A (ja) | 2004-08-13 | 2004-08-13 | 有機肥料およびその製造方法。 |
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JP (1) | JP2006052112A (ja) |
Cited By (1)
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KR101483913B1 (ko) | 2014-08-08 | 2015-01-16 | 장종엽 | 기능성 식물 생장촉진 스틱 |
-
2004
- 2004-08-13 JP JP2004235737A patent/JP2006052112A/ja not_active Withdrawn
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