JP2006048843A - 光ディスク及び光ディスクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録マークの短小化及びTPの狭小化が進められている追記型光ディスクにおいて、再生信号に基づく変調度を増大させる手段を提供すること。
【解決手段】 所定の高さ(h)のランド11間に、ランド11を含む断面凸型の円弧形状13の底面を有するグルーブ12が形成された基板1と、基板1上に設けられ、光照射により光情報の記録又は再生が行われる有機色素を含有する記録層と、を備え、円弧形状13の底面の最大高さ(q)が、ランド11の高さ(h)の3%〜20%の範囲である光ディスクは、レーザ光照射時の熱による基板1の変形が大きくなり、再生信号に基づく変調度を大きくすることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光ディスク等に関し、より詳しくは、変調度が大きい光ディスク等に関する。
1980年代、レコードプレーヤー(以下、LP)に変わる媒体としてコンパクトディスク(以下、CD)が発売され、その後、急速に普及した。CDは、LPに比べ、非接触で再生可能であり、対振動性に優れ、また、ハードディスクに比べて軽く可換可能な媒体であることが普及の大きな利点である。また、CDは、それまで使用されていた1.44MBの記憶容量を持つフレキシブルディスク(以下、FD)に比べ、640MBという大容量であり、コンピュータ用の頒布媒体としても大きな役割を果たした。
CDは、スタンパと呼ばれる金属板の表面を樹脂で転写する事によって作製され、大量生産により非常に安価で作製することが可能である。通常、1つのスタンパで、数万〜数十万枚の樹脂基板が作製され、その基板上に反射層と保護層とを作製することでディスクが完成する。
また、CDと互換性のある追記型光ディスクであるCD−Rが開発された。これは、反射率が70%以上、光情報の未記録部と記録部の反射率の差に対応する信号の変調度が60%以上というCD−DAやCD−ROMの特性を、有機色素や金属膜によって解決した媒体である。追記型光ディスクは、ディスクの製造工程が他の書き換え可能なディスクより簡単で、安価に作製できるという特徴がある。また、1度しか書き込みができない為、大切なデータが書き換えられる可能性がないという特徴も有している。
CD−Rの構成は、樹脂基板上に記録層があり、その上に反射層、保護層が作製してある。光情報を記録する際には、基板側から入射するレーザ光により加熱された記録層の一部分が溶解または分解し、このとき、記録層と供に基板も変形する。これにより、光情報が記録された記録部では、光照射に対する屈折率が減少し、光情報が記録されない未記録部の反射率65%以上という仕様に比べて、レーザ反射光が大幅に低下し、大きな変調度が得られる。
近年、コンピュータソフトの容量は大きくなり、またAV面でも映像をディスクに記録する要求が高くなり、CDやCD−Rでは容量不足になってきた。そこで近年CDから、さらに記憶容量の大きなデジタル・バーサタイル・ディスク(以下、DVD)が使用されるようになってきた。DVDにおいても再生専用のDVD−ROMの他に追記型のDVD+R、DVD−R、書き換え可能なDVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMなどが開発された。追記型のDVD−Rは、CD−R同様にほとんどの場合、有機色素が用いられ基本的にはCD−Rと同様の層構造を有している(特許文献1参照)。
特開2001−110096号公報
ところで、近年、光ディスクの記録密度を向上させるため、記録マークの短小化及びトラックピッチ(以下、TP)の狭小化が進められている。例えば、従来のCD−Rでは、TPは1.5μm〜1.6μmであるのに対し、DVD−Rでは、TPはCD−Rの半分程度の0.74μmになっている。このため、有機色素を含有する記録層を備える光ディスクの場合は、記録マークの短小化及びTPの狭小化により、記録層の中の光照射により変質する部分と、基板における記録層の発熱変化により変形する部分とが、従来に比べて著しく小さくなり、この結果、光情報が記録される部分(記録部)と記録されない部分(未記録部)とで、反射率の差に対応する信号の変調度が従来に比べて大幅に低下するという問題が生じている。
更に、次世代光ディスクとして開発されているブルーレイディスク(以下、BDディスク)やHD−DVD用の追記型ディスクの場合は、現行のDVDよりも、さらにTPの狭小化及び記録マークの短小化が進み、信号の変調度は取り難くなる。例えば、青色レーザを使用した光ディスクでは、TPは、320nm〜400nm程度であるから、追記型ディスクの場合も、これと同等の狭TPになることが予測され、記録部と未記録部の変調度を高める技術の開発は重要となる。
このように、本発明は、記録マークの短小化及びTPの狭小化が進められている追記型の光ディスクを開発する際の技術的な課題を解決するためになされたものである。
即ち、本発明の目的は、変調度が大きい光ディスクを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、変調度が大きい光ディスク用基板の製造方法を提供することにある。
そこで本発明者等は鋭意検討の結果、光ディスク用基板の溝の底面を凸状の円弧形状にすることによって表面自由エネルギーを大きくしたところ、溝の底面形状が平坦な場合よりも光照射の発熱による形状変化が大きくなり、その結果、再生時に未記録部と記録部との反射率の差に対応する信号の変調度が大きくなることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成した。
即ち、本発明によれば、所定の高さのランド間に、ランドを含む断面凸型の円弧形状の底面を有するグルーブが形成された基板と、基板上に設けられ、光照射により光情報の記録又は再生が行われる記録層と、を少なくとも備え、円弧形状の底面の最大高さが、ランドの高さの3%〜20%の範囲であることを特徴とする光ディスクが提供される。
本発明が適用される光ディスクは、基板上に凸型の円弧形状の底面を有するグルーブが形成されていることにより、レーザ光照射時の熱による基板形状の変形が大きくなり、再生信号に基づく変調度を大きくすることができる。
特に、このような凸型の円弧形状の底面を有するグルーブが形成されている基板上に設けられる記録層としては、光照射により光情報の記録又は再生が可能な有機色素を含有する色素含有記録層が好ましく、有機色素の発熱反応により、基板の変形が大きくなる。また、記録層の上には、反射層をさらに設けられることが好ましい。
また、円弧形状の底面の表面粗さ(Ra)が1nm以下である平滑な面であることを特徴とすれば、記録再生時におけるノイズが減少するので好ましい。
また、光ディスクのグルーブのトラックピッチが300nm〜450nm程度の狭小化されたものであれば、記録マークの短小化及びTPの狭小化が進められている追記型の光ディスクにおける再生信号の変調度を増大させることができる。
一方、本発明が適用される光ディスクは、反応性イオンエッチング処理方法により、光ディスク用基板を形成することが好ましい。即ち、本発明は、所定の高さのランド間に凸型の円弧形状の底面を有するグルーブが設けられた基板を備えた光ディスクの製造方法であって、原板の表面に塗布されたフォトレジスト薄膜に情報パターンの潜像を形成後、潜像に基づく微細な凹凸形状をエッチングマスクとして反応性イオンエッチングを行い、原板に潜像を転写する工程を有する光ディスクの製造方法として捉えられる。
反応性イオンエッチング処理に際して使用される気体としては、炭化フッ素ガス、中でも、六フッ化メタンが好ましい。
かくして、本発明によれば、変調度が大きい光ディスクが得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。
図1は、本実施の形態が適用される光ディスクの層構成を説明する図である。
図1に示される光ディスク10は、所定の高さのランド間にグルーブが形成され、例えば、ポリカーボネート等の光透過性材料からなる基板1と、基板1上に積層された有機色素を含有する記録層2と、記録層2上に積層された反射層3及び保護層4とが順番に積層されている。光ディスク10は、基板1側から照射されるレーザ光5により、情報の記録・再生が行われる。
(基板)
図2は、基板を説明する図である。図2に示すように、基板1の表面には、所定の高さ(h)を有するランド11とグルーブ12とが交互に設けられ、所定のトラックピッチでランド/グルーブ構造が構成されている。ランド11間に設けられたグルーブ12の底面は、所定の高さ(q)で上側に凸型の円弧形状13が形成されている。円弧形状13を有する底面の、グルーブ12の両端を基準とした直線に対する最大高さ(q)は、ランド11の高さ(h)の3%〜20%、好ましくは、5%〜20%である。
円弧形状13の最大高さ(q)が過度に大きいと、グルーブ12の実効的な溝深さが浅くなり、入射するレーザ光に対する反射率が低下するので好ましくない。また、有機色素の発熱反応による基板1の変形量が減少し変調度が減少する。さらに、円弧形状13の両端のエッジ部分が非常に細くなることにより、例えば、射出成型の際に、金型からプラスチック製の基板1を剥離することが困難となり、エッジ部分に欠陥が発生するおそれがある。また、円弧形状13の最大高さ(q)が過度に小さいと、トラックピッチが狭小化した媒体に記録された光情報の再生信号に基づく変調度が低下する傾向がある。
グルーブ12の底面に形成された凸型の円弧形状13は、基板1の全体にわたり、総てのグルーブ12に形成される。従って、円弧形状13の最大高さ(q)がランド11の高さ(h)の20%を超えると、従来の平坦な形状の底面を有するグルーブに比べて、反射率が減少する。一般に、追記型光ディスクは、ROM(Read Only Memory)型光ディスクと再生互換を求められる事が多いため、反射率が高いROM媒体に比べて、大幅な反射率の減少は好ましくない。
ランド11の高さ(h)は、記録再生するレーザ光の波長に基づき計算され、最適な深さが設計されているため、円弧形状13の最大高さ(q)は、ランド11の高さ(h)に比例した高さが最適である。また、トラックピッチ(TP)は、通常、320μm〜440μm、好ましくは、360μm〜400μmである。ランド11の半値幅は、通常、TPの0.4〜0.5、好ましくは、0.425〜0.475である。グルーブ12の半値幅は、通常、TPの0.5〜0.6、好ましくは、0.525〜0.575である。
尚、グルーブ12の底面の表面積を大きくする方法として、円弧形状13の表面に細かな周期で凹凸形状を設けることが考えられる。しかし、このような凹凸形状を円弧形状13の表面に設けると、製造工程において、例えば、射出成型における金型と基板1との剥離性が低下し、スループット(単位時間当たりの効率)が低下することにより製造コストが増大する。また、微細な凹凸に起因して反射率の低下し、記録再生時におけるノイズ源にもなる。
このため、円弧形状13の表面は滑らかな面である必要があり、具体的には、円弧形状13の表面における基板1の半径方向の面粗さ(Ra)は1nm以下にすることにより、記録再生時におけるノイズが減少するので好ましい。同じ理由から基板1の円周方向の面粗さ(Ra)も1nm以下であることが望ましい。
このように、ランド11間に設けられたグルーブ12の底面が、所定の高さ(q)で上側に凸型の円弧形状13となるように形成されることにより、光情報の再生信号に基づく変調度が増大する理由は、次のように考えられる。
即ち、グルーブ12の底部を凸形の円弧形状13とした場合、底面が平坦な場合に比べて、表面積は大きくなる。基板1と記録膜との界面は、最小の面積になることが、最も安定な状態であるので、固体表面が大きくなると平坦な場合に比較して、一般に表面自由エネルギーは高い状態となっている。このため、記録時にレーザ照射により記録膜の溶解や分解が起きると、そのエネルギーにより基板1は安定な形状に変形しようとする。その後、更に熱が加わる事で、レーザ照射された記録部は大きく変形し、急冷されることにより、基板1上に通常よりも深いピットが形成されることになる。
その結果、記録部分の反射率が小さくなり、再生時に未記録部と記録部の反射率の差に対応する信号の変調度が大きくなると考えられる。
基板1は、記録光及び再生光の波長において光透過性材料であれば、種々の材料を使用することができる。例えば、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリル産メチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、非晶質ポリオレフィン等の高分子材料;ガラス等の無機材料等が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
次に、本実施の形態が適用される光ディスク10の他の層構成について説明する。
(記録層)
記録層2は、基板1上に直接又は他の層を介して形成される。記録層2の膜厚は、特に限定されないが、通常、グルーブ12の底から測定して、40nm〜120nmである。記録層2の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピナー法、浸漬法等、一般に行われている薄膜形成法が挙げられる。
記録層2を形成する有機色素としては、通常、光ディスク分野において使用されている有機色素であれば特に限定されない。例えば、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素等の大環状アザアヌレン系色素;シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等のポリメチン系色素;更に、ピロメテン系色素、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素等が挙げられる。
(反射層)
反射層3は、記録層2の上に形成され、反射層3の厚さは、通常、80nm〜300nmである。反射層3を形成する材料としては、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta及びPdの金属を、単独又は合金にして用いることができる。反射層3を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。
(保護層)
保護層4は、反射層3を保護するものであれば、材料は特に限定されない。例えば、有機物質としては、紫外線硬化性樹脂等を挙げることができる。また、無機物質としては、SiO、SiN、MgF、SnO等が挙げられる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。
保護層4の形成の方法としては、記録層2と同様に、スピンコート法又はキャスト法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法等の方法が用いられる。この中でもスピンコート法が好ましい。保護層4の膜厚は、通常、3μm〜6μmである。
(その他)
尚、本実施の形態が適用される光ディスク10には、基板1、記録層2、反射層3及び保護層4に加えて、必要に応じて他の層を設けることができる。
(光ディスクの製造方法)
次に、本実施の形態が適用される光ディスク10の製造方法について説明する。
光ディスク10の製造方法は、通常、ガラス板等の基板にフォトレジストを塗布した原板にランド/グルーブの潜像を形成し、現像液に曝してフォトレジストパターンを顕在化させ、続いて、フォトレジストパターンをエッチングマスクとして反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:以下、RIE)処理後、基板表面に残ったフォトレジストを除去し、フォトレジストパターンが転写されたガラス原盤を調製し、このように調製したガラス原盤表面に導電膜を形成し、ニッケル電気めっきを行い、ニッケル層をフォトレジストパターンを形成したガラス原盤から剥離することによってマスタースタンパを調製し、このマスタースタンパを用いて、2P法、射出成型法等によりフォトレジストパターンを表面に形成した基板を得、これに記録層、反射層等を設けて光ディスクを作成する。
図3は、光ディスク用基板の製造方法を説明する図である。
先ず、図3(a)に示すようにディスク状のガラス基板31上にシランカップリング剤32をスピンコートし、ポジ型のフォトレジスト33を塗布する(レジスト塗布)。次に、図3(b)に示すように、露光装置を用いてレーザ光でフォトレジスト33にランド/グルーブの潜像を形成する(レーザーカッティング)。ガラス基板31は、ガラス(SiO)の他、シリコン(Si)基板でも良いが、後工程のエッチング工程において面荒れを防ぐ為に、母材の純度が少なくとも99.99%以上の材料を使用することが望ましい。また、レーザ光によりフォトレジスト33を露光する際に、ディスクの回転数を一定に制御するため、レーザ光をディスク半径方向に規定の周波数で蛇行させる。次に、図3(c)に示すように、アルカリ現像液を用いる現像処理により、ガラス基板31上にフォトレジストパターン34を顕在化させる(現像)。尚、ネガ型のフォトレジストを用いた場合でも基本的には同様の工程になる。
続いて、図3(d)に示すように、フォトレジストパターン34をエッチングマスクとしてRIE処理を行い、図3(e)に示すように、ガラス基板31表面に残ったフォトレジスト33を苛性ソーダに30分間浸漬処理することにより除去し、フォトレジストパターン34が転写されたガラス原盤35を調製する(フォトレジスト除去)。次に、図3(f)に示すように、フォトレジストパターン34が転写されたガラス原盤35上に、例えば、Niをスパッタして導電膜36を形成し(電極形成)、その後、図3(g)に示すように、導電膜36が形成されたガラス原盤35上に、電鋳により、例えば、厚さ300μm程度のめっき膜37を形成し(めっき)、その後、めっき膜37を剥離し、洗浄、打ち抜き加工を行いマスタースタンパを作製する。次いで、図3(h)に示すように、マスタースタンパを成型機の金型に取り付け射出成型を行い、厚さ約0.6mm程度のプラスチック製の光ディスク用基板38を作製する。
光ディスク用基板38の成型は射出成型が製造コストの面から優れているが、加熱したマスタースタンパを樹脂に押し当て転写するホットスタンピング、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用して転写する方法でも作製可能である。
また、マスタースタンパを形成する方法としては湿式めっき法が適している。マスタースタンパの厚さは約300μm程度であるため、成膜速度の遅い物理蒸着法に比べて膜堆積速度の大きい湿式めっき法、特に電解めっき法がプロセス面で最適である。
尚、光ディスクは、このように作成した光ディスク用基板38上に、記録層、反射層及び保護層の順番で各層を積層し調製する。また、記録層の前後に、熱緩衝層や光干渉層として、SiO又は金属とSiOとを混合した膜を形成しても良い。
図4は、反応性イオンエッチング処理を説明する図である。RIE処理では、エッチング装置のチャンバー内を低圧力に保ち、高周波のバイアスを印加させると陰極上の試料と陽極と間でグロー放電が生じ、伝導度を持つ電離気体であるプラズマが発生する。RF信号が陰極側に印加されると、RF信号の正の半周期で移動度の大きい電子が正電位の電極に流れ込む。次の半周期で負電位になった陰極には、移動度の低いイオンはわずかしか流れないため、電子とイオンの数は非平衡となる。従って、陰極に電子の空間電荷を生じ、電子を跳ね返して過剰電子を減少させるようになる。この負にバイアスされている部分をイオンシースと呼び、プラズマ中の正イオンは、このイオンシースを通ってガラス基板に衝突する。
図4(a)に示すように、ガラス基板31上に顕在化されたフォトレジストパターン34をエッチングマスクとしてRIE処理を行う場合は、イオンシース内において、電子は減速され、表面の負電位により正イオンは加速されるため、フォトレジストパターン34のレジストとガラス基板31表面とで荷電分離が生じ、ミクロなチャージングが発生する。
次に、図4(b)に示されるように、レジスト表面は負に帯電し、一方、グルーブ底では正のイオンが多くなるため正に帯電する。イオンシースで加速された正イオンは、グルーブ底まで到達するが、グルーブの底は電気的に正であるため側壁部に進み、サイドエッチングが発生する。ぞして、図4(c)に示すように、サイドエッチング現象の発生率はグルーブとランドの境界部が最も大きく、グルーブ中心部に近づくほど小さくなるので、グルーブの底は凸型の円弧形状となる。また、このサイドエッチング現象は、正イオンとイオンシースへの突入に起因する為、RIE処理に用いる気体の圧力を調整することにより制御可能である。気体の圧力を低圧にすれば、正イオンがグルーブ底に到達しやすくなるため、円弧形状の高さは高くなる。また、気体流量や気体の種類を変更することにより円弧形状の高さは変化する。
このように、本実施の形態が適用される光ディスク10は、凸型の円弧形状の底面を有するグルーブを形成することにより、レーザ光照射時の熱による基板形状の変形が大きくなり、追記型ディスクにおける変調度を大きくすることができる。
また、本実施の形態によれば、グルーブ底面の形状を変更するだけで、現状のディスク製造工程や記録層の種類を変更することなく、DVD−Rのような狭TP、短マークの追記型ディスクにおける記録後の変調度を増大し、更に、次世代光ディスクにおける同様の問題も解決する事ができる。
また、基板の表面形状のみを変更するため、記録層に有機色素膜を用いた光ディスク及び金属膜を使用した追記型記録媒体の両者に適用可能である。
以下、実施例に基づき本実施の形態をより詳細に説明する。尚、本実施の形態は実施例に限定されない。
(光ディスクの調製)
表1に示す条件でRIE処理を行って調製したマスタースタンパを用いて、射出成型により、表1に示すように、所定のランド高さ(h)及び凸型の円弧形状のグルーブ底面の最大高さ(q)に形成されたランド/グルーブ構造を有する光ディスク用基板を形成した。光ディスク用基板の厚さは約0.6mm、トラックピッチ、グルーブ半値幅、ランド半値幅は表1に示すとおりである。この光ディスク用基板上に、アゾ系の有機色素をスピンコートし、厚さ60nmの記録層を形成し、その上に、スパッタリング法により厚さ150nmのAgの反射層を形成し、さらに、反射層の上に紫外線硬化樹脂にて厚さ3μmの保護層を設けた。このように調製した2枚のディスクを、保護層が対向するように接着剤により張り合わせ、厚さ約1.2mmの光ディスクを調製した。
また、比較のため、底面が平坦なグルーブを有する光ディスク用基板を形成し、記録層、反射層、保護層を設けた後、同様に光ディスクを作成した。
図5は、底面が平坦なグルーブを有する光ディスク用基板の製造方法を説明する図である。図5(a)に示すように表面を平坦に研磨したガラス基板上にレジストを塗布した原板を調製し(レジスト塗布)、図5(b)に示すように、露光装置を用いてレーザ光でパターンを露光した(レーザーカッティング)。フォトレジストの厚さは102nmとし、現像後にランドの高さが100nmになるよう設計した。露光は、基板成型後にディスクの回転数を一定に制御するため、レーザ光をディスク半径方向に規定の周波数で蛇行させた。
次に、図5(c)に示すように、この原板をアルカリ現像液で現像し、ガラス基板上にフォトレジストパターンが形成されたガラス原盤を作製した。このガラス原盤のグルーブの底面は、研磨されたガラス面が露出するため、非常に平坦で平滑な面である。次に、図5(d)に示すように、スパッタリング法によりNi導電膜形成後(電極作成)、図5(e)に示すように、めっきを行い(めっき(電鋳))、その後、図5(f)に示すように、電鋳部分を剥離し、マスタースタンパを作製した。続いて、図5(g)に示すように、このマスタースタンパを成型機の金型に取り付け、射出成型によりグルーブ底が平坦な光ディスク用基板を作成した。
(実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例3)
表1に示す所定のランド高さ(h)及び凸型の円弧形状のグルーブ底面の高さ(q)に形成されたランド/グルーブ構造を有する光ディスクを、線速6.6m/secで回転させ、開口数0.65の対物レンズで集光した波長405nmのレーザ光で記録再生を行い、記録パワー11mW、再生パワー0.3mWの条件で、短マークである3T(0.306μm)の孤立ピット及び3Tスペースを連続して記録し再生した。また、同様に、長マークである8T(0.816μm)の孤立ピット及び8Tのスペースを連続して記録し再生した。3T及び8Tの変調度は、それぞれ10回の測定値を平均したものである。また、光情報が記録されていない部分の未記録部反射率(単位:%)を測定した。尚、比較例3は、グルーブ底が平坦な光ディスク用基板を用いて調製した光ディスクを使用した。結果を表1に示す。
Figure 2006048843
表1に示す結果から、底面が凸型の円弧形状であるグルーブを有する光ディスク用基板上に記録層を設けた光ディスクは、円弧形状の底面の最大高さ(q)がランドの高さ(h)の3%〜20%の場合(実施例1〜実施例5)、底面が平坦なグルーブを有する光ディスク用基板上に記録層を設けた光ディスク(比較例3)と比べ、記録時におけるレーザ光の照射により、光ディスク用基板が記録層と供に大きく変形し、その結果、光情報の記録部と未記録部との反射率に起因する変調度が増大することが分かる。
これに対して、円弧形状の底面の最大高さ(q)がランドの高さ(h)の20%を超える場合(比較例1〜比較例2)は、光情報の記録部と未記録部との反射率に起因する変調度が、底面が平坦なグルーブを有する光ディスク用基板上に記録層を設けた光ディスク(比較例3)より更に減少することが分かる。
本実施の形態が適用される光ディスクの層構成を説明する図である。 基板を説明する図である。 光ディスク用基板の製造方法を説明する図である。 反応性イオンエッチング処理を説明する図である。 底面が平坦なグルーブを有する光ディスク用基板の製造方法を説明する図である。
符号の説明
1…基板、2…記録層、3…反射層、4…保護層、5…レーザ光、10…光ディスク、11…ランド、12…グルーブ、13…円弧形状、31…ガラス基板、32…シランカップリング剤、33…フォトレジスト、34…フォトレジストパターン、35…ガラス原盤、36…導電膜、37…めっき膜、38…光ディスク用基板

Claims (7)

  1. 所定の高さのランド間に、ランドを含む断面凸型の円弧形状の底面を有するグルーブが形成された基板と、
    前記基板上に設けられ、光照射により光情報の記録又は再生が行われる記録層と、を少なくとも備え、
    前記円弧形状の底面の最大高さが、前記ランドの高さの3%〜20%の範囲であることを特徴とする光ディスク。
  2. 前記記録層が、光照射により光情報の記録又は再生が可能な有機色素を含有することを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
  3. 前記記録層上に設けられた反射層をさらに有することを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
  4. 前記円弧形状の底面の表面粗さ(Ra)が1nm以下であることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
  5. 前記グルーブのトラックピッチが300nm〜450nmであることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
  6. 所定の高さのランド間に凸型の円弧形状の底面を有するグルーブが設けられた基板を備えた光ディスクの製造方法であって、
    原板の表面に塗布されたフォトレジスト薄膜に情報パターンの潜像を形成後、前記潜像に基づく微細な凹凸形状をエッチングマスクとして反応性イオンエッチングを行い、前記原板に当該潜像を転写する工程を有することを特徴とする光ディスクの製造方法。
  7. 前記反応性イオンエッチングは、炭化フッ素ガスを用いることを特徴とする請求項6記載の光ディスクの製造方法。
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