JP2006049483A - 静電吸着装置および電子源の製造装置 - Google Patents

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Kazuhiro Oki
一弘 大木
Shigeto Kamata
重人 鎌田
Akihiro Kimura
明弘 木村
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Abstract

【課題】 比較的大型化の電子源形成用基板を単体の静電吸着装置で吸着可能にするとともに電子源形成用基板の均熱性を良好に確保する。
【解決手段】 基材1と、この基材1上に設けられた絶縁層2、この絶縁層2上に設けられた電極層3、この電極層3を被覆するように設けられた誘電体層4を有しこの誘電体層4に載置された電子源形成用のガラス基板10を吸着保持する静電吸着部36とを備える。そして、基材1には、静電吸着部36に吸着保持された電子源形成用のガラス基板10の温度を調整するための温調媒体の流路20aおよびヒータ20bが設けられる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電子源形成用基板を吸着保持するための静電吸着装置、および電子源形成用基板に電子源を製造するための電子源の製造装置に関する。
近年、大型かつ薄型の画像表示装置の供給が進むにつれて、このような画像表示装置に用いる電子源が形成されるガラス基板が被加工物となることが多くなり、そこで必要となる大型のガラス基板を加工処理時に吸着保持するための吸着装置にも大型化が求められている。
しかし、従来のAl23、AlN等のセラミックス製の静電吸着装置の場合、製造装置等の問題から、比較的大型の静電吸着装置の製造が困難な状況にある。そのため、分割された複数の静電吸着装置を使用する場合があったが、この場合、電子源の製造プロセスに悪影響を及ぼすという問題があった。
この問題の対策としては、アルミニウム等からなる基材上に、絶縁層、電極層および誘電体層等を溶射や蒸着によって形成する方法が開示されており(特許文献1参照。)、この方法を用いることで、比較的大型の静電吸着装置を得ることが可能である。
特開昭59−152636号公報
近年、画像表示装置に用いられる電子源の製造工程の多様化に伴い、その製造プロセスもより一層過酷な条件となってきており、高温が必要な製造プロセスも必要となってきている。そのため、電子源の製造工程で、高温の製造プロセス時の、被吸着物であるガラス基板の均熱性が非常に重要な問題になりつつある。しかしながら、特許文献1に開示されているような従来の静電吸着装置では、高温の製造プロセス時に、ガラス基板の均熱性を良好に確保することが困難であった。
また、上述したように、溶射法によって基材上の表層構造が形成される従来の静電吸着装置では、基材にはアルミニウム等が用いられており、比較的高温で使用した場合、基材とこの基材上に溶射によって形成された各層とが、熱膨張の差により剥離するといった問題もあった。
そこで、本発明は、比較的大型化の電子源形成用基板を単体の静電吸着装置で吸着可能にするとともに、比較的高温の製造プロセス時にも、電子源形成用基板の均熱性を良好に確保することができる静電吸着装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、比較的高温の製造プロセス時に、基材とこの基材上に形成された各層とが剥離することを防止できる静電吸着装置および電子源の製造装置を提供することをも目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明に係る静電吸着装置は、
基材と、
この基材上に設けられた絶縁層と、この絶縁層上に設けられた電極層と、この電極層を被覆するように設けられた誘電体層とを有し、この誘電体層に載置された電子源形成用基板を静電気力で吸着保持する静電吸着手段とを備える。そして、基材には、静電吸着手段に吸着保持された電子源形成用基板の温度を調整するための温度調整手段が設けられる。
以上のように構成された本発明に係る静電吸着装置によれば、基材にそれぞれ積層された絶縁層、電極層、誘電体層を有する静電吸着手段を備えることで、誘電体層と電子源形成用基板との間に生じる静電気力によって、比較的大型化の電子源形成用基板を静電吸着手段で吸着可能になる。また、本発明に係る静電吸着装置によれば、静電吸着手段に吸着保持された電子源形成用基板が、温度調整手段によって温度が調整されため、電子源形成用基板の均熱性が良好に確保される。
上述したように本発明によれば、比較的大型化の電子源形成用基板を単体の静電吸着装置で吸着可能にするとともに、比較的高温の製造プロセス時にも、電子源形成用基板の均熱性を良好に確保することができる。したがって、本発明によれば、電子放出特性の再現性に優れた電子源を製造することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、電子源の製造装置を図面を参照して説明する。
図1に本実施形態に係る電子源の製造装置の断面図を示し、図2に電子源の製造装置の要部の斜視図を示す。
図1および図2に示すように、本実施形態の電子源の製造装置は、電子源が形成されるガラス基板10を吸着保持する静電吸着装置を構成する支持体11を備えている。電子源形成用のガラス基板10は、電子放出部が形成される導電体6と、互いに交差して設けられたX方向配線7およびY方向配線8と、取り出し配線30とを有している。
また、この電子源の製造装置は、電子源を形成するための処理空間をなす真空容器12と、この真空容器12内にガスを導入するための導入口15と、真空容器12内のガスを排気するための排気口16と、真空容器12とガラス基板10との間隙を封止するシール部材18と、水素ガスまたは有機物質ガスであるガスを供給するためのボンベ21と、キャリアガスを供給するためのボンベ22と、真空容器12内に導入されたガスを拡散するための拡散板19とを備えている。拡散板19には、複数の開口部33が設けられている。
さらに、この電子源の製造装置は、水分除去フィルター23、ガス流量制御装置24、バルブ25a〜25f、真空ポンプ26、真空計27、配管28、電源および電流制御系からなる駆動ドライバー32、ガラス基板10の取り出し配線30と駆動ドライバー32とを電気的に接続する取り出し配線31、等を備えている。
また、支持体11には、後述するように、この支持体11上に電子源形成用のガラス基板10を吸着保持するための静電吸着手段である静電吸着部36と、ガラス基板10の温度を調整するための温調媒体の流路20aおよびヒータ20bがそれぞれ設けられている。
真空容器12は、ガラス材やステンレス材からなり、真空容器12からの放出ガスが少ない材料からなるものが好ましい。真空容器12は、ガラス基板10の取り出し配線30を除き、導電体6が形成された領域を覆い、かつ、少なくとも、1.33×10-1Pa(1×10―3Torr)から大気圧までの圧力範囲に耐えられる構造のものである。
シール部材18は、ガラス基板10と真空容器12との間の気密性を保持するためのものであり、例えばOリングやゴム製シート等が用いられる。
ボンベ21は、導電体6に通電処理が行われる際に、真空容器12内に例えば還元性を有する水素ガスを導入する。還元性ガスの雰囲気下、導電体6に通電することで、ガラス基板10上の導電体6には亀裂等の高抵抗部が形成される。また、ボンベ21としては、有機物質ガスのボンベが用いられてもよい。そして、導電体6に通電処理が行われる際に、真空容器12内に、ボンベ22から例えば窒素やヘリウム等のキャリアガスが有機物質ガスと共に導入される。有機物質ガスの雰囲気下、亀裂等の高抵抗部が形成された導電体6に通電することで活性化され、導電体6に電子放出部が形成される。
有機物質ガスを導入する際には、ボンベ21,22からそれぞれ供給される有機物質ガスとキャリアガスとが一定の割合で混合されて、この混合ガスが真空容器12内に導入される。有機物質ガスとキャリアガスの各流量および混合比は、ガス流量制御装置24によって制御される。ガス流量制御装置24は、マスフローコントローラおよび電磁弁等を有して構成されている。これらの混合ガスは、必要に応じて配管28の周囲に設けられた図示しないヒータによって適当な温度に加熱された後、導入口15から真空容器12内に導入される。混合ガスの加熱温度は、電子源形成用のガラス基板10の温度と同等にすることが好ましい。
なお、配管28の途中には、図1に示すように、水分除去フィルター23が設けられて、導入ガス中の水分が除去されるようにすると更に好ましい。水分除去フィルター23としては、例えばシリカゲル、モレキュラーシーブ、水酸化マグネシウム等の吸湿材が用いられる。
真空容器12内に導入された混合ガスは、排気口16を通じて、真空ポンプ26により一定の排気速度で排気され、真空容器12内の混合ガスの圧力が一定に保持される。真空ポンプ26としては、例えばドライポンプ、ダイヤフラムポンプ、スクロールポンプ等の低真空用ポンプが用いられ、特にオイルフリーポンプが好適である。
また、真空容器12の導入口15とガラス基板10との間に拡散板19が配置されることで、混合ガスの流れが制御され、ガラス基板10全面に均一に有機物質が供給されるため、電子放出素子の均一性が向上する。
ガラス基板10の取り出し配線30,31は、真空容器12の外部に設けられており、TAB配線やプローブ等を介して駆動ドライバー32に電気的に接続され、この駆動ドライバー32によって通電処理が行われる。
本実施形態は、真空容器12は、電子源が形成されるガラス基板10上の導電体6のみを覆えばよいため、電子源の製造装置の小型化が可能である。また、ガラス基板10の配線部が真空容器12外に配置されているため、ガラス基板10と、このガラス基板10に通電するための電源装置(駆動ドライバー)との電気的な接続を容易に行うことができる。
次に、本発明の特徴である支持体11の構成について、図面を参照して説明する。図3に支持体の断面図を示す。
図3に示すように、支持体11は、基材1と、この基材1上に形成された静電吸着部36とを備えている。
基材1には、ガラス基板10の温度を調整するための温調媒体の流路20aが形成されており、ガラス基板10の温度を調整するためのヒータ20bが埋設されている。なお、温調媒体の流路20aとヒータ20bは、ガラス基板10の温度を調整するのに充分であれば、いずれか一方のみを備える構成でも良い。
ここで、温調媒体とは、ガラス基板10の冷却を行うための冷媒、または、ガラス基板10の加熱を行うための熱媒を指しており、所望の温度に制御された、水、油、不活性液体等の液体や、空気、不活性ガス等の気体が用いられ、流路20aに沿って循環する。
また、ヒータ20bは、線状または面状のヒータであり、制御された通電により発熱する。さらに、支持体11は、基材1上に、溶射により形成された絶縁層2と、この絶縁層2の上に溶射により形成された電極層3と、この電極層3を被覆するように電極層3上に溶射により形成された絶縁層4とを備えている。
また、基材1には、厚み方向に跨って導電性材料からなる給電ピン5が設けられており、この給電ピン5が電極層3と導通されている。給電ピン5の外周部には、給電ピン5と基材1とを絶縁するための絶縁管9が設けられている。これら給電ピン5と絶縁管9とにより、電極層3に電荷を供給する給電端子37が構成されている。
ここで、給電ピン5を高圧電源(不図示)に電気的に接続し、給電ピン5に、例えば200V以上の高電位を印加することで、電極層3に電荷がたまり、この電極層3と対向するガラス基板10の裏面全体にも、電極層3の電荷と反対の電荷が発生し、電極層3とガラス基板10との間に静電気力が発生し、この静電気力でガラス基板10が支持体11上に吸着される。
また、支持体11やガラス基板10の温度を制定装置(不図示)で測定し、この測定結果に基づいて、上述した流路20a内を流通させる冷媒や熱媒の温度、またはヒータ20bの出力を制御することによって、支持体11およびこの支持体11上に載置されているガラス基板10の温度を制御することができる。
また、このような支持体11の表面、すなわち誘電体層4上の載置部14は、凹凸形状、いわゆるエンボス形状が形成されていることが好ましい。図4に、支持体の載置部の斜視図を示す。図4に示すように、載置部14のエンボス形状は、載置部14上に載置される電子源形成用のガラス基板10と当接する当接面17の面積が、載置部14の全面積の20〜80%となるように形成されていることが好ましい。20%未満の場合には、当接面17を介して、ガラス基板10から誘電体層4側への熱伝導性が低減し、80%を越える場合には、ガラス基板10と当接面17との接触性が低減する。
これにより、単一の支持体11によって、比較的大型のガラス基板10を平坦に保って吸着するとともに、高温の製造プロセス時においてもガラス基板10の均熱性を良好に確保することができる。
なお、エンボス形状とは、図4に示すように、頂部が平坦な凸部13が載置部14の全域に亘って形成され、かつこの凸部13の高さが揃えられた浮き彫り状の形状を指している。凸部13は、平坦な頂部上にガラス基板10が載置されるため、この部分がガラス基板10に当接する載置部14の当接面17となる。
凸部13は、図4に示したように不連続に複数に分割されて形成されていても良く、あるいは載置部14の全域に亘って連続的に形成されていても良いが、載置されるガラス基板10の均熱性の確保を考慮すると、図4に示したように不連続に複数に分割して形成されていることが好ましい。
エンボス形状を構成する凸部13は、高さが10μm〜100μm程度にされており、ガラス基板10を平坦な状態に支持する必要があるため、載置部14の全域に亘ってほぼ均一に凸部13が配置されていることが好ましい。
なお、本発明におけるエンボス形状は、図4に示した形態に限らず、比較的大型のガラス基板と当接する当接面17の面積が、載置部14の全面積の20〜80%の範囲の当接面積を有していれば良い。したがって、凸部13の当接面17の形状は、図4に示すような円形の他にも、角形、多角形や、載置部を横切って平行に並べられた長尺形等が挙げられるが、これらの形状に限定されるものではない。
また、凸部13の当接面17の大きさは、例えば円形等で複数個に分割されて形成される形状であれば、直径がφ1.5μm〜φ10μm程度、長尺形状等であれば、短辺方向の寸法が1.5mm〜10mm程度であることが好ましい。さらに、凸部13の側面は、図4に示したように基材1の主面に垂直に形成された直立状である必要はなく、基材1の主面に対して傾斜して形成されてもよい。
また、本実施形態では、基材1の20〜200℃における平均の熱膨張係数と、この基材1の上部に積層される絶縁層2、誘電体層4といった各層の20〜200℃におけるそれぞれ平均の熱膨張係数との差が2×10-6/℃以下であることが好ましい。こうすることで、350℃程度までの高温で使用した場合に、各層間で熱膨張の差による剥離が生じることを防ぐことができる。
さらに、本実施形態では、給電端子37の20〜200℃における平均の熱膨張係数と、基材1の20〜200℃における平均の熱膨張係数との差が2×10―6/℃以下であることが好ましい。こうすることで、350℃までの高温で使用した場合に、給電端子37を構成する材質と基材1との熱膨張の差によって、給電ピン5の突き上げ現象等の変位によるクラック等が発生することを抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、静電吸着部36の誘電体層4とガラス基板10との当接面17の表面粗さRaが、1.0μm以下であって、0.8μm以下であることが好ましい。表面粗さRaが1.0μmを超えた場合には、静電吸着力が低下するために好ましくない。
上述したように、電子源の製造装置によれば、基材1にそれぞれ積層された絶縁層2、電極層3、誘電体層4を有する支持体11を備えることで、比較的大型化のガラス基板を単体の支持体11で吸着可能になる。また、この電子源の製造装置によれば、支持体11に吸着保持されたガラス基板10が、流路20aおよびヒータ20bによって温度が調整されため、ガラス基板10の均熱性が良好に確保される。したがって、電子源の製造装置によれば、電子放出特性の再現性に優れた電子源を製造することができる。
また、この電子源の製造装置によれば、複数の電子放出素子を備える電子源において、個々の電子放出素子の電子放出特性の均一性に優れた電子源を製造することができる。
また、この電子源の製造装置によれば、比較的高温の製造プロセス時に、基材1とこの基材1上にそれぞれ積層された各層2,3,4とが剥離することを防止することができる。
次に、他の実施形態の支持体について説明する。
図5は他の実施形態の支持体を示す断面図である。本実施形態と図4に示した上述の実施形態との相違点は、支持体において、基材1がGNDに接地されている点と、導電体からなる電気コンタクト端子41が設けられている点であり、これら以外の構成は、上述した実施形態と同様であるため、同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、支持体51は、基材1が接地されており、各層を貫通して基材1に電気コンタクト端子41が設けられている。電気コンタクト端子41は、電極層3と絶縁されており、支持体51のガラス基板10が載置される載置面に対して垂直方向に伸縮可能に設けられている。
支持体51上にガラス基板10を載置した際に、電気コンタクト端子41が基材1の厚み方向である上下方向に縮み、接地された基材1とガラス基板10とが電気的に接触されて導通がとれる。したがって、ガラス基板が金属等からなる低抵抗体である場合や、裏面に導電膜が形成されたガラス基板である場合には、給電ピン5に高電圧を印加して、高電位となった電極層3と対向するガラス基板10の裏面全体にも直ちに電荷を移動させることができるので、吸着力を向上することができる。
なお、本実施形態において、給電ピン5に高電位を印加して、基材1を接地する構成にされたが、逆に給電ピン5を接地し、基材1に高電位を印加するように構成されても良い。
最後に、上述した支持体11の製造方法を説明する。
まず、基材1となる材料を用意する。基材1上には、セラミックスからなる絶縁層2およびセラミックスからなる誘電体層4を溶射法によりそれぞれ形成するため、これらセラミックス層との熱膨張の差を考慮して、基材1の材料を選定する必要がある。この基材1としては、例えばインバーやコバルト合金等の低熱膨張合金、あるいは金属−セラミックス複合材料(MMC)等を、この基材1上に設けられる各層の熱膨張係数を考慮して選択するのが好ましい。
また、基材1には、温調媒体が流動する流路20a、およびヒータ20bがそれぞれ設けられる。温調媒体の流路20aは、例えば、基材1とその熱膨張係数が等しい材料からなる金属管を埋設して構成され、また、ヒータ20bは、線状あるいは面状の通電導体を埋設して構成される。
次に、基材1に、この基材1の上部に形成される電極層3へ給電するための給電端子37を接着する。給電端子37としては、基材1と、さらに好ましくは基材1の上部に形成される各層2,3,4共に、熱膨張係数を揃えるために、図4に示したように、給電ピン5として低熱膨張合金、MMC等を用い、これに酸化アルミニウム等を溶射して作製したものや、給電ピン5をマシナブルセラミックス等からなる絶縁管9に接着した構造のもの等を用いることが好ましい。この場合、給電ピン5および絶縁管9、すなわち給電端子37の20〜200℃における平均の熱膨張係数と、基材1の20〜200℃における平均の熱膨張係数との差を2×10-6/℃以下とすることが望ましい。これによって、高温時に給電ピン5の材質による突き上げ現象が生じたときに、基材1上の各層2,3,4にクラック等が発生することを抑制することが可能となる。なお、図5に示した電気コンタクト端子41もまた、上述した給電端子37と同様に形成される。
続いて、基材1の表面を酸化アルミニウム、炭化ケイ素等のブラスト材料を用いて表面を均一に粗面化すると共に洗浄する。その後、基材1との密着性を考慮してアンダーコート層として、例えばニッケル、アルミニウム、クロム、コバルト、モリブデン等の金属からなる層、またはそれぞれがこれらの金属からなる複数の層を溶射法によって形成する。このアンダーコート層の形成は、使用環境によって適宜実施し、必ずしも必要なものではない。その後、このアンダーコート層の上面に、プラズマ溶射法等によって、酸化アルミニウム等からなるセラミックス層である絶縁層2を形成する。
次に、この絶縁層2に封孔処理を施す。この封孔処理は、絶縁層2への封孔処理剤の含浸を完全なものにするためである。この工程での封孔処理は、使用環境によって適宜実施し、必ずしも必要なものではない。
続いて、絶縁層2の上面にプラズマ溶射法等によって電極層3を形成する。電極層3としては、ニッケル、タングステン、アルミニウム等が好ましく使用できる。電極層3の厚さとしては、30〜100μm程度が好ましい。電極層3の厚さが30μmよりも薄い場合には、層が均一に形成されず、吸着力にムラが生じやすくなり、100μmよりも厚い場合には、電極層3と絶縁層2との間の段差が大きくなり、上部に形成される誘電体層4の耐電圧特性が低下するため、好ましくない。
その後、この電極層3の上面に、プラズマ溶射法等で酸化アルミニウム−5重量%酸化チタン等からなるセラミックス層である誘電体層4を形成して静電吸着部36とする。
次に、プラズマ溶射法によって形成された誘電体層4内のポアーを充填する封孔処理を施す。使用する封孔処理剤としては、例えばシリカゾル、アルミナゾル、マグネシアゾル等のコロイダル状のスラリー、あるいは、SiO2、Al23、TiO2等の金属アルコキシド系ポリマーおよびこれらのポリマーとマラミン、アクリル、フェノール、フッ素、シリコン、アクリル樹脂等の各種樹脂を含有するものを使用することができる。
なお、絶縁層2および誘電体層4の厚さは、100〜500μm程度が好ましい。100μmよりも薄い場合には、耐電圧が低くなり絶縁破壊が起こりやすく、500μmよりも厚い場合には、電極層3と基材1との熱膨張の差が顕著になり、熱衝撃による亀裂や破損が生じやすく、しかも吸着力も低下するので好ましくない。
また、絶縁層2をなすセラミックスの種類としては、最も一般的なものは酸化アルミニウムであるが、これに限定されるものではなく、基材1との熱膨張の差等を考慮し、セラミックスの種類を適宜選択すればよい。また、誘電体層4をなすセラミックスの種類としては、最も一般的なものは酸化アルミニウム−酸化チタン系のものであるが、これに限定されるものではなく、必要な特性、例えば、高い誘電率が必要であれば、必要な誘電率の大きさに応じてセラミックスの種類を適宜選べばよい。
次に、誘電体層4の表面に研削加工、ラップ処理を施し、誘電体層4の表面粗さRaを1.0μm以下にする。その後、ブラスト処理を行い、載置部14を上述のエンボス形状に形成する。最後に、先程と同様の封孔処理を施す。
以上のような方法で支持体11を作製すれば、350℃までの高温で使用が可能で耐電圧特性が極めて優れ、被吸着物であるガラス基板10の均熱性を良好に確保することにも優れ、さらには熱膨張の差によって、基材1上に設けられた各層2,3,4が剥離することも防止され、温度調整部をなす流路20aおよびヒータ20bと、静電吸着部36とが一体に設けられた支持体11が得られる。
本実施形態の電子源の製造装置を模式的に示す断面図である。 電子源の製造装置の要部を模式的に示す斜視図である。 支持体を模式的に示す断面図である。 上記支持体の載置部の形状の一例を示す斜視図である。 他の実施形態の支持体を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 基材
2 絶縁層
3 電極層
4 誘電体層
10 ガラス基板
20a 流路
20b ヒータ
36 静電吸着部

Claims (9)

  1. 基材と、
    前記基材上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層上に設けられた電極層と、前記電極層を被覆するように設けられた誘電体層とを有し、前記誘電体層に載置された電子源形成用基板を静電気力で吸着保持する静電吸着手段とを備え、
    前記基材には、前記静電吸着手段に吸着保持された前記電子源形成用基板の温度を調整するための温度調整手段が設けられている静電吸着装置。
  2. 前記温度調整手段は、前記基材内に設けられ前記電子源形成用基板の温度を調整するための温調媒体の流路を有する請求項1に記載の静電吸着装置。
  3. 前記温度調整手段は、前記基材に埋設され前記電子源形成用基板の温度を調整するためのヒータを有する請求項1または2に記載の静電吸着装置。
  4. 前記基材と、前記絶縁層および前記誘電体層との、20〜200℃における平均の熱膨張係数の差が2×10-6/℃以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の静電吸着装置。
  5. 前記電極層に給電するための給電端子を備え、
    前記基材と前記給電端子との、20〜200℃における平均の熱膨張係数の差が2×10-6/℃以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の静電吸着装置。
  6. 前記誘電体層は、前記電子源形成用基板が載置される載置部を有し、該載置部の全面積の20〜80%の範囲内で、該載置部に、前記誘電体層と前記電子源形成用基板とが当接する当接面を形成するエンボス形状が設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電吸着装置。
  7. 前記当接面は、表面粗さRaが1.0μm以下である請求項6に記載の静電吸着装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の静電吸着装置を備え、
    前記静電吸着装置は、電子源を形成するための前記電子源形成用基板を吸着保持する電子源の製造装置。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の静電吸着装置を用いて、前記電子源形成用基板を前記誘電体層上に吸着保持するとともに、該電子源形成用基板の温度を調整しながら、該電子源形成用基板上に電子源を形成することを特徴とする電子源の製造方法。

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